7月19日(土) [惣流アスカラングレー]

今日はシンジが風邪ひいちゃったのよね
あの雨の中傘もささずに帰ってくるからよ
ほんとシンジってばかよね
それにしてもなんで私一人でシンジの看病しなきゃならないのよ













風邪の処方箋
交換日記番外編



ゆきうら







「シンジ、大丈夫?」
とはいってみたもののシンジはかなり苦しそう
お医者さんが言うには肺炎寸前だったんだって
無理して雨の中帰らなくてよかったのよ、それに電話の一つでもすれば私がかけつけてあげたんだから
ほんとにばかよね
でもかわいそう、顔も真っ赤だし、熱も相当あるわ
ここにいるのは私とシンジの二人きり。ミサトはなんだかよくわかんないんだけど正体不明の生命体が地球に近づいてるとかでネルフにいってるしファーストも多分おなじね。 でもシンジを一人にするわけにはいかないから私だけ残ったの
とりあえず今はタオルをぬらして額に当ててるけどこれだけじゃないわよね看病って
日本では風邪のときはおかゆを食べるって聞いたことがある。さっそく料理の本を読んでみた、お米をなべで炊くのね、なんだ簡単じゃない
でも作ってみるとなんだかドロドロしててまずそうよねこれ、こんなもの食べてよけい気分を悪くならないかしら
部屋に持っていったらシンジが起きてたからちょうどよかったわ、シンジを起き上がらせるの大変だったけどシンジをが私を頼っているのが手に伝わってきてちょっとうれしかった。 おかゆ作ったから食べてっていったら

「ありがとうアスカ、でも今食べたい気分じゃないんだよね」って

ムッ、駄目よ、食べなきゃいつまでたって治らないのよ。それとも私が作ったものは食べられないってえの

「そ、そういう訳じゃないよ・・・、わかったよ食べるよ」

まったく、世話が焼けるわね
じゃあ食べさせてあげるっていったらシンジ照れくさそうに

「いいよ、自分で食べれるから」

駄目よ、あんた病人なんだから・・・それに、それくらいさせてよね
おかゆをスプーンですくいフーフーしてから食べさせたの
そしたらシンジの顔がもっと真っ赤になっちゃっておかしいの
でも私の顔も真っ赤になってたと思う
一通り食べさせて薬を飲ませた後シンジをまた横に寝かせたの
シンジ何か欲しいものある?って聞いたら

「冷たいものが欲しい」って

でも冷蔵庫に何もなかったから買物に出かけたの
そう言えば買物なんて一人でいったのはじめてね、いつもはシンジがいってたし、二人でいったこともあったけど
買い物してたらヒカリとばったり会ったの、ヒカリにシンジの風邪のこと伝えたら
「そうだったの、大変ね。でもさっきのアスカ結構楽しそうに買い物してたわよ」って
私そんな顔してたかしら、変よねシンジのこと心配なのに・・・

帰ってくるとシンジは眠っていた、風邪引いたときには寝たほうが一番よね
私はずっとシンジのそばにいて看病してあげたの、シンジを見てるとそうせずにはいられなかった
なんか守ってあげたくなるような感じね、いままでそんなこと思ったことなかったけど、なぜかいい気分、何だろうこの気持ち・・・






「・・・・・・・・さん・・・・・・・」


なに?シンジ


「・・・・・母・・・・さん・・・・・・」


シンジかなりうなされてる、悪い夢でも見てるのかしら、なんだか苦しそう


「・・・・・どこにいるの・・・・母さん・・・・」


シンジが腕を上げて何か求めてる感じ


思わずその腕を握り締めた私はこういったの


ほら、母さんよ・・・・


「・・・・・母さん・・・・・よかった・・・・・もう一人にしないで・・・・」


大丈夫・・・・シンジは一人じゃないわ・・・・・


「・・・・・ありがとう・・・・母さん・・・・・」


シンジの顔が安らかなものに変わった

よかった・・・

・・・そうか、これだったのね

私がシンジを守りたい気持ち、それはママの気持ちだったのね

私はママの愛情をたくさん受けなかったけど、シンジに対して起こるこの気持ち、

これがママの愛情なんだってことわかる、

じゃあ今日は一日シンジのママになってあげる、ちょっと恥ずかしいけどね









・・・でもイヤ・・・






















私はシンジのママなんかじゃない








私はシンジのママなんかになれない








私はシンジのママになんかなりたくない






だって・・・









シンジのママだったらこんなことできないもの









そういって私はシンジの唇に私の唇を重ね合わせた・・・・・・・





7月19日(土) [惣流アスカラングレー]

今日はシンジが風邪ひいちゃったのよね
あの雨の中傘もささずに帰ってくるんだから
ほんとシンジってばかよね
それにしてもなんで私一人でシンジの看病しなきゃならないのよ



でもうれしかった・・・シンジが私の作ったおかゆを食べてくれたこと
シンジが私を頼りにしてくれたこと



そしてわかったの・・・やっぱり私はシンジのことが好きなんだということが
今まで素直じゃなかった、でも今なら正直に言える気がする。
大好きよシンジ・・・







この日記、シンジも読むわよね・・・。
シンジは私のことどう思っているのかしら、嫌いではないと思う
でも好きなのかどうかはわからない、シンジはどういうタイプの女の子が好きなのかしら
もしかしてファーストみたいな女の子がすきだったりして
どうなの・・・シンジ・・・

私も寝ようかな、今日は私もちょっと疲れたわ
おやすみシンジ・・・・・シンジのこと考えてたら胸が熱くなって眠れない・・・・
でもなぜかそれがうれしい・・・これが好きっていう気持ちなんだ・・・ありがとうシンジ






翌日







「アスカ、大丈夫」
「大丈夫じゃないわよ!まったくよくもうつしてくれたわね」
「ご、ごめん」
「謝ってる暇があったら、早く私のためになんか作りなさいよ」
「わ、わかったよ、じゃあおかゆでも作るからちょっと待っててね」
「まったくとろいんだからシンジは・・・それからさっきから黙ったまんまでいるあんたは何しに来たのよ、ファースト!」
「・・・・・・・・・・・・・・・・お見舞い」
「本当かしら、シンジの看病がしたくて来たんじゃないの、」
「・・・・・・・・・・・元気そうね・・・・・じゃ私は碇くんを手伝ってくるわ」
「ちょっとその間はなによ、やっぱりそうなんじゃない」
「まあまあアスカ落ち着いて、病人なんだからもうちょっとじっと寝ていたらどうなの」
「わかってるわよ。それよりミサト、生命体とかはどうなったのよ」
「なんかかってに消えちゃったわ、いまとなってはなんだったのかすらわからないわ
でもそれのおかげでアスカはシンちゃんと二人きりになれたわけよねぇ
あんまりべったりくっついてたから風邪うつっちゃったんじゃないのぉ」
「う、うるさいわね、そんなこというと今度はミサトにうつしてやるわよ」
「おー恐い恐い。でもちゃんと寝とくのよ」
しかしミサトの言うことにも一理あった
「やっぱりあれが一番の原因かしら」
昨日のことを思い出しアスカはよけい赤くなった
「アスカ大丈夫、また熱あがったんじゃない」
「シ、シンジ!大丈夫よ。それより今日の日記あんたの番だから書きなさいよ」
「うん、わかったよ。それよりおかゆできたから食べたら、今日は僕が食べさせてあげるよ」
「いいわよ、自分でできるわよ。それにミサトやファーストに見られたらなにいわれるかわかんないわよ」
「それもそうだね、あっ昨日はありがとう、おかゆおいしかったよ」
「ほんと!まっ私が作ったんだから当然だけどね」
「そ、そうだね」
「なにどもってんのよ・・・まあいいわ・・・うん、シンジのおかゆもおいしいわよ」
「そう、よかった」
「もうちょっとうれしくしなさいよ」
「ご、ごめん・・・」
「プッ、なにあやまってんのよ」
「そ、そうだね・・・」
「あはは」「あはは」

「もう横になった方がいいよアスカ、僕も日記書いた後すぐ寝るから」
「そうね・・・じゃあシンジ」
「なに?」
「おやすみのキスして」
「な、なにいってるんだよ!」
「冗談よ」
「そ、そうだよね」
「あらっほんとはしたかったのかしら」
「ちがうよ!」
「フフッじゃあおやすみ、シンジ」
「おやすみ、アスカ」









7月20日(日) [碇シンジ]

今日起きたら風邪はもう治ってた
でも変わりにアスカが風邪ひいちゃったみたい
多分僕の風邪がうつったんだね
人に風邪うつすとすぐ治るって言うのは本当なんだ
ごめん、アスカ


昨日のことは頭がボーとしててあまり覚えてないんだけど
アスカが看病してくれていたのはちゃんと覚えている
だから僕も安心して眠れたような気がする


アスカ・・・ありがとう









ps.ところでアスカ、昨日の日記なんだけど
どうして下半分真っ黒に塗りつぶしてるの?
駄目だよみんなが使う日記なんだからね
大切に使わないと









THE END









あとがき
ゆきうらと申します
読んでくださってありがとうございます。
自分でこれを見てても小説じゃないよなって思ってます(^^;)
一応日記風にしてみようと思いこうしてみました
もしよろしければ感想などいただけると、とてもうれしいです
ちゃんとレス書きますので
ではこの辺で・・・あらためてありがとうございました





50000Hit記念投稿の第三弾は、ゆきうらさんです!
ゆきうらさん、ありがとうございました!!

ゆきうらさんはこれがデビュー作だそうです。
大切なデビュー作に私のページなんぞを選んで下さって、ありがとうございます。
しかも、私が毎日煩悩全開で続けている『交換日記』ネタで・・・
本当に、本当に、嬉しいです!

らぶですねぇ・・ 愛がありますねぇ・・ いいですねぇ・・
読んだ後に、微笑みが浮かんでしまいます(^^)
こういった作風は、とても羨ましいです。


また、ゆきうらさんはいつも私に感想を送って下さいます。
しかも毎回毎回、とても内容の濃い感想で・・・
その点でも、非常に感謝しております。

ゆきうらさん、本当にありがとうございました!!


皆さん、ゆきうらさんへ、是非感想メールを!


ゆきうらさんへのメールは ゆきうらさん [yukiura@mb.infoweb.ne.jp]






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