この【SS】は少年エース9月号の表紙を見て速攻で書いたものです。こんな
雰囲気っす、私の書くものは・・・皆さんの嗜好にあうかな?(^^;

ということで、とりあえず探りを入れてみましたぁ(笑)



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【SS】初めてのツーショット
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『シンちゃ〜ん、アスカぁ〜。ほら〜こっち見て笑って』

手に小さなカメラを持ったミサトの緊張感の無い声がマンションのすぐ近くの
公園に響く。

『そんなこと言ってもさぁ、シンジがさぁ・・・』

アスカはそう言うと、ちょっと不満そうにすぐ側で妙に緊張しているシンジを
チラッと覗き見る。シンジはその視線に気づくと条件反射のようにいつもの言
葉を口にする。

『あ、その、ごめん』

写真を撮られることが苦手なのか、それともアスカと二人で写真を撮られるこ
とを意識して緊張しているのかカメラを向けると妙に表情がこわばってしまう
シンジだった。

『また、謝る〜。そのクセなんとかしなさいよ』
『ご・・・あ、うん』

また謝ってしまいそうになったシンジだったがなんとか耐える。しかし問題は
解決していない、結局カメラを向けると表情がこわばってしまうのである。

なんとか自然なシンジとアスカの表情を写真に撮っておきたいミサトと、初め
てシンジと一緒に写る写真をいいものにしたいアスカは目で会話する。
実はこういう事態に陥るだろうと予測していた二人はシンジ抜きで打ち合わせ
済みであった。

『(いいミサト。例の打ち合わせどうりやるわよ)』
『(やっぱりやるのね。シャッターチャンスはまかせておきなさい)』

お互い半角カナでニヤリと笑うと、作戦を開始した。

ミサトはシンジの注意を引くようにカメラを向けてひたすら話しかける。視界
の端には作戦行動を開始したアスカを捕らえている。タイミングを見計らって
アスカとの計画どおり所定の場所にシンジを誘導する。

『ほら、シンちゃん。緊張しないで・・・そこのベンチに座って』
『は、はい』

一方、アスカはカメラを向けられて緊張しているシンジの後ろに静かに近づく
と、シンジの座ったベンチの反対側のベンチに膝立ちで座る。そして、ミサト
の準備が整ったことを確認すると後ろから抱きつく要領でそっと両手を廻す。

『シ〜ン〜ジぃ』
『えっ?』

突然のことに驚いたシンジは顔の前に出された腕の両手首あたりをつかんでし
まう。振り向くとすぐ目の前にはアスカの顔。女の子らしいフワッとしたいい
香りがシンジの鼻をくすぐる。アスカの突然の行動に驚いたせいか、それとも
すぐ近くに異性を感じたせいかシンジの頬は赤くなっていた。

こんなおいしいシャッターチャンスを逃がすミサトではなかった。準備万端、
千載一遇の見事なタイミングでシャッターを押した。

カシャッ

・・・それから、シンジとの初めてのツーショット写真はアスカの大切なもの
のひとつになったらしい。

                              《終わり》

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さあ、どうかな?(笑)






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