MAZDA 767B

88年にデビューした4ローターマシン・767の改良版モデル。チタン系素材の採用などで、IMSA-GTPクラスの最低車重794kgに合わせた徹底的な軽量化が施されている。コクピットの右側にオイルクーラーとエギゾースト、左側に2個のラジエターを配したことも特徴。
エンジン呼称は767同様「13J改」だが、550psから630psへの大幅なパワーアップを果たした。これには、インターミディエイト・ハウジングのアルミ化を始め、窒化珪素系の特殊セラミック製アペックスシールの採用やサイドハウジング摺動面のセラミック溶射などの新素材の活用と、エンジン回転数と負荷によって2段階に吸気管長を変え高いトルクを発生する可変吸気システムが大きく寄与している。
写真は90年のル・マン仕様。スロットルレスポンスを改善したエンジンには「13JL」という呼称が与えられた。
89年のル・マンでの767Bの活躍は圧巻だった。予選で従野孝司選手が日本人ドライバーのコースレコードとなる驚異的なタイムで、202号車を16番グリッドに導いた。決勝でも出走した3台全車が完走、日本車最高位タイ記録の7位に入賞した201号車は368周(=4980km)を走破し、この到達距離は現在もRE車レコードとなっている。
<エンジン>
13J改(13JL) 654cc×4ローター 630ps/9000rpm,
52kgm/8000rpm
<戦績>
1989 IMSA・デイトナ24時間レース 総合5位
1989 ル・マン24時間レース
No.201 - 予選28位/決勝7位(IMSA−GTPクラス優勝)
No.202 - 予選16位/決勝9位
No.203 - 予選34位/決勝12位
1990 ル・マン24時間レース
No.203 - 予選34位/決勝20位(IMSA−GTPクラス優勝)

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