COSMO SPORT

東洋工業が苦難の研究開発の末に実用化したロータリーエンジン。記念すべき最初のRE搭載モデルは、1964年、66年と2度にわたる東京モーターショーへの参考出展を経て「コスモスポーツ」として発売された。時は1967年5月のことであり、本家NSU社よりも早く世界初の2ローターRE搭載車としてデビューを果たした。
L10A型と称される初期型に搭載された10Aユニットは、1000ccに満たない総排気量ながら、ダブル・イグニッションと9.4の高圧縮比から110psの最高出力と13.3kg・mの最大トルクを発生した。フルシンクロの4速マニュアルミッションとの組み合わせで、最高速度185km/h、SS1/4マイル16.3秒という快足を誇った。
REの誕生をよりセンセーショナルにしたのが、コンパクトなREを活かして車高を低く抑えた斬新なアピアランスであることは間違いない。スポーツカーの名に相応しく流麗で、かつ革新的なデザインは、どの角度からも一目でそれと分かる個性的なものである。月産は約30台、価格は148万円と高価であった。
デビューした翌年の1968年には、西ドイツ・ニュルブルクリンクで開催された過酷な耐久レース「マラソン・デ・ラ・ルート84時間」に「マツダ110S」の名で初参戦。見事完走し総合4位入賞という快挙を成し遂げた。
<エンジン>
★10A 491cc×2ローター
110ps/7000rpm 13.3kgm/3500rpm
<主要諸元>(L10A)
全長×全幅×全高 : 4130×1590×1165
(mm)
ホイールベース : 2200 (mm) 車両重量
: 940 (kg)
サスペンション(前) :
ダブルウィッシュボーン
サスペンション(後) :
車軸式リーフ
ブレーキ(前/後) :
ディスク/ドラム
タイヤ&ホイール : 6.45H14-4PR 4.5J

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