MAZDA MX−R01
(1992)



 
1992 Le Mans



 搭載エンジンを3.5Lの自然吸気レシプロに限定するというSWCレギュレーションの変更に伴い、マツダが長年続けてきたREでのル・マンや世界戦への出場は92年から不可能となってしまった。こうした背景から、マツダ初の耐久用レシプロマシン・マツダMX−R01は誕生した。

 シャシーは、ジャガーXJR−14で実績のある英国・TWR社の製作によるもので、お馴染みナイジェル・ストラウド氏がコーディネート役を務めた。
 エンジンは同じく英国のEDL社との共同開発となるV型10気筒エンジン「MV10」で、SWC戦用のスプリント仕様と、ル・マン用の耐久仕様の2種類のエンジンを用意した。
 注目された92年のル・マンでは、前年の総合優勝の勢いそのままに、ニューマシンMX−R01は印象に残る活躍を見せた。レース序盤、降りしきる雨の中でバイドラ−選手駆る5号車がTOPのプジョーを鮮やかにオーバーテイク、再び総合首位を快走したのである。最終的にはミッションのリンケージ破損で4位にとどまったが、激しいTOP争いを演じるMAZDAの新たな挑戦を強烈に印象付けた。
 ダウンフォースを強めた仕様の5号車に対し、ローダウンフォースセットで臨んだ6号車も活躍が期待されたが、クラッシュによりリタイヤとなった。

 初のレシプロマシンでのル・マン好結果に翌年以降の活躍が大いに期待されたが、92年のシーズン終了後、突然マツダがル・マン参戦の休止を発表。MX−R01はその高い基本性能を熟成させる場も与えられずに、僅か1年で姿を消すこととなった。
   
  MX-R01 787B
Category Gr.C Gr.C (Category-2)
Engine MV10 DOHC 40valves (3497cc) R26B 4Rotors (654cc x 4)
Max Power over 600PS / 9000rpm 700PS / 9000rpm
Max Torque 62kg-m / 6500rpm
Chassis Carbon Composit Monocoque Twin tube
Carbon Composit Monocoque
Suspension
(Fr) Push Rod Inboard Torsion Bar Pull Rod Outboard Springs
(Rr) Push Rod Inboard Springs Locker Arm
Wishbone Inboard Springs
Transmission TWR 6 speeds Mazda & Porsche 5 speeds
Dimensions
Length 4800 mm 4782 mm
Width 2000 mm 1994 mm
Height 1030 mm 1003 mm
Tread (Fr) 1658 mm 1534 mm
(Rr) 1558 mm 1504 mm
Wheelbase 2800 mm 2662 mm
Weight 750 kg 830 kg
Tires MICHELIN (at LeMans) DUNLOP
Size(Fr) 320-630-R17 300-640-R18
(Rr) 360-710-R18 355-710-R18
Wheels Speedline Forged Magnesium RAYS
Size(Fr) 13 x 17 inch 12 x 18 inch
(Rr) 14.75 x 18 inch 14.75 x 18 inch
Others
Damper Bilstein
Spark Plugs NGK
Brake Rotor  Carbon Industries
Brake Bad Brembo Carbon Industries
Clutch AP 4 Plate Metal Discs Borg & Beck Triple Plate