My Impression (Test Drive at
Yamaguchi-Mazda in August.2000 )
私は家族が96年式のユーノス800を所有しているので、新型ミレーニアは興味深々の試乗となりました。
まず走り出す前に気付くのが、新しく採用されたハイコントラストブラックアウトメーター。イグニッションキーを捻ると、赤い指針と白い文字盤が順次浮かび上がるもので、マツダでは昔ユーノスコスモに採用されていました。これからの楽しいドライブを予感させ、思わずワクワクさせてくれるアイテムといえます。また、忘れてはならないのがドアやトランクの開閉音。旧モデルと比べ著しく重厚なものに生まれ変わっており、ようやく高級車としての風格が備わった感じです。その他にも、センターコンソール内のカップホルダーや灰皿、グローブボックスの開閉にもダンパーの効いた上質なタッチが感じられるようになりました。

グレー調になった内装(展示車)
走り出してすぐ感じるのはボディのしっかり感の向上です。旧型ミレーニア/ユーノス800では、よく言えばソフトな味わい、悪く言えば幾重ものゴムブッシュの介在を意識させるようなダルな乗り味でしたが、この新型25Mスポーツパッケージではステアリング操作に対するロールや、ブレーキペダルを踏んだときのピッチングの発生が、素早くかつ収束の早い気持ち良いものとなり、アクセルオンに対するエンジンの吹け上がりもクイックになっていることから、全ての操作にわたってレスポンスが良く、ドライバーがクルマとの対話を意識して楽しめるようになっています。やはりこの辺りは、ボディおよびサスペンションパーツの剛性アップ対策がもっとも効いていると思われます。ともかく、旧型オーナーなら泣いて悔しがる程の進化の跡が見られます。
V6エンジンは依然高回転では心地良いサウンドを響かせてくれますが、アクセルレスポンスが改善されたことでより一層スポーティに感じられるようになっています。いまや搭載車種の少なくなったマツダオリジナルのV6エンジン・Kシリーズですが、さすがに静粛さや振動の少なさは抜群です。実用燃費としては8km/L前後でしょうか。
ステアリングも握り易い太さで、インパネのスイッチ類の配置も適切でとても操作しやすいと思います。それと、シフトレバーの操作タッチも確実に改善されていましたが、これは直前モデルからの改良点かもしれません。
あえてリクエストを挙げるとすると、ミレーニアは3BOXセダンとしてはリアウィンドーがかなり傾斜しているスタイルなので、降雨時の後方視界確保のためにはリアワイパーがぜひとも欲しいですね。それから、リアセンターアームレストにはカップホルダーが装備されるなど工夫されているのですが、運転席周りにもう1〜2ヵ所の小物収納スペースがあったらと思います。でも個人的にこのインパネデザインは秀逸だと思うので、カタチを崩さないまま収納スペースを追加するのは難しいでしょうね。
あと、オートクルーズコントロールや助手席パワーシートが25Mラグジュアリーパッケージ専用装備となったことは至極残念で、せめてメーカーオプションで選択肢を残してくれたら良かったと思います。本来「便利さ」と「豪華さ」とは意味が違うはずですが…。
結論的には、今回のミレーニアはとくにダイナミック性能面でマイナーチェンジレベルを超える大きな進化を遂げたと言えるでしょう。私は直接の比較対象となり得る旧型モデルが身近にあるので、とにかく乗り込んでから走り終える瞬間まで感心することしきりでした。
ざっと室内を見渡しても、上質感の向上や使い勝手の改善にきめ細かい配慮がなされていて嬉しかったですね。いいクルマになったと思います。
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