<旧車シリーズ 824>


DAIHATSU SDF7型


 
終戦後、500kg積みのSE型/SSE型でオート3輪の生産を再開したダイハツは、1947年の小型車規定拡大をキッカケに、着々と大型化・高性能化を進めていった。1950年にはV型2気筒エンジンを搭載したSSH型が登場し、1952年のSN型からは待望のフロントカウルが、1954年のSX型からは2灯式のヘッドランプが採用され、そのスタイルも徐々に洗練されていった。そして1955年末には、750kg積みのSCA型(736ccSV)を底辺に、1トン積みのSCB型(794ccOHV)およびSCE型(1135ccSV)、2トン積みのSCO型(1480ccOHV)と幅広い商品ラインナップが確立していた。中でもSCO型では他のモデルに先立ってエンジンが水冷式となり、フロントウィンドウは1枚モノの曲面ガラスとなっていた。
 翌1956年には1トン積み車もエンジンが水冷化され、最高出力30psのV型2気筒OHV・1005ccエンジンを得てSDF型となる。この頃には方向指示器はウィンカー式が主流となっており、SDF型にもダイハツカーブライトと呼ばれる大型のサイドマーカーが装着されていた。8尺と10尺荷台を持つ1.5トン積みのSSDF型も同時に発売された。


 
SDF型はSDF7/SDF8、SSDF型はSSDF8/SSDF10というラインナップですが、数字の部分は荷台長さを尺単位で表したもので、とても判りやすい形式表記です。この頃すでに2トン積み車にはオート3輪最長となる13.5尺車が登場しており、その荷台長はじつに4.1mに達したというから驚きです。
 この「2灯式+スリットグリル+ダイハツカーブライト」の組み合わせをもって、お馴染みのダイハツ顔はほぼ形成完了という感じですね。


推定年式:1956
撮影時期:2002年5月
撮影場所:石川県小松市二ツ梨町 日本自動車博物館にて