<旧車シリーズ 808>


GIANT AA4型改


 
民需産業への転換を図る愛知起業(後の愛知機械工業)は、戦前に存在した小型三輪車・ヂャイアント号の製造販売権を帝国精機から買い取り、様々な改良を施した新たなヂャイアント号として1947年4月から発売した(AA1型)。かくしてAA1型は、戦後のオート3輪初の水冷エンジン搭載車として、独自のブランドイメージを築くことに成功した。水冷単気筒636ccのOHVエンジン(AE4型)は最高出力16psを発生した。
 その後AA1型は改良型のAA2型を経て、1948年の法規改正に伴なって全長/全幅を大型化したAA3型へ発展した。翌1949年にはその派生モデルとして消防車バージョン(AA4型)が登場する。
 元々消防車は少量生産しか見込めない車種だが、自動車メーカーでれっきとした型式を取得し、正規ラインナップ化したのはヂャイアント号のみの試みであった。このため、後のAA10型消防車(AA6型ベース)以降では生産規模が拡大し、全国津々浦々の消防署にヂャイアント号が配備されるようになっていくのである。


 最終的にはAA26型/AA14型まで発展し、4気筒の1500ccエンジンまで搭載するようになったヂャイアント号達ですが、特徴的なボンネットタイプのキャビンを採用したのは1951年のAA6型/AA7型からで、戦前型の剥き出しスタイルはこのAA3/AA4型が最後ということになります。
 写真のAA4型は元々消防車だったものを、オーナーさんが普通のトラック仕様として復元したものだそうです。ということは、さしずめAA3型辺りがモチーフとなったんでしょうかね。

推定年式:1949
撮影時期:1989年1月
撮影場所:東京都新宿区神宮外苑 '89ニューイヤーミーティング会場にて