1981年5月に発売されたこのレンズは、1979年6月に発売されてベストセラーとなったFD35−70mmF4にオートフォーカス機構を組み込み、一眼レフカメラでのピント合わせの自動化を実現したレンズです
このレンズはキヤノン独自開発のSST(Solid State Triangulation=可動部のない固定化された三角測量)方式による自動焦点機構を持つ史上初のオートフォーカスズームレンズ(マニュアルフォーカス可)です
SST方式は、2枚の固定ミラーからセンサーに入ってくる被写体情報を電気信号に変換し、それをマイクロコンピュータが演算して距離測定を行い、モーターで距離リングを動かしてピント合わせを行うシステムです
高い分解性能と低輝度から高輝度まで検出するセンサー(最新技術の固体撮像素子CCD(電荷結合素子))を採用し、被写体のコントラストやパターンの大きさなどの影響を受けにくく、精度の高い自動ピント合わせを可能としました
また、このSST方式は、測距機構に可動部がないことから、振動や電気ノイズなどの発生がなく、高級一眼レフカメラにふさわしい高信頼性を備えており、すべてのFDマウントのカメラで使用することができます
AFスイッチを押すたびに0.5秒の速さでピントを合わせてくれ、距離リングはサーボコントロールされているため停止位置の精度は高く、AFスイッチから指を離してもピント位置は変化せず維持されます
発売時価格は89,500円、レンズ構成8群8枚、絞り羽根枚数6枚、最小絞り22、最短撮影距離1m(MFで0.5m)、最大撮影倍率0.15倍、フィルター径52mm、最大径x長さ:85x99.5mm、質量604g、電源:単三電池2本
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