象気功
象気功

本日の御神託


ザリガニを食べたかった子供のころのあたし


ううむ、なんだ、アフリカではアメリカザリガニが大繁殖して他の種や動植物を食い荒らして困ってるつーよーなニュースがあったのであるが、ザリガニは懐かしいねしかし。

ン十年前のあたしの幼児期には東京周辺にも、まだ田んぼや池があちこちにあって、ザリガニ釣りに夢中で興じていた記憶があるのである。

当時は、あたしの住んでた近所ではザリガニではなくエビガニと呼んでたのであるが、まあ、ややこしいのでザリガニで行くのである。


そのころにはすでに、ニホンザリガニてな小さくて茶色いのと、赤くてでかいアメリカザリガニがいて、そら、やっぱり、子供はトンボでも蝶でもバッタでもカブトムシでもクワガタでもセミでも、とにかくでかいものが大好きなので、田んぼに穴を掘って住み着いてる巨大なアメリカザリガニを見つけた日には子供心に宝の山を掘り当てたみたいな心持ちで欣喜雀躍したもんである。

まあ、でも、このアメリカザリガニはおそらく当時から稲作には困った生き物であったと思うのであるが、しかしこれ、もともとはアメリカを含めて諸外国ではふつーに食用であるということであるので、食っちまえばよかったわけである。

それで、そのあたしが幼児のころ、ご近所に生活状態があまり芳しくないご家族がおられて、そのご家族が、これを日本ザリガニも含めてバケツに一杯ぐらい獲まえてきて煮てお食べになったという話を聞いたのである。

その話を聞いて、あたしはいつも釣ったザリガニの尻尾を切って、それを糸に縛り付けて餌にして、さらにザリガニを釣ってたのであるが、そのときに透明なその尾の肉を見て、「ああ、なんてうまそうなんだ、食ってみたい」と常々思っていたので、母親に「ザリガニ食いたい」と申し上げたら、「何言ってるの、あんなものは食べるもんじゃないの、苦くて食べられないわよ」とすごい勢いで怒られたのである。


まあ、近所でもその家族以外にはザリガニを食べたてな話はいっさい聞かないので、どうも、ザリガニというものは絶対に食べてはいけないものであるらしいということがそのとき認識されたわけである。

しかしこれ、あたしの感通り、世界的には、やっぱり元来が食用であったわけである。

どうみても、ザリガニはエビさんの類(たぐい)で、ロブスターつまりオマールエビの仲間であるのは明白であるから、まずかろうはずはないのである。

しかし、ニホンザリガニが小さくてあまり食用に適さなかったのかどうなのか、あるいは淡水生のザリガニにはジストマなどの寄生虫がいることから、日本ではザリガニを食用とする食文化が育たず、あたしの母親のように、「ザリガニを食うなんてのはとんでもない」というような常識になったのかもしれないのである。


まあ、小さいニホンザリガニはともかく、アメリカザリガニは食う所がたーくさんあるので、これ、日本でも美味しい食材であるということが完全に認識されて、ザリガニバーガーだの、ザリガニハンバーグだの、ザリガニラーメンだの、ザリガニチャーハンだの、ザリガニ道楽だの、ザリガニ寿司だの、あるいはパックにされてスーパーに並んだりすれば、それこそ、日本企業がアフリカに乗り出して途上国にザリガニ加工工場を立ち上げて、どんどん捕獲してどんどん食っちまえば、生態系に影響をあたえることもなく駆逐されるんじゃなかろうかと思うのであるが、どうも、そんなこともないところをみると、やっぱりそんなに美味くないのかね。

それとも、あの姿形が気持ち悪いつーことかね。

しかし、そんなことをいったら、カニさんなんかもっと気持ち悪いが、皆さん大喜びでかぶり付いてるし、まあ、やっぱり、どう料理してもエビやカニのようには美味くないというのが正解なのかもしれないのであるが、あたしはそのときの母親の剣幕でザリガニを食うことは絶対にしてはいけないことであると脳が認識したので食ったことがないので味についてはまったく定かではないのである。


エイリアンの幼虫のモデルになったてな話のあるぐらい気持ち悪いカブトガニの卵つきをそのまんま煮たやつだってシャワシャ食ったことがあるのに、ザリガニは食ったのことがないのでわからないのである。

ほほう、フランス料理のエクルビスてのはザリガニサラダかね。

しかしこれ、見た目がものすごいね、赤いザリガニがそのまんま東でうじゃうじゃ乗ってる。

ううむ、これがエビならなんでもないのに、ザリガニって聞いただけで食欲が失せるな。

やっぱり、幼児期の母親からのトラウマってのはすごいねどうも。

でも、グルメ食通食道楽美食悪食料理研究家の象師匠としては、そのうち食いに行くのである。

てなことで。

Copyright (C) Zoukikou All Rights Reserved プライバシーポリシー Contact