象気功
象気功

本日の御神託


昆虫採集

まあ、昨日は虫の話題であったのであるが、まあ、虫ついでに子供のときの夏の定番の昆虫採集である。

まあ、昨日も書いたとおり、あたしは現在は虫は大っ嫌いであるのであるが、子供のころは大好きで、もう「昆虫採集」という言葉は、なんだかしらんが、あたしにとってはものすごく魅力的な響きで、菓子の空き箱なんかに捕まえてきた昆虫を虫ピンで止めたりして、それを眺めてこよなく幸せになるわけである。


それで、まあ、そのころは、動物園の昆虫館なんかで、世界の昆虫を虫ピンで止めてガラスケースに並べてあるのなんかを見ると、これ、アリスの不思議な国というのか、チャーリーのチョコレート工場というのか、どう説明していいかわからんが、もう、めくるめく世界で、おつむはドーパミンが怒涛の放出で、アルファ波出まくり、まあ、いわばお悟り状態であるわけである。

それで、夏になると、母親に頼んで、買い物のついでに昆虫採集セットを買ってきてもらって、パラフィン紙で蝶を挟む入れ物を作って、腰に虫カゴ下げて、虫網持って、自転者に乗って、近所の河原の土手に夜明けを待って張り切って自転車をこいで行ったら、通りがかりの家の犬が放し飼いで、なにしろ夜明けに子供が自転に乗ってものすごい勢いで迫ってくるので、その犬が興奮して、鬼のような形相で吠え掛かってきて、そのまま追いかけられて必死でそのまま走りすぎて、足元に噛み付こうとして飛び掛ってくるのをなんとか逃げ切って、土手にたどり着いて、蝶を探したら、茶色いわけのわからない貧相な小さな蝶しかいなくて、それ採ってパラフィン紙に挟んで、家に持って帰って、さて、これからが昆虫採集の醍醐味であるのである。


昆虫採集セットにはプラスチックの注射器と青い液と赤い液のガラスの壜が入っていてそれを昆虫に注射するのである。

たしか、その壜の片方にはホルマリンと書いてあって、もうひとつにはたしか保存液みたいなことを書いてあったと思うのであるが、今考えるとなんのことかよくわからないセットであるのである。

まあ、これ、実際にはなんの臭いもしなかったので、色をつけただけの単なる水であると思うのであるが、子供心に「ホルマリン」てな名前はもう、魔法の薬でわくわくして、蝶の腹に注射して、虫ピンで箱に止めて、夢心地でそれを眺めて悦にいってたのである。


これ、今考えると、これの何が楽しいのかぜんぜんわからないわけであるが、この「ホルマリン」を虫に「注射する」ということがどうも、そのドーパミン放出の原因なんじゃなかろうかと思うのであるが、別にそれで魔法のようなことが起きるわけでもなく、ただ箱に虫が止めてあるだけであるのであるが、ものすごく気持ちいいのである。

まあ、大人になると、世界のいろいろな謎が解けてきて、味も素っ気もない日常になるわけである。

それで、その後、その昆虫採集で虫を止めた箱がどうなったのかはまるっきり記憶がないので、夏が終わると飽きてほったらかしで、母親が捨てたと思うのである。

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