神の正体 人は常に不安であるのである。 この先に何があるというわけでもないのであるが、常に漠然と不安に苛まれているのである。 その不安はそのまま解消されることもなく、気がつくとそこにあるのである。 この不安の正体は、いわゆる「一寸先は闇」ということである。 現在の光の場と裏表のその先に闇の場があるのである。 これが不安の正体であるのであるが、そのことは理解でず、不安だけがあるのである。 そして不安の存在だけをときどき気がつくわけである。 そのことに気がつくと人によっては居ても立ってもいられれない焦燥に襲われるのである。 恐怖であり畏怖であるのである。 これが神の正体でもあるのである。 人間にとって「一寸先は闇」が「神の正体」である。 その闇である神に所願を立てても、闇が何かを聞き届けてくれることはないのである。 闇に包み込まれ、さらに不安が増大するだけであるのである。 人間はこの闇に一度包み込まれると、その増大した不安から抜け出ることは困難になり、闇から離れられなくなるのである。 これが宗教であるのである。 しかし人によっては、その闇が唯一の救いである場合もあるのである。 なにごともそれなりに存在している理由があるわけである。 |