象気功
気功の穴
象気功


本日の御神託
S山さんの不思議な話



先日 X(旧ツイッター)したネタであるが、 あたしが長年お世話になってる不動産屋さんは、 六十代後半のおばちゃんが全てを仕切ってるのである。

どういうわけか 社長は 完全なお飾りで、宅地建物取引業免許 いわゆる宅建も そのおばちゃんが持っていて、社員であるはずのおばちゃんが 会社の全てを仕切っているのである。

それで、これは一体どういうことなのか、 当事者の社長に聞いてみたことがある。

以降 おばちゃんを S山さんと呼ぶ。

まあ このように話してくるとS山さんは大きくて豪快なやり手の偉丈夫な女性のように思えるだろうが、実際のS山さんは小さくて小太りで、おばちゃんというよりは おばあちゃんという見かけの 上品な物腰の女性である。

ということで社長から聞いた話である。

「20年ぐらい前のある日、 S山さんがこの近所に越してくるということで 物件を探しにご主人と一緒にうちの店に来たんですが、うちの店はその当時、 大手の不動産会社の支店で 、まあ 要するに 私は雇われ店長で、だから私は免許もなくて、事務の女性を1人 雇っていただけの店だったんです」

ここまでは何の変哲もない普通の不動産屋とそこに物件を探しに訪れた普通の夫婦の様子であるが、ここからが不思議な話である。

「ところが話の最中に S山さんがいきなり『 明日からこの店で働くから』と言い出したので びっくりしたんですが、どういうわけか この人の言うことは とても断れないということがわかったんです」

この 「とても断れない」 というのは、あたしもなんとなくわかるのである。

S山さんの話は断ってはいけないという いわばお告げが降りるのである。

もちろんお告げであるから なんの根拠も 信憑性もないし、ほんまにくだらん話であるが、 とにかくなんだかわからんが降りるのである。

要するに このわけのわからんお告げが社長にも 降りたわけである。

「その後すぐ S山さんが当たり前にうちの店に勤め始めたんです」

勤め始めると S山さんは宅建を簡単に取得して、この店を大手の不動産会社から独立させて、不動産取引の経験もないのに、この会社を仕切り始めたそうである。

S山さんはコミュニケーション能力が抜群で、上品な物腰も相まってその地域に深く入り込んで、駅に近いことから周囲に林立しているアパートや土地家屋の売買を 一手に引き受けるような大繁盛で、現在は人も増えて 建築部もあるという変な会社である。


うちの会社と取引を始めた当初は、ご存じの通りの極めてゲスなあたしは 社長とS山さんができてるんじゃなかろうかと勘ぐっていたが、どう考えてもその手のことは全くなくて、 給与条件等がどうなってるのかは全くわからんが、とにかく その会社の営業その他をS山さんが一手引き受けで、会社を回しているのはS山さんで 、現在は、社長はS山さんに言いつけられて 事務書類のハンコを押したり 留守番をしたりしてるのである。

嘘のような話だが、ほら吹き嘘つきのあたしとしては 大盛りなしの正味の本当の話で、S山さんは(詳しく言うと 差し障りが大きくてとても言えないが)四国の某地の某神社の神主の娘で、昔は シティボーイだったとS山さんが言い張る男前のご主人と暮らしていて、子供はとっくに独立して二人暮らしということである。

日頃の生活を見ていると 普通のおばあちゃんであれば不動産業の営業だけでも疲労困憊すると思うが、それまで外注していたアパートマンションのメンテナンスを自社でするために 建築部門も立ち上げて、リホーム、新築も請け負うようになって、さらに大忙しとなったのである。

さらに、S山さんは山歩きが趣味で、現在もその多忙な仕事の合間を縫って仲間とあちこち 登っているということである。

私が S山さんと知り合ったのは、うちの店子の 喫茶店にS山さんが仕事の合間にいつも来ていて、その喫茶店の店主からの「とても良い人がいる」という紹介である。

会ったとたんに、「この人は大丈夫」という神のお告げが舞い降りて、それ以降の不動産関係の取引はS山さんの会社に変更したのである。

そんなこんなでうちの賃貸物件もS山さんが多く扱っていて、その関係でうちのレンタル家庭菜園も仕切っていて、S山さんもその一角に趣味の野菜作りをしていて、仕事の合間に会社の車に乗って、週に1~2度 耕しに来るのである。

そのレンタル菜園の周囲も、同じくレンタル菜園の借主の水道屋さんの若い衆にS山さんが言いつけて草刈りをさせているので、いつもとても綺麗になってるのである。

山の中の菜園に「綺麗」は変であるが、まあ、他に言い方も見つからないので、 とにかく綺麗になってるので、他の借主も大喜びである。

それで S山さんは、 不動産賃貸 あるいは取引等の関係で知り合った人が困っていると 入院や葬式などを まるごと面倒見たりして、 八面六臂の大活躍で、その膨大なエネルギーは一体どこから出てくるのかと不思議だったのであるが、 某神社の神主の娘ということがわかって、 何の根拠もないが、「ああ なるほど そのDNAか」と意味もなく納得したのである。

それで その不思議なS山さんから、一度 さらに不思議な電話がかかって来たのである。

「 〇〇さんという夫婦が来たが、ご主人は大手ディーラーの店長だと言ってるけど、どうも 良くないので、住所を見るとオタクの近所らしいので話を聞きたい」

と言うのである。

「ああ、〇〇さんなら 同じ町内会でよく知ってるけど、同じ町内会に住んでる某大親分と とても仲がいい」

この某大親分というのは、ご存じの方はご存じの通り 何度かネタにしていて、現在は御老体で引退同様であるが、 かつては どなたもご存じの某大組織の大幹部で、うっかりしてると日本を仕切るような立場のヤバい人だったのである。

しかし、日頃はそのような雰囲気は一切消して、町内会の仕事にも熱心で、近所の人が困っていると走って助けに行く という立派な人である。

誰が立派な人だ。

まあ これも一度 ネタにしたことであるが、 以前にその大親分の家の前の路地を車で通りかかったら、 スウェットの若い衆が 数人で男性一人をタコ 殴りにしてたので、 あたしはなかったことにして通り過ぎたのである。

「 あー、やっぱりね、 じゃあ 関わるとろくなことがないから取引をお断りしよう」

S山さんは即断でその夫婦との取引はやめたのである。

その夫婦が大親分と仲がいいとは 言っても、小学校のママ友付き合いの延長で、性格はともかく、本人達はごく まっとうな素人で、 どう見ても その筋とは関係ない人間であるが、もちろん何かあればバックは大親分である。

それを、一目見てヤバいと気づくS山さんの洞察力が不思議なわけである。

これが一事が万事で、例えばS山さん から紹介された うちの アパートの住人や店子や不動産取引の相手は 絶対にトラブルを起こさないような まれに見るいい人ばかりであるので、 うちの会社にとっては非常にありがたい限りの不動産屋さんである。

このS山さんの洞察力は、どう考えても あたし同様に氣がわかるとしか思えないのであるが、某神社の神主の娘ということを聞いて、 生まれながらにそのようになっているのだろうと 単純に納得している今日この頃である。

ということで、 先日S山さんが里帰りしてる間に、 どういうわけか 社長がパニックを起こして インボイスの登録番号がどうのこうのと、不動産賃貸業でインボイスとは無関係のうちにも連絡してきたので、さっぱり何のことかわからず 面白いので思わず X したわけである。

どうでもいいが、どうもXしたはよろしくないな。

あらぬことをしているような物言い である。

まあ カタカナで書けば エックスしたであるが、それではイーロンマスク氏の意に沿わないと思うので、なんの意だよ、まあ いいや、終わり。

おいおい。

(2023・08・24)


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