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なにわ修習記

1999年12月

2000年1月家庭裁判所修習編へ


12月13日(月)

 今日で公判修習は終わり。5日間は短いが、公判については刑事裁判でじっくり経験できるから、捜査実務に時間を割いてくれという要望が研修所からあったためらしい。

 発注の出ていた証拠整理、提出したのが戻ってきた。かなりたくさんの点を指摘された。うーん。

 指摘に従って分類し直して提出すると、その事件の冒頭陳述要旨と論告要旨を起案するようにとのこと。やっと来たよ、起案が!


12月10日(金)

 午前中は公判部で事件記録を読んでいた。

 昼は、横浜修習の人びととの間の会食があった。総務部長同士が同期という縁で、研修旅行に付随して訪ねてこられたようだ。横浜と大阪では検察の修習の仕方もかなり違うようでびっくり。

 大阪では2人で1班を構成し、取調べも2人1組で行うのだが、横浜では1人1人が行うとのこと。難しい事件は修習生が何人かで組んで、合同捜査という形でするそうだ。事件の配てんも、大阪では身柄事件より在宅の事件が多いのに対し、横浜の修習では身柄4件に在宅2件といったように、身柄事件の方が多いようだ。

 午後は、弁護士会主催の期間外研修。司法制度改革と、高齢社会における法曹の役割について講演があった。

 高齢社会における法曹の役割についての講演は、具体例を含めて話され、面白かった。また、司法制度改革についても、審議会のすすみ具合などについての実情の話は興味深かった。

 しかし、司法制度改革についての話については、弁護士会が主張してきた改革が軌道に乗りそうだということで、手放しで喜んでいるように感じたのは私だけだろうか。司法の中身の変革が実現しそうだとしても、変わること直ちに良いこと、ではないはずだが・・。政治や行政にかかわるようになると、その「かかわっている」ということ自体で変な当事者意識、仲間意識が芽生え、弁護士会としてどんな立場を貫くべきか見えなくなってしまわないだろうか。まあ、中坊委員のブレーンになるくらいの人だから大丈夫かもしれないが・・。


12月8日(水)

 今日は、捜査の方で残っていた案件の決裁に。1件は交通事犯、もう1件は風俗犯の事案である。交通事犯の方は、検察官面前調書(検面調書)の取り方がちょっと、というところがあり冷や汗をかいた。うーん、取調べにあたってもっと事前の調査をしっかりやっておけばよかった。


12月7日(火)

 朝4時半に起きて横浜の親元の家を出る。6時40分発の飛行機で大阪へ。飛行機を選んだのは新幹線に比べて4000円(対のぞみ比)近く安いからだ。でも、乗り物をこまめに乗り換えるよりは、同じ乗り物に長く乗っていた方が長く眠れるなど楽なので、次回からは新幹線を使うようにしたいと思った。

 検察修習は今日から公判実務。朝早めに出勤し、修習指導担当の事務官の人につれられて公判部にあいさつに。

 公判部での修習は、前の期まで1ヶ月あったのが、今年から5日間に短縮された。修習期間短縮の影響である。修習所検察教官室の意向として、公判よりも捜査を重点的にやってほしいということがあったがゆえに、公判修習が極端に短縮されることになったようだ。まあ、刑事訴訟の公判については、刑事裁判修習でうんと見られるから、検察修習でそれほど経験しなくても、ということがあるのかもしれない。

 5日間ではできることも限られるので、修習生の中には5日間で1回も起案をしなかったという人もいる(3班に分かれて順次公判修習に行くことになっており、私たちが一番最後のグループなのである。)。

 午後は公判廷で傍聴。検事の横に坐って審理を聞くのである。今日聞いたのは財産犯の事案についての証人尋問。主尋問といえども証人によっては一筋縄でいかないこともあるんだなという印象を受けた。


12月6日(月)

 今日は東京にある法律事務所を訪問するため、午後に早退。明日から公判部での修習となるので、今まで来ている案件はすべて仕上げようと思っていたのだが、結局間に合わなかった。公判部に行きながらも捜査の案件についても検討することになりそうだ。

 午後2時に検察庁舎を出て、飛行機に乗って東京へ。今日伺った事務所は、弁護士3人ほどの事務所である。私の経歴に端を発して結構話に花が咲いたのはよかったが、とってもらえるかどうか・・。弁護士としての活動のありかたや就職活動についていろいろ助言をいただいたのはありがたかった。また、私が弁護士を志望した動機などについてこれだけ熱心にきいていただけた事務所は東京では初めてだ。これまで訪問した東京の事務所がどれも感触が今一つだっただけに、若干ホッとした感じだ。でも道のりはまだまだ、という感じ。焦らずしかし着実に歩むしかないだろう、って、のんきすぎるか・・。


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