ハワイ島で過去5百万年間に観測された古地磁気の分布

この図から分かることは VGP の分布はほとんど円状であるのに対して,磁場は上下方向に沿った楕円状であることです.このデータをビンガム分布で解析し,95\(\%\) 信頼限界領域の半径の比を比較しました. \(\alpha_{32}/\alpha_{31}\) は VGP については 1.18,磁場については 1.49 でした.このことは磁場の分布がより伸長していることを示します.磁場分布の伸長の方向(\({\bf t}_2\) 方向)はほとんど子午線です.この結果が示すことは,古地磁気は双極子磁場に近く,伸長した磁場分布が観測されるのは等方的に揺れ動いている双極子の単なる非線形緯度依存性の結果であるということです.