●「崖の上のポニョ」初日舞台挨拶チケットの実態ウオッチ
Watch of Auction Market Price of Tickets at Stage Greeting Event of the First Day

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ここでは「崖の上のポニョ」初日舞台挨拶のチケットをめぐる現象についてウオッチします。

2008年7月19日、日比谷スカラ座にて「崖の上のポニョ」出演者による舞台挨拶が行われることになった。チケットは7月12日の午前10時より、チケットぴあ・スカラ座での窓口販売2通りの方法で発売された。スカラ座では、販売開始までに約80名の行列が出来、即日完売となった。チケットぴあの方も、発売開始直後からつながりにくい状態になり、早々に売り切れた。しかし、その直後からインターネットのオークションで大量チケットが出品されはじめ、落札が確認出来たものだけでも200枚近くに達した。高値転売に失敗したチケットも少なからずあったのか、、当日は40席以上が空席のままであった。


●「崖の上のポニョ」初日舞台挨拶の概要  2008/07/21更新


●初日用チケット販売(スカラ座)レポート  2008/07/22更新


●舞台挨拶チケットのオークション転売の状況  2008/07/25更新 


●オークション転売全データ(確認分)  2008/07/21更新






●「崖の上のポニョ」初日舞台挨拶の概要


舞台挨拶の概要
  日 時:2008年7月19日(土)「崖の上のポニョ」初回上映後(12:00頃)
  場 所:日比谷スカラ座
  登壇者:宮崎駿監督、所ジョージ氏、山口智子氏、長嶋一茂氏、天海祐希氏、柊瑠美氏、奈良柚莉愛さん、土井洋輝くん


チケット発売の概要
  発売日時:2008年7月19日(土)午前10時から 全席指定席
  発売方法:(1)チケットぴあ(ぴあシネマリザーブシート・プラス)」(436席)B列〜K列、Q列〜S列
      一般2,000円 大高生1,700円 シニア・中学生・小人(3歳以上)1,200円
      1人4枚まで購入可能

     (2)日比谷スカラ座・劇場窓口(東京宝塚ビル1階)」(175席) L列〜P列
      一般・大高生 1,300円 シニア1,000円 中学生・小人(3歳以上)800円 夫婦50割引(2人)2,000円
      高校生友情割引3人名以上で1人あたり1,000円
      1人2枚まで購入可能



東宝の舞台挨拶のお知らせキャッシュ

スカラ座の座席配置キャッシュ




●初日用チケット販売(スカラ座)レポート


2008年7月12日の午前10時より、スカラ座で「崖の上のポニョ」舞台挨拶チケットが発売される。会場前での徹夜は出来ないことになっており、11日の夜から夜通しガードマンが配置されたこともあって、実際に徹夜組はいなかった。ただし、行列が出来ていないかどうか様子を見に来た人は少なからずいたようだ。
12日は午前4時過ぎから人が集まり始め、5:00AMの時点で9名、6:00で17名、8:00で約30名、9:00で約50名と順調に行列が伸びていき、10:00のチケット販売開始時刻には約70〜80名が並んだものと推定される。ほどなく、窓口販売分のチケット175席は完売となった模様。

スカラ座(2008年7月11日23:30PM) ガードマンが配置されている

23:32 スカラ座 販売窓口前

2008年7月12日 4:03AM

4:15 スカラ座前 8名が並んでいる

6:31 23名が並んでいる

6:55 行列の整理が始まる 26名

7:39 階段下の様子 約30名

8:19 約40名

9:46 行列の様子 約70名

10:02 チケット販売開始




●舞台挨拶チケットのオークション転売の状況


オークションに転売された舞台挨拶チケットは、Yahoo! オークションで確認出来た分だけで101件、194枚に達した。1枚あたりの落札金額の最高額は1万5050円、落札金額の総額は72万7127円、1枚あたりの平均は3781円であった。ただし、これは落札が確認できただけの件数であり(高値をつけすぎたためか落札されなかったチケットも存在する)、Yahoo! 以外のオークションもあるので(モバオクで少なくとも4件4枚 ─K列25-35の席─ が落札されたことは確認済み)、実際に出品・落札された枚数は、確認分よりも多くなると思われる。大半のチケットは落札後郵送または郵便局に留め置きされたが、落札がギリギリになったチケットは当日会場前で手渡しされると明記されており、当日の会場前では実際に取引していると思われる姿も目撃された。


オークションでの落札総数:198席(発売された座席数611席の32.4%) ※Yahoo! オークション・・・194席、モバオクでの落札確認分・・・4席

チケットぴあ発売分・・・193席 (発売436席のうち44.3%)

スカラ座窓口販売分・・・5席 (発売175席のうち2.9%)


窓口販売分が売りに出された件数は、チケットぴあ(インターネット)販売分に比べて少ない。やはり、時間と交通費をかけて窓口で購入する人のほとんどは、自分自身で行くために購入するのであろう。ファンは手間暇をかけることを厭わないものだ。いっぽう、インターネットで販売されたチケットの半分近くは、最初から転売目的で購入されていることが分かる。ネットダフ屋は、居ながらにして暴利をむさぼるのである。もちろん、自分が行く気で購入したものの、急な予定が入ってしまい、行けなくなったため仕方なく売りに出したという人もいたかもしれない。しかし、オークションの説明文でそのような事情を説明していた出品は皆無であり、一人で多数のチケットを出品している者も目立ち、その出品者の出品履歴は他作品のプレミアムチケットの出品ばかりが目立つことから、やはり、今回のネット販売分もネットダフ屋の餌食にされたと判断して間違いないであろう。

オークションで落札された198席を、判明している位置情報をもとに座席を塗りつぶすと下図のようになった。これを見ると、ステージに近い前方の席が集中的に転売されたことが分かる。特に、D列・E列に着席した人のほとんど全員がオークション落札組であったという、笑えない事態になっていたことが明らかになった。これで良いのかスカラ座!
なお、当日は少なくとも40席以上の空席が発生した。高い競争率を勝ち抜いて正規にチケットを確保した人が、40人以上も急病なり急用なりで来られなくなったとは確率的に考えにくいから、空席となった席の相当数は、オークションでの高値転売に失敗した席であったと推定しても、あながち見当外れではないであろう。

「崖の上のポニョ」舞台挨拶チケット(スカラ座)のオークション転売状況

※注:
劇場の座席配置図に塗りつぶされた座席は、オークションに出品された情報を元に推定したもので、実際に落札された席と同一ではありません。オークションでは、B列の10番台連番というように、おおよその位置情報しか記されていないものがほとんどです。この例では、B列の10番台の中のどこか2席が落札されたという情報までしか分からず、上の図はその10番台の席のうち適当な2席を落札価格別に塗りつぶしたものなので、この範囲内での誤差があります。よって、上の図は、オークションはどの位置の席が転売されやすく、その席は幾らで落札されたのかという概要を把握するための、あくまでも参考程度に参照下さいますよう、お願い申し上げます。また、上図はオークションで落札した人は全員入場したという前提で作成してあります。
なお、当日は40席を超える空席がありました。空席の位置はほぼ正確だと思います。映画上映中に、販売されていなかったA列の席で2人ほど見ていましたが、その観客の本来の座席は確認出来なかったため、実際の空席は上図マイナス2席となります。





●オークション転売全データ(確認分)


オークションで落札が確認された舞台挨拶チケットを落札順にソートしてみると、下の表のようになった。落札価格は、2枚セットでの価格と1枚づつの価格とが混在しているので、下表では実際に売買された枚数・落札総額ならびに1枚あたりの金額が分かるよう統一してある。


「崖の上のポニョ」舞台挨拶 Yahoo!オークションデータ(落札順・確認分)


「崖の上のポニョ」舞台挨拶 モバオクデータ(落札順・確認分)



Yahoo!オークションに出されたチケットを出品者別にソートしてみると、下の表のようになった。チケット転売を目的として大量に取得されていることは明らかである。発売開始直後から、ぴあの回線はつながりにくくなり、やっとつながった時には完売していて入手出来なかった人が多数にのぼる一方、特殊なノウハウを持ち合わせているのであろうか、労せずして大量のチケットを確保して転売を行うネットダフ屋が跋扈していることが分かる(2件以上出品した出品者は色分けしてある)。モバオクに出品された4件4枚も、すべて同一人物による出品であった。


Yahoo!オークションの出品者によるソート


このようにして見ると、窓口販売分が1人2枚まで、ネット販売分が1人4枚までというのは、逆ではないかと思えてくる。窓口販売分ならば、顔が割れるので何度も並び直すことは困難であるが、ネット販売は1人4枚とはいえ実態は1アカウント4枚までと同義であり、1人で複数のアカウントを使い分ければ何十枚でも思いのままチケットを取得することが出来るからだ。大量のチケットがオークションで転売に回されてしまう主要な原因はこれである。異常な状況であると言うほかない。

ガードマンまで配置して徹夜が出来ないようにしたり(ファンはマナーが悪く近隣に迷惑をかけるものと見なしている)、過剰とも思えるカメラチェックを行ったり(ファンは盗撮をするものだと見なしている)といった対策は熱心に行われている一方、劇場に足すら運ばないネットダフ屋が暴利をむさぼり放題であるのに、ほとんど何の対策も行われていないのは大いに問題である。「目に見える現象」には責任をとらされる人がいるが、「目に見えにくい現象」についてはそうではないからだろうか。重ねて強調するが、現在の状況は、どのような見方をしても異常であるとしか言いようがない。くどいようだが、ネット販売分で売れたチケットの半分近くは転売目的での購入だったのである。ファンに窮屈さを強いながら部外者(ネットダフ屋)の暴利は放置するようであれば、その業界は健全に発展していくとは思えない。いっそ、販売者自らがオークション方式で販売し、超過分はチャリティとして寄付でもした方が、余程望ましいのではないだろうか。

「転売目的での購入はお断りします」などといった、何の役にも立たないアリバイみたいな文言でお茶を濁すのではなく、実効性のある改善策を望みたいところである。

もちろん、同時に「ネット転売は許さない」という世論が醸成され、明らかな転売品には手を出さないといった、ファン側の意識の向上も求められるところではある。



参考ページ:Aucfan.comキャッシュ※スカラ座ではない舞台挨拶も含まれていることに注意







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