●金屋子神社
Kanagago Shinto shrine

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金屋子神社 全景

奥出雲の代表的な鉄師頭取(たたら製鉄師)として絲原家が有名です。島根県横田町には、奥出雲のたたら製鉄を支えた絲原家が受け継いできた製鉄用具・古文書・工芸品などを収めた絲原記念館が建てられており、その隣には金屋子神社が祭られています。

金屋子神は、タタラ場や鍛冶屋で信仰されている神であり、祭りの際には神前に灯明・榊(松)・神酒・洗米・塩などが供えられました。時には、赤飯・まぜ飯・白飯なども供えられました。
タタラ製鉄が盛んだった当時は科学的な知識もなく、すべて経験と勘に頼って操業するほかなかったので、タタラ場の守護神である金屋子神に対する信仰は、文字通り真剣そのものだったといわれます。
金屋子神は、東海道大井川の静岡県榛原郡金屋町や和歌山県有田郡金屋町など、タタラや鍛冶屋のあった多くの場所にも地名として名残をとどめています。

なお、金屋子神社の総本社は島根県広瀬町西比田桂の森にあって島根県の文化財にも指定されており、写真の神社は本社から絲原家に分祀されたものです。
(史料提供:安部正哉氏(金屋子神社 禰宜・松江護国神社 宮司)




鳥居と祠
金屋子神が犬に追われてみかんの木に
登って難を逃れたという伝承があります。
そのためか、供物としてみかんが
欠かせないと言われています。



金屋子神は血を忌み嫌い、タタラ場に女性が
立ち入ることは禁忌とされました。これは、
金屋子神が女性の神であり、女性が入ると
神が嫉妬するからであるからとされています。






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