●奥出雲・たたら資料館
Okuizumo district, Tatara Material Pavilion

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奥出雲の山並み

奥出雲地方は、スサノヲミコトとヤマタノオロチ、イナタヒメの物語が繰り広げられた神話の里です。
春は雪解けの水が神話の大河・斐伊川を満たし、山々には新緑が萌え広がります。夏は木々の緑が一層深く、秋には紅葉で彩られ、豊かな実りが大地を満たします。そして、冬は一面が雪に覆い尽くされ、たたら製鉄の炎が燃え上がります
中国山地は花崗岩の風化が進んでおり、良質な砂鉄の産地でありました。そして、たたら製鉄に欠かせない燃料となる木炭の供給地でもありました。
写真は1997年12月の風景です。3日ほど前に降った雪が少し溶け残っています。




禿げ山
車を走らせていくと、時々この写真のよう
な禿げ山に遭遇します。後で植林される
でしょうが、少し驚く風景ではあります。


斐伊川
雄大で穏やかな斐伊川の流れです。
かつては、この川も上流のたたら製鉄の
影響によって赤く濁っていました。




奥出雲たたらと刀剣館
古代から現在に至るまで砂鉄から鉄を生産しているのは、島根県横田町だけに
なっています。横田町には、出雲地方で盛んだったたたら製鉄の歴史と史跡を
紹介する資料館が開設されています。ここでは、主に近世以降のたたらの歴史と、
現代にも受け継がれている日刀保たたら、そして玉鋼を用いて作られる日本刀に
ついての展示・紹介もされています。また、第2日曜および第4土曜日には、
玉鋼から日本刀が作り上げられていく、作刀鍛錬の実演も見ることが出来ます。




砂鉄
奥出雲のたたら製鉄は、生産量・質ともに日本一の規模を誇っていました。
それを支えたのは、大量に産出される良質の砂鉄でした。
砂鉄を取り出すためには大量の水を必要としますので、
豊かな水資源もまた、たたら製鉄を支えていましたといえます。




たたら炉(模型)
たたら炉に木炭をくべて火を焚き、砂鉄を
まきながら炉に空気を送り込んで砂鉄を
溶かしていきます。写真では、中央部に
「けら」がたまりつつあるのが分かります。


けら
数日間に及ぶ不眠不休の操業の末、
溶けた砂鉄はたたら炉の底にたまります。
これを「けら」と呼び、特に品質の良い
ものは玉鋼と呼ばれ、刀剣類に加工されます。



(館内撮影許諾済)



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