松崎 海(長澤まさみ)
松崎家の長女(16)。港南学園高等部の2年生。アメリカに留学中の母親に代わって妹と弟の面倒を見ながら、コクリコ荘を切り盛りする。毎朝、朝鮮戦争で命を落とした父を想い、毎朝海に向かってUW旗を掲げている。
本名は海(うみ)であるが、親しい人達からは「メル」と呼ばれている(フランス語で「海」は「ラ・メール」と呼ぶことに由来)。
|
風間 俊(岡田准一)
港南学園高等部の3年生(17)。新聞部と文芸部に所属しており、「週刊カルチェラタン」の編集長も務めている。取り壊しの危機にあるカルチェラタンの存続のため、生徒会長の水沼史郎とともに活動を繰り広げる。映画の序盤では、カルチェラタン取り壊しの動きに抗議するため、3階の屋根から防火水槽に飛び込んだ。 |
松崎 花(竹下景子)
海の祖母(61)。コクリコ荘の家長。離れで暮らしている。 留学中の母親(良子)に代わり、海達を見守っている。 |
北斗美樹(石田ゆり子)
コクリコ荘に下宿する研修医(25)。大学の医学部を卒業後はインターンをしている。母親が不在の海にとっては、良き相談相手になっている。物語の中盤で就職先が決まり、コクリコ荘から引っ越してゆく。北斗の姉は、港南学園で水沼の姉と同級生だったという。 |
広小路幸子(柊 瑠美)
コクリコ荘に下宿する美大生(21)。自室で油絵を描いている。生活パターンは不規則で、深夜まで絵を描くこともしばしば。化粧ッ気はないが、登場人物の中でもっとも身長が高く、スタイルはモデル並みである。毎朝、海が掲げるUW旗に対して、下を通るタグボートが返答旗を掲げることを知っている。 |
松崎良子(風吹ジュン)
海の母親(38)。英米文学が専門で大学の助教授を務めており、現在はアメリカの大学に留学中。若い頃、澤村雄一郎との結婚を反対され駆け落ちし、雄一郎のサポートで学問を続けながら、海ら3人の子どもを出産。雄一郎の死後は実家のコクリコ荘に帰っている。 |
松崎 空(白石晴香)
海の妹(15)。港南学園高等部の1年生。明るくて快活な性格。コクリコ荘の家事はあまり手伝っていない。カルチェラタン存続の抗議行動で防火水槽へ飛び込んだ風間俊のファンになり、俊の写真を購入してサインまでもらいにいったが、その直後には水沼生徒会長に鞍替えした。 |
松崎 陸(小林 翼)
海の弟(13)。中学2年生。港南学園の中等部に通っている形跡は見られないので、公立の中学校に通っている模様。女性ばかりのコクリコ荘の中では唯一の男の子である。育ち盛りで食欲が旺盛。空と同様、家事の手伝いはあまり得意ではないようだ。 |
澤村雄一郎(岡田准一)
海の実父(故人)。高等商船学校に通っていたが、1943年頃海軍に徴用され出征。そのとき親友だった立花洋と小野寺善雄と写真を撮る。1945年の終戦によって復員し、松崎良子と駆け落ちする。47年、海誕生。48年、空誕生。50年、陸誕生。家族5人で写真を撮る。1950年、朝鮮戦争が勃発してLSTの船長として輸送任務に就いたが、LSTが触雷して沈没、命を落としてしまった。1946年、立花が亡くなったとき、立花の子どもであった俊を引き取って戸籍上の息子にする。しかし、澤村たちも間もなく海が誕生するため育てることが出来ず、船員仲間であった風間明雄に俊を託して養子にしてもらう。澤村は、命を落とすまで風間家に俊のミルク代を送っていたという。なお、若い頃の雄一郎の声は、風間俊を担当した岡田准一が二役を演じている。
|
立花 洋(風間俊介)
風間俊の実父(故人)。高等商船学校で澤村雄一郎と小野寺善雄の同期で親友。成績は3名の中ではもっとも優秀で、澤村と小野寺から「俺達の大将」と呼ばれている。親類は広島に住んでいたので広島出身と思われるが、親類は原子爆弾により全員亡くなっている。3人の中では最も速く子どもも設け、終戦翌年の1946年には早くも俊が誕生しているが、立花の妻=俊の実母は、俊を出産する時に亡くなってしまった。立花も、ほぼ同時に引き掲げ船の事故で亡くなってしまった。なお、立花の声は生徒会長の水沼を担当した風間俊介が二役を演じている。
|
小野寺善雄(内藤剛志)
澤村雄一郎と立花洋の親友で唯一の生存者。年齢は不詳だが、1943年の出征時に18〜19歳であるとすれば、1963年では38〜39歳くらいと思われる。現在は外国航路船・航洋丸の船長を務めており、一年の大半は洋上で過ごしている。たまたま日本に帰国した時、出航直前に海と俊との対面し、俊の出生の真相を二人に語った。
|
水沼史郎(風間俊介)
港南学園高等部の生徒会長(17)。学園一の秀才と言われており、「週刊カルチェラタン」に定期試験の予想問題を提供している。風間俊の親友で、俊とともにカルチェラタンの存続運動を行っている。理事会がカルチェラタンの取り壊しを決めたとき、理事長に直接直訴しにいくことを決め、見事取り壊しの撤回を引き出すことに成功する。 |
風間明雄(大森南朋)
風間俊の養父。横浜の船舶運営会に所属し、タグボートの船長を務めている。終戦後の混乱期、当時の風間夫妻は、自分達の子どもを亡くしたばかりだったが、船員仲間だった澤村雄一郎から生まれたばかりの俊を預かり、息子として育ててきた。俊には、俊の本当の父親は澤村雄一郎であることを明かすが、「お前は俺の息子だ」とも言う。
|
徳丸理事長(香川照之)
港南学園の理事長。年齢不詳。徳丸財団の実業家で、東京・新橋に本社がある出版社(徳丸書店、徳間書店がモデル)の社長を勤めている。カルチェラタンの存続を求めて直訴に来た水沼・風間・海たちの熱意を汲み取り、カルチェラタンの視察を決める。そして、実際にカルチェラタンを訪問してその値打ちが分かると、別の場所にクラブハウスを建てることでカルチェラタンの存続を約束した。徳間康快・徳間書店社長がモデル。
|