東京都薬用植物園の花
(2004年5月)

近くに、東京都立の「薬用植物園」があります。
素人目にも面白い花が咲きます。暇さえあれば通って、あれこれ解説してくれた懇意の人が
足を痛めて行けなくなって、おまえのHPで状況を知らせろ、との半ば命令です。

うまく務まるかどうか心配ですが、ご一緒にお付き合い下さい。

ギョリュウ

 説明板には「ギョリュウ科」とカタカナと同時に漢字が書いてありますが、困ったもので、ギョという字がHPでは表示できません。「木偏+聖」という字に「柳」です。Webでは「御柳」としているのが圧倒的です。

 『分布=中国(砂漠のオアシス) 針葉樹の葉に似ている広葉樹 塩分のある所でも育つ』

 とあります。見れば見るほど不思議な植物で、人の背丈の3倍ほどですが、茶色っぽい枯れたようなふわふわした物が垂れ下がって、風に揺られています。これが花だそうです。

熱心にカメラを向けている人に聞くと

 『楊貴妃が愛した花だそうで、日本には江戸時代に伝わったみたいです。
  イスラエルで植林したんですが、よく根付いて、砂漠の緑化に役立てています。
  向こうでは、花はもっと綺麗です。年に2回咲きますが、ここでは1回と云ってました・・・。
  今年はもう見られないんですから、運がいいんですかね・・・。』

よくよく見ると、なるほど針葉樹と見間違うような葉で
花ばかりの所もありますし、葉と花が区分けされているところもあります。

望遠で焦点が定まらないところへ、あいにく風で、きちんとしたアップがお見せできませんが
実に可愛らしい小さな花が一杯に房のようになっています。

撮り直しに行った時は、雨が降って、もう終わりで
また来年になりそうです。
Webで検索すると、多くの紹介があります。花のアップもあります。
(2004.05.02.撮影)


ヒトツバタゴ=なんじゃもんじゃ

 薬草園の西側になりますが、大木が白い細い紙吹雪を一斉に吹き流しているようなところがありました。大きな木に、細長い、こまかく切った白い切り紙のボールがたくさん乗っかって 、それがゆらいで、風の流れにほぐれて、ひらひらと舞っているのかと錯覚するようでした。

 円い切り紙のような固まりは、ヒトツバタゴの花でした。モクセイ科の木で、「ヒトツ葉のタゴ」から、この名がきたのだと教えて貰いました。タゴはトネリコの別名だそうです。野球のバットになる粘りがある木に、この花とはビックリでした。対馬、朝鮮、台湾、中国大陸に多く、日本ではまだ限られた地域にあるとか。

花は風に吹かれると、円い固まりからほぐれるように分かれます。
目に見えないやさしい手が、さりげなくほぐして、花と種の旅立ちをせかせるようです。
 

五弁なのか、四弁なのか三弁なのか?
真ん中に茶色の固まりがあって、それが何なのか? 種子がついているのか?
さっぱりです。専門的には集散花序、雌雄異株、そうではない・・・とか?

あまり見ることができないものだから「なんじゃもんじゃ」とか・・・?
一年かかって勉強です。(2004.05.07.撮影)

ケシ

植物園では、普段は檻の中に管理されているケシを、時間を限って近くで見る機会をつくってくれます。
薬物乱用が低年齢化して、小・中学生までに及び始めてきました。
時には、駅頭で防止の運動に加わりますが、現物はさすが迫力があります。

なかなかひょうきんなところもあって
『盗んでいっても、普通では育たないですよ・・・』の説明に
『しょげたカッパだー』と大笑い。

八重も盛りで、この世界も豪華です。(2004.05.07.撮影)

また、晴天になったら次の花を。(2004.05.09.記)

 

参考

 ・東京都薬用植物園
 ・所在地 小平市中島町21-1 Tel:042(341)0344
 ・開園時間:午前9時〜午後4時
  年末年始 休園 薬事資料館は土曜・日曜、祝日、年末年始休園
 ・費用 無料
 ・交通
  ・西武拝島線 東大和市駅下車 南口 徒歩2分
  ・JR立川駅北口 西武バス 南街方面行 都立薬用植物園前下車 
     

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