2001年11月

 2001年11月20日・火曜日・快晴・無風
 今月はニセコから北上、約2時間の距離に広がる積丹です。
 我が家の回りは小春日和で、思わずカメラかかえて・・・。
 積丹・賽の河原が見たいと誰かがささやくので・・・・・。
 折角の青空のもと、走り出すことにしました。
 海沿いに出たら北西の季節風が強く、くだけちる波が飛びまわって。
 穏やかとはいいながら、やはり日本海です。
 崖が海沿いまでせまる、わずかなネコの額くらいなところに・・。
 肩を寄せあうように集落が続いています。
 今日は穏やかな海ですが、冬の日本海が荒れだすと手がつけられません。
 海岸沿いを走る道路は、防波堤を超えてくる波に洗われて・・。
 それが浜風の寒さで凍てつき、運転に度胸が必要になります。
 そんな荒れる日本海だから・・・人を寄せつけない土地だから。
 言い知れぬ魅力が有る世界なのです。

 積丹一周道路が全線開通してから、まだ数年にしかなりません。
 そのむかし、ニシンを追ってヤン衆たちが北上。
 左下などは、その頃のニシン場跡です。
 岩を掘った港様の場所に、最盛期は百人以上のヤン衆が住んでたと。
 今は跡だけが、当時の面影を残しているだけです。
 そのうちに魚類を運ぶ道路造りが始まり、左などは今も残るものです。
 海までせまる崖の中腹をくり抜き、橋をかけたりトンネルを掘ったり。
 新潟の親不知子不知海岸よりも、命をかけて渡る場所ばかりです。
 右下は切石をしっくいで固めた、比較的頑丈な近代堤防です。
 いまはカモメが羽を休める場所になっています。
 こういう風の強い日は、カモメも風に向かって並び身じろぎしません。
 

 左が賽の河原です。
 左上は賽の河原南側から、窓岩ごしに見たものです。
 右上は賽の河原へと続く、石浜からながめました。
 ここは北上する北前船の三大難所のひとつで、岩礁と強い季節風から恐れられた場所だったそうです。
 そのむかしは女性は御法度と言われたくらい、荒れる難所だったそうです。
 駐車場から約30分くらいで、遊歩道も完備されてます。
 しかし急峻な階段の連続で、運動不足の身にはこたえます。
 突端が近ずくにつれ、海から吹き付ける風の強いこと。
 ビュービューと吹き付ける風の音で、他の音がまったく聞こえません。
 そのうちに冷たさで頬が痛くなり、快晴とはいえやはり日本海です。
 ゆっくり歩くのであれば夏がいいのでしょうが、この冬の季節風の痛さが賽の河原らしいのかも知れません。
 誰一人訪れるものもなく、ただ風と波に洗われる世界。
 やはり来てよかったと思えるロケーションです。
 

 ひさしぶりの青空のおかげで、海の色は真っ青で、白い波しぶきとのコントラストが絶妙です。
 岩肌にくだけ散る波の白さに、しばし目を奪われてました。


 積丹・賽の河原・・・想いにふけるには最高の場所。