「火の鳥・黎明編」の日食
佐藤和美
「火の鳥・黎明編」の日食に関しては、朝日ソノラマ版「火の鳥」に手塚治虫は次のように書いている。
「黎明編」の日蝕の部分は、太陽が欠けて行く段階がどうもおかしいという読者の指摘が多かったためにこんどのソノラマ版では全面的に描きなおした。
それではどのように描きなおされたのだろうか。
COM版では太陽の左下から欠けだす。月は太陽の左下から右上をとおる。
朝日ソノラマ版では太陽の右下から欠けだす。月は太陽の左下から右上をとおる。
太陽系を北半球から見ると、地球、月の公転の方向は反時計方向である。この描きなおしは実際の天体現象にあわせた描きなおしだったのである。
(1998・10・31)
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