言葉の世界・伝言板 2003年9月



チョップの語源

かん (2003/09/30 21:00)

語源と言うか、英語の chop[(斧などで)ぶち切る、ぶち割る]そのままではないでしょうか?



チョップの語源について

rabbitt (2003/09/30 19:52)

チョップという打撃方法がありますが実際にはあんまり効果的では
ないうえになぜあんな名前がついたか全くわかりません
チョップとはいったい何から名前がついてのか教えて下さい



Re: 文法的性

U+3002 (2003/09/29 14:33)

Maniac C.さん
> 擬人化には、「自分にとって大事なもの・いとしいものは女性扱いし、自分にとって
>恐ろしいもの・いやなものは男性扱いする」という一般傾向が有り、船に限らず、乗り
>物は女性扱いされます。特にその乗り物に愛着を感じている場合には、(使用者が女性
>でも)女性扱いする場合が多いのです。

恐ろしく、いやな船なら、男性扱いすることになりますが、そういう用例はあるでしょうか?
それがないことが、船をsheで受けるのがたんなる慣習ではなく文法だと私が主張する理由です。

もし、「shipを 、大事なもの・いとしいものとするのはいいが、恐ろしいもの・いやなものとしてはいけない」ということを言語が規則として要請しているとしたら、それは「文法的性」でしょう。

>名詞をどう「文法的性」に振り分けるかには、ちゃんと規則が在ったのです。それは、
>1.自然性に基づく(擬人化を含む)
>2.単語の末尾に基づく
>3.変化形に基づく

この1.により、shipは女性名詞になった。
それが私の主張です。

これが、「かつてshipは中性名詞だった」ことと断絶していることは問題ではありません。
タミル語の文法的性は、インド‐ヨーロッパ語族の文法的性とは直接の関係はないでしょうが、「文法的性」と呼ばれます。

>>ドイツ語で船は女性ですが、軍艦は「男性的だ」という理由で、王令で男性に変更された
>→済みません、具体的にはどの単語でしょうか? 私の知識では、Schiff, Boot は
>中性で、「軍艦」Kriegsschiff も中性なのですが(念のため辞書でも確認しました)。

すみません。文献が見つからなかったので記憶で書いてました。
「船は女性」というのは中性の書き間違いです。
「軍艦」というのは、KreuzerとZerstörerだとおもいます。
これらが、ほんらいはSchiffと同じ中性だった、ということのようです。



発音あれこれ

偽中国人 (2003/09/29 06:26)

昔の有名なラジオ・テレビ番組「蝶々・雄二の夫婦善哉」の中で
恋愛を「れーんがい」と発音していました。ただし「が」は弱く。
「見合い(結婚)ですか、れーんがい(結婚)ですか」
当時の私は「れーんがい」を「例外」と勘違いしていました。
結婚の「きっかけ」の例が「見合い」で、その外という意味で「例外」と。

マンギョンボン号の八月来航の際は多くのアナウンサーが舌をもつれさせました。

最近大阪近辺で捕獲された「アリゲーター・ガー」が歯を剥き出した映像をみると「アリ・ンゲーター・ンガー」などと鼻(はな)声で発音している場合ではないという感じ。

スイートピー、スイートホームなどの聯想から私はスイートルームをsweet roomだと思ってました。甘い夢に満ちた新婚カップルが蜜月旅行でハワイのホテルのスイートルームに泊まった、などというような文脈で使われるのですから。

クラッシックの曲をダバダバ・スキャットで歌ったシングル・シンガーズは独身者だけのSingle Singersかと思ったらThe Swingle Singersでした。
http://www.ne.jp/asahi/jurassic/page/rule_f/matigai_swingle.htm

「手術」ミスが新聞沙汰になる今日この頃、「しゅじゅつ」とまともに発音できるアナウンサーは少ないようで、一番多いのが「しじつ史実?」。ほかに「しゅじつ主日?、しゅずつ主砲?、しずつ四宛?」。わたくし目の父は「しーつ」と発音しております。昔に比べると都会人は随分早口になったので、舌が正しい位置に動く前に気が焦って次の音節の発音の準備にとりかかる。せめて「しゅじゅつ」が正しく発音できる位までゆっくりと話せばいいのにと思います。

小豆島の北東に浮かぶ島々、家島をTVのアナウンサーは「いえじま」と発音するが、対岸の播州人は「えじま」と発音します。
>古事記では、オノゴロ島、日本書紀では、イザナミがオノゴロ島を胞(エ)にして国生みをし、オノゴロ島を胞の島、つまりは、胞島(エジマ)と、名称が変わったことを間接的に書いているようです。
http://www.geocities.co.jp/SilkRoad-Forest/8406/sub5-3.html

播州弁では家のことを「えー」又は「え」と発音します。

例 こんね=このいえ えーたてる=家を建てる
  えーえーやな=いい家だなあ 
         前の「良えー」は北京語の第2声又は第3声
         (半上声)のように発音します。
         後の「家えー」は北京語の第4声のように発音します。
  うって=うちの家 uti+ie->utte 能狂言の台詞「今日はkon・nitta」に類似した発音の仕方
  うっとこ=うちとこ

家島を「えじま」と発音する播州人が必ずしも「胞島」を知っているとは限りません。「えじま」は「いえじま」の播州方言であると信じている人が多いと思います。

兵庫県内には「い」を省略する地名が少なくとも2ヶ所あります。
明石 あかし<あか+いし
出石 いづし<いづ+いし



Re: 文法的性

Maniac C. (2003/09/28 11:33)

>U+3002さん
>shipをsheで受けるのが擬人化に過ぎないとしたら、男性に擬人化してheで受けることもありうるということになります。(中略)
>このことを説明するには、
>「英語では、shipを女性に擬人化することはあっても、男性に擬人化することはない」
>よりは
>「英語でshipは女性だが、英語では女性/男性名詞を中性としてitで受けてもいい」
>のほうが合理的です。
→うーん。「一方に擬人化することはあっても、他方に擬人化することはない」は完全
には証明し難いので、「合理的ではない」と言われてしまえば、そんな気もしますが。
 根本的に私の考えと違うのは「英語では女性/男性名詞を」の部分で、文法的な性は
英語に無いのです。ですから、「英語でshipは女性だ」とか「中性としてitで受ける」
とかと言うことも無いのです。飽くまでも、無生物である船を女性に見立てて「彼女」
と指すことがある、と言う程度です。
 下述しますが、「擬人化(personification)」というのは、抽象的な概念としての
「人間」的な性質を帯びさせる、というもので、血肉を具備した人間として扱う、と
いうことではないのです。「shipを…男性に擬人化してheで受けることもありうる」と
いう部分に、その辺りを誤解なさっているような感じを受けます。
 スタートで、「船乗り(男性)」と書いたのがまづかったでしょうかね。
 擬人化には、「自分にとって大事なもの・いとしいものは女性扱いし、自分にとって
恐ろしいもの・いやなものは男性扱いする」という一般傾向が有り、船に限らず、乗り
物は女性扱いされます。特にその乗り物に愛着を感じている場合には、(使用者が女性
でも)女性扱いする場合が多いのです。
 大体、どちらの性として扱うかは習慣的に決まっていますので、以下にそれらの単語
と語源上の「文法的性」を挙げます。
【男性として扱われることの多い語】
anger(f), day(m), death(m), despair(m), fear(f), law(f), love(f), mountain(f),
murder(n), ocean(m), revenge(f), river(f), summer(m), sun(f), thunder(m),
vice(n), war(f), wind(m), winter(m)
【女性として扱われることの多い語】
art(f), charity(f), church(f), city(f), country(f), earth(f), flattery(f),
fortune(f), hope(f), jealousy(f), liberty(f), mercy(f), modesty(f), moon(m),
music(f), nature(f), night(f), peace(f), ship(n), soul(f), spring(f), virtue(f),
wisdom(n)

>「女」「母」「娘」などが同じ形の冠詞や形容詞で修飾されるのは、偶然ではないでしょう。
→独語では、話はそう簡単ではないのです。「女」を意味する Frau, Dame は陰性
名詞ですが、Weib は中性名詞ですし、同様に、「娘」を意味する Tochter は陰性
名詞ですが、Maedchen は中性名詞です。「男」 Mann,「父」 Vater, 「息子」Sohn では
全て陽性名詞で、中性名詞になるような名詞は無いのですがね。
 このような事態は、印欧語の「文法的性」の成立事情に起因するのですが……それ
を解明した文章も実は隠し持っているのですが、多分この掲示板では4文書ぐらいに
分けて掲載しなければならない量の長文になっていまして、現在3文書ぐらいの量に
減らせないか整理中なのです。近日中に公開予定ですので、もう暫くお待ちください。
 いちおう、予告編的にお話ししておきますと、名詞をどう「文法的性」に振り分け
るかには、ちゃんと規則が在ったのです。それは、
1.自然性に基づく(擬人化を含む)
2.単語の末尾に基づく
3.変化形に基づく
というもので、この順位で決まります。同じ –er という語尾を持つ Tochter, Mutter,
Vater は規則1で陰性・陽性に振り分けられます。Frau, Dame は、陽性名詞の格語尾
を陰性名詞の格語尾に付け替えたものですので、規則2です。Weib は語源不明です
ので、解りません。Maedchen は規則3です。

>文法的性が、完全に「言語外」から独立しているとは思えません。
→現在は見えなくなっていますが、古典語の時代には上のような規則1が在りました
ので、そう思われるのでしょう。規則2、3と進むに連れて「言語外」の事象から
遠ざかり、「言語内」の事象になってゆきます。

>「女性に喩えられること」と「女性名詞であること」との間に、明白な境界はないと思います。
→上記規則により、「女性に喩えられる」名詞は規則1に由来する名詞で、規則2や
3で陰性名詞になった(文法的に分類された)単語とは、画然と分けられます。

>ドイツ語で船は女性ですが、軍艦は「男性的だ」という理由で、王令で男性に変更された
→済みません、具体的にはどの単語でしょうか? 私の知識では、Schiff, Boot は
中性で、「軍艦」Kriegsschiff も中性なのですが(念のため辞書でも確認しました)。



Alexander

Koma高駒麗人 (2003/09/28 06:35)

http://www.hangzhou.com.cn/20010825/ca51628.htm
Alexandre、Alexanderは今の秦(シナ)語では「亞力山大」(北京語でYalishanda、廣東語で Aliksandai)です。Alexandriaは「亞力山大港」Yalishanda-gang、Aliksandai-gong(港gongはHong KongのKong)です。

烏弋山離については中国の雅虎でも説明があります。
http://www.hangzhou.com.cn/20010825/ca51628.htm
http://www.artvine.com.tw/cgi-bin/board/bbsboard.pl?board_id=2&type=show_post&post=3007
古代中原漢語中的北方諸族語言成分─從春秋時代齊魯地區人名和地名得到的啓示
>[22]《後漢書》卷八十八,《西域傳》,標點重印本,中華書局,頁2917。
曰:“自皮山西南經烏,渉渉懸度,歴賓,六十餘日行至烏弋山離國”。 按:現代學界普遍認同“烏弋山離”即Alexandria。
http://www.harvard-yenching.net/xueshu/zhongya/bfzz/001_4.htm

http://www.shijie.org/article/sjzs200224/741.html



Re: 烏弋山離

massangeana (2003/09/28 06:14)

Maniac C. さん:
>「烏弋山離」は「ウヨクサンリ」と読みそうなのに、これで「アレキサンドリア」
>なんですか。大分訛っていますね。
「烏弋山離」は上古音の推定上有名な例で, 王力の再構した上古音だと
"a l^i@k Sean liai", バクスターの再構だと "?a lji"k srjan C-rjaj" となります。
(ASCII-IPA 使用, ただしバクスターの C- は不明の子音(中古音では消滅した),
王力は母音の長短を区別するがここでは省略)
上古音は詩経を主な資料にしていますので, 漢代とは少しことなるかもしれませんが,
「烏」がアのような音だったこと, 「弋」が l のような子音ではじまっていたことは
たしかかとおもいます。



ソシュール、文法性

tanabe (2003/09/27 19:22)

ちょっとお聞きしますが、
相原奈津江・秋津伶訳「一般言語学 第三回講義 コンスタンタンによる講義記録」(エディット・パルク)
http://web.kyoto-inet.or.jp/people/cogito/%8Fo%94%C5%88%C4%93%E0/shuppan.html%20saussure
をお読みになった方っていらっしゃいます?
参考にしたいので、
よろしかったら感想を聞かせていただきたいのですが。

>>U+3002さん、Maniac C.さん、鴛鴦さん
文法性に関しては
イェスペルセン著、半田一郎訳「文法の原理」(岩波書店)
がより詳しいです。



Re: 文法的性

U+3002 (2003/09/27 17:28)

Maniac C.さん
> 私は、「文法的性の変種」として、バントゥー諸語や日中の例を挙げたわけでは
>ありません。世界的視野から見て、「文法的性」と名詞分類が相補分布を成している
>ので、言語学界では、同じ性質のものだ、という認識が大勢だと思います。

そのことは了承しました。

>>少なくとも現代では、その船の乗員以外もsheを使います。女性がsheを使うこともあるでしょう。
>→そうですね。けれども、文化的背景として、女性に擬人化して言われることがある、
>という下敷きが在ってのことです。

shipをsheで受けるのが擬人化に過ぎないとしたら、男性に擬人化してheで受けることもありうるということになります。
しかし、そういうことはなさそうです。(漫画のキャラクターなどなら話は別でしょうが)
このことを説明するには、
「英語では、shipを女性に擬人化することはあっても、男性に擬人化することはない」
よりは
「英語でshipは女性だが、英語では女性/男性名詞を中性としてitで受けてもいい」
のほうが合理的です。

>私の考える「文法」とは、根拠が言語外(この場合は、女性に喩えられる、という指示物
>と指示内容との関係)に在るのではなく、言語内でしか求められないもの(つまり、
>そう言う決まりだからそう言うのだ、という説明できない関係)です。
> 例えば、独語で Tisch と言えば、それは必ず Mann と同じ形の冠詞や形容詞で修飾
>され、Bank と言えば、必ず Frau と同じ形の冠詞や形容詞で修飾されるが、何故かは
>説明できず; 文体的な違いで、場合によっては Kind と同じ形の冠詞や形容詞で修飾
>される、なぞというようなことは無い、というのが「文法的性」だと考えます。

「女」「母」「娘」などが同じ形の冠詞や形容詞で修飾されるのは、偶然ではないでしょう。
文法的性が、完全に「言語外」から独立しているとは思えません。
「女性に喩えられること」と「女性名詞であること」との間に、明白な境界はないと思います。

たとえば、ドイツ語で船は女性ですが、軍艦は「男性的だ」という理由で、王令で男性に変更されたと聞きます。
これなどは、擬人化から文法的性が生まれた例でしょう。



re アボカド

鴛鴦 (2003/09/27 16:51)

>Maniac C.さん
「男であることの証拠」から「証拠となる」「証言する」と。
無ければ男ではありませんから(^^;)
実の形から・・・
これからはアボカドを食べるとき、一瞬ためらってしまうのだろうか・・・?



超難解

きしろふ (2003/09/27 16:14)

>Maniac C.さん
学生用語だったんですか。それでは、まず一般には分かりませんなぁ(^^;)
「些細で、何も無く、毛ほども無いと、気にかけないようにすること」ですか・・・
ヤッパリムツカシイ・・・(--;)

私はアステカ(Aztec)語の「ahuacatl」から来ていると聞いたことがありますが、アステカ語はナフワートル語と同じなのでしょうか?



RE:黙示録 予言

らにい (2003/09/27 13:19)

>Maniac C.さん
>文字通り「触らぬ神に祟り無し」というところではないでしょうか。
うーん、確かにそうかもしれません。
予言を必ず実現させようとする狂信者の類はいままでにいくつもありますからね。
>「revelation」「revolution」
こちらの質問にも答えてくださって、ありがとうございます。
動詞形、そして原意からして違うんですね。分かりました。

>にれのやさん
詳しい説明感謝いたします。
ウクライナとロシアとではアクセント、はたまた意味も違ってくるんですかぁ。
「быль」が廃語になっていたのは少し驚きです。そうすると、「チェルナ 'ブイり(чернобыль)」ではなく「チェルナ(черно)」?
>ロシア発祥の地 「ルーシ」
私は歴史に少し疎いもので・・・(^^;)初めて知りました。
となると「ロシア」もここから?
「タタール(Tartar)」は話題の「韃靼そば」の「韃靼」ですね。



黙示録 チェルノブイリ 烏弋山離 睾丸 超難解

Maniac C. (2003/09/27 06:10)

>らにいさん
>ノストラダムスの予言より当たる?
→五島勉氏に拠れば、ノストラダムスも、聖書に出てくる預言者の系列で、聖書の
記述を補完する役割らしいですから、分けて考える必要は無さそうです。
 さらに、「予言は解釈の仕様によっていくらでも当たったことに出来る」という
意見も有りますし、「聖書に書いてあることは神の計画書なので全て実現させようと
する狂信者の集団も在る」という恐ろしい話も在りますので、文字通り「触らぬ神に
祟り無し」というところではないでしょうか。

>「revelation」は「革命」を意味する「revolution」と関係はありますか?
→いいえ。revelation の動詞形は reveal で、「ヴェールを外す」が原意です。
片や revolution の動詞形は revolve で、「再び(運命の車を)廻す」が原意です。

>Mr. Kenneth/Kennedy(^^) まっさんげあーな
お久しぶりです。How have you been?
>黙示録のニガヨモギには「полынь」という異なる語が使われていました。
→ええ。これも事故のとき言われてましたね。

欠字・省画の話はあちこちで聞きますね。私がどこかで読んだ話では、必ず或る漢字
を書き間違える子がいて、後で判ったのだがその字は亡くなった父親の名前に有る字
だった、というのも在ります。

>烏弋山離(アレキサンドリア, いまのカンダハル?)
→だいぶ前の話まで遡っていただいて恐縮&感激です。「烏弋山離」は「ウヨクサンリ」
と読みそうなのに、これで「アレキサンドリア」なんですか。大分訛っていますね。
これもイラン系の言い方に由来するのでしょうか。

>鴛鴦さん
>「証言する」と「睾丸」とはどう繋がるのでしょうか?
→『英語語源辞典』に拠りますと、testicle は羅語 testis の指小形に遡り、羅語
testis とは witness of virility(男であることの証拠)の意味である、と有ります。
testify も羅語 testis から派生した動詞で、-(i)fy は英語の to make, to do に
当たり、「証拠となる」「証言する」の意味になります。
>「アボカド(avocado)」も「睾丸」と聞いたことがあるような・・・?
→上掲書に拠りますと、「スペイン語 avocado(通俗語源による変形)<aguacate<
ナフワートル語 ahuacatl(短縮)<ahuacacuahuitl(原義 testicle tree).」と有り
ます。実の形からのようですね。

>きしろふさん
>アメリカの外交の御偉い方
→Jesse Helms というお名前のようです。
>CTBT
→Comprehensive Test Ban Treaty が原語で、com(完全に)+prehend(つかむ)です
から、「包括的」と言う方が原語の意味に近いのですが、一般の人には解りにくい
言葉だから「全体的」と言い換えるのでしょうね。
>「floccinaucinihili-pilification」
→Helms 氏は Daniel Patrick Moynihan 上院議員からこの単語を教わったそうですが、
イートン校の生徒の学生用語らしいです。OEDには"Flocci" "nauci" "nihili" "pili"
fication と書いてあるようです。それぞれの意味は下記の通り。
flocci=「一頭一刈り分の羊毛、一本の羊毛」で、flocci non facio と使われると、
    「羊の毛もあげられない」→「気にならない」という意味になるそうです。
nauci=「些細な物の」
nihil=「何も無い」
pili=「毛」で「毛ほども無い」ことを含意しているそうです。
要するに、「些細で、何も無く、毛ほども無いと、気にかけないようにすること」と
いう意味になるでしょう。
>「私は(この条約を)くだらないと思っているので驚いているのです」
→原文は“I note your distress at my floccinaucinihilipilification of the CTBT”
で、「私のCTBTに対する無関心さに対してのあなた方の心配に、私は注目する」と
いうような意味です。



チェルノブイリの語源らしきもの…2

にれのや (2003/09/27 01:51)

■ところで、なぜ、ロシア語とウクライナ語でアクセントの位置がちがうのか? これは、ポーランド語の影響と考えられます。(拙論であります。ただいま、調査中)。
 以前、-ский, -цкий に終わる姓は、ロシア以西のウクライナ、ベラルーシに特有の姓であり、アクセントは9割がた、-ский, -цкий の1つ前の音節にある、ということを書きました。これは、どうやらポーランド語の影響のようなのです。ポーランド人の姓は、多く -ski, -cki に終わります。つまり、この方式がウクライナ、ベラルーシで採用され、アクセントもポーランド語式に、最後から2音節目固定になった、と考えられます。
 このポーランド式の固定アクセントが、ときおり、ウクライナ語本来の単語のアクセント位置に影響を与え、ロシア語とアクセント位置が異なる場合があるようなのです。чорнобиль も最後から2つ目の音節にアクセントがあります。
     чорн+о+биль
の о は接合母音に過ぎませんから、「位置の自由な本来の意味での強勢アクセント」 を持つウクライナ語が、接合母音にアクセントを置くというのは妙な話です。ロシア語のように、複合語の第2要素のアクセント位置に強勢を置く、というほうが無理がありません。
■突然ですが、Владимир[ヴら'ヂーミル] (ウラジーミル=ロシア語の男子名) のアクセント位置は、ロシア語を少し勉強した人なら、誰でも不思議に思うはずです。-мир に終わる他のロシア人の名前は、すべて、-мир にアクセントが落ちるのに、Владимир だけは、[ヴら 'ヂーミル] と最後から2番目の音節にアクセントが置かれるのです。もちろん、これは、
     влад 「"支配する" という動詞の語根」 + и 「接合母音」 + мир 「平和」
の 「接合母音」 и にアクセントが落ちているわけで…… ここまで書けば、あとは察していただけるでしょう。ただ、なぜ、ウクライナ語のアクセントが、ロシア正教の聖人のアクセント位置に影響を与えたのか、そこが謎なんですが。(現在、調査中)。
■ロシア発祥の地 「ルーシ」 は、現在のウクライナのキエフを中心としていたのですが、その後、モンゴルの支配を受け (タタールのくびきというアレですね)、そののち、リトアニアに支配され、そののち数百年にわたってポーランドの支配下にありました。モンゴルは 「徴税」 にしか興味がありませんでしたが、ポーランドは領内の正教徒のカトリック化など、宗教的・文化的影響力を行使する傾向がありました。言語などにその痕跡が残っているのだと思われます。

■最後におまけ。セルビア語で sour cream を何というのか調べてみました。
     sour cream = кисела павлака / kisela pavlaka
     cream = павлака / pavlaka
セルビア語には smetana という単語が、影も形もありません。



チェルノブイリの語源らしきもの…1

にれのや (2003/09/27 01:50)

【チェルノブイリ Чернобыль/Chernobyl' の語源】
■らにいどの。チェルノブイリの地名の 「語源」 ではなく 「解釈」 を申し上げます。地名・人名の語源というのは、辞書を片手に語源説をこしらえあげても、実際の語源はぜんぜん別のところにあり、ということがよくありますね。そこで、「解釈」 を申し上げるわけです。Maniac C. どのの申される聖書云々については、あたくしはまったく知りませんでしたので、ごく普通に、言葉の上での解釈を申し上げます。
 ロシア語で
     【чернобыль】 chernobyl' [チェルナ 'ブイり] =ヨモギ。(特に) ニガヨモギ。
であります。чернобыльник [チェルナ 'ブイりニク] とも言います。語の構成は、
     черн 「黒い」 +о (接合母音) + быль 「野草」
つまり、「黒い草」、クロクサであります。быль [ 'ブイり] という語は、現在では廃語です。
■1986年4月26日、チェルノブイリ原子力発電所の第4号炉で爆発事故があったのはみなさんごぞんじのとおりです。チェルノブイリと言いながら、原発の北西に隣接していた町は 「プリピャチ」 (Припять) でした。もっともひどい被害を受け、人口5万人の町がゴーストタウンになりました。チェルノブイリは、南東に少し下ったところにありますが、この地域では、チェルノブイリがいちばん大きな都市だったので、原発の名前はチェルノブイリ原子力発電所です。
     チェルノブイリ原子力発電所
       = Чернобыльская атомная электростанция
       [チェル 'ノーブりスカヤ 'アータムナヤ エりクトラス'タンツィヤ]
略して
       = Чернобыльская АЭС
       [      〃      アエ'エス]
です。何か気がつきませんでしょうか? …… アクセントの位置がちがいますねえ。ベラルーシとの国境に近いウクライナの町 「チェルノブイリ」 は、ロシア語では、
     Чернобыль [チェル 'ノーブり]
です。ヨモギの чернобыль[チェルナ 'ブイり] と、なぜにアクセントの位置がちがうのでしょう。
■ウクライナ語で、「チェルノブイリ」 は、
     Чорнобиль [チョル 'ノーブり] チョルノーブイリ
と言います。つまり、ロシア語の 「チェルノブイリ」 は、ウクライナ語名を 「ロシア語訳」 しながらも、アクセントは原語の位置を保存したわけです。そもそも、チェルノブイリはウクライナの町ですから、本来の名前はウクライナ語なわけですね。そして、このウクライナ語の 「チョルノーブイリ」 は、やはり、普通名詞の чорнобиль に由来すると思われるのですが、
     「ウクライナ語の чорнобиль は
        ロシア語の чернобыль と少し語義がちがう」
のです。ウクライナ語=英語辞典で調べますと、次のように出ています。
     【чорнобиль】 wolfsbane, monkshood; artemisia.
       つまり、トリカブト、もしくは、ヨモギ属
ということのようです。トリカブトはキンポウゲ科、ヨモギ属はキク科。言語は科学ではないので、しかたない、ままあることですね。つまり、ウクライナ語では、チョルノーブリはむしろトリカブトを指すようなのです。ロシア語 чернобыль には、「トリカブト」 の語義はありません。



黙示録

らにい (2003/09/26 19:53)

なんか、だんだんと「モルダウ」「スメタナ」からはなれていくようですが(^^;)

「黙示録」は「apocalypse」のほかに「revelation」とも言いますが、この「revelation」は「革命」を意味する「revolution」と関係はありますか?

ホントにちょっとしたことですが・・・



超難解

きしろふ (2003/09/26 19:40)

数年前にアメリカの外交の御偉い方が「CTBT(包括的{最近は「全面的」と書いているようで}核実験禁止条約)」に批准しないことを決め、そのことで記者たちはこぞって「なぜ反対したのか?」と質問したところ、その御偉い方は「私の『floccinaucinihili-pilification』で驚いているのです」と答えたそうです。記者はみんな「floccinaucinihili-pilification」という単語を全然知らなかったので、単語を一節一節分けて意味を推測したそうです。
彼はようするに「私は(この条約を)くだらないと思っているので驚いているのです」と言っていたようです。
「floccinaucinihili-pilification」を直訳すると、まだるっこしくなるそうな(笑)



英文名

顕正居士 (2003/09/26 18:54)

なぜ Roh Moo-hyun ?

英文名は各人が表記を工夫されるので、romanization の定式以外のがあります。
また Stanley Ho などもあります。

Confusing Surnames in English’
http://times.hankooki.com/lpage/opinion/200309/kt2003090215080311330.htm

Roh Moo-hyun’orNo Mu-hyon’
http://times.hankooki.com/lpage/opinion/200305/kt2003050216562711550.htm



ちょっと(だいぶ?)恥ずかしいことですが・・・(*^^*;)

鴛鴦 (2003/09/26 18:47)

以前、「testicle」はいわゆる「睾丸」のことだと聞いたことがありました。「testicle」は「testify」から来ていて、「testify」は「証言する」という意味ということなのですが、この「証言する」と「睾丸」とはどう繋がるのでしょうか?

「アボカド(avocado)」も「睾丸」と聞いたことがあるような・・・?



Re: 獅子

massangeana (2003/09/26 17:42)

Maniac C. さん(9/14):
>「獅子」の語は『無量寿経』『阿弥陀経』『智度論』『漢書(西域伝)』『仁王経(下)』
>『蓮華面経(上)』などに有るそうです。
漢書西域伝では烏弋山離(アレキサンドリア, いまのカンダハル?)の産物として「師子」を
あげています。「阿弥陀経」はもっとあとの訳で「師子仏」という固有名詞です。漢書にあるとい
うことは, インドではなくてイラン系の言語からの借用かもしれません。

偽中国人さん(9/14):
>タイ語ではSingkhapooというそうです
綴りからいって, 英語からの借用のようですね。



Re: 唐音のン

massangeana (2003/09/26 16:33)

U+3002 さん(9/15):
>「唐音」として、[ŋ]は「ン」と転記されてきました
唐音の定義によりますが, 江戸以降のは別として, 「行アン」などの「ン」は
ng をうつしたものではなくて, もとになった中国語で -n になっていたからと考えら
れています。



Re: 三郎

massangeana (2003/09/26 15:38)

偽中国人さん(9/19)
>「さむろう」と呼ばれた時代(あるいはlinguistic fact言語的事実)があったのでしょうか?

三郎を今サムラウ又サブラウと呼べり。
http://www.let.osaka-u.ac.jp/~okajima/ingaku/yojirei/yojirei.htm

どちらも江戸時代の例ですね。

今とても人の名の三郎などをば、さむらうと唱ふれども、さらに聞ぐるしからず、
さんらうと唱へたらむは、返て聞ぐるしかるべし
http://homepage2.nifty.com/kotenmura/norinaga/ashikari-1.html



Re: 金 (キム・クム)

massangeana (2003/09/26 14:56)

李に克つことをはばかって音を変えたという説の当否はさておき, 何かをさけるために
音をかえることは中国語にもあります。「璽」を xi3 と読むのは規則的な si3 で読むと「死」
にぶつかるから音を変えたというのは有名です。また紅楼夢では林黛玉が母親の賈敏の名を
さけて, 「敏(min)」の字を mi のように読んだ, という話がでてきます。

なぜカムやケムでないかというと, 中古音の -im のような音はもともと朝鮮漢字音では前にく
る子音によって, -im になるばあいと -eum になるばあいがあったからだろうと思います。
(「品」は現代語では -um ですが, 古くは -eum) なお朝鮮にはクムと読む姓(琴)もあります。



Re: チェルノブイリ

massangeana (2003/09/26 14:27)

黙示録との関係は事故のときにいろいろいわれました。
チェルノブイリがニガヨモギであるのは確かなようですが, ロシヤ語の聖書をみたかぎりでは
黙示録のニガヨモギには「полынь」という異なる語が使われていました。訳によって異
なる可能性もなきにしもあらずですが。



Re チェルノブイリ

らにい (2003/09/26 12:54)

>Maniac C.さん
正しく、あの原発事故を予言していたかのようですね。
ノストラダムスの予言より当たる?



Re:沙汰のこと

ダダ (2003/09/26 06:49)

「沙汰」の意味、教えていただき、ありがとうございました。
未菜実さん、とてもわかりやすく、納得できました。
偽中国人さん、詳しく調べていただき、感激いたしました。
やはり、ちゃんとした意味があったのですね。これからは心して使いたいと思います。



沙汰の語源

偽中国人 (2003/09/26 01:58)

沙彌、沙羅、娑婆などの聯想から梵語かもしれないと思いながら香港の辞典を開くと

晋書、孫綽伝:『沙之汰之、瓦礫在後』。

おや、「沙」は名詞だと思っていたのに、ここでは動詞。

吉川幸次郎氏の著作を読んでいると「之」は口調を整えるために使っているので、無くても構わない、というようなことが書いてありますが、やはり「之」があることにより動詞ということがはっきりします。

按沙汰、日本用作問訊或消息之意。沙汰を按ずるに、日本では「問訊」あるいは「消息」の意として用いる。

沙sha 漢語詞典では平声(第1声)なら名詞、砂。しかしこの場合名詞ではありません。

去声(第4声)、方言、動詞、振るって物の中の混じり物を集めてきれいに除く、とあります。箕(み)などでふるい分けることのようです。去声(第4声)で発音して動詞になるのはよくあるパターンです。
漢和辞典によれば「沙」の動詞としての読み方は「よなぐ、よなげる」。「よなぐ、よなげる」などというのは私にとって生まれて初めて目にする言葉。

古い国語辞典を調べると、「水に入れてゆりわける、ゆりわけてわるいものをすてる」。
派生語に「よなげ屋」というのがあります。川底などをあさって金属類をひろいあげることを仕事とする者。−−−これを大阪弁では「がたろ、がたろう」といいます。平和ラッパの漫才や上方落語に出てきますが今では死語でしょう。
http://www.hi-ho.ne.jp/gataro/gataro.html

『沙之汰之、瓦礫在後』これをよなげ、これをゆすぎ(=濯ぎ=揺り動かしてすすぐこと)、がれき、しりへ(うしろ)にあり。これが語源です。



Re: Vltava Chernobyl’ Smetana クム〜キム

Maniac C. (2003/09/26 01:46)

>にれのや師匠
毎度有難う存じます。
■mol
私も怪しいとは思ったんです。でも、もしかしたら私の知らない所でそういう語が
在るのか知らん、ということで、師匠にご登場願ったのですが。やっぱり在りません
でしたか。
 別な語源説を見つけました。ケルト語で、vlt=wild, va=water とするものです。
つまり、「暴れ川」ということです。
 これなら、全然違う川に付けられていても、何の不思議も無い名前です。

■Chernobyl’
>らにいさん
三角パスのようになりますが、私からお答えいたしましょう。「黒い葉」の意味です。
チルナーブィリは、聖書研究者には有名な言葉で、『黙示録』の中で「にがよもぎ」と
出ています: 第三の御使が、ラッパを吹き鳴らした。すると、たいまつのように燃え
ている大きな星が、空から落ちてきた。そしてそれは、川の三分の一とその水源との
上に落ちた。この星の名は「苦よもぎ」と言い、水の三分の一が「苦よもぎ」のよう
に苦くなった。水が苦くなったので、そのために多くの人が死んだ。(口語訳聖書)
まさに、あの原発事故を予言しているかのようなので、有名なのです。

■smetana
「吹き払われたもの」ですか。浮いているものを掬い取る、というような意味は有り
ませんか? それが英語の skim の意味なのですが。
 ネットでスメターナを探すと、ロシヤ料理には何でもスメターナが入っているよう
で、日本の味噌や醤油に当たる食品のようですね。

■クム〜キム
>偽中国人さん
お蔭様で、朧気ながら解ってきました。
「金」は五行説では「李」の木に克ってしまうから、遠慮して、別にカムでもコム
でもケムでも良かったのだろうが、とにかく部分的に元と違う音にした、ということ
ですね。煬帝を「ようてい」とせず「ようだい」とするようなものなのですね。



Res: 文法的性

Maniac C. (2003/09/26 01:03)

>U+3002さん
>genderを「文法性」というのはわかりにくい
→確かに(^^)。grammarticality の訳語とも区別が付きませんな。

>>文法性を名詞の分類基準の一種と考えますと、バントゥー諸語では10〜20種に増え、
>>日本語や中国語になると、助数詞で分類しますので、無数に在ることになります。
>それらはもはや文法性(ママ)ではないでしょう。
>「文法的性の変種」ではなく、文法的性以外に、数の区別、屈折の型なども包含した広い概念(category?)の一種と考えるべきです。
→確かに、バントゥー諸語では「数の区別」も加わります(mtu-watu, kitabu-vitabu)。
「屈折」というのが declension なのか conjugation なのか、はたまたそのどちらも
なのか判りませんが、スワヒリ語では、主語と目的語では語形変化は有りません。
動詞に付いて主語や目的語を表す接中辞を「屈折の型」と仰るのなら、名詞の部類は
「屈折の型」にまで影響します。
 しかし、アラビア語でも、主語が男性か女性か、というのは「屈折の型」にまで
影響します(katabti-katabta, katabtunna-katabtum; kataba-katabat, katabuu-
katabna)ので、特に「広い概念」にまで広げて考える必要は無いと思いますが。
 印欧語では、前述しましたように、単に名詞と形容詞との関係だけですので、
精々、冠詞や過去分詞の語尾が影響を受けるだけなので狭く考えてしまいがちですが。
 私は、「文法的性の変種」として、バントゥー諸語や日中の例を挙げたわけでは
ありません。世界的視野から見て、「文法的性」と名詞分類が相補分布を成している
ので、言語学界では、同じ性質のものだ、という認識が大勢だと思います。

>少なくとも現代では、その船の乗員以外もsheを使います。女性がsheを使うこともあるでしょう。
→そうですね。けれども、文化的背景として、女性に擬人化して言われることがある、
という下敷きが在ってのことです。
西洋人の意識の中では、女性形代名詞で承けられたものは、まさに女性ですよ。
>sheを使うとき、船を何かに見立てているとは考えがたく、やはり文法的性の一種でしょう。
→もし、言語習慣をも「文法」と、広い意味で仰るのならそうとも言えますが、私の
考える「文法」とは、根拠が言語外(この場合は、女性に喩えられる、という指示物
と指示内容との関係)に在るのではなく、言語内でしか求められないもの(つまり、
そう言う決まりだからそう言うのだ、という説明できない関係)です。
 例えば、独語で Tisch と言えば、それは必ず Mann と同じ形の冠詞や形容詞で修飾
され、Bank と言えば、必ず Frau と同じ形の冠詞や形容詞で修飾されるが、何故かは
説明できず; 文体的な違いで、場合によっては Kind と同じ形の冠詞や形容詞で修飾
される、なぞというようなことは無い、というのが「文法的性」だと考えます。

>私の言及と矛盾しない(むしろ補強する)ように聞こえるのですが…?
→えーと。私も書きながら、誤解を招きやすい書き方だと思っておりました。m(_ _)m
昔は文法的なものだったけれど、今は違う、ということを言いたかったのです。



Re:沙汰

未菜実 (2003/09/25 22:49)

「沙」は砂、「汰」は選び分けるの意味です。
ですから「沙汰」の原義は、水でゆすって砂金と砂など、価値あるものと無価値なもの選り分けることです。
ものの精粗を選り分けることから理非を論じ極める意味になり、訴訟や裁判の意味へともなります。
更に転じ、決済されたことについての指令、指図、また報告や消息などの意味ともなったようです。

「ことばの道草」岩波書店辞典編集部編
「やっとわかった日本語」ことばの豆辞典編纂室

http://www.geocities.co.jp/Bookend/4373



re:Smetana

らにい (2003/09/25 19:38)

>にれのやさん
Maniac C.さんに返答しているところ、横槍ですいませんが(汗)

そうすると、「チェルノブイリ(Chernobyl)」はどういう意味になりますか?



チェコ語 smetana の語義

にれのや (2003/09/25 13:17)

【チェコ語の smetana スメタナの意味】
■Maniac C. どの。smetana の意味について、一応、調べがつきました。
現代チェコ語では、
     smetana = クリーム (cream)
     kysela{+´} smetana = サワークリーム (sour cream)
      [ 'キセらー ス'メタナ]
です。Oxford の "A Dictionary of Surnames" が、なぜ、Smetana の語源をわざわざ 「サワークリーム」 とことわったのか? やつがれが考えまするに、過去において、チェコ語では smetana は サワークリームを指していたのではないか、と思うのです。下に示す、各言語での smetana の意味を比較してください。
     【ロシア語】
   сметана=サワークリーム。
    ※「クリーム」 は сливки [ス'りーフキ] という別の語を使う。
     【ポーランド語/ウクライナ語】
   s{+´}mietana =サワークリーム、もしくは、クリーム。
   s{+´}mietanka =クリーム。
   сметана=サワークリーム、もしくは、クリーム。
   сметанка=クリーム (sweet cream)。
     【チェコ語】
   smetana =クリーム。
    ※「サワークリーム」 は kysela{+´} 「酸っぱい」 という形容詞をつける。
つまり、
   チェコ語……ポーランド語、ウクライナ語……ロシア語
という、語義のグラデーションが見えてきます。また、ポーランド語、ウクライナ語では、「クリーム」 という語は、明らかに 「サワークリーム」 という語から派生しています。
 サワークリームというと、何だか 「酸っぱいクリーム」 というような印象を受けますが、sweet cream とは食品としての性格がちがいます。つまり、サワークリームは、クリームを乳酸醗酵させた発酵食品であり、単なるクリームより食品としての価値が高いようなのです。「スメタ(ー)ナ」 というのは、スラヴ人の伝統的な醗酵食品の1つであるようです。
●ロシア語の сметана という語は、
     мет = 掃く、吹き払う
という形態素からできています。
     метать=投げる、放る
     метла=ほうき
     метель=吹雪
     сметать=掃き出す、吹き払う
сметана は、最後の動詞 сметать [スミェ'タッチ] の (英語でいうなら) 過去分詞の 「女性形を名詞化したもの」 です。つまり、
     сметана= 吹き払われたもの (そのもののカテゴリーは女性名詞)
ということになります。たぶん、スメターナの製法に、この命名の秘密があると思うのですが、現在のところ不明なり。



スラヴ語の mol という形態素

にれのや (2003/09/25 13:14)

【スラヴ語の mol (мол) という形態素】
■Manic C. どの。どうも、スラヴ語に 「黒い」 という意味を持つ形態素 mol は見当たりません。もっとも、他に方策なしとて、ロシア語で調べているのでありますが。
●スラヴ祖語の 「黒い」 という形態素は
     *c{+v}ьrn (чьрн)
であります。これは、南はマケドニアから北はポーランドまで共通です。モンテネグロのセルビア・クロアチア語形 「ツルナゴーラ」 の 「ツルナ」 црна というのも、同じ形態素を持っています。チェルノブイリの 「チェルノ」 черно も同じです。この形態素のロシア語形は、
     черн (アクセントある場合 чёрн)
で、「黒い」 という形容詞 чёрный ['ちょ-ルヌイ] も、これからつくられています。
●ロシア語では、мол という形態素に3系統があります。
   (1) 細かい・細かく砕いた
моль=紙魚 (しみ)
молоть=細かくする
молотый=挽いた、粉にした
смолоть=(穀物・肉を)挽く
   (2) 祈る・願う
молитва=祈り
молить=懇願する
мольба=懇願
молебен=短いお祈り
   (3) 川をばらで運ぶ木材
моль=筏に組まず、ばらで川を流して運ぶ木材
молевой=ばらの(木材)
молевщик=木材を流して運ぶ労働者
●ドイツ語の百科辞書で調べますと
     【Moldau】 (1) モルダウ川、ヴルタヴァ川。(2) モルダヴィア。
とあります。まったく不思議です。両者に地理的つながりがあるようには見えません。ドイツ語で 「モスクワ」 を Moskau 「モスカウ」 と言います。つまり、物主形容詞語尾の -ова を -au で受けています。これを Moldau に適用すると、*Молдова という語形が想定できます。これは、молед (moled) の物主形容詞女性形と考えられます。まあ、これは、ファンタジーですけど。



中国的遠慮の仕方

偽中国人 (2003/09/25 12:57)

同音異義語や方言がたくさんある中国では発音を変えて遠慮するのは非現実的なので、
(小川環樹、木田章義 注解《千字文》岩波文庫2000/6/15 pp19)

1.改字
   玄黄->元黄のよう字を換えてに宋の始祖趙玄朗の「玄」を避けた。
   実例
     http://www.mainichi.co.jp/area/hokkaido/jirin/2002/021218.html
     〜書のひととき〜 初月帖
2.空字
   避けるべき字が出てきたら空白にするか「□」を置く。
   日本風に言えば伏せ字。

3.欠筆
   避けるべき字の一部(点画)を省略する。
   実例
     http://www.ndl.go.jp/exhibit/50/html/wa1-3/wa1-3-ex.html
という方法で遠慮しました。

古怪なことに、韓半島人は苗字1文字、名前2文字の漢字を使い、表面的には中国風ですが、中身を検討すると、イマイチ中国人になり切れていないことがあります。
それは
金日成      Kim Il-Sung
金正一(一作日) Kim Jong-Il
金正男      Kim Jong-nam (綴りが間違っていれば、ツッコミを入れてください)
と三代続く家系で父と子が名前の1字を共有していることです。

親子間で名前の1字を共有するのはむしろ日本的で、源義朝の子に頼朝、義経、安倍晋太郎の子に晋三と名前をつけるなど命名に関しては遠慮するという風習がないどころか、今上陛下御成婚をきっかけに「美智子」(近年では「愛子」)という名の女の子が多数生まれたそうです。

しかし儒教思想に基づき長幼の序を重んじる中国人には親子間で名前の1文字を共有する習俗は有りません。寧ろ中国人は世代毎に名前の一部に使う文字が決められていて、兄弟姉妹で1文字を共有します。

例えば『Mr.BOO!』のホイ三兄弟。許冠文(マイケル・ホイ)、許冠英(リッキー・ホイ)、許冠傑(サミュエル・ホイ)は「冠」の一字を共有しています。
宋家三姉妹。宋靄齡、宋慶齡、宋美齡は「齡」の一字を共有しています。
http://downloadme.virtualave.net/soong.htm



御無沙汰

ダダ (2003/09/25 07:47)

『御無沙汰』の語源を教えてください。
「無沙汰」は「便りがない」と言う意味で、
「沙汰」は「手紙」を表す、というところまでは解りましたが、
どうして「沙汰」が「手紙」なのでしょうか?
何か御存じの方は教えてください。



Re:『空想英語読本』 完結(笑)

きしろふ (2003/09/24 23:42)

んじゃ、怪盗・・・もとい解答です。
 ・「In lieu of the moon,take your scolding from me!」→「月に代わってお仕置きよ!」
 ・「That's twice you hit me! Even my old man never hit me!」→「二度もぶった!親父にもぶたれたことがないのに!」
 ・「The Life and Times of a Karate Fanatic」→「空手バカ一代」
 ・「Cap'n Redneck」→「いなかっぺ大将」
 ・「May the Morrow be Fair」→「あした天気になあれ」
 ・「Junior Dick」→「がきデカ」
 ・「Extra Molestrials」→「うる星やつら」(実際は「Urusei Yatsura」でした・・・ ^^;)
 ・「Wolf and Whelp」→「子連れ狼」
 ・「あご」→「ジョーズ(Jaws)」
 ・「相当な資質」→「ライトスタッフ(The Right Stuff)」
 ・「ひとりでお留守番」→「ホーム・アローン(Home Alone)」
 ・「ちり紙交換」→「パルプ・フィクション(Pulp Fiction)」
 ・「味方して」→「スタンド・バイ・ミー(Stand by Me)」これはしばしば「傍にいて」と訳されます。
 ・「基盤」→「マトリックス(Matrix)」
 ・「第五元素」→「フィフス・エレメント(The Fifth Element)」



文法的性

U+3002 (2003/09/24 15:50)

読み直してみたら、genderを「文法性」というのはわかりにくいので、「文法的性」にします(笑)

Maniac C.さん
>>文法(的)性は、原則的に、インド‐ヨーロッパ語族に固有の特徴です。
>>世界的には、ないほうが普通です。
>→いいえ。

ええ、これは誤りでした。
少なくとも、アラビア語などにはありますね。

ただ、以前、「トルコ語に文法的性がある」という記述を見て、よく読んでみたら、母音調和のことだったという経験があります。
「言語には文法的性があるものだ」という先入観を持つ言語学者が、ほんらい文法的性とみなしがたいものを文法的性と記述してしまうことがあるのではと危惧しています。
個人的には、単に「○○語には文法的性がある」とだけの記述は、マユツバで読むことにしています。

> 文法性を名詞の分類基準の一種と考えますと、バントゥー諸語では10〜20種に増え、
>日本語や中国語になると、助数詞で分類しますので、無数に在ることになります。

それらはもはや文法性ではないでしょう。
「文法的性の変種」ではなく、文法的性以外に、数の区別、屈折の型なども包含した広い概念(category?)の一種と考えるべきです。

>>shipはsheで受けるなど、itで受けない名詞が多少あります。
>→これは文法的な決まりではありません。ship は、船乗り(男性)が、愛船を恋人に
>見立ててそう呼ぶものです。恋人に見立てないときは、普通にitと言います。

少なくとも現代では、その船の乗員以外もsheを使います。女性がsheを使うこともあるでしょう。
sheを使うとき、船を何かに見立てているとは考えがたく、やはり文法的性の一種でしょう。

>古期英語時代には ship は中性名詞でした

ラテン語のnavisが女性なのが起源かもしれません。

>>そもそも、代名詞にhe/she/itの3つがあること自体が、どうしようもなく文法性的です。
>→いいえ。代名詞が3つ有るのは、印欧祖語には元々3人称代名詞が存在せず、指示
>形容詞が3人称代名詞に発達したからです。文法性の区別というのは本来、形容詞の
>語形変化を区分するための名称なのです。

私の言及と矛盾しない(むしろ補強する)ように聞こえるのですが…?

> 現代英語の he/she/it の使い分けは、完全に自然性に基づくものになっています。

これはまさに、先ほどのshipなどを認めるか否かによりますね。



なぜクムをキムにすると...

偽中国人 (2003/09/24 05:11)

>なぜクムをキムにすると、上ではなくなるのでしょう?
費解=難解です。
日本人が結婚などの祝い事に不吉な言葉を避けて言い換えをするのと同じかも知れません。

ここだけの約束事
「ー」に似た韓国文字->ロシア文字щで代用。相当するIPAはmの倒立形。
           関西系ではなく東京系の「ウ」の音に似ている。
           U+3002さんの9月22日(月)14時45分09秒に出てきたフォントは
           Netscape6ではまともに表示するが何故かIE5.5では化けますので。

カタカナ「ト」の鏡像の韓国文字->∂で代用。相当するIPAはeの倒立形。

手元の小型の朝鮮語辞典によれば
kщmという字音を持った漢字には
金、琴、今、禁があり
多音節語には金剛経kщm gang k∂ng、今年kщm nan、金属kщm sok
などがあります。
韓国語の字音「kщm」は日本漢字音でいえば呉音「コン」に相当するのではないかと想像しています。

一方「kim」系統の音を探すと、
漬物キムチkim t∫‘iの「キム」 (t∫‘)は気息音
kim щmの略語kim=雑草
kim=海苔
などが並んでいます。更に探すと
「金的李的 kim t∫i i t∫i」というのがありました。『姓名がよくわからないときに使う語』
「金なんとか、李某」といった所でしょうか。ニュアンスは変わりますが漢語の「張三李四=熊さん八っつぁん」を連想させます。v
「金」のkщmがもし呉音系統なら、kimは漢音系統なのか或いは韓半島の「土話」系統の音なのか、今のところ、よくわかりません。

もし「呉音kщmを漢音kimにすると、上ではなくなる」のであれば、これは日本の政治家、自動車業界、化粧品業界、コンピューター業界が訳の解らないカタカナ語を連発して庶民を煙に巻く「朝三暮四」的なトリックかも知れません。

四声を発見したという伝説のある人物「沈約」は「チンヤク」ではなく「シン(旧仮名シム)ヤク
http://kiyo.nii.ac.jp/articles/ncid/AN00157178/19680000_11.html
福建人の沈さんは名刺に「Sim」と印刷しています。
「脱北者駆込み事件」で有名になった「瀋陽」の「瀋」は今では「沈」の繁体字。
http://www.kumamoto-airport.gr.jp/kanko/tyuugoku.html

論語述而第七の十八に出てくる「葉公」は「ようこう」ではなくて「しょう(旧仮名セフ)こう」と読むのが伝統的です。
http://homepage2.nifty.com/osho-sozen/homepage/rongo07.html
中国革命の元老、葉剣英は伝統に従えばショウ・ケンエイという発音ですが現代ではショウという読みは廃れてヨウだけが生き残っています。
http://www.panda.hello-net.info/person/ya/youkenei.htm
これは儒教が廃れ、古典を勉強したことのない人の百姓読みなのか。



RE:『空想英語読本』

きしろふ (2003/09/23 10:21)

>Maniac C.さん
『空想科学読本』シリーズにしてはまとも(爆)なほうですか。
『英文法の謎を解く』シリーズ、呼んでみようかね?(笑)

あと、「おもしろ英語?」の追記(というかヒント??)ですが・・・
 ・「That's twice you hit me! Even my old man never hit me!」は実際には「You got no right.Not even my own father hit me before!」と訳されています。
 ・「Cap'n Redneck」をもう少し原題の直訳に近づけると「Cap'n General」。
 ・「Extra Molestrials」は実際には原題のローマ字表記なんです。

『巨人の星』は「Starr of the Giants」と。直に「A Giant Star」とすると「巨大な星」という意味になってしまい、大スターとか木星とか思われてしまう可能性があるとのこと。
『銀河鉄道999』はゴダイゴやTHE ALFEEの歌の中にもあり、「Galaxy Express 999」と訳されていますが、宮沢賢治著『銀河鉄道の夜』の英訳『Night on the Milky Way Railroad』を参考にすれば、「Milky Way Railroad 999」だそうです。また、「999号」ということを強調するなら「Railroad」と「999」のあいだに「Number」をいれればなおよいとのこと。但し、「999」は「スリーナイン」と呼んでいますが、そうすると「39」と間違われてしまうことがあるので、「スリーナインズ」と呼んだほうがいいようです。
でも、「Galaxy Express 999」は直訳だと「銀河特急999」だし、「milky way」は他に「天の川」という訳もありますから、『銀河鉄道の夜』は「天の川鉄道の夜」になり、「Milky Way Railroad 999」は「天の川鉄道999」ともなりますな(汗)なんか、静岡にありそうな鉄道みたい・・・

どうやら、英訳の問題は一人だけで盛り上がっているみたいで恥ず・・・(--;)
ここは速やかに答えを。今夜〜明日中にでも。(え、速やかじゃない?)



Re:チェコ 姓

らにい (2003/09/23 09:14)

>にれのやさん
そうですか。無理言ってしまいましたか?(^^;)
「Dvořák」もポピュラーな姓なんですね。ふむふむ。



進出 キム mol 空想英語読本

Maniac C. (2003/09/23 05:17)

>コナンさん
>進出だなんてそんな・・・・転進!(^^;
→済みません、選ぶ言葉を誤りました(教科書問題で槍玉に上がった単語でしたね)。退却しないでください。m( _ _ ;)m 以下のように訂正致します。
×到頭こちらにも進出ですね。→ ◎到頭こちらにも御来臨ですね。

>偽中国人さん
解説、有難う存じました。五行説は予想できたのですが、なぜクムをキムにすると、
上ではなくなるのでしょう? 琴(キム)が木から作られているので、同列になるから
でしょうか…??

>にれのや師匠
mol の方もお願いします。

>きしろふさん
『空想英語読本』という題名を見て、瞬間、「すは、英語のトンデモ本か!?」と思って
しまいました。(^^) 意欲的な本のようですね。
 きしろふさんの御紹介の本の内容とは全く関係が有りませんが、私がお勧めする
英語のトンデモ本は、副島隆彦氏の『英文法の謎を解く』シリーズ(正・続・完結の
3巻)です。破茶滅茶で、オモシロイですよ。よくこれだけデタラメが書けるなと感心
します。この本を読んでマジメに感心する人にもまた寒心してしまいます。筆者が
言うように、まっとうな学者は誰も相手にせず黙殺されていますので、あれほどの
害悪本が発行禁止にもならず、未だに版を重ねて店頭に「ベストセラー」として並ん
でいます。まだお読みで無い方は是非、どれだけ批判できる点が有るかを数えるため
だけでも、お買い求めください。身近な言語を対象としているだけに、少し深く勉強
した人にとっては、呆れること請け合いです。



Re: 国際的

Maniac C. (2003/09/23 04:08)

>U+3002さん
>文法性は、原則的に、インド‐ヨーロッパ語族に固有の特徴です。
>世界的には、ないほうが普通です。
→いいえ。大修館書店『月刊言語』1993年10月号の『名詞の性』(梶茂樹)に拠ります
と、「文法性を持つ言語は、意外と多い。インド・ヨーロッパ系では、英語、ペル
シャ語などいくつかの言語では性は失われたが、多くは未だに保持している。インド・
ヨーロッパ系以外では、アラビア語、ソマリ語などのアフロ・アジアティック諸語(M.C.
註: 以前の「セム・ハム語族」のこと)、バリ語、マサイ語などのナイロート諸語、ボ
ツアナ、ナミビアなどに話されるコイ・サン諸語(M.C.註: 所謂「ホッテントット」や
「ブッシュマン」などが話す言語)、ラク語、アルチ語などの北東コーカサス諸語、タ
ミール語、カンナダ語などのドラビダ諸語などが有名である。また、オーストラリア、
アメリカにもある。」と有ります。
 私見では、印欧語族の文法性の文法度は中途半端ですから、アフロ・アジアティッ
ク諸語から輸入してきたものだと考えています。
 文法性を名詞の分類基準の一種と考えますと、バントゥー諸語では10〜20種に増え、
日本語や中国語になると、助数詞で分類しますので、無数に在ることになります。
 というわけで、「ないほうが普通」と言うよりは、有る方が普通だと思います。

>職業や地位を表す多くの語で、「男性××」「女性××」を指す語はありますが、「(性別問わず)××」を指す語がありません。
→英語で言う‘-man’‘-woman’という形式のことでしょうか?
これにはいくつかの理由が在って、まづ、‘-man’の本来の意味は「人」の意味で
あって、「男」の意味ではありません。それから、昔は「職業婦人」は少なく、男
社会に女性が進出してきたときに、物珍しさから、例えば‘woman doctor「女医」’
などと、女性であることを強調した語形を作った語も在ります。‘mermaid’に対して
逆に‘merman’という語を作っているのを見れば、その辺りの事情がお解りになる
でしょう。近年、女権拡張論者が攻撃してきて‘-man’‘-woman’という形式の語は
別の言い方に言い換えられ(PC)、‘-person’などの男女共通形になっています。多分、
唯一の生き残りは、‘Superman’ぐらいでしょう。(^^)
 あ、あと、神様や動物たちも多分、男女同権にせよ、なぞとは言い出さないと思い
ますので、‘goddess’や‘lioness’などは健在です。

>shipはsheで受けるなど、itで受けない名詞が多少あります。
→これは文法的な決まりではありません。ship は、船乗り(男性)が、愛船を恋人に
見立ててそう呼ぶものです。恋人に見立てないときは、普通にitと言います。古期
英語時代には ship は中性名詞でしたから、文法性が消失したからこそ、このような
言い方が出来るようになったのです。

>そもそも、代名詞にhe/she/itの3つがあること自体が、どうしようもなく文法性的です。
→いいえ。代名詞が3つ有るのは、印欧祖語には元々3人称代名詞が存在せず、指示
形容詞が3人称代名詞に発達したからです。文法性の区別というのは本来、形容詞の
語形変化を区分するための名称なのです。その証拠に、(ゲルマン系の)複数形には
性の区別は有りません。印欧語全体を見ても、性の区別が有るのは3人称だけです。
アラビア語などのアフロ・アジアティック諸語では、ちゃんと2人称にも性の区別が
有ります。
 現代英語の he/she/it の使い分けは、完全に自然性に基づくものになっています。
性を持たないものが he/she で承けられるときは、その単語が擬人化されていると
考えると説明が着きます(例えば、本来ロボットで性の無いはずのドラえもんやドラミ
ちゃんでも、he/she で承けられます)。



金と木

コナン (2003/09/22 22:30)

>Maniac Cさん
進出だなんてそんな・・・・転進!(^^;

偽中国人さんのおっしゃる通りだと思いますが、「読み方を変える」だけで落着、というのがなんとなく可笑しいですね。他には沈(チム)が、姓の場合は沈(シム)になる例があるそうです。こちらの原因はわかりません。



スメタナの頻度

にれのや (2003/09/22 22:23)

■らにいさん、ごめんなさい、チェコ人の姓のランキングのような資料がありません。
ドヴォジャークが4位だというのは、わかっているんですが……



「金は木より上」に就いて

偽中国人 (2003/09/22 21:48)

>金は木より上だから

これは鄒衍の五行相剋(又は五行相勝)説のことを指しているのでしょうか。

中野美代子著《西遊記の秘密》福武書店1984・1985に詳しく載っています。

《西遊記の秘密》pp56 図9 五行の相生と相剋
木剋土、土剋水、水剋火、火剋金、金剋木。(剋=勝つ)

同書pp72には《西遊記》第十九回の詩を引用しています。

金性剛強能剋木
 金の性は剛強にして能く木(もく)に剋(か)ち

五行相生説では木火土金水(もっかどごんすい)の順に生じるといいます。
五行が先秦の書物の中で現われるのは《尚書》の「洪範」篇が最初と言われてます。
「カテゴリー」の訳語である「範疇」はこの「洪範」の中の「洪範九疇」に由来する、と筑摩書房《世界古典文学全集》の《書経》の注にあります。@pp36

陰陽五行説は極東の三ヶ国(C,J,k)において近世まで重要な概念でした。



おもしろ英語?

きしろふ (2003/09/22 21:33)

あのヒットセラー『空想科学読本』シリーズの番外編(といっていいのやら ^^;)『空想英語読本』なるものを拝見しました。
主な内容は「これを英語で言えますか?」「心に残るセリフ」「漫画のタイトル、どう訳す?」「語源はなんだろう?」「空想科学の重要構文」「洋画の題名、無理に訳せば?」「空想科学的表現」「世界観を説明しよう!」とのこと(笑)
例えば「これを英語で言えますか?」なら「八つ裂き光輪」は「Mangling Halo」、「科学忍法火の鳥」は「The Science ninja Phoenix(但し、実際には「Kagaku Ninpo Fiery Phoenix」)」という風に。
「人類補完計画」は「Plan for Human Unity」でもいいが、劇中でも全体像が明かされない計画には「prospectus」を使い、「Prospectus for Human Unity」と少し怪しい雰囲気を醸し、「波動砲」は実際には「Wave Motion Gun」だが、SFの機械っぽくするには「undulate」を使い、「Undulation Cannon」としてみるとのこと。
ちなみに、事実、ドラえもんのグッズは全部ローマ字表記のようです。「どこでもドア」は「Docodemo Door(Doa)」?

ここで各々がたの技量をためすようで大変申し訳ありませんが、次の英訳分かりますか?
 ・「In lieu of the moon,take your scolding from me!」
 ・「That's twice you hit me! Even my old man never hit me!」
(以上は名ゼリフより)
 ・「The Life and TImes of a Karate Fanatic」
 ・「Cap'n Redneck」
 ・「May the Morrow be Fair」
 ・「Junior Dick」
 ・「Extra Molestrials」
 ・「Wolf and Whelp(実際は「Lone Wolf and Cub」)」
(以上は題名より)
 ・「あご」
 ・「相当な資質」
 ・「ひとりでお留守番」
 ・「ちり紙交換」
 ・「味方して」
 ・「基盤」
 ・「第五元素」
(以上は無理やり和訳から ^^;)

最後に凄い長文になりまして大変失礼いたしましたm(_ _)m



re 続・「モルダウ」

らにい (2003/09/22 18:16)

>にれのやさん
>「チェコのエンジンで検索すると、『Smetana』という姓の人が実に多いのに驚きます。」
「鈴木」や「田中」や「佐藤」ぐらいに(チェコでは)ポピュラーなもの?



re 英語

鴛鴦 (2003/09/22 18:12)

>Maniac C.さん、U+3002さん
丁寧で詳しい返答をありがとうございます。
いやぁ、自分の無知振りが発揮されましたな・・・(---;)



Re: 国際的

U+3002 (2003/09/22 14:45)

鴛鴦さん
>・いろいろな文字のなかでもアルファベットは一番簡単に書ける。

「アルファベット」とは「ラテン文字」(ローマ字)の意味でしょうか?
(「アルファベット」の定義はあいまいですが、最も狭義でも、ラテン文字、ギリシア文字、キリール文字、ルーン文字、グルジア文字、IPA、プロッスギ などがあります)

手書きのラテン文字は、簡単とは思えません。

>・そのアルファベットを使う言語でも唯一名詞に性別が無い。

Maniac C.さんが指摘していますが、たくさんあります。
文法性は、原則的に、インド‐ヨーロッパ語族に固有の特徴です。
世界的には、ないほうが普通です。

英語の文法性はほぼ消滅しましたが、まだいくらか残っています。
職業や地位を表す多くの語で、「男性××」「女性××」を指す語はありますが、「(性別問わず)××」を指す語がありません。
shipはsheで受けるなど、itで受けない名詞が多少あります。
そもそも、代名詞にhe/she/itの3つがあること自体が、どうしようもなく文法性的です。

>・だから、(アルファベットを使う言語のなかでは)一番文法が簡単。

英語が「最も簡単な言語」と言われるのは事実ですね。
ただ、インドネシア語もそう言われます。(ラテン文字を使います)
どちらにせよ、言っている人がどれだけの言語を知っているのか、疑問です。

余計なお世話かもしれませんが、「唯一」「一番」などという言葉は、もっと慎重に使うべきだと思います。

>やっぱり、母音が5個しかない日本語の知識で13個ある英語を習うのはなかなか身に入らないのは確か(「L」と「R」の違いが分からないというのは典型例ですね ^^;;)

「日本語は5母音、英語は13母音」というのは、間違った比較です。
日本語は音素、英語は音韻で数えています。

英語の母音を音素で数えると、諸説ありますが、7〜9です。
(/a/ /e/ /i/ /o/ /u/ /æ/ /ʌ/、ときに/ɔ/、希に/ɨ/)

日本語の母音を音韻で数えると、最低でも6、長母音・無声母音・鼻母音を数えれば20になります。
([a] [e] [i] [o] [ɯ] [ɯ̈]、それらの長音、[i] [ɯ] [ɯ̈]の無声音、[a] [e] [i] [o] [ɯ]の鼻音)

日本語話者が英語の母音を学びにくいのは、日本語の母音が英語の母音より少ないからではなく、日本語にない母音が英語にあるからです。
(この2つはまったく意味が異なります)



re 「モルダウ」

らにい (2003/09/22 12:38)

>Maniac C.さん
わかりました。ありがとうございます。



ベラルーシ、リトアニアのスメタナ姓

にれのや (2003/09/22 08:30)

■スメタナ Smetana について。続報。
チェコ語で smetana が、正確に何を意味するか、については、現段階では何とも言えません。例によって、チェコ語については、信頼に足る詳細な辞典がありません。
 あたくしも、今回の smetana について調べるうちに、北方スラヴ人の食文化のなかで、スメタ(ー)ナ (西欧人にとっては 「サワークリーム」) というものが、重要な位置を占めるということを、初めて認識したところで、いろいろ調べているところです。ロシアのネットで検索しても、сметана のような単語は、膨大な件数が上がってきてしまい、それも多くが料理の作り方や紹介などで、なかなか、「スラヴ人にとって、そもそも、スメタ(ー)ナとは何ぞや」 ということを感知しがたい。調査中、調査中。
 チェコのエンジンで検索すると、Smetana という姓の人が実に多いのに驚きます。それだけ、smetana というのが、チェコ人にとっては重要なものだった、ということらしい。
■スメタナ姓の追加。
【ベラルーシ (ベロルシア)】
  Смятанiн [スミャ 'ターニン] ロシア姓の Сметанин にあたる
  Сметана [スメ 'ターナ]
【リトアニア】スラヴ族ではありませんが、スラヴ語の smetana に由来する姓が5種類もありました。「スメタナ文化」 の広がりを感じさせます。もちろん、かつて、現在のベラルーシ、ウクライナなどのスラヴ人の居住地を、リトアニアが版図に収めていたことがあるのは言うまでもありません。
  Smetona [アクセントは smetona{+`}]
  Smetanis
  Smetonas [アクセントは smeto{+~}nas]
  Smetonis [アクセントは smeto{+´}nis]
  Smetonius [アクセントは smeto{+~}nius]
※アクセントについては、一応しめしただけで、あたくし自身、リトアニア語のアクセントが実際にどんなものなのかよくわかりません。リトアニア語の文法書を読んでも、「なぞなぞみたいな説明」 が書いてあるだけなので……



スメタナ 国際的 kankoku

Maniac C. (2003/09/22 04:33)

>にれのや師匠
>投稿日: 9月19日(金)12時19分42秒
→あれ!? なんでこんな時刻に師匠が? 深夜にしか出没しない、江戸っ子らしい
「宵っ張り」だと思っていたのですが…。(^o^)

>smetana は、チェコ語で、そのものズバリ
>Smetana = サワークリーム sour(ed) cream
→「サワー」は必要なのでしょうか? 「クリーム」は、また別な語が有る?

>(1) サワークリーム好きの人につけられたあだ名から。
→ええ!? スラヴ人にとって、「サワークリーム」とはそんなにも大事な食材なのです
か? 英語でも、cream には、「最良の部分、精髄」という意味が有りますが、だから
と言って、動物(「蟻食い」とか「蜜食い[熊のこと]」)ぢゃあるまいし、主食が名前
になるなんて……。日本語ぢゃ考えられませんね。ラーメン大好き小池さんも「ラー
メン」なんて名前は付かなかったし、いつもおでんを持っているチビ太だって、「お
でん」なんて名前は付かなかったのに……。ドカベンぐらいかなあ。食べ物が人名に
なった例は、外にも在りますか??

>らにいさん
>「Moldava」は「モルダバ」と発音しますか?
→はい。

>鴛鴦さん
>世界で見て、全約200ヶ国の75%で貨物便の伝票に英語が使われている
→世界中の郵便物の半分以上が、アメリカの郵便サービスを通して送出されている
ためだそうです。

>いろいろな文字のなかでもアルファベットは一番簡単に書ける。
→各民族の使い慣れている文字が、その民族にとって一番書きやすい文字だと思い
ます。現に、初めてアルファベットを習う中学1年生は、これを完全に覚えるまで、
2〜3ヶ月掛かります。
>そのアルファベットを使う言語でも唯一名詞に性別が無い。
→アルメニア語も印欧語族ですが、文法性が有りません。非印欧語族では、バスク語・
フィンランド語・マヂャール語・トルコ語・ヴェトナム語・タガログ語なども、ロー
マン‐アルファベットを使う言語ですが、文法性が有りません。
>だから、(アルファベットを使う言語のなかでは)一番文法が簡単。
→文法性が無いから簡単なのではなく、語形変化が少なく、語順もほぼ一定だから、
覚えることが少ないのだと思いますが、時制の細かさや類義語の多さは世界一です。

>ポルトガル語やスペイン語にも性別ありますよね?
→はい、男性と女性の区別が残っています。中性は男性に吸収されてしまいました。

>母音が…13個ある英語
→二重母音や三重母音といった、変位母音を抜かしているのでは?

>世界的に一番使われているのはどこの英語のものなのでしょうか?
→確証は有りませんが、イギリス英語を模範としてる国が多いと思います。特に綴り
に関しては、イギリス式が、カナダ・オーストラリア・ニュージーランドといった
連邦諸国や、インド・スリランカ・マレーシア・シンガポール・ホンコンなどの旧
植民地、オセアニアの旧信託統治領、そして地理的に近い欧州諸国では使われている
はずです。発音は、第2次大戦以後、経済的・政治的・軍事的にアメリカが圧倒的な
地位を占めていますので、イギリス本国ですらアメリカ語に近づきつつあります。が、
もしかしたら人口的に一番多く使われているのは、アメリカ英語でもイギリス英語
でもない、アジア英語かも知れません。つまり、国際的に交流するための英語では
なくて、国内的に意思を疎通するために使われる、郷土色の強い英語の変種のこと
です。ASEAN加盟国では、英語教師をノン-ネイティヴに限定して、国内の人の
英語を聞き取れる耳を育てることを優先しているようですからね。

>コナンさん
おおっ! 到頭こちらにも進出ですね。あちらではお世話になっております。
>李朝時代に入ってからスモモ(李)のほうに遠慮した。金は木より上…
→済みません。サッパリ解りませんので、解説していただけないでしょうか?
とにかく李朝時代にクムがキムになった、という事実だけは解るのですが。



Re: kankoku

コナン (2003/09/21 19:04)

> 金剛山Kumgangsanクムガンサンの「クム」と
> 金大中Kim Dae-jungや
> 金正一Kim Jong-ilの「キム」との関係はどうなっているのでしょう。

私自身も感覚的にいまいちスッキリしないのですが、キムタルス氏の説を紹介します。
「歴史の交差路にて(講談社文庫)」
P.73
『金(達寿) 朝鮮ではクムですが、それがのちにキムになったわけです。どうしてそうなったかといいますと、李朝時代に入ってからスモモ(李)のほうに遠慮した。金は木より上だから、クムをやめてキムにしたんです。本当はあの字は姓以外は全部クムです。姓で読むときだけキムというんです。』



kankoku

偽中国人 (2003/09/21 17:08)

前から疑問に思っているのですが、韓国の「盧武鉉ろ・ぶ・くゑん/ロ・ブクェン」大統領の名前が英字新聞に現われるときには「South Korean President Roh Moo Hyun」という風に、苗字が「ロ」なのに、日本の新聞に現われるときには「ノ・ムヒョン」と書けと誰かが教育的指導をしているのでしょうか?

なぜ英字新聞では「Roh Moo Hyun」ではなくて「Noh Moo Hyun」と書けと教育的指導をしないのでしょう?

http://straitstimes.asia1.com.sg/newsinpictures/0,4020,21949,00.html
http://straitstimes.asia1.com.sg/asia/story/0,4386,210503,00.html

高麗音  ノ
漢 音  ろ
普通話  ル lu 陽平 声調の五段階表示で35
ビン南音 ロ loo陽平 声調の五段階表示で224(TLPA式綴り)
         「oo」音のIPAは「c」の鏡像。
          教会ローマ字では「LO′」
英語音  Roh

Vice Trade Minister Ri Yong Nam
http://straitstimes.asia1.com.sg/asia/story/0,4386,210669,00.html?

もうひとつ

金剛山Kumgangsanクムガンサンの「クム」と
金大中Kim Dae-jungや
金正一Kim Jong-ilの「キム」との関係はどうなっているのでしょう。
http://rnnnews.jp/indepth/pg/view.php?ch=006



国際的 追記

鴛鴦 (2003/09/20 22:43)

単に英語といっても、アメリカ英語やイギリス英語、オーストラリア英語etcというように地域によって微妙に綴り・発音etcが違うんですが、世界的に一番使われているのはどこの英語のものなのでしょうか?



国際的

鴛鴦 (2003/09/20 22:21)

ちょっと難しいですかねぇ・・・?(^^;)

いきなりぶっちゃけますが(笑)、「なぜ、世界で一番英語使われているか」です。
世界で見て、全約200ヶ国の75%で貨物便の伝票に英語が使われているということのようです。なぜこれほどまでに英語が使われているのでしょうか?
私が考えるには・・・
 ・いろいろな文字のなかでもアルファベットは一番簡単に書ける。
 ・そのアルファベットを使う言語でも唯一名詞に性別が無い。
 ・だから、(アルファベットを使う言語のなかでは)一番文法が簡単。
と、勝手に予測してしまいましたが・・・(ポルトガル語やスペイン語にも性別ありますよね?)

やっぱり、母音が5個しかない日本語の知識で13個ある英語を習うのはなかなか身に入らないのは確か(「L」と「R」の違いが分からないというのは典型例ですね ^^;;)



訂正・追加 北方スラヴ族の Smetana 系の姓

にれのや (2003/09/20 16:23)

【北方スラヴ族の Smetana 系の姓】
■先日の Smetana についての書き込みにおいて
     「北方スラヴの smetana 系の姓」
の一覧には、誤り・不備があります。みずから、ここに訂正します。
【ポーランド】(訂正なし)
  S{+´}mietana [しミェ 'タナ]
  S{+´}mietanka [しミェ 'タンカ] -ka は愛称の接尾辞
【チェコ】(訂正なし)
  Smetana [ス 'メタナ]
  Smetanka [ス 'メタンカ]
【低地ソルヴ】
  S{+´}metana
【高地ソルヴ】
  Smjetana
【ドイツ語化したスラヴ族の姓】
  ●チェコ Smetana, 低ソルヴ S{+´}metana から
  Smetan(a)
  Smettan
  Schmetten
  ●ポーランド S{+´}mietana, 高ソルヴ Smjetana から
  Smietana
 ※これらは、過去にドイツ語圏に組み入れられていたスラヴ人の一部が、移住などにより、みずからの姓をドイツ語化したもの、あるいは、スラヴ語姓の転訛。逆に、現在のスラヴ語諸国にも、ドイツ語姓のスラヴ語化したものが見られる。つまり、過去のドイツ語国家内において、民族の往来があったものである。また、ソルヴ人のように、東方に膨張してきたドイツ人に圧迫・吸収を余儀なくされた民族もあるし、ユダヤ人のように、さまざまな言語圏を渡り歩きながら、みずからの姓を変化させなければならなかった例もあると考えられる。
【ロシア人、ロシア国民】(訂正なし・追加あり)
  Сметанин [スミェ 'ターニン] -ин は物主形容詞の語尾
  Сметанкин [スミェ 'タンキン] -ка のついた語形から派生
  Сметанников [スミェ 'タンニカフ] ↑を参照
  Сметана [スミェ 'ターナ] 本来はウクライナ姓
  Сметанич [スミェ 'ターニッち]
 ※以下は、存在するが、文法的に破格な派生形です。
  Сметанов [スミェ 'ターナフ]
  Сметанникин [スミェ 'タンニキン]
 ※ロシア国民というくくりをしたのは、ロシア、あるいは、かつてのソ連において、ある姓を持つ特定の人物が、いかなる民族籍を持つか、というようなことは、調査不能だからである。
  Сметанщиков [スミェ 'タヌシシカフ] сметанщик は 「スメターナ売り」 という職業、あるいは、チェコ語の Smetana の際に言及したように 「乳製品売り」 という職業を表したのだろう。「だろう」 というのは、この単語が、ロシア語の諸辞典に見えないからである。-щик は 「職業を表す接尾辞」 である。その 「スメターナ売り」 に、例のごとく、物主形容詞をつくる -ов がついた姓。
【ウクライナ】(追加)
  Сметана [スメ 'ターナ] 「ロシア姓」 で挙げたものと同綴だが、м は軟音ではない。
■以上、訂正でした。



Backseat driver

ロスケ (2003/09/20 03:41)

9/19日付け日本経済新聞朝刊の「私の履歴書」に、面白い記述がありました。
現在この欄の筆者は現三洋電機CEOの井植敏という人で、今回は30年程前に三洋電機がアメリカに進出したときの話を書いています。アーカンソー州に自社工場を作り、さらに従業員の親睦のための日本流の「運動会」を企画したら、当時のアーカンソー州知事のビル・クリントン氏(後のアメリカ大統領)が来て演説したそうです。クリントン知事は約2時間の道のりをパトカーの助手席に乗って到着したとありますが、日本の県知事ならさしづめパトカーの先導するリムジンの後部座席にふんぞり返って来るでしょうね。
ところで私が面白いと思ったのは、クリントン氏がパトカーの「助手席」に座っていたという部分です。普通パトカーの後部座席は被疑者を運ぶので、それと間違われないように助手席に乗ったと考えられます。
さて、ここからはギャグですが、そのパトカーの後部座席には誰が座っていたのでしょうか?(笑)
答えは、夫人のヒラリー・クリントン!(爆笑)
英語のBACKSEAT DRIVERには「自動車の客席から運転に余計な指図をする人(リーダーズ英和辞典)」という意味があります。
#ジョークにたどたどしい解説は無用ですから、尻切れトンボですみません。



天地英雄 趙微Zhao Wei Vicki Chao

高駒麗人KOMA (2003/09/20 01:45)

ヴィッキー・チャオ(趙微Zhao Wei)は Vicky でなくVicki Chaoでした。
http://www.fmstar.com/movie/v/v0050.html
http://www.vicki-club.com/information.html

http://www.geocities.jp/metropoleclub/movie/a/wh/wh.html



re モルダウetc

らにい (2003/09/19 12:58)

>Maniac C.さん
>「よろしいですとも! 何なりとお聞きください。…限界は有りますが。(^^;)」
まことに忝いことです(笑)
「Moldava」は「モルダバ」と発音しますか?
ふむふむ、「黒」etcと言う意味ですか。
スラブ語「mol」で(完全に脱線してしまいますが ^^;)「モル」という化学の単位を思い出しました。「mol」そのままでいくと、どうやら「グラム分子」を意味する「gram 『molecule』」または「式量」を意味する「『molecular』 weight」の頭をとったようです。(下記リンク参照)
>にれのやさん
「スメタナ」とは「サワークリーム」ですかぁ!へぇ〜!!(20へぇ〜 ^^)
(1)の説明は面白いですね。ようするに「サワークリーム」さんですね。
「ビーフ・ストロガノフ」は人名からだったとは・・・
目から鱗が落ちまくりです(^^;)

http://www.kagakudojin.co.jp/special/qanda/index2.html



スメタナ Smetana の語源について

にれのや (2003/09/19 12:19)

【スメタナ Smetana という姓の起源について】
■チェコの音楽家 Bedr{+v}ich Smetana ['ベドじふ ス'メタナ] (ベドジフ・スメタナ) の姓
     Smetana の起源
についてです。smetana は、チェコ語で、そのものズバリ
     Smetana = サワークリーム sour(ed) cream
のことです。
 北方のスラヴ人のあいだでは、「サワークリーム」 は早くから好んで食べられていたらしく、smetana を起源とする姓は、北方のスラヴ人にはたくさんあります。サワークリームは、ロシア語でも、そのまま、
     сметана [スミェ 'ターナ]
です。19世紀のロシアの外交官 ストローガノフ伯爵が、かかえのフランス人コックに 「サワークリーム」 を使った牛肉料理 "ビーフ・ストロガノフ" を創らせたのは有名な話ですね。
■Oxford の "A Dictionary of Surnames" によると、
     Smetana = チェコ人およびチェコ系アシュケナージ (ユダヤ人) の姓で
       (1) サワークリーム好きの人につけられたあだ名から。
       (2) 乳製品を売っていた人の、換喩的(かんゆてき)な姓。
とのことです。(1)については、それを裏付けるようなロシア人の姓があります。
     Сметанников [スミェ 'タンニカフ] スメタンニコフ
これは、сметанник [スミェ 'タンニック] 「サワークリーム好きな人」 という名詞の (例によって) 「物主形容詞化することで作られた姓」 です。
■北方スラヴには、Smetana 系の以下のような姓があります。
【ポーランド】
  S{+´}mietana [しミェ 'タナ]
  S{+´}mietanka [しミェ 'タンカ] -ka は愛称の接尾辞
【チェコ】
  Smetana [ス 'メタナ]
  Smetanka [ス 'メタンカ]
【ソルヴ】
  Smiettan, Smietten
【ロシア人、ロシア国民】
  Сметанин [スミェ 'ターニン] -ин は物主形容詞の語尾
  Сметанкин [スミェ 'タンキン] -ка のついた語形から派生
  Сметанников [スミェ 'タンニカフ] ↑を参照
  Сметана [スミェ 'ターナ] 本来はウクライナ姓
  Сметанич [スミェ 'ターニッち]
 ※以下は、存在するが、文法的に破格な派生形です。
  Сметанов [スミェ 'ターナフ]
  Сметанникин [スミェ 'タンニキン]
【ドイツ語形】
  Schmette
■以上、スメタナ Smetana の語源でした。



さぶいぼ

偽中国人 (2003/09/19 06:37)

「眠る」の発音に「ねむる」と「ねぶる」との揺れがあったということですが、

寒い さむい/さぶい。 「さぶい」のアクセントは「さ」を高く、「ぶい」を低く発音します。
「さびーなあ=さむいなあ」と訛ったりします。
http://village.infoweb.ne.jp/~fwhh0911/page06.htm
枡で米を計るとき、少しへこんでいる(正確な桝目に足りない)と「その計り方、さぶいでえ」と申します。
「さぶい」からの派生語「さぶいぼ」はかなり広範囲に使われているようです。
「さぶいぼ」の解説と用例
http://www.kuidaore-osaka.com/2top/deep/03_komaranai/0017.html

アクセント符号付きの「さぶいぼ」の解説と用例
http://homepage2.nifty.com/GANSO_hirokun/kansen01.html

「さぶいぼ」の出る物語集
http://www.hpmix.com/home/841/CI5.htm

遠州相良
http://plaza.across.or.jp/~harikyu/village/murago.html#さぶい
信州上田
http://shioiri.jp/patio/patio.cgi?mode=view&no=3
鳥取。「さぶい」が先輩で、「さむい」が後輩という説。
http://www.mahoroba.ne.jp/~gonbe007/hog/sa.html
伊勢では「さぶいぼ」といわず、「さぶぼろ、さむぼろ、さんぼろ」と言う。
http://www.rosenet.ne.jp/~kazuko68/tomidabennjisho.html

「さぶいぼ」は聴いた事が有るが、「さむいぼ」は聴いた事が無いにも拘わらず、「さむいぼ」を使っている人もいるようです。「さぶい」はマイノリティの言葉で方言、「さむい」がマジョリティの言葉だから「さむいぼ」というべきだという様な劣等感に基づく規範意識が背景にあるのではないかと思います。
http://www2.plala.or.jp/kamkamkam/gimon/no27/torihada.htm

このような過剰修正はhyper-urbanismとよばれます。
hyper-urbanismの例
英語のoftenのtを発音する。
セサミ・ストリートのキャラクターのように一人称の主格にmeを常用している人が本当にmeを使わなければいけない場面で「 between you and I 」などと言う。
以上(安井 稔編 新言語学辞典 研究社 1971)より引用。

「とんでもない」の丁寧語のつもりで「とんでもございません」と言う。
又、久米宏が「ニュース・ステーション」の降板会見で使った「みっとも良くない」も良い子は真似しないように注意すべき言葉です。

「さぶろう三郎」は聴いたことがあるが「さむろう」は聴いたことがない。
風の「又三郎」が「またさむろう」ではさぞかし「股寒かろう」。

源の九郎判官義経の家来となった鷲尾の三郎義久は「さむろう」と呼ばれた時代(あるいはlinguistic fact言語的事実)があったのでしょうか?
http://www3.ocn.ne.jp/~mh23/heike217.htm



記紀 モルダウ

Maniac C. (2003/09/19 02:06)

>松茸さん・通りすがりさん・鴛鴦さん・ロスケさん 色々反響が有って、ちと驚いています。大家、この話題に関心を持っておられて、
色々と御意見をお持ちなのですね。私の居ないところで、何か、問題は解決している
ように見受けられますので、特にコメントしなくても、いいですよね?

>らにいさん
>また、無性に(笑)知りたくなったものがありまして
→よろしいですとも! 何なりとお聞きください。…限界は有りますが。(^^;)

■モルダウ=ヴルタヴァ
独語 Moldau も、捷語 Vltava も語源は同じようで、中期羅語 Moldava に遡ります。
さらにこれは、スラヴ語 mol に遡るのだそうですが……にれのや師匠、助けて!
一往、辞書には black と書いてありますが「黒」か「黒い」という意味のようです。
世界にはあちこちに「黒い川」が流れているようですね。

■スメタナ
人名と関係有るのか判りませんが、捷英辞典では、smetana = skim, cream と出ます。



Amazonの書評(地名の世界地図)

佐藤和美 (2003/09/18 22:57)

Amazonに『リアル鬼ごっこ』の書評を見に行ったついでに『地名の世界地図』の書評を投稿してきました。

−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−

http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4166601474/ref=sr_aps_b_/249-6341413-0017927

地名の世界地図 文春新書

★☆☆☆☆ 間違いの多い本, 2003/09/12
レビュアー: 佐藤和美   千葉県

ずいぶん間違いの多い本ですね。

高校生程度の世界史の知識でも十分間違いを指摘できると思います。

「その匈奴も、前一世紀に後漢との攻防で南北に分裂し、南匈奴は後漢に降伏、」(129ページ)
前一世紀に後漢が存在しないのは高校生でもわかります。

「一五二六年、ティムールの直系の子孫で、チンギス・ハンの血をひくといわれるバーブルはインドに侵入し、ムガール帝国をおこす。この帝国は約二世紀にわたって続いたが、」(132ページ)
ムガル帝国は1526年から19世紀まで続いたんだから、なんで「約二世紀」なのか?

あと、矛盾する記述も多いですね。

「国名のマレーシアは、マレー半島の名にちなんだもので、そのマレーには、インド南部のドラビダ語でマラヤ(山地)という意味がある。」(P138)

「マレーシア Malaysia サンスクリット語のmalaya「山地」に由来する。」(P273)

マラヤはドラビダ語、サンスクリット語どっちなんだ?

このようにいろいろな間違いが多い本です。

−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−

Amazonてマイナス評価の書評も載せるんですね。
無視されるかと思ってたんですが。
『地名の世界地図』がどういう本かを知る人が増えるといいんですが。



モルダウ

らにい (2003/09/18 19:55)

以前に有名な音楽家の語源を(皆様のお力で)解読していきましたが、また、無性に(笑)知りたくなったものがありまして・・・
それはスメタナ(Smetana)作曲『わが祖国』の「モルダウ」です。「モルダウ」はプラハなどに流れている川ということで有名ですが、どちらかというと「ブルタバ」のほうがよく聞かれるかと思いますが。(「モルダウ」はドイツ語名です)
最初は「モルダウ」の語源だけだったのですが、そのうちに「ブルタバ」「スメタナ」も知りたくなりまして・・・(^^;)
検索しても資料にひっかからないので、もしよろしければご教示下さい。



マホロバ余談

ロスケ (2003/09/18 04:51)

>Maniac C. さん

古事記の成立事情に関して種々の説がありますが、太安万侶の「序」をそのまま読めばManiac C.さんの「連濁説」は納得できるものです。大変参考になりました。
で、余談を少し・・

>■興味深いことに、先に挙げた語は、現代語では全て先祖返りしてm
>になっています。
>■実は平安末期以降、m>bとなった「浴みる>浴びる」「へみ>へび」
>「ともしい>とぼしい」「こむら>こぶら」は、「こむら」以外は先祖返りして
>いません。
>■これとは逆に、b>mの変化が中世以降起こるのですが、「かなしぶ>
>かなしむ」「けぶる>けむる」「とぶらふ>とむらう」「つばひらか>つまひら
>か>つまびらか」「たはぶるる>たわむるる>たわむれる」「ねぶる>ねむ
>る」「さびし>さみしい」「かぶり>かむり>かんむり」などがその例です。
>前述の先祖返りした単語は、この波を受けたものでしょう。

面白いですねぇ・・・、b<mになったり、m<bに戻ったり。
松茸さんご紹介の森博達氏の著書「日本書紀の謎を解く」にこんな記述があります。
《(P.106) 実は有坂氏が説くように、中国人は〔m-〕と〔mb-〕、〔n-〕と〔nd-〕とをそれぞれ相異なる音韻とは意識しませんでした。鼻音と鼻濁音は、中国人にとって同一の音韻でした。》
森博達氏の説では、日本書紀の編纂者は「日本人」と「中国人」の2グループに区別できるそうです。それで、もし「マホロバ」の歌が「中国人」の担当したパートに属していれば「マホロバ⇔マホラマ」がうまく説明できるかもしれない!。ところが調べて見たら、この歌(日本書紀第七巻景行紀・歌謡22)は森氏の分類では「日本人」の担当したパートでした・・・残念!。



日本人人名

高駒麗人 (2003/09/18 00:11)

中国人が名古屋をMingguwuと呼ぶのは習慣として容認していいでしょう。
宮本武蔵のドラマでは、「武蔵」を「たけぞう」と読んで少年時代の名前にしています。
明治時代、西郷從道(さいごうつぐみち)は「じゅうどう」とも呼ばれたようです。
上田萬年は「うえだまんねん」なのか「うえだかずとし」なのか私にはわかりません。

http://www.shinchosha.co.jp/shoushin/kanji_ichiran/kanji0306.html
漢字こぼればなし vol.67 人名の音読
「菊池寛(きくちかん)」の本名は「ひろし」、「安部公房(あべこうぼう)」の本名は「きみふさ」、「松本清張(まつもとせいちょう)」の本名は「きよはる」「開高健(かいこうたけし)」も「かいこうけん」の方が普通でした。
昭和時代、安倍晋太郎(あべしんたろう)と竹下登(たけしたのぼる)で安竹(あんちく)連合というのが昔ありました。
南野陽子(みなみのようこ)は愛称が「ナンノさん」でしたし。

しかし漢字は中国では音と密接に結びついており、日本人名を中国語読みし、さらに同音の漢字で代用すると音だけでなく字面でも誰が誰だかわからなくなります。

先日も中国人が日本人名「渡辺」をDubianという音で覚えたため「杜辺先生」と誤記する現象を目撃しました。
報紙(新聞紙)では、中国人が日本の地名「廣島」をGuangdaoという音で覚えた為に「广刀」と誤記、やはり中国人が日本人名「城田」をChengtianという音で覚え「成田」と誤記しました。
中国人が日本人名「達也」をDayeと覚えて「大也」と誤記する事も有り得るでしょう。

中国人が「酒井」をJiujingという音で覚え「井」「九井」と誤記する。
中国人が漢字を手で書くと「原」を[厂に元]と書いたり、「酒」を「」(さんずい&九)と書いたりする。
しかし、それを困ったことと思わず楽しんでいる人が普通のようです
以前中国に留学していた「棚橋(たなはし)」という日本人女性は、中国で Pengqiaoと読まれるので、北京語で同音の「朋巧」を筆名にして、自らその署名で日本料理店にお酒をボトルキープしていました。こういう遊びも面白いかもしれません。
サザンオールスターズSouthern All Starsは1992年に中国で「南天群星」Nantian Qunxingと呼ばれましたが、サザンのファンはこれを楽しんで使いファンクラブで「南天群星まつり」などをやっていたようです。(「勝手にシンドバッド」は「任意的新巴徳」だったと思う)

私が「従」を「從」と書く理由を申し上げます。「從」を日本人が見ると全体の形から「従」だとわかり、中国人が見ると右上の部分から「从」congだとわかる。しかし日本式の「従」だと中国人は「徒」だと勘違いする。語文出版社『新中日簡体字研究』の著者[新加坡]謝世涯Xie Shiyaの意見「日中両国でいずれかの略字を共通文字として採用」とは逆の事を私はしています。

http://www.shinchosha.co.jp/shoushin/kanji_ichiran/kanji0306.html



「まほら」

鴛鴦 (2003/09/17 19:46)

今となっては、だいぶ余計かと思いますが・・・(^^;)
この掲示板に書かれている「マホロバ」の説明の中で「まほら」という言葉が出てきていますが、「まほら」は古語で、ロスケさんが記したように「真秀ら」と書きます。「もっとも優れた場所」(一説には、丘や山に囲まれた中央の土地)という意味があるようです。



やんばるの毬つき唄

ミスティ (2003/09/17 19:00)

はじめまして。
これは 山原=やんばる の毬つき唄 との事ですが 意味があるのでしょうか?
ご存じでしたら、教えていただけませんか? よろしくお願いします。

まいまい ぬりぬり ぬらーん あらーば いぬしま うにうきーてぃやらーち
 あーさんくゎーさんどう きなじりだますな うがきだますは
 てぃーよーてぃーよーてぃ たーよーたーよーたー♪



『日本書紀』

通りすがり (2003/09/17 14:48)

>そもそも、『紀』全体が「正式な漢文で書かれ」ているというのが事実誤認です。たとえば近年の森博達氏の研究を参照してください。

確かに『日本書紀』は、全く間違いのない漢文(中国語)で書いてあるとはいえませんが、全体として中国語を母語としない人も含めて、中国語を志向して書いたものであることには間違いなく、そのことについては、森氏も反論を出しているわけではないと思います。ただ、確か今まで正確な漢文の代表のように言われてきた「十七条憲法」に、実は倭習が含まれていることは指摘されていたと思います。また森氏は、より中国語らしくするために、さまざまな潤色が行われていることもかなりたくさん指摘されていたと思います。その潤色を施した人の試みが成功しているかは別問題でしょうが。

例えば、現代の我々日本語を母語とする人が書いた英語や中国語に、多少の間違いが含まれていても、それは英語であり、中国語であり、またその文章の読み手は英語を読める人であり、中国語を読める人です。その意味で『日本書紀』は中国人や朝鮮人(当時もう中国語が公的に用いられていたならば)であると見なすのは、根拠のないことではないと思います。

『日本書紀』についての「正しい漢文ではない」というのは、『古事記』の文体などと分けて考えられるべきことだと思います。



連続投稿で恐縮ですが

松茸 (2003/09/17 06:57)

> 「国見」(年頭、または一年
> の農事の開始に先立ち、その秋の豊穣にかかわる呪的景物を見て、豊穣を祝すること。
> また、その儀礼。花見はその一種。のちには天皇の即位儀礼の一環として、領有する
> 国土の繁栄を予祝する儀礼にも分化した。――大辞林)
……この辞書解説は、多分に〈日本民俗学〉のイデオロギーの影響下にあるもので、現在ではあまり説得力はないでしょう。

> ■これは記紀の成立を考えれば納得していただけると思いますが、『日本書紀』は、
> 正式な漢文で書かれた、対外的な歴史書ですが、『古事記』は稗田阿礼という語り部
> が口誦したのを太安万侶が音訓取り混ぜて書き留めた、天皇家の私文書だからです。
……たしかに一部の研究者はこれに近いことを主張していますが、〈通説〉ではありません。
 そもそも、『紀』全体が「正式な漢文で書かれ」ているというのが事実誤認です。たとえば近年の森博達氏の研究を参照してください。

> ■最後に、記紀に関して面白いHPを2つ、ご紹介。
……前者は悪名高い古田武彦氏の事実上の公式サイト、後者は、"mansonge"のハンドルでわかるように、基本的には俗流〈宗教学〉〈民俗学〉の言説のパロディです。
 トンデモとして「面白い」のおつもりでしょうが、そう判るように書いてください。


 日本古代史については、専門家の見解の統一がいまだなされていない問題が多々ありますが、だからこそ、素人の思い付いた珍説を無批判に援用し拡大再生産に荷担するのはつつしんでいただきたいと思います。



Re:フホホト(地名の世界地図)

松茸 (2003/09/17 06:55)

 後金(後の清朝)がフホホトを占拠したのは「明末」(1634年)なので、「明末に中国の支配下に入り」は間違いとはいえませんが、「明代に*漢族*に征服され」は明らかにウソです。
 「1947年」については当方の見落としです。(^^;



Re: マホロバ

ロスケ (2003/09/17 05:02)

Maniac C. さん、顕正居士さん、ご教授ありがとうございました。

いろいろ教えていただいたことを理解するのに時間がかかる私の性質(どんなだ?)のため、少し考えてからレスします。
とりあえずの疑問ですが、
> 何故このようなことが起こるかと言いますと、この歌が記紀に有るような
>「くにしのひうた」、つまり故郷を追憶する歌ではなく、元々は「国見」(年頭、
>または一年の農事の開始に先立ち、その秋の豊穣にかかわる呪的景物を
>見て、豊穣を祝すること。また、その儀礼。花見はその一種。のちには天皇
>の即位儀礼の一環として、領有する国土の繁栄を予祝する儀礼にも分化
>した。――大辞林)の歌であったのを、無理やり大和朝廷の統一の文脈の
>中に置いたためです。

これらのことはどこに書いてあるのでしょうか?



Re: マホロバ

Maniac C. (2003/09/17 02:38)

>ロスケさん
>古事記歌謡の「マホロバ」当時または以前に「マホ」や「マホラ」という用法があったのだろうか?
→無い、みたいです。少なくともネットで検索した限りは。
ロスケさんの挙げておられる3首が最初のようです。

>「マホラ+マ」⇒「マホロバ」というのは順序が逆のような気がする
→倭建命(古事記・712年)と、山上憶良・大伴家持(万葉集・759年以降)だけを
比べると、当然、そうなりますよね。
■ところが、顕正居士さんの仰るように、『古事記』とほぼ同時期とされている
『日本書紀』(720年)を見ると、おかしなことに気付きます。ほぼ同じ歌を、日本武尊
の父である景行天皇が詠っていることになっています。比較してください。
記: やまとは くにのまほろば(久爾能麻本呂婆) たたなづく あをかき
 やまごもれる やまとしうるはし
紀: やまとは くにのまほらま(區珥能摩保邏摩) たたなづく あをかき
 やまごもれる やまとしうるはし
というわけで、顕正居士さんの仰るように、件の部分だけ異なっています。
時期・場所も、記は東征後・能煩野(ノボノ、三重県)で、紀はクマソ平定後・子湯県
(コユノアガタ、宮崎県)で、と違いが在ります。
■何故このようなことが起こるかと言いますと、この歌が記紀に有るような「くに
しのひうた」、つまり故郷を追憶する歌ではなく、元々は「国見」(年頭、または一年
の農事の開始に先立ち、その秋の豊穣にかかわる呪的景物を見て、豊穣を祝すること。
また、その儀礼。花見はその一種。のちには天皇の即位儀礼の一環として、領有する
国土の繁栄を予祝する儀礼にも分化した。――大辞林)の歌であったのを、無理やり
大和朝廷の統一の文脈の中に置いたためです。

■では、「マ」と「バ」はどちらが先なのでしょうか。
平安期にm〜bの揺れの有る語は「さもらふ〜さぶらふ」「まもる〜まぼる」「かたむく
〜かたぶく」などですが、どれも、「さ+もる+ふ」「め+もる」「かた+むく」という
構成の複合語です。つまり、bはmの連濁なのだと考えると解りやすいと思います。
従って、やはり「まはらま」の方がより語源に近い形(文章語)であり、「まほろば」
の方は、連濁の有る口語的な形である、ということになります。
■これは記紀の成立を考えれば納得していただけると思いますが、『日本書紀』は、
正式な漢文で書かれた、対外的な歴史書ですが、『古事記』は稗田阿礼という語り部
が口誦したのを太安万侶が音訓取り混ぜて書き留めた、天皇家の私文書だからです。
■興味深いことに、先に挙げた語は、現代語では全て先祖返りしてmになっています。
■実は平安末期以降、m>bとなった「浴みる>浴びる」「へみ>へび」「ともしい>
とぼしい」「こむら>こぶら」は、「こむら」以外は先祖返りしていません。
■これとは逆に、b>mの変化が中世以降起こるのですが、「かなしぶ>かなしむ」
「けぶる>けむる」「とぶらふ>とむらう」「つばひらか>つまひらか>つまびらか」
「たはぶるる>たわむるる>たわむれる」「ねぶる>ねむる」「さびし>さみしい」
「かぶり>かむり>かんむり」などがその例です。
前述の先祖返りした単語は、この波を受けたものでしょう。

■最後に、記紀に関して面白いHPを2つ、ご紹介。
http://www.furutasigaku.jp/jfuruta/jkiki/jkiki2.html

http://www.kcn.ne.jp/~tkia/mjf/mjf-63.html



大和は国の

顕正居士 (2003/09/16 15:55)

この歌は日本書紀には景行天皇の御製として出ており

まほらま(摩保邏摩)になっています。古事記はまほろば(麻本呂婆)。



むら

あお (2003/09/16 12:46)

Maniac C.さま
ありがとうございます。
いつもながら、小生が一生かけてもとてもたどり着けないようなところに瞬時にご案内いただき
お礼の申しようもございません。



Re: マホロバ

ロスケ (2003/09/16 05:23)

>Maniac C. さん
ちょっと気になるところを、教えてください。

>一方日本語の「マホロバ」は、「マホラマ」の変化したものと言われ、

マホロバは「真秀(マホ)」+「ラ(漠然と場所を示す接尾語)+マ(空間を示す接尾語)」→「マホラマ」が転じたものという説のことですね?

万葉集に「マホラ」が出現するのは次の3首。
(1)
・・・聞し治す国のまほらぞ。かにかくに欲しきまにまに、然にはあらじか
(山上憶良 5-800)

(2)
・・・国のまほらを、詳らかに示し給へば、嬉しみと、紐の緒解きて・・・
(大伴旅人 9-1753)

(3)
・・・国のまほらに、山をしもさはに多みと、百鳥の来居て鳴く声・・・
(大伴家持 18-4089)

山上憶良は7世紀、大伴家持は8世紀の人です。ところで問題の「マホロバ」を詠んだ日本武尊(古事記歌謡)は2世紀あたり(というのは信じがたいとしても)の人物で、いずれにしろ山上憶良や大伴家持よりもずっと古いことになっています。そうなると、「マホラ+マ」⇒「マホロバ」というのは順序が逆のような気がするのですが・・・。

まとめると、古事記歌謡の「マホロバ」当時または以前に「マホ」や「マホラ」という用法があったのだろうか?という疑問です。

#私は国文学はまったくの素人なので、もし見当違いの質問だったらごめんなさい。



むら(下)

Maniac C. (2003/09/16 00:54)

■tôt
トー(すぐに・すばやく)は、民衆羅語のトストゥムに由来し、これはトッレーレ(焼け
る・燃える)の過去分詞です。「熱烈な」→「激しい」→「素早い」という意味変化の
ようです。
日本語の「トシ」も、「勢いが激しい」→「速度が速い」→「時期が早い」という意味
変化のようですが、同根と思われる「利し」「敏し」の意味が仏語には有りません。
■voir
ヴワールは羅語ウィデーレ、印欧祖語 *ウェイド-(見る)に由来します。
あおさんは、仏語のvと日本語のmとの中間にbを想定して、v>b>mとお考えの
ようですが、日本語でmm〜mbの揺れが起こるのは語中だけで、語頭では無いと思います。
■tenir
トゥニールは羅語テネーレ(掴む、握る)、印欧祖語 *テン-(伸ばす)に由来します。
日本語の「トル」は「手」に由来しますので、元になる発想(手を伸ばす→手にする)
は同じだと思いますが、日本語が直接「手」から来ているのに対し、印欧語はそれ
より幅が広く、例えばゲルマン語では同根の語で「伸ばした」の意味から「薄い(thin)」
が生まれており、これは日本語では「熨す」とか「延べる」に近い語感だと思います。
■avoir
アヴワールは羅語ハベーレ(有る・在る)、印欧祖語 *グハブフ-(与える、受ける)に
由来し、英語のギヴ(与える)と同根です。羅語には語頭にhが有ったのですが、ロマ
ンス諸語では脱落しています。又、よく英語のヘアヴ(有る)と同一視されますが、
こちらは印欧祖語 *カプ-(握る・掴む)に由来し、別系統です。
日本語の「アリ」は、「生(あ)る」「現(あら) はる」と同根ですから、全く別語と言え
ましょう。



むら(上)

Maniac C. (2003/09/16 00:53)

あおさま
貴兄の仮説を以下に検証いたしました。顕正居士さんが仰るように、数学的に証明
できる「偶然の一致」で済ませても良いのですが、それでは面白味がありませんので、
出来るかぎり語源まで遡って比較してみました。再考の参考になさってください。
なお、字面より音声面を重視した方が良いと思いましたので、単語はカタカナで示し
てあります。

■village
英語ヴィレヂは仏語ヴィラージに由来し、さらにこれは羅語ウィーッラーティクム
(農場)に由来します。ウィーッラーティクムは、ウィーッラム(郊外住宅、農園)に
形容詞を派生させる接尾辞 -アーティク- が付いたもので、ウィーッラ(ム)は印欧
祖語 *ウェイクスラーに遡り、*ウェイク- は「氏族」の意味、ラーは道具や行為者を
表します。つまり、一族が集まっているところ、の意味で、「ムラ」の意味と確かに
近いのですが、wがmに変化するとは、ちょっと思えません。
■まほろば
仏語ではメイユールペイイで、西語ではメホールパイースで、確かに西語は「マホロ
バ」に近い音ですね。
メイユール/メホールは羅語メリオルに由来し、印欧祖語 *メリヨス- は *メル- の
比較級で、*メル- は、英語のマッチやモアにつながる単語です。羅語の語末の -ル
は、印欧祖語の *-ス- が有声化して、*-ズを経由して-ルになったもの(ロータシズム)
です。又、西語のホの音は、羅語のリオがリョと湿音化し、ヨを経由して最近、ホに
なったものです。
ペイイ/パイースは後期羅語のパーゲーンセム(地方の住人)に由来し、さらにこれは
羅語パーグス(地方、原義は「地面に固定された境界標」)からの派生です。印欧祖語
の *パグ-(固定する)に遡ります。
一方日本語の「マホロバ」は、「マホラマ」の変化したものと言われ、第2子音のp
は、羅語のlとは遠いものである、と言わざるを得ません。また、第3子音のrも、
羅語の時点では似ていますが、日本語にロータシズムが有るとは思えません。第4
子音mm〜mbにしても、pがmに変わるには無理が有るように思えます。
■travail
仏語トラヴァーユは、動詞トラヴァイイェ(苦労して旅をする、労苦する)を名詞化
したもので、これは民衆羅語の動詞 *トリパーリアーレ(苦しめる)に由来し、ややっ
こしいことに、これは後期羅語の名詞トリパーリウム(責め具。トレース「3本の」+
パールス「棒」)を動詞化したものです。
標準仏語のrは日本人の耳には聞き取りにくいものですが、羅語のrは巻き舌音なの
で、はっきりと聞こえるはずです。又、ロマンス諸語の第1母音は羅語の第1母音が
緩んで曖昧になった音ですが、強勢の無い音節で母音が緩み始めるのは9世紀前後の
ことですので、古代日本語の時代(7世紀以前)に伝わったとしても、まだ曖昧化して
いないはずですし、「旅をする」という意味も派生していないはずです。
■salir, sortir
西語サリールは羅語サリーレ(跳ぶ)、印欧語 *セル-(跳ぶ)に由来します。
仏語ソルチールは羅語スルゲレ(上る、立つ。スル「上に」+レゲレ「及ぶ」)の過去
分詞スッレクトゥムから第2母音が脱落した民衆羅語 *スルクトゥムを動詞化した
*スルクティーレに由来するのではないかと言われています。
どちらも、「目に見えるようになる」→「出る」という意味変化のようですから、自然
推移を現す日本語の「サル」よりは、出現を表す「立つ」の方が、意味は近いと思い
ます。



Re:スー

アクア (2003/09/15 17:46)

アクアです。U+3002さん、ご丁寧に教えていただきましてありがとうございました。2年間の謎がやっと解明しました!本当にどうもありがとうございました。



補足

U+3002 (2003/09/15 17:33)

古いUnicodeフォントでは、12〜26文字目が文字化けしてハングルになるかもしれませんが、書き間違いではありません。



Re: スー

U+3002 (2003/09/15 17:31)

中国語(普通話)で「スー(su)」と読む漢字は、以下のとおりです。
(sooは当て字(?)です。正しくはsuです)

囌櫯甦稣穌窘苏蘇蘓酥俗㑉㑛㓘㔄㕖㜚㝛㥛㨞㩋㪩㬘㯈㴋㴑㴼䃤䅇䇤䌚䎘䏋䑿䔎䘻䛾䥔䩳傃僳嗉塐塑夙嫊宿愫愬憟栜榡樕橚殐泝涑溯溸溹潥玊珟璛碿窣簌粛粟素縤縬缦肃肅膆蓿蔌藗蘅蜶觫訴誎謖诉谡趚蹜速遡遬鋉餗驌骕鱐鷫鹔

「人名に使う」というのが姓のことなら、「苏」でしょう。
「蘇」の簡体字(略字)で、意味は「よみがえる / 香辛料の一種 / ソビエト」です。



教えて下さい。

アクア (2003/09/15 17:06)

はじめましてアクアと申します。中国語は全くわからないのですが、「スー」という(よく人名に使うとききましたが)どういう意味があるのか教えて下さい。何度か辞書で調べたのですが漢字で表記されているので検討がつきません。「SOO」=スーと書くというのですが・・・教えて下さいお願いします。



偶然の一致

あお (2003/09/15 15:49)

顕正居士さま
ありがとうございます。寺田寅彦さんが小生と同じような計算をしておられたのをお教えいただき、またその値が小生の概算と近いことを知り逆に少し自信を持ちました。



偶然の一致

顕正居士 (2003/09/15 03:18)

が二つの国語の語彙の間に幾らくらいあり得るのか?ある程度は数学的に想像
することができます。

寺田寅彦・比較言語学における統計的研究法の可能性について
http://www.aozora.gr.jp/cards/000042/files/2347.html#hikakugengogaku

今すこし単純に考えて、2音節の日本単語と、日本語の2音節に変換した他国語
の単語とを比較する。50音×50音だから2音節の組み合せは2500通りであって、
音と意義が一致する確率は1/2500である。寺田寅彦さんが挙げた英語と日本語
の例を、なるべく2音節で書いて比較する。(50音だから清濁の別はない)。

ヒト-ふつ、ラフ-わろ、フラ-ひら、ホロ-ほら、ネウ-にい、ハト-ふと …

一致しないので、基準を緩め、母音を無視して比較する

HT-HT、RH-WR、HR-HR、HR-HR、N母-N母、HT-HT …

相当に一致して来る。しかしこの基準では15×15、組み合せは225通りだから
1/225の確率で一致する。RH-WR(ラフ-わろ)を一致と認めるためには
引っ繰り返りとH-W交替を許す必要があるから確率は1/100を割ってしまう。
ゆえに上の例はすべて偶然の一致といえるのである。



謝胡 巴盧庫

Koma高駒麗人 (2003/09/15 01:19)

Maniac C.さん

>どうやら「謝胡巴盧庫」なる人名は1人のものではないようです。Shehu と Balluku という2人の人物の名前のようです。2人とも何回か中国を訪れています。青島へ行ったかどうかまでは判りませんでした。
やっとわかりました。ありがとうございます。
U+3002 さんへ
>「冖ではなく冂である」としたことは問題です。
別に問題でもなんでもないと思います。貝の簡体字の「人」の周りは「冖」ではなく「冂」に近いと思います。「冖(ワかんむり)に人」では「貝」の簡体字とは思えず「そんな字あったっけ」の気分でした。
「冂に人」では「貝」の簡体字とわかります。



むら

あお (2003/09/14 22:14)

顕正居士さま
ありがとうございました。私も何かの本で「英語と日本語は同根である。なんとなれば
sand sky thud ...は、すな、そら、どさっ...と発音が対応している」というのを
読んで大笑いした人の一人です。しかしそれにしても 取るとtenir、あるとavoirはやけに
似ているなと思った次第です。



むら

顕正居士 (2003/09/14 19:20)

朝鮮語で「村 むら」に当たるのは「マウル」、「群 むら むれ」に当たる
のは「ムリ」、「群がる」に当るのは「モイダ」(集まる)である。
これらが偶然の一致でない場合は日朝両語のかすかな語彙の重なりであって、
一方が一方を借用したことは考えられない。これらは日朝両語それぞれ基礎的
な語彙だからである。言語の系統を同じくする筈の日朝両語にもほとんど語彙
の重なりがないから、それらと系統を異にする印欧語との間に語彙の重なりは
皆無であると考えられる。だから音声と意義が類似していてもそれらは偶然の
一致であるか、あるいは借用語である。

「シンガポール」はサンスクリットの"simhapura"から出て"Lion Cty"の意味
であるが、この島の名が歴史に登場するのは14世紀以後であり、大都市へと
発達するのは19世紀以後である。



ししがむら

あお (2003/09/14 18:42)

Maniac C.さま
またまた私の唐突な仮説をご検証いただきありがとうございます。
うすうすpからmはないなと感じておりましたので、まずbがありそれがpとmに別れたのかもなどと考えておりました。日本語ではbからmへの変化は、さぶらい→さむらいなどありふれているので。むらについては実はもう一つの仮説を持っておりまして、
英仏のvillageです。これは意味も近いようです。以前フランス語などのラテン系諸語をかじった時、なぜか大和言葉とよく似た発音のものが多いなという感じを持ったことがあります。例えばまほろば→ le meilleur pays(たしかスペイン語だともっと近い発音では) たび→travail(今はvoyage) salir,sortir→去る とく→tot voir→見る(ラテン系英語のvideは「みて」そのものでは。) などです。これらが同根という説はないのでしょうか?



フホホト(地名の世界地図)

佐藤和美 (2003/09/14 09:40)

松茸さん
>p.127:
>「内モンゴル自治区のフホホトは、[中略]明代に漢族に征服され「帰化城{クイホア}」と改名されて中国に組み込まれた。」
>……そのような事実はない。
># アルタンハンの時代は、いわゆる「北虜南倭」で、明は守勢に立っていたはず。

「コンサイス外国地名事典」(三省堂)にはフホホトは「明末に中国の支配下に入り、」とありました。アルタンハンよりはあとの時代ということだと思います。「明末」でも「明代」には違いないということで。

松茸さんの引用してる後にこういう記述がありました。
「その四十年後(一九五四年)、内モンゴル自治区へ編入され、もとの名前、つまり民族的名称フホホトが復活したという歴史がある。」
「コンサイス外国地名事典」にはこうありました。
「1947 内蒙古自治区となり、'54 フホホトに復活。」



res: ししがむら

Maniac C. (2003/09/14 05:01)

>あおさま
>いつもお世話になります。
→こちらこそお世話になっております。
私の曖昧な記憶では「京言葉」の件以来ではないでしょうか。
“やっとかめ”だなも。
以下の記述の裏を取るのに時間が掛かってしまいました。
お返事が遅くなってしまったことをお詫び申し上げます。

>その2つの梵語は多分日本にも伝わり
→「その2つの梵語」というのは、シンハとプラのことでしょうか。
■確かに、『角川外来語辞典』は、『新言海』から次のように引用しています:
梵語 simha の首音を取って,師と音訳し,‘けもの偏(ヘン)’をつけて獅とし,
さらに接尾語の子をつけて獅子とした語、と。
■ここから先は(最近暫くお休みの)massangeanaさんや顕正居士さんの方が詳しいと
存じますが、「獅子」の語は『無量寿経』『阿弥陀経』『智度論』『漢書(西域伝)』
『仁王経(下)』『蓮華面経(上)』などに有るそうです。
■日本語としては、『続日本紀』の天平勝宝8(西暦756)年に、既に見えるようです。
■しかし、前掲書では「ムラ」は朝鮮語(muri)語源説を採っています。
■梵語のpは漢訳されるときもしっかりpで音訳され、日本語にはハ行音で輸入され
ます。例えば「般若(梵語pran~a¯)」とか。なので、もし梵語のプラが日本語に伝わっ
たとしても、その音は「フラ」であり、「ムラ」ではなかったはずです。

>和風にいうと、ししがむら だったのではないでしょうか。
→「ししがむら/獅子が村/獅子ヶ村」は網では1件も検索に掛かりませんでした。
「肉(ししむら)」は引っ掛かったんですけれどね。

>bからmへの変化は世界でよくある変化
→確かに日本語でも「けむり」に対して「けぶる」とか、「せまい」に対して「せば
まる」と、b〜m の揺れは有り、「ぱらぱら」〜「ばらばら」というp〜b の交代
も有るのですが、多分、p〜b〜m という変化は、無いような気がします。

>英語のborough, burg, 独語のbourg インドのbaad?なども多分 むら と
>同根かも。
→英語borough, 独語Burg, 仏語bourg, 梵語pura は、印欧祖語 *bhergh- に遡る
ようですが、原義は「高み、丘(の砦)」です。
■それに対して、インド・イランに在る「〜バード(-bad)」は、印欧祖語 *pet@- に
遡るようです。原義は「広げる、伸ばす」で、そこから「囲い込む」「柵」「都市」の
意味になるようです。
■どちらも、日本語の「群れる」「群がる」とは、つながらないように思えます。



bからmへの変化

偽中国人 (2003/09/14 04:58)

日本の合唱団が黒人霊歌の歌詞
de troubles ob de worl=the troubles of the world
を歌うとき、息の吐き出し方が弱いので破裂音の「ob」が不発に終わり、「om」となって、
まるで「日本武尊」の兄弟「虎武尊トラブソム」が居るかのように聞こえます。



res: ししがむら

Maniac C. (2003/09/14 04:47)

>あおさま
>いつもお世話になります。
→こちらこそお世話になっております。
私の曖昧な記憶では「京言葉」の件以来ではないでしょうか。
“やっとかめ”だなも。
以下の記述の裏を取るのに時間が掛かってしまいました。
お返事が遅くなってしまったことをお詫び申し上げます。

>その2つの梵語は多分日本にも伝わり
→「その2つの梵語」というのは、シンハとプラのことでしょうか。
■確かに、『角川外来語辞典』は、『新言海』から次のように引用しています:
梵語 simha の首音を取って,師と音訳し,‘けもの偏(ヘン)’をつけて獅とし,
さらに接尾語の子をつけて獅子とした語、と。
■ここから先は(最近暫くお休みの)massangeanaさんや顕正居士さんの方が詳しいと
存じますが、「獅子」の語は『無量寿経』『阿弥陀経』『智度論』『漢書(西域伝)』
『仁王経(下)』『蓮華面経(上)』などに有るそうです。
■日本語としては、『続日本紀』の天平勝宝8(西暦756)年に、既に見えるようです。
■しかし、前掲書では「ムラ」は朝鮮語(muri)語源説を採っています。
■梵語のpは漢訳されるときもしっかりpで音訳され、日本語にはハ行音で輸入され
ます。例えば「般若(梵語pran~a¯)」とか。なので、もし梵語のプラが日本語に伝わっ
たとしても、その音は「フラ」であり、「ムラ」ではなかったはずです。

>和風にいうと、ししがむら だったのではないでしょうか。
→「ししがむら/獅子が村/獅子ヶ村」は網では1件も検索に掛かりませんでした。
「肉(ししむら)」は引っ掛かったんですけれどね。

>bからmへの変化は世界でよくある変化
→確かに日本語でも「けむり」に対して「けぶる」とか、「せまい」に対して「せば
まる」と、b〜m の揺れは有り、「ぱらぱら」〜「ばらばら」というp〜b の交代
も有るのですが、多分、p〜b〜m という変化は、無いような気がします。

>英語のborough, burg, 独語のbourg インドのbaad?なども多分 むら と
>同根かも。
→英語borough, 独語Burg, 仏語bourg, 梵語pura は、印欧祖語 *bhergh- に遡る
ようですが、原義は「高み、丘(の砦)」です。
■それに対して、インド・イランに在る「〜バード(-bad)」は、印欧祖語 *pet@- に
遡るようです。原義は「広げる、伸ばす」で、そこから「囲い込む」「柵」「都市」の
意味になるようです。
■どちらも、日本語の「群れる」「群がる」とは、つながらないように思えます。



pura、城など

偽中国人 (2003/09/14 04:45)

http://sets.tacocity.com.tw/bali/temple.htm
巴里島語稱廟宇為 Pura,      バリ島の言葉で神社仏閣をPuraという。
它來自梵語, 字面上的意義是被牆  それは梵語に由来し、字づらの意味は
所圍繞的地方.           塀で囲まれた場所である。

中国の町(城、城市)は城郭に囲まれており、日本の吉野ヶ里遺跡の村も周囲に塀があったようです。杜甫の「国破山河在、城春草木深」に出てくる「城」も城郭の内側に庶民が住む町であり、「姫路城」や「大坂城」のような城砦を想像すると誤りということになります。

史記の廉頗藺相如伝にある「連城の璧」とは秦の昭王が15の町と交換しても惜しくないと考えた玉器。
http://www.imwar.2u.com.tw/Cloud123/C3-2-1.htm
願はくは「十五城」を以て璧に易(か)へんと請ふ。
秦王「十五城」を以て寡人の璧に易へんと請ふ,予ふ可きや不(いなや)?
秦王...有司を召して圖を案じ,指さして此より以往「十五都」を趙に予へんと。
この例からも「十五城」=「十五都」ということが解ります。

長安城について
http://www.ne.jp/asahi/overland/japan/shanxisilk1.htm

平安京は「城壁なき要塞都市」であったがために平安城とは呼ばれなかったのか?
城壁なき要塞都市〜平安京の境界祭祀
http://homepage1.nifty.com/heiankyo/yomo04.html
http://www.bukkyo-u.ac.jp/mmc01/shuu/kikagaku3.html

北京城
http://www6.plala.or.jp/cocoa/travel_jyoheki.htm

地名の「〜原(ばる・はる)」「〜丸」との関連
http://www.shochian.com/harubaru2.htm

マレーシア連邦の首都Kuala Lumpur吉隆坡の由来
http://home.kimo.com.tw/cangolee/mal/a04.htm
「泥濘的(muddyどろんこの)河口」。
http://www.clair.or.jp/j/forum/forum/jititai/091/INDEX.HTM
マレー語で「泥の河口」
Selangor Pewterスランゴール・ピューター(錫器)は土産品として有名。



タイ語ではSingkhapoo

偽中国人 (2003/09/14 04:43)

先づ最初に訂正。
>makangは馬来語で「食べる、食事」の意 @9月 9日(火)06時32分51秒
makang->makan
>梵語のsinga+puraから「発生」した...9月12日(金)02時08分32秒
梵語のsinga+puraから「派生」した...

図書館に梵語辞典は無く、代わりに「タイ語大辞典」を調べてみました。

「シンガポール」をタイ語ではSingkhapooというそうです。puraがpooとなっているのは英語のSingaporeや福建語、潮州語などの影響かも知れません。タイ語に関しては素人なので単なる推測です。

singtooは唐獅子牡丹という時の唐獅子のことを言うそうです。
singhaはインドの想像上の獅子。
singharaaは雌獅子。
singha-raatは獅子の王。
Singhonが英語のSinhaleseと関係ある言葉。スリランカ、セイロン;セイロン人。
http://langue.hyper.chubu.ac.jp/komori/indika/data3.html
Singhalaka- がセイロンのという形容詞のようです。

http://www.mainichi.co.jp/news/kotoba/ta/20030106_01.html
スリランカでは少数派の民族タミル人の言葉はシンガポールの公用語に採用されている。
http://www.mofa.go.jp/mofaj/press/danwa/15/dga_0425.html
バーラ「シンガム」とかウィクラマ「シンハ」とか人名、苗字にも取りこまれている。



「言葉の世界」伝言板8月分

佐藤和美 (2003/09/13 11:51)

「言葉の世界」伝言板8月分」を追加しました。

9月1日、組織大幅変更で転勤。過去ログの追加もまた遅くなるかな?……(^^);



「食」の言葉(?) 追記

きしろふ (2003/09/13 00:17)

「マーガリン」は「人造バター」ともいいます。(死語?)



「食」の言葉(?)

きしろふ (2003/09/13 00:15)

なんか横槍をいれる様で申し訳ありませんが、
先ほど(いい年しまして ^^;)『高校生クイズ』を見ていました。問題の中にも2問ほど(どれも「食」に関係しているもの)ありました。
 ・明治時代、「高利貸し」は「アイス」とも呼ばれていた。それは「アイス」は「氷菓子」とも書き、「氷菓子(こおりがし)」と「高利貸し(こうりがし)」をかけたから。
 ・フランス語「マーガリン(margarine)」の語源はギリシャ語で「真珠」を意味する語から。(ここから先は自分で調べたものです)補足すると、ギリシャ語「margarites」からで、「バターに比べると白いから」「製造工程で出来る粒子が真珠に似ているから」とのこと。花の「marguerite(マーガレット)」、女性の名前の「Margaret(マーガレット)」、イタリア語「margherita(マルゲリータ)」、スペイン語「Margarita(マルガリータ)」も語源は同じです。但し、ピザの「マルゲリータ」とカクテルの「マルガリータ」はそれぞれ由来は別にあります。
詳しくは下のリンクで。

「マーガリン」かなりの量になりました・・・(--;)

http://wedder.net/kotoba/margarine.html



Re. Singapore

あお (2003/09/12 12:31)

Maniac C.さま
いつもお世話になります。その2つの梵語は多分日本にも伝わり
和風にいうと、ししがむら だったのではないでしょうか。
bからmへの変化は世界でよくある変化のようですし、そういえば
英語のborough, burg, 独語のbourg インドのbaad?なども多分 むら と
同根かも。



レー Singapore

Maniac C. (2003/09/12 03:33)

>偽中国人さん
>Singaporeは梵語のsinga+puraから発生した
研究社の『英語語源辞典』には、sim。ha´(lion)+pura(fortress, city)と有ります。
前半要素のsim。ha´は、スリ・ランカの主要民族であるシンハラ(sim。hala)族、その
言語であるシンハラ語(英綴りsin[g]halese)とつながる言葉です。
sim。ha´>singha>singa と変化したようですね。



シンカポー、サンガーポー

偽中国人 (2003/09/12 02:08)

>シンガポールの中国系人はやはり、シンガポールの事をxinjiapoと言うのですか?
「シンガポールの中国系人」は小中学校の授業で先生が説明するときに使う言語が何であったかによって大雑把に分けると
1.華校出身者
2.英校出身者
3.その他
となります。

華校出身者は高く平らに「シンチァーポー」と模範的発音をします。
「チ」を少し濁らせて「シンチ゚ァーポー」というのがより現実的。

「シン」と「ポー」を高く発音し、真中の「チ゚ァー」を低く発音する人もいます。

他に「シンカポー」、「サンガーポー」と発音する人も居ます。

昔は「星嘉坡」とも書いたそうです。
「新xin」であろうと「星xing」であろうと、後ろに「加嘉ka」がくれば自然に「xing」という発音になります。

Singaporeは梵語のsinga+puraから発生したということで、Lion City獅城とも呼ばれます。

古い統計資料で申し訳ないのですが、
中華系シンガポール人の方言別構成比は
福建話Hokkien     42%
潮州話Teochew     22%
広東話Cantonese    17%
海南話Hainanese     7.3%
客家話Hakka        7%
福州話Foochow(Hockchew) 1.7%
のようになっています。現在では英語を使う割合が増えていると思います。

The Speak Dialect HomePage
http://sunflower.singnet.com.sg/~bluesky/dialect.html
新加坡三大“怪”(多稜鏡)
http://www.booker.com.cn/big5/paper20/12/class002000005/hwz93031.htm



u+3002 Maniacさん

Shusan (2003/09/11 08:15)

御回答(解答でしたね)ありがとうございました。それにしても言語って面白いですね。

この伝言板はすばらしいですねえ。世の中いろいろの掲示板がありますがこれが今までで一番やりとりがさかんですね。皆さん、またよろしくおねがいします。



TANG Q 冂

Maniac C. (2003/09/10 23:33)

>Shusanさん
>LANGUAGEのLANGはTANG=舌の転とか。
→TANG が、もし英単語の「舌」に相当するものだとすれば、綴りが違いますよ。
 現代英語では tongue と綴りますが、古期英語では tunge と綴り、当時は文字通り
「トゥンゲ」と発音しました。
 現代英語の綴りは、フランス占領時代(正確にはノルマン王の支配時代)のフランス
語の影響です。「舌」の意味の外、mother tongue「母語」などと「言葉」の意味でも
使えます。
 「転」というのが又、微妙な言い方ですね。どちらも印欧祖語の *dn。ghu¯に遡り
ますが、英語の tongue が直接 language に変化したわけではありません。
 仏語由来の language は、ラテン語の ligua に遡り、英語の tongue と同様、「舌」
「話し言葉」の意味を持つ単語です。語頭のlはdの変化したものです。

>Qの発音について分かり易い説明
→ごく大雑把に言えば、「チ」の有気音、つまり子音の「チ」と母音の「イ」の間に
激しい気息を伴う音です。無理矢理カタカナで引き伸ばして表すと「チヒィ」となる
と思います。つまり、「チヒィ・チヒィ・ハー・アウ」と言うと「斉々哈尓」に近い
発音が得られます(声調は上昇・上昇・高平・低平です)。

>単語表記と発音記号が別れているのはなぜか
→今一、疑問の真意が判明ではありませんが、いくつかの理由が考えられます。
■単語表記は古い発音の反映であることが多く、その後に変化した発音を反映しない
ので、現在の発音を表す表記法が必要だから。
■同じ単語表記でも、話者の地域や社会階層などによって発音が異なるから。
■或る言語の中で、使用者にとって不都合の無い程度に単語の区別がつけばよい音韻
レベルの文字表記と、異言語として学ばねばならない学習者にとって異なって聞こえ
る音までを区別する音声レベルの発音記号表記とは、音を区別する基準が違うから。
(例えば、日本語の「ん」は、1つの発音記号では表せません。)
■単語表記はその言語の歴史の中で形作られたものだが、発音記号は国際音声学協会
という、各言語の歴史や利害とは関係の無い人達(ちょっと言い過ぎですが)が作った
ものだから。

>U+3002さん
>発言の真意
なるほど、「内」に似ているけれど上に突き出さない漢字(何と読むのか、どういう
意味なのか、全く判りませんが)が在るのですね。納得いたしました。
「里」の略字、というのが瞬間的には解らなかったのですが、自分で草仮名を書いて
みて解りました。なるほど、「贝 去人」ですね。有難う存じました。



q

U+3002 (2003/09/10 13:17)

Shusanさん
>QIQIがチチハルの書き出しですがQの発音について分かり易い説明が欲しいのですが。「秦」もQINと書いているようですが。

普通話のqは、無声有気歯茎硬口蓋破擦音です。
歯茎硬口蓋音を持つ言語は少ないですが、実は日本語はその少ないうちの1つです。
日本語のチの子音は、無声無気歯茎硬口蓋破擦音です。
違いは「有気/無気」ですので、日本語のチを、息を出すように強く発声すれば、普通話のqになります。

>あと、単語表記と発音記号が別れているのはなぜかも長い間の疑問ですが・・・

ピンインの代わりに発音記号を…ってこと?



シンガポール総合病院??

偽中国人 (2003/09/10 01:45)

シンガポールのThe Singapore General Hospitalで検査を受けた男性がSARZと診断が確定したニュースについて、日本の新聞がThe Singapore General Hospitalを正しく翻訳していないので、日本、シンガポールの英字紙、華字紙、台湾、中国の各地の新聞記事を集めてみました。

朝日
http://www.asahi.com/international/update/0909/009.html
「シンガポール総合病院」に入院。

毎日
http://www.mainichi.co.jp/news/selection/archive/200309/09/20030909k0000m030142000c.html
「国立シンガポール・ゼネラル・ホスピタル」で男性1人が....

シンガポール保健省
A New Probable SARS Case
http://www.moh.gov.sg/sars/
(MOH, September 09)
「The Singapore General Hospital (SGH)」 has picked up a new probable SARS case.

シンガポール:The Straits Times=海峡時報
http://straitstimes.asia1.com.sg/topstories/story/0,4386,208863,00.html?

A PATIENT at 「the Singapore General Hospital (SGH)」 tested positive for the Sars virus yesterday, triggering concern that the respiratory disease may have resurfaced here.

シンガポール:聯合早報(華字朝刊紙。南洋商報と星州日報とが合併)http://www.zaobao.com/cgi-bin/asianet/gb2big5/g2b.pl?/special/pneumonia/pages2/pneumonia090903za.html
(聯合早報網訊)我國衛生部今日下午4時30分召開記者會公布,「中央醫院」懷疑有一名男性華族病人感染沙斯,經過再度確認,証實為新沙斯病例。

台湾:中央社記者呉顯申新加坡九日專電
http://tw.news.yahoo.com/2003/09/09/health/cna/4245297.html
患者早先在「中央醫院」接受初歩SARS檢驗時呈現陽性反應。

中国:人民日報
http://www.people.com.cn/GB/guoji/1029/2078357.html
他当天在「新加坡綜医院」進行的非典検測結果呈陽性反応。

朝日、毎日、人民日報は英語の資料から翻訳したらしいということが解ります。
シンガポールの地名の索引等を調べれば
The Singapore General Hospital=シンガポール中央病院
ということが判明するはずです。

シンガポールの聯合早報も春のSARS流行の前半までは中国と同じように「非典」という言葉を使っていましたが、途中からSARSを「非典」と呼ぶことは医学的に正しくないということが判明し、「沙斯」を使うようになりました。

中華系シンガポール人には、所謂「新移民」を除けば捲舌音が苦手な人が多く、「沙sha」を「沙sa」のように発音します。



文庫クセジュの『印欧語』

にれのや (2003/09/10 00:46)

■文庫クセジュの『印欧語』は、白水社で在庫切れだそうで。



Re: 冂

U+3002 (2003/09/09 18:28)

Maniac C.さん
>「冂ではない」理由の1つとして、字形の違いを挙げられた
>ことに関しての、私の疑問にお答え頂けないでしょうか。

「贝」の初2画(以下「贝去人」)は、「見」の簡体字「见」、「頁」の簡体字「页」にも現われます。
また、「里」「且」「直」「真」の民間の略字にも現われます。
「贝去人」は、「冂」とも「冖」とも字形・起源(意味的な起源ではなく、字体の起源)の異なる、一群をなしています。

そして、「贝去人」と「冂」との具体的な相違点が、
(1) 第2画は撥ねない
(2) 旁(に相当する部分)は、中に完全には入らない(通常、縦画1本のみが入る)
の2点です。

「冂」と「贝去人」は、字形の違いはわずかにもかかわらず、この(2)によって、「冂に人」と「贝去人に人」は、似ているとさえ言いにくい字形になります。
冂に人 http://www.unicode.org/cgi-bin/GetUnihanData.pl?codepoint=2053F&useutf8=false
贝去人に人 http://www.unicode.org/cgi-bin/GetUnihanData.pl?codepoint=8D1D&useutf8=false

そのため、「冂ではなく贝去人である」と感じました。
それが

U+3002
>冂ではないですよ。
>第2角ははねませんし、「人」は「冂」の中に完全には入りません。

の発言の真意です。



re カエル

きしろふ (2003/09/09 18:20)

>偽中国人さん
謝謝です(かたことの中国語 ^^;)



目から鱗

Shusan (2003/09/09 10:09)

MHKワールドの「実験体験大発見」とかいう番組で「声帯は単一のブーという音しか出さず、舌で口の中の空間の形を変えて声にしている」と知り、言語の混乱?はさもありなんと感じた次第です。そういえばLANGUAGEのLANGはTANG=舌の転とか。思えばよくも言葉が通じているものだと感心しました。
ところでTVで最近チチハルの日本軍毒ガスが話題ですが、QIQIがチチハルの書き出しですがQの発音について分かり易い説明が欲しいのですが。「秦」もQINと書いているようですが。

あと、単語表記と発音記号が別れているのはなぜかも長い間の疑問ですが・・・

なお、この題名「目から鱗」の言葉は西洋起源(ネットでルター関連の文献を見た)みたいですが中国の?子(記憶無し)にも似た文が有ります。偶然でしょうか。立て続けにすいません。



Teochew潮州

偽中国人 (2003/09/09 06:32)

>Teochewは潮州の英語名ですが、これのもとが「方言」であることについてシンガポールではどう考えているのでしょうか。

シンガポール華人の英語レベルは千差万別で十羽ひとからげには論じることはできませんが、それ程堪能ではない人々の英語はSinglishと呼ばれ、日本人が日常会話に色々な国の外来語を使うのと同様に、英語の文脈にマレー語や福建語の発音をそのまま使ったり、中国話(福建話、広東話、北京話など)を直訳したような単語(白飯plain rice,白水plain water,春巻Spring Roll)、甚だしきに至っては、
Okay la.
とか
No more already wa.
などの様に中国話の語気助詞を英会話の中で使ったりします。

「你爸爸sayang你」=「Ni3 ba4ba0 sayang ni3」
sayangは馬来語で疼teng2=(病−丙)+冬の意。

日本語を習い始めた人が「watasi xianzai go makang」と言ったりします。
watasiは私、xianzaiは現在、goは英語、makangは馬来語で「食べる、食事」の意で実に4カ国語のチャンポン。

政府の方言撲滅キャンペーンの効果があったのか、方言使用に多少の罪悪感を持ちながらも、名乗りに関しては、まだまだ方言音が優勢です。

方言禁止を叫ぶシンガポールの首相の名乗りはGoh Chok Tong呉作棟
http://straitstimes.asia1.com.sg/topstories/story/0,4386,208566,00.html?

永年首相を務めたリー・クヮンユー李光耀Lee Kuan Yewは確かHakka客家人。
http://straitstimes.asia1.com.sg/singapore/story/0,4386,208581,00.html?

http://www.zaobao.com/special/special/zb80/pages/zb070903.html

Lim Jim Khoon林任君
Lim Chin Beng林振明
Chew Keng Juea周景鋭

皆方言で名乗っています。

シンガポールの高官がアメリカと自由貿易交渉をしたとき夜食に(うまく表示できるか乾坤一擲→)「粿條」Kwayteowを食べたという話がシンガポールの英字紙に載っていましたが、このKwayteowも「英語名」になるんでしょうか。

文字化けの際は次のHPの写真を御覧ください。
新興炒Kwayteow
http://www.eatshiokshiok.com/sinhing/

↑きしろふさん、出てきましたよ。「鮮蛤炒[米果]條」 小がS$2=新幣両塊(新幣=Singapore Currency)、大がS$3=新幣参塊です。こりゃ美味いと食べ終わったあとで、具がカエルだと聞かされたら「ゲッ」と吐きそうになりますね。でも食用のカエルは「田鶏」と呼ばれるだけあって、カエルだと教えてもらわなければ鶏肉と間違えるほどです。しかしこの店の具はカエルではなく貝の方です。

Kwayteowを北京語でGuotiaoと発音すると味付けが変わってしまうんじゃないかと思います。Kwayteow[米果]條は名古屋の「きしめん」のように平べったい「うどん」の一種です。
[米果]という字は愛知大学編「中日大辞典」1971年再版や現代華語詞典1978年には収録されていません。広韻によれば「果」と同じ発音。



RE:bookmaker

らにい (2003/09/08 20:48)

>Maniac C.さん
詳しいものありがとうございます。
なるほど、「賭け帳を作る人」ということですね。
あのページはちゃっかりブックメーカー指南していますね(笑)「book」のいろいろな用途もありがとうございます。
「簿記」のことは知っていましたが、「通帳」が「a passbook」の訳とは。へぇー(笑)
>顕正居士さん
も「book」の語源など感謝いたします。

余計ですが、競馬でのブックメーカーは主にイギリス、ドイツ、アイルランドなどで多く見られます。公式のオッズとは違う独自のオッズを提供、当然、公式のものよりも魅力的なオッズを顧客に提供して馬券を販売しています。いわば「合法的ノミ屋」です。イギリスではブックメーカーの人気が高すぎて公式の馬券が全く売れず、全体的にレースの賞金額が下がってしまい、ひいてはレースのレベルが下がる、という悪循環に陥っているようです。(賞金はなんとかスポンサーで賄っているようです)
日本はフランスなどと同じ「パリ・ミューチュエル」という方式をとっています。これは催者が馬券を発売し、一定の控除率を差し引いた残金でオッズを算出する方式です。
ちなみに日本では「ブックメーカー」は禁止しています。(要するに自分で馬券は売ることは出来ません。「ノミ屋」は認められていませんので)

http://neon.cside4.com/hrw/jiten/dictionary/ha.html
http://neon.cside4.com/hrw/jiten/dictionary/hu.html



bookmaker

顕正居士 (2003/09/08 19:53)

"book" は "beech"(ブナノキ) から出た語で字を書いた紙などの束をいい、
「書冊」の他に「帳面」の意味がある。動詞としては「記帳」である。
bookmakerは三等出版業の意味もあるが、主に賭博の胴元をいう。ゆえに
Maniac C. さんのおっしゃるように、「帳面」を作る仕事でありましょう。

「貝」の簡体字

と同じ形が「貝」の簡体部首(4画)であり、その合計4画に当該字がある、
のがオーソドックスとおもう。この字はS-JIS固定のスクリプトの中では
番号符号を用いても表示できません。



Re: 冂

Maniac C. (2003/09/08 19:32)

>U+3002さん
御返答、有難う存じます。込み入ってきたのでインラインでコメントを添えさせて
いただきます。
>まず、私はKoma高駒麗人さんが「贝」の初2画を「冂」だとしたことを問題にしているのではありません。
>指摘個所は、「贝」の字形説明で、厳密さは要求されないでしょう。
→諒解。初2画の字形説明については冂だろうが冖だろうが問題は無し、と。
 しかし、「第2角ははねませんし」とされている点だけが私には引っ掛かります。
ここは字形の説明ではないのでしょうか。
 部首は、原義(or篆書の字形)と関係なく、字形の類似で一括されているものが
結構見受けられます(例えば、月部における「服」「朋」「朗」)。
 冂部でも第2画を跳ねていない「冒」「冕」の外、第1画を曲げる「册」が含まれます。
 そういうわけで、「冂ではない」理由の1つとして字形の違いを挙げられたことに
関して、私は疑問を呈したわけです。

>しかし、字形の類似のみから「冂」だといえるなら、同じ理由で「冖」だとも言えます。
>「冖ではなく冂である」としたことは問題です。
→諒解。部首名についての問題点指摘であった、という点は解りました。

>「小学館『新選漢和辞典』には「贝」が冂部に載っている」ことを根拠には、
>「「贝」の初2画は冖ではなく冂である」とは言えないと思います。
→諒解。私の問題意識は、第2画を跳ねるか跳ねないか、という点に在りました。

>まず、「贝」が冂部であることは疑問です。
→正確な書き方ではありませんでしたのでお詫びします。
小学館『新選漢和辞典』は、「親字のうち、部首および画数のまぎらわしいものに
ついては、特に検索の便を考慮して、その漢字の本来の場所以外の数か所にこれを
掲げた。これによって、たとえ部首をまちがって引いた場合でも、即座にその所在を
見出すことが可能となる。」という編集方針に基づいている漢和辞典で、冂部に在る
「贝」は空見出しで、説明自体はちゃんと「貝」部に在ります。但し、冖部にはこの
空見出しは有りません。

>中国の権威ある漢字字典《漢語大字典》(日本の《諸橋大漢和》のようなもの)では、「贝」は貝部のようです。(2次資料からですが)
>漢字は、略化によっては、部首は変わらないのが普通です。
→諒解。同じ小学館の『中国語辞典』でも、「贝」部に在ります。
「贝」の字形説明については、Koma高駒麗人さんが9/2に書き込んだ「『冂』は『ワ
かんむり』でなく『えんがまえ』だそうです」という部分が誤解を招く表現であって、
字形の説明としては「ワかんむり」でも「えんがまえ」でもどちらでも良いが、部首
名としては飽くまでも「貝」である、という論旨ですね。

>また、「×部に属する」ことと「部首部分が×である」ことを、同一視すべきではないと思います。
→諒解。「冒」「冕」は冂部に属してはいるが、部首部分は「冂」ではない(「冂」とは
異なる字形である)、ということですね。

>「冒」は「冃」と「目」の会意、「冕」は「冃」と「免」の形声です。
>「冃」は象形です。意味はある種の帽子。部首部分は、帽子の外形にあたります。
>これは、「冂」とは違います。
→諒解。「冂」はHのような字形で、指事ですよね。
>篆小まで遡ると、「冂」とは明らかに字形が異なります。
>むしろ、意味・字形とも、「冖」に似ています。(まったく同じではありませんが)
→諒解。

以上、大部分は諒解しました。「贝」の部首は「貝」である、という点は議論の余地
無しですので、次回は「冂ではない」理由の1つとして、字形の違いを挙げられた
ことに関しての、私の疑問にお答え頂けないでしょうか。篆書の字形にまで遡るの
なら、冖も冂も冃も、第2画に跳ねは有りません。そして、冂部には上述のように、
字形の異なる漢字が含まれているのですから、字形の異同は「冂ではない」とする
理由にはならない、とやはり考えてしまうのですが。



レー bookmaker

Maniac C. (2003/09/08 19:31)

>らにいさん
>「ブックメーカー」の語源がお分かりでしたらお教えください。
>また、「ブックメーカー」は直訳すると「本を作る人」みたいな感じになりますが、「賭け」と「本(book)」とはどんな関係があるのでしょうか?
→確かに、日本語のHPでは「ブックメーカー」と「ブック」の関係に言及している
所は無いみたいですね。私も良さげな所は無いかと探してみたのですが。
 仕方が無いので、英語のHP(下記URL)を御紹介します。ひとまづは拙訳でドウゾ。

何故彼らは「ブックメーカー」と呼ばれるのか。ブッキー(bookies: 英略式語)、或は
ブックメーカー(英語では公認の「私設馬券営業者」、米語では無認可の「ノミ屋」)は、
時には「芝生の会計士(turf accountants: 英正式語。‘turf’は「競馬場」の意味)」
としても知られるが、「ブック(賭け帳)」を作るので、「ブックを作る人」と呼ばれる
のである。彼らは「製本業者(book binders)」における、本を書く人(book-writers)
=作家でもなければ、本を編集する人(book-makers)でもない。ブックメーカーが作る
「ブック」は、数字計算の帳簿である。つまり、例えば競馬などでの異なる結果に
賭けられている金額や入札者が書き込まれ、新たに提供するべき掛け率が計算できる
ように掛け率と共に合計される、数学的な計算表である。この計算の意図は、結果が
どうであれ、その賭け帳(book)の合計が常に合い、その胴元(bookie)が常に利益を
得るためである。入札者は、勝つ者もいれば負ける者もいるが、胴元はほとんど常に
勝つものである。興味深いことには、大部分の人達は多くのぱあい適当に賭け、胴元
は利益を得る必要が有るので、自分でも利益を得る狡い賭け方で賭けることがかなり
可能である。即ち、胴元に対抗するのではなく、他の入札者の下手な選択に対抗すれ
ば、勝てるのである。これは知っている価値のあることである! また、「知識の雑誌」
も見なさい。これは賭けの技巧について、もうちょっと詳細である。

…というわけで、この記事から判ることは以下の3点です。
「ブックメーカー」の類義語に、bookie, turf accountant というのが英語には有る。
「ブックメーカー(bookmaker)」と「本を編集する人(book-maker)」とは違う。
「ブック」は「書物」の意味ではなく、「賭け帳」の意味である。

いくつか補足します。
 米語では「賭け帳」の意味では a handbook が使われます。日本語の「手控え」に
近い語感でしょうか。勿論、「手引書」「便覧」の意味で使われる方が普通です。a
handbook man と言うと「賭け屋」になります。
 英語での bookmakers は、競馬場とは独立した勝ち馬投票券を取り扱う業者のこと
ですので、米語の「ノミ屋」に当たる言い方は stags と言うことになります。
 英語で to make a book と言うと(a が無いと米俗語)、「帳簿を作る」→「賭けを
引き受ける」→「胴元になる」という意味になります。
 book は「ダブルブッキング」という日本語からも解るとおり、「帳簿に記帳する」
という意味の動詞としても使えます。
 余談になりますが、「簿記」というのは book-keeping の音訳だそうです。
 余談その2ですが、「通帳」は a passbook の訳語です。
http://www.zyra.org.uk/bookies.htm



大豆のこと

Shusan (2003/09/08 17:35)

はじめておたよりします。(と言いながら前に投書したかもと不安ですが)
どこかの伝言板(ココだと思ったのですが)で「soy souceというのはsoy beanから作るから」という投書を見ました。英英や英和でsoyを引けばお分かりのようにsoyはshoyuのことですから、
語源は逆でsoyを作る豆だからsoy beanなのではないでしょうか。
また、類似の言語について「同じような発音で同じような意味だが実は偶然である」というけれどもその中には本当は関連がある場合もあるのではないかと思います。どなたか偶然か同源かどうかは別としてそういう類似語を集めていませんか。小生の好きな例ではcongestionと混雑というのがあります:)



Re: 冂

U+3002 (2003/09/08 14:49)

Maniac C.さん
>→お言葉を返すようですが、小学館『新選漢和辞典』には冂部に「貝」の簡体字が
>入っています。Koma高駒麗人さんも同書を御覧になったのではないでしょうか。
>又、第2画を跳ねるか跳ねないか、というのも、冂部に「冒」や「冕」が入って
>いますので、逆に「冂ではない」とする根拠とはならない気がします。

まず、私はKoma高駒麗人さんが「贝」の初2画を「冂」だとしたことを問題にしているのではありません。
指摘個所は、「贝」の字形説明で、厳密さは要求されないでしょう。
しかし、字形の類似のみから「冂」だといえるなら、同じ理由で「冖」だとも言えます。
「冖ではなく冂である」としたことは問題です。

「小学館『新選漢和辞典』には「贝」が冂部に載っている」ことを根拠には、
「「贝」の初2画は冖ではなく冂である」とは言えないと思います。

まず、「贝」が冂部であることは疑問です。
中国の権威ある漢字字典《漢語大字典》(日本の《諸橋大漢和》のようなもの)では、「贝」は貝部のようです。(2次資料からですが)
漢字は、略化によっては、部首は変わらないのが普通です。

また、「×部に属する」ことと「部首部分が×である」ことを、同一視すべきではないと思います。

「冒」は「冃」と「目」の会意、「冕」は「冃」と「免」の形声です。
「冃」は象形です。意味はある種の帽子。部首部分は、帽子の外形にあたります。
これは、「冂」とは違います。
篆小まで遡ると、「冂」とは明らかに字形が異なります。
むしろ、意味・字形とも、「冖」に似ています。(まったく同じではありませんが)



つまらないものですが・・・(^^;)

らにい (2003/09/08 12:37)

「ブックメーカー(book-maker)」という言葉があります。
「ブックメーカー」はいろいろなことに関して賭けをする「賭け屋」のことですが、この語源を調べようとしてもヒットしなかったのでわからずじまいです。
「ブックメーカー」の語源がお分かりでしたらお教えください。
また、「ブックメーカー」は直訳すると「本を作る人」みたいな感じになりますが、「賭け」と「本(book)」とはどんな関係があるのでしょうか?
たどたどしい文章になってしまいましたが(^^;)、宜しくお願い致します。



謝胡巴盧庫

Maniac C. (2003/09/08 04:04)

>coma高駒麗人さん

どうやら「謝胡巴盧庫」なる人名は1人のものではないようです。
Shehu と Balluku という2人の人物の名前のようです。
2人とも何回か中国を訪れています。青島へ行ったかどうかまでは判りませんでした。



いろいろ

松茸 (2003/09/07 21:53)

* 「ソ連時代のチュルク系・ペルシャ系共和国の名称」
 にれのや師匠、今度こそ本当に(^^;ありがとうございます。
 「あえて『スタン』を省略させ」は事実誤認(誇張)ということで決着ですね。

 旧自称+文字政策についての類型が、近隣のおもな同系民族(語派)の関連で分類できる

カザフ、クルグズ:テュルク語派――新疆
タジク     :イラン語派――イラン
他三国     :テュルク語派――トルコ

のは偶然でしょうが、面白いですね。

* 「サクイベ」
 いちおう、(サケではなく)マスを sakipe というようです。
cf.萱野茂氏のアイヌ語ラジオ講座:
http://www.google.co.jp/search?q=cache:vnQKL_VVLU0J:www.frpac.or.jp/shiryo/98-3.pdf
# PDFは重いので、あえてGoogleのキャッシュを挙げました。
 これが sak-ipe と分解できるかどうかは私の知識外。(^^;
 なお、sat-cep ならともかく、sat-kam (語義的には「干し肉」)が「サケ」の語源というのは、ちとやりすぎでしょう。



アイヌ語の地名

さいさん (2003/09/07 21:22)

初めて書き込みさせていただきます。
富良野という地名はアイヌ語でどういった意味なのでしょうか。
ここのHPを始め、いろいろ調べてみたところ、「フラ」=“臭い、匂いのある”、というのはどこでもほぼ一致しているのですが、「野」の語源とされている「ヌ・イ」が統一されていないのです。
学校の課題で北海道旅行のレポートを書いているのですが、それに補足としてアイヌ語との関連を載せるために調べています。



棣利士山 続き

coma高駒麗人 (2003/09/07 18:55)

康有為故居:徳国總督副官「弗莱海爾・利利恩可龍」? 投稿者:coma高駒麗人  投稿日: 9月 2日(火)22時54分38秒
>信号山公園(英語名Xinhaoshan Park)の冊子を見ると、青島がドイツに占領された時は「隷(左側は木へんだったかも)利士山」、日本領時代は「神尾山」だったのですが、英語文を見ると、“LiliShi Hill”“Shenwei Hill”とあります。しかしドイツ語名はディーデルリッヒ(つづりはDiederrich?)山、日本語名「神尾」は「かみお」なので、Diederrich Hill、Kamio Hillの筈。中文を英語に訳す人がこういう名前の原語や日本語漢字表記の日本語音を知らないせい。

「棣利士山」は北京語音でDilishishanですが、信号山のパンフを作った人は、「棣」の音を「隷」から類推してLiだと思ったのでしょう。

“阿爾巴尼亞 謝胡巴盧庫”がいまだにわかりません。

http://www.takahashistamp.com/2note33.htm



高等学校 高級学校

高駒麗人 (2003/09/07 18:07)

>要するに、「高等学校」は使われているけれども、「高級学校」
は使われていない、ということでしょうか?

南朝鮮(南韓国)のヤフーでは「高級学校」で検索してもなかなか出てきません。
在日北朝鮮系学校では高級学校がたくさんあるようです。

http://kr.search.yahoo.com/search?p=%CD%D4%D4%F5%F9%CA%CE%E8
1.  [연예계] 이 사람 이름이 모에요?この人名前はなに?
...小學校) 하타노はたの 시립市立 서西 중학교中学校 (秦野 市立 西 中學校) 카나가와かながわ 현립県立 이시타いした 고등학교高等学校 (縣立 伊志田 高等學校) 쇼인松蔭 단기短期 여자女子 대학大学(영문학英文学or경영학経営学) (松蔭 女子 短大)→일종의 전문대一種の専門大

http://www.hshs.or.kr/
한성과학고등학교 漢城科学高等学校

http://www.kghi.org/
京畿高等学校

http://kr.search.yahoo.com/search?p=%CD%D4%D0%E4%F9%CA%CE%E8
(Yahoo KOREA「高級學校」で検索)
http://kr.search.yahoo.com/search?p=%B0%ED%B1%DE%C7%D0%B1%B3&x=22&y=6
(Yahoo KOREA「고급학교」で検索)
http://www.google.com/search?hl=zh-CN&ie=UTF-8&oe=UTF-8&q=%EA%B3%A0%EA%B8%89%ED%95%99%EA%B5%90+&lr=
Googleで「고급학교」で検索しましたが何もありません。

http://www.jade.dti.ne.jp/~f-chouko/link.html
(朝鮮学校一覧、リンク集)

http://kr.search.yahoo.com/search?p=%CD%D4%D4%F5%F9%CA%CE%E8&x=9&y=11
(Yahoo KOREA「高等學校」で検索)

http://www.ui.hs.kr/
웹페이지 [총 218000개중 1 - 15] 
▒▒▒ 울산 경영정보고등학교 ▒▒▒ [현재창]
..="152" 학学교校급級 전全체体 초初등等학学교校중中학学교校고高등等학学교校 울산전국ULSAN大学 교수教授-학습자료연구学習資料研究-지원자료연수자료교육행정자료 689-890 울산광역시 울주군 온산읍 덕신리 630번지 TEL. 교장실:237-4004 교무실:237-4002~3 행정실:237-4000~1 Fax :238-4455 C)opyRight by
http://www.ui.hs.kr/

http://websearch.yahoo.co.jp/bin/query?p=%b9%e2%b5%e9%b3%d8%b9%bb&r=%2fRegional%2fCountries%2fNorth_Korea_Democratic_People_s_Republic_of_Korea_%2fSociety_and_Culture%2f&y=n&hc=0&hs=0
http://www.google.com/search?hl=zh-CN&ie=UTF-8&oe=UTF-8&q=%EC%A1%B0%EC%84%A0%EB%AF%BC%EC%A3%BC%EC%A3%BC%EC%9D%98%EC%9D%B8%EB%AF%BC%EA%B3%B5%ED%99%94%EA%B5%AD&lr=

旧ソ連の「コスモス計画」は思いつきませんでした。
http://members.jcom.home.ne.jp/stsujino/sssr/slaunch.htm
ウルトラマン・コスモスは忘れていました。
http://search.yahoo.co.jp/bin/search?p=%C4%AB%C1%AF%A1%A1%B9%E2%B5%E9%B3%D8%B9%BB

http://www.google.com/search?q=%E6%9C%9D%E9%AE%AE%E3%80%80%E9%AB%98%E7%B4%9A%E5%AD%A6%E6%A0%A1&ie=UTF-8&oe=UTF-8&hl=zh-CN&lr=



潮州など

高駒麗人 (2003/09/07 17:19)

Hokkien、Teochew 偽中国人さんへ

Fukien(福建)は山東省発音のWade式綴りです。
>日本語の「コーヒー」に相当する福建語は「kopi」。
「学生」haksengと同様、朝鮮語と似てますね。
>JALのシンガポール支店(今はどうか分かりませんが)が入っていたビルは豊隆Hong leong Building。
これは興味深い話。行ってみたい。

>英語でChaozhou(潮州)
といっても、zhという綴りは北京語の特徴で、単に北京語の綴りを英語の文脈で使っているだけです。
それが英語名となっているわけです。Zhu Rongji(朱鎔基)は英語の新聞でも出てきます。
http://homepage1.nifty.com/polynet/p9-honyaku-yomoyama-yomikata.htm

>福建語字典で「潮」はTioティオとなっていますから「潮州Teochew」は潮州人みずからの発音だろうと思います。「潮」は旧仮名遣いで「テウ」で日本の学校では「チョウ」と発音するように指導されます。しかし潮州人自身は文字通り「テオチウ」と発音します。

日本の新旧かなづかいの関係は漢語方言間の関係に相当することもあるわけですね。

>A few years back, I approached the Ngee Ann Kongsi to ask if it was keen to do a book on the Teochews here.
Teochewは潮州の英語名ですが、これのもとが「方言」であることについてシンガポールではどう考えているのでしょうか。



RE:ラブひな 中国での表記

鴛鴦 (2003/09/07 13:16)

>Maniac C.さん
私も「何ゆえに『ね』や『ガ』が抜けている!?」と思います(^^;)
あのページは褒めているのやら貶しているのやら・・・

『アッコにおまかせ!』でやっていたものですが、ひらがな・カタカナの名前の日本の芸能人(といっても全部歌のほうですが)の中国での表記を紹介していました。
ではずらっと(笑)
 帕妃・・・PUFFY(パフィー)
 決明子・・・ケツメイシ
 米希亜・・・MISIA(ミーシャ)
 南方之星・・・サザンオールスターズ
 地球楽(樂?)團・・・globe(グローブ)
 化學超男子・・・CHEMISTRY(ケミストリー)
 夏之管・・・TUBE(チューブ)
また、「アッコにおまかせ!」の音そのまんまをアラビア語にすると、「あなたの母親は不細工です」という意味になり、「和田アキ子」だと「アッコさん、あばよ!」という意味になるそうです。「峰竜太」もありましたがアフリカのどこかの国の言葉でなんという意味だったか忘れててしまいました。スイマセン(--;)



ラブひな 高等学校 冂 cosmic

Maniac C. (2003/09/07 02:25)

>鴛鴦さん
>紺野 みつね ‥‥‥‥‥‥‥‥ 紺野 美津
→向こうでは「ね」が消えてしまうのですね。これでは作者が折角「コンのキツネ」
と洒落ているのが(そこまで翻訳せよというのが土台無理な話ですが)消えてしまって
残念!
>サラ・マクドゥガル‥‥‥‥‥ 莎拉・麥杜爾
→これも「ガ」はどこ行ったんだ??
>ちょっとコアなものになりましたが・・・
→私も嫌いではありません。あちこちで批判されていますが、一番面白かったのは
下記HP。ここには他の漫画も面白い論評が載っていますので、お暇な方はドウゾ。

>Koma高駒麗人さん
「高等学校」と「高級学校」についての調査を有難う存じました。申し上げにくいの
ですが、韓国・朝鮮語は超初級なので、ハングルがいっぱい並んでいるのを見ても、
あまり理解できません。要するに、「高等学校」は使われているけれども、「高級学校」
は使われていない、ということでしょうか?
>コスモスというと…どれを思い出すでしょうか?
→C.セーガンも思い出します(見ました、読みました)が、旧ソ連の「コスモス計画」
というのも有りますし、歌は、私は原作者のさだまさしさんの方ですね。も一つ、
ウルトラマン・コスモス、というのも有るのですが……。

>U+3002さん
>冂ではないですよ。
>第2角ははねませんし
>「冖ではなく冂」とする根拠はありません。
→お言葉を返すようですが、小学館『新選漢和辞典』には冂部に「貝」の簡体字が
入っています。Koma高駒麗人さんも同書を御覧になったのではないでしょうか。
又、第2画を跳ねるか跳ねないか、というのも、冂部に「冒」や「冕」が入って
いますので、逆に「冂ではない」とする根拠とはならない気がします。

>たしかにcosmic、cosmo‐は使いますね。
→ご同意いただけて喜ばしいです。超人ロックの『コズミック・ゲーム』を思い出し
たものですから…。

http://www9.plala.or.jp/kamakura_yukky/sakigake/seminar2/lovehina.htm



RE:「安」

きしろふ (2003/09/06 12:50)

>顕正居士さん
また違ったようですね・・・
あの人は結構嘘ついている?



日耳曼

偽中国人 (2003/09/06 00:48)

日耳曼 ri er man とは何でしょう。

日頃、日本 Ribenをリーベンと発音している方は「リア(ル)マン」と発音しても、あまりイメージが湧いてこないと思います。ribenをズ(ジ)ーベンと発音している方は「ズ(ジ)ーアルマン」。イイ線いってます。

実は英漢辞典のGermanの項目に載っていました。日耳曼(人)的ゲルマン(人)の、という意味です。もちろんGermanには徳国(人)的ドイツ(人)の、という意味もあります。

それではクイズ。

蘭西 lan xi ランシー とは何でしょう?





顕正居士 (2003/09/05 21:52)

『説文解字』に「女宀下」とあり、会意文字であるが、その意味は
"kneeling woman in house shrine" らしい。

「古代中国では新婦は全て他家から新郎の家に来たため、新郎とは異なる祖霊
を持つと考えられた。そこで新婦を家廟に入れ、新郎家の祖霊に安寧を求める
儀礼を行った。その儀礼が「安」の原義であり、「宀」が家廟、「女」が新婦
を表す。女が家にいれば安泰だから「安」というのは俗説である。」
『高杉親知の日本語内省記』
http://www.sf.airnet.ne.jp/~ts/language/onna.html



re:漫画の人名

鴛鴦 (2003/09/05 21:32)

>koma高駒麗人さん
>「中国人はこれを『“金”Jinが苗字で、個人名が“田一”Tianyi』だと思うでしょう」
「金田一」だけ書かれたらそう思われても仕方ないでしょう(^^;)
出版社は本当の名前(フルネーム)が「金田一 一(はじめ)」ということを知っているのでしょうか?(^^;;)
『ラブひな』の資料の提供も忝いです。

おまけに(『マガジン』のものとしては)『ラブひな』の後の作品になります『魔法先生ネギま!』の中国語版(主要キャラ)のも・・・
 ネギ・スプリングフィールド(Negi Springfield) ‥‥ 涅吉・史普林菲爾徳
 神楽坂 明日菜 ‥‥‥‥‥‥‥‥ ~樂坂 明日菜
 雪広 あやか ‥‥‥‥‥‥‥‥‥ 雪廣 綾香
 佐々木 まき絵 ‥‥‥‥‥‥‥‥ 佐佐木 蒔繪
 宮崎 のどか ‥‥‥‥‥‥‥‥‥ 宮崎 和香
 長瀬 楓 ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥ 長P 楓
 Evangeline.A.K.McDowell ‥‥‥ 依文潔琳.A.K.麥道威爾
韓国でもあるそうで・・・
http://www2u.biglobe.ne.jp/~clown/negima/goods/china.htm



Re 宇宙

らにい (2003/09/05 21:11)

>顕正居士さん
なるほど、その3つはそういう使い分けをしているのですか。
教えてくださいまして感謝しますm(_ _)m



space、universe、cosmos

顕正居士 (2003/09/05 18:47)

今の日本語ではすべて「宇宙」と訳しますが、英語では別に使われます。

spaceは空虚、空間。およびouter space(外宇宙)の省略。
space age(宇宙時代) space flight(宇宙旅行) space ship(宇宙船)等。
中国語では「太空」という。

universe 万象。世界。
expanding universe(膨張宇宙) island universe(島宇宙) Parallel
Universe(併行宇宙) known universe(既知の宇宙)等。

cosmos 宇宙。"the universe considered as a system with an order
and pattern"。
shape of the cosmos(宇宙の形態) origin of the cosmos(宇宙の起源)
cosmology(宇宙論) cosmic ray(宇宙線)等。



RE:ハマグリ

きしろふ (2003/09/05 18:30)

>偽中国人さん
お初にお目にかかれます。今後とも宜しくです。
うーん、もう少し発音に関して調べなくては・・・

また『いいとも』ネタですが、今日の番組の中でタモリ氏がおっしゃったこと(CM中に話したようですが)には、「『宀』は『家』を表していて、『安』は、『家の中に女がいて【安心】』」ということらしいです。これもまたネタ?



Hokkien、Teochew

偽中国人 (2003/09/05 17:56)

>Fujian、Fukien(福建)
福建語には「f」という子音が存在しません。「Hokkien」は福建語であり、「Fukien」は福建語ではありません。日本語の「コーヒー」に相当する福建語は「kopi」。
JALのシンガポール支店(今はどうか分かりませんが)が入っていたビルは豊隆Hong leong Building。

>英語でChaozhou(潮州)
といっても、zhという綴りは北京語の特徴で、単に北京語の綴りを英語の文脈で使っているだけです。
福建語字典で「潮」はTioティオとなっていますから「潮州Teochew」は潮州人みずからの発音だろうと思います。「潮」は旧仮名遣いで「テウ」で日本の学校では「チョウ」と発音するように指導されます。しかし潮州人自身は文字通り「テオチウ」と発音します。

潮州と義安がひとつの文の中に現われる例がシンガポールの英字紙にありました。
義安(Ngee Ann)は潮州のこと。

http://www.geog.ntu.edu.tw/course/ginformation/hw/2003hw/karen/031101.htm
南北朝的陳朝廢除瀛州,更名為義安郡
隋朝時將將郡制廢除,設置潮
隋煬帝時又復名為義安郡
唐朝時又復名為潮州,改潮陽郡為潮州

香港K幫──新義安為代表
http://www.fortunecity.com/meltingpot/nicola/504/book17/book17-13.htm

http://straitstimes.asia1.com.sg/columnist/0,1886,262-50070,00.html
GROWING up, I was embarrassed by the fact that my family spoke Teochew.
嘗ての日本のように方言は恥ずかしいものという観念をシンガポールでは植え付けられている。
A few years back, I approached the Ngee Ann Kongsi to ask if it was keen to do a book on the Teochews here.

>英語を聞きなれた人には北京語のeは英語の曖昧母音に聞こえるようです。

その通りです。だから

>「蛤」を「ゲッ(g[e+´])」と発音する(読む)と、「カエル」という意味になります。

というふうにあからさまに「ゲッ」と書いたりすると少々ツッコミを入れたくなります。

確かにgeを外国語の「ゲ」の音に当てることがあります。
例:葛杯呉ge bei wu:ソ連の秘密警察ゲーペーウー
しかしモスクワ・オリンピックをボイコットしたときは「杯葛」と新聞に書いてありました。
このときの「杯」は福建、広東方言の「pue/pui」からの発想だろうと思います。
一個(yi ge)は「イーコ」又は「イーカ」ですがこの場合の「コ」や「カ」は弱弱しく発音しなければいけません。

哥哥(ge1 ge0)となると「コーコ」にならない程度に口を開いて「クーク」のような「カーク」のような、仮名では書き表せない音です。

歌徳(Ge1 de2)はドイツ(プロイセン?オーストリア・ハンガリー?)の詩人ゲヱーテ。
 ギョエテとは俺のことかとゲーテ言い。

恩(en)や根(gen)を「エン/ケン」と発音し、得(dei)を「テイ」と発音してもあまり違和感はないのですが、冷(leng)は「レーン」という風には聞こえないと思います。しかしこれも個人差があります。日本語の「エ」よりは奥の方で響かせます。浅い響きの「ウ」、「m」を180度回転させた、唇を横に引いた東京方言の「ウ」をもう少し口を縦に開いた感じです。

小又は浅 ling<leng<long 大又は深
     ren <reng<rong



cosmos

U+3002 (2003/09/05 14:36)

Maniac C.さん。
>「科学用語」即ち「天文学用語」としてはマダマダ生きています:
>macrocosmos, microcosmos, cosmogeny, cosmonaut, cosmicalmagnetism, cosmic dust,
>cosmochemistry, cosmography, cosmogony, cosmic clouds, etc.

そうか、たしかにcosmic、cosmo‐は使いますね。
「コスモス、コスモス…使わないな」って考えたもので。





U+3002 (2003/09/05 14:35)

Koma高駒麗人さん
>「貝」は大陸漢字で「冂の中に人」のようになります。「冂」は「ワかんむり」でなく「えんがまえ」だそうです。
>ワかんむりに人ですと「冗」の異体字かと思います。「圓」は中国大陸では、四角の中の「員」の下部の「貝」が「冂の中に人」になっています。

冂ではないですよ。
第2角ははねませんし、「人」は「冂」の中に完全には入りません。
字形の説明としては「冂に人」と言ってもいいでしょうが、「冖ではなく冂」とする根拠はありません。



re コスモス

らにい (2003/09/05 12:32)

>koma高駒麗人さん
「モスラ」になりましょうか。歌の方はかするかかすらないかなので。



ソ連時代のチュルク系・ペルシャ系共和国の名称

にれのや (2003/09/05 03:15)

【旧ソ連邦における 「チュルク系・ペルシャ系」 共和国の正式名称と通称――ソ連邦時代と現在について、ロシア語と民族語で】
というようなおどろおどろしいタイトルをつけてみました。どうでしょう、松茸さん。
■以下は、(1)ロシア語正称、(2)ロシア語通称、(3)民族語正称、(4)民族語通称の順に記載します。なお、特殊な文字が多いので "*" をつけて、下に文字の形を説明しました。また、ロシア語正称の ССР は、"Советская Социалистическая Республика" の略です。

■カザフ
(1)Казахская ССР
(2)Казахстан【ソ連邦・中央アジアおよびザカフカースの 「チュルク系・ペルシャ系民族が基幹をなす」 国家のソ連邦時代の名称――ロシア語と基幹民族の言語により、正称と通称を】захстан
(3)К*азак* Советтик Социалистик Республикасы
(4)К*азак*стан
→К*, к*=【кの右下に ц の右下のセリフのごとき 「ツメ」 をつける】 IPA の [q] に相当する子音。
→この文字は、ネット上では、【къ】【?】【q】 で代用されている。 →現在もキリール文字表記で、(4) を国名に使う。

■ウズベク
(1)Узбекская ССР
(2)Узбекистан
(3)У*збекистон Совет Социалистик Республикаси
(4)У*збекистон
→У*=【Уの上に Й のごとき 「皿」 をのせる】
→この文字は、ネット上では、【У】 で表記されている。
→1990年代にラテン文字化された (後述)。ラテン文字表記は
  O'zbekiston

■トルクメン
(1)Туркменская ССР
(2)Туркменистан, Туркмения
(3)Туркменистан Совет Социалистик Республикасы
(4)Туркменистан
→1990年代にラテン文字化された (後述)。ラテン文字表記は
  Tu{+¨}rkmenistan
→u の上に "¨" がついているのは間違いではない。キリール文字表記【у】=ラテン文字表記【u{+¨}】。

■キルギス
(1)Киргизская ССР
(2)Киргизия
(3)Кыргыз Советтик Социалистик Республикасы
(4)Кыргызстан
→現在もキリール文字表記で、(4) を国名に使う。ラテン文字表記は Kyrgyzstan。

■タジク
(1)Таджикская ССР
(2)Таджикистан
(3)Республика Советии Социалистии Точ*икистон
(4)Точ*икистон
→ч*=【ч の右下に ц の右下のセリフのごとき 「ツメ」 をつける】
→現在もキリール文字表記で、(4) を国名に使う。

■アゼルバイジャン
(1)Азербайджанская ССР
(2)Азербайджан
(3)Азе*рбаjч*ан Совет Сосиалист Республикасы
(4)Азе*рбаjч*ан
→е*=【е の逆さま】
→ч*=【ч の U の部分の 「底」 に 「|」 (短い縦棒) でチェックを入れた文字】
→1990年代にラテン文字化された (後述)。ラテン文字表記は、
  Aze*rbaycan
→e* はキリール文字時代と同じ。[dз] を表す "c" は誤綴ではない。トルコ語に準じたもの。

■ウズベク語、トルクメン語、アゼルバイジャン語のラテン文字化について。
これらの言語がラテン文字化されたことは、新聞などでごぞんじかもしれない。しかし、ネットなどで調べてみればわかるが、ラテン文字はほとんど使われていない。一部には、ロシアからの独立の象徴として 「輝かしいラテン文字化」 が行なわれたかのように解釈する向きもあるが、現実はどうもそうではないらしい。何しろ、半世紀にわたってキリール文字が使われてきたことを考えれば、一朝一夕にラテン文字化が徹底されるはずもない。これら3つの国でラテン文字を使っているのは、
   役所と教科書だけ
という状態らしい。一般の出版物はほとんどキリール文字を使っているとのこと。ネットの書き込みでも、キリール文字とラテン文字が交錯するが、キリール文字のほうが多数派である。
■なお、現在のそれぞれの正式の国名は、「ソヴィエト」 と 「社会主義」 の2語を取っ払って、「共和国」 だけを残したものである。



「純情房東[イ肖]房客」address

koma高駒麗人 (2003/09/04 23:43)

Region 3 Anime DVD Informationのアドレスを移し忘れました。
home.kimo.com.tw/mycai97/ra/love_hina/ - 5k -
http://home.kimo.com.tw/mycai97/ra/love_hina/06.htm
http://www.hku.edu.tw/teach/jap/JAP-about/fun/comic/comic5.htm

http://home.kimo.com.tw/mycai97/ra/love_hina/01.htm
ラブひな 1-3話純情房東[イ肖]房客 Vol.1
http://home.kimo.com.tw/mycai97/ra/love_hina/



漫画の人名など

高駒麗人 (2003/09/04 23:34)

つじもとさんへ

まず、今の韓国で中国の地名人名を現代北京語の音のハングル表記にしようとする動きがあります。
青島Qingdao(現代中国建国以前からの慣用は Tsingtao)は朝鮮語では
청도Ch'eongdo(チョンド:日本語の「青島」の音読み「せいとう」に当たる)ですが、今の朝鮮語の新聞の一部では
칭다오Ch'ingdao(チンダオ;日本語の山東省「青島」の読み「ちんたお」に当たる)とも書かれます。
Qing>칭Ch'ingのように
現代北京語の有気音は朝鮮語に移すと激音になります。

しかし現代北京語の平音は朝鮮人には濃音か平音に聞こえるようです。

偽中国人さんへ
>さて福建人(ほっけんひと)の「柯さん」は苗字としては「Kua」と発音しますが、文言音は「kho=K‘o」です。「ke da」よりも柯達 Kho tatが原音に近いということになります。

勉強になりました。
JUSCOは「佳世客」Jiashikeで、これもCo>Keです。
英語でChaozhou(潮州)をTeochowとも言い、Fujian、Fukien(福建)をHokkienとも言うらしいのですが(Singapore当たりの英語らしい)、これも福建語でしょうか?

U+3002 さんへ
フォローどうもありがとうございます。朝鮮語のeoは異音の幅が廣い音素でしょう。
シナ語と朝鮮語を比べるときは音素の幅の違いを考えるべきです。「ペキン語のrはラ行なのかジの音なのか」と聞かれたら人によって違うと言えばいいでしょう。
英語を聞きなれた人には北京語のeは英語の曖昧母音に聞こえるようです。

鴛鴦さんへ
「金田一少年の事件簿」の場合は「金田一」そのままで、発音はペキン語Jintinayiになります。
中国人はこれを「“金”Jinが苗字で、個人名が“田一”Tianyi」だと思うでしょう。
「イ肖」は日本語のJISでは打てないようです。

らにいさんへ
私は花言葉もわからないおばかさんですが、コスモスというと「山口百恵の歌“秋桜”」「カールセーガンの本」「新作モスラの双子(ピーナッツの2代目?)」のどれを思い出すでしょうか?私はカールセーガンのほうです。
http://home.kimo.com.tw/mycai97/ra/love_hina/



高等学校

Koma高駒麗人 (2003/09/04 22:43)

>Maniac C. さん
>韓国の「高等学校」kodeung hakkyoえっ? 韓国語では「高級学校」ではなかったの?そう思って、網で検索を掛けたら、全て「朝鮮高級学校」でした。これって、南北の方言差なのでしょうか? それとも、日本国内だけでの言い方?

http://kr.search.yahoo.com/search?p=%CD%D4%D4%F5%F9%CA%CE%E8
1.  [연예계] 이 사람 이름이 모에요?
...小學校) 하타노 시립 서 중학교 (秦野 市立 西 中學校) 카나가와 현립 이시타 고등학교 (縣立 伊志田 高等學校) 쇼인 단기 여자 대학(영문학or경영학) (松蔭 女子 短大)→일종의 전문대 

http://www.hshs.or.kr/
한성과학고등학교 漢城科学高等学校

http://www.kghi.org/
京畿高等学校

http://kr.search.yahoo.com/search?p=%CD%D4%D0%E4%F9%CA%CE%E8
(Yahoo KOREA「高級學校」で検索)

http://kr.search.yahoo.com/search?p=%CD%D4%D4%F5%F9%CA%CE%E8&x=9&y=11
(Yahoo KOREA「高等學校」で検索)

http://www.ui.hs.kr/
웹페이지 [총 218000개중 1 - 15] 
▒▒▒ 울산 경영정보고등학교 ▒▒▒ [현재창]
..="152" 학学교校급級 전全체体 초初등等학学교校중中학学교校고高등等학学교校 울산전국 교수-학습자료연구-지원자료연수자료교육행정자료 689-890 울산광역시 울주군 온산읍 덕신리 630번지 TEL. 교장실:237-4004 교무실:237-4002~3 행정실:237-4000~1 Fax :238-4455 C)opyRight by
http://www.ui.hs.kr/

>「冂」は「ワかんむり」でなく「えんがまえ」だそうです。
この部首は漢和辞典によって名前が違って、「けいがまえ」「どうがまえ」「まきがまえ」
とも称ぶようです。「円」の字に使われていたり(でも旧字体は「圓」で「くにがまえ」
だよなー)、「同」の字に使われていたりするからだと思うのですが、個人的には、「冂」
の音読みの「けい」か、訓読みの「まき」を使いたいところですね。

ご教授どうもありがとうございます。
ワかんむりに人ですと「冗」の異体字かと思います。「圓」は中国大陸では、四角の中の「員」の下部の「貝」が「冂の中に人」になっています。この違いのせいで日本語の検索エンジンで中国大陸文字の「圓」を打っても「・」(ただの点)になり、検索できない場合があります。

http://kr.search.yahoo.com/search?p=%CD%D4%D4%F5%F9%CA%CE%E8



顕正居士さん、ありがとうございます

クスヤマ (2003/09/04 18:40)

ご丁寧な説明ありがとうございます!
きょうは、すっきり眠れそうです



うっかり

顕正居士 (2003/09/04 16:49)

「浮く」には 沈まない 上へあがる の他に 心が落ち着かない意味が
あります。沈まない 方に「浮かぶ」、落ち着かない 方に「浮かる」と
いう動詞が派生し、「浮かる」から うかうか うかり(→うっかり)、
および 心楽しく落ち着かない うきうき が出来たのでありましょう。



くだらなくてすみません

クスヤマ (2003/09/04 15:26)

「うっかり」の語源が知りたいです
いくらいろんなページ見ても出てこなくて
どなたか、お願いします!!



re 大学・宇宙・コスモス

らにい (2003/09/04 12:31)

>Maniac C.さん
詳しい資料ありがとうございます。(「college」のより詳しい資料もありがとうございます)
「コスメ」も関係があるとは。へぇ〜(笑)



高等学校 冂 鮭 木天蓼

Maniac C. (2003/09/04 02:17)

>Koma高駒麗人さん

>韓国の「高等学校」kodeung hakkyo
えっ? 韓国語では「高級学校」ではなかったの?
そう思って、網で検索を掛けたら、全て「朝鮮高級学校」でした。
これって、南北の方言差なのでしょうか? それとも、日本国内だけでの言い方?

>「冂」は「ワかんむり」でなく「えんがまえ」だそうです。
この部首は漢和辞典によって名前が違って、「けいがまえ」「どうがまえ」「まきがまえ」
とも称ぶようです。「円」の字に使われていたり(でも旧字体は「圓」で「くにがまえ」
だよなー)、「同」の字に使われていたりするからだと思うのですが、個人的には、「冂」
の音読みの「けい」か、訓読みの「まき」を使いたいところですね。

>管理人様
>Maniac C.さんの書き込みはこれ(『広辞苑』の記述)のことでしょうか?
→元ネタは、金田一京助『国語学に於けるアイヌ語の問題』中の「鮭も…、蝦夷書色々
の本にシャケンベと書いてある。shak-ipe‘夏の食’の訛りである。」でした。
また、幽霊アイヌ語にやられちまいましたかね?

>「木天蓼」はアイヌ語「mata」とは無関係のようですね。
→ワタタビ説とは別に、アイヌ語説の紹介が下記HPの外にも多数有り、深津正さんと
仰る方の説である旨、別のHPに有りました。
http://www.tokeidai.co.jp/doyurin/kakari/ki/matatabi.html



コレッジ

Maniac C. (2003/09/04 02:10)

顕正居士さんの
>… Oxford大学は40ほどのcollegeで
>構成されているが、それらは「学部」ではなく、有名なChrist Churchを
>はじめ40の大学がOxford市に在るのに近い…
について、補足情報を挙げておきます。
『イギリスはおいしい』(林望著、文藝春秋刊)の第5章「釣魚大全荘の昼下がり」中
「形式ばって食べるという趣味」という節の中に、以下の記述が有ります。
 これを読むと、もうちょっと Oxbridge に於ける college の概念が解ると思います。
「 イギリスのケンブリッジ大学とオックスフォード大学という二つの伝統的な学舎
は、きわめて風変わりなところで、これに類したものは日本にはまったく存在して
いない。日本ばかりか、アメリカにもないであろうから、日本にいてはそれがどんな
場所であるか、ちょっと想像することは難しい。だいいち、イギリス国内でさえ、
このニ大学だけは他の多くの大学とまったく異なったシステムを持ち、さまざまの
特権と独特の組織、長い伝統と強力な人脈といったものに守られて、今日でもなお、
一般的な社会から隔絶した別世界として、存在し続けているのである。
 そもそも、たとえばケンブリッジ大学を例に取って言えば、ケンブリッジという町
があって、そこに大学はあるけれども、厳密にいえば『ケンブリッジ大学』という
ものは存在していないようなものである。University of Cambridge というものは
勿論『観念』としては存在する。しかしそれは数多くの『コレッジ(colleges)』の
集合体であって、学生はみなそれらコレッジの構成員として、コレッジごとに試験を
受け、入学してくる。では『学部』というようなものは存在しないかというと、そん
なことはない。学部というものも厳然として存在するけれども、学部に対する帰属
意識はコレッジに対するそれに比しては、ほとんど無視し得るくらいに希薄なものに
すぎない。先生も同じである。例外はあるらしいが、原則的には先生たちもまた、
コレッジの構成員の一部である。
 そうして、各コレッジは、教会・宿舎・図書館・教室といったような要素から成り、
学生も先生もそこに住んで、そこから各学部に登校若しくは出勤するのである。しか
も各コレッジは相互にまったく独立の組織で、財政的にも学問的にもおのおの完結し
た世界を形作っている。したがって、それぞれのコレッジは各方面まんべんなく学者
を抱え、学生もまたそれと同様にいろいろな専門のものが一つ屋根の下に同居し、
同じ釜の飯を食うのである。すると、各コレッジそれ自体が、ひとつひとつ小さな
総合大学のような様相を呈するわけで、そうでありながらしかし、またこれらとは
全然別の概念の組織としての学部や研究所が、学生や先生をコレッジと共有しつつ
存在し、全体としてケンブリッジ大学という包括的概念としての総合大学を形成して
いる、と言葉で書くとどう書いても理解しにくいシステムになっている。つまりは、
『University of Cambridge』というものは、正確に訳せば『ケンブリッジにある諸
学舎の連合体』とでもすべきなのだと言えようか。」



大学&宇宙&秋桜

Maniac C. (2003/09/04 02:09)

>らにいさん・U+3002さん・顕正居士さん・松茸さん・Comaさん
波に乗り遅れていますが、大学・宇宙・秋桜について、補足です。
■college
 米国では、university との区別はあまり有りません。
U+3002さんの
>collegeとuniversityに法的な差はなく、現実論としては自称の問題にすぎません。
という説明は、この部分を指しているのだと思われます。
 「単科大学」や、総合大学での「学部」を指すことも有ります。
 又、school の上品語として「専修学校・専門学校・各種学校」を指すことも。
 英国では、別に詳述しますが、総合大学の中で自治体として独立した「学寮」を
指します。又、英国の他、加国・豪国でも私立中学校(パブリックスクール)の校名に
使われます。
 松茸さんの挙げておられる University College は、「大学付属の学寮」の意味です。

■university
 college に対して、(上級の)学位授与の権限を持つ総合大学を指します。
 元々は、Studium particula¯re(特定の人に限った研究団体)に対して Studium gene-
ra¯le(一般の人に開放した研究団体)と称していたのが、顕正居士さん御紹介のHPに
有ります通り、教皇や国王の承認・認可を受けるようになって、u¯niversita¯s (magi-
strorum et schorarium) つまり、「(教師と学生の)集団」という名称になるわけです。
 顕正居士さんの仰るとおり、u¯niversita¯s は「(同業者)組合」の意味も有り、羅馬
法上では collegium と同義語であったそうです。

■universe
 原義は「1つに(uni-)まとまっている(vers-)もの(-um)」。「全体」→「森羅万象」→
「天地万物」→「宇宙」という意味つながり。そこで、U+3002さんの
>「全てを含むもの」としての宇宙。
という説明となるわけです。

■cosmos
 対義語である chaos(混沌)と対比して考えると良いと思います。
 U+3002さんの説明に有るとおり、ピュータゴラス派の哲学者が宇宙を「完全に調和
した秩序体」と考えて命名したものです。
>科学の概念としては死語。文学表現や比喩以外ではあまり使いません。
と有りますが、「科学の概念」というのが「『宇宙空間』という意味」と同値ならば
良いのですが、「科学用語」即ち「天文学用語」としてはマダマダ生きています:
macrocosmos, microcosmos, cosmogeny, cosmonaut, cosmicalmagnetism, cosmic dust,
cosmochemistry, cosmography, cosmogony, cosmic clouds, etc.
確かに、日常用語として「宇宙の〜」という時には”space 〜”と言うのですがね。
 「秋桜」の方は、その花や葉の美しさにちなんで、「優美」の意味も表すこの語が当て
られた、と有ります。
 余談ですが、「化粧品」を意味する「コスメ(cosmetics)」も cosmos(秩序)と関係が
有り、well-arranged(綺麗に整えられた)の意味です。



ハマグリ

きしろふ (2003/09/03 23:29)

中国語が分かるかたはお茶の子さいさいかと思いますが(^^)、「ハマグリ」は「蛤」とも書き、中国でも同じです(「ハァー(h[a+´])」と発音します)。
しかし、「蛤」を「ゲッ(g[e+´])」と発音する(読む)と、「カエル」という意味になります。
『クイズ・ヘキサゴン』より。

夜分恐れ入りましたm(_ _)m



日本語以外の表記 追記

鴛鴦 (2003/09/03 19:39)

ちなみに中国語のタイトルは「純情房東[イ肖]房客」(発音は「chun qing fang dong qiao fang ke」)だそうです。
「純情な大家と可愛い住人」という意味らしいです。



日本語以外の表記

鴛鴦 (2003/09/03 19:23)

Koma 高駒麗人さんの「音のうつしかた」で「江戸川コナン」の漢字表記が書かれているのを見て、漫画「ラブひな」の関連商品に中国語(台湾)版、韓国語版、欧米(アメリカ、ドイツ、フランス、イタリア、ポルトガル)版があるのを思い出しました。下のリンクにかなり詳しく載っています。
中国語版の主要キャラのをざっと・・・
 成瀬川 なる ‥‥‥‥‥‥‥‥ 成P川 奈留
 前原 しのぶ ‥‥‥‥‥‥‥‥ 前原 忍
 カオラ・スゥ‥‥‥‥‥‥‥‥ 卡歐拉・蘇
 紺野 みつね ‥‥‥‥‥‥‥‥ 紺野 美津
 浦島 はるか ‥‥‥‥‥‥‥‥ 浦島 晴香
 乙姫 むつみ ‥‥‥‥‥‥‥‥ 乙姫 睦美
 サラ・マクドゥガル‥‥‥‥‥ 莎拉・麥杜爾
どうやら「浦島 景太郎」はそのままのようです。
ちょっとコアなものになりましたが・・・(^^;)
http://www2u.biglobe.ne.jp/~clown/lovehina/goods.htm



韓国語のeo

U+3002 (2003/09/03 13:33)

coma高駒麗人さん
>U+3002さんの説明に補足
>NHKのテキストや小学館朝鮮語辞典で朝鮮語のeoは、Cの逆さ(圓唇奥舌廣中)で書かれますが、Λ(英語cutのu、(非圓唇奥舌廣中)に近いようです。個人や地域ではeの逆さ(非圓唇中舌中)になります。

そのとおりのようですね。
webを検索してみると、中広後舌非円唇[ʌ](回転v)としているページが顕著に多く、中広後舌円唇[ɔ](開いたo;回転c)、中中舌非円唇[ə](シュワー;回転e)が少数、中狭後舌非円唇[ɤ](牛の角;ベイビーγ)も1つありました。

私の書いた中中舌非円唇[ə](シュワー;回転e)は少数派のようです。

音声ファイルがあるサイトも見つかりました。
http://sononi.com/kc/jp/cp/002.html 中広後舌円唇[ɔ](開いたo;回転c)
http://www.io.com/~hmiller/lang/Jarda/spelling.html 中狭後舌非円唇[ɤ](牛の角;ベイビーγ)
それぞれ、書いてあるとおりの音声に聴こえました。
「微妙な調音で、解釈に差がある」よりは、実際に、話者(母語話者という保証はないが…)によって違うようです

辻本さんの質問
>中国語のeの音と、朝鮮語のeoの音は同じ音だと言えるのでしょうか?
に立ち返ると、

朝鮮語のeoは中広後舌非円唇で、中国語のe(中狭後舌非円唇)よりやや広いのがふつう。
しかしeoの音声には幅があり、円唇や、中舌や、中狭(中国語のeと同じ)で発声する人もいる。

というのが正しい解答でしょう。



re 大学&宇宙

らにい (2003/09/03 12:56)

>顕正居士さん、coma高駒麗人さん、松茸さん
みなさん、ありがとうございます。
>顕正居士さん
一度「university」が消えていたとは・・・
>coma高駒麗人さん
「コスモス」についてもありがとうございます。花言葉は実は意味なく雰囲気で勝手につけられたとか・・・
大連外国語大学(大連外国語学院)は曖昧ですね(^^)
>松茸さん
「University College」とは面白いですね(^^)



(無題)

地球人 (2003/09/03 06:50)

>サクイベ(夏の食物)からとも、サットカム

サキペ<サクイペsak-ipe
サッカムsat-kam
音の表記はマズイが、辞書で調べてみては如何?



Re:可口可楽、柯達

偽中国人 (2003/09/03 01:28)

中国は今のフランスや戦時中の日本と同様に言葉に関して右傾化していた時代があり、外国語の使用などとんでもないといった風潮がありました。そういう時代の世界的流行語や話題に登る言葉の中国語化に関してイニシアチブを取っていたのは香港、台湾、東南アジア華字の新聞、雑誌であったのです。だから音訳外国語を北京語で発音しても????というものがたくさんあります。

「可口可楽」は多分ビン南語の当て字

Kho khau kho lok

が広まったのではないかと思います。台湾には昔アメリカ軍が駐留し、野球などのアメリカ文化の浸透が早かったはずです。

一旦「可口可楽」が定着すれば元になった英語の発音が何であれ、文字の国、中国ではそれぞれの地域で慣れ親しんだ発音をするわけです。一般大衆にとっては原語の発音などどうでもよく、もしかしたら元々中国にあったもので、それまで自分が気が付かなかったのだぐらいにしか思ってないのでは?

台湾の「打狗tann kau=ta~ kao」と呼ばれていた町は日本の植民地時代に発音が日本語の「たかお」に似ているので「高雄」と改名したそうです。「打狗」よりは「高雄」の方が字面も良いので、今では「高雄Gao xiong/Ko hiong」が定着しています。昔「打狗=犬を殴る」町だったことなど知らない人も増えているでしょう。和習(和臭)として嫌われる日本的発想が歓迎された例です。

さて福建人(ほっけんひと)の「柯さん」は苗字としては「Kua」と発音しますが、文言音は「kho=K‘o」です。
「ke da」よりも

柯達 Kho tat

が原音に近いということになります。

>「江戸川乱歩」Edogawa Rampoは本来「エドガー・アラン・ポー」Edgar Allan Poeの捩り...
江戸川乱歩も中国でのウケを狙ったのであれば、中国語や漢文の専門家に相談して漢字を選んだのでしょうけど。やはり次の様に能書きを並べないと人々の理解を得るには至らないのでしょう。

http://book.peopledaily.com.cn/big5/paper23/20/class002300002/hwz146201.htm
江戸川亂歩?1894〜1965年?本名平井太郎,畢業於早稻田大學政經繋;
(中略)
大正十二年?1923年?四月,平井在《新青年》發表小説《二錢銅幣》,而且因仰慕推理小説始祖愛倫坡為自己取了一個日文發音和愛倫坡相近的筆名- -“江戸川亂歩”。


「え」を音訳する場合は「ai」の音を持った漢字が多いようです。これは過去に話題になった「円Yen」の問題と関係があるかも知れません。
例:Emily愛美麗/埃米麗、Essex愛碩斯、Edinburgh愛登堡、Edward愛徳華、Haig海格、Everitt艾弗烈、Pegu白姑

北京語で「か」の音を表わす良字はありませんね。カレーの[ロ加]或いは「伽」ぐらいのものです。北京語の弱点のひとつです。
「加」を「か」と発音するのはやはり福建語です。シンガポールの地名を拾って見ます。
例:Singapore新加坡/星嘉坡、Katong加東、Kallang加冷、Gardenia加丁尼亜、Trengganu丁加奴、Garlick加立克。

他にもMalacca馬六甲(福建語 Ma lak kah)を北京語でMa liu jiaと発音しても「はて、何のことやら」となります。

マレー語の地名 Bukit Timah 武吉知馬山を

福建語でBu kiat ti ma san

と発音するのは比較的簡単ですが、

北京語で早口で Wu ji zhi ma shan

と発音せよと言われると舌がもつれそうで、早口言葉のネタに良いかも知れません。



訂正

高駒麗人 (2003/09/03 00:49)

>「中文を日本語に訳す人がこういう名前の原語や徳語漢字表記のドイツ音を知らないせい」
あそこで挙げた例では「中文を英語に訳す人がこういう名前の原語や徳語漢字表記のドイツ音を知らないせい」と言うべきでした。



University COLLEGE

Koma高駒麗人 (2003/09/03 00:21)

新華社のロシア語ニュースのアドレスを日本や中国にいるロシア人に教えましょう。
YahooではRussiaが見つからないでしょうから。
http://www.russian.xinhuanet.com/wenhua.htm
http://www.russian.xinhuanet.com/
新華社(Xinhua News Agency)の日本語版は大連支社で作っています。

大連外国語大学(大連外国語学院)
http://www2.crosstalk.or.jp/ryugaku/uni/dawai.htm
http://members.at.infoseek.co.jp/jiaoliu/ryuugaku/dawai/1.html
http://www.dlscs.com/(中文)
この学校の近くにバス停「外国語学院」Waiguoyu Xueyuanがありますが、バス停の表記は
外国語学院
FOREIGN LANGUAGE COLLEGE
しかし、正式名は、(Dalian)University Of Foreign Languagesなんです。

ロシア語で大学は Universitatでしたか。
あと、日本の「高等学校」、韓国の「高等学校」kodeung hakkyo、英語で言うHigh Schoolは中学と大学の間ですが、中国の「高等学校」gaodeng xuexiaoとドイツのHoch Schuleは大学の意味だそうで、これは複雑です。
http://www.xinhuanet.com/



弗莱海爾・利利恩可龍Freiherr von Liliencron

Koma高駒麗人 (2003/09/03 00:07)

松茸さんへ
“弗莱海爾・利利恩可龍”は Freiherr von Liliencronですか。Danke Gut.
Tanto Grazie.Ochen' Sposibo.
すると「フライヘル・フォン・リリエンクロン」ですね。

こういう地名人名は本当に困る。原語音のalphabet表記をかならずつけてほしい。


らにいさんへ
>「江戸川乱歩」と「コナンドイル」の本が並んでいたのは阿笠(アガサ・クリスティ[Agatha Christie]のもじり)博士の書斎です(^^;)第1巻参照。
そうですか。早速調べてみます。

中国語では北が巻舌、南が巻舌なし
越南語では北が巻舌なし、南が巻舌あり
たまたまそうだというだけでしょう。

おおざっぱに言うと
Englandでは、car carsのRは東では発音せず、西では発音するそうです。
北Americaでは、car carsのRは南では発音せず、北では発音するそうです。

以前、アジア系アメリカ人と韓国人が
「中国語とAmerica英語は北の発音が標準で南が訛っているのに、韓国では北の(平壤等の)発音が訛っている、不思議」等とくだらない会話をしていました
私は「北朝鮮の人は自分たちの北の言葉が正しいと思っている」と言っておきました。
韓国人(南朝鮮人)は中国朝鮮族の言葉を変だと言い、中国朝鮮族の言葉は咸鏡道の言葉らしいが38度線以南の人には変な訛りに思えるらしい。一方、中国、満州(今の中国東北、かつての高句麗、渤海)の朝鮮族は南朝鮮の言葉を「わかりにくい」と言って不満そうに言っている。そういうものです。

http://cat.zero.ad.jp/416/korea/chimei/chimei.htm

http://203.192.6.79/200209/aaa612155911_1.htm



“阿爾巴尼亞 謝胡巴盧庫”

Koma高駒麗人 (2003/09/02 23:48)

青島の信号山公園にある迎賓館を訪れた歴代の要人が中文で書かれてあるとしよう。
“越南主席胡志明”(Yuenan zhuxi Hu Zhiming)
これはヴェトナムViet NamのホーチミンHo Chiminhだとわかる。

次は
“阿爾巴尼亞 謝胡巴盧庫”(A'erbaniya Xiehubaluku)
アルバニアAlbaniaの「シェフバルク」(?)
こんなのわかりません。

山東省の「膠州」湾は英語で何という?昔の本では英語で Kiaochow、
ドイツ語で Kiaotschou > Kiautschouだったらしい。だったらしい。

北京語のaoは昔のドイツ語ではauで書かれたらしい。
山東省はShantungとShandongの2種。
青島はTsingtao(昔の「青島日報」Tsingtao Times、「青島國際倶樂部」Tsingtao Int'l Club、今では青島ビールTsingtao Beerに残るのみ)と現行のQingdaoの2種あり。

すると漢字をしらない民族がJiaozhouを見て昔のKiautschouと同じ知名>地名だとわからない可能性も出てくる。

ロシアのブリャートのバレエ団は有名な筈ですがバレリーナ名がネット検索で出ないのは意外です。
http://video.kupisam.ru/cat/104346.html

http://www.baikal.irkutsk.ru/cgi-bin/statya.pl?razdel=buriatia&nomer=03.txt
(Байкальская земля)
バイカル湖はシナ語で「貝加爾湖」Beijia'Erhu、「貝」は大陸漢字で「冂の中に人」のようになります。「冂」は「ワかんむり」でなく「えんがまえ」だそうです。

日本の大学院のロシア語の試験では相当高級な問題が出るでしょうが、問題集を買って読むと、
Гуанчжоуのような東アジアの地名が頻出していました。
これは中国語を知らないでロシア語を学んでいる日本人にとっては超難問なわけです。

言うまでもなくГуанчжоуは廣州Guangzhouです。

某社の「英語で読む日本史」の本で、中国の旅順が Port Arther(Ryojun)とありました。
あのなあ、Liaoning(遼寧)省に行けばわかるが(今の英語の新聞でもいいが)、旅順は英語では Lushunだ。「これを英語で言えますか」等という便利な本を出しているいい会社なのだが中国の地名人名についてはまるで触れていなかった。

http://www.russian.xinhuanet.com/wenhua.htm



いろいろ

松茸 (2003/09/02 23:25)

* 「〜スタン」
 にれのや師匠、ご教示ありがとうございました。
……といいたいところですが、(^^; ロシア語での表現については、私の手元の乏しい資料でも、《政治単位としての共和国名(民族名+ССР)》と《地域名称(しましば「〜スタン」)》とが区別されて用いられたことは十分判りますので、「各共和国の民族語での公式自称」をお伺いしたものです。
 あと、些細なことですが、短期間ではあっても"Карельская ССР"が存在したことを追加しておきます。

* 「徳国總督副官弗莱海爾・利利恩可龍」
 多分これでしょう:
http://195.202.176.112/freinademetz/Beitr%C3%A4ge/komm_rechtfert.htm
 検索できないのは「中文を日本語に訳す人がこういう名前の原語(同姓の詩人は超有名)や徳語漢字表記のドイツ音を知らないせい」、はちと言いすぎ。(‥;

* universityとcollege
 オックスフォードやロンドン大学にはずばり"University College"がありますね。



鮭、木天蓼

佐藤和美 (2003/09/02 23:21)

Maniac C.さん
>sak は「鮭」の語源(の一部)として
>存じておりましたが、mata は「マタタビ(木天蓼)」の語源になるようです。

『広辞苑』の「鮭」の項にはこうありますね。
「アイヌ語サクイベ(夏の食物)からとも、サットカム(乾魚)からともいう」
Maniac C.さんの書き込みはこれのことでしょうか?
この伝言板でも何回か書き込んでますが、『広辞苑』のアイヌ語はあまり信じないほうがいいと思います。
まずは「サクイベ」というアイヌ語が存在するのか、ですね。
私には胡散臭さしか感じません。

山口佳紀編『暮らしのことば語源辞典』(講談社)
木天蓼(またたび)
「古くはワタタビと呼ばれ、平安中期の『本草和名』などにはワタタビの名で出てくる。マタタビはこれが変化したものだが、マタタビの形が現れるのは中世末期である。」

「木天蓼」はアイヌ語「mata」とは無関係のようですね。



康有為故居:徳国總督副官「弗莱海爾・利利恩可龍」?

coma高駒麗人 (2003/09/02 22:54)

>Хусаев―Хусаева なら、確実にブリャート人の姓です。
にれのやさんへ、ありがとうございます。

辻本さんへ
U+3002さんの説明に補足
NHKのテキストや小学館朝鮮語辞典で朝鮮語のeoは、Cの逆さ(圓唇奥舌廣中)で書かれますが、Λ(英語cutのu、(非圓唇奥舌廣中)に近いようです。個人や地域ではeの逆さ(非圓唇中舌中)になります。
韓国では、英語のΛや曖昧母音、現代漢語ピンインeはeoで取り入れます。
ビルマBurma>버마 Peoma ポマに聞こえる
トルコTurkey>터키 Theokhi トキに聞こえる
eoは個人によって前舌eに近くなるので。ロシア語で朝鮮語SeoulはSeulになります。
北京語e(γに似た記号)は英語では曖昧母音(schwa:e逆さ)あるいはΛで取り入れます。

シナ語の本によると、青島にある康有為Kang Youwei旧居は元々1899年には「徳国總督副官弗莱海爾・利利恩可龍」が住んでいたらしいのですが、このフライハイルリリエンクロンという人名がわかりません。ドイツ語では何なのか。日本語ではこれでいいのか。
http://de.search.yahoo.com/search/de?p=tsingtao+kang+youwei+freiheil&ei=UTF-8&x=wrt&y=y
信号山公園(英語名Xinhaoshan Park)の冊子を見ると、青島がドイツに占領された時は「隷(左側は木へんだったかも)利士山」、日本領時代は「神尾山」だったのですが、英語文を見ると、“LiliShi Hill”“Shenwei Hill”とあります。しかしドイツ語名はディーデルリッヒ(つづりはDiederrich?)山、日本語名「神尾」は「かみお」なので、Diederrich Hill、Kamio Hillの筈。中文を英語に訳す人がこういう名前の原語や日本語漢字表記の日本語音を知らないせい。

http://www.takahashistamp.com/2note33.htm



COSMOS

Coma (2003/09/02 22:29)

http://www.carlsagan.com/
コスモスはシナ語で「大波斯菊」dabosiju。菊科。原産地Mexico。主に秋に咲き、花瓣の形が桜に似ている。日本では「秋桜」と書きます。COSMOSはギリシャ語「秩序」「飾り」「美」の意味。星が奇麗に揃う宇宙をCOSMOSと呼ぶ。花言葉「乙女の真心」。
http://www.mouthshut.com/readreview/41798-1.html



universityとcollege

顕正居士 (2003/09/02 21:33)

英語の語源は次のサイトで調べられます。フォームでなくABCで引きます。

http://www.etymonline.com/

universityもcollegeもcommunityとかguildの意味で、教授と学生の組合です。
一般の英和辞書ではuniversityを総合大学、collegeを単科大学あるいは
総合大学の学部と訳しています。しかしOxford大学は40ほどのcollegeで
構成されているが、それらは「学部」ではなく、有名なChrist Churchを
はじめ40の大学がOxford市に在るのに近いでしょう。
universityとcollegeの起源について次の文章がわかりやすいです。

http://www005.upp.so-net.ne.jp/russell/UMENE-S.HTM



RE:大学&宇宙

らにい (2003/09/02 19:53)

>U+3002さん
ご丁寧な教示ありがとうございます。参考にいたします。
「cosmos」がそっちの方面では死語とは・・・(--;)

さて、私はさらにちっとつっこんで「コスモス」について花の「コスモス」も調べてみたら、「コスモス」とは「秩序整然たる宇宙の美」という意味があるそうです。
それほどまでに美しいと感じたんでしょうねぇ・・・(たしかに美しいんですけど)
http://www.asahi-net.or.jp/~hy6t-ymgc/3-03cosmos.htm



Re: 大学&宇宙

U+3002 (2003/09/02 15:26)

同じ「大学」でも「university」と「college」とどう違うのか教えてください。

一般論としては、universityは大きく、collegeは小さいです。
collegeはふつう、学科が少なく、大学院を持ちません。
日本では、単科大学の一部、短大、高専がcollegeです。

ただしcollegeとuniversityに法的な差はなく、現実論としては自称の問題にすぎません。
たとえて言うなら、「ふつうは「〜製作所」は小さいが「村田製作所」という大会社もある」ようなこともあるでしょう。

>「universe」は「cosmos」「space」と同じく「宇宙」という意味があります。この3つのちがい

universe:
「全てを含むもの」としての宇宙。
もちろん、地球も含みます。

cosmos:
古代ギリシャ哲学的(ピタゴラス‐アリストテレス的)な秩序体系としての宇宙。
(うまく説明できないが、「秘術的な力によって正確に動く存在」?)
科学の概念としては死語。文学表現や比喩以外ではあまり使いません。

space:
正しくは「宇宙」ではなく「宇宙空間」。
(ただの「空間」と区別するばあいはouter spaceと言います)
地球(ときにはほかの天体)とその大気圏は含みません。

ただし、「universeとspaceの違いは地球を含むか含まないか」という誤解をしないでください。
これらはまったく別の概念です。



大学&宇宙

らにい (2003/09/02 12:46)

「大学」という意味がある「university」と「college」がありますが、同じ「大学」でも「university」と「college」とどう違うのか教えてください。
また、「university」は「universe」の派生語ですが、「universe」は「cosmos」「space」と同じく「宇宙」という意味があります。この3つのちがいもできればお願い致します。
最近、色々な言葉の語源を調べているんですが上記のことはなかなかいい答えがないものでしたから・・・



re 「恋」

きしろふ (2003/09/01 19:10)

>U+3002さん
もしかして、だまされていた!?ぐはぁっ!(死)



Re: 朝鮮語と中国語

U+3002 (2003/09/01 17:03)

辻本裕幸さん
>中国語のeの音と、朝鮮語のeoの音は同じ音だと言えるのでしょうか?

中国語のeは中狭後舌非円唇母音で、
IPAはrams horn/baby gamma[ɤ](小さいγのような文字)です。
ベトナム語のơと同じです。
日本語のオ[o]は円唇性が弱く、この音に近くなることがあります。

朝鮮語のeoは中中舌非円唇母音で、
IPAはschwa[ә](回転したe)です。
英語のあいまい母音、フランス語のeと同じで、
中国語のer[ә˞]からr化を除いたものにも同じです。

もちろん、母音の調音は連続的なので、同じ/違うという言葉の意味はあいまいです。 朝鮮語のeoは[ә]としては調音位置が後ろよりだと聞いたことがあります。
だとすれば、中国語のeと朝鮮語のeoの差は、上で判断したよりは小さいといえます。



Re: 「恋」

U+3002 (2003/09/01 17:02)

きしろふさん
>   ○「恋」の「亦」の「亠」はフタを表し、下の4つは炎を表している。「心」は文字通り「こころ(心臓)」を表していて、「燃え盛る心にフタをする」要するに「相手に伝えたいことを自分で抑える」ということが「恋」である。
>  雑学に造詣の深いタモリ氏ですが、このことは本当でしょうか?

ウソ……というより、ネタでしょう。

>そしたら、「恋」の旧字体「戀」はどういう成り立ちになりますか?

形声文字です。
上半分(䜌)が発音(ラン→レン)を、下半分(心)が意味(心に関するもの)を指します。
恋は戀の略字です。



RE:漢字変換

らにい (2003/09/01 12:45)

>Maniac C.さん
>「貝爾迪川崎」
こうなりますか。ふむふむ。

「確信犯」の意味もそうですが、「流れに掉さす」の意味を間違えるのは「掉さす」を「釘さす」と混同しているよう?



res: 漢字変換

Maniac C. (2003/09/01 04:06)

>らにいさん
>「威爾弟」なら「威爾弟川崎」?
→「貝爾迪川崎」のようですね。
>「確信犯」の意味
→6/19の文化庁調査の記事(↓)を御覧になってください。
http://www.asahi.com/edu/news/TKY200306190349.html



アイヌ語の「桜」 ベッカム

Maniac C. (2003/09/01 03:11)

>管理人様
詳しい解説、再び有難う存じました。
『アイヌ語地名の輪郭』は今度、探してみます。

sak は『アイヌ語地名ってなんだろう』(下記URL)に以下のように有ったので、
思いついたのでした。ちょっと長くなりますが、全部引用します。
「 板戸沼の北側の字名で、国道398号線から若畑へたどる峠を『桜(さくら)坂』と呼びます。峠の道路沿いには若畑からの水を集めて皆瀬川に落ちる、川幅が1m少しの沢が流れています。
 桜とは、峠に桜の木があるのではなくて、アイヌ語の(サクル)(夏道)のことであって、桜坂のフルネームは
 sak- ru-    pes-     pe
  夏 道 それに沿って下る 者
で、発音は(サクルペシペ)になります。
 この名前がつけられた当時は、湿地帯や藪は歩きにくい通路として嫌われて、川がもっとも歩きやすい道路として使われました。『夏道、それに沿って下る者』とは、今の道路沿いに流れる若畑に通じている沢のことであったのでした。北海道ではめずらしくない地名です。
 古いアイヌの考えでは春や秋の季節感はなく、地名や語り継がれてきた物語などの中にも、春や秋はまったく出てこないといわれます。夏は単に冬に対立する時期であって、春から秋にかけてがいわゆる夏でありました。」

アイヌ語にもちゃんと「春」や「秋」が有るのですね。sak は「鮭」の語源(の一部)として
存じておりましたが、mata は「マタタビ(木天蓼)」の語源になるようです。
大変勉強になりました。

>にれのや師匠
>わかんむりの下に人
→(「中国班」ではありませんが…)ハイッ、「貝」の簡体字ですね!
笑いました。

http://www.yutopia.or.jp/~milwork/ainu/ugo01.html



フサーエフ と ベッカム について

にれのや (2003/09/01 02:19)

【フサーエフについて】
■Koma さま。よかったよかった、1つ片付いた。
Хусаев―Хусаева なら、確実にブリャート人の姓です。アクセントは、[ふぅ 'サーイェフ]、[ふぅ 'サーイェヴァ] です。Хуса [ふぅ 'サー] というのが、ブリャート人の男子名なんです。母音で終わっているので、-ев をつけると姓になります。ロシアのエンジンで検索したら36件でした。ガリーナ・アナトーリエヴナ・フサーエヴァというバレリーナの記事は見つかりませんでした。たった一人、ガリーナ・アラグーエヴナ・フサーエヴァという女性がヒットしましたが、別人でした。やはり、ブリャート人です。
■ユーリエヴィッチ/ユーリエヴナ と ユーリエヴィッチ/ユーリエヴナ。
Koma さん、ご指摘のとおり、Юрий ['ユーリイ] と Юлий ['ユーりイ] は混乱しやすいですね。カタカナに転写すると区別がつきません。その父称も区別がつきません。
     Юрьевич/Юрьевна ユーリエヴィチ/ユーリエヴナ
     Юльевич/Юльевна ユーリエヴィチ/ユーリエヴナ
Юрий (Jurij) というのは、本来、Георгий [ギ 'オールギイ] (Gjeorgij) の転訛したものです。いっぽう、Юлий (Julij) というのは、言うまでもなく Julius のロシア語形です。それが、偶然に似た語形になっただけのことです。
 日本語では区別がつきませんが、中国語の転写では区別をつけているようです。先だって紹介した『俄語姓名訳名手冊』では、
     ли, лий, льи, ль → 利 li4, 莉 li4
     ри, рий, рьи, рь → 里 li3, 麗 li4
と区別をつけています。なぜ、このような文字を選んだのか、わたしにはわかりません。それぞれ、2番目の文字は 「女性用」 と思われます。
■Koma さん、ほか、中国班のみなさんに、ちょっと、問題を。
少し前になりますが、デイヴィッド・ベッカムが中国入りしたときに、中国ではお祭り騒ぎだったようですね。確か、東スポだったと思いますが、一面で、中国におけるベッカム・フィーヴァーのようすを伝えていました。見出しに、デッカく、ベッカムを表す、中国語表記の4文字の漢字。
     {冖+人}克漢姆 ?-ke4-han4-mu3
「漢」 は、「さんずい+又」 という簡体字でした。問題は、1文字目の 「わかんむりの下に人」 という字です。ありそうでない文字ですね。わたしの手元の中国語辞典にも漢和辞典にもこんな漢字は載っていません。たぶん、新聞社のデザイン部かなにかで、即席につくったんですね。さあ、この      わかんむり+人
というのは、何でしょう? わたしは気がつくのに3日かかりました。



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