語源・思いつくままに(日本語編)PART3




「うと」の意味を教えてください。

turbo (2000/08/24 23:57)

初めての書き込みをさせていただきます。弟、妹、仲人、狩人、素人、玄人、姑、客人(まろうど)等の言葉には、「うと」が付きますが、この「うと」と言うのは、何か意味があるのでしょうか。永年、疑問に思っていることです。よろしくお願いします。過去ログを全部みていませんので、同じ質問があったらごめんなさい。



うと

佐藤和美 (2000/08/25 20:24)

以下、「大辞林」からです
カッコ内は新カナ、旧カナです。同じ場合は一つのみ。

弟(おとうと)「おとひと」の転
妹(いもうと)「いもひと」の転
仲人(なこうど、なかうど)「なかびと」の転
狩人(かりゅうど、かりうど)「かりひと」の転
素人(しろうと)「しろひと」の転
客人(まろうど、まらうど)「まらひと」の転

オマケ
若人(わこうど、わかうど)「わかびと」の転
商人(あきゅうど、あきうど)「あきびと」の転
商人(あきんど)「あきびと」の転

「うと」は「ひと」が転化したものですね。
「あきうど」からは「あきゅうど」と「あきんど」の二つが派生してますね。
「蔵人」(くらうど)も「くらんど」、「くろうど」二種類の読み方があります。

「玄人」は「「くろひと」の転」とは書いてありませんが、
これも「素人」が転なんだったらこっちも転でよさそうですね。

舅(しゅうと、しうと)ですが「広辞苑」には「シヒトの音便」と書いてあります。
堀井令以知編「語源大辞典」(東京堂出版)にはこうありました。
「シュウトは、もとはシゴト(仕事)と関係ある語ではなかったろうか。シ(仕)ヒト(人)にもとづくか。」



Re:「うと」の件、ありがとうございました。

turbo (2000/08/26 14:19)

<「うと」は「ひと」が転化したものですね。

ありがとうございました。
大辞林も調べずにたずねてしまい、失礼しました。
転化していった経過を考えても、よくわかりませんが、「ひと」の「ひ」が
省略され、その後、「と」の前に「う」が付加された等と空想してみました。
「と」だけが付く言葉に、乳母、勇人、隼人、助っ人、盗っ人が想いつきま
した。



うと

佐藤和美 (2000/08/28 12:33)

「うと」の追加情報です。

中村幸弘「難読語の由来」(角川文庫)
「商人(あきんど)」の項からです
「この言葉については、佐藤武義「「商人」の訓み」(「宮城教育大学国語国文(一)」昭和四十四年三月)という研究論文がありました。上代のことは未詳だが、「アキビト」(類聚名義抄・仏下本)とあるところから、平安時代には「あきびと」と連濁していたことがわかります。その撥音便形あきんどは、その時代の訓点資料から見え、ウ音便形あきうどは、室町時代からだ、といいます。」

また、山口佳紀編「暮らしのことば語源辞典」(講談社)
「弟」の項には次のようにあります。
「語構成は「おと+ひと(人)」で、そのうちの「ひ」がウ音便化し「おとうと」になったもの。」

どうやら「ひ」が「う」になったのはウ音便だったようですね。

「盗人(ぬすっと)」「ぬすびと」の転(大辞林)
するとこれは促音便なのかな?


「乳母(めのと)」は「ひと」とは無関係のようです。
武光誠「日常語の由来辞典」(東京堂出版)に
「め」(妻)の「おと」(弟、妹)
と出てました。



うと

佐藤和美 (2000/09/04 09:20)

佐藤和美wrote
>「うと」 (2000/08/28)
>「盗人(ぬすっと)」「ぬすびと」の転(大辞林)
>するとこれは促音便なのかな?

「夫(おっと)」についても見つけたので、以下に引用します。

「大辞林」
「夫(おっと)」
「おひと(男人)」の転

山口佳紀編「暮らしのことば語源辞典」講談社
「夫(おっと)」
夫婦のうちの男の方。配偶者である男。
 平安初期の「令集解(りょうのしゅうげ)」に「夫、俗に乎比止(をひと)と云ふ」とあって、夫の古い語形は「をひと」であった。これは「男(を)+人(ひと)」という語構成で、これが語源であると考えられる。「をひと」の「ひ」が促音化して、「をっと」が成立し、さらに「おっと」となった。平安時代にはウ音便化した「をうと」という語形もあったが、室町時代には「おっと」の語形が定着し今日に至っている。



「明日」はどっちだ?

おじき (2000/08/25 16:26)

「明日」はどっちだ?

 はじめまして。「おじき」と申します。飲み友達と話していてある疑問が浮かび、YAHOOで探してたどり着きました。しょっぱなから質問で恐縮ですが、ご教授ください。
 それは、こんな会話でありました。
 「おじき、『あさって』の語源知ってる?」
 「うぅむ、わからん。降参、教えて」
 「あす去りて(その次の日)がなまって『あさって』なんだって」
 「ふーん。漢字だと明後日だけどね。でも、そういえば『明後日』は『ミョウゴニチ』とも『アサッテ』とも読めるけど、どっちが正しいの? 両方とも正解なら、なんでこんなに発音が違うの?」
 「そういえば『明日』も『ミョウニチ』『アス』『アシタ』と3通りも読みがあるな」
 「そう。『今日』も『コンニチ』『キョウ』の2通り」
 『昨日』は『サクジツ』『キノウ』、『一昨日』は『イッサクジツ』『オトトイ』など、大雑把に見ると漢字を読み下したような音読みと、『あす去りて=アサッテ』のような大和言葉風(?)の2通りの読みがあるいようです。
 ちなみに「オトトイ」については大辞林に下記のような表記があり、「おと(遠)つ日」という大和言葉が転じたものと思われました。
**************************************************
おととい をととひ 【〈一昨日〉】 
〔「おとつい」の転〕きのうの前の日。いっさくじつ。おとつい。〔副詞的用法の場合、アクセントは [0]〕→おと(遠) 

おと をと 【遠・彼方】 
〔「おち(遠)」の転〕時間的また空間的に遠いこと。遠方。おち。「大宮の―つ鰭手(はたで)/古事記(下)」「―つ日も昨日も今日も/万葉 3924」〔現代語では「 おとつい」「おととし」などの語形に残存する〕
**************************************************
 ひとまず納得してみたものの、それでも分からないのは「明日」です。漢語、大和言葉風の2通りではなく『ミョウニチ』『アス』『アシタ』。
 「明日」はどっちだ?
 この辺りについて、ご存知の方はお教えください。



あした、あす

佐藤和美 (2000/08/26 13:02)

あしたはあ、どおちだあ〜

「あした」と「あす」の語源ですが、
堀井令以知編「語源大辞典」(東京堂出版)から引用します。

アシタ
あす。もとは、朝の意。ユウベにたいして朝はアシタであった。夜を中心にして、ユウベが、一日の始まりで、アシタで終わる古い区切り方にもとづく。夜が明けたときがアシタで、明日の意味に変化したのは、中世以後のことである。朝の意味から、暗い時間の向こうをいうようになり、明日の意味になった。アサの語は、ユウに対し、複合語をしばしば構成する。アサヨイ(朝夕)のような語もある。

アス
今日の次の日。アサ(朝)と同系か。アシタ(明日)とアシタ(朝)が同系なので、それと対比できる。明くる朝を言いならわして、アサ(朝)から転じたか。


武光誠「日常語の由来辞典」(東京堂出版)から。
中世になると「あした」が翌日の意味に転訛する。そして「あした」がつまって「あす」の語も生まれる。


新潮文庫の新刊、萩谷朴「語源の快楽」の
「あさって・しあさって・やなさって」の項から。
アという単音節のコトバは、アカ・アク・アケ・アサ・アスなどと、明白・透明な語感を持つ数々のコトバの語根となっているようであるが、そのことは考えずにおく。
 アシタとは、元来、アサ(朝)の意味で、橘守部の「雅言考」に、
  明節(あけした)の略也。時節などを、古く「した」と云ふ。
とある説が認められているようである。


以上、「あした」に関係ありそうなのをひろいだしてみました。





蛍 (2000/08/26 20:27)

「朝」の語源を調べたときに「明日」が出てました。
そのまま引用します。(どこに出てたか忘れましたが・・・)

 夜明け時のことを古くは「アケシダ(明け時)」と言った。
 この「アケシダ」の「ケ」が脱落して「アシタ(朝)」になった。
 さらに変化して「アサ」になった。
 「あさって」は「明日が終わった次の日」と言う意味で
 「アスハテ(明日果て)」と言ったのが「アサテ」〜「アサッテ」と変化した。
 「しあさって」は「再度のアサッテ」と言う意味での「サイアサッテ」が変化した。

以上でした。「みょうにち」とかは、単なる音読みでは?



ありがた〜あした

おじき (2000/08/29 18:24)

佐藤和美さま 蛍さま
 ありがとうございまアシタ。
 簡単に結論は出せないのでしょうが、アシタ(明日)、もしくはアシタ(朝=アサ)が
詰まって「アス」といったところなのでしょうか。勉強になりました。
 アサッテについては「明日去りて」ではなく「明日果て」とのこと、たしかに
明日果てのほうが無理なくアサッテに転化しそうな語感です。
 これで飲み友達に、えらそうに薀蓄を披露できます。



おかめ

無知(沢辺治美) (2000/05/09 11:59)

「おたふく」の事を「おかめ」と言うのはどうしてでしょう?
「お多福」の方は、昔は下膨れの顔が幸福を呼ぶと思われていたから
と聞いたように思うのですが、「お亀」って…?
「おかめうどん」は、『おかめの面のように並べたところから』って
本当なのでしょうか?



おかめ

佐藤和美 (2000/05/10 12:35)

沢辺さんwrote
>「おたふく」の事を「おかめ」と言うのはどうしてでしょう?
全然わかりません。(^^);

>「おかめうどん」は、『おかめの面のように並べたところから』って
>本当なのでしょうか?
「大辞林」にも「大辞泉」にもそう書いてありますねぇ。
私にはそう書いてあるとしかいえませんけど。



おかめ

佐藤和美 (2000/10/18 12:38)

「おかめ」沢辺さん (2000/05/09)wrote
>「おたふく」の事を「おかめ」と言うのはどうしてでしょう?
>「お多福」の方は、昔は下膨れの顔が幸福を呼ぶと思われていたから
>と聞いたように思うのですが、「お亀」って…?

小学館「日本国語大辞典」に「おかめ」の語源説が書いてあったので紹介します。
「両頬の張り出した形がカメ(瓶)に似るところから[俗語考]」



おかめ!!

蛍 (2000/10/18 21:16)

佐藤さーん!嬉しいです〜!(~▽~@)♪♪♪
ちゃんと覚えててくださったんですねぇ。
「亀」じゃなくって「瓶」だったんですね!
成る程、言われてみると、そんな形ですもんね。
あー、すっきりしました。
ほんとうに、有難うございました!m(__)m



豊饒の海

佐藤和美 (2000/09/01 07:47)

「豊饒の海」全四巻。
三島由紀夫の最後の小説です。
第一巻「春の雪」の最後のところに
「豊饒の海」とは月の海の名だとあります。
そういえば月に「豊かの海」ってあったなぁ。
「豊饒の海」なんて難しい題名じゃなくて、「豊かの海」ならわかりやすいのに。(^^)
でもそれじゃ小説の題名にはならないかな?
いくら「豊かの海」という名でも、月の海の名だから、
そこは岩石しかない世界なのでした。



胡散臭い

カトちゃん (2000/09/02 19:49)

「ウサンクサイ」=「胡散臭い」の「胡散」の語源を教えてください。大辞林で調べても語源まで出ていません。



胡散

蛍 (2000/09/02 23:07)

なんだか、前にもあった気もするけど、一応知ってる限り列挙しますね。

@「胡散」とは中国語で、怪しい様子・疑わしい様子を意味する

Aポルトガル語のVsanna(ウサンナ=怪しい)が語源との説

B語源は定かではないが、漢語の「胡乱」からとか、茶碗の一種である烏盞(うさん)から来たからなどいわれているようです。烏盞というのは黒の釉薬をかけた天目茶碗なのだそうです。
昔は「うさんな人」というような形で用いられていたそうです。

C胡散の「胡」とは中国語でニセモノというような意味で、「散」は薬のことか?

あちこちから拾ってるので、どこに出てたかは不明ですが…。



胡散の回答御礼

カトちゃん (2000/09/03 10:55)

蛍様ご回答ありがとうございました。項目Cで「散」は、わても粉末状の漢方薬とおもいます。



言葉の由来 (盥回し)

zai (2000/09/03 23:44)

こんにちわ。
ある言葉の由来が知りたくて本屋さんでいろいろと辞典を見たのですが載っていませんでした。どの辞書も言葉の意味はもちろん書いてあるのですが由来がのっているもはありませんでした。
言葉の由来が載っている辞書をご存知でしたら是非教えてください。
また、調べている言葉というのは”盥回し”なんですけど、どうして盥なんでしょうね。
似たようなものは他にもありますが。。。
普段、何気なく使っていますがこういう言葉って結構あるのではないでしょうか。 私はあまり国語は得意ではないのですがちょっとした言葉にもその言葉が出来るまでの
ストーリーがあるんですよね。そう思うと興味が沸いてきます。



RE:盥回し

佐藤和美 (2000/09/04 09:18)

「盥回し」ですが、二つ見つけました。

堀井令以知編「語源大辞典」(東京堂出版)
盥回し
一つの物事を順番に送り回すこと。かつて、足でタライを回す曲芸があったのにもとづく。回るタライは違っても足は変わらないことから、馴れ合いで順順にマワス意になったものか。

山口佳紀編「暮らしのことば語源辞典」(講談社)
盥回し
一つの物事を次々と順送りに受け渡すこと。「政権の盥回し」、「患者の盥回し」などと用いる。
 本来は、仰向けに寝て足で盥を回しながら受け渡す曲芸のことであったが、回る盥の方はちがっても、それを回す方の足は変わらずに同じであるところから、馴れ合いで順番に回す意になったものと考えられる。歌舞伎「伊勢平氏栄花暦」に、「嫌だ、盥回しめ、無くなりゃあがれ」という例が見える。


この「暮らしのことば語源辞典」はオススメの一冊ですね。
入手もしやすいです。ちょっと大き目の本屋さんなら置いてあると思います。



シク活用、ク活用

佐藤和美 (2000/09/04 09:22)

形容詞の「シク活用」と「ク活用」では違いがあるっていう話はあります。

「大辞林」から「シク活用」の一節を引用します。
「「正し」「悲し」「をかし」などの語がこれに属する。この活用に属する形容詞には情意的意味を持つものが多い。」

逆にいうとク活用では「情意的意味を持つもの」が少ない、ということですね。
ク活用の形容詞はこんな感じ、
高し
重し
早し
「情意的意味を持つもの」じゃないですね。



はんかくさいって

無知なものより (2000/09/09 02:01)

よく自分も「はんかくさい」とか「そらつかい」て言葉つかいますが
「それどおゆう意味?」と聞かれると言葉で説明するのって難しいです。
まあ学者さんのサイトにこんな事かいてもはんかくさいかもしれないけど。
ごめんなさい、そらつかいで・・・。
皆さんの立場ではこの単語の使い方だときっと〇点でしょうね。

言葉を話す、一人間より。



RE:はんかくさいって

佐藤和美 (2000/09/09 20:16)

別に私は学者じゃないし、このHPも学問のHPじゃないです。
ただマチガイを書かないようにしようとすると、どうしても引用とか多くなりますけど。

「はんかくさい」は「広辞苑」に載ってますね。
「はんかくさい」半可臭い
(北海道・東北方言)ばからしい。あほらしい。

「半可(はんか)」、「半可通(はんかつう)」、「生半可(なまはんか)」などを辞典で引いてみてください。

因みに私は「はんかくさい」を自分で口にしたことはないですね。
(北海道・東北に住んだことはありません)

「そらつかい」のほうは私は聞いたこともないです。
これも方言でしょうか。
私は方言は沖縄方言しか勉強したことないもんで。
該当の方言の本・HPなどで調べるといいんじゃないでしょうか。

方言のリンク集です。
「ふるさとの方言」
http://www.slt.atr.co.jp/~yamamoto/dialect/



RE:はんかくさいって

佐藤和美 (2000/09/11 12:40)

松本修「全国アホ・バカ分布考」(太田出版)
って本を持ってるのを思い出しました。
全国のアホ・バカ系の言葉を調べた本です。
「方言周圏論」を扱った本ですね。
なかなかおもしろい本だと思います。
「広辞苑」では「はんかくさい」は「北海道・東北方言」となってますが、
東北地方では北部しか使われてないようです。
この本の第4章2が「ハンカクサイは船に乗った」です。
「はんかくさい」は遊女の言葉だったようですね。
吉原でも使われてたようで。



RE:はんかくさいって

佐藤和美 (2000/09/28 12:33)

「はんかくさい」の「半可」ですが、山口佳紀編「暮らしのことば語源辞典」(講談社)の「半可通」の項に、「半可」について書いてありました。

「「はんか」は可でも不可でもないからだとか、「南果(なんか)」(とりとめもないことを言う人)の転かとも言われるが、よく分からない」



はちす

佐藤和美 (2000/09/13 12:03)

蓮(はちす)
「蜂巣の意味」(新明解国語辞典)
「花後の花托が蜂の巣に似ることから」(大辞林)

「このハチスが促音化してハッスとなり、さらにハスとなった」
(山口佳紀編「暮らしのことば語源辞典」講談社)

その花が「蓮華」
その根っこが「蓮根」(本当は地下茎)
「蓮華」とか「蓮根」という名称のつけかたも珍しいんじゃないでしょうか

「大辞林」から
蓮華
3.料理や食事に使う、柄の部分までくぼんでいる陶製の匙。その形がハスの花びらに似ているのでいう。

ソフトウェアの会社でLotusという会社があります。
LotusNotesとかLotus1-2-3をつくってる会社です。
英語で「lotus」は「蓮」の意味がありますが、
どこかで読んだのですが、Lotusの創始者は仏教(禅)に興味を持ってたのでLotusという名称にしたそうです。

「はちす」一つでもいろいろ書けますねぇ。



いたちごっこ

佐藤和美 (2000/09/14 12:05)

いろんなものに語源はありますねぇ。
さて「いたちごっこ」の語源は?

山口佳紀編「暮らしのことば語源辞典」(講談社)からです。

鼬ごっこ(いたちごっこ)
お互いに同じことを繰り返すだけで事が進展しないこと。鼬ごっこという子どもの遊びから出た語。
 この遊びは、相手の手の甲を交互につまみながらだんだん高くしていくもの。そのとき、「イタチゴッコ、ネズミゴッコ」と唱えながらその動作を素早く行う。イタチもネズミも素早い動物なので、素早く行う掛け声として選ばれたものか。あるいはつまむさまがイタチやネズミが噛みつく様子に似ていたからかとも考えられよう。



泥棒

はせっぴ (2000/09/14 13:54)

はじめまして。
すみません、唐突に質問なんですが、
泥棒の名前の由来ってわかりますか?

わかりましたらぜひぜひ教えてください。
よろしくお願いいたします。



泥棒

蛍 (2000/09/15 10:46)

『「泥」と「棒」でどうして泥棒?』
っていうページを発見!!
もとは、「押取坊」と言ったらしいです。
詳しくは行って見てください
 ↓

http://www.security-house.co.jp/skkobo01.html



泥棒

佐藤和美 (2000/09/16 02:06)

山口佳紀編「暮らしのことば語源辞典」(講談社)からです。
(最近、この本の引用多いですねぇ。)

泥棒
他人のものを盗む人やそのような行為をいう。
 近世後期ごろから用いられており、漢字で「泥棒」と書いたりするが、これは当て字だろう。語源については、無理に奪う意のオシトリ(押し取り)のトリに人の意を表すバウ(坊)がついたものとか、トリウバフ(取り奪ふ)からなど諸説あるが、決め手はない。近世では放蕩者もドロボウと称しているから、「どら息子」と同じ怠惰や道楽の意のドラが、転じてドロとなったのかもしれない。



蛍さん、佐藤和美さん

はせっぴ (2000/09/19 14:01)

お返事遅れて、すみません。
とても丁寧に教えていただいて
ありがとうございました。



ひょんなことって?

森田勝嗣 (2000/09/16 19:35)

よく「ひょんなこと」といいますが、この「ひょん」ってどんな意味があるんでしょうか?



ひょんなこと

蛍 (2000/09/17 16:12)

接ぎ木などで生育した木の場合、ピンク色の花が咲いている中に一部分だけ、黄色の花が咲いたりするようになる。この状態を江戸時代『ひょん』と呼んだ。

というような事でした↓

http://www13.big.or.jp/~msk/tisen/hi/0035.html



RE:ひょんなことって?

佐藤和美 (2000/09/18 12:04)

堀井令以知編「決まり文句語源辞典」(東京堂出版)からです。
蛍さんから紹介のあったURLと同じ内容を別の視点から書いてるのだと思います。

「ひょんなこと」
ヒョンナは室町時代のことばを集めた「日葡辞書」に「服装ややり方などが奇異で突飛な」とある。京ことばを記した江戸時代の安原貞室の「片言」巻五にも「ひょんなこと」の説明がある。もとはホヨ、ホヤといった。起源はヒョンという木の実からとの説もあるが、ホヨはヤドリギ(寄生木)の意味であった。「万葉集」に大伴家持の歌「あしびきの山の木末(こぬれ)のほよ取りてかざしつらくは千年壽(ほ)ぐとぞ」とある。今でも東方地方ではヤドリギをホヨとかヒョウという地方がある。ヤドリギのホヨ・ヒョウは計り知れない力をもち、ホヨを取って頭にかざしてめでたい印とした。それが、妙な、突飛な、予期しない、意外な人間の力以上のものを感じて、ヒョンナコトの表現ができた。



ひょんな

面独斎 (2000/09/18 13:28)

興津要『言葉のルーツ』(PHP 文庫、1998 年) には、「ひょん」は「凶」の字の唐音とあります。その凶がどうして「意外な、妙な」という意味になったのかについては説明されていませんが。



RE:ひょんな

佐藤和美 (2000/09/19 12:32)

日本漢字音に「ヒョン」てあったかな?
と、疑問がわいたので、漢和辞典で「凶」を調べてみました。
呉音「ク」、漢音「キョウ」しか載ってないですね。

唐音「ヒョン」なんてのはないですねぇ。



ひょん

面独斎 (2000/09/21 06:16)

新井白蛾『闇の曙』(寛政元 (1765) 年) に次のようにあります。

「世俗の悪き事は何にかぎらずヒヨンなことゝいふ。是は凶の字の唐音ヒヨンなるを和語に用ゐ来れり」

興津説はこれに依ったものであると思われますが、近世の語源研究では安易に唐音に起源を求めるということが多く行われたようで、この「ひょん < 凶」説もそうしたもののひとつと見るべきであるようです。

なお、唐音は、漢和辞典には日本で用いられたものしか収録されないのが普通で、日本では一般化しなかった中国音というのも当然ありえます。そこで質問。唐音 (宋・元・明・清時代の中国音) って、どうやって調べればいいのでしょう?



ひょん

佐藤和美 (2000/09/22 12:31)

藤堂明保は「中国語音韻学の権威」だそうですが、
その藤堂明保編の「学研漢和大字典」に
漢字ごとの中国語での発音の変遷が載ってます。
ちょっと大き目の本屋なら、辞書のコーナーに置いてあると思います。

さて「凶」の唐音の時代の中国語の発音ですが、「hiong」とあります。
(この字典では「ng」は英語の「sing」の「ng」の発音記号で書いてあります)
まさしく「ヒョン」ですねぇ。
日本漢字音としては存在しなかったけど、中国語としては存在していたということでしょうか。

ただ疑問は山ほど残りますね。
全然一般的でない中国語が取り入れられることがありえるのか?
「凶な」で「ヒョンな」の意味になるのか?

ただ私の引用した説にも疑問が全然ないわけじゃありません。
「ホヨ」、「ヒョウ」という発音が「ヒョン」になるのか?


ところで、新井白蛾のいってる「唐音」てこれ?

「大辞林」からです。

とういん【唐音】
(2)中国語のこと。「和藤内はつねづね父が詞の―覚え/浄瑠璃・国性爺合戦」

とうおん【唐音】
(2)「とういん(唐音)(2)」に同じ。



Re: ひょん

面独斎 (2000/09/24 08:09)

> 藤堂明保編の「学研漢和大字典」に
> 漢字ごとの中国語での発音の変遷が載ってます。

なるほどなるほど。ご教示ありがとうございます。

> 新井白蛾のいってる「唐音」てこれ?
> (2)中国語のこと。

でしょうね。「凶の字の唐音ヒヨン」という書き方からすれば、より厳密には「中国音」ないし「中国語の音韻」といったところだろうと思います。私の書いた「安易に唐音に起源を求める」という記述中の「唐音」も「(当時の) 中国語」という意味合いで用いています。

> 全然一般的でない中国語が取り入れられることがありえるのか?

「凶」は中国では一般的ではなかったという意味でしょうか? それとも、「凶」の中国音が日本では一般的でないと? どんな中国音も日本に最初に入ってきたときには一般的ではないと思いますが。

「凶」説にしても「ホヨ」説にしても、私は意味の点で疑問を感じます。ホヨを頭にかざしてめでたい印としたということが、「ひょんな」の「意外な、妙な」という現在の意味とどう結びつくのか。ホヨのもつ計り知れない力によってもたらされたものが、突飛なものでも妙なものでもなく、めでたいものであったからこそ、ホヨがめでたい印とされたわけでしょう?

それから、蛍さんご紹介の説も、ピンク色の花が咲いている中に一部分だけ黄色の花が咲いたりする状態を「ひょん」と呼んだ理由については一切触れていません。それが思い掛けないことを表わすようになった理由についても、ただ「いつの間にか」そうなったとするだけで、何ら説明していません。



天高く馬肥ゆる秋

KAORURU (2000/09/18 08:43)

よく「天高く馬肥ゆる秋」と言いますが、これはどうして「馬」なのでしょうか?
語源を知りたいのですが・・・



馬肥ゆる

蛍 (2000/09/18 10:57)

何が語源かと、いうなら、大辞林にあるように
〔漢書(匈奴伝)「匈奴至レ秋、馬肥弓勁」による〕
ということでしょう。

「牛飲馬食」「鯨飲馬食」という言葉もあるように
『馬=よく食べる動物』という意味もありそうですし、
「うまい」と掛けてるのかも…。



ありがとうございました。

KAORURU (2000/09/21 09:44)

こんなに早く解答してもらえるとは、驚きました。
大辞林も一応調べた(インターネットで検索)のですが、私はよう見つけなかったので
驚きました。ありがとうございました。



「味わう」の未然形は?

佐藤和美 (2000/09/21 12:42)

「味わう」の未然形は?

きのう、発売された「ビッグコミック・オリジナル」ですが、
いつも私が最初に見るのは「モンスター」。
その中のセリフです。
「あなたにも味あわせてあげたいよ」

さて「味わう」の活用ですが、
「味わ」わない
「味わ」いたい
「味わ」う
「味わ」う時
「味わ」え
「味わ」おう
ワ行五段活用で、「味わ」の部分が変わらない部分ですね。
(旧仮名は「あぢはふ」でハ行四段)

gooで「味あわない」を検索したら16件ヒットしました。
(「味あわない」をマチガイとして紹介しているページもあります)

「味わう」の未然形を「味あわ」だと思ってる人ってけっこういるんでしょうねぇ。
私も「味あわ」が正しいと20歳頃まで思ってました。
今でも語感としては「味わわない」よりも「味あわない」のほうが好きです。



ばれる&やばい

ひろ (2000/09/27 10:10)

常々疑問に思っていたのですが、物事が発覚するときに用いる「ばれる」と、危機的な状態にあるときに用いる「やばい」という表現。これらの語源は一体なんなのでしょうか。どなたかご存知ありませんか。



RE:ばれる&やばい

佐藤和美 (2000/09/28 12:34)

とりあえずは「ヤバイ」のほうを。

ヤバイ
危ない。不都合な。もと、てきや・盗人などが官憲の追求で身の危険を予測するとき用いた。ヤバの形容詞化したもの。ヤバは形容動詞で、あぶないさま。ヤバナ事のように用いた。
(堀井令以知編「語源大辞典」東京堂出版)

「バレル」のほうは見当たらないですねぇ。
たぶん「集団語辞典」(東京堂出版)には載ってると思うので
今日、会社の帰りにでも本屋によって調べてみます。
(まだ買ってないもんで)



ばれる

知りたがりや (2000/09/28 19:36)

ばれるは、中国語で敗露(bai lu)とも言いますが、発音が似ていませんか?
ばらす→ばらされる→ばれる????難しいです。



やばい&ばれる

蛍 (2000/09/28 20:16)

まず「やばい」の方ですけど、出典は忘れましたが、2つ見たことがあります。

1.「大変危険だ」の意味の古い言い方の「彌危ない(イヤアブナイ)」が早口に発音されて「ヤバイ」と言う隠語になった。

2.元々、テキ屋、盗賊、ヤクザなどが使用していた言葉ですが、一番最初は泥棒用語でした。
泥棒が夜中に地面に這いつくばりながら忍び込んだりする事を「夜這:よはい」と言っていたのですが、その言葉が徐々に変化し「やはい」を経由して「やばい」になった物と言われています。

「ばれる」は、分らないけど「暴かれる」の略かなって思ってました。



RE:ばれる&やばい

佐藤和美 (2000/09/29 12:32)

「ばれる」ですが、「集団語辞典」(東京堂出版)には意味しか載ってませんでした。

「やばい」ですが、いつもの「大辞林」を見るの忘れてましたね。
用例も載ってました。

やば・い
(形)〔「やば」の形容詞化。もと、盗人・香具師(やし)などの隠語〕
(1)身に危険が迫るさま。あぶない。「―・いぞ、逃げろ」
(2)不都合が予想される。「この成績では―・いな」

やば
(形動)具合の悪いさま。危険なさま。不都合。「おどれら―なことはたらきくさるな/滑稽本・膝栗毛 6」「俺が持つてゐると―なによつて/歌舞伎・韓人漢文」

どうも「やばい」よりも「やば(形動)」のほうが古そうですね。
ということは「やばい」の語源を考えるのに「やばい」に似た言葉を探しても無意味ということになりますね。



お金の単位 円ってなに?

ゆう (2000/10/06 01:25)

初めてお便りします。学校の宿題で‘円’の語源について調べてきなさいと言われました。探しているうちにこの「言葉の世界」に辿りついたのですが、興味深いHPですね。他にもいろいろな言葉の語源を調べなければならなかったのですが、このHPのおかげで答えを見つけることができました。 しかし、日本のお金の単位である‘円’についての語源を見つけることができず、困っています。どなたかご存知のかたは教えていただけると、とても助かります。どうぞよろしくお願いします。





UEJ (2000/10/06 08:33)

円の由来ははっきりとはしないようですが、
日本銀行貨幣博物館のページ(↓)に情報があります。
http://www.imes.boj.or.jp/cm/htmls/feature_42.htm

http://home.att.ne.jp/green/uej/kotoba/



円について

ゆう (2000/10/07 01:26)

UEJさん、情報ありがとうごさいました (゚゚)(。。)ペコッ
参考になり、とても助かりました。



タン、ハツ、つくね

佐藤和美 (2000/10/06 12:30)

タン、ハツ、つくね、とくれば焼鳥屋ですが、
「大辞林」で調べてみました。
それにしても「大辞林」って、いろんな言葉が載ってますねぇ。

タン[tongue]
舌。特に料理に用いる牛・豚の舌のこと。

ハツ[heart]
(料理用の)牛・豚・鶏などの心臓。

つくね【捏ね】
〔動詞「捏(つく)ねる」の連用形から〕
(1)鶏肉や魚肉などのすり身にみじん切りの玉ネギなどを加え、卵や片栗粉をつなぎとしてこねて好みの大きさにまるめたもの。
(2)「捏ね揚げ」「捏ね焼き」の略。
(3)「捏ね薯」の略。

つくねる【捏ねる】
(動ナ下一)[文]ナ下二 つく・ぬ
(1)こねて固める。「ひき肉を―・ねて団子にする」
(2)たばねる。「―・ねたる髪で乱れぬ旅の留守/柳多留 165」
(3)両手を組み合わせる。「末座にきと手を―・ね/咄本・醒睡笑」

おまけ、これは焼肉屋。
カルビ
〔朝鮮語〕朝鮮の焼き肉料理で、ばら肉のこと。



ぐっすり

美祢田 円 (2000/10/06 13:21)

「ぐっすり眠る」の「ぐっすり」って、
"good sleep" が由来だと聞いたんですけど、ほんとうなんでしょうか?



RE:ぐっすり

佐藤和美 (2000/10/07 11:52)

美祢田さん
>「ぐっすり眠る」の「ぐっすり」って、
>"good sleep" が由来だと聞いたんですけど、ほんとうなんでしょうか?

見るからに怪しげな話ですね。
さて、違うというのを、どう証明したらいいのか……

・第1チェック
英和辞典で「good」、「sleep」の項を見ても、「good sleep」はないですね。
「good sleep」って本当に英語にあるのか、とは言えそうです。
英語にないのだったら、問題にもなりませんよね。
「sleep deeply and long 長時間ぐっすり眠る」

・第2チェック
「ぐっすり」が日本語でいつ頃から使われているかですね。
古く(黒船以前)から使われてるのなら、英語とは無関係と言えそうですね。
「大辞林」には「即席耳学問」と言う本に「すっかり」等の意味で使われている用例が載ってます。

この二つのチェックを通過できないのなら、
「ぐっすり」の語源が「good sleep」だというのは門前払いになりますよね。
(この二つを通過できてもこの語源説が証明されたわけではありませんが)



Re: ぐっすり

いばら (2000/10/08 01:45)

ぐっすり眠る、という意味の英語ですぐに浮かぶのはsoundという形容詞です。
(He was sound asleep.というように副詞としても使います。)
あとはHe slept like a topという表現。
なんで「独楽のように」=「ぐっすり」なのかは謎ですが。
#独楽が眠るって話も聞いたことがないし。(笑)

good sleepという言葉は恐らく「よく眠る」という意味で使われているのだと思いますが
この場合、日本語の「よく」は英語ではwellであってgoodではないような。
sleepにgoodという形容詞が付くのは特殊な場合だけではないでしょうか。
普通、眠りに善いも悪いもありませんが、例えば(唐突ですが)ファンタジー小説などで
夢を占う者が「これは善き眠りである」と言うとか。
あるいはオリンピックに眠りの競技があったとして、
解説者が「いやぁ、今のはなかなか良い眠りでした。フォームが最高でしたね」とか。

これは私個人の勝手な憶測ですが、
「ぐっすりがgood sleepからきている」というのは
ただの駄洒落じゃないのかなって気がします。



Re:ぐっすり

のんきぃ (2000/10/11 00:26)

始めまして。
以前から楽しませて戴いております。

さて、good sleepですが、英語の語句としてちゃんと存在します。
「have a good sleep」でそのものずばり「ぐっすり眠る」という意味となります。
用法としては「good night」と同じでしょう。

勿論、これで「ぐっすりの語源がgood sleep」だとは言いきれませんが、
もっと調べる価値はあるのではないでしょうか?



Re:ぐっすり

いばら (2000/10/11 01:10)

…あああ、自分の限られた知識だけで判断するのは危険ですね。
(反省)

ご指摘ありがとうございます。
勉強になりました。>のんきぃさん



Good Sleep

面独斎 (2000/10/11 02:43)

「ぐっすり < good sleep」については、いばらさんのダジャレ説が妥当なところだろうと思います。

それはさておき、「good sleep」ですが、英和辞典には「have a good night's sleep」という用例が載っています。意味は、「一晩ぐっすり眠る」(ジーニアス英和辞典) とか、「ひと晩ゆっくり眠る」(リーダーズ英和辞典) となっています。

ウェブ上の英語サイトを検索してみると、「good sleep」の用例がたくさん見つかります。「good sleep habit」という表現もあるようなので注意が必要ですが、それを除外しても、「good sleep」は健康に好影響をもたらす睡眠というような意味で用いられることが多いような気がします。実際の用例をひとつ。下記 URL のページからです。

A good sleep is different than a long sleep or easily falling to sleep.

http://www.thedaily.washington.edu/archives/1998_Autumn/Nov.23.98/L4.l.html



ぐっすり

のんきぃ (2000/10/16 12:39)

ちょっと古い話題になってしまいましたが、
「ぐっすり」ということばについて。

ちょこっと調べてみたんですが、この言葉は「十分に」という意味で江戸時代から使われているようです。従って「Good Sleep」との関係は、皆さんのご想像通り、単なる駄洒落であることが判明いたしました。

とりあえずご報告まで。



good sleep

美祢田 円 (2000/10/17 03:57)

「ぐっすり<good sleep?」の件、
多くの方に考えていただきましてありがとうございました。
ダジャレだったんですね・・・ちょっと残念(?)。



びっくり

田宮 (2001/02/07 12:38)

こんにちは、初めてメールします。
『びっくりした』の語源を調べたくて、インターネットで探していたらこのホームページを見つけました。
ある会話の中で友人のカナダ人が、日本語の『びっくりした』は、英語の『神による』という意味の『by Christ―ばいくらいすと』が変化したものだと主張するのですが、本当のところはどうなのでしょうか?



RE:びっくり

佐藤和美 (2001/02/08 12:40)

以前、「ぐっすり」の語源が「good sleep」か、という質問があったときに、
「古く(黒船以前)から使われてるのなら、英語とは無関係と言えそうですね。」
と、書きました。
さて、「びっくり」はどうか。

「大辞林」からです。

びっくり
(副)スル
(1)意外なことや突然なことに驚くさま。「人込みで名前を呼ばれて―する」〔「吃驚」「喫驚」とも当てる〕
(2)かすかに動くさま。びくっと。「―ともうごかせず/浄瑠璃・会稽山」

「浄瑠璃・会稽山」に用例あり。
英語とは無関係だと思いますよ。



2度びっくり

田宮 (2001/02/09 17:35)

佐藤和美様 『びっくり』に関してお尋ねした田宮です。 浄瑠璃に出ているくらい昔からあるというのは説得力がありますね。 それに「good sleep」の話もなるほどと2度びっくりです。 これを伝えればカナダ人の友人も納得してくれることと思います。 どうも、ありがとうございました。



紙と神

Keiko.I. (2000/10/10 19:12)

高校の古典の授業で聞いたのですが本当に紙と神は語源が違うのでしょうか?
それからこれも今授業中に疑問に思っていることなんですが、どうしてI wish I were bird.みたいなとき、過去形で書くのでしょうか?
それからこれは掲示板を見て思ったことですが、いま佐藤さんとかが普通に説明してる言語学ってだれが一番はじめに作ったんですか? やっぱり中世頃ですか?



紙と神

佐藤和美 (2000/10/11 13:01)

「神」の語源は未詳、
「紙」のほうもいくつか語源説がありますが、「神」との関連での語源説はあることはあっても、あまり有力ではないようです。
(山口佳紀編「暮らしのことば語源辞典」講談社)
(吉田金彦編「衣食住語源辞典」東京堂出版)
「紙」と「神」は無関係と思ってたほうがよさそうです。



敬称について

jane (2000/10/12 19:08)

敬称には「様」「殿」「さん」「君」等ありますが、なぜサービス業で相手を呼ぶときには「様」になるのでしょうか。なぜ「殿」は定着しないのでしょうか。また「様」「殿」と呼ぶようになったのはいつ頃・どのようにしてでしょうか。



殿

佐藤和美 (2000/10/13 10:07)

「大辞林」からです。

どの【殿】
(接尾)〔名詞「との(殿)」から〕人名や官職名などに付けて、敬意を添える。「山田太郎―」「部隊長―」〔古くは、「関白―」「清盛入道―」など、かなり身分の高い人に付けても用いた。現在では、目下に対してや事務的・公式的なものに用いることが多く、少なくとも、目上に対しての私信にはほとんど用いない〕

現在では「殿」は尊敬語と言えるのかどうか。
お役所が「殿」が好きなのは、住民を尊敬してないから?



チャンプルについて。

ピシャーマ (2000/10/11 01:29)

はじめまして。サーフィンでたどり着き、
丸々3日かけて過去ログ読破いたしました。
10年来、疑問に思っていたことをどなたか質問されていないかと思って。

さて、いきなりの質問ですが、お料理について。

インドネシアなどの「ミーチャンプル」(麺や野菜、焼き鳥などを一つの皿に盛った料理)
沖縄での「チャンプルー」(豆腐の入った炒め料理。豆腐の入らないゴーヤーの炒め物は
             ゴーヤーイリチー?)
長崎での「ちゃんぽん」(色々な具の入った麺料理ですね)

ここに共通する「チャンプル・チャンポン」というのは
何かしらの繋がりがあるのでしょうか?
それとも佐藤和美様が再三おっしゃってるように
「トンデモつながり」のようなものでしょうか?
ご存知の方、よろしくおねがいいたします。

(沖縄のチャンプルーとイリチーの違いは聞いた話なので、
 確かではありませんが。)



チャンポン、チャンプルー

佐藤和美 (2000/10/12 12:37)

ピシャーマさん
>はじめまして。サーフィンでたどり着き、
>丸々3日かけて過去ログ読破いたしました。
はじめまして。
3日かかりましたか、ごくろうさまでした。

「チャンポンとは、中国福建省の「喰飯(シャポン)」が訛ったもので簡単な食事の意といわれるが、これに、異なるものをまぜこぜにする意のチャンポンが組み合わさってできたものと思われる。」
(山口佳紀編「暮らしのことば語源辞典」講談社)

「チャンプルーとは、いろいろなものを混ぜるという意味。」
(西岡敏・仲原穣「沖縄語の入門」白水社)
チャンプルーの「いろいろなものを混ぜる」というのは「チャンポン」の「異なるものをまぜこぜにする」と通じるところがありますね。「喰飯」との関係はわかりません。これ以上のことは、言葉の問題ではなくなってきますね。
なお、「沖縄語の入門」P131-135には琉球料理の名称等に関して書いてあります。大きな本屋には置いてあるので見かけたら読んでみてください。

私はインドネシア、インドネシア語のことはなにも知りません。

東南アジアは華僑の多いところですが、もし「ミーチャンプル」というのが華僑の持ち込んだものなら、「喰飯」を介してチャンポン(場合によってはチャンプルーとも)との関係も検討する意味が出てくるでしょうね。

まずは「喰飯(シャポン)」の調査をするのがよさそうですね。



ミーチャンプル

佐藤和美 (2000/10/14 08:23)

本屋でインドネシアのガイドブックの料理のところを眺めてみました。
ミーチャンプルそのものは見つけられませんでしたが、単語の意味はわかりました。「ミー」は「麺」、「チャンプル」は「混ぜる」。
辞書コーナーにインドネシア語の辞典があったので「campur」を見てみるとたしかに「混ぜる」等の意味が出てます。
なんかおもしろい展開になってきましたねぇ。



遅くなりました。 

ぴしゃーま  (2000/11/21 02:55)

先月、「チャンプル」について質問させていただきましたピシャーマです。
お礼が遅くなりました。その節はどうもありがとうございました。
私もあれから色々と調べてみましたが、インドネシアのミーチャンプルーの
意味は載っていても、料理法の起源が載っていないので、チャンプル語源までは
わからずじまいでした。
佐藤さん、これからもがんばって楽しませてくださいね。
本当にありがとうございました。



ちゃんぽん 

佐藤和美 (2000/11/21 21:23)

その後、次の文章を見つけました。

萩谷朴「語源の快楽」(新潮文庫)の「ちゃんぽん」の項

ちゃんぽんに関しての語源説をいくつか紹介した後で、

「しかし、もっと面白いのは、インドネシア語で、混ぜることを、チャンポールということである。カラユキさんやらジャガタラ文(ぶみ)、オランダ人を通じてのインドネシアとの交渉も盛んであった。チャンポールからチャンポンへの転化は最も容易であるから、この考えも無視はできまい。」

「ちゃんぽん」の語源として、インドネシア語に目をつけてた人はいたんですねぇ。



Re.ちゃんぽん 

ぴしゃーま (2000/11/22 01:25)

早速の新情報、ありがとうございます。
先月教えていただいた、中国福建省の「喰飯(シャポン)」ですが、
インドネシアのミー=麺っていうのも発音が似ていることですし、
麺も喰飯も中国からインドネシアに言葉が伝わって、
インドネシア経由で長崎や沖縄のちゃんぽん、チャンプルーになった…
なんていかがでしょうか?(個人的な感想ですいません)
インドネシアのチャンプルとチャンポールって、ただたんに発音を
聞いた人の日本語表記の違いって気もしますし。
海を渡って伝わった言葉って、陸続きで変化していったものより
直接的な気がして、ロマンが広がります。(またまた個人的感想ですいません)



ちゃんぽん

Carlos (2001/09/10 17:53)

 初めて書き込みさせて頂きます。Carlosと申します。
 実は、私、国内外の食文化について紹介する「喰いしごき調査委員会」
http://www.saitamaya.net/carlos/index.htm
というホームページに駄文を掲載させていただいております。
 この夏は長崎・島原の食文化について連載しておりましたが、最終回としてちゃんぽんのお話を書かせていただきました。この中で、長崎名物「ちゃんぽん」と混ぜ合わせると言う意味の「ちゃんぽん」の関係について、稚拙な考えを書かせていただいております。
 私は言語学に関しては、全くの素人でございますので、専門の方がどういうお考えなのかを知ろうと思い、ネット検索をしてみましたところ、貴HPのBBSの過去ログにたどり着いた次第でございます。
 全く、お恥ずかしい限りではございますが、お時間がございます時にでもご覧頂ければ幸いでございます。失礼いたします。

http://www.saitamaya.net/carlos/index.htm



ちゃんぽん

GAUCHA (2001/09/11 05:38)

マレー語に(マレーシア語とインドネシア語)champurという言葉があり、「混ぜる」という意味です。マレー語を知っている日本人は、このchampurが「長崎ちゃんぽん」の語源だと思っています。私もマレー語を習ったとき、そのように聞いたし、そんなことを書いている本を読んだことがあります。(言語学の本ではありませんでしたけど)champur が「ちゃんぽん」の語源だとしても、マレー人が長崎まで来て交易していたとは思えないので、ルソン(フィリピン)の言葉が入ったのかもしれません。タガログ語もマレー語と同じ単語がよくありますから。それか、中国人を通して、入ったか、ではないかと思います。



白を切る の語源は?

あべっち (2000/10/25 18:18)

  初めまして、あべっちと申します。学校の研究授業の題材で、言葉の語源を調べているのですが、どうしても分からないのでインターネットで探していたら、ここがでてきたので質問させてください。
  「白を切る」の語源はなんなのでしょうか?陰陽五行説は関わっているのでしょうか?
 できたら、色が入っている言葉で五行に関係しているものがあったら教えてください。
  おねがいします。



しらをきる

蛍 (2000/10/25 23:52)

インターネット大辞林にあったと思いますけど
「しら」は「知らぬ」の「しら」で色は当て字で関係ないみたいです。



白を切る

蛍 (2000/10/25 23:58)

インターネット大辞林にありましたよ。
〔「しら」は「知らぬ」の「しら」〕知っていて知らないふりをする。しらばくれる。
で白は当て字で色とは関係ないみたいです。



乾杯の語源は?

miya-mama (2000/10/27 10:10)

カンパーイ!の語源はカンペイ!ですか?ではカンペイの語源は何でしょう?教えて下さい。



乾杯

佐藤和美 (2000/10/27 11:57)

「乾杯」ですが特に語源ということのほどでもないと思いますが。
「杯(はい)を乾(ほ)す」

「大辞林」からです。

かんぱい【乾杯】
(名)スル
(1)杯の酒を飲み干すこと。
(2)慶事や健康を祝ったり祈ったりして、杯をさしあげて酒を飲み干すこと。「結婚を祝して―する」

カンペイ【乾杯】
〔中国語〕乾杯(かんぱい)。



身も蓋もない

佐藤和美 (2000/10/30 12:37)

「身も蓋もない」の語源です。

山口佳紀編「暮らしのことば語源辞典」(講談社)から引用します。
「身も蓋もない」
あまりに露骨すぎて、味気のないこと。言うことが直截で、話のつづけようもないたとえ。
 容器の身(本体)も蓋もないということで、何もかもさらけ出している状態のこと。そこから、含蓄も情緒もないという意味を表すようになった。



大分

佐藤健 (2000/11/02 13:17)

前略
大分(オオイタ)の語源を教えてください。
碩田(オオキダ)→大分(オオイタ)との説が有力とのことですが、その場合、イタの字に分を当てたのは何故かということが分かりません。よろしくご教授ください。
以前同様の質問が有った場合はすみません。よろしくお願いいたします。
草々



大分

佐藤和美 (2000/11/06 12:51)

「大分」ですが、語源の定説はないようですね。

吉田茂樹「日本地名語源事典」(新人物往来社)から引用します。
「『記神武』に大分君、『景行紀』には「オホキタ(碩田)」とみえ、大きな田があったためとする。『和名抄』では大分(オホイタ)と抄し、現在の大分県名が生じた。問題は「キタ・イタ」の意で、「キタ(分)」とすれば、物の分かれ目、「キダ(段)」とすれば、田地の単位となる。「神名帳」伊勢国多気郡に大分神社がみえ、櫛田川河口の分流地に立地する。それなら大分県名も、大分川・大野川の下流での、河川の分流地の名称で、「キタ・ギタ(分)」の意で、大きく分かれる意であろう。」



カンナについて

メノウ (2000/12/11 03:52)

はじめまして。
現在、いろいろな植物の漢字表記を調べています。
カンナという植物(花)がありますよね。通常、カタカナで表記されていますが、これに漢字はあてられているのでしょうか?
別名というか、一品種として檀特(だんどく)というものがあるそうなのですが、このようなものを他に知っている方がいらっしゃいましたら、どうか教えてください。外国産の植物のようなので難しいとは思いますが、別名や当て字のようなものでもかまいませんので。



カンナ

佐藤和美 (2000/12/12 17:14)

「カンナ」の漢字表記はないようですね。

「江戸時代にもカンナの仲間はひろく栽培されていた。このカンナはダンドク(壇特)とよばれていた。漢名を曇華という。」
(中村浩「園芸植物名の由来」東京書籍)



Re:カンナ

メノウ (2000/12/15 11:00)

佐藤さんありがとうございました。
漢名がわかっただけでも助かりました。
本の名前まで書いてくださったので、これから参考にしたいと思います。



胡瓜

佐藤和美 (2000/12/11 23:03)

「胡瓜」(きゅうり)は「黄瓜」(きうり)だそうです。
古くは熟して黄色くなったものを食べてたから。
(山口佳紀編「暮らしのことば語源辞典」講談社)



「ダサい」の語源は?

カレン (2000/12/17 07:40)

こんにちは。今、悶々と気になっている言葉があります。
それは「ダサい」。

つい先日、死語関係のホームページで「ダサい」の言葉の語源は「ダ埼玉」だ、と
書いてありましたが、これは本当なのでしょうか?

広辞苑には「野暮ったい、洗練されていない意を表す俗語」とありますが、語源までは
さすがに載っていなくて...。

どなたか教えていただけると、とてもうれしいです。どうぞよろしくお願いします。



Re: ダサい

益山 健 (2000/12/17 12:20)

ダサいの発生については, ここに簡単に書いてありました。
飯間浩明氏, ことばをめぐるひとりごと #20

http://www.asahi-net.or.jp/~QM4H-IIM/ktb020.htm



益山さんへ

カレン (2000/12/17 16:36)

教えてくださいまして、ありがとうございます!
早速教えていただいたサイトにとんで読んでみました。

私の知りたかったことが全て書いてあるーっ♪と、大感激しました。
とりあえず「ダ埼玉」が「ダサい」の語源でないことも、これで
はっきりしました。胸のモヤモヤが晴れてスッキリした気分です。

本当にありがとうございました。



麻婆豆腐

あい (2000/12/25 09:18)

はじめまして。素朴な疑問ですが分かる方がいたら教えて下さい。なんで麻婆豆腐って書くんでしょうか?調べたところによると、麻は麻酔の麻でもあるように、中国料理では山椒(ピリリとしびれさせるから)を意味するということなのですが、婆はなんなのでしょう??お婆さんがよく作るから・・なんて、きっとそんな単純ではないですよね。(笑)ふと気になってしまって。お願いします。



Re: 麻婆豆腐

UEJ (2000/12/25 12:50)

私が知っている説:
 正式には陳麻婆豆腐という。
 麻は「あばた」のことで、陳と言う名のあばたの多いお婆さん(陳麻婆)が作った料理。



Re: 麻婆豆腐

益山 健 (2000/12/25 13:25)

細かいことですが,
>陳と言う名のあばたの多いお婆さん
「婆(婆子)」はお婆さんではなくて, 夫人を一般的によぶ言葉です。日本語だと
「おかみさん」程度でしょうか?

陳麻婆豆腐店の写真がのっている場所へのリンクをはっておきます。

http://www2.uncle.or.jp/~totsuka/toufuten.html



麻婆豆腐

あい (2000/12/26 11:20)

UEJさん、益山 健さん、レスありがとうございました。なんかすっきり!(^−^)皆にも教えてあげよぉ〜っと。



ため又はため語の語源

知りたがり屋 (2000/12/28 19:16)

若者の会話の中で、「私とあの人はためよ」とか「ため語」と言う言葉を聞きますが
、この「ため」というのは、もともとどこから来た言葉でしょうか?



Re: 「ため」

益山 健 (2000/12/29 00:31)

下のリンク(およびそこからリンクされている米川明彦教授の文章)をどうぞ。

「ことば会議室」:「タメ」の意味

http://kuzan.f-edu.fukui-u.ac.jp/BBS/room_1/read.bbs?BBS_MSG_971222225053.html



胡麻を擂るの語源は?

土筆 (2000/12/29 11:10)

”胡麻を擂る”の語源を教えてください。



RE:胡麻を擂るの語源は?

佐藤和美 (2000/12/30 00:30)

「故事ことわざ・慣用句辞典」(三省堂)からです。

胡麻を擂る
(あちこちに付いてへつらう様子を、擂り鉢で胡麻を擂ると、胡麻が鉢の内側に付いて離れなくなることにたとえたものと言う)他人にへつらって自分の利益を図る。「私なんかに胡麻を擂っても無駄だよ」



身も蓋もない

佐藤和美 (2001/01/07 16:31)

「身も蓋もない」の語源です。

山口佳紀編「暮らしのことば語源辞典」(講談社)から引用します。

「身も蓋もない」
あまりに露骨すぎて、味気のないこと。言うことが直截で、話のつづけようもないたとえ。
 容器の身(本体)も蓋もないということで、何もかもさらけ出している状態のこと。そこから、含蓄も情緒もないという意味を表すようになった。



木で鼻を括(くく)る

佐藤和美 (2001/01/09 12:59)

「木で鼻を括(くく)る」ですが、「大辞林」からひろってみました。

「木で鼻をこくる」の誤用が一般化したもの。「こくる」はこするの意〕ひどく無愛想にもてなす。木で鼻をかむ。「―・ったような挨拶(あいさつ)」

こくる
一(動ラ四)強くこする。「寄せ付けず木で鼻―・る男ども/浄瑠璃・井筒業平」
二(接尾)〔動詞四段型活用〕動詞の連用形に付いて、その動作の激しいさまを表したり、その動作を強調したりするのに用いる。「黙り―・る」「ありや去り―・つてしまうて/歌舞伎・幼稚子敵討」〔主として近世に用いられ、現代語では「黙りこくる」などの語として残っている〕



コロッケの語源

naruu (2001/01/11 20:19)

コロッケの名前の由来おしえて〜!



コロッケ

佐藤和美 (2001/01/12 18:35)

コロッケの語源はフランス語のクロケットcroquetteです。
(「コンサイスカタカナ語辞典」三省堂)



テキ屋

たまちゃん (2001/01/13 02:29)

テキ屋は、古くは香具師(やし)とも呼ばれたそうですが、なぜ今はテキ屋と呼ばれるようになったのでしょうか?



Re: テキ屋

UEJ (2001/01/13 16:39)

広辞苑より

てきや【的屋】
いかがわしい品物を売る商人。やし(香具師)。
ねらいが当れば利益を得るところから、的に矢が当ることになぞらえたものという。
一説に、「やし」の「や」と、てき(的)とを合せた「やてき」の倒語。



しゃぶしゃぶ

佐藤和美 (2001/01/17 12:05)

いくつかあるネタのストックから、食べ物ネタを紹介します。

古田金彦編「衣食住語源辞典」(東京堂出版)から引用します。

「しゃぶしゃぶ」
 料理名だが、その由来を示す文献はまだ発見されてない。しかし、一九五七年に大阪のスエヒロ本店が「肉のしゃぶしゃぶ」を商標として出願しており、名称は一九四〇〜五七年の間に生まれたことになる。おそらく、薄切りの肉を湯に入れて動かしすすぐさまをいう擬音後「シャブシャブ」から出たのであろう。



初めまして。

フジケン (2001/04/25 22:49)

困っています。
『食指を動かす』という言葉の語源となった動物はなんだったでしょうか?
忘れてしまい、思い出せません。
御存じの方いらっしゃいますか?



食指が動く

未菜実 (2001/04/25 23:03)

「楚」の荘王が絡む話です。
荘王は、ある日大きなスッポンが獲れたので「鄭」の霊公に贈りました。
そこで霊公は部下達を召集します。
子公は召集された時、「食指(人差指)が動くからきっと美味しい物にありつけるぞ」と子家に話しながら登城しました。これが「食指が動ごく」の語源なのです。

ところが、その話を聞いた霊公は気に入らなくて、子公に食べさせずに追い返してしまいます。
立ち去る時、子公は指でスープをなめて帰りました。
それを見て激怒した霊公の様子から、子公たちはこのままでは殺されると逆に霊公を殺してしまいました。
う〜ん、食べ物の恨みは恐ろしい!

食指が動く:(鄭の子公がひとさしゆびの動いたのを見て、ごちそうになる前ぶれだと言ったという故事から)食欲がきざす。また、広く、物事を求める心がおこる。
食指を動かす:自分のものにしたいという気をおこす。欲しがる。



RE 食指が動く

フジケン (2001/04/25 23:10)

ありがとうございました。
素晴らしい答えですね!
スッポンでした。
私もここまで知りませんでしたので勉強になりました。



蛇足:楚の荘王について

未菜実 (2001/04/26 09:44)

蛇足です。^^;

楚の荘王は「3年鳴かず飛ばず」の後、覇王になり「牛耳を取り」ました。
そして、何と言っても有名なのが、周王朝に対し「鼎の軽重を問う」たのです。

宣伝になりますが、私のHP(http://www.geocities.co.jp/Bookend/4373)の
春秋戦国 その1、その2 を参考にして下さい。(^_-)



ドンタク

佐藤和美 (2001/04/28 18:09)

『大辞林』
ドンタク
〔(オランダ) zondag(日曜日)から〕
(1)日曜日。「一六の―に/安愚楽鍋(魯文)」
(2)休日。「毎日在宿―なし/安愚楽鍋(魯文)」
(3)「博多ドンタク」のこと。[季]春。

「ドンタク」は「博多ドンタク」、「半ドン」などに使われてます。

今日、気がついたんですが、オランダ語「zondag」って、英語「Sunday」と同語源だったんですねぇ。

zondag
Sunday

似てますねぇ。(あたりまえか)



ゴールデン・ウイーク

知りたがりや (2001/05/10 19:19)

ゴールデン・ウィークという言葉は、いつ頃から
使われているのでしょうか?



RE:ゴールデン・ウイーク

佐藤和美 (2001/05/11 21:01)

『大辞林』からです。

ゴールデン-ウイーク
〔和 golden+week〕四月末から五月初めにかけて、一年中でいちばん国民の祝日の多い週。大型連休。黄金週間。〔1951年(昭和26)から、日本の映画界で、連休で特に入場者が多かったために言いはじめた語〕



ゴールデン・ウィーク、補足

照生 (2001/05/13 01:06)

>知りたがりや様
もう少し具体的な話が、日国大の語誌欄にあったので、佐藤様のレスに補足しておきます。
…大映専務(当時)の松山英夫の造語。昭和二十六年(1951)五月初め、映画「自由学校」
が正月やお盆興行よりもヒットしたため、この週間を「ゴールデンウィーク」と命名した。
これはラジオのゴールデンタイムにならったもの。…



梅雨はなぜ梅に雨

教育委員会 (2001/05/18 18:11)

梅に雨と書いてなぜ梅雨なのですか?誰か由来を教えて下さい。



つゆ & 梅雨

未菜実 (2001/05/18 21:00)

"つゆ"については定説は無いようです。
1.つゆが"露"に通じる。
2.梅雨は食べ物が腐ることが多いから、食べ物が"潰ゆ(ついゆ)"
3.梅が熟すから"熟ゆ(つゆ)"
大言海では、1.+3.を採っているようです。

一方、"梅雨"の方ですが、これも定説が無い。^^;
1.中国でこの時期、梅の実が一斉に熟すので"梅の時期の雨"
2.梅雨はカビが生えやすい。この黴(かび)がバイと読め"梅"の字をあてた。

 確かに中国では梅雨とも黴(現在は雨冠に毎)雨とも書きますね。

ちなみに私の中国語のペンネームは"梅発財"。中国人にはわかる駄洒落です。^^;



イザナキ、イザナミ

ブリッジ (2001/06/11 07:49)

いつも興味をもってのぞいています。
わたしもちょっと教えていただきたいことがあって書き込みをしています。
伊弉諾尊(伊邪那岐命)、伊弉冉尊(伊邪那美命)の語源は何でしょうか。



Re:イザナキ、イザナミ

田島照生 (2001/06/12 18:12)

>ブリッジ様。
『日本国語大辞典』(第二版)によると、
(語源説)(1)イザはイザナフの語根。ギは男性を示し、イザナミのミは女性を示す
[古事記伝・野之舎随筆・日本の神話=松本信広]。
(2)イサは、功徳を意味するイサヲの語根イサであろう。
キなどのK系のことばは男、ミなどのM系のことばは女を表す
[神代史の新研究=白鳥庫吉]。
(3)梵語のイシャナテン(伊舎那天)、イシャナクウ(伊舎奈后)からか
[神皇正統記]。
(音史)古くは「いざなきのみこと」か。

となっています。
大野晋説も(1)に傾いており、『日本語をさかのぼる』(岩波新書)
に次のようにあります。

「最も古く男の意を表わしたのはキという語で、女の意を表わしたのはミという語
であった。オキナとオミナという語があるが、この中のキとミとは、男性と女性
とを示している。キとミとは、日本神話の中で世界創造の役割をするイザナキ、
イザナミの二神にも現われて来る。イザは相手を誘う語であり、ナは現代のノに
あたる助詞であったから、イザナキは、イザの男、イザナミは、イザの女の意で
ある。それは相手を結婚に誘う男と女を意味していた。」(7頁)



Re:イザナキ、イザナミ

ブリッジ (2001/06/13 23:39)

田島照生様、ありがとうございました。
大野晋『日本語をさかのぼる』(岩波新書)一読してみたいと思います。
また、投稿いたします。



カツゼツがよい

がは (2001/07/12 20:39)

はじめまして。投稿するのははじめてです。
カツゼツがよい,という言葉を耳にする機会が頻繁にありますが、どの辞書を見ても載っていません。この言葉は実際に存在するのでしょうか?また漢字で書くと何になるのでしょうか?「活舌」?「滑舌」?
何か別の言葉の誤った読み方が広まったのかなとも思いますが、思いつきません。
どなたかご存知の方、よろしくお願いします。



Re:滑舌

未菜実 (2001/07/12 21:06)

かつぜつ(クヮツ‥)【滑舌】
俳優、アナウンサーなどが発音する場合に、舌の回りが滑らかであること。

Kokugo Dai Jiten Dictionary. Shinsou-ban (Revised edition) ゥ Shogakukan 1988/国語大辞典(新装版)ゥ小学館 1988

と載っていました。



苺の語源

未菜実 (2001/08/28 16:04)

苺(いちご)の語源をご存知の方いませんか?
strawberryや覆盆子は方々に載っているんですが、"いちご"が見つかりません。
よろしくお願いします。m(__)m



苺の語源

朝倉勇一 (2001/08/29 05:24)

 WWWでこんなのがありました。
http://www.yorozuya-online.gr.jp/ichigo/ichigo_top.htm
『魚(いお)の血(ち)のある子のごとし」に見えることからいちごと呼ぶようになったそうです。』(^^;



苺の語源

UEJ (2001/08/29 08:37)

googleで「苺の語源」を検索すると、
「苺の語源は、1月〜5月に取れるからいちごって言うんだよ。」
「苺の語源がお母さんの乳首という話題で…」(「苺」の字源のこと)
などのページがヒット。
う〜む、ホンマカイナ。
http://www.google.com/search?q=%E4%95%82%CC%8C%EA%8C%B9&hl=ja&lr=



Re: 苺の語源

massangeana (2001/08/29 09:38)

「不明」ということでいいのでは?



RE:苺の語源

佐藤和美 (2001/08/29 12:04)

『日本国語大辞典』からです。

1.イチビコ(蓬(草冠に累の字))の略[東雅・大言海]。イチビコはイチビ(赤檮・檪)の転。イチビはイツイヒ(厳粒)の約。[日本古語大辞典=松岡静雄]。
2.イヲ(魚)の血ある子のごとしというところから。[日本釈名・滑稽雑談所引和訓義解]。
3.ヨキチコリ(好血凝)の義[名言通]。
4.イチはイチ(息集)の義[日本語源=賀茂百樹]。
5.イはイシイ(美味)の上略。チはチ(乳)の味。コは如の意[和句解]。

『日本国語大辞典』は語源説を羅列するという方式のようです。
語源説の確かさの順位は読者まかせですね。
以前、話の出た「東風」は、10の語源説がならんでましたっけ。





未菜実 (2001/08/29 12:25)

みなさん、ありがとうございました。m(__)m



Re: 苺

massangeana (2001/08/29 15:13)

とりあえず, 日本国語大辞典の語源説に引いている大言海より:
いちご: 語原、考ヘラレズ、但シ此語ハ、いちびこノ中略ナルベシ、其条ヲ見ヨ、云々
いちびこ: いちびノ語原、詳ナラズ、但シ、苺(イチゴ)ハ、此語ヲ中略シタルナルベシ、
 こハ、子ナラム、物ト云フ意ニ添フル例アリ、大葉子、稲穂子(イナボコ)、蒲穂子(カ
 マボコ)ノ如シ、苺(イチゴ)ノ条ヲ見ヨ
例文を見ると, 日本書紀には「いちびこ(伊致寐姑)」とあり, 平安時代に入って「い
ちご」が現れるようです。「語原、詳ナラズ」というのだからわからないのでしょう。





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