語源・思いつくままに(外国語編)PART2




rio

佐藤和美 (99/08/22 16:23)

rioはスペイン語/ポルトガル語で「川」という意味です。
スペイン語とポルトガル語は近い言葉なので、同じ単語も多いんでしょうねえ。

アメリカ・メキシコ国境の川「リオ・グランデ」は「大きい川」の意味。(スペイン語)

「コロラド川」は「Rio Colorado」で「赤い川」の意味。「colorado」は「色のついた、赤い」という意味で、英語の「color」と同語源。(スペイン語)

「リオ・デ・ジャネイロ」はポルトガル人が一月に「発見」した川で、意味は「一月の川」。「ジャネイロ」は英語の「January」と同語源です。(ポルトガル語)



no、non

佐藤和美 (99/09/20 12:58)

「no」と「non」の違いですが、

・「no」は一つの単語ですが、「non」は接頭辞なので独立しては使いません。英和辞典で「non-」を見てみると、単語がいろいろ載ってますが、これは「non」が接頭辞のためです。

・「no」は英語本来の単語ですが、「non」はフランス語からの借入です。
ノルマン・コンクェスト(ノルマン人による征服)以来、英語にはフランス語が大量に流入しましたが、これもその一つでしょう。

英語で「海」は「sea」、「marine」がありますが、
「sea」は本来の英語、「marine」がフランス語からです。
英語では本来語は日常の言葉で、
フランス語借入語は学術用語、あらたまった時の言葉等になるようです。
v 「遊びで海へ行く」時の「海」は「sea」で、
「研究対象として」の「海」は「marine」ってとこでしょうか。

日本語の「はたらく」と「労働」の関係に似ている?



フィル

佐藤和美 (99/10/01 12:29)

フィルはギリシア語で「愛」

「フィロソフィー」(哲学)は
「ソフィア」(知)を愛する

フィルハーモニー
ハーモニーを愛する

フィラデルフィア「兄弟愛の町」
「phil」(愛)+「adelphi」(兄弟)+「ia」(地名接尾辞)



-oid

佐藤和美 (99/10/06 12:46)

「-oid」は接尾辞で、
意味は「〜に似る」、「〜に似ている」です。
「-oid」のつく単語をひろいだしてみました。

アステロイド 「アスター」(星)に似たもの。小惑星。
モンゴロイド モンゴル人に似た人。類モンゴル人。
セルロイド  セルローズ(繊維素)に似たもの。硝酸セルローズに樟脳を混ぜて熱し圧縮した物質。



potato

佐藤和美 (99/10/28 12:49)

 最近、伝言板・メールでの質問が増えてきたような気がします。
(質問はなるべく伝言板のほうがいいんですが。ネタになるし。)
今回はメールで「potato」の語源について質問があったので紹介します。

いろいろな辞典で調べてみると次のように書かれています。

「スペイン語より。もとはタイノー族(西インド諸島にいた、今は絶滅したイン
ディアン族)の言葉」小学館プログレッシブ英和中辞典

「スペインpatata「じゃがいも」←タイノbatata「さつまいも」。タイノ語は、
すでに絶滅した西インド諸島にインディアンの言語」大修館書店スタンダード英
語語源辞典

「じゃがいも.1565 (Sir John Hawkins).Sp.patata(batataの変形)sweet
potato,formed from Haitian;はじめは「さつまいも」に対する名称であった
が、16世紀末ごろから「じゃがいも」に転用され、英語では前者はsweet
potatoと呼んで区別されるようになった。」研究社英語語源小辞典

以上の資料を組み合わせると、以下のようになるかと思います
「西インド諸島(ハイチ)のタイノー語(タイノ語)の「batata」(さつまい
も)がスペイン語に入り「patata」になり、これが英語に入いり「potato」に
なった。その後、「じゃがいも」も「potato」と呼ぶようになり、「さつまい
も」は「sweet potato」と呼ぶようになった。」

「potato」という言葉一つにも、これだけの歴史があるんですねえ。



カカオ、ココア

佐藤和美 (99/10/29 12:40)

カカオとココアってなんか発音が似てますよね。
ココアはカカオが原料だし、
スペルも「cacao」と「cocoa」で、似てるし。
「a」と「o」を入れ替えただけのように見えます。

で、「cocoa」を調べてみると、「cacaoの異形」とあります。
これでいくらかなっとくできました。



handicap

佐藤和美 (99/11/02 11:10)

 メールでまた質問がきました。
「handicap」の語源が知りたいとのことです。

大修館書店「スタンダード英語語源辞典」には次のように書かれています。
「18世紀から:hand i'(=in) cap 「掛け金を帽子の中に入れたくじ遊び」。
handicap matchは優秀な馬には余分な重荷をつけて勢力が伯仲するようにした競
馬をさし、したがって、handicapは「余分な重荷、不利な条件」を意味するよう
になった。」

こういうのは、個人で考えてるだけでは絶対わからない語源ですね。



i、a、u

佐藤和美 (99/11/15 12:58)

「sing」の過去形は「sang」、過去分詞「sung」
「ring」の過去形は「rang」、過去分詞「rung」
なかなか規則的ですね.

「drink」、「drank」、「drunk」なんてのもありました。
他にも「i、a、u」のセットがあるんじゃないでしょうか。
探してみるのもおもしろいですね。

こういうように、母音がかわっていって、意味もかわっていくのを母音交替というそうです。

そうそう、「sing」には「song」なんてのもありましたね。



Shelterの語源教えて下さい。

Mako (99/11/21 01:44)

どなたか、゛Shelter゛(シェルター)という言葉の起源、発祥のいきさつ、
そもそもの意味・定義などについてご存知の方、情報をよろしくお願い致します。
アメリカのホームレスシェルターに関して、調べている最中です。



shelter

佐藤和美 (99/11/22 09:34)

「shelter」は語源不詳のようですね。
以下、語源辞典から引用します。。

「shelter 隠れ場;宿らせる.1985(J.Higins).語源不詳。およそ次の三説がある
1)ME sheltro(u)n(scheltrum shield)+truma)troop)の変形とする。しかし、N.E.Dによれば、sheltrumは15世紀末にはすたれているから、shelterの初例までやく1世紀の文献上のの空白がある。
2)f. sheld(shieldの古形)+ -ture(cf.jointure,etc.).
3)f. G schilterhaus (schilderhausの変形) sentrybox,(原義)small wooden structure for sentinel in bad weather(f. schilden to protect) OEの用語はhleo(>lee).」
(研究社「英語語源小辞典」)

OE Old English
ME Middle English
G German
f. formed from



ガム、グミ

佐藤和美 (99/11/25 12:45)

さて問題です。
ガムとグミの関係はなんでしょうか?
両方お菓子という答えは除きます。(^^)

答えはあした。



ガム、グミの語源はラテン語?

吉野ヶ里 (99/11/26 01:03)

ガムは英語でチューイン‐ガム【chewing gum】の略。
これは、中南米産サポジラの樹液からとるチクルあるいは合成樹脂を
ベースに甘味料・香料をまぜて製されたもの。(広辞苑)
一方、グミはドイツ語で【Gummi】のこと。
ゴムのような弾力を持つ、噛んで味わうキャンデー。水飴・砂糖に
ゼラチンなどを加えて作る。グミ‐キャンデーのこと。(広辞苑)

現在のガムの起源は中央アメリカの原住民、マヤ族にさかのぼる。
彼らは高さ15〜20メートルのサポジラの樹皮からとった樹液を固め、
これを噛む習慣があった。その後、原住民に伝わるこの習慣は、
15世紀末に始まるコロンブスの植民地開拓以降スペイン系移民に広がった。
チューインガムとして製品化したのはアメリカ人のトーマス・アダムズで、
1860年ごろサポジラの樹液を固めたものをチクルと称して発売した。
(日本大百科全書 小学館)

つまり、【chewing gum】と【Gummi】は語源が同根の関係にある。
これが答ではないでしょうか。
ゴム gum(英語),Gummi(ドイツ語)ということばは,弾性ゴムがアラビアゴムなどと
同様の植物 gum 質であると考えてラテン語でgummi elasticm と
呼んだことから出ているのでしょう。

はて? 〔gum〕は閉音節、〔Gummi〕は開音節ですね。
ということは、もともと開音節だった言葉の母音が脱落し、
現在の英語になったのですか

以上、月並みですが。ご指導ください。



ガム、グミ

佐藤和美 (99/11/27 08:03)

ガムとグミの関係は?

吉野ヶ里さん、よく調べてますねぇ。
こっちの出番がなくなりそうです。(^^);

スペルを見てみましょう。
ガム gum(英語)
グミ Gummi(ドイツ語)
スペルが似てますね。
実はこの二つ、同語源の単語なんですね。
意味は両方とも「ゴム」です。
で、「ゴム」(gom)はオランダ語、
という複雑は関係になってます。

ちなみに、ラテン語は「gummi」です。
英語にはフランス語(「gomme」)経由で入りました。



アルファベットの語源

ひろこ (99/11/30 00:10)

アルファベットの語源を知っていたら教えてください。Aは牛の頭。Bは棍棒。くらいしかわかりません。よろしくお願いします。



アルファベットの語源

佐藤和美 (99/12/01 12:39)

ひろこさんwrote
>アルファベットの語源を知っていたら教えてください。
>Aは牛の頭。Bは棍棒。くらいしかわかりません。

平凡社世界大百科事典(ヘブライ語による)
α(アルファ) alef(牛)
β(ベータ)  beth(家)
γ(ガンマ)  gimmel(ラクダ)
δ(デルタ)  deleth(ドア)

ベルリッツの世界言葉百科(アラム語による)
α(アルファ) aleph(牡牛)
β(ベータ)  bet(家)
γ(ガンマ)  gimel(正方形又はラクダ)
δ(デルタ)  dalet(ドア)

アルファベット全ての語源がわかっているわけではないようです。
ざっと探したのですが、これくらいしか見つかりませんでした。
他にもどこかで見かけたような気がするのですが、思い出せません。

中東あたりの言葉は次のようになります。

セム語族
 東セム語派
  アッカド語
 西セム語派
  カナン語
  ウガリット語
  モアブ語
  ヘブライ語
  フェニキア語
  アラム語
  シリア語
  アラビア語
  エチオピア語

ヘブライ語とアラム語は近い言葉ですね。
セム語系の言葉くらいに考えた方がいいのかもしれないですね。



アルファベットの歴史

UEJ (99/12/02 08:52)

お久しぶりです。UEJです。
アルファベットの起源は「Table of Phoenician Alphabet」(http://www.phoenicia.org/tblalpha.html)に一覧があります。
拙ページ中の「アルファベットの歴史」(http://home.att.ne.jp/green/uej/kotoba/letters1.html)もどうぞ。



ミレニアム

佐藤和美 (99/12/08 12:34)

ミレニアム、最近よく聞く言葉です。
「千年紀」という訳語があるのに全然使われないですね。
やっぱ、カタカナ語のほうがかっこいい?

そういえば、いつのまにか「葡萄酒」より「ワイン」という人の方が多くなってしまったそうです。

1メートルは1000ミリメートル。
ミレニアムは1000年。
ミリメートルもミレニアムも1000の仲間ですね。



1000と言えば

muragin (99/12/08 18:51)

やっぱり「千葉」でしょう!?

千の葉っぱですから。かっこいいですね。

ミルフィーユっていう洋菓子がありますよね。
ミレニアムを辞書で調べているときに、「ミルフィーユ」
の項が目にとまりました。

へえ!面白い!!

意地悪な書き方ですが、意味をご存知ない方はぜひ、ご自分の
辞書を開いてお調べください。

では。



ミレニアムって

ビーバ (99/12/08 21:03)

お久しぶりです。

 言葉とはあんまり関係ないのですが、ミレニアムってやっぱり2000年からなん
ですかね? センチュリーが2001年からで、ミレニアムが2000年からというのは、
どうも整合性がないような気がするのですが(でも、2度楽しめると思えばいい
かな?)
 でも、2000年が世紀末というのも、なんか変な感じですね。やっぱり、2000年
からのほうが感覚に合ってますか。



ミルフィーユ

佐藤和美 (99/12/09 12:46)

そういえば、ミルフィーユも1000のなかまでしたね。

私がミルフィーユの語源を知ったのは、
岩波新書の「ことばの道草」でした。
気軽に読めて楽しめる語源の本です。
この本は岩波新書にはさまってるしおりの「広辞苑によれば」を集めたものです。
ということは、広辞苑にミルフィーユの意味が載ってるかな?



ミレニアムって

佐藤和美 (99/12/09 12:52)

私もミレニアムの定義って見たことないんですねぇ。
来年からってマスコミでさわいでるから、たぶんそうなんでしょうけど(^^);

「世紀」のほうは、
1世紀が1年から100年、
2世紀が101年から200年、
3世紀が201年から300年、
4世紀が301年から400年、
(途中略)
20世紀が1901年から2000年、
21世紀が2001年から2100年、
ってことで、理解できるんですが。

1メートルは100センチメートル。
センチュリーは100年。
これは100の仲間でした。



広辞苑です

muragin (99/12/09 21:27)

へえ。佐藤さんさすがです。
広辞苑で、ミレニアムの項を調べてみたんですが、ミレニアムは
無くって、ミルフィーユがあったんです。
広辞苑第6版にはおそらく、「ミレニアム」の項できそうですね。
広辞苑の第4版と第5版の両方をひくという、相当に無駄の多い作業を
よくしますが、思いのほか、語義の見直し、見出し語の増減があることに
気づきます。わたしのような病気持ちの人間には、どうして変更を加えたのか
考え出すと、胸が躍るばかりです。
細かい語義の見直しの多さには、常に時代の標準たらんとする広辞苑編集スタッフの
意気込みが感じられますね。まあ、広辞苑一家に一冊あると便利ですね。
というか、辞書は一家に最低、5冊ぐらいあったほうがいいと思います。。。。
って、そんなの思うのわたしだけか・・・

で、「ミルフィーユ」の意味は、「千枚の葉」です。
かっこいい!

では。

http://www5a.biglobe.ne.jp/~muragin/



millennium

佐藤和美 (99/12/13 12:35)

「millennium」を辞典で調べてみました。
語源はラテン語のmille(千)+annus(年)。
「千年」(千年間)という意味になりますが、
「the」がついた「the millennium」は、
キリスト教の用語で「至福千年」になります。

「the」をつけて特別のものを指すというのは
「galaxy」(一般的な銀河)に対する「the Galaxy」(私たちの銀河)などもそうですね。



ダースの由来

上田眞理砂 (99/12/10 17:53)

欧米には「ダース」を単位とした表現がありますが
何故、「12」なのでしょうか?15や20ではなくて
何故「12」なのか学生から質問を受けて即答できません
でした。どなたか御存知でしたら下記メールアドレスまで
御教授願います。
上田眞理砂:marisa@ec.ritsumei.ac.jp



12

佐藤和美 (99/12/11 10:01)

12は1ダース、
12ダースは1グロス。
これは見てわかるとおり、十二進法です。

ダースの語源は、
ラテン語の「duodecim」までさかのぼるようです。
「12個」くらいの意味です。

1フィートは12インチ、
これも十二進法ですね。
(1フィートという言い方が、正しいかどうかはおいときます。)

ティーンエージャーは13歳から19歳までをいいます。
13から19までは「teen」がついているためです。
11がelevenで、12がtwelveで、13からXXXteenになります。
12と13の間に段差があるのは、十二進法のなごりのようです。



candela

佐藤和美 (2000/01/06 12:39)

ラテン語の「candela」は「ろうそく」という意味です。

光度の単位の「カンデラ」はこのラテン語によります。

ラテン語「candela」はオランダ語では「kandelaar」です。
この「kandelaar」が日本語に入り「カンテラ」になりました。

ラテン語「candela」は英語では「candle」です。これが「キャンドル」。

ラテン語「candelarius」(ろうそくをつくる人)がフランス語では「chandelier」です。日本語では「シャンデリア」。

ラテン語「candela」の仲間はいろいろありますね。

(三省堂「コンサイスカタカナ語辞典」を参考にしました。)



century の語源を教えて下さい

Margaret (2000/01/07 16:50)

初めまして。
いろいろ検索をかけてこちらにたどり着きました。
社長命令?で「century」の語源を調べています。
でもどこも「millennium」の説明のばかりで
肝心の世紀の説明がなくて・・・お手上げなんです。
どなたかお教え下さい。よろしくお願いします。



「century」の語源

佐藤和美 (2000/01/08 10:04)

>社長命令?で「century」の語源を調べています。
どこの会社なんでしょうか?
たいへんですね(^^)

「century」の語源は、
ラテン語の「centuria」(100の1組)です。
最初は100年以外にも用いたので、「century of years」のように言ったそうです。

1ドルは100セント、
1メートルは100センチメートル、
パーセントは「百分率」ですね。

ラテン語の「centum」の意味は「100」です。



re:「century」の語源

Margaret (2000/01/11 16:37)

佐藤和美様

おかげさまで社長にちゃんと説明することができました(*^_^*)
「-cent-」が英語に限らずどこの言語でも百を意味する単語に使われているので
ラテン語系統かなとは見当をつけていましたが、はっきりしたので良かったです。
ありがとうございました。



Dresden

おかもと (2000/01/18 23:27)

はじめまして。
突然ですがドイツの「ドレスデン」の地名の語源を知りたくてこのHPに出会いました。
教えていただけると大変うれしいのですが。



ドレスデン

佐藤和美 (2000/01/20 09:33)

ドレスデンはスラブ人によって始まった町です。
で、「ドレスデン」の語源もスラブ語です。
スラブ語「dredzdane」(森の人)が語源だそうです。

(牧英夫編著「世界地名ルーツ辞典」創拓社を参考にしました)



アウストラロ・ピテクス

佐藤和美 (2000/01/19 12:52)

 中学生の長男の社会科の教科書
(新編新しい社会 歴史/東京書籍)
の7ページに、
「アウストラロ・ピテクス」の意味が「南の猿人」と書いてありました。
これはまちがいです!
「ピテクス」は「猿」という意味で、「猿人」ではありません。
「猿人」は
「ピテクス」(猿)+「アントロプス」(ヒト)で、
「ピテカントロプス」です。

教科書でもまちがいはあるという話でした。



「ピテクス」の意味は

佐藤和美 (2000/03/29 12:32)

佐藤和美(2000/01/19)wrote
> 中学生の長男の社会科の教科書
>(新編新しい社会 歴史/東京書籍)
>の7ページに、
>「アウストラロ・ピテクス」の意味が「南の猿人」と書いてありました。
>これはまちがいです!
>「ピテクス」は「猿」という意味で、「猿人」ではありません。
>「猿人」は
>「ピテクス」(猿)+「アントロプス」(ヒト)で、
>「ピテカントロプス」です。

実は上記と同じ内容のメールを東京書籍に送ってあったんですが、
その返事がやっと来ました。
返事は「ピテクス=猿人で間違いないということを確認しました。」

こちらからまたメールを出しました。
「「ピテクス=猿人」で間違いないということを確認したということですが、
なにをどう確認したのでしょうか。
ラテン語の辞典、例えば研究社の「羅和辞典」で
「pithecus」を引くと「サル」と出ています。
そちらはどういう根拠で「pithecus」が「猿人」だとしているのでしょうか。」

さてさて、どんな返事がもどってくるかな?



オー・エス

佐藤和美 (2000/01/21 09:45)

綱引きのときに「オー・エス」って、掛け声をかけますよね。
いったい、この「オー・エス」ってなに?

富田仁・村岡正明・編著「街角のフランス語」(駿河台出版社)
という本を読んでたら、「オー・エス」の語源がでてました。

「オー・エス」はフランス語「オー・イス(Oh, hisse)」に由来し、
「hisse」はフランス語の動詞「hisser」(帆や旗などを揚げる、巻きあげる、の意味のことば)から出た間投詞とのこと。

思わぬところに語源ってありますね。



ベリー

佐藤和美 (2000/02/01 12:36)

英語には語尾に「berry」のつく果物が多くありますね。

ストロベリーstrawberry
ブルーベリーblueberry
ラズベリーraspberry
クランベリーclanberry
ハックルベリーhuckleberry

さて、「berry」の意味はっと、
「小さな水分の多い果実」ですか。

みんな小さくて水分ありそうですね。

マーク・トウェインに「ハックルベリー・フィンの冒険」というのがありましたが、
ハックルベリーって、どんな果物なんでしょうか?



ハックルベリー

無知(沢辺治美) (2000/02/01 13:04)

ブラックベリーblackberry なんてのもありますね。
ハックルベリーで検索してみたところ、『テキーラのもとになる木の実』だとか。
で、写真も有りました。↓ (時任三郎のページのようです。)
http://www.subtime.net/ESSAY/KAYAK/kayak07/62901.htm



(無題)

清野良重 (2000/02/01 23:09)

北海道(登別・室蘭地方)には、じゃんけんをして勝つと
勝った拳の種類によってパイナツプル、チヨコレイト、グスベリ
と1音1段づつ、階段を歩き進んで行く遊びがあります。
で、このグスベリは日本語だと、子供の時、思っていましたが、
あとになってgooseberry(グズベリー)だと知りました。
赤紫の小さな円い実がなります



ベリー

おかもと (2000/02/02 02:17)

私の知っているのは、「パイナツプル・チヨコレイト・グリコ」でした。
北海道はGooseberryなんて、かっこいいですね!

ベリーの元は、印欧語根のBha-=(赤く)輝く だそうです



パラソルとパラシュート

佐藤和美 (2000/02/02 12:40)

パラソルとパラシュートの共通点は?
そう、「パラ」があるのが共通点ですね。

この場合の「パラ」の意味は「防ぐ」ということで、
「パラソル」は「ソル」(太陽)を防ぐもの、
「パラシュート」は「シュート」(落下)を防ぐもの。



パラ

無知(沢辺治美) (2000/02/02 13:49)

以前「パラリンピック」の「パラ」って何だ?って話になった時、
「『もう一つの、別の』って感じなんじゃないかなぁ」って言ったら、
「じゃぁ『パラソル』はもう一つの太陽なのか?」って言われたんですよ。
「パラリンピック」Paralympics〔paraplegia と Olympics の合成語〕とか、
「パラレル」parallel、「パラボラ」parabola、「パラメーター」parameterの
「パラ」って、何なんでしょうか?



パラ

佐藤和美 (2000/02/03 12:37)

「防ぐのパラ」のオマケ。
「パララン」ラン(伝線)を防ぐ。
伝線しにくいストッキング。グンゼの商品名。
私は実物を知らないんですが……

他の「パラ」はもう少々お待ちください。(^^)
(あした?)



おどるパラパラ

清野良重 (2000/02/03 19:58)

Para-1 1「近所」「両側」「以上」「以外」「不正」「不規則」
    2「異性体」
    3「欠陥」「異状」「擬似」「副」
Para-2 「防護」

parable たとえ話 paraならんで+boallein置く ギリシャ語より
parachute パラシュート paraに対して+chute落ちる フランス語より
paradigm パラダイム para並んで+deiknymi示す ギリシャ語より
para-dichlorobenzen パラジクロロベンゼン
           塩素基を二つ持ったベンゼンの異性体。
           ベンゼンでは置換基の位置関係によって
           ortho-とmeta-の接頭辞がある。
           ortho-は「正規な」をmeta-は「変化した」を
           para-は「異性体」を意味する。
paradox 逆説 para並んで+doxon意見 ギリシャ語より 
     ちなみにオーソドックスはortho-doxです。
以上 プログレッシブ英和中辞典(小学館)より まだまだあるよ



パラ

佐藤和美 (2000/02/04 12:45)

「para-」平行、側面、以上、以外、超過、近似、不正、不規則などの意。
ギリシア語の「pard」、さらには印欧祖語の「*per」にまでさかのぼるようです。
(「防ぐのパラ」以外は大体こちになると思います)

「para-」がらみの単語を羅列していったらきりがないですね。
なんたって「平行、側面、以上、以外、超過、近似、不正、不規則」ですから。

「parallel」の語源はギリシア語「parallelos」(他のもう一つの側)

「paralympics」「paraplegic(下半身不随の)+olympics」
これは「parallel+olympics」に変更しようという話があったはずです。
(もう変わってるかもしれません)

「パラサイト・イヴ」なんてのもありました。
(「サイト」は「食べ物」だそうです。インターネットでいう「サイト」とは別物ですね。)

以上、まとまりのない、文章になってしまいました。



人とman

なかもと (2000/02/02 18:22)

漢字には漢字の意味があります。たとえば「人」という漢字は人と人がささえあって・・・と言ったような成り立ちの意味があります。英語にもそういった類の語源はあるのでしょうか?
あるいは、man/humanこの違いはあるのでしょうか?



RE:人とman

佐藤和美 (2000/02/03 12:38)

なかもとさんwrote
>漢字には漢字の意味があります。
>たとえば「人」という漢字は人と人がささえあって・・・
>と言ったような成り立ちの意味があります。
>英語にもそういった類の語源はあるのでしょうか?

例えば「bicycle」(自転車)の語源は「bi」(二つの)+「cycle」だ、
というようなことでしょうか。それなら山ほど例がありますけど。

それともアルファベットそのものの字体のことでしょうか?
「A」を上下ひっくりかえすと(180度回転させると)、
上に角のようなものが二本出ています。
「A」は牛をもとにした象形文字だという話があって、二本出てるのは牛の角というわけです。
「A]が牛の顔に見えますか?
ヘブライ語だかアラム語だかで「牛」のことを「alef」といった。
で、「alef」の語頭の「a」が「A」の形の発音になったという次第。

以下の書き込みを参考にしてみてください。
「アルファベットの語源」(1999/12/01)
「アルファベットの歴史」(1999/12/02)

>あるいは、man/humanこの違いはあるのでしょうか?

英和辞典で調べると、
「human」形容詞
「man」名詞

語源辞典で調べると。
「human」ラテン語発、フランス語経由のいつものパターン
「man」ゲルマン語系の本来の英語

「human」はラテン語の「ホモhomo」に行きつくようですね。

インドに「マヌの法典」というのがありますが、
この「マヌ」と「man」が同語源だというのを読んだ記憶があります。
(岩波文庫「マヌの法典」の解説?)



数学の略号

佐藤和美 (2000/02/07 12:46)

きょうはちょっとかわったところで、
数学の略号なんてどうでしょうか。

座標の原点を「O」で表わしますが.
これは「origin」(原点)の「O」。

「i」、二乗して「−1」になるあれです。
これは「imaginary number」の「i」。
日本語の訳語の「虚数」とはちょっとイメージが違いますね。
(オヤジギャグ?)

関数を「y=f(x)」と書きますが、
この「f」は?
「function」(関数)の「f」でしょうね。
パソコンのキーボードの「f・1」「f・2」……「f・1X]は
同じ「function」でも訳語は「機能」のほうですね。

「π」円周率
「π」はギリシア語の「περιμετροs」(周)の「π」ですか。
(シグマのもう一つの字体がJISコードにないようなので、
「s」で代用します。)

いろいろありますね。
私は「原点」が「origin」で、「虚数」が「imaginary number」だと聞いたときは、目からウロコの気分でした。
中学校で教えてくれればよかったのに、と思ったものです。
(ムリにきまってるかな?)

略号は他にもまだ山ほどあると思うんですが……



ケチャップの語源

toko (2000/02/09 21:06)

辞書を引くと「ケチャップ」(ketchup = catch up )とあります。
ケチャップの食品としての由来はマレー語の魚から取れるソースのことらしいのですが、
catch up としての他の由来はないでしょうか? どなたかおせーて下さいませぇ。



ketchup

清野良重 (2000/02/09 22:13)

小学館のプログレッシブ英和中辞典ではケチャップは
中国語厦門方言ke-tsiap(塩漬けの魚)とあります。
私には、ここまでしか分かりません。
厦門って福建省だからビンナン語ですか?
こんな単語あるのかなあ。



ケチャップ

佐藤和美 (2000/02/10 09:20)

「ketchup」の語源ですが、
中国語広東方言koechiap、ketsiapが、
マレー語kechap経由で英語に入ったそうです。
(研究社「英語語源辞典」)

ケチャップのもう一つのスペルは「catchup」です。
(「catch up」じゃなくて「catchup」です。)



ケチャップ

無知(沢辺治美) (2000/02/10 11:50)

それと「ケチャップ」も調べてみました。
◆中国語で、「塩蔵魚の汁」を意味する「茄醤/コエチアップ」と言う言葉で、
 それが、ヨーロッパで「何か風味を持ったソース」と言う意味になり、
 木の実を使った「クルミケチャップ」など色々なバリエーションが生まれました。
 その後アメリカに伝えられ、そこでトマトを使ったケチャップが誕生したのです。
ということでした。



ケチャップ

清野良重 (2000/02/11 13:20)

トマトケチャップは普通話(北京語)で
番茄醤(fan-qie-jiang=ファン・チエ・チャン)で
意味は外国のナスビ(=トマト)のペーストと
いったところでしょうか。
qieがkoeやkeに訛るのは華南方言っぽいし
華南でjiangの韻母が-pになるならば
qie-jiangがketchupになるのでしょうか。
私はケチャップ=トマトケチャップのつもりでいましたが
これはアメリカで生まれたもので
ケチャップ自体の意味は広いんですね。
おそるべし、デルモンテ!



ケチャップ

自転車小僧 (2000/03/23 01:51)

以前の内容をつぶさに見ておりましたところ二、三気づいたことがありましたので書き込みます。
ケチャップの語源
広東語でケチャップのことを"茄汁"(ka-chap)といいますが、おそらくイギリス統治
時代に作られた語だと思います。また、巷でよく言われるビン南語説ですが魚から作る醤油は"魚醤"、"魚露"などと言い、どの方言でもケチャップに近い発音になりません。
マレー語では一般的ソース類を"kicap","kichap"と言い、一般に言うトマトケチャップ
は"saus tomato",醤油を"saus asin"(asin:塩辛い)といいます。
英語圏のケチャップはドイツ移民が持ち込んだ料理から発生した物と聞いており、当初はキュウリ、キャベツ、リンゴといった材料の物もケチャップと呼んでいたそうです。
いずれも野菜を細かく刻む点で共通しているので、チベット語の研究者でチベット語の
"ka-tchup"(細かく刻む)がケチャップの語源だと言っていた方もおられましたが、
チベット料理にケチャップのような物があるかどうかは定かでない上に、インドや東南アジアにケチャップに近い語がないことから、チベット語説は非常に怪しい物です。
マレー語自身が語源になっているとは思うのですがそれがビン南語由来というのは怪しい物です。
ちなみに、英語でのケチャップは"ketchup","catchup","catsup"の3種のつづりがあります。



駅と文房具

佐藤和美 (2000/02/17 12:53)

英語で、
駅は「station」、
文房具は「stationery」。
スペルが似てますね。

実はこの二つは関連があります。
「station」はラテン語の「statio」(立っていること、立っている所)に由来しますが、
「station」の意味は「立っていること」、「立つ場所」、「持ち場、部署」と変化してきました。
「stationery」は「statio」(立っている所)を持っている人のこと、
つまり店舗を持っている人のことです。
(店舗を持ってない人(行商人)に対しての言葉です。)
これが今では文房具の意味になっています。

「stand」(立つ)はもともとのゲルマン語に由来しますが、
ラテン語の「statio」とは親戚関係ですね。



カバとフィリップ

佐藤和美 (2000/03/13 12:02)

ともさんwrote
>メソポタミアとカバとか、とっても勉強になりました。
>面白いし〜コピーして電車の中で見てますよ。(笑)
>質問してもいいんですか〜?

ありがとうございます、おもしろいと言っていただくのが一番うれしいです。
質問はどんどんどうぞ。

今回は「メソポタミアとカバ」の続編「カバとフィリップ」でもやってみますか。

むかしむかし、あるところにフィリップという男がいて、カバを飼っていました、
のわけないか。(^^)

まずは、復習を。
佐藤和美(1998/06/11)wrote
>「メソポタミアとカバ」
> メソポタミアとカバになんの関係があると思います?
> カバは漢字で書くと「河馬」です。
>河馬を英語でヒポポタマスhippopotamusと言いますが、
>これはギリシア語「hippopotamos」に由来します。
>「hippopotamos」は「hippos」(馬)、「potamos」(河)と
>分解できます。「河馬」はこれを直訳したものだったんですね。
> 次にメソポタミアです。
>メソポタミアMesopotamiaはチグリス川とユーフラテス川に
>はさまれた地域をさします。今のイラクあたりです。
>メソポタミアを分解すると、
>「meso」(中間)+「potam」(川)+「ia」(地名接尾辞)で、
>「川のあいだの地域」というような意味になります。
>ここに「川」(potamos)をキーワードにして、
>メソポタミアとカバが結びついたと言うわけです。

も一つ復習。
佐藤和美(1999/10/01)wrote
>「フィル」
>フィルはギリシア語で「愛」
>「フィロソフィー」(哲学)は
>「ソフィア」(知)を愛する
>フィルハーモニー
>ハーモニーを愛する
>フィラデルフィア「兄弟愛の町」
>「phil」(愛)+「adelphi」(兄弟)+「ia」(地名接尾辞)

では本題の「フィリップ」という名前の語源に入りましょう。
「フィリップ」の語源ですが、
ギリシア語の名前「Philippos」に由来します。
意味は「philos」(愛する)+「hippos」(馬)です。
(梅田修「世界人名ものがたり」講談社現代新書)

「メソポタミアとカバ」風にいうなら、
ここに「馬」(hippos)をキーワードにして、
カバとフィリップが結びついたと言うわけです。



エビ

佐藤和美 (2000/03/14 13:48)

エビを英語でなんて言うか調べてみました。

まずは「EXCEED 和英辞典」を検索、

「海老」の単語は三つありますね。

「lobster」、「prawn」《小海老》「shrimp」

次に英和で確認と。

エビの英語では一番有名かな?
「lobster」
ウミザリガニ, ロブスター; ロブスターの肉 ((食用)).

次は
「prawn」
クルマエビの身.

サーチエンジンで検索してみると、
Nestleのマギーカレーという商品ンにプローンカレーというのがあるんですね。
安いエビ麺を「プローン・ミー」という?

「shrimp」
「小エビ」

「 shrimp cocktail」( シュリンプカクテル)というのがあるんですね。
意味は「エビの前菜」ですか。

いろいろ遊べそうですね。



原子の語源

佐藤和美 (2000/03/16 12:35)

今日はちょっとかわったところで、
原子名の語源をやります。

「ネオン」
新しく発見されたのでギリシア語「ネオン」(新しい)から。

「ヘリウム」
太陽のスペクトル中から発見されたのでギリシア語「ヘリオス」(太陽)から。

「ゲルマニウム」
ドイツ人(ゲルマン人)が発見したため。

原子番号92「ウラン」
天王星(Uranus)と同じ頃発見されたため。

天王星の外側には海王星(Neptune)があります。
で、原子番号93は「Neptunium」

海王星の外側には冥王星(Pluto)があります。
で、原子番号94は「Plutonium」
プルトニウムも思わぬものが語源でした。

冥界の王、ギリシア神話のハデス、ローマ神話のプルトンが英語ではPlutoで、語尾の「n」が落ちてますね。
プラトンも英語では語尾の「n」が落ちて「Plato」でしたね。
で、「-ic」がつくと「Platonic」になります。
このときは「Platon」ですね。
プルトニウムも「-ium」がついて、「Plutonium」
「Pluton」になってます。

原子の語源も一覧表にするとおもしろいかな?



Re: 原子の語源

UEJ (2000/03/16 20:56)

> 今日はちょっとかわったところで、
> 原子名の語源をやります。
あらら、来月のコトバ雑記でやろうと思ってたら先を越されてしまいましたね ^^;
ベータ版をこっそり公開↓

http://home.att.ne.jp/green/uej/kotoba/beta.planet.html



Re: 原子の語源

佐藤和美 (2000/03/17 10:21)

天体関係では他に、
原子番号52「テルル」ラテン語の「地球」から。
原子番号34「セレン」ギリシア神話の月の女神の名による。
なんてのが、ありますね。



ラドン

無知(沢辺治美) (2000/03/17 16:55)

「ラドン」って、怪獣もいるし、てっきりギリシャ神話の竜と関係あるのかと思ってたら、
それは、[Ladon]で、元素は[Radon]:ラジウムの近隣、の意 だなんて…。つまんないの。

元素を漢字で表現するHPがありました。(語源が出てるのもありました)

http://www.inv.co.jp/~yoshio/DW/JKanji/JKGenso.htm



Re: 原子の語源

佐藤和美 (2000/03/18 09:24)

怪獣の「ラドン」は「プテドン」(翼竜)からの造語ですね。

手元にある中国の「新華字典」(1990年版)に周期表が載ってますが、
「金ヘン」の字が多いですね。
(当然、簡体字ですけど)
プルトニウムは「金ヘン」+「不」
原子番号106以降はアルファベットで書かれていて、漢字は当てられていません。



ネプチューン^^

とも (2000/03/21 20:38)

天王星の外側には海王星(Neptune)があります。で、原子番号93は「Neptunium」
ネプチューンってそういう意味だったんですね、知らなかった〜
UEJさんのベータ版もこっそりノゾキました〜^^
学校の先生がこういうこと教えてくれてたら、もっと理科が好きになってたかも..



f=ma

佐藤和美 (2000/03/23 07:53)

ともさんwrote
>学校の先生がこういうこと教えてくれてたら、もっと理科が好きになってたかも..

ちょっと、物理の話でもしましょうか。
「f=ma」はニュートンの運動方程式ですけど、
さて、「f」ってなに?、「m」ってなに?、「a」ってなに?
教壇に立ったつもりで、ちょっと、べらんめえ調で行ってみますか。

−−−−−−−−−−−−−−−−−

「f」っていうのはだな、「力」だな。
映画の「スターウォーズ」でも「フォース」ってのが出てきただろう。
そうそう、あのルーク・スカイウォーカーが使ってたやつ。
あれが「フォース」で、つまり「力」だな。
これが「f」だよ。「フォース」(force)の「f」だよ。
「空軍」のことを「エア・フォース」って、いうけど、
あれは、「空の力」だな。

「m」は重さ、質量だな。
英和辞典で「マス」(mass)ってのを見てごらん。
「質量」って出てるだろう
「m」は「マス」の「m」だよ。

「a」は加速度ってこと。
また英和辞典で「acceleration」ってのを引いてみな。
「加速度」って出てるだろ。
自動車の速度を上げるものなんだ?
そう、アクセルだよ。
ま、「a」は「アクセル」の「a」だな。

−−−−−−−−−−−−−−−−−

と、こんな調子なんですが、どんなもんでしょう?

「マス」のいい例が思いつかないなあ。
「ミッシング・マス」(宇宙の未発見の質量)じゃ、一般的じゃないし。



studere

佐藤和美 (2000/04/06 12:37)

「studere」はラテン語で「専念する、努力する、研究する」
これがフランス語経由で英語に入ったのが、「study」
勉強って、「専念する、努力する、研究する」ことなんですね。

これと関連する言葉で「study」する人のことを「student」と言います。

「studio」は「study」する所。
遊ぶ所じゃないはずですが……。



レポート、ルポルタージュ

佐藤和美 (2000/04/08 00:14)

 同じ語源の単語でも違う国から入ってきたため違う意味で使ってる単語があります。
 そういうのって、カナがきだとけっこう気がつかないものですね。
有名なところでは「カード」と「カルテ」なんかがあります。
この伝言板でも「カンデラ」と「キャンドル」のことを書いたことがありました。

 レポート(リポート)は英語の「report」によりますが、
ルポルタージュはフランス語の「reportage」によります。
スペルがそっくりで、意味も似てますね。

英語語源辞典では「report」はフランス語から入ってきたようです。
毎度おなじみのノルマン・コンクェストの時代に入ってきたんでしょうね。
「reportage」の語源は……
手元の資料には見当たらない。(^^);

ところで「レポーター」(新聞の)ですが、
フランス語では英語から里帰りしたであろう「reporter」(ルポルテール)が使われてるそうです。



国名の由来

やざき (2000/04/16 17:33)

大学の言語学とはまったく無縁の講義で、
地域、国名の由来を調べる課題が出て困っています。
「日本」、「アメリカ」、「アジア」の由来を知っていましたら
ぜひ教えて下さい。お願いします。



国名の由来

佐藤和美 (2000/04/17 13:03)

やざきさんwrote
>大学の言語学とはまったく無縁の講義で、
>地域、国名の由来を調べる課題が出て困っています。
>「日本」、「アメリカ」、「アジア」の由来を知っていましたら
>ぜひ教えて下さい。お願いします。

「日本」
なんで「日本」っていうか、今まで聞いたことないですねぇ。
「日本」は「ひのもと」
私のかってな解釈は中国の東側にあるから。
Japanはマルコ・ポーロの持ち帰った「ジパング」が語源と言われてますけど、
この「ジパング」は当時の「日本」の中国語読みにルーツがあるらしいです。

「アメリカ」は「アメリゴ・ベスプッチ」という人の名前に由来します。
アメリゴ・ベスプッチがどんな人かは、人名辞典とか百科事典で調べてみてください。

「アジア」
古代アッシリア帝国で、エーゲ海の東側沿岸地方をアス「東、東方」と呼んでいた。
後、ラテン語の地名接尾辞-iaがついてアジアになった。
(牧英夫編著「世界地名ルーツ辞典」)



ありがとうございます

やざき (2000/04/17 23:07)

ありがとうございました。
私も大学でしらべてみたところ、日本については
「ひのもと」といういみで日本と書いたのは中国が初めのようです。
大化の改新のころの話らしいです。
しかし当時は「日本」と書いて「やまと」と読んでいたようです。
奈良時代になってはじめて「にほん」又は「にっぽん」と
よばれるようになったみたいですよ。
しかし本当に言葉っておもしろいですね。
音楽科生の私にはまったく専門外ですが
しかしとても興味深い世界です。
これからもここに顔を出させて頂きますね。



やまと

佐藤和美 (2000/04/19 12:35)

やざきさんwrote
>私も大学でしらべてみたところ、日本については
>「ひのもと」といういみで日本と書いたのは中国が初めのようです。
>大化の改新のころの話らしいです。
>しかし当時は「日本」と書いて「やまと」と読んでいたようです。

そう言えば、「日本武尊」の「日本」は「やまと」って読みますよね。



日本という国号

面独斎 (2000/04/23 05:41)

>「ひのもと」といういみで日本と書いたのは中国が初めのようです。

やざきさんのこの文、どう読んでも、「日本」という国号は中国によって命名
されたものであるとしか読めませんが、それはちょっと、にわかには信じ難い話です。

たとえ「日本」と記した最古の史料が中国側のものであっても、日本が自らの
意志によって「日本」の字を当て、自らの国号としたものであるとするほうが
妥当だと考えます。中国側の史料は単にそれを記録したものに過ぎないと。 いくつか根拠をあげてみます。

(1) 聖徳太子が隋に送った国書において自らを「日出処天子」と称したように、
自国を「ひのもと」とする考え方の萌芽が大化以前にすでに見られる。
(2) 中華思想のもと、日本に対して「倭」という蔑称を用いてきた中国には、
それを「日本」という非蔑称に改める積極的な理由がない。(ちなみに、
聖徳太子からの国書を読んだ隋の煬帝は激怒したと伝えられている。)

もっとも、私も詳しく調べたわけではありませんので、断定はできません。
やざきさんがお調べになったという文献ないしはその文献が根拠とする史料を
お教えいただけないでしょうか (もう見てないかな?)。



・・・

黒い目の人 (2000/04/26 02:55)

どうも始めまして。
私は東洋人である事に誇りを持っている一人です。

最近とても気になる言葉がありまして、色々さまよい、このページと出会いました。

英語で東洋、Orientalという言葉の語源はなんですかね。
それと、Asiaの語源はなんですか。
とても知りたいです。
だれか教えてくれませんか。お願いします。



Orient、Asia

佐藤和美 (2000/04/27 12:40)

黒い目の人さんwrote
>英語で東洋、Orientalという言葉の語源はなんですかね。
>それと、Asiaの語源はなんですか。

英語「Orient」は古フランス語「orient」から。
古フランス語「orient」はラテン語「oriens」(東、太陽)から。
ラテン語「oriens」は同じラテン語「oriri」(上る、起きる)から。
ラテン語「oriri」はインド・ヨーロッパ祖語「*er-」(上る、動かし始める)から。
(大修館書店「スタンダード英語辞典辞典」)
「Orient」はインド・ヨーロッパ祖語以来の由緒正しい(?)言葉だったんですねぇ。

「アジア」はちょっと前に書きこんでます。
佐藤和美(2000/04/17)wrote
>「アジア」
>古代アッシリア帝国で、エーゲ海の東側沿岸地方をアス「東、東方」と呼んでいた。
>後、ラテン語の地名接尾辞-iaがついてアジアになった。
>(牧英夫編著「世界地名ルーツ辞典」)



orient

UEJ (2000/04/27 14:21)

orientに関しては拙ページをどうぞ↓

http://home.att.ne.jp/green/uej/kotoba/orient.html



おおー

黒い目の人 (2000/04/28 02:57)

おおー
有難うございます!!
佐藤さん、UEJさん!!
脳内がすっきりしました。

この前どこかで、asia、orientalという言葉はいい意味ではないと聞いたのですが、
けっこういい意味だったのですね。

本当にありがとうございました!!



教えて下さい!

あや (2000/04/25 19:10)

“ペンション”の語源を調べています。 英語でペンションは年金の意味ですよね!? どうして日本では宿泊所の意味になったのでしょう??



ペンション

せいの (2000/04/26 07:02)

宿泊所のペンションの意味は日本だけではありません。

元々はベルギーやフランスで、

子供が出て行って余った部屋を

年金生活者が宿泊用に提供したのが

始まりだと聞いています。



ペンション

佐藤和美 (2000/04/26 07:47)

あやさんwrote
>“ペンション”の語源を調べています。
>英語でペンションは年金の意味ですよね!?
>どうして日本では宿泊所の意味になったのでしょう??

「プログレッシブ英和中辞典」で「ペンションpension」を調べたら、
「年金」以外にもちゃんと「下宿屋」が載ってますけど。
英和辞典で再確認してみてください。



ありがとうございました。

あや (2000/04/26 20:06)

佐藤さん、せいのさん、どうも有り難うございました。



pension

ふる (2000/04/27 14:18)

クラウン仏和より。

pension(パンシオン)は、(1)寄宿舎、寮、(2)民宿、(3)年金。

とあります。



犬の名前

みやすけ (2000/06/03 02:03)

 初めまして。私は某愛犬家団体に所属しているものです。
 質問があるのですが犬にプリ(puli)っていう犬がいるんですが、アメリ
カ人の友人は複数形をpulikと言っていました。間違いだろうと思って聞き
返してみると、それであっているが、どうしてそういうのかは分からないといっ
ていました。
 なぜなのか、突止めていただけないでしょうか?



RE:犬の名前

佐藤和美 (2000/06/04 07:59)

みやすけさんwrote
> 質問があるのですが犬にプリ(puli)っていう犬がいるんですが、
>アメリカ人の友人は複数形をpulikと言っていました。
>間違いだろうと思って聞き返してみると、それであっているが、
>どうしてそういうのかは分からないといっていました。
> なぜなのか、突止めていただけないでしょうか?

「puli」
「プリ:ハンガリーで改良された中形の牧羊犬」
(小学館「プログレッシブ英和中辞典」)

「プリ」という言葉は「犬」と一緒にハンガリーから英語に入ったんじゃないでしょうか。
私はハンガリー語を全然知りませんが、
「puli」、「pulik」はそういう観点からみたほうがいいと思いますが。



Re:犬の名前

いばら (2000/06/04 14:53)

佐藤和美さん、こんにちは。
蛇足かもしれませんが、一応裏付けということで。

ネット上でA Hungarian Language Courseというハンガリー語の講座を見つけました。
こちらのLesson7「複数形と10から100までの数字」に
ハンガリー語においては(名詞の)複数形は語尾にkを付けると記されています。

http://www.people.fas.harvard.edu/~arubin/hu7.html



RE:犬の名前

佐藤和美 (2000/06/05 12:32)

いばらさん、ありがとうございます。

>ハンガリー語においては(名詞の)複数形は語尾にkを付けると記されています。

どうやら、「puli」、「pulik」はハンガリー語から入ったということで間違いなさそうですね。



価値の上がった言葉

よしえっち (2000/06/06 16:55)

言葉の価値が昔と今で異なることがありますよね。

例えば価値の下がった例は・・・
 ・貴様(きさま) 
       ・・・・・・・あまり思いつかないのですが・・・。
                       すみません m(..)m

価値の上がった言葉はどういうものがあるのですか?



RE:価値の上がった言葉

佐藤和美 (2000/06/07 12:41)

下がった例、上がった例、一つずつ書いてみました。

下がった例
 エロ
 「愛」もただの「スケベ」に転落

上がった例
 「Mickey」
アメリカではアイルランド人は差別されていましたが、
アイルランド人に多い名前「Mickey」(Michaelの愛称)もろくな語感がないようですね。
ま、この辺は英和辞典を見てもらうことにして、
その後、ネズミのミッキーがでてきたおかげでこれもだいぶ緩和されたようです。
(なにかの本に書いてあったのですが、題名を思い出せません)



RE:価値の上がった言葉

いばら (2000/06/08 00:18)

>アメリカではアイルランド人は差別されていましたが、
>アイルランド人に多い名前「Mickey」(Michaelの愛称)もろくな語感がないようですね。

これは知りませんでした。
好奇心を刺激されて早速オンラインの辞書でいろいろ調べてみましたら、
英でも米でもアイルランド人の蔑称になっていました。
Michaelがアイルランド人によくある名前だからなんですね。
(知り合いにMichael Doyleという名前のアイルランド人がいますが、
まさに典型的な名前の持ち主!ということになりますね。)

>その後、ネズミのミッキーがでてきたおかげでこれもだいぶ緩和されたようです。
>(なにかの本に書いてあったのですが、題名を思い出せません)

確かにミッキーマウスやミックジャガーの登場がMickey/Mick(<Michael)という名前の
イメージ向上に一役かっていることでしょう。

ただし、言葉としてはちょっと様子が違うようです。
Mickey Mouseはそのまま形容詞になっていますが、
取るに足らない、ちゃちな、安っぽい、馬鹿げた…という否定的な意味の言葉です。

ちなみに、本家(?)アイルランドではMickey=child's name for a penisです。(笑)
↓"Everyday English and Slang in Ireland"

http://www.geocities.com/ResearchTriangle/8662/irish.html



ホルスタインって?ジャージーって?

おおさと (2000/06/22 23:51)

乳牛の「ホルスタイン」「ジャージー」の名前はどういうことからついたのか教えてください。
勝手に考えるにスタインはドイツ語で石、あの牛の模様からきているのかとも考えたのですが、
人の名前からきているのかとも。ジャージーはニュージャージー産なのか・・・
おわかりのかた教えてください。





いばら (2000/06/23 08:08)

ホルスタイン(ドイツ語忠実に発音するならホルシュタインHolstein、なんだと思いますが)とジャージー、
どちらも地名(産地)から来ているものと思います。
(ホルスタインは100%の自信はないんですが...)

ジャージーはイギリスの島の名前です。
英仏海峡にあるChannel islandsのひとつ、Jersey島です。
http://www.britannica.com/bcom/eb/article/6/0,5716,44546+1+43555,00.html

アメリカなどイギリスからの移民の多い国にはNewXXという地名が多いですね。
故郷をしのんで名づけたのでしょうか。
New Yorkだって、もとはイギリスのYorkですし。
(イギリス人の手に渡るまではオランダ人がNieuw Amsterdamと呼んでいたですが。)



ホルシュタイン

Mik (2000/06/23 23:13)

みなさん、こんばんは。

確かデンマークとの国境に近いドイツ領を「シュレスウィッヒ・ホルシュタイン州(Schleswig
Holstein)」と呼ぶと思います。ロシアの女帝エカテリーナ2世の出身地だったと記憶している
のですが...



ホルスタイン、ジャージー

佐藤和美 (2000/06/24 09:41)

「コンサイスカタカナ語辞典」(三省堂)からです。
「ホルスタイン」は「ドイツのホルスタイン地方で飼育・改良された牛」
「ジャージー」は「イギリスのジャージー島原産」



(無題)

おおさと (2000/06/24 10:33)

ホルスタイン、ジャージーに関するお返事ありがとうございました。
子供の班の発表で、「乳牛について」というのをしたのですが、別の班のお友達から質問カードが来て
どうしても調べてくれというので、インターネット頼りだったのです。あちこちサーフしてここに
辿り着きました。カタカナ語辞典興味深いですね。手に入れてみようとおもいました。
いばらさん、Mikさん、佐藤さん、ありがとうございました。
また何かの時にはここを頼りに来ますので宜しくお願いします。(ブックマークさせて頂きました)



バーベキュー

のんぷ (2000/06/25 17:37)

バーベキューの実体とは何でしょうか。現在、この言葉は野外で行われる焼肉パーティーのことを差して使用されています。辞書で調べると、「丸焼き料理。野外でする肉焼き料理」(広辞苑)とあり、英語の辞書を見てもそのように出てきます。しかし、バーべ−キューは串で刺したものを丸焼きにする料理であり、串に刺さないものはバーベキューとは言わないと聞きました。英語の語源がそもそもそうなっているのだそうです。
 そうすると、普通に行われているものはバーベキュー料理ではないことになってしまいます。
 どなたか、本当のバーベキューを教えてください!



バーベキュー

佐藤和美 (2000/06/26 12:03)

英語「barbecue」はスペイン語「barbacoa」が入ったものです。
もとはアメリカ先住民の言葉のようです。
>しかし、バーべ−キューは串で刺したものを丸焼きにする料理であり、
>串に刺さないものはバーベキューとは言わないと聞きました。
>英語の語源がそもそもそうなっているのだそうです。
英語の語源がそうなってるというのは、間違いじゃないかと思います。
何の資料を見たんでしょうか?



Re:バーベキュー

いばら (2000/06/26 19:46)

(佐藤さんのお話と多少重複します。)

>現在、この言葉は野外で行われる焼肉パーティーのことを差して使用されています。
とのことですが、

英米のオンライン辞書やブリタニカで調べた限りでは、バーベキューとは名詞としては
(1) 野外で焚き火や炭火などで肉や魚や野菜を焼くための器具
(2) (1)を使って調理したもの(料理)
(3) (2)を食べるために催す集まり、パーティーなど
の3つの意味があるようです。

>しかし、バーべ−キューは串で刺したものを丸焼きにする料理であり、
>串に刺さないものはバーベキューとは言わないと聞きました。
>英語の語源がそもそもそうなっているのだそうです

Merriam-Webster's COLLEGIATE DICTIONARYによると、語源はAmerican
Spanishの
barbacoaであり、barbacoaとはTaino族の言葉に由来すると思われるもので、
肉を火であぶるために支える枠組のこと、となっています。
おそらく調理器具の名前→調理方法、それを用いた料理→その料理を食べる機会
という風に派生したのではないかと思います。(これは私の推測にすぎません。)

しかし、どこにも「串で刺したものを」という記述はありませんでした。
これはbarbecueについても同じで、薪や炭などの直火で焼くとは書いてあっても
串で刺したものとは限定していません。
敢えて言えば、動詞の定義で「熱した炭の上の網にのせるかまたは
火力の上または前で回転する串に刺して焼くこと」とあるくらいでしょうか。

>串に刺さないものはバーベキューとは言わない
というのはやはり何かの間違いではないかと言う気がしますが。

Merriam-Webster's COLLEGIATE DICTIONARY
http://www.m-w.com/dictionary.htm
Cambridge International Dictionary of English
http://dictionary.cambridge.org/
britannica.com
http://www.britannica.com/bcom/eb/article/2/0,5716,13452+1+13297,00.html



バーベキュー、お騒がせいたしました

のんぷ (2000/06/28 00:42)

佐藤さん、いばらさん、ありがとうございました。
「バーベキューは串刺し」説は、知人から昔聞いた話でした。バーベキューパーティに行く
度に、「これはバーベキューではない、ただの野外鉄板焼だ」と力説するので、そうなのか
なと思っていました。
 自分で調べても肉の丸焼き以上のことは出てこないし、「bar-be-cue」のbarもcueも棒状
のものを差しているし、語源からなら本当にそうかもとも思っていました。
 最近では、ポテトチップスのバーベキュー味にも懐疑的になっていました。
 ようやく安心できました。本当にありがとうございました。



ボーナスの語源は

マツダマ (2000/06/29 13:32)

ボーナスは英語だと思いますが、もともとにどういう意味があったのでしょうか?教えてください。



ボーナスの語源は

まつまつ (2000/06/29 16:49)

マツダマさん:
> ボーナスは英語だと思いますが、もともとにどういう意味があったのでしょうか?

質問してばかりなのも何なので、ちょっと桃食ってみました (「桃を食べる」は
「辞書を引く」という意味の隠語です)。http://www.dictionary.com で bonus を
引くと、以下の結果が得られました。「良い」とか「有用な」という意味のラテン語だ
そうです。で、その大本は印欧祖語の deu で、同根の語に benefit, beuty, dynamite,
dynasty などがあるようです。
# でも、なぜ d が b に?

deu-2
Important derivatives are: bonus, bounty, benefactor, benefit, benign, beauty,
embellish, dynamic, dynamite, dynasty.
To do, perform, show favor, revere.

1.Suffixed form *dw-enos. bonbon, bonito, bonus, boon2, bounty; bonanza,
bonhomie, debonair,
from Latin bonus, good (< “useful, efficient, working”).
2.Adverbial form *dw-en. benediction, benefaction, (benefactor), (benefic),
(beneficence), (benefit), benevolent, (benign), (herb bennet),
from Latin bene, well.
3.Diminutive *dw-en-elo-. beau, beauty, belle; beldam, belladonna,
belvedere, embellish,
from Latin bellus, handsome, pretty, fine.
4.Possibly suffixed zero-grade form *dw-eye-. (beatitude); beatific,
(beatify),
from Latin bere, to make blessed.
5.Possible (but unlikely for formal and semantic reasons) suffixed zero-grade
form *du-n-. dynamic, (dynamite), dynast, (dynasty); aerodyne,
from Greek dunasthai, to be able.



タクシー

さんこ (2000/07/06 17:26)

初めましてさんこと言います。語源で検索してこの場所に辿り着きました。
実は調べなければならないことがあって…
タクシーってどこの国に言ってもタクシーの様な気がするのですが、語源は?
ネットでギリシャ語の「旅」がタクシーなんとかっていうのが語源なのか???という書き込みは見つけたのですが、ギリシャ語が読めないので図書館にいっても辞書を引けません。裏をとって確かな情報を求めています。御存じの方教えて下さい。



taxi

佐藤和美 (2000/07/07 12:43)

「スタンダード英語語源辞典」(大修館書店)からです。
taxi
「taximeter cabを縮約したtaxicabの縮約形。
taximeter←フランス語taximetre taxe「料金」+metre「計測器」」



タクシーについて

さんこ (2000/07/07 17:58)

佐藤さん早速のお返事ありがとうございます
フランス語で料金がtaxeと言うことですね?
ギリシャ語のなんとかって言うのはガセだッた様ですね
ありがとうございました。



Re:タクシーについて

いばら (2000/07/07 22:13)

ちょっと蛇足というか、つけたしです。

Taximeter cabのtaximeterはもともとドイツ語から来ています。
ドイツ語ではTaxameter、
その語源は中世ラテン語のtaxa(<taxare、課金する)+ドイツ語で-meter(計測器)。
(この -meterもラテン語あたりから来たのではないかと想像します。
タクシー自体それほど古いものではないのでドイツ語のTaxameterは
比較的新しい造語なのではないでしょうか。)
このTaxameterがフランス語に取り入れられてtaximetre、
さらに英語に取り入れられて taximeter cab→taxicab→taxi
となったようです。

ちなみに、「旅」のギリシア語を調べてみたところ、
trip = taxidi
travel = taxidevo
とありました。
(どちらかが名詞でどちらかが動詞なのかもしれませんが、簡単な辞書なので不明)

おそらくこれを見た人がtaxi=移動するもの 旅=移動 ということで、
これがtaxiの語源であると勘違いしたのではないでしょうか。

参考:
Merriam-Webster's COLLEGIATE DICTIONARY
http://www.m-w.com/dictionary.htm
Greek-Ancient Greek-English Dictionary
http://www.kypros.org/cgi-bin/lexicon



私もお願いします

しみこー (2000/07/07 04:23)

 はじめまして。
 早速ですが、「デウエクスマキナ」ッて何のことか分かりますか。
聖書からの言葉らしいのですが、わかりません。やさしくひまな方が
いたら、おしえてください。気になって仕方がないんです。
 ラテン語とかかなぁ、と私なんかは考えちゃったりしますが。



デウス エクス マキナ

いばら (2000/07/07 10:27)

しみこーさん、はじめまして。

「デウエクスマキナ」、ご想像の通りラテン語で、
正確にはデウス・エクス・マキナ deus ex machinaですが
聖書には関係なく、大昔のギリシア劇に由来するものです。
(deus ex machinaはギリシア語のtheos ek mechanesのラテン語訳ですが
ローマ文化は基本的にギリシア文化を継承しているため
deus ex machinaもそのままローマ劇に引き継がれたということのようです。)

Deus ex machinaは英語に訳すとgod from the machine、
「機械に乗ってやってくる神」というところでしょうか。

この言葉、もともとは古代ギリシア劇・ローマ劇中で
危機的な状況において神がクレーンのようなものに乗って現れ
(天から降りて来る、という設定だそうですが、スーパー歌舞伎みたいですね)
決着をつける、という場面を指していましたが、
そこから(特に劇や小説の中で)突然奇跡のように(都合良く)現れて急場を救う
人物や事象を示す言葉にもなっています。
英語でも外来語(?)として定着しており、このまま辞書に載っています。

※ちなみに、このクレーンのようなしかけは紀元前5世紀ころからのものだそうです。

参考:
Merriam-Webster's COLLEGIATE DICTIONARY
http://www.m-w.com/dictionary.htm
Cambridge Dictionaries Online
http://dictionary.cambridge.org/
Britannica.com
http://www.britannica.com/



いばらの涙って曲がラルクにあります

しみこう (2000/07/15 17:29)

ファンにはとても人気です。
 Whatever,いばらさん、ありがとうございました。英和を見てみたら、載ってました。
不可解なのは、この言葉を人に聞いてみたところ、居合わせて2人が口をそろえて、
宗教っぽい説明をしたんですよね。一体、なんだったんだろう。何かの小説とかの中で
違う意味で使っていたのかな。危なくだまされるところでした(笑)



アメリカ人の姓

Hola! (2000/07/11 18:17)

下記、アメリカ人の姓の起源と発祥国を調べています。
ご存知の方、教えてください!!

1)Clinton 2)Smith 3)Peabody 4)Kaufman 5)Bacon 6)Klein 7)Byrne 8)Bush 9)Douglas



Re: アメリカ人の姓

UEJ (2000/07/11 22:26)

おすすめのページです↓

http://clanhuston.com/name/name.htm



!Oiga!

清野 良重 (2000/07/11 22:39)

アメリカ人の姓、寝る前なので、全部は調べません。
いま分かるのは Smith
ゲルマン語系の名前です。
ドイツ語で Schmiede (すいません、綴りに自信ありません)
オランダ語で Schmeding
鍛冶屋という意味だったと思いますが。



Kaufman

自転車小僧 (2000/07/12 01:38)

Kauffman(独)商人の意
Bush,Douglasはアイルランドだったと思う。



ヨーロッパの人名の語源

佐藤和美 (2000/07/13 07:44)

ヨーロッパの人名の語源に関して手に入れやすいのは
梅田修「世界人名ものがたり」(講談社現代新書)
でしょうね。

月刊言語7月号に予告がでてたけど、
「ヨーロッパ人名語源辞典」(大修館書店)
って、もう出たのかな?

この「ヨーロッパ人名語源辞典」の著者が梅田修さんなのでありました。



streetとroadの詳しい違いは?

瑞樹 (2000/08/12 00:20)

みなさん、はじめまして。
私は今卒業論文でstreetとroadの語源から
意味の違いや意味のまじわりなどを調べています。

しかしなかなか詳しい書きこみがなくて困っています。
もし詳しい内容のHPなどをお知りでしたら教えてくださいませんか。
英語、日本語どちらで書かれているページでもかまいません。
よろしくお願いします。メールで頂けると助かります。



Re: StreetとRoad

いばら (2000/08/12 01:52)

瑞樹さん、こんにちは。

なかなか詳しい書き込みがなくて、とのことですが、
ネット上で文献をお探しなのでしょうか。
辞書ひとつとってもネット上で公開されている(自由に閲覧できる)ものは
ごく一部ですし、ましてstreetとroadについて詳しく書かれた文献というと
ネット上で探すことには限界があるように思われます。
(仮にそのようなHPがあったとしても、卒論であるならば、
それをそのまま使うわけにはいきませんよね。)

とはいうものの、ネット上にはいろいろ便利なものがありますので
ご参考までに以下、ご紹介いたします。

◆英語についてのリンク(YAHOO! UK&IRELAND)(http://uk.dir.yahoo.com/Social_Science/Linguistics_and_Human_Languages/Languages/Specific_Languages/English/)
ここにリストアップされているサイトを片っ端からチェックしていくのも
面白いかもしれません。本格的に研究している人のサイトには役に立ちそうな文献リストが
でていたりしますから、それを参考に図書館などで参考文献を探すのもいいかも知れません。

◆語源(Etymology)(http://uk.search.yahoo.com/search/ukie?p=etymology&y=y&e=200253963&f=0%3A7825331%3A9197745%3A202718086%3A200253022%3A200253837%3A200253926%3A208974833%3A200253963&r=Social+Science%02Linguistics+and+Human+Languages%02Languages%02Specific+Languages%02English)
同じく、Yahoo! UK&Irelandのカテゴリですが、ほとんどのHPは名前に関するもののようです。
このなかでWilton's Etymology Page(http://www.wilton.net/etyma1.htm)はHPの内容そのものはともかく、参考文献リストは多少役に立つかもしれません。

一番おすすめしたいのはネットニュースのalt.usage.englishです。
英語に関することならなんでも幅広く取り上げているdiscussionの場です。
ここでstreetおよびroadの語源や意味の違い等について
意見や参考文献などを求めてみるのもよいのではないでしょうか。
(ただし、投稿者みんなが専門家という訳ではないので、
「意見」についてはきちんと裏づけを取る必要があると思いますが。)
alt.usage.englishについての詳しい説明はこちら。(http://www.alt-usage-english.org/)
(ここにある"FAQ"および"Resources"も文献等を捜すのに便利です。)

#ネットニュースの講読方法についてはプロバイダのサービス内容に書かれていることと思います。
 alt.english.usageはdeja.com(http://www.deja.com/group/alt.english.usage)でも閲覧可能ですが、
 Outlook ExpressやNetscape Messengerなどのメーラーでの講読の方が一般的と思います。
(どちらでも使いやすい方をどうぞ。)

…などといろいろ書きましたが、すでにご存知のことばかりかもしれませんね。(^^;)
その場合には、悪しからず。



street、road

佐藤和美 (2000/08/13 12:59)

「street」と「road」ですが、
今里智晃「英語の語源物語」(丸善ライブラリー)
の、P38からP44まで7ページにわたって説明があります。

また
梅田修「英語の語源辞典」(大修館書店)P21
も参考になりそうです。

簡単にいうと、
「road」はもともとのゲルマン語系の単語ですが、
「street」はラテン語に由来します。

「streetの語源はLL via strata(軍事用舗装道路)であり、wallの語源はL vallum(防壁)である。北欧の未開の森に囲まれて、粗末な丸太小屋に住んでいたゲルマン人にとって、石作りの城塞や舗装道路が目をみはるほどのものであったことを示している。」
(「英語の語源辞典」より)
LL:Late Latin
L:Classical Latin



Re: StreetとRoad

いばら (2000/08/13 13:42)

訂正と追加です。
>(文献を)ネット上で探すことには限界があるように思われます
と書きましたが、
「(ネット上の検索等で文献を)捜すことが難しい」という意味ではなく、
「ネット上に置かれている(つまりネット上で閲覧できる)文献には限界があると思う」
という意味でした。
(言葉足らずでした、ごめんなさい。)

Amazonで比較的手に入れやすそうな語源辞典を調べてみました。
Chambers Dictionary of Etymology (http://www.amazon.com/exec/obidos/ASIN/0550142304/o/qid%3D966140533/sr%3D2-1/102-5330386-7034525)
by Robert K. Barnhart (Editor), Sol Steinmetz (Editor)
Oxford Dictionary of English Etymology(http://www.amazon.com/exec/obidos/ASIN/0198611129/o/qid%3D966140533/sr%3D2-2/102-5330386-7034525)
by Onions, Charles T. Onions (Editor)
The Concise Oxford Dictionary of English Etymology (Oxford Paperback Reference) (http://www.amazon.com/exec/obidos/ASIN/0192830988/qid=966140533/sr=1-27/102-5330386-7034525?search-path-string=)
by T.F. Hoad (Editor)
The Barnhart Concise Dictionary of Etymology(http://www.amazon.com/exec/obidos/ASIN/0062700847/o/qid%3D966140533/sr%3D2-3/102-5330386-7034525)
by Robert K. Barnhart (Editor)

紀伊国屋や三省堂など、日本でも洋書を扱っている大手の書店にならあるかもしれません。
(大学の図書館で学生のリクエストに簡単に応えてくれるのなら取り寄せてもらうのも
いいかもしれません。)
上記リンクには使った人の評価も出ていますので、多少参考になるかも。



オドン

佐藤和美 (2000/08/21 16:43)

恐竜の名前で語尾に「ドン」がつく名前がいろいろあります。
イグアノドン
マストドン
プテラノドン

実は意味があるのは「ドン」ではなくて「オドン」です。
「オドン」はギリシア語で「歯」の意味です。

イグアノドンIguanodon
「イグアナ」+「odon」(ギリシア語:歯)
イグアナの歯に似た歯をもつということで命名された。

マストドン 
ギリシア語:「mastos」(乳房、乳首)+「odon」(歯)
臼歯に乳首状の小突起があることから。

プテラノドンPteranodon
ギリシア語:「pter」(翼)+「an」(否定辞)+「odon」(歯)
歯のない長いくちばしをもったこうもりのような特徴から命名。

(以上、「地学の語源をさぐる」(東京書籍)を参考にしました。)





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