言葉の世界・伝言板 2004年5月



cafe recio

風鈴’ (2004/05/31 23:00)

>「レシオRECIO」とは何でしょう。

それはスペイン語だと思います。



日本語を教えてください

ddc (2004/05/31 21:45)

日本語の疑問
犬が二匹いる(有兩隻狗)
二匹の犬がいる(有兩隻狗)
犬は二匹いる(狗有兩隻)
これら意味は正しいですか
教えてお願います



〜星人

青蛙 (2004/05/31 17:33)

水星人:Mercurian < Mercurius (Mercur-)
金星人:Venerian < Vevus (Vener-)*1
地球人:Terran < Terra (Terr-)
火星人:Martian < Mars (Mart-) 木星人:Jovian < Jupiter (Jov-)*2
土星人:Satrunian < Saturnus (Satrun-)
天王星人:Uranian < Uranus (Uran-)
海王星人:Neptunian < Neptunius (Neptun-)
冥王星人:Plutonian < Pluto (Pluton-)
月世界人:Lunarian < Lunaris(<Luna) + -an *3
太陽系人:Solarian? < Solaris(<Sol) + -an *4
レチクル座ゼータ星人:Zeta Reticulian < Zeta Reticuli [ζRet] + -an
 ( )内は語根

*1 旧ソ連の火星探査機 Venera
*2 某アニメの「ジュピトリアン」は間違い?
  Jupiterian なら英語としての造語なら不可ではない?
  (cf.Earthian)
*3 『プラネテス』に出てくる「ルナリアン」は正しかった。
  ただし、この形は英語なので、英語の発音に基づけば「ルーネ(ア)リアン」になる。
  Lunaris は Luna の形容詞形。
*4 Lunarian からの類推。Solaris は Sol の形容詞形。(cf.『ソラリスの陽のもとに』『惑星ソラリス』)

『研究社 英和大辞典』には
Earthling:「SF で宇宙人に対して」
Earthman:「SF で」
と注記されています。確かに「地球人」なんて言いまわしが出てくるのはSFくらいですよね。両者とも、英語成分による造語です。(Maniac.C さん説明済み)
 Earthian は本来の造語法からするとおかしいのですが、英語から造語したと考えれば間違いとは言えません。(私は個人的にこういう表現は遠慮したい)

 ところで、、Maniac.C さんは
> 羅語由来の“地球人”は terre-
> strial(E.T.のT.です)
と仰っていますが、古典語由来の「地球人」は上記のとおり Terran でしょう。もちろん、古典ラテン語時代に「地球人」なんて概念があったとは考えにくく、「SF で」のことでしょう。terrestrial というのは、本来、形容詞です。
 extraterrestrial は、本来「地球外の」という意味の形容詞で、名詞としては「地球外存在」と訳されていました。宇宙人に相当する「地球外知的生命体」としては extraterrestrial intelligence (ETI) といいます。CETI (Communication with Extraterrestrial Intelligence), SETI (Search for Extraterrestrial Intelligence) の -ETI です。映画『E.T.』以降、ET だけで「宇宙人」の意味あいで使われるようになったようですが。



乗車

はちこう (2004/05/31 15:43)

スペイン語では、バスやタクシーに乗ることには"subir"という動詞を使いますが、これは山に登る時にも使う単語です。
日本語では「登車」とか「乗山」はいいませんよね。
同じものに乗るのでも、言語によってずいぶんと感覚が違うものですね。



carと車2

高駒麗人Koma (2004/05/30 21:29)

車 k‘iăg → t∫‘iă → t∫‘iě → t.s. ‘ə (chē)
居 kiag → kio → kiu → tšü(jū)

中國ではエレベーターを「電梯」dianti、「昇降機(升降机)」shengjiangjiと呼びます。
中國では、エレベーターに乘るのを「乘車」chenhcheと言うのは聽いたことがありません。
「坐昇降機」zuo shengjiangjiと言いますが、人は昇降機内では立っているのが普通ですから「坐」zuoは理論上、變です。
日本語で「乗車」「乗船」は有りますが、「乗機」は聽いたことがありません。
「昇降機」や「飛行機」なら乘車でなく「乗機」でしょうか。
飛行機に乘るのは「乘機」でなく「搭乗(とうじょう)」です。
中國では「坐車」zuo che、「坐飛機」zuo feiji、「乘車」cheng che、「乘客」cheng ke、「乘坐飛機」chengzuo feijiは良く使われます。しかし「乘機(机)」cheng jiは流石に無いと想います。
boarding passは日本語で「搭乗券(とうじょうけん)」、シナ語では「登機(机)牌」dengjipaiです。「乘機」は使いません。

辭書を調べていて、市電軌道を英語でtramway [trǽmwèi]と言うのを知りました。
ロシア語とモンゴル語のтрамвай[tramvaj](蒙古語では[tramβaj])はこれでしょうか。

車もcarも、「車輪」と「人が乘る空間」を兩方指すようです。
日本語の中の漢語詞の場合、「馬車」、「驢馬車」、「牛車」、「汽車」、「列車」、「電車」、「貨車」では「車」が共通なので、「乘車」、「下車」という熟語と關連性が出來ますが、「エレベーター」や「タクシー」、「バス」などでは関連性がありません。それで「バス」に乘るのは「乘車」でいいとして「エレベーターは乘車する物か」という疑問が生じます。
「乘バス人數」「乘タクシー人數」「乘エレベータ人數」という言い方は出來ません。

シナ語では「公共汽車」「出租汽車」は「車」で、「昇降機」「飛機」はただの「機械」です。
嚴密には飛行機にも車輪はありますがヘリコプターには無く、helicopterは「廻轉するhelico翼pter」であり、「乘翼」と言うわけにはいきません。
シナ語ではヘリコプターは「直昇飛機」zhisheng-feiji(真っ直ぐに上昇する飛行機)または「旋翼飛機」xuanyi-feiji(廻る翼の飛行機)です。
ヘリに乘るのは「乘車」でなく「坐」zuoでしょう。
「乘機」「上機」「下機」という言い方が無いのは不思議です。



carと車

高駒麗人Koma (2004/05/30 21:28)

carはLatin語carrum,carrusからで原義は「2輪の馬車」だそうです。
(Genius英和辭典)

bus,truck,taxiは含まず、市街を走る電車(street car,tram car)は含み、列車の車輛も指します。
ロープウェイのゴンドラをも意味し、飛行船、氣球の吊り籠やエレベーターの箱(cage)も意味するようです。

日本語の「クルマ」の原義は本來、自動車の中で人が座る空間ではなく、路面と接觸した車輪でしょう。
リニアモーターカーやモノレイルは車輪が無くても「乗車」ですね。
リフトの場合は「乘客」または「座客」とでも言うべきでしょうか?
細かい場所で齒車的な部品はあるでしょうが。

「乗車(じょうしゃ)」の「車(しゃ)」はシナ語「車」chēからです。
車輪を軸止めでとめた一輪車を描いた象形文字で、その上に尻を乘せる,または乘せる物の意味です。「車輪」も「車輪と繋がった座席」も兩方意味します。
「車」という漢字はwheelを意味しますが、「車」と書かれるシナ語自體は「居」と同系のkiagの樣な單語だった樣です。

車k‘iăg → t∫‘iă → t∫‘iě → t.s. ‘ə (chē)
居kiag → kio → kiu → tšü(jū)

現代北京語では「汽車」qiche(car)や「火車」huoche(train)では「車」cheですが、將棋(象棋xiangqi)の「車」だけjuと發音します。
http://homepage1.nifty.com/forty-sixer/Hakone.htm
朝鮮語では「汽車」(train)は기차[ki-t∫’a]ですが、「自轉車」は자전거[t∫adzjəngə]です。dzjは口蓋化したdzです。
この거gəは「居」の發音でしょう。
「乘車」chengcheが「乘居」chengjuであれば、エレベーターに乘るのが「乘居」でも納得できます。



espresso latte

高駒麗人Koma (2004/05/30 20:21)

風鈴’さんへ
Tanto Grazie.
明治乳業で「カフェレシオCAFÉ RECIO、エスプレッソラテESPRESSO LATTE」という珈琲飮料があります。
「レシオRECIO」とは何でしょう。
イタリア語ではciは「チ」と讀むのでは?
「ダヴィンチ」はDa Vinciでしょう。
シシリーSicily島はイタリア語でシチリアSiciliaだと辭書に書いてあります。
(六本木にSiciliaというイタリア料理店が有った氣がする)

Genius英和辭典より
fresco [fréskou]
【初16ċ;イタリア語fresco(新鮮な=fesh).al fresco(塗り立ての(しっくい壁面に))の略】[名](複〜es,〜s)《絵画》フレスコ《塗りたてのしっくいに水彩で描く画法》;フレスコ壁画

因みに、“al fresco”は、こういう説明です。
alfresco,al fresco [ælfréskou] 【イタリア】[副][形] 戸外[野外]で[の]

大連にある瑞士(スイス)ホテルの册子の英文で、料理の紹介をする文に“alfresco barbecue”という表現があり、英和でfrescoを引いたら「壁画」と出ていて、チンプンカンプンだったのを覺えています。Outdoor barbecueの意味だとわかったのは少しあとでした。



用言の連體形「的」deを「の」

高駒麗人Koma (2004/05/30 20:03)

僞中國人さんへ
我輸入了[口馬],在這个傳言板上漢字都變成亂碼。

在日語當中,標示連體形的「の」,福澤諭吉也用過[口馬]?
那麼,學習日語的中國人往往説「私が買ったの本」「私が話すの時」等等不一定是錯誤。



(無題)

出雲のおくに (2004/05/30 19:08)

はじめまして
さて、私の故郷の出雲地方では、古代朝鮮語?の名残がその方言にあると言われております。例えば、ありがとうを表現する{だんだん}は朝鮮語の古語のアクセントと言われております。今はカムサハムニダなので古語まではよくわかりませんが、ものの本によれば
言語の民俗学的見地からどうもそのような流れが考察されるようです。
今後の研究に興味のあるところではあります。



エレベーターの「乗車」人数

語源ファン (2004/05/29 14:18)

衆知のことですが、「エレベーター」は米語から来ています。英語ではliftです。米語では、エレベーターの人が乗る部分をcarと言います。つまり、電車の「車両」と同じです。日本語として違和感があることは理解できますが、carに乗るのですから「乗車」となることは、英語の発想に影響されることが多いこの種の業界では当然のことと考えられます。ちなみに、ロープウェイのゴンドラも、気球の人が乗る部分もcarです。
「エレベーターに乗車する」は「乗る」で間に合うので、不自然でしょうが、「エレベーターの乗車人数」は自然な感じがします。



用言の連體形「的」deを「の」

偽中国人 (2004/05/29 01:47)

高駒麗人Komaさん:これを日本語に採用しても良さそうなものです。

何を隠そう(不瞞{イ尓/心}説)
嘗て日本の中世に採用されたことがあるのです。
http://www.tetsureki.com/home/library/shiryoukan/jouei2.html
さてこの式目をつくられ候事は、なにを本説として被注載之由(ちゅうしのせらるる“の”よし)・・・・
http://web1.aaacafe.ne.jp/~yataro/jyouhou.htm
去る三日、即時に攻め崩し、大利を得らるる“の”由
http://www.asahi-net.or.jp/~hd1t-situ/azuma/118905.html
義経を誅しをはんぬる“の”由、泰衡申し送り候所なり。
院宣を下さるる“の”間
大宮より仰せ下さるる“の”状の如きは・・・

坂本龍馬の書簡より
http://www.sky.sannet.ne.jp/moesaki/tegami/tegami.html
同志を募り、朝廷よりまず神州をたもつ“の”大本をたて、

福沢諭吉先生も使っていらっしゃいます。
http://www.nogami.gr.jp/rekisi/sanda_sizoku/6_syokan/syokan3.html
今 此貧民を救わん“の”策は・・・
原書壱枚を訳するには二十枚を読む“の”時刻を費す。
誠の道を求め一身を修る“の”術は他に有之間敷

次は啄木の書簡でしょうか?
http://www.echna.ne.jp/~archae/kantenti/potyomukin.htm
兄が生の住所を問ふ“の”飛信妻が家に来れりと聞き・・・



caffe fresso :商標の外国語

風鈴’ (2004/05/28 22:43)

高駒麗人Koma さん>

>最近でたCaffe Fressoは「新鮮な珈琲」ですか?

英語の fresh にあたる語として最も普通なイタリア語は、fresco です。fresso という形は、辞書的にはないのですが、実際には、fresco あるいは freddo (冷たい)が入っておかしくないところに、fresso と書いている例があります。

商品名としては、文法的にも正しく、普通に使われている、あたりまえの表現では、商標登録しにくいので、わざと変わった形が使われることがあると思われます。先日の vita rosso も、あるいはそういう理由から、わざとありえない形にしているのかもしれません。

以前、森永の「Caffe Latte」という商品(名前の通りの飲料)には、その文字のところに、登録商標のマークがついていたので、こんな言葉が登録できるのかと、不思議に思っていました。ところが、コンビニで確認したところ、現在はマークがついていません。ほぼ同じロゴで「Caffe Latte」と書いた他社の商品が一緒にならんでいます。

「ジョージア」ブランドがわざわざスペイン語の「cafe leche」を使用していたのも、その関係かと思っていたのですが、現在の製品カタログには、cafe leche , caffe latte の両方が載っています。

このあたりの背景には、なにか面白い事情があったのでしょうか。それとも勘繰りすぎなのでしょうか。

「どのような商標が登録にならないのか(特許庁)」
http://www.jpo.go.jp/tetuzuki/t_gaiyou/mitoroku.htm
によると、時計について「時計」という商標は登録できないとなっていますが、外国語で「時計」そのものを表わす語(たとえば、シゲとか)は、どういう扱いになるのかが、いまひとつよくわからないのですが……。



英語專門局がパリに初開設

高駒麗人Koma (2004/05/28 15:12)

「英語が國際語になっているこの時代に、パリで英語專門局が今頃できたのか」と取るか、「今まで英語專門放送局を設けていなかったとは、フランスもなかなか偉い」と取るか、皆樣にお任せ致します。

2004年5月25日朝日新聞朝刊
英語專門局がパリに初開設
アラビア語やセルビア語、アルメニア語など、多彩な外國語專門のラヂオ局があるフランスで、初の英語專門局が今月、パリにお目見えした。
新聞やテレビも含め、地域情報を傳える英語メディアがパリにないのが「不思議でたまらなかった」というオーストラリア人辯護士が開局。當面はケーブル局などを通じての放送だが、將來はFM放送も目指すという。
英語への反撥が強いとされてきたフランス人だが、最近は地下鐡驛にも英会話學校の廣告が堂々と登場している。もっとも、英米文化の浸透に~經をとがらせるフランスの法律に從い、番組で流す音樂の4割以上はフランスの曲にするという。
(パリ=澤村亙)

http://ca.search.yahoo.com/search/ca?vc=&p=english+paris+radio+station
http://fr.search.yahoo.com/search/fr?p=+anglais+radio+&ei=UTF-8&fr=fp-tab-web-t&x=wrt&y=y



re: parfait 전と지짐이

高駒麗人Koma (2004/05/28 14:57)

re: parfait 投稿者:Maniac C.さんへ
>日本人や英國人がフランス語で、ただ漠然と「parfaitが好きだ」とか行っても、フランス人は「何の『完全』が好きなんだ」と言い返してくるかもしれません。
>→ご安心ください。実物はちと異なると思いますが、“J’aime le parfait bien.”でちゃんと通じます。ま、場面にも依存しますが。“le fruit parfait”などと限定詞を付けると、より確実でしょう。

Bien Merci.
この場合「フランス人」は「フランス語圏の人」と言うべきでしたか。
“le fruit parfait”は「完全な果物」という漠然とした意味に取られると想いました。
Casa-Blancaは、日本ではAfricaのMoroccoの都市(其れを題材にした映畫と歌)であり、「カサブランカ」がワシントンにあるとは言いません。しかしスペイン語圈では、モロッコだろうとワシントンだろうと白い家はCasa-Blancaですから、日本人や英國人がスペイン語圈で「カサブランカの寫眞が觀たい」と言ったら現地の人は「何處の『白い家』じゃ」と言うかもしれませんが、環境次第では理解してもらえるかも知れません。

NHK朝鮮語講座のテキストで韓國人女性が書いていましたが、日本人から「チョン(전jeon)」や「チヂミ(지짐이jijimi)」について質問され、最初は何の「チョン」や「チヂミ」なのかわからなかったそうです。

「전(jeon)」はシナ語「煎」jianの朝鮮語發音で、「지짐이(jijimi)」は「煎」と同義の朝鮮固有語動詞「지지다(jijida)」の名詞形であり、言わば「〜燒き」「〜煮」「〜炒め」の樣な調理法の名前に過ぎません。
ですから、具體的に何を調理したのか言わないと、nativeには却って理解できない樣です。

日本語では「燒き物」は「燒いた陶磁器」で、「鐵板燒き」は「鐡板で燒いた肉や野菜など」です。「すき燒き」は何を燒いているか名前からは不明で、東京の其れは「淺い鍋で牛肉と野菜を煮た物」ですから「牛鍋」の方が適切です。



re: あいまいな日本語 「女が好きな男」どっちがどっちを好(す)いているのか

高駒麗人Koma (2004/05/28 14:30)

re: あいまいな日本語 「女が好きな男」どっちがどっちを好(す)いているのか
>■私が最近聞いて誤解したのは、「ブッシュ大統領が大嫌いなマイケル・ムーア監督の撮った『華氏911度』…」という表現で、一体、大統領と監督、どちらが主体でどちらが対象なのか、映画の内容を聞くまで判りませんでした。

「ブッシュ大統領がとても嫌っている」に對して「ブッシュ大統領をとても嫌っているマイケル・ムーア監督の撮った『華氏911度』…」と言い分ければ便利です。
「ブッシュ大統領『はwaがga』大嫌いな」「ブッシュ大統領『をwoがga』大嫌いな」という言い分けができません。
また「大統領が嫌う監督の映画『華氏…』」では監督を嫌っているのか映畫を嫌っているのかも不明です。

「猫が嫌いな犬」は「猫討厭的狗」mao taoyande gou(猫が嫌っている犬)なのか、「討厭猫的狗」taoyan mao de gou(猫を嫌っている犬)なのか不明です。

「好く」「好む」「嫌う」は他動詞で、「女を好く(好む)男」「女が好く(好む)男」、「大統領が嫌う監督」「大統領を嫌う監督」と言い分けるべき物です。
しかし、他動詞「好く」「嫌う」の連用形「好き」「嫌い」が形容動詞となり、「私は…が好き」「私は…が嫌い」という「AはBがC」構文になったのは悲劇でした。いつ、どうしてこういう変化がおこったのか不思議です。

「女が好きな男」も同樣で、どちらが主體でどちらが對象なのか前後關係拔不明です。
シナ語に飜譯する場合、
「『女が』好む男」ならば「女人喜歡的男人」nuren xihuan de nanren、
「『女を』好む男」ならば「喜歡女人的男人」xihuan nuren de nanrenです。

また、「好き」を使うにしても、「『女はが』好きな男」「『女をが』好きな男」と言えないのが日本語の缺點です。

「男好み」は「男が好む女性」で、「男好き」は「男を好く女」でしょうか?

http://www.geocities.co.jp/Playtown-Denei/7535/s_del.html
20年程前に太田貴子さんが唱った「デリケートに好きして」(1999年に「快進撃テレビうたえもん」で披露)は、曲を作った人が、自動詞loveに相當する「愛する」に近い表現としてlikeに相當する日本語「好きする」を創ったのでしょう。しかし廣まりませんでした。



re: 二重助詞

高駒麗人Koma (2004/05/28 13:54)

re: 二重助詞 投稿者:高駒麗人Koma
Maniac C.さんへ
「での」「への」「との」「からの」「よりの」がありましたね。
それで「*がの」「*をの」「*にの」とは言えないのは矢張り不便です。
「私がの繪」は「私が描いた繪」、「私をの繪」は「私を描いた繪」です。

シナ語であれば、動詞の「描く」は「畫(画)」hua、名詞の繪は「畫兒(画儿)」huarで、動詞「畫(画)」の前に「我」woが來れば「我畫(画)」wo hua(私が描く)、後であれば「畫(画)我」hua wo(私を描く)です。從ってこう言い分けます。

「我畫(画)的畫兒(画儿)」wo-hua-de huar(「私が描いた繪」、画家の談)
「畫(画)我的畫兒(画儿)」hua-wo-de huar(「私を描いた繪)、モデルの談)

中國人が日本語を話すと、「私が描いたの繪」「私を描いたの繪」と言う風に用言の連體形「的」deを「の」に直譯しますが、これを日本語に採用しても良さそうなものです。



re: 遺憾に思いますと「殘念」

高駒麗人Koma (2004/05/28 13:51)

re: 遺憾に思いますと「殘念」
高橋尚子選手がアテネ五輪選考から外されたとき、小泉總理は「もう一人掾i増)やせないの?殘念だなあ」とコメントしていました。「殘念」であれば普通の詞(ことば)でしょう。

しかし、「遺憾」であればどうでしょう。もし、誰かが「私は、高橋尚子選手がアテネ出場枠から外れた事に對し『遺憾』に存じます」などとコメントしたらどうでしょう。

これは總理や我々でなく選考委員か五輪關係者の談で出て來そうです。
高橋選手を外した役員が、自分でも負い目があるのを何か誤魔化す爲のコメントで「尚子選手落選は『遺憾』」が出て來る樣に想えます。

假に小泉さんが「遺憾に存じます」と言うとしたら、「平壤での金正日總書記との會談が午前中で終わったのは遺憾」「殘る10人の歸國が實現していないのは遺憾」「年金や經歴で不明な點があったのは遺憾」の樣に自分のミスと思われかねない事について話す場合に言いそうな感じです。



Re:“皇太子さまの人格否定発言”

偽中国人 (2004/05/28 03:12)

“皇太子さまの人格否定発言”という名物化(Nominalize)された句を正しく理解するためには
“人格”、“否定”、“発言”の三つの語に拘わる主体(=誰)が明らかにならなければいけません。
1.“妃殿下”には“人格”がある。
2.“宮内庁関係者”が“人格”を“否定した”。
3.“皇太子さま”が御“発言”なさった。

“皇太子さまの人格否定発言”という表層構造surface strustureからは上記1.と2.の主体が隠蔽されて、
発言という行為の主体である
“皇太子さま”がクローズアップされていて、
その結果“人格を否定する”といった
人道に反する罪を犯した主体の存在は
ウヤムヤにされて、
“皇太子さま”が暴露したことが世間を騒がせた、
その事自体が迷惑であるかのように
読み取ることができます。

“皇太子さまの人格否定発言”という句がwell-formed phrase、「造作のよい句」かという問題もあります。
“皇太子さま”と“人格否定”とは深層構造において、主述関係、修飾被修飾関係にはありません。
中国語の「的/之」は日本語の「の」とよく似ていますが、主述関係、修飾被修飾関係のない“皇太子さま”と“人格否定”の間に「的/之」を挟んで“太子「的/之」人格否定”というと意味が正しく伝わりません。
“太子「的/之」人格”・・・・・この句はacceptable理解できます。しかし主旨が違います。
“太子「的/之」否定”・・・・・皇太子が否定する(した)こと。
“太子「的/之」発言”・・・・・皇太子が発言する(した)こと。

類例を見つけました。
http://www.google.co.jp/search?q=cache:52YE-fYohhwJ:www.aladding.com/preViewNews.cfm%3FtitleID%3D192709+%E4%BA%BA%E6%A0%BC%E5%90%A6%E5%AE%9A&hl=ja

〔一篇対賀家通盤人格否定的判决〕〔立刻傳遍世界〕。通盤=全面的な。賀一家の(に対する)全人格を否定する判決がたちどころに世界中に伝わった。
上記の記事では否定の対象を“対賀家”と介詞(前置詞)“対”で表現しています。

“皇太子さまの人格否定発言”という変な句の背景には昨今の“れる、られる”を用いた御手軽敬語が隠れているかもしれません。

受身の“否定された”と、尊敬語の“発言された”の共通部分“された”がひとつ纏められて、“否定発言”の後ろに“された”を補うように原稿作成者が期待しているのか、と想像します。

「雅子さまのキャリアと人格否定」とする方がよいかも知れません。
他認為雅子的(職業 )生涯和人格受到否定是事實。他=皇太子さまは雅子(様)のキャリアと人格が否定されたことを事実と考えている。

傳宗壓力罩頂 日雅子妃生涯變調(http://news.chinatimes.com/mainpage.htm)
他還説了前所未有的重話 ,認為相關單位有否定雅子的生涯人格的傾向 。他=皇太子さまは未だ嘗てないような重大な話をしました。宮内庁当局が雅子(様)のキャリア(“生涯”)と人格を否定する動きがあると考えると。

コ仁為雅子抱屈 (皇太子)コ仁、雅子(様)のことで悔しい思い(=抱屈)。

結局“皇太子さまの人格否定発言”という句は主語、述語、能動、被動の対応関係を無視した論理無視のひどいフレーズであるといえます。



車とは何でしょうか?

本読み (2004/05/27 21:40)

車とは「円い輪」という定義が正しいのでしょうか。例えば、雪上車はどうでしょうか。時代が進んでいくうちに本来の定義付けが変わってしまうものもあるように思います。そこへいくと、エレベータを「昇降機」と銘々した戦前の人は中々どうして。
車がついていない車は沢山あると思います。時代に合わせて言葉も変化していくのは仕方のないことではないでしょうか。



Re: エレベーターは車か?

はちこう (2004/05/27 18:25)

「乗員」という言葉はよく使われますよね。
この記事も「乗員数に応じて‥‥」という書き方だと違和感が少なかったかも。



エレベーターは車か?

あっちゃん (2004/05/27 12:46)

今朝の毎日新聞新製品ニュースにて(三菱電機ホームページにも同様の”乗車”の文字
三菱電機、乗車人数に応じて変速するエレベーターシステムを開発
三菱電機株式会社(執行役社長:野間口 有)は、エレベーター速度を乗車人数に応じて速めることができる可変速エレベーターシステムを開発しました。このシステムは、エレベーターのかごとオモリの重量バランスを利用し、エレベーターを定格速度※1 以上の速度で走行させることにより運行効率を向上させ、待ち時間や乗車時間を短縮します。
辞書に乗車や乗員はあるが乗者は無いので乗車を使っている。
辞書の乗車には、自動車や電車は書かれているが、エレベーターは無い。
エレベーターも滑車というりっぱな車を使ってワイヤーというフレキシブルなレールを使うのだが、読む者には違和感がある。エスカレーターやケーブル、リフトなども乗車なのだろうか?
”乗者”は存在しないのか?



re: 二重助詞

Maniac C. (2004/05/27 02:40)

>高駒麗人Komaさん
>日本語は「誰かが雅子樣の人格『をも』否定した」という樣に「をも」という二重助詞を使えますが、これには限りがあります。
>例えば以下の樣な言い分けは習慣上有りません。
>「皇太子樣『がの』人格否定」(皇太子樣が誰かの人格を否定する事)
>「皇太子樣『をの』人格否定」(誰かが皇太子樣の人格を否定する事)
→ちょっと註釈が必要です。
■「をも」は、格助詞+副助詞で、「*がの」「*をの」は、格助詞+格助詞です。
単純に〈二重助詞〉という用語でこれらを一括りにすることは出来ません。
■同じ格助詞+格助詞の例で、「での」「への」「との」「からの」「よりの」とは
言えても、「*がの」「*をの」「*にの」とは言えない、と仰るなら何の問題も無いと
思います。(前者は副詞的な格で、後者は文法的な格だからです)

■現代漢語の例は勉強になります。有り難う存じました。



re: 遺憾に思います

Maniac C. (2004/05/27 02:19)

>はちこうさん
>「遺憾」というのは、本来はいったいどういうニュアンスで使われるのが正しいのでしょうか?
→『大辞林』には「自分の行動を釈明してわびる場合にも、相手の行動に対して非難の
気持ちを表す場合にも用いる」と有ります。
■「遺憾」を訓読みすると「うらみをのこす」で、「残念」とほぼ同意です。
■『全訳古語例解辞典』で「うらむ」を調べますと、「期待・予想などに反することを不満に思い批難の気持ちを抱く」と有ります。
■つまり、「相手の、自分に対する期待・予想などに反することを、自分で不満に思い、
自分への批難の気持ちを抱く」場合に「自分の行動を釈明してわびる」ことになり、
「自分の、相手に対する期待・予想などに反することを不満に思い、相手への批難の
気持ちを抱く」場合に「相手の行動に対して非難の気持ちを表す」ことになるのです。
■「欠陥隠しをしていたことを遺憾に思う」は「欠陥隠しをしていたことを残念に思う」
とほぼ同意です。そう考えると、どうも「欠陥隠しをしていた」人物・団体と「残念に
思う」人物・団体とが同一人物ではないように感じられます。ところが、「申し訳あり
ませんでした」と言われると、「欠陥隠しをしていた」人物・団体と「申し訳なく」思う
人物・団体とが同一人物であるように感じられるから不思議です。それが、はちこうさん
の「違和感を感じ」る原因ではないでしょうか。



re: あいまいな日本語

Maniac C. (2004/05/27 02:17)

“皇太子さまの人格否定発言”をパソコン・ソフトで英訳するとどうなるでしょう?
→やってみました:
The personality denial speech of the Crown Prince(WorldLingo, BabelFish, Systran)
The Crown Prince's character negative remark(Amikai)
■ま、別に英語でも、この語法の曖昧さは解消されません。
■解りやすい例を挙げれば、my father’s picture なんてのがそうです。この句の意味
は「父が描いた絵」「父を描いた絵」「父が所有している絵」と三通りの解釈ができます。
偽中国人さんが仰るとおり、「時に主格を表わし、時に目的格を表わし、時に所有格をあらわす多義」表現なのです。洋の東西を問わないわけですね。(^^)
■中国語ではどうなのでしょう?>偽中国人さん

■私が最近聞いて誤解したのは、「ブッシュ大統領が大嫌いなマイケル・ムーア監督の
撮った『華氏911度』…」という表現で、一体、大統領と監督、どちらが主体でどちらが
対象なのか、映画の内容を聞くまで判りませんでした。



re: parfait

Maniac C. (2004/05/27 02:16)

>高駒麗人Komaさん
>日本人や英國人がフランス語で、ただ漠然と「parfaitが好きだ」とか行っても、フランス人は「何の『完全』が好きなんだ」と言い返してくるかもしれません。
→ご安心ください。実物はちと異なると思いますが、“J’aime le parfait bien.”
でちゃんと通じます。ま、場面にも依存しますが。“le fruit parfait”などと限定詞
を付けると、より確実でしょう。



“皇太子さまの人格否定発言”2

高駒麗人Koma (2004/05/27 01:08)

現代漢語では、以下の樣に區別します。
「否定 人格」fouding renge(「人格」rengeを「否定」foudingの次に置いて目的語であることを示す)
「把人格 否定」ba-renge fouding(「人格」rengeの前に「把」baを置き、動詞の前に目的語であることを示す)
「人格 被否定」renge bei-fouding(「人格が否定される」、「否定」foudingの前に「被」beiをつけて「〜される」を示す)
“皇太子さまの人格”を否定する“誰かの”発言
1、
→ 誰かが(某人)・皇太子の人格を否定する所の(否定皇太子人格的)・發言(發言)
→ 某人 否定皇太子人格的 發言
 mouren fouding-huangtaizi-renge-de fayan

「誰か」は「有人」youren、複數なら「有些人」youxierenも有り得ると想います。

2、
→ 誰かが(某人)・皇太子の人格を(把皇太子人格)・否定する所の(否定的)・發言(發言)
→ 某人 把皇太子人格 否定的 發言
 mouren ba-huangtaizi-renge fouding-de fayan

“皇太子さまが誰かの人格を否定する”發言
1.
→ 皇太子様が(皇太子)・誰かの人格を否定する所の(否定某人人格的)・發言(發言)
→ 皇太子 否定某人人格的 發言
 huangtizi fouding-mouren-renge-de fayan

2.
→ 皇太子樣が(皇太子)・誰かの人格を(把某人人格)・否定する所の(否定的)・發言(發言)
→ 皇太子 把某人人格 否定的 發言
 huangtizi ba-mouren-renge fouding-de fayan

「某人否定皇太子人格的發言」mouren fouding huangtaizi renge de fayan
これは
「誰かが皇太子の人格を否定する發言」
「誰かが皇太子の人格の發言を否定する」の2とおりに取れます。

「皇太子否定某人人格的發言」
これも
「皇太子樣が誰かの人格を否定する發言」
「皇太子樣が誰かの人格の發言を否定する」の2とおりに解釋できます。

中國では、こう報道されているようです。
「日本皇太子稱太子妃人格遭否定 但拒絶透露細節」
Riben huangtaizi cheng taizifei renge zao doufding dan jujue toulu xijie.

細節は xijieです。

(日本の皇太子が・稱した=言った、皇太子妃の人格が・否定に遭った=否定された、但し細かい事を言うのは避けた)

http://gb.chinabroadcast.cn/3821/2004/05/11/144@155579.htm

http://www.google.co.jp/search?q=%E6%97%A5%E6%9C%AC%E7%9A%87%E5%A4%AA%E5%AD%90%E3%80%80%E5%90%A6%E5%AE%9A%E3%80%80%E4%BA%BA%E6%A0%BC&ie=UTF-8&hl=ja&lr=



“皇太子さまの人格否定発言”

高駒麗人Koma (2004/05/27 01:07)

日本語は「誰かが雅子樣の人格『をも』否定した」という樣に「をも」という二重助詞を使えますが、これには限りがあります。
例えば以下の樣な言い分けは習慣上有りません。
「皇太子樣『がの』人格否定」(皇太子樣が誰かの人格を否定する事)
「皇太子樣『をの』人格否定」(誰かが皇太子樣の人格を否定する事)

金田一春彦氏が「日本語」(上下2卷、岩波新書)で書いています。
「私の繪」は「私をモデルに描いた繪」なのか「私が描いた繪」なのか不明です。
「私がの繪」、「私をの繪」と言えないのが不便です。

ちなみに
「人格否定發言」は發言の主が人格を否定するのか否定されるのか不明です。
これは「人格否定」「人格被否定」を區別できないからです。

英語ではどうでしょう。翻譯ソフトで實驗してみるしかありません。
http://news.bbc.co.uk/1/hi/world/asia-pacific/3512483.stm
>Japanese princess 'exhausted'
>Crown Prince Naruhito of Japan has said his wife, Princess Masako, is exhausted from the pressures of royal life.(BBC correspondent in Tokyo)

http://www.google.co.jp/search?hl=ja&ie=UTF-8&q=japanese+prince+masako+talks&lr=



遺憾に思います

はちこう (2004/05/26 13:11)

はちこうです。
長年日本人をやっているのですが、正確な意味がつかめない言葉があります。
「遺憾」
ニュースなどをみていると、エライひとたちは、じつによく「遺憾に思って」いるようです。
しかし、すまないと思って謝っているときにも、他の誰かの悪事に対して怒っているときにも、どちらでも使われますよね。
しかも、シチュエーションによってはどちらでも意味が通じることがあります。
自動車会社が欠陥隠しをしていたというニュースでは、自動車会社のエライひとが「遺憾に思って」いたようですが、「欠陥隠しをしてすみません」なのか「欠陥隠しをした担当者に憤りを感じる」なのか判りませんでした。
(後に頭を下げて「遺憾に思って」いる映像を見たら、反省しているほうの意味なんだと判りましたが。)

堅苦しくて威圧的な雰囲気のある言葉なので、謝るときに使われる「遺憾」には、私はどうも違和感を感じてしまいます。
どうして素直に「申し訳ありませんでした」と言えないのだろうかと。
意味が曖昧な言葉を使ってお茶を濁そうとしているだけなんじゃないかと。

「遺憾」というのは、本来はいったいどういうニュアンスで使われるのが正しいのでしょうか?
もちろん、言葉のニュアンスは時代やコミュニティーによって変わるものではありますが、「遺憾」という言葉が使われはじめた当初は、どういう意味だったんでしょうね。



あいまいな日本語

偽中国人 (2004/05/26 04:03)

TVニュースの中に
“皇太子さまの人格否定発言”というフレーズがありました。
“の”という助詞は時に主格を表わし、時に目的格を表わし、時に所有格をあらわす多義語です。
この話題の経緯を知らない日本語学習中の外国人学生は
“皇太子さまの人格”を否定する“誰かの”発言、と解釈するかも知れないし
“皇太子さまが誰かの人格を否定する”発言をした、と解釈するかも知れない。

“皇太子さまの人格否定発言”をパソコン・ソフトで英訳するとどうなるでしょう?



『子供』は差別語!?

偽中国人 (2004/05/26 03:44)

女房もあり子供もある40過ぎの息子を把(つか)まえて爺様が(40過ぎても爺様の目から見れば)まだまだ“子供”じゃわい、と罵倒の気持ちを籠めて「子供」呼ばわりした場合、

「子供」という単語も罵倒語です。

昔“赤胴鈴之助”というラジオ・ドラマのオープニングに
“ちょこざいな小僧目、名を名乗れ”
“赤胴鈴之助だ”
というのが有りました。



espresso

高駒麗人Koma (2004/05/26 01:32)

風鈴さんへ
http://www.meinyu.co.jp/caffefresso/index.html
di espressoという表現もあるのですか。

最近でたCaffe Fressoは「新鮮な珈琲」ですか?
CMの歌では、Caf-fe F(u)-res-soの樣にフレッソのフに1音符あてています。
globeの「FREEDOM」もFに1音節で唱っていますが。

わしはCaffe Pressoかと思って「Espressoの略か」と勘違いしていました。

日本語と英語では「エスプレッソ」Espressoはイタリアの珈琲の名前ですから、「エクスプレス」expressとは別の詞(ことば)ですね。
しかし本場イタリアでは、例えば日本語や英語で「エクスプレス」expressあるいは「速く料理する物」という表現をする樣な廣いケースでespressoを使うわけですね。
すると日本人が「エスプレッソ珈琲」のつもりで、イタリア語で「エスプレッソがすき」「エスプレッソください」と言っても、意味が漠然としすぎて、イタリア人は「何のエスプレッソですか?」と首をかしげる事もあるかもしれません。
イタリア語では特にcaffeをつけてcaffe espressoと言わないと、espressoだけでは珈琲の名前にはならないのかも知れませんがどうでしょう。

最近知ったのですが、フルーツパフェやチョコレートパフェの「パフェ」parfaitは、日本語や英語ではグラスに入れたチョコレートや果物みたいな物ですが、本來、フランス語ではparfaitはperfectのフランス語版で「完全な」「全部そろった」という意味のようです。
すると日本人や英國人がフランス語で、ただ漠然と「parfaitが好きだ」とか行っても、フランス人は「何の『完全』が好きなんだ」と言い返してくるかもしれません。



Russkij Chinaman Chinese

高駒麗人Koma (2004/05/26 01:15)

ManiacCさんへ
詳しいご説明ありがとうございます。

>Русскийは國家・民族名Рус(с)Rus(s)と形容詞語尾ский skijの連續でしょうか。→Нет.ロシヤ・ロシヤ人を表す古露語は Русь です。

するとРусскийはРусь+скийでしょうか?

以前、ネット上の「支那」呼稱問題論議を見て「英語でもChinamanは蔑稱」という意見がありました。
しかしChineseは「シナ人、中國人」よりは「シナの、中國の」と言っている樣な物で、こちらの方がだらしない言い方です。
eseも「〜人」なら、He spreaks Chinese.は「彼はシナ人(の言葉)を話す」になります。
ロシア語を覚えたとき
Я говорю по-русски.
という文のрусскиの次にязыкをつけないのが、どうも舌足らずな氣がしました。

ChineseとChinamanは「〜人」を表すeseとmanの違いです。
「シナ人」が良くないから「中國人」にすべきだという場合は、民族名「シナ」(元來は國名「秦」)と國名「中國」の違いですから、これを英語に當てはめるとChinamanを*Zhongguoman、Chineseを*Zhonggueseにでもすべきという事になります。
^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^



差別語

きしろふ (2004/05/24 21:14)

ホンマにお久し振りですわ(笑)

以前この掲示板でも「『子供』は差別語!?」という話題がありました。
改めて「子供」が差別語というのは差別意識に過剰に反応していると思えます。
あと「坊主刈り」に関しても以前お坊さんから(マスコミへ)抗議があって、それ以後「坊主刈り」は使っていないとか。それなら「丸刈り」?「スポーツ刈り」?



差別語の言い換え

偽中国人 (2004/05/24 02:41)

厚生省は先頃「痴呆(老人)」に差別意識がこもっているとして、別の言い換えの言葉を検討する方針を発表しましたが、言葉を変えてみたところで、差別意識そのものを無くさない限り、差別的言葉が増加するばかりで、キリがないと思います。

さっき偶々TVのチャンネルを変えているとMBS(毎日放送)で放送中の
1988年のアメリカ映画「ヤングガン」(監督クリストファー・ケイン) の中で、「先住民め」という字幕が出てきました。米語の台詞では"Navaho"と言っていました。

せっかく「インディアン印第安人」を止めて「先住民」という言葉を創り出したのに、あのように罵倒する場面で「先住民め」という字幕を出すと、今後「先住民」という言葉の用法として貶損の義が人々の記憶に追加されることになり、再度「先住民」に代わる言葉を捜さなければいけないことになります。

"Navaho"が北米先住民の一種族であるということは米国開拓時代の時代劇を見る際の基礎知識であって、それを注釈するように「先住民め」と字幕をつける必要はなく、一般的な「この野郎」程度に留めておくべきであったと思うのですが。



前置詞のdi

風鈴’ (2004/05/23 21:41)

>Caffe Espressoは、もし強引にdiを挟むとCaffe di Espressoでしょうか。
>ひょっとしてdiの次が母音ですとdiのiが省かれてCaffe d’Espressoになるのでは?

強引にというか、名詞としての espresso に前置詞の di がつくことはあり得ます。

di は d'argento (銀の) d'oro (金の)など、母音の前で省略形になることはかなり多いですが、フランス語の de の場合と違ってそういう規則になっているわけではないので、di のままであることも、また多数あります。
d'espresso というと、なんとなくフランス語のような感じがしますね。



残り

Maniac C. (2004/05/23 02:39)

>高駒麗人Komaさん

【-ite】
>一方JapanはJapaneseですが「東京の」「大阪の」はどうなのか。
>「東京都民」はTokyoishなのかTokyoerなのか、Tokyoiteなのか。
→一般的な“東京都民”を意味する単語は、Tokyoite でしょう。辞書にも載っています。
“大阪府民”は Osakans と言うようです。こちらは辞書には載っていません。

>このiteは何でしょう。
→“〜に関係の有る人、〜の構成員”を意味する、希語由来の接尾辞です。

【その他】
>火星Marsに對して火星人はMartian、
>地球Earthに對して地球人はEarthlingですが、
>こうなると不規則で覺えられません。
→“火星人”は羅語 Ma:rtius に由来し、“地球人”のゲルマン系の単語が earth-
ling です。他にも、Earthian や earthman という言い方も在ります。Earthianなら、
Martian と同じ形式ですから、覚えやすいのでは? 羅語由来の“地球人”は terre-
strial(E.T.のT.です)と言います。
■高駒麗人Komaさんが英語学習者を代表して「不規則で覺えられません。」とこぼす
のには理由が有って: 1つには、系統の違う単語が入り混じっていること; そして
もう1つには、日本語と違って、場所+人という単純な語構成になっていないこと。
その単語ごとに形容詞形をどう作るのか、知らなければいけないからです。

>CaesarはCの次にaが来るのに英語ではsi:zəの樣にcが[s]になる例外的な人名です。これもCeaserとでも書けば納得できます。Æがeと同樣、前舌だからですね。
→Partly no. 現代英語の綴りは先祖返りしたものです。古期英語では Ca:sere と
母音は/a:/でした。中期英語の時期に、仏語の影響で cesar/sə´za:r/ と替わり、
強勢位置が前に移って現在の発音/´si:zə/になったのです。羅語の/k/+前舌母音が
中期仏語で/ts/となり現代仏語では/s/になった、というのがcを/s/と読む理由です。

>Cafe au LaitのLait[lε]とCaffe Latteのlatteは牛乳の意味でしょうか。
>lactic acid(乳酸)等のlact-(lakt-)がフランス語でlaitになり、イタリア語でlakte>latteになった(tの前のkがフランス語でiになり、イタリア語でtに同化した)と聽いた事が有ります。
→C’est vrai. 羅語の lactem>lact/lakt/>*/lakjt/>lait/lait/>/lε/という
変化です。ガロ・ロマン語では、/k/ は e, i, a, および他の子音に先立つとき、
口蓋化し、一定条件の下で母音化しました。



re: -ia -ian -ic -ica -ese

Maniac C. (2004/05/23 02:38)

>高駒麗人Komaさん

>England、Englishも歴史的經過によってはAnglia、Anglianと呼ばれていた可能性も有ります。
>EnglandはAngle-landの略なのでEngllandの筈ですが、lを1つ省略しています。
>EnglishはAngleにishをつけたものです。その前のEnglは民族名でしょうか。
→England の語源は、Englaland で, 「lを1つ省略」しているのではなく、強勢の
無い中央の音節が脱落したものです。前半のEngla(属格・複数形)は、Engle または
Angleの変化した形です。この語自体は羅語の Anglus(単数形), Angli:(複数形)から
の借用語で、語源は Angul“釣り針”の形をした土地(Schleswig の一地方名)に住む
人たち、の意味です。
>England、Englishも歴史的經過によってはAnglia、Anglianと呼ばれていた可能性も有ります。
→England, English はゲルマン系の本来語ですが、Anglia, Anglian はラテン系の
借用語です。「歴史的經過によっては」とは、そういった意味ですか?
■Anglian は、羅語 Anglia:nus の男性主格単数語尾 -us が脱落して借用されたもの
で; 語構成としては、Angl- + -i-(連接母音) + -a:n-(形容詞派生接辞) + -us
(男性主格単数語尾)です。
■Anglia は、Angl- + -i-(連接母音) + a(女性単数主格語尾)の構成で、語尾が脱落
せずに借用されています。

>Russia→Russianは國名語尾iaにnを付けた物です。
>Siberia>Siberianはiaを殘してnをつけた物でRussia>Russian方式です。
→上述のように、-ia は羅語の連接母音 -i- +女性単数主格語尾 -a という構成で
あり; -ian は羅語の連接母音 -i- +形容詞派生接尾辞 -a:n + 男性単数主格語尾
-us の語尾が脱落したものですから、「國名語尾iaにnを付けた物」や「iaを殘し
てnをつけた物」ではありません。

>Arabiaの形容詞形にArabianとArabicがありますがArabskやArabishが有っても良さそうな物です。
→ -ian は羅語由来、-ic は希語由来、-ish はゲルマン語由来の形容詞語尾です。

>Japonica、Sinica、Indicaのicaは、ArabicのicやEnglishのishとは
>別の言葉でしょうか?
→上述のように、-ic と -ish とは別系統の言葉です。-ic と -ica はどちらも希語
由来ですが、前者は男性形で後者は女性形という違いが有ります。

>China>Chinese、Korea>Koreanはたまたまこうなっているだけで、ChinanやKoreese、Koreask、Koreishでも不思議ではありません。
→ -ese は、羅語 -ensem(対格), -ensis(主格)に由来します。軽蔑の気持ちが含まれる
ことの有る接尾辞です。

「沖縄県民」はOkinawanの樣ですが、OkinaweseやOkinawishにならないのは
單なる偶然でしょうか。
→No. 必然でしょう。massangeana さんの仰るように、-ish は「大部分はイギリス人
が昔からしっている民族に対して使う」ので有り得ないし、後述するように -ese は
ラテン系なので、もしローマ人が知っていたなら、*Ocinavese などとなっていたの
ではないでしょうか。

>Chineseはフランス語でChinoiseですがeseがoiseになったのでしょうか。
→Oui. 羅語の語尾 -ense(m)>-e(n)se>古仏語 -eise>-oise という変化です。
英語へは、古仏語形が音韻変化を遂げる前に、借入されました。



re: sc

Maniac C. (2004/05/23 02:35)

>高駒麗人Komaさん

>Russischこのischは本來iskでしょうか。
→どこを以って「本来」とするかは問題ですが、ゲルマン祖語まで遡れば *-iskaz
です。本来語ですから、massangeana さんの仰るように、「大部分はイギリス人が昔
からしっている民族に対して使う」ということになるのです。欧州以外の、アラブや
朝鮮という土地は彼らの知識範囲外で、羅語・希語から言葉を補う以外なかったので
しょう。

>古英語でscと書いて∫と讀むのはsċ(scのcの上に點)でしょう。
>點がなければscは[sk]でしょう。
→古英語で「cの上に点」を付けていたわけではありません。「cの上に点」を付けるのは、後世の学習者にcが口蓋化していることを示す便宜のためです。sc は殆んどの場合
/∫/と読まれ、極稀に a:scian(= ask)などで/sk/と読まれたり、仰るとおり、sco:l(=
school)や Scottas(= Scots)などの借用語で/sk/と読まれたりする程度でした。

>sċ(scのcの上に點)はsc(點なし)の[sk]が變化した物では?
→Yea.現代英語の ship は、古期英語では scip と綴られましたが、ゲルマン共通基語で
は *skipam であったろうと推定されています。英語の ski が独語や北欧語では/∫i:/と
読まれたり、逆に北欧語起源の skirt と shirt や short が同一起源というのも同じ現象
です。

>英語のschool[sku:l]とドイツ語のSchule[∫u:lə]の樣な物です。
→蘭語ではその中間で、school/sxo:l/です。

>例えばfish、Fischは北歐語でfiskですが、これは本來piscで、
>海鮮麺pescatoreや魚座pisce(sic.)とも關係があります。
→Partly yes, partly no.
■ゲルマン共通基語では“魚”は *fiskaz です。これが印欧祖語では *peisk- と
推定されるのであって、「本來pisc」と仰るのは適切ではありません; 同じ印欧祖語
が羅語では piscis に変化しているだけです。
■piscis の複数形がpisce:s で、“魚座”の意味になります。また、pescatore は
羅語 pisca:to:rius“漁夫の”が語源で、これは動詞 pisca:ri:“漁る”からの派生
語なので、「関係が有る」と仰っている点は、間違い有りません。

>これは形容詞のishとiskの關係には當てはまらないのでしょうか?
→ゲルマン系が -ish であり、ラテン系 -iscus, ギリシャ系 -isko´s という関係
は有ります。が、スラヴ系に関しては、私には判りません。

>Русскийは國家・民族名Рус(с)Rus(s)と形容詞語尾ский skijの連續でしょうか。
→Нет.ロシヤ・ロシヤ人を表す古露語は Русь です。

>英語ではRussianの他にRusskyもある樣です。
→『新英和大辞典』には「Russki (also Russky)((戯言・軽蔑))ロシヤ人.」と有り
ますが、語源解説欄に露語のРусский(Russkij)からの借入と有ります。



re: フランス語圏

Maniac C. (2004/05/23 02:33)

■済みません。風邪を引いてしまい、養生のため、暫くROMになっていました。

>ふるさん
>仏語のfrancophonieの訳語ではないかと思います。
→その通りです。下記URLには以下のように解説されています。

>「フランコフォニー francophonie」ということばは、フランスがその植民地とともに形成
>する言語・文化共同体を表現するものとして、地理学者オネジム・レクリュの 1880 年の著作の
>中に登場した。現在では植民地というコノテーションを超え、2 つの異なる使われ方をしている
>が、両者は相補的な関係にある。まず広義では、フランス語の普及活動と、フランス語を通じて
>広がり、国を問わず根をおろしている価値観全体を指す。そして一方では、フランコフォニー憲
>章参加 55 ヶ国とその政府によって構成される国際政治組織を指す。その場合は、最初を大文字
>のFで表記する。
 http://www.ambafrance-jp.org/japanese/info_generales_j/e_j/france_monde/francophonie.pdf

>高駒麗人Komaさん
>英語圏という言い方はよくありますが、「フランス語圏」、「スペイン語圏」という言い方は少ないように思えます。
→ググってみますと、その感触が数字で裏付けられます。確かに、桁が違いますね。
 英語圏    165,000件
 ドイツ語圏   12,600件
 フランス語圏   9,980件
 スペイン語圏  7,170件
 中国語圏    4,480件
 アラビア語圏   588件

■「『おフレンチ』人口」と題する下記URLのHPを見ると色々と知らないことが判ります。
 http://perso.club-internet.fr/o4kd/FrenchNews/avril5.htm
■「フランス語」の言語人口は世界9位。
■地域別に見ると、最も多いのはアフリカ大陸。7, 290万人で、フランス語圏に占める
割合は46.3%。フランス国内の人口は5,874万人(2000年)なので、フランス語を話す
アフリカ人の数がいかに多いかがわかります。
■アフリカの次に多いのは、全体の44%を占める欧州。フランス以外にモナコ、ベルギー、
スイス、ルクセンブルグで公用語。
■EU域内で母国語および第2外国語としてフランス語を話す人は7,100万人。言語人口で、
ドイツ語に次いで2位。世界レベルでは2位の英語は、EUレベルでは第3位。欧州内では
まだまだ「おフレンチ」が健闘している。

■在日フランス大使館のHP(最下記URL)を見ると以下のように有ります。
>シラク大統領は今年のベイルートに続いてワガドゥグで開かれるフランス語圏サミットで、持続可能な開発を中心テーマに協議するよう提案した。また大統領は、フランス語圏諸国がヨーロッパおよび国際機関に対し、開発計画への融資を申請できるように、フランス語圏の関係機関が申請手続きをサポートする仕組みを備えるよう提案した。
■もしかすると私が読んだのも上記の内容で、単に仏国がフランス語圏での発言権を強化
しようとしている、という内容の記事だったのかも知れません。

http://www.ambafrance-jp.org/japanese/info_generales_j/decla_offic_jp/johannesbourg/Johannesbourg%20.html



Re:イタリア語の子音

高駒麗人Koma (2004/05/21 21:09)

風鈴’さんへ
ご説明ありがとうございます。

イタリアではタクシーはtassiですか。

廣東語の「的士」dik-siではtaxi[tæksi]のkが「的」dikのkになっていますが、北京語で「的士」di-shiになり、原音と違うなあと想いました。
シナ(チーナCina)語のpinyinに慣れるとTAXIを「ターシー」と讀みたくなっていました。
今想うとイタリア語と似ていますね。

Caffe Espressoは、もし強引にdiを挟むとCaffe di Espressoでしょうか。
ひょっとしてdiの次が母音ですとdiのiが省かれてCaffe d’Espressoになるのでは?

以前、大連Dalianのスイスホテル7階の中華料理店「金蝴蝶」Jin Hudie(ヂンフーディエ)は Farfalla D’oro(片假名では「ファファラドーロ」)と呼ばれていました。これはFarfalla Di Oro(黄金の蝶蝶)でしょう。
天井に金の蝶蝶がたくさん描かれ、小籠包xiao-long-baoが美味でした。
このホテルのConcierge(受付案内係り、禮賓部)の經理は、2002年にLes Clefs d’or Chinaから「金の鍵」の賞を授与されたそうです。
これはフランス語で、本來はLes clefs de orでしょうか。瑞士ホテルは金の蝶蝶や金の鍵など、金と縁がありますね。

http://www.lesclefsdorjapan.com/(Les Clefs d’or Japan)←「金の鍵」はフランス語で、「日本」はなぜか英語。

http://www.jcbus.co.jp/chinahotel/dalian/5/swissotel/index.htm(スイスホテル)
http://www.swissotel.com/ms-basics.asp?id=19
http://www.swissotel.com/hotel-guide-europe.asp
大連瑞士酒店(Dalian Ruishi Jiudian)/Swissotel Dalian
↑Swoss Hotelではなくて、何故かh無しのSwissôtelです。(どうしてこういう綴りなのか一度聞いてみたいです。)Oの上には^がつきます。hôtelのhを略した樣な物です。エンコードを「西ヨーロッパ言語(ISO or Windows)」にするとSwissの次にô(oの上に^)が出ます。

http://www.ohnichi.de/index.htm
(歐日協會、獨逸がmainの樣です。)

http://www.jcbus.co.jp/chinahotel/dalian/5/swissotel/index.htm



イタリア語の子音

風鈴’ (2004/05/21 18:58)

高駒麗人Koma さん>

>イタリア語では子音が連續すると前の子音が後の子音に同化するようですね。

おっしゃるように、ラテン語からイタリア語にうけつがれた語彙では、古い時代に、 -ct- は -tt- に、-x- は -ss- に、などの変化が起きています。

latte はラテン語の lac (乳)の斜格形 lacte(m)に由来する規則通りの形ですね。

一方、espresso は、ラテン語 exprimere (搾り出す)の分詞 expressum に由来する、コーヒーを「搾り出す」方法で……、というのは真っ赤なウソで、これは、英語 express (急行)のフランス語経由の借用とされています。注文に応じて、コーヒーを急いでいれる、ということから来ているようです。もちろんこの英語は、もとをただせば(フランス語経由で?)ラテン語から入ったものでしょう。しかも、「エスプレッソコーヒー」の意味での espresso は、再び英語に入っています。

ラテン語 exprimere に由来する esprimere の分詞・派生語としての espresso もあり、形の上では区別できないので、この場合もラテン語からの規則的な変化と言ってもいいかもしれません。
こういうラテン語起源の派生語グループは、ヨーロッパ各国語間で貸し借りしているうちに意味と形の関係が一筋縄ではいかなくなっているようです。

借用語でも、タクシーは tassi などと、同じように x が変化することが多いですが、新しい語では、そのまま x で使うこともあるようです。



ish 〜人 蘇和

高駒麗人Koma (2004/05/21 15:14)

massangeana さんへ

蘇和についてご説明ありがとうございました。
http://k.excite.co.jp/hp/u/cnschool/?pid=000166&yid=&showtree=true&SSL=
蘇和で檢索してみます。

例えばfish、Fischは北歐語でfiskですが、これは本來piscで、
海鮮麺pescatoreや魚座pisceとも關係があります。
これは形容詞のishとiskの關係には當てはまらないのでしょうか?

Japonica、Sinica、Indicaのicaは、ArabicのicやEnglishのishとは
別の言葉でしょうか?

ロシア語では「〜人」をецで現しますが、これはChineseの樣なeseに
相當する物でしょうか。
Chineseはフランス語でChinoiseですがeseがoiseになったのでしょうか。

Chinaの形容詞形は英語ではChineseですが、
Pekingese(北京の)、Shanghainese(上海の、何故nが入るか)、
Cantonese(廣東の)、Hainanese(海南の)など色々あります。
またVietnam(越南)もVietnameseになります。

一方JapanはJapaneseですが「東京の」「大阪の」はどうなのか。
New York市民はNew Yorkerです。

「東京都民」はTokyoishなのかTokyoerなのか、Tokyoiteなのか。
「沖縄県民」はOkinawanの樣ですが、OkinaweseやOkinawishにならないのは
單なる偶然でしょうか。

ロシア語で朝鮮の(語)はKorejskijですから英語のKoreanもKoreishという
言いかえを用意してもよさそうな物です。
Korejets(Кареец)はたとえていえばKoreeseの樣な語形でしょうか。

モスクワは英語でMoscow、モスクワ市民はMuscoviteです。
このiteは何でしょう。

火星Marsに對して火星人はMartian、
地球Earthに對して地球人はEarthlingですが、
こうなると不規則で覺えられません。

http://search.hk.yahoo.com/yc/hk?p=%c4%ac%a9M%a1@%bbX%a5j&u=B



Re: ishなど

高駒麗人Koma (2004/05/21 14:34)

Re: ish 投稿者:massangeana さんへ

>anglijsk-はEnglishの古い形ではありません。「английский」は「アングリアの」という意味です。
>-ияから -ийскийがつくられるのは規則的な形です。
>いっぽう英語の English はもともと「アングル人の」という意味であって, ロシア語とは語の構成がちがいます。古英語では Englisc と書きますがすでに「エングリッシュ」のような音だったようです。英語には -sk という語尾はありません。

古英語でscと書いて∫と讀むのはsċ(scのcの上に點)でしょう。
點がなければscは[sk]でしょう。
sċ(scのcの上に點)はsc(點なし)の[sk]が變化した物では?
英語のschool[sku:l]とドイツ語のSchule[∫u:lə]の樣な物です。

>それから>Русскийは國家・民族名Рус(с)と形容詞語尾скийの連續というのと>Россия>Русскийは、ияを取り去ってskij(sky)を付けたというのは矛盾してませんか。(引用を途中省略しました)

何處が矛盾なのかわかりませんが、Russia、Rossijaから考えるとRoss、Russが語幹で、國名語尾がia、ijaの樣です。
一方Ross、RussにijskijまたはischをつけるとRossisch、Russijsk(ij,aja)になって互換と語尾が明確になり、Anglijskもこれと似ています。
一方RussやRossにskij(skaja)を直接つけるとRussskij(Russskaja)の樣にsが3つになります。
現行のRusskijはsを1つ節約している樣に想いました。
NovorossijskはRussia、Rossijaの形容詞系の内、Russ(Ross)とsk(sch)の間に母音を挟むRussisch式を使った珍しい物です。

>Arabish, Koreishish がつくのはだいたい「...出身の人」という意味のことばに対してであって, しかも大部分はイギリス人が昔からしっている民族に対して使うようです(Loloish みたいなのもありますが)。したがって Arabish はともかく Koreish というのはありえないのではないでしょうか。

EnglandはAngle-landの略なのでEngllandの筈ですが、lを1つ省略しています。
EnglishはAngleにishをつけたものです。その前のEnglは民族名でしょうか。
するとChinesischはChinese(シナ人)の言葉になりますか。



Re: ish

massangeana (2004/05/21 13:16)

>anglijsk-はEnglishの古い形
ではありません。「английский」は「アングリアの」という意味です。
-ияから -ийскийがつくられるのは規則的な形です。
いっぽう英語の English はもともと「アングル人の」という意味であって, ロシア語
とは語の構成がちがいます。古英語では Englisc と書きますがすでに「エングリッシュ」
のような音だったようです。英語には -sk という語尾はありません。

それから
>Русскийは國家・民族名Рус(с)と形容詞語尾скийの連續
というのと
>Россия>Русскийは、ияを取り去ってskij(sky)を付けた
というのは矛盾してませんか。(引用を途中省略しました)

>Arabish, Koreish
ish がつくのはだいたい「...出身の人」という意味のことばに対してであって, しかも大部分は
イギリス人が昔からしっている民族に対して使うようです(Loloish みたいなのもありますが)。
したがって Arabish はともかく Koreish というのはありえないのではないでしょうか。



Re: 蘇和

massangeana (2004/05/21 06:54)

スーホについては日本語の絵本を中国語に翻訳したものがあるようで, 「蘇和」は
モンゴル語に漢字をあてたのではなく, 日本語の「スーホ」に漢字をあてたもので
ある可能性があります。



ijskとian

高駒麗人Koma (2004/05/20 23:46)

風鈴’さんへ
>「カフェラッテ」は「カフェラテ」と書く例を最近はよく見かけます。

Cafe au LaitのLait[lε]とCaffe Latteのlatteは牛乳の意味でしょうか。
lactic acid(乳酸)等のlact-(lakt-)がフランス語でlaitになり、イタリア語でlakte>latteになった(tの前のkがフランス語でiになり、イタリア語でtに同化した)と聽いた事が有ります。
「カフェ・ラッテ」を「ラッテ」というのは「ミルクコーヒー」を「ミルク」というような物でしょう。

イタリア語では子音が連續すると前の子音が後の子音に同化するようですね。
Espressoもexpress /ekspress/のx[ks]がsになったのでしょうか。
AlexandreはイタリアではAlessandroで、x[ks]がssになったという事でしょうか。
http://www.go-alex.net/

日本語の「コーヒー」[ko:hi:]は直接にはオランダ語のkoffieからの樣です。

Maniac C.さんへ
>→んーむ。蘭語では Russisch [リュスィース] ですが。

すみません。英語ではRussianの他にRusskyもある樣です。
英語圈ではロシア語のRusskijをRusskyにするのもオランダ語のijをyにするのも同じような感覺でしょう。
オランダ語のyは[εi]でロシア語のyは中舌のiというのは英語圈の人にとって難しいでしょう。

中國人はロシア語のыやыйをeiやeにします。
Ченобыль Chernobyl’は「切尓諾貝利」Qie’ernuobeiliです。

Russischこのischは本來iskでしょうか。

獨逸語の
Ich spreche Englisch.は、
露西亞語では
Я говорю по-английски.
Ja govorju po-anglijski.になりますが、anglijsk-はEnglishの古い形に近いでしょう。

Русскийは國家・民族名Рус(с)Rus(s)と形容詞語尾ский skijの連續でしょうか。
すると、Руссийский Russijskijの樣にРуссとскの間に母音を挟む言い方も理論上あって良い筈です。

黒海附近でНовороссийск Novorossijsk(Novorossiysk)という街が有りますが、これは「新しい露西亞の」でしょうか。

Россия Rossija>Русский Russkij(英語にするとRussia>Russky)は、國名語尾ия ija(英語でia)を取り去って、skij(sky)を付けたものです。
一方、Russia→Russianは國名語尾iaにnを付けた物です。
England、Englishも歴史的經過によってはAnglia、Anglianと呼ばれていた可能性も有ります。

Siberiaは現代ロシア語でСибирь Sibir’で、Новосивирск Novosibirskは語尾ия ija(英語でia)を取り去って、skij(sky)を付けたものです。
Russija>Russkij方式です。
一方、Siberia>Siberianはiaを殘してnをつけた物でRussia>Russian方式です。

Arabiaの形容詞形にArabianとArabicがありますがArabskやArabishが有っても良さそうな物です。

China>Chinese、Korea>Koreanはたまたまこうなっているだけで、ChinanやKoreese、Koreask、Koreishでも不思議ではありません。
ChinesischやKoreanischはChina>Chinese、Korea>Koreanを更に形容詞化してischをつけた(たとえて言えばRussian-ishの樣な)非常に凝った表現だと想います。
http://www.europe.jis.de/sokamoto/

>羅語で Caesar と書けば[カィサル]で、2字扱いですが、Cæsar と書けば [ケーサル] で、1字扱いです。
CaesarはCの次にaが来るのに英語ではsi:zəの樣にcが[s]になる例外的な人名です。これもCeaserとでも書けば納得できます。Æがeと同樣、前舌だからですね。



Re: espresso

風鈴’ (2004/05/20 19:32)

イタリア語で「エスプレッソのコーヒー」のことを言うなら、普通は
caffe espresso
ですね。 caffe の e にアッチェントグラーヴェ(下向きアクセント符号)がつきます。

「カフェラッテ」は「カフェラテ」と書く例を最近はよく見かけます。「ラテ」だけの場合もあり、本来の語からすると無理があります。これらはイタリアからの直輸入ではなく、一旦アメリカ文化となった飲み物の名ではないかと推測しています。



Cafe Di Espresso

高駒麗人Koma (2004/05/20 16:05)

Cafe Di Espressoは珈琲館KO:HI:KΛNの系列(チェイン店)の樣です。
http://www.kohikan.co.jp/
http://www.kohikan.co.jp/cdek/index.html



フランス語圈

高駒麗人Koma (2004/05/20 13:59)

http://www.ohnichi.de/index.htm
(歐日協會)

http://www.dauphins.org/index.cgi/ville
(佛蘭西語圈紹介)

http://quebec.to/francophonie/
http://www.asahi-net.or.jp/~qq5b-mcln/
http://www.francophonie.jp/francophonie/francophoniefr.htm
(Qu'est-ce que la Francophonie?)

以前「佛印(佛蘭西領印度支那)」だった越南(Vietnam)もまだFrance語圈ですね。

以前、越南で「佛蘭西語でなく英語を教えてくれ」と主張する人民のデモがあったそうです。
http://www.mediawars.ne.jp/~yukisss/newpage2.html
越南にいった日本人が地元の医者に英語で話しかけると「英語は苦手、佛蘭西語でおねがい」と言われたようです。越南語ならベストでしょう。

http://www2u.biglobe.ne.jp/~morishi/h-04song_feellikedance.htm
(Feel like dance)
Mark Pantherは佛蘭西出身。後半のRapに注目。

餘談ですが、神田にイタリア風カフェ“CAFE DI ESPRESSO”があります。
イタリア語ではCAFFE LATTEの樣にCAFFEのFは2つではないでしょうか?
CAFEはフランス語で、CAFE AU LAITで御馴染みです。
もっともGeorgiaの罐珈琲「カフェラッテ」は“CAFE LATTE”という表記ですから、あまり氣にする必要はないでしょう。
http://bird.zero.ad.jp/~zar67819/colafan/georgia/2000/2003.html

LATTEが「ラッテ」で、Tは二つあるが故に促音「ッテ」なら、CAFFEもFが2つの場合は促音で「カッフェ」にすれば良かったでしょうか。



蘇和&蘇赫&CYX

高駒麗人Koma (2004/05/20 13:40)

白い馬の童話の場合、「蘇和」Su(1)-he(2)が檢索で見つかりました。

http://k.excite.co.jp/hp/u/cnschool/?pid=000170&yid=&showtree=true&SSL=
>3月26日---童話連載:馬頭琴的来歴(終)
>小白馬死了,蘇和几夜都睡不着覚,心里不停地説着:“小白馬回来!小白馬回来!”一天晩上,蘇和剛一睡着看見小白馬回来了。

>蘇和抱着小白馬的頸子,親了又親,説:“小白
馬,我真想(ィ尓)!”小白馬軽軽地説:“我的小主人,我也真想(ィ尓)!(ィ尓)拿我身上的東西做一把琴(口巴)!這様,我們就永遠在一起了。”

>蘇和一看,小白馬不了,原来剛才是在做梦了。他含着眼泪拿小白馬的骨頭做了一把琴,拿它的筋做弦,拿它的尾巴骨做弓,琴杆頂上雕刻了个馬頭。這就是馬頭琴的来歴。
>从此,蘇和天天拉琴,拉了許多好听的曲子,遠遠听起来,就象小白馬在唱歌。
  其它的牧民听到優美的曲子,都学着蘇和的琴的様子,用木頭做了很多馬頭琴,他們一辺放牧一辺拉着馬頭琴。就這様馬頭琴伝遍了整个草原。
戻る

(ィ尓)は[イ尓]ni(3)、(口巴)は「吧」baです。

http://www.rima.jp/new.htm
>『中里豐子傳記』(中国語版 假題)本年秋、中国にて出版予定。著:蘇赫巴魯(スフバル)氏(国家一級作家)

此處では人名蘇赫巴魯(スフバル)で「蘇赫」Su(1)-he(4)が出て來ます。
「スフバル」の「バル」がよくわかりません。

中國地圖出版社『新編實用世界地圖册XINBIAN SHIYONG SHIJIE DITUCE』(1989)を見ました。モンゴル國は「蒙古」Meng-guで、その南西部の県「スフバートル」は「蘇赫巴托尓省」Suhe-Batuo’er-shengでした。
「蘇赫巴托尓省」の漢字名と一緒に書いてあったローマ字はSÜHBAATARでした。
蒙古語のCyrill文字表記ではСYХ БААТАРでしょう。
ロシア語では、СУХ БАТОР(SUKHBATOR)でしょうか。

ちなみに首都「ウランバートル」Ulan Batorは「烏蘭巴托」Wu-lan Ba-tuoで、漢字の下にはローマ字でULAAN BAATARとあります。
語末のР(R)を「尓」erにしたり、省いたり色々ある樣です。



坤與万国全図 坤輿萬國全圖

高駒麗人Koma (2004/05/20 13:39)

>「興」は「興」の儘としたのに、
>「與」の字は「与」とした不思議。
>輿論→世論としたのも不可解

与論は輿論なのか與論なのか迷います。
http://messages.yahoo.co.jp/bbs?action=m&board=1000003&tid=ffckdc8la4na4bfa4aa4ka1aya58ea4nta28l2fe3wa4khbfut&sid=1000003&mid=565



坤與万国全図

偽中国人 (2004/05/20 03:22)

坤與万国全図
2文字目がウソ字です。

正しくは「坤輿萬國全圖」。
http://www.sinica.edu.tw/info/ihp1998/exhibit/imgexh/r7.jpg
「坤」も「輿」も「地」を表わすそうです。
「輿圖」は「地図」の書面語(書き言葉)で、“彊域図”を指すことが多い。
「彊域」は面積の大小に重点を置いた国の領土。
以上、現代漢語詞典より。



フランス語圏とは

ふる (2004/05/19 09:38)

仏語のfrancophonieの訳語ではないかと思います。
つまりフランス人自身はこの概念を意識しているのでしょう。

この5年ほど、パリの地下鉄で英会話スクールの広告をよく見る
ようになりました。欧州統合で英語学習の需要が増えているのは
たしかなようです。



フランス語圏

高駒麗人Koma (2004/05/19 00:35)

maniacCさんへ

フランス語圏會議ですか。

英語圏という言い方はよくありますが、「フランス語圏」、「スペイン語圏」という言い方は少ないように思えます。日本のフランス語學習を宣傳している方々は「フランス本國以外のフランス語圏」を強調しているのかどうかわかりません。
SeychellesやCote d’Ivoire、Madagascar、Moroccoの人を、白人黒人を問わずにFrance語講師としてJaponへ招聘するのもいいでしょう。
ラテンアメリカのスペイン語を誤って「ラテン語」と呼ぶ人もいます。
三鷹の「Asia Africa語學院」では16言語を扱っており、專門課程の中文、印尼、アラビック、ヒンディーの皆さんは第二外語として英語もやるようです。しかし、フランス語やアフリカーンス語はありません。
http://www.parkcity.ne.jp/~aali/shougai.html



アブラハムほか

massangeana (2004/05/19 00:21)

>希仏対訳版『創世記』
おお, これはみやすくていいですね。

固有名詞に気息記号をつけていないのは, つけるための根拠がないからではないでしょ
うか。シナイ写本とかには気息記号もアクセント記号もついていないようです。
http://rosetta.reltech.org/Ebind/docs/TC/

American Heritage の「Proto-Semitic Language and Culture」では 'b(父)+rhm で
「父(なる神)は称賛された」という意味だとしています。
http://www.bartleby.com/61/10.html
しかしセム語根一覧に「rhm」という語根はみあたらず, 「rwm」のところに:
rwm. West Semitic, to be(come) high, exalted. Abraham, from Hebrew 'abra:ha:m, the (divine)
father is exalted, from ra:ha:m, alternate form of ra:m, exalted, participle of ra:m, to be(come)
high, exalted, rise.
とあります。ただ ra:m というのはふつうの語なのですが, ra:ha:m という形はあまりないら
しく, ネット上を検索するとこの説に反対している人もあるようです。アラビア語の ruham
(群衆)と関係する, と書いてあるのもみましたが, うちの辞書には ruham がのってないので
よくわかりません。



re: 七十人訳

Maniac C. (2004/05/18 01:03)

>massangeanaさん
>手持ちの七十人訳では, 固有名詞に気息記号をつけていないのでわからない
→下記URLは、ネットで見つけた希仏対訳版『創世記』(ハランの出て来る11章)ですが、
こんな感じでしょうか? この七十人訳も、固有名詞に限って、気息記号もアクセント符号
も付いていませんね。なぜなのでしょう。

http://ba.21.free.fr/septuaginta/genese/genese_11.html



Re: 気息記号

massangeana (2004/05/17 03:22)

>気息記号
手持ちの七十人訳では, 固有名詞に気息記号をつけていないのでわからないのです。
新約聖書の方(United Bible Society) ではΕυαのυの上に「‘」がついています。つまり
「ヘウア」と読めということですね。

>Abraham の h は、h=/h/と H=/x/のどちら由来
Abraham の h は [h] です。rHm(慈悲ぶかい)の H とは違う音です。つまり, その語源説は
無理なのではないでしょうか。



re: kh とエヴァ

Maniac C. (2004/05/16 17:10)

>massangeanaさん
■丁寧な御教示と、度重なる御訂正、恐縮です。

■アラビア文字とペルシャ語・ヘブライ語の発音は、次のように対応するわけですね。
 アラビア文字h,H,kh:ペルシャ語h,h,x:ヘブライ語h,x,x/h,H,H
■んで、ヘブライ語とギリシャ語とラテン語の対応は、大体以下のようになる、と。
 ヘブライ語h,x〜H:ギリシャ語ゼロ,χ:ラテン語h,h
■ギリシャ語では母音間の h は早くに消失したので、アブラハムがアブラアムになる
のは解るのですが、語頭は‘’を使ってまだ厳格に区別していたはずなので、ハラン
がアランになってしまうのは、不思議ですねえ。h(気息記号)で写している例は少ない
のですか?

> h の例: アブラハム ‘Αβρααμ
→『英語語源辞典』では以下のようになっていますが?
Gk Abraa´m … Heb. Abhra:ha´:m ← a:bh father + r-H-m to have compassion
Abraham の h は、h=/h/と H=/x/のどちら由来なのでしょうか??



Re: kh とエヴァ

massangeana (2004/05/16 05:10)

Maniac C. さん:
ペルシャ語でもアラビア語の咽頭無声摩擦音(H)の文字は使われますが, 発音はただの [h] です。

>アダムの妻エヴァがヘブライ語では {h.}awwa´:h

ヘブライ語の場合は, また事情がちがいます。
アラビア語には「hみたいな音」が 3種類(h,H,kh)あるわけですが, ヘブライ
語ではこのうち kh と H の区別がありません。これを x と書くことにすると,
たとえば
 ヘブライ語 xa:mesh(5,女性形) アラビア語 khams
 ヘブライ語 xa:la:l(突きさす) アラビア語 khalla
 ヘブライ語 x(a)mo:r(ろば)  アラビア語 Hima:r
 ヘブライ語 xa:ya:h(生きる)  アラビア語 Hayya/Hayiya
のようにアラビア語の kh, H の両方に対応していることがわかります。

さて, ではヘブライ語の x の音がアラビア語の kh と H のどっちだったか,
となるとよくわかりません。現在では両方の発音があり, 東欧出身者は kh,
スファラディーム, とくにイエメン出身者は H と発音することが多いようで
す。聖書の人名の x にはアラビア語の H が対応しています(例: エヴァ
Hawwa:', ハム Ha:m)が, これはたぶん中東でのヘブライ語の発音によったも
のだろうとおもいます。

七十人訳ではあまりきちんと対応していないようですが, だいたい h は無視
され, x はχになることが多いようです。ちょっと創世記から例を取ると:
 h の例: アブラハム Αβρααμ, ハラン(ロトの父) Αρραν
 x の例: ハム Χαμ ヘブロン Χεβρων ナホル Ναχωρ
したがって, エヴァ(xavva:h)が Ευα になるのはやや例外的です。

ウルガタの旧訳部分では, ヘブライ語の h と x はともに h にしたようで,
エヴァは Hava と書いてあります。しかし新約部分ではギリシャ語新約聖書
(七十人訳の訳語を踏襲している箇所が多い)にもとづいているために, Eva
になっています。



Res: EUでフランス語ピンチ

Maniac C. (2004/05/16 00:08)

>高駒麗人Komaさん

■ネタ元が不明ですが(多分、最近の『言語』だったと思うのですが)、「フランス語圏
首脳会議」というのが加盟国の持ち回りで2年ごとに開かれていて、一番最近の会議では
仏国が仏語教育に資金援助をすることを決めた、だったか、予算を計上した、だったか、
という記事を読んだ記憶が有ります。仏国も仏語の地位向上に躍起になっています。



Res: オランダ語のij ロシア語дз

Maniac C. (2004/05/16 00:02)

>高駒麗人Komaさん
>「だからこそ、ロシア人のネムゼルとスィロミャートニコフが作った和露辞典(一九五一年)では、…。」
→なるほど。露人の作った和露辞典でしたか。

>klein[klεin](小さい)のeiはkorte ei(背の低いei)、
>vrij[υrεi](自由だ)のijはlang ij[laŋεi](背の高いei)だそうです。
→独klein=蘭klein=英cleanで、ゲルマン共通基語では *klainiz です。
独kurz=蘭korte=英curt=short ですので、「背の低い」よりは「短い」でしょう。
独frei=蘭vrij=英free は仰るとおりで、ゲルマン共通基語では *frijaz です。
独lang=蘭lang=英long ですので、「背の高い」よりは「長い」でしょう。

>するとロシア語のРусский(Russkij)をRusskyと書くのも似たような物ですね。
→んーむ。蘭語では Russisch [リュスィース] ですが。

> Æ、Œ、IJはそれぞれ1字ですか。
→蘭語では前2者は使いません。IJ は1字扱いです。
合字を使う場合は、その言語では1字扱いです。例えば、羅語で Caesar と書けば
[カィサル]で、2字扱いですが、Cæsar と書けば [ケーサル] で、1字扱い
です。仏語では電脳上では boeuf などと切り離して綴られますが、発音上1音(古
仏語では buef で二重母音)ですから、やはり1字扱いです。



Re: kh

Maniac C. (2004/05/16 00:00)

>massangeanaさん
■済みません。私の見たアラビア文字一覧を見直しましたら、kha:’の直ぐ上に
{h.}a:’が在りまして、その註の「咽頭摩擦音」と、本来の註の「軟口蓋摩擦音」と
を見誤っておりました。
(誤) kh という綴りは、どうもアラビア文字 kha:' (咽頭摩擦音)の転写形みたいですね。
(正) kh という綴りは、どうもアラビア文字 kha:' (軟口蓋摩擦音)の転写形みたいですね。
以上のように訂正いたします。

>ペルシャ語には [x] はありますが咽頭摩擦音はありません。
→へぇ、そうなんですか。するってぇと、ペルシャ語では文字 {h.}a:’は使われない、
ということですか。もし表音的ではなく、歴史的仮名遣いのようなものでしたら、この
文字はどんな発音に置き換えられているのでしょうか。

>一般には咽頭無声摩擦音は単に h と書いてしまうのではないかとおもいます。
→アダムの妻エヴァがヘブライ語では {h.}awwa´:h なので、語頭に限ってかも知れ
ませんが、表記されないみたいですね。



「フン・セン」氏の漢字表記

風鈴’ (2004/05/15 19:23)

最近、カンボジアのフン・セン首相が、名前の漢字表記を、従来の「洪森」に戻した、と報道されていました。
http://hk.news.yahoo.com/040510/12/zr0g.html

昨年、縁起をかついで、潮洲語の発音にもとづくという、「雲升(昇)」にあらためたものの、いろいろ混乱があったので、もとに戻すと発表したとのことです。

カンボジアは、「漢字文化圏」とはちょっと違うように思いますが、こんな、漢字文化圏的な出来事があるのですね。
首相本人は中国語を解さないそうですが、海南出身の人を先祖にもっているとの話も。今回の「改名」をすすめたのも、また混乱すると苦情を言ったのも中国系の人々だそうで、中国系の社会だけの話なのかもしれませんが。

非漢字圏の人が、名前の漢字表記について「決定権」を発動した場合は、中国語圏では、よほど変な字でもないかぎり、受け入れているのではないかと想像しますが、実情はどんなものでしょうか。それが一国の首相ともなると、ちょっと面倒だったようですね。



vitamin

高駒麗人Koma (2004/05/14 20:45)

Æ、Œ、IJはそれぞれ1時>1字ですか。

vitaが生命だとしますと、
シナ語でvitaminを「維他命」wéitāmìng、
または「維生素」wéishēngsùと呼ぶのは、重複表現でしょうか。

「維他命」weitamingの場合、意譯と音譯を兼ねていると言えるでしょう。



Res: オランダ語のij ロシア語дз

高駒麗人Koma (2004/05/14 20:40)

Res: オランダ語 投稿者:Maniac C.さんへ
>дзягаимо(dzjagaimo)は和露辞典での日本語のキリル文字綴りです。
→キリル文字で日本語の見出しを検索する和露辞典、ということでしょうか?

すみません。資料提供が遅れました。
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4004303036/250-9993451-9337869
http://www.iwanami.co.jp/.BOOKS/43/6/4303030.html
田中克彦さんの『言語学とは何か』(岩波新書1993年)95頁に載っていました。
日本語の「ゾー(象)」は破摩音dzで始まるが、「インドゾー」の「ゾー」は摩擦音zで始まり、別の音だという話の後で、こう續きます。
「だからこそ、ロシア人のネムゼルとスィロミャートニコフが作った和露辞典(一九五一年)では、『ゾー』はдзō(ローマ字で写すとdzō)として項目にあがっている。同様にジャガイモはдзягаимо(dzjagaimo)となっているが、この語頭のdz-は『肉ジャガ』のときにはdがとれて単にzになる。」

http://www.asahi-net.or.jp/~hi5k-stu/bbs/bbs0302.htm
↑にれのやさんによると、ロシア語で「柔道」は дзюдо(dzjudo)、「柔術」はджиу-джитсу(dzhiu-dzhitsu)だそうです。

ロシア人が作ったЯпонско-Русский Словальで、日本語をキリル文字で表記し、並べた物でしょう。この場合、ザ行はдзの項目にあるという事だと想います。
葡萄牙人宣教師が作った日葡辭書で、日本語がAlphabetで書かれている樣な物です。

>[εi]には綴りが2つあって>klein[klεin](小さい)のeiはkorte ei(背の低いei)、>vrij[υrεi](自由だ)のijはlang ij[laŋεi](背の高いei)だそうです。
→歴史的な経緯が有りまして、この使い分けは、元々マテイス・デ・フリースと
ラメルト・アラルト・テ・ヴィンケルが『ネーデルラント語綴字大綱』(1863)で、
本来長いiに由来するものはijと書き、本来のゲルマン語の二重母音であるか、或いは長いi以外に由来するその他あらゆる[εi]の音を表すべきもの、と推奨したことに因るのです。

klein[klεin](小さい)は獨逸語でklein[klain]
vrij[υrεi](自由だ)は英語でfree[fri:]、獨逸語でfrei[frai]ですね。

>それで手で書くとき、ijをÿ(yの上に¨)で書くことが多いそうですが、筆記體ならほぼ同じですから。→最初期の印刷本(15世紀)では点を省くのが慣習でした。
するとロシア語のРусский(Russkij)をRusskyと書くのも似たような物ですね。

>語頭ではIJ兩方とも大文字にするのでしょうか?→その通りです。又はYを使います。
Æ、Œ、IJはそれぞれ1時ですか。
Ödipusの書き換え、Oedipusも本来はŒdipusでしょうか。
Aesopは本来Æsopでしょう。



y+字上符、黒海

高駒麗人Koma (2004/05/14 20:19)

Re: ロシア人名ローマ字轉写3 投稿者:massangeanaさんへ
>もし半母音wをvと区別する言語に使うなら、Йと同樣、Уの上にUの乗せた文字を>使うべきでしょう→ベラルーシ語の正書法では実際そうなっています。
ўがありました。
http://www.google.co.jp/search?hl=ja&ie=UTF-8&q=%D1%9E&lr=
http://www.mova.by.ru/
Belarusian in the internet - Беларуская мова ў интэрнэт

>英語ではiの半母音化(Uを乗せる)も中舌化(硬母音化、¨を乗せる)もyで
>表現したのがまずかった

>現在のトルクメニスタンのラテン文字表記では, 中舌の i を y で, [j] を y の上に「´」をのせたものであらわしています。たぶんキリル文字との対応を考えた処理でしょうが, あまり見た目はよくないような...

Ýで檢索しましたが、なかなか見つかりません。
http://www.google.co.jp/search?hl=ja&ie=UTF-8&q=%C3%BD&lr=

>ロシア語で「ё」が [jo] であることは形態を考慮しているので, 音だけで物事を考えるとおかしな話になるとおもいます。
Пётр/pjotr/>ПетербурГ/pjetjerburk/のようにёがеに對應するという事でしょうか。
黒海はЧёрное Мореの樣ですが、ЧернобыльやЧерномырдинは「黒」とは關係あるでしょうか。
http://www.cintech.ru/rus/blacksea.php(海の黒海)

http://www.google.co.jp/search?hl=ja&ie=UTF-8&q=%D0%BA%D0%BE%D0%BA%D0%BA%D0%B0%D0%B8&lr=
http://www.iberieli.org.ua/ru/?do=showt&id=2215
http://www.japan-sumo.ru/home4.kokkai.html(力士の黒海、Леван Цагурия)
http://www7.airnet.ne.jp/art/georgia/kokkai/(力士の黒海、Levan Tsaguria)
http://sumo.goo.ne.jp/ozumo_meikan/rikishi_joho/rikishi_2385.html(力士の黒海)



y's variation

高駒麗人Koma (2004/05/14 20:17)

ў(yの上にU)
ý(yの上にaccent)
ÿ(yにumlaut)
ちゃんと出ますかどうか。



Re: アイヌ語の数字

massangeana (2004/05/14 07:44)

わたしがアイヌ語にうといせいかもしれませんが, よくわからない記事ですね。
ドブロトヴォルスキーの辞典はバチェラーのものとならんで昔はもっともよく利用
されたとききましたが, どうしていままでわからなかったのでしょうか?
新約聖書には「12万」のような数がよくでてきますが, バチェラーの聖書ではどう
なっているのでしょう。



Re: kh

massangeana (2004/05/14 07:38)

Maniac C. さん:
そこにあげられているアラビア語の kh はぜんぶ [x] だとおもいます。
また, ペルシャ語には [x] はありますが咽頭摩擦音はありません。

一般には咽頭無声摩擦音は単に h と書いてしまうのではないかとおもいます。



Res: オランダ語

Maniac C. (2004/05/14 05:46)

>高駒麗人Komaさん
>дзягаимо(dzjagaimo)は和露辞典での日本語のキリル文字綴りです。
→キリル文字で日本語の見出しを検索する和露辞典、ということでしょうか?

>[εi]には綴りが2つあって
>klein[klεin](小さい)のeiはkorte ei(背の低いei)、
>vrij[υrεi](自由だ)のijはlang ij[laŋεi](背の高いei)だそうです。
→歴史的な経緯が有りまして、この使い分けは、元々マテイス・デ・フリースと
ラメルト・アラルト・テ・ヴィンケルが『ネーデルラント語綴字大綱』(1863)で、
本来長いiに由来するものはijと書き、本来のゲルマン語の二重母音であるか、或い
は長いi以外に由来するその他あらゆる[εi]の音を表すべきもの、と推奨したことに
因るのです。

>それで手で書くとき、ijをÿ(yの上に¨)で書くことが多いそうですが、筆記體ならほぼ同じですから。
→最初期の印刷本(15世紀)では点を省くのが慣習でした。

>語頭ではIJ兩方とも大文字にするのでしょうか?
→その通りです。又はYを使います。



Re: kh

Maniac C. (2004/05/14 05:21)

>massangeanaさん
>>kh という綴りは、どうもアラビア文字 kha:' (咽頭摩擦音)の転写形
>kh はふつうの [x] です。アラビア語をローマ字で記す場合, 無声咽頭摩擦音は h の下に
>点を打った字であらわします。
→『英語語源辞典』で kh を語頭に持つ単語を眺めていたら:
khaki…Hindi kha:ki: dusty, dust-colored←kha:k dust…Pers.
khalifa, caliph<ME calife…(O)F caliphe//ML calipha…Arab. khali´:fa^h successor, vicar←kh-l-f to succeed
khamsin…Arab. (ri:kh-al-)khamsi´:n the wind of fifty days(gen.)←khamsu´:n fifty
khedive…F khe´dive…Turk. hidiv…Pers. khi´di:w prince, lord
khidmatgar, kitmudhgar…Hindi khidmatga:r…Pers.←Arab. khi´dma^h service + Pers. -ga:r ‘-er’
khilat, khelat…Hindi khal‘at, khil‘at…Arab. khil‘ah←kh-l-‘ to bestow
(「…」は借入、「←」は派生、「//」は異なる語源を表します。)
などと、みなアラビア系に語源を持つので、上のように考えたわけなのです。
■確かに、言語学系の書物ですと、「h の下に点」で表されますが、それは最近の考案で、
昔はkh で転写していたのではないでしょうか。



Re: ロシア人名ローマ字轉写3

massangeana (2004/05/14 05:14)

高駒麗人さん:
>もし半母音wをvと区別する言語に使うなら、Йと同樣、Уの上にUの乗せた文字を
>使うべきでしょう
ベラルーシ語の正書法では実際そうなっています。

>英語ではiの半母音化(Uを乗せる)も中舌化(硬母音化、¨を乗せる)もyで
>表現したのがまずかった

現在のトルクメニスタンのラテン文字表記では, 中舌の i を y で, [j] を y の上に
「´」をのせたものであらわしています。たぶんキリル文字との対応を考えた処理でしょう
が, あまり見た目はよくないような...

ロシア語で「ё」が [jo] であることは形態を考慮しているので, 音だけで物事を考えると
おかしな話になるとおもいます。



EUでフランス語ピンチ

高駒麗人Koma (2004/05/13 23:55)

2004年5月13日朝日夕刊
「EU擴大で佛語ピンチ。」歐洲聨合でフランス語圈でない國が増え、會議では英語が主流になり、フランスはフランス語を學んでもらおうと必死だそうです。昔はロシアでもイングランドでも上流階級はフランス語だったようで、時代も變わったものです。



アラビア語について

高駒麗人Koma (2004/05/13 23:53)

massangeanaさんへ
アラビア語のkhは、「ハー」khaa’と呼ばれ、’akhun(兄弟)に出てきますが、これは軟口蓋無聲摩擦音[x]でしょうか。

アラビア語のローマ字轉写は難しい所です。
どうも、hamzaと呼ばれる聲門閉鎖が ’と書かれ、咽頭摩擦音の内、無聲がH、有聲が‘またはAで書かれるようです。

また、「こんにちは」にはmar-Habanもあり、このHは「ハー」Haa’ですが、無聲咽頭摩擦音のようです。
その有聲化が上記のAのようです。Alcoholの語源はアラビア語al-kuHlだそうですが、このHも咽頭音でしょうか?

NHKのアラビア語講座で、as-salaam Aalay-kum(アッ・サラーム アライクム、こんにちは)が出てきますが、これはAryn(アイン」で、大文字のAは片假名では反映されません。
「イラクから」は、“minal-Airaaqi(ミナ ル・イラーキ)”です。

大學書林の「アラビヤ語會話練習帳」では、’Assalām ‘alaykumです。’Aの’が咽頭有聲摩擦音で、次の大文字Aは母音aです。āは長母音aaです。

するとNHKでは「咽頭のh」の無聲音をH、有聲音をAで表していることになります。

どうも、’assalaamと’allah(Allahの~)は聲門摩擦音で始まり、‘alaykumは有聲咽頭摩擦音で始まるようです。Islamはal-’islaamでalの次は聲門閉鎖hamzaでしょう。

「アラビアのコーヒー」は qahwa Aarabiiyaです。Aarabiiyaは‘arabiyaとも書かれるのでしょう。

Allahは英語では[ælə]で、母音で始まり、母音で終わります。
しかし、’Allāhは破裂音’で始まり摩擦音hで終わります。

これらはアラビア文字ではきちんと記述されますが、ローマ字轉写ではhになるものはいいとして、‘や’などは、ローマ字文化圈の人にとっては音素とは思えないでしょう。

?の下の點を省いた記號やhに横棒を重ねた記號等の國際音聲記號は文字化けするので使わないことにします。Esperantoで[x]を現すĤĥを使ってXassalaam Ĥalaykumと書くのはどうでしょう。

「アラビヤ語會話練習帳」では「お名前は何と言いますか」が ma smu hadratakでhとdの下に點。これは咽頭音でしょう。もしそうなら、NHKのテキストの書き方なら咽頭音を大文字で書くので、ma smu HaDratakになります。遺憾ながらNHKのテキストでは「貴男の名前は何ですか?」は ma smukaでした。hadratakは確認できません。

モハメドアリはMuhammad Aliですが、このhは咽頭音でしょうか?



オランダ語

高駒麗人Koma (2004/05/13 23:52)

ManiacCさんへ
オランダ語ではij專用のキーがあるんですか。凄いですね。
дзягаимо(dzjagaimo)は和露辞典での日本語のキリル文字綴りです。
田中克彦さんの「言語学とは何か」(岩波新書)にあります。
http://www.iwanami.co.jp/.BOOKS/43/6/4303030.html

http://homepage1.nifty.com/forty-sixer/jizu.htm
(ザはサの濁音か?)
http://www.play21.jp/board/formz.cgi?action=res&resno=401&id=godzilla#428
(朝鮮語学習者が「日本語のズはヅではないか」との質問)
http://paranse.cool.ne.jp/
「韓国朝鮮語の森」→「はてなの園《물음의 꽃밭》」→「ラジオ講座」→「ラジオ講座目次へ」→「国語醇化(純化?)」、「サ行の有声音」

白水社エクスプレス「オランダ語」(櫻井隆著)によると、
[εi]には綴りが2つあって
klein[klεin](小さい)のeiはkorte ei(背の低いei)、
vrij[υrεi](自由だ)のijはlang ij[laŋεi](背の高いei)だそうです。

それで手で書くとき、ijをÿ(yの上に¨)で書くことが多いそうですが、筆記體ならほぼ同じですから。

大文字IJ(IJ)Unicode:Ox132、小文字ij(ij)はUnicode:Ox133です。語頭ではIJ兩方とも大文字にするのでしょうか?

Hollanda語でijが語頭に來る例としては
ijs[εis](氷、獨逸語Eis[ais])、
ijskast(冷蔵庫、獨逸語Eis-schrank)
が有ります。それでvrijをvry、ijsをysのように書くのでしょう。



アイヌ語の数字

はちこう (2004/05/13 15:53)

こんなニュースがでていました。
-----
アイヌ語の数表現「400万」まであった 「最大1000」通説覆す−旭川・魚井さん

 【旭川】アイヌ語には千前後より大きな数を示す言葉はこれまで確認されていなかったが、十九世紀に、北海道のアイヌ民族とほぼ同じ言語が使われていた樺太(サハリン)のアイヌ語の辞典に四百万までの数を示す言葉が記載されているのを旭川市博物館嘱託職員の魚井一由さん(57)が見つけた。四百万などの大きな数の表現法にも規則性があることを確認し、数式化した。魚井さんは「北海道のアイヌ民族も交易などで、相当大きい数を使っていたのではないか」とみている。

 アイヌ語には、それぞれ一から五までを示す独立した数詞や、二倍を意味する接頭語などがあり、「十」「二十」などを示す複合語と組み合わせ、これらの足し算やかけ算などの形で、数を表す。これまで文献では千前後までの数を示す言葉しか確認されていなかった。

 三十年ほど前からアイヌ文化の研究を続けている魚井さんは、ロシアのアイヌ語研究者ドブロトゥボルスキー(一八三六−一八七四年)が樺太のアイヌ民族に取材し編さんした辞典の翻訳作業中、「二千」「二十万」「四十万」「二百万」などを示す語を見つけた。最も大きな数は「四百万」だった。

 さらに、「二十万」などの大きな数は、「二千」を示す語を核に、ほかの数をかけたり、足したりする形で表されていた。

 魚井さんは、これらの大きな数の表現法にも一定の規則性があることに気付き、数式化した。この方法だと、いくら大きな数でも表すことができるという。これらの研究結果は同博物館の報告書にまとめられた。

 魚井さんは「アイヌ民族は『交易の民』でもあり、体系化された数の表現が必要だった。四百万という数は、実際に使われていた可能性が高い」としている。

 魚井さんと共同で辞典の翻訳を進めている専修大道短大の広田徹教授(日本文学)は「アイヌ民族の数に関する固定概念に一石を投じる」とし、川村カ子(ね)トアイヌ記念館(旭川)の館長で、アイヌ語講師の川村兼一さんは「『アイヌ民族は数に弱かった』という偏見を覆す意味でもすばらしい研究だ」と評価している。

http://www.hokkaido-np.co.jp/Php/kiji.php3?&d=20040512&j=0031&k=200405127646



Re: kh

massangeana (2004/05/13 06:19)

>kh という綴りは、どうもアラビア文字 kha:' (咽頭摩擦音)の転写形
kh はふつうの [x] です。アラビア語をローマ字で記す場合, 無声咽頭摩擦音は h の下に
点を打った字であらわします。



Res: ドイツ語khan、オランダ語ijなど

Maniac C. (2004/05/13 02:58)

>高駒麗人Komaさん
> khanという綴りのせいもあるでしょうか。
→綴りの影響は大きいと思います。
■『英語語源辞典』に拠りますと:
 中期英語 c(h)an←古期仏語 同←中期羅語 caanus←チュルク系 kha:n
という借入関係で、仏・英語では(多分、独・蘭語も)昔から破裂音だったようです。
■現代トルコ語では、頭子音が弱化して han と声門摩擦音になっているようですが、
これは、kha:qa:n(蒙古語 qa:'a:n)の短縮形だそうです(同書)。中音消失形ぢゃないの
かな?
■ kh という綴りは、どうもアラビア文字 kha:' (咽頭摩擦音)の転写形みたいですね。

>有声破擦音を現すにはdzjというスペルが妥當なのでしょう。
→外国語音を表す臨時的な綴りですね。Webペーヂでは外にsj=シ、zj=ジ、ts=ツ、
dz=ヅ、tj=チ、tsj=/c/(硬口蓋破裂音)、nj=ニュなどが見受けられます。

>ジャガイモ>дзягаимо(dzjagaimo、ヂャガイモ)のような物ですね。
→そんな露語が存在するのか知らん、とググってみたら、日本料理を紹介するHP
みたいなのが引っ掛かりました。やっぱり外国語音を表す臨時的な綴りですね。
>МЯГКИЙ ОТВАРНОЙ КАРТОФЕЛЬ(дзягаимо-но тоса-фуми)
→ジャガ芋の土佐風味?(「土佐風味」って柔らかく煮ることなの?)
>КАРТОФЕЛЬНЫЕ КРОКЕТЫ (дзягаимо-но курокэтто)
→ポテトコロッケ?
>МИСОСИРУ С КАРТОФЕЛЕМ И ШПИНАТОМ (дзягаимо то хорэнсо-но мисосиру)
→ジャガ芋とホウレン草の味噌汁?
…「ジャガ芋」「ホウレン草」は独語だし、「コロッケ」は仏語だし、「味噌汁」は英語
からの借用語ですね。露人も英人同様、食欲旺盛と見えます。

>オランダ人の名前のijは、yで代用されることがあるという話を聽いた事があります。
→事実です&名前に限りません。蘭語ではijは1文字扱いで、蘭語の打字器には、ijと
いう特別な鍵盤が有るそうです。逆に、蘭語では外来語以外ではyが使われない、と言う
方が正確でしょう。アフリカーンス語ではijの代わりにyを使うそうです。



Re:モンゴル文字と梵字:

鴛鴦 (2004/05/12 18:37)

>massangeanaさん
今のものは関係ありませんでしたか。ふむふむ。
U+3002さんもお答えありがとうございます。



ドイツ語khan、オランダ語ijなど

高駒麗人Koma (2004/05/12 09:36)

ManiacCさんへ。ご回答ありがとうございます。
こちらこそ情報を有り難う存じます
>ドイツ語の場合、…蒙古語のkhanも摩擦音k>摩擦音x
それとも破裂音kにするのでしょうか。

>→Nein.独語で khan は「カーン」と破裂音です。
khanという綴りのせいもあるでしょうか。

オランダ語ではDzjengis Khanですか。
有声破擦音を現すにはdzjというスペルが妥當なのでしょう。

ロシア語で日本語のザ行(語頭でヅァ行)をдзにするのと似ています。
ジャガイモ>дзягаимо(dzjagaimo、ヂャガイモ)のような物ですね。

オランダ人の名前のijは、yで代用されることがあるという話を聽いた事があります。
筆記軆が似ているからだそうです。



Res: ロシア人名ローマ字轉写1

Maniac C. (2004/05/12 01:12)

>高駒麗人Komaさん
■情報を有り難う存じます。

>ドイツ語圈ではTschechovになる樣です。
→チェーホフは、独語Webペーヂでは、以下の11通りが発見されました。
 Tschechow 43,000件 Tschechov 1,830件 Tschechof 30件 Tschechoff 909件
 Tschekow    47件 Tschekov   306件 Tschekof  10件 Tschekoff  12件
 Tschekhow    1件 Tschekhov   5件
 Tschehow    6件
前述の通り、独語での -ов はポーランド式に -ow と転写するのが多数派のよう
ですので、お示しの綴りは第2位のものですね。
>ドイツ語人がTschech-ovと解釋してchをich-Lautにして、Хの軟音より更に舌面が前よりになる可能性があります。
→御明察! 同様に、Tschechoslowakei(チェコスロヴァキア)は、「チェヒョスろ
ヴァカイ」と発音されます。独語の ch はその前の母音によって音価が決まります。

>ドイツ語の場合、…蒙古語のkhanも摩擦音kにするのでしょうか。
→Nein.独語で khan は「カーン」と破裂音です。
>オランダ人であれば…、その要領で發音できるでしょう。
→蘭語でも khan「カン」です。ヂンギスカンは、Dzjengis Khan/Genghis Khan の
2通りの綴りが見つかります。



ロシア人名ローマ字轉写3

高駒麗人Koma (2004/05/11 22:23)

もし記号を工夫すると、
иの子音化がйなら半母音[j]もiの上にUのような記号をつけて[ĭ](iの上の點をUに)で表せば良かった筈。
一方иの中舌化ыですが、これはёのようにиの上に¨をつけてもよかったでしょう。
またラテン文字でも[-i-](iに短い横棒-を重ねる)の他にiの上の點を¨にした[ï]で表して良かったと想います。
(ロシア語ではVとWをвで表しますが、もし半母音wをvと区別する言語に使うなら、Йと同樣、Уの上にUの乗せた文字を使うべきでしょう。)

Ï ï(iの上に¨)はフランス語でTchaïkovsky、naïveのようにaiが[e]にならないような分離記号であり、ロシアでёはйо[jo]の代用ですが、本来¨は舌を前後に移動することですからёはeの中舌化[ə]または奥舌化(γの下を丸めた記号)を示すと合理的な筈です。
するとЫは、理論上、Иの上に¨を乗せた記号でも良かったわけです。

英語ではiの半母音化(Uを乗せる)も中舌化(硬母音化、¨を乗せる)もyで表現したのがまずかったわけです。

チェチェンの地名ГрозныйはGroznïĭ、
(Grozniiのnの次の2つのiの最初は上が¨で、次のiは上がU)
ロシア語の自称Русский языкはRusskiĭĭazïk
(Russkiiの最後のiの上はU、iazikの最初のiの上はUで、zの次のiの上は¨)
↑こう書けば良かったわけです。

http://www.newsru.com/world/27apr2004/damage.html
Ущерб от взрыва на станции Ренчхон оценивается в 400 млн евро
Ущерб от взрыва 22 апреля на северокорейской станции Ренчхон оценивается в 400 миллионов евро. Это сообщил во вторник заместитель постоянного представителя КНДР в ООН Ким Чхон Гук, на которого сослалось южнокорейское агентство "Ренхап".

Ренчхонは「龍川(룡천、リョンチョン)」、"Ренхап"は「聨合(련합、リョンハプ)」でしょう。

КНДР
Корея Северная (КНДР)
Гуманитарный сайт / Нумизматика / КНДР ( Корейская Народная Демократическая ...
(↑http://gumanitarniy.narod.ru/numismatica/korea-kndr.htm)
Корейская Народная Демократическая Республика
ロシア語で北朝鮮を紹介。

... По неподтвержденным данным, на станции Рёнчхон в КНДР взорвались поезда с ...
>... пока никем официально не подтверждены, 22 августа примерно в 13:00 на железнодорожной станции Рёнчхон в Северной Корее недалеко от границы с Китаем ...
>Станция Рёнчхон находится в 16 километрах по прямой от приграничного с Китаем города Синыйчжу.
vestnik.tripod.com/novosti04/042301.html (4 Кб) — строгое соответствие
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http://vestnik.tripod.com/novosti04/042301.html
(龍川の事故を紹介。地圖附き)



ロシア人名ローマ字轉写2

高駒麗人Koma (2004/05/11 22:21)

まず、[i]という前舌平唇母音があり、これは勿論キリルCyrill文字でиです。
次にiの中舌化した母音[j]と、iの子音化した半母音[-i-]があります。

ロシア語ではiの中舌化はыで、iの子音化はйです。
ドイツ語やポーランド語、チェコ語などではiの子音化をjで表現するので、yをiの中舌化に使用できます。

ただ、雜誌「言語」5月号を見るとКалмык(Kalmyk)がドイツ語でKalmükつまり[kalmyk]のようで、平唇中舌母音ыが圓唇前舌母音ü[y]で轉写されています。
これは平唇中舌と圓唇前舌では、「唇の表面から舌までの距離」が近いからでしょう。
高舌母音では「唇の表面から舌までの距離」が近い物から遠い物へ(第2formant周波数が高い物から低い物へ)並べると
[i]−[ü](u)− [-i-](ы)(中舌平唇)−[-u-](中舌圓唇)−[(m反轉)](平唇ウ、朝鮮語으)−圓唇[u]
という順序になります。

しかしPolandやCzechoで言語がjezyk、jazykである樣にйをj、ыをyで書き分ける事ができます。
チェチェンの地名ГрозныйはGrpznyyj、
ロシア語の自称Русский ЯзыкはRusskij jazykになります。

しかし、英語ではjが破擦音ヂになり、
iの半母化йをy、iの中舌化ыもyでかくと、
チェチェンの地名ГрозныйはGroznyy、
ロシア語の自称Русский языкはRusskiy yazykになります。

それで英語を母語とする人はыйとийを両方[i:]で代用してしまうので、結局
チェチェンの地名ГрозныйはGrozny、
ロシア語の自称Русский языкはRussky yazyk
というふうに、もとがыйでもийでもy[i:]にするのでしょう。
http://users.westnet.gr/~cgian/grozny.htm
(Grozny Chechnya:Photo Essay)
チェチェンはChechenですがChechnyaのようにyaがつくとchとnの間のeがなくなりますね。
Svoboden>Svobodnyj(暇な)みたいなものでしょうか?



ロシア人名ローマ字轉写

高駒麗人Koma (2004/05/11 22:20)

Maniac.Cさんへ
以前、Trubetzkojの名前が話題になりましたが、「チェーホフ(Чехов)」は英語ではChekhovになり、
ドイツ語圈ではTschechovになる樣です。
http://www.google.co.jp/search?hl=ja&ie=UTF-8&oe=UTF-8&q=trubetzkoj&lr=
(Trubetzkoj)
http://www.saturn.dti.ne.jp/~rus-eiga/sp/che/index.htm
(Чехов没後百年)
この場合、ロシア語ではЧеховのХは硬音の[x]で、獨語Ach-Lautです。
しかしTschechovの場合、ドイツ語人がTschech-ovと解釋してchをich-Lautにして、Хの軟音より更に舌面が前よりになる可能性があります。

ジンギスカンはキリル文字でЧингис Ханだったと想います。
http://gumilevica.kulichki.net/articles/Article51.htm
英語でGenghis Khan、ドイツ語では歌のタイトルで御馴染みのDschinghis Khanの樣です。
獨語の歌でもkhanはカンでしょうか?
http://www.cable-net.ne.jp/user/hikawa-m/toukou1.html

ドイツ語の場合、摩擦音ch(ich-Laut und Ach-Laut)が語等に来るのは少なく、蒙古語のkhanも摩擦音kにするのでしょうか。
オランダ人であればgeschiedenis(歴史)、Gpghなどのgも[x]ですから、その要領で發音できるでしょう。



Re: Vita Rosso つづき

高駒麗人Koma (2004/05/11 22:19)

Re: Vita Rosso 投稿者:はちこうさんへ
>ちなみに、vita rossaはスペイン語では vida rojaになります。

Muchas Gracias.
早速Vita Rossoは商品名をVita Rossaに変えるべきでしょうか?

http://principle.jp/bbs1/cbbs.cgi?id=brn&mode=one&namber=717&type=98&space=15
(西班牙語の話題↑)



Re: モンゴル文字と梵字

massangeana (2004/05/11 04:34)

>共に、サンスクリットの文字であるデーヴァナーガリー
>から変化しました。
パスパ文字(か, ソヨンボ文字)のことを言ってますか?
今のモンゴル文字はインドの文字とは関係ありません。

また, 日本に梵字が伝わったのはナーガリー文字ができる前ですので,
「デーヴァナーガリーから変化」したというのは時代錯誤です。



Re: -sky(その2)

Maniac C. (2004/05/11 03:33)

■今度は「独語の観点から」考察してみます。
■カウツキイ、トローツキイ、チャイコーフスキイ、ドストエーフスキイ、ついでに
ゴーリキイの独語での綴りを、独語のWebページ限定でググってみました。
■カウツキイ(Каутский)…9通り見つかりました。(独人です)
 Kautsky 7,840件 Kautzky 2,350件 Kauzky 180件 Kaucky 269件
 Kautski   24件 Kautzki   94件 Kauzki  5件 Kaucki  12件
 Kautskij   5件
独語でも、-sky が一般的なようです。-skij という綴りが独語らしさを感じさせて
くれます。独語の ts と露語の ц とは違う発音なのでしょうか?
■トローツキイ(Троцкий) …15通り見つかりました。
 Trotsky 3,450件 Trotzky  880件 Trozky  12件 Trocky   66件
 Trotski  185件 Trotzki 2,260件 Trozki 565件 Trocki 13,700件
 Trotskij  100件 Trotzkij  621件 Trozkij 28件 Trockij  226件
 Trotskie   3件 Trotzkie  10件         Trockie   97件
何故でしょうか。-ski の方が多くなります。
■チャイコーフスキイ(Чайковский)…22通りも見つかりました。
 Tschaikowsky 88,400件 Tschaikovsky 22,800件 Tschaikofsky 1件 Tschaikoffsky 3件
 Tschaikowski 11,900件 Tschaikovski   479件 Tschaikofski 1件 Tschaikoffski 4件
 Tschaikowskij 1,730件 Tschaikovskij  222件
 Tschaikowskie   3件 Tschaikovskie   2件
 Tschajkowsky   47件 Tschajkovsky   17件
 Tschajkowski   426件 Tschajkovski   11件
 Tschajkowskij  128件 Tschajkovskij  131件
 Tschaykowsky   16件 Tschaykovsky    5件
 Tschaykowski   14件
 Tschaykowskij   1件
母音+ й は、やはりiが一般的なようです。又、独語での -ов はポーランド式に
-ow と転写するのが多数派のようです。
■ドストエーフスキイ(Достоевский)…17通り見つかりました。
 Dostojewsky   696件 Dostojevsky   70件           Dostojeffsky 8件
 Dostojewski  37,000件 Dostojevski   435件 Dostojefski  2件
 Dostojewskij 13,100件 Dostojevskij 1,780件 Dostojefskij 1件
 Dostojewskie    3件
 Dostoewsky     1件 Dostoevsky  2,790件 Dostoefsky  15件
 Dostoewski    14件 Dostoevski   107件
 Dostoewskij    44件 Dostoevskij  2,200件
独語ではしっかりと軟音も転写する方が一般的なようです(英語ではDostoevski)。
これまた何故か -ski の方が多くなります。
■ゴーリキイ(Горький)…9通り見つかりました。
 Gorky 21,700件 Gorjky  1件 Goriky  51件
 Gorki 55,100件        Goriki  31件
 Gorkij 3,620件 Gorjkij 2件
 Gorkie 21件          Gorikie  20件
これだけを見ると、-ийはiで転写するのが多数派のようです。この例では軟音は
転写されない方が多数派です。

■うーむ、謎が深まってしまった。



Re: -sky(その1)

Maniac C. (2004/05/11 03:28)

>にれのや師匠
■私も、師匠のスラヴ側からの見方・考え方を否定しているのではありません。
飽くまで「仏語の観点から申し上げ」たわけです。別段、「論理的に説明する」心算や
「数学的な解決」を求めたわけでもありません。もしそのように読める書き方をして
いたのであれば、お詫び申し上げます。

>普通の人々というのは、「言語に興味がある人々」 ほど 「正しい言葉」 に関心がない。
→「普通の人々」「言語に興味がある人々」にManiac C.が包摂されるのか、除外
されるのか両義的ですが、「正しい言葉」というのは「規範とされる言葉」という
意味でしょうか、それとも「様々な変異体が在る言葉の実態」という意味でしょうか?

>どんな外れ方をするのかを観察することが面白い
>まちがいが何に起因するのか考察する方が、わたしの場合は面白い
→これに関しては激しく同意です。その「なぜ?」が解明できれば非常に快感です
よね。しかし、なかなか「なぜ?」が判らないのも言語学の常で、難しいところです。

■х の転写について
>われわれが普通だと思う kh
→これを読んで改めて不思議に思ったのは、どこの国の人(何語を話す人)が [x] の
音をkhで転写し始めたのか、ということです。独語や西語にはこの音が有りますから、
別段khで転写する必要は無いわけです。仰るとおり、仏語ではkも外来語用の文字
ですので、cで表せるものはcで表してしまう。英語で khaki, khan と表記される
ものも、仏語では単に kaki, kan です。尤も、こちらは摩擦音ではなく、帯気音が
原音のようですが。…やはり英語を話す人なのかなあ。まあ、そんなわけで、仏語で
キリールのхが「なし ; k; ch」になるのはとてもよく理解できます。つまり、仏人
にはどうせ発音できないのだから省いちゃおう、と思えば「なし」になり、一番近い
音で発音してもらおう、と思えばkになり、希臘語転写の規則に従えば、ch になる
(但し、学の無い人には [∫] で発音されてしまう)わけです。



モンゴル文字と梵字

U+3002 (2004/05/10 21:14)

鴛鴦さん
>  モンゴル文字はなんとなく梵語に使われる文字に似ているような・・・(気のせい?)

共に、サンスクリットの文字であるデーヴァナーガリー
http://www.unicode.org/charts/PDF/U0900.pdf
から変化しました。
デーヴァナーガリーは、仏教とともに東アジア中に広がり、各地に定着しました。
なお、デーヴァナーガリーは、現在もインドの主要な公用語であるヒンディー語などに使われています。

おおざっぱに言えば、
1文字ずつに分解して並び替え、縦書きにしたのが梵字
全体を90°回転させて縦書きにしたのがモンゴル文字
です。



Re: Vita Rosso

はちこう (2004/05/10 13:14)

スペイン語が絡んだのでしゃしゃり出てきました。^o^

> 「白い家」はCASA-BLANCAでBLANCAは修飾する名詞によってはBLANCOになりますか。
> 「白い港」ならPUERTO BLANCOで、「白い海岸」ならCOSTA  BLANCAですか?
> 西班牙語に疎い人が、“PUERTO BLANCA”とか、“COSTA  BLANCO”とか言ったらVITA ROSSOみたいな間違いですね。

そのとおりです。
スペイン語の名詞は"o"か"a"で終わるものがほとんどです。
"o"で終わるものは男性名詞なので形容するときも形容詞の男性形を使います。
"a"で終わるものは女性名詞なので形容するときも形容詞の女性形を使います。
形容詞は"o"、"a"で終わるものの他に"e"で終わるものも多く用いられます。
"e"で終わる形容詞は男性女性で語尾変化しません。
もちろん、例外はありますが。

ちなみに、vita rossaはスペイン語では vida rojaになります。



Re: -sky について

青蛙 (2004/05/10 11:14)

 私も、たいへん興味深く拝見させていただいております。
 とは言っても、スラヴ語圏の話には全く口が出せないので実例を一つ。

 以下は1776年パリ刊の "Atlas Celeste de Flamsteed"(我が国で『フラムスチード天球図譜』としてファクシミリされているもの)から。
・おおいぬ座α星・シリウスが Syrius と綴られている(通例は Sirius)
 http://www.lhl.lib.mo.us/services/digital/ebooks/flamsteed/bigpix/maps/0020041b.jpg
・現存しない「ポニアトフスキーの牡牛座」が le Taureau Royal de Poniatowski と綴られている(ポーランド人名だから参考にならないか)
 http://www.atlascoelestis.com/FOR%2010.htm(これは1795年版)
・「ソビエスキーの盾座」(現・たて座)が l'Ecu de Sobieski と綴られている。(こっちもポーランド人名)
 http://www.lhl.lib.mo.us/services/digital/ebooks/flamsteed/bigpix/maps/0020036b.jpg

 ロシア文字からの転写の実例でなくてごめん。>にれのや さん
 連投失礼しました。>皆さま



野尻随筆の取り扱い

青蛙 (2004/05/10 11:13)

 にれのや さんに『星と伝説』(「蒙古の星 他」では書名を間違えていました)を紹介したのですが、中公文庫BIBLIO版は異様に薄い。私も本屋に行ってみたんですが、すると『続 星と伝説』なる続編が出ていました。
 同書は最初、創元文庫として1952年に出版されました。その後、1955年に角川文庫から同名の随筆集(現代風に言えばアンソロジー)が出ていました。講談社学術文庫版『星の民俗学』が創元文庫版と同一内容なのだそうです。
 中公文庫BIBLIO版は1955年・角川文庫『星と伝説』が底本だそうです。同書は1971年に大幅に加筆されたようで、『続 星と伝説』は1971年版での加筆部分に当たります。私の手許にあるのは1979年に出た改版三版でした。1971年版(改版)の3刷なんでしょうね。今『星と伝説』を揃えようとすると、1971年版の4倍値かかります。

 それで野尻随筆の取り扱いなんですけど、先の書きこみでも触れたように、原文はかなり古い、時代遅れなものです。野尻抱影と言えば、天文ファン・星座ファンにとっては神様みたいな存在(マンガ業界における手塚治虫のようなもの)ですが、いい加減に崇拝するのは止めて、書かれていることの正誤を選り分ける批判的研究をすべきだと思うんです。既に、おとめ座α星・スピカの和名は「真珠星」であるとの誤伝がかなり流布しています。
 野尻の和名蒐集は文化勲章に匹敵する偉大な功績だと思いますが、西洋の星座・星名に関してはかなりトンデモです。



続 re: 北極星

青蛙 (2004/05/10 11:12)

にれのや さん:
> 直接、役立つ情報はありませんでした
 野尻氏の文自体がつまみ食いのようなものですからね。ネタ元になっている挟間氏のレポートだとかポターニンの原著を参照できれば良いのでしょうが。
 この種の、野尻氏の随筆の再録本はいくつか刊行されていた(おそらくその殆どは、今では絶版)んですけど、原文は昭和一ケタ代(少なくとも戦前)に書かれた古いものです。

> 「星に関する伝承の多様性」 を感じ取りました
 私もです。いや、それだけでなく野尻本人もそれを強く感じていたんじゃないんですかね。だから、日本の星だけでは飽き足らず、古今東西のあらゆる星に手を出すようになんったんじゃないかと。

> 「それぞれの言語、および、星」 に精通していないと、こういう伝承を採集するのはむずかしい
 そうですね。だから、どちらもちょこっと齧っているにすぎない私はあまり大きなことが言えず、どこどこの誰々がこんなことを言っていると紹介するのが関の山です。
 松茸さんも
> 民族・民俗学情報は、きちんとしたモノグラフによる(か自分で臨地調査する)べき
と仰っていますが、だからこそ野尻の和名蒐集(調査は野尻本人によるものではありませんでしたが)
には意味があったんだと思います。現在でも「星の伝承研究室」の北尾浩一氏らによって現地での聞き取り調査が続行中ですし。

> アルトン・ガドサという表記は、内蒙古(ホロンバイル)の発音・文語表記の影響もあろうし、「弱化母音」 をどう聞き取ったか、という問題でもあるかもしれません。
> より古い発音が、ホロンバイルの方言に残っていたのかもしれません。
 なるほど、「間違い」と言うより、聞き取り方(聞き違い)や方言音での差異ということもあるわけですね。

> ハルハ・モンゴル語では、gadas の語義に、「釘、杭、柱」 などがあります。つまり、小さかろうと大きかろうと、「打ち込む細長いもの」 を指すようなのですね。
うーんと、
・語義:打ち込む細長いもの
・訳語:釘、杭、柱
ということでいいんでしょうか。鋲というと、私なんぞは頭でっかちの画鋲を連想してしまいますから、語義からすると「釘」と訳した方が良いようですね。

> ボジントイの9人の白い息子というのは、何かの星を思い起こさせるでしょうか?
 これだけだと何とも言えませんね。

> Altan gadas の杭につながっている馬が、野尻氏の指摘する 「小熊座のベータ、ガンマ」 と見なしてもよいでしょうか?
 ポターニンの原著(『西北蒙古志』)には「カストールとポルックスか」とあるらしいですけど、先の書き込みにもあるように、私は野尻説を支持します。
・夜な夜な北極星の周りを回る北斗七星は、中心を狙っていると見られていたようで、こぐま座のβ星とγ星はそれを阻んでいるとみなされていたようです。両星を指す和名「番の星」や「矢来星」にはそのようなイメージがあります。また、アラビアの古伝承でも北斗が北極星を狙っているということになっています。
・こぐま座のβ星とγ星は、アラビアでは al-Farkada:n 「2頭の子牛」と呼ばれていました。γ星の固有名 Pherkad(フェルカド)の語源です。(フェルカドは『月刊 少年マガジン』連載の川原正敏「海皇紀」に人名として出てきます)
・ヨーロッパでは、両星は「極のガードマン」と呼ばれていた(る?)。
・ヨーロッパでは、両星と北極星とを結んだ鋭角三角形を「角笛」と呼び、時(おそらく時間の方)を知るのに使われていたらしい。(「角笛」は、こぐま座のいわゆる「小柄杓」との説もある)

> 野尻抱影(ほうえい)というのはペンネームのようですが、由来は?
 仰るとおり、野尻抱影は筆名(雅号)で、本名は野尻正英(まさふさ)といいます。作家・大仏次郎の兄に当たります。
 ペンネームの由来には3つの説があるようです。
1)「金剛経」の「夢幻抱影」から採った
2)氏の恩師・島村抱月の影を慕うという意味(Maniac C.さんご紹介済み)
3)当時流行した「スペイン風邪」で急逝してしまった亡き愛妻の影を抱いている(石田説)
 石田五郎「『抱影随筆』の理解のために」(野尻抱影の本1『星空のロマンス』解説)



re: 北極星

青蛙 (2004/05/10 06:47)

 にれのや さんのお話からすると、「アルトン・ガドサ」は「アルタン・ガダス」の誤り(聞き間違い、誤写)かと思われましたが、Maniac C. さんの情報のおかげで思いがけなく傍証を得るところとなりました。

> 北極星は天の釘であり、また金色の釘とも呼ばれ (@ Mongolian Shamanism)
 これが挟間氏の報告と一致しています。

 ところで、
> 北極星― Timer Kazyk (鉄の杭)は、夜の旅の間の基準であった。鉄の杭というこの名前は、多分、視覚的な不動性の故に与えられた。そして、結果的に、その周りを回る2つの接近した星は、杭に紐でつながれた馬のようなので、「2頭の白馬」と名づけられた。(@ THE TATAR GAZETTE)
は、先に私が「『馬をつなぐための杭』という意味ならば、参考となる」と申し上げたそのお話です。こちらの出典はポターニン『西北蒙古志』第二巻となっています。
 「蒙古の星」では同書に依拠して、トルコ種キルギス人(↑原文ママ)の伝えるものとして Timer Kazyk が「テミル・カズィク」となっています。なんでも、北斗七星が40人の盗賊ならぬ七人のサムライ、いや七人の盗賊「ジュドゥイ・カラクシ」で、彼らは2匹の馬、アク・ボザト(白い馬)とコク・ボザト(灰色の馬)を隠しており(ここは、「2頭の白馬」としている THE TATAR GAZETTE とちょっと違っている)、それらをつないでいる「鉄の柱」が北極星だということです。
 「2つの接近した星」@ THE TATAR GAZETTE は、野尻翁の推察どおり、こぐま座のβ星およびγ星でしょう。この3星にまつわる説話は、世界各地に(もちろん日本にも)あります。

 北辰を世界樹や世界山の頂とする見方も世界各地にあり、Allen の "Star Names" に腐るほど書かれています。



re:vita

青蛙 (2004/05/10 06:46)

melmoso さん:
> vitaはイタリア語で、命、生命、生き方などを意味します。
 vita はイタリア語でもそのまま vita でしたか。意味はラテン語と同じですね。命名者がイタリア語から造語したとしたら、「多言語ちゃんぽん造語」というのは誤りということになりますね。

> 有名な映画「甘い生活」dolce vitaのおかげで、「vita」は日本人にお馴染みの単語ですね。
 いちおう日本人のつもりですが、初耳でした。

> 語法的に誤りとのことですが、もう少し詳しく教えてください。
 既に風鈴’さんが説明しておられるとおりで、修飾語(形容詞)は被修飾語(名詞)と性を一致させなければならないのではありませんか。イタリア語なら vita rossa、ラテン語なら vita rosa という具合に。



Re: -sky について

にれのや (2004/05/10 05:23)

〓ええ、Maniac C. どの。つまりですね、わたしの考察していることというのは、-sky の綴りを論理的に説明する方法を求めることではなく、どのような可能性が考えられるか、ということなのです。
〓確かに、y=[ij] である、と説明してしまえば、「数学的な解決はつく」 でしょうが、言語というのはそういうわけにもいかない。誤解して欲しくないのは、y=[ij] という説明を否定しているわけではないのです。
〓ええとですね、ロシア人による自分の姓の転写形というのは、収集すればするほど、その多様性と 「仏語の綴字法の無視」 が目立ってくるのです。つまり、どんな時代でも、普通の人々というのは、「言語に興味がある人々」 ほど 「正しい言葉」 に関心がない。しかし、そういう人たちが、どんな外れ方をするのかを観察することが面白いわけです。
〓ロシア人の転写系でひじょうに興味を引く点は、-ов, -ев については、
   -off, -eff; -ov, -ev; -ow, -ew
というテンでバラバラな綴りを使うのに、なぜか、-ский については、
   -sky
と一定している。これ以外の綴りは絶対に使わない。言語以外の力が働いているかもしれないと考えたのは、そういう背景からです。
〓他には、х の転写などは支離滅裂です。まず、われわれが普通だと思う kh が使われない。
   なし ; k; ch
などが使われます。これらが社会的に使われていたのは事実であり、その子孫は今でも、その綴りでフランスで暮らしているわけです。それらをフランス語の正音法に照らし合わせて 「まちがい探し」 をするよりも、そのまちがいが何に起因するのか考察する方が、わたしの場合は面白いと思うのですが。いかがでしょう。



Res: トンデモ注意報

Maniac C. (2004/05/10 05:09)

>松茸さま(後先になってしまいました;)
■済みません、またやっちまいましたか。取り扱い注意のご指摘、毎度有り難う存じます。

>民族・民俗学情報は、きちんとしたモノグラフによる(か自分で臨地調査する)べきだと思います。
→「きちんとしたモノグラフ」というのが、ネット検索をするときの一つのチェック・
ポイントになるのですね。肝に銘じておきます。

■「クルゼンシュテルン」の訂正も有り難う存じました。
■今後も宜しくご指導ください。



re: 野尻抱影

Maniac C. (2004/05/10 04:58)

>にれのや師匠
■下記URLによれば、野尻抱影氏の「抱影」の名は、学生時代に恩師・島村抱月氏と演劇
研究をしたときに名付けた"星名"である、との由です。

http://www.isis.ne.jp/mnn/senya/senya0348.html



-sky の地域による発音の差とラテン字母転写について再考

Maniac C. (2004/05/10 04:40)

■師匠の説明を要約しますと、以下のようになるかと存じます。
 ポーランド: -ski [-ski] [-スキ]
 ベラルーシ: -ский [-ski] [-スキ]
 ロシヤ  : -ский [-skij] [-スキィ]  -ый [-ыj] [-ウイ]
 ウクライナ: -ский [-sjkыj] [-シクィ] -ий [-ыj] [-ウイ]
(1) ポーランドは、元々ラテン字母を使っているので、転写の問題は生じず、仏語で
 もポーランド語の綴りのまま使われるので、問題は無し。
(2) ベラルーシの場合、発音どおりに転写すれば、ポーランド語と同じ -ski。文字
 通りに -ий= -iiと考えれば、仏語ではi+i=yなので、-sky となる。
(3) ロシヤの場合、発音で考えても綴りで考えても、仏語ではi+i=yなので、
 -sky となる。-ыйは、-yi となるはずだが、不自然なので -y となる。
(4) ウクライナの場合、なるべく発音に近く転写すれば -s(i)kyi となるが、まづ、
 -s(i)- の軟音はどうも無視されるようなので -s- となり、-kyi も不自然なので
 -ky となり、結果としてやはり -sky となる。綴りで考えると、ロシヤと同じで、
 やはり -sky になる。-ыйも同様。
■このように説明が着くと思われますが…?



re: -sky

Maniac C. (2004/05/10 04:33)

>にれのや師匠
>疑問点は、「-ский に終わるロシア姓のフランス語転写形 (英語転写形にも継承される) では、なぜ、-sky と 語末に y が現れるのか」 ということ
>「現在のフランス人によるロシア姓の綴り」 と 「ロシア革命までのロシア人によるロシア姓の綴り」 とは別物
→以上2点は諒解です。

■【y の使用法】について、仏語の観点から申し上げます。yは、基本的には仏人に
とって、その名「イ・グレック(希臘のi)」が表すように、外来語用の文字です。
(1) 子音 [j] の表記。
 (1a) 語頭の [j] 音の表記…仏語では、ほとんど外来語です:
   yacht[jOt, jak] ヨット(蘭語)
   ya(c)k[jak] ヤク(チベット語)
   yankee[jα~ki] ヤンキー(英語)
   yaourt[jau:r, jaurt] ヨーグルト(トルコ語)、など。
  本来語は、間投詞を除けば、yeux[jφ] ぐらいでしょうか。これとて、ocl+s>
  ueils[ueils]>uelz[yεlts]>ieus[ieus>ijeu]>yeux という変化の結果です。
  仏語では、普通、子音 [j] はiで表記されます:
   iambe[ja~:b] 短長格の詩
   iode[jOd] 沃素
   ion[jO~] イオン、など。
  日本語の「東京」が Tokio [tO'kjo トキヨ] となるのも、そういう理由です。
 (1b)(1c) 語中の音節頭の [j] 音の表記・音節末の [j] 音の表記…仏語ではyは
  母音字として扱われますので、「語中の音節頭」にyが来ることは有りません。
  語中に在る場合、「音節中」又は「音節末」として処理されます。
   つまり、Masseyeff は、本人は Mas-se-yeff のつもりなのかも知れませんが、
  仏人から観れば、Mas-sey-eff と句切って考えるのです。但し、発音は、y=i+i
  なので、[masε'jef] となります。
   仏語本来語の例で言えば、cray-on = crai-ion, voy-a-ge = boi-ia-ge,
  es-suy-er = es-sui-ier などと考えるわけです。
   Masseeff は [mase'εf], Masseieff なら [masε'ef] と読んでもらえます。
   Chaykine は、「ハイキン」とは読んでもらえなかったでしょうね。仏語として
  普通に読んだら「シェキーヌ」で、少し学の有る人なら「ケキーヌ」とは読んで
  くれたかも知れませんが。やはり分音符号¨は必要だったでしょう。
   Chouysky は「シュウィスキー」なので、ほぼ原音に近く発音してもらえます。
   Feyghine / Feyguine は「フェギーヌ」(ey は [ε])です。「フィイェイギン」
  と読んで欲しいのなら Fie´iguine の方が良かったかも。…マスィイェーイェフ
  もそうだったのですが、ロシア人は [sje] と [se]、[fje] と [fe] の違いは
  気にしな「のでしょうか?(以前に [sje] と [se] については書き込みが在った
  と思いますが、[fje] と [fe] も? ということです) 多分、[e] と [ε] は
  気にしないのでしょうが。
   Gaydebouroff は、分音符号無しでは「ゲドブロフ」です。де= de という
  単純な置き換えなのでしょうが、[dje]≠[d@] ですよね。これも気にしないの
  でしょうか? 日本人的な発想ではде≒ je´のような気もするのですが、
  ロシア人にとっては、やはり je´≒же?
 (1d) 語末の [j] 音の表記…これは仰るとおり、[wa] と誤読される可能性以外は、
  問題無しでしょう。
(2) 母音 [ы] の表記…英語もそうですが、仏語でも相当する母音が無い以上、便宜
 的にyで表すのは已む無しと考えます。又、「-ый は、-yy になるので -y に省略
 したと考える」のは適切ではないと思います。上述のように、yは仏語では外来語
 用の文字であり、英語の語末では単にiの変異体ですので、й=yではなく、й=
 iと考えるのが適切だと思います。英語本来語でも、仏語本来語でも、yi [ji] と
 綴ったり発音したりする語は、間投詞以外無いので(外来語・新語や、英語で [ji:]
 と発音する語なら在る)、「-ый には、-y を当てる」のは自然の流れなのです。
(3) 語末の -ский の [ij] の表記…従って、-ий= -iiとなり、英語では
 語末なので -y となり、仏語ではi+i=yなので、やはり結果的には -y となる
 のです。



スーホの内蒙古音を確認

にれのや (2004/05/10 01:42)

〓『言語』5月号読みました。モンゴル語のラテン文字による共通化というのは……。中国政府には見過ごせない問題ですね。今でも、ロシアのブリャート語の文字体系とモンゴルのハルハ・モンゴル語の文字体系は、同じキリール文字を使っていながら、異なっています。ブリャート語には面白い文字があって、
   大文字は Ч のさかさま/小文字は h
という文字があります。
〓メールの影響による書記体系の変化ということでは、ウズベク語の例を思い出しました。中央アジアでは、ウズベク語はアゼルバイジャン語とならんでラテン文字変更組ですが、ラテン文字へ切り替えるに際して、「読み分け記号つき」 の文字を全廃し、それらの文字をすべて 「親文字+アポストロフィ」 にしてしまいました。まあ、便利なんでしょうけど、味けない。
   У{+йの上についている記号}, у{〃} → O', o'
   F, г{+-} → G', g'
Х{+Цの右下のツメ}→H、К{+Цの右下のツメ}→Q というように、他の記号付き文字もメールで使える文字に変更されています。
〓「スーホ」 関連ですが、内蒙古の 「斧」 の発音を確認しました。сvх です。ハルハ方言と同じでした。もちろん、内蒙古ではモンゴル文字で suhe と表記上は書いていますが。



Altan gadas と 「世界樹」 伝承

にれのや (2004/05/10 01:41)

【野尻抱影(のじり・ほうえい)著 『星と伝説』 を読む】
〓ええ、青蛙さん、買いました。「蒙古の星」 の章は読みました。直接、役立つ情報はありませんでしたが、いろいろとインスピレーションと 「星に関する伝承の多様性」 を感じ取りました。
〓「それぞれの言語、および、星」 に精通していないと、こういう伝承を採集するのはむずかしい、ということを感じましたね。挟間文一氏のアルトン・ガドサという表記は、内蒙古(ホロンバイル)の発音・文語表記の影響もあろうし、「弱化母音」 をどう聞き取ったか、という問題でもあるかもしれません。現代ハルハ・モンゴル語gadas に対する 「ガドサ」 (gadsa or gadosa ?) は、語末に母音を伴っているようなので、より古い発音が、ホロンバイルの方言に残っていたのかもしれません。
〓「黄金の鋲」 というのもビミョーですね。ハルハ・モンゴル語では、gadas の語義に、「釘、杭、柱」 などがあります。つまり、小さかろうと大きかろうと、「打ち込む細長いもの」 を指すようなのですね。すると、「鋲」 も gadas なのでしょう。

【Алтан гадас について Electronic Journal of Folklore から】
〓Altan gadas について、もっとも端的に述べてくれているのが、上記のフォークロアに関するサイトです。印刷物として出版している定期刊行物の電子版のようです。刊行地はエストニアのタルトゥ。論文の著者はエストニア人のアード・リントロップ Aado Lintrop という人物です。↓
http://haldjas.folklore.ee/folklore/vol16/oak2.pdf
Maniac C.氏の調べてくれた情報の中の 「世界樹」 "World Tree" と呼ばれる伝承の類型について述べたくだりで、そのものズバリ Altan gadas について (ただし、ブリャートのシャマン伝承) 触れています。以下、引用です。(* は 「にれのや」 付す)

「モンゴル族は、北極星を Altan gadas (モンゴル、ブリャート), altan gasn (カルムィーク)、つまり、the golden pole と呼んでいる。ブリャート人は、北極星を、ボジントイ (Bozhintoi / *Божинтой) の9人の息子、つまり、9人の天の白い鍛冶職人がこしらえた、馬をつなぐ天の杭だと信じている。フィンランドとカレリアの神たる鍛冶職人イルマリネン (Ilmarinen) は、柱をこしらえたとされており、このことから、同様のモチーフが非常に広い範囲に広まっていることがうかがえる」

〓ロシア語のサイトでは、ブリャートのボジントイ伝承を伝えるものがいくつかあるのですが、残念ながら Altan gadas には言及していない。モンゴル族のシャマン伝承が、ブリャート族の伝承として現れてくることが多いのには理由があります。つまり、モンゴル族の中で最も早い時期に西洋化したのがブリャート族だからです。ブリャート族の居住地の中には、ロシアのシベリア支配の中心地たるイルクーツクがあります。
〓モンゴル族が中世にチベット仏教を取り入れて以来、廃れつつあったシャマン伝承をいち早く採取し、文字に残したのは、ブリャート人の民俗学者ジャムツァラーノという人物だったようです。(田中克彦著『草原の革命家たち』に詳しい)。ジャムツァラーノは、革命前のロシア、サンクトペテルブルクで、西洋流の民間伝承の採取法や音声記号の使用法などを学び、20世紀の初頭のイルクーツク周辺のシャマン伝承をたくさん残したらしい。それが、1970年代にロシア語訳がついて刊行されたとのよし。

〓ボジントイの9人の白い息子というのは、何かの星を思い起こさせるでしょうか? わたしは星についてはまったくなので…… また、Altan gadas の杭につながっている馬が、野尻氏の指摘する 「小熊座のベータ、ガンマ」 と見なしてもよいでしょうか?
〓野尻抱影(ほうえい)というのはペンネームのようですが、由来は?



ありがとうございました

あぽろ (2004/05/09 23:19)

なるほど、、、単に海、としか認識したとしても、昔の日本人は不便じゃなかったんですね、、、
ところで魏志倭人伝には 壱岐と九州の間の名前が かん海 という言葉がでてきたのですが、、、海峡の名前という説でよいのでしょうか?、そしてこれはいったい誰がつけたのでしょうか?



トンデモ注意報(re^2: 北極星)

松茸 (2004/05/09 20:57)

->Maniac C.さま:

 ご教示されたうちの二つ目のサイトは《過去の大災厄が神話として伝わっている》タイプのトンデモですね。
 以下の日本に関するページをみれば、資料集としても信頼できないことは明らかです:
http://mythopedia.info/21-japan.htm
# 「富士山アイヌ語説」も出ています。(^^;

 民族・民俗学情報は、きちんとしたモノグラフによる(か自分で臨地調査する)べきだと思います。

PS. 「クルゼンシュタイン」ではなく「クルゼンシュテルン」です。
http://kolibry.astroguru.com/01110347.htm



re: 日本海

Maniac C. (2004/05/09 19:42)

>あぽろさん&高駒麗人KOMAさん
■こちらもどうぞ。

>日本海と呼ばれるようになったのはマテオ・リッチの「坤與万国全図」(1602) が最初の地図です。西洋ではロシア提督のクルゼンシュタインが1815年に出した地図といわれています。
http://isweb18.infoseek.co.jp/travel/fyamap/105speech.htm

■では,その前にはなんと読んでいたのだろう?
「北の海」「越海(こしのうみ)」「外海」「外浦」など。(詳しくは下記URL)

http://www5b.biglobe.ne.jp/~NOTO/question.htm



Vita Rosso>Vita Rossa

高駒麗人KOMA (2004/05/09 17:09)

Vita Rossoは文法的に間違いでVita Rossaですか。
ポルコロッソ(紅の豚)はPORCO ROSSOで
PORCOにつくからROSSO、
一方、VITAにつくなら、
ROSSOでなくてROSSAですね。

イタリア語と兄弟分であるスペン語の地名で言うと、
PUERTO RICO(豐かな港)と
COSTA RICA(豐かな海岸)がありますが、
日本人が間違えて“COSTA RICO”等と言ってしまう樣な物ですね。

「白い家」はCASA-BLANCAでBLANCAは修飾する名詞によってはBLANCOになりますか。
「白い港」ならPUERTO BLANCOで、「白い海岸」ならCOSTA  BLANCAですか?
西班牙語に疎い人が、“PUERTO BLANCA”とか、“COSTA  BLANCO”とか言ったらVITA ROSSOみたいな間違いですね。

英語以外のヨーロッパ語は、日本ではあまり知られていません。
日本では、假に英語の「複數のS」が缺落した“THREE GIRL”という樣な初歩的なミスの言葉が商品名になったら、中學生への教育上問題になりますが、同じレベルの間違いが、イタリア語等を眞似た商品名等では平氣で出て來るのでしょう。
中國語や韓國語がブームになったりしましたが、英語以外のヨーロッパ語の知識も重要ですね。ロシア語は歐洲語であり且つ亞細亞語でもあるのですが。

牛乳入り珈琲は、
フランス語でCAFE AU LAIT、
イタリア語でCAFFE LATTEの樣ですが、
日本の喫茶店でCAFE  LATTEという表記も見かけました。



ロシア文字とモンゴル語など

高駒麗人KOMA (2004/05/09 16:54)

にれのやさん

ManiaCCさんへ

月刊「言語」5月號購入しました。ありがとうございます。
http://paranse.cool.ne.jp/
(韓國朝鮮語の森)が紹介されていました。
あと、RUSSIAの高麗民族(고려민족KORYEO-MINJOK、Крейцы)についての記事や、歐洲に有るMONGOL語:KALMYK語の話題もありました。

田中克彦さんが「スーホー(蘇赫Suhe←СYХ:Sukh)の白い馬」について書いた本は現在探索中です。しばらくお待ち下さい。
西歐語(英佛獨伊西葡語等)で東歐語(露西亞語等)をどう書くかは色々問題があるようですね。
ロシア、モンゴル、中国でもローマ字化とロシア文字化等が檢討された事があるようですね。モンゴル文字復活は挫折ですか。モンゴル文字を表音的に書くのは無理でしょうか?
日本で言うと「蝶」を「てふ」と書いていたのを、「ちょう」を經由せず、いきなり CHO^或いはTYO^と書き改める樣な物ですね。それに慣れてから「てふ」に戻るのは平安時代の發音TEFU(唐代漢語DEP「蝶」より)を覺える樣な物で難解でしょう。

NHK「ロシア語講座」でDANIEL KAHLと「さとう珠緒」さんがロシアのお店の寫眞を見て、店の入り口の上に大きく書かれた
СУПЕРМАРКЕТ
という文字の半分まで讀んで、二人とも何かわかって喜んでいました。
DANIEL KAHLは「英語がロシア語に澤山入ると樂ですけどね」とのコメントでした。
講師は「英語の知識をどんどん生かすといいですね」と言っていました。
СУПЕРМАРКЕТなどはローマ字でSUPERMARKETと書けば、西歐語圈の人が見ると一瞬でわかります。そうなると、これはロシア語でなく英語そのままという感じになります。

モンゴルではキリル文字は、ロシア文字というよりモンゴル國字として現地化した樣ですね。



日本海

高駒麗人KOMA (2004/05/09 16:32)

日本海については檢索すると出ます。

http://www.freewebs.com/startup/japansea.html(古地図から見た日本海論争についての考察)
>実際に大阪大学所蔵の西洋古版アジア地図を調査した結果、1800年以降の全ての地図で「日本海」と記されている。当時は日本はまだ鎖国状態であったことからも植民地支配と無関係に欧州で「日本海」の名称が定着していたことは明白である。

http://www.relnet.co.jp/relnet/brief/r12-138.htm(日本海か東海か)
http://perape.hp.infoseek.co.jp/column/800/colm_842.htm(日本海(東海)呼称問題ニュース&リンク)
http://www.mofa.go.jp/mofaj/area/nihonkai_k/(外務省、日本海呼稱問題)



日本海

あぽろ (2004/05/09 13:26)

日本海はいつ頃から言われている言葉でしょうか?



RE:世界共通語

鴛鴦 (2004/05/09 09:40)

>Maniac C.さん
こちらこそお久し振りです(^^)

>1.
不定形が無いぶん簡単ですね。あとは目的に応じて冠詞や前置詞、語尾に付加をしたりと。なるほど、分かりました。
>2.
世界的にみるとやはり少ないですね。増えも減りもしていないのなら目では分かりませんね。
>3.
うーん、やはりエスペラント語の普及は難しい?



res: 世界共通語

Maniac C. (2004/05/09 05:39)

>鴛鴦さん(お久しぶりです!)
>1.エスペラント語の文法はどちらかというと何語に似ているのか?
→敢えて言うなら、語形変化が他の欧州語に比べて簡単と言う点で、英語ではないでしょうか。
詳しくは下記URLを御覧ください。
 http://www.asahi-net.or.jp/~VZ4S-KUBC/gramatiko.html

>2.エスペラント語は1887年にポーランドの眼科医ルドヴィコ・ラザロ・ザメンホフが考案したが、現在世界中でどのくらい普及しているのか?(使用人口がどのくらいいるのか?特にザメンホフの祖国ポーランドではどうか?)
→公称200万とのことですが、推定50万〜100万というのが妥当なところだと思います。
発明当初から、増えも減りもしていないそうです。ポーランドのエスペランチスト人口は
判りませんでした。

>3.日本には1906年(明治39年)に入ってきたが、第二次世界大戦前や戦中には弾圧にあったというが、なぜ弾圧にあったのか?
→創始者ザメンホフの理想を受け継ぐ平和思想のため。詳しくは下記URLを御覧ください。
http://structure.cande.iwate-u.ac.jp/miyamoto/esperanto.htm



re: 北極星

Maniac C. (2004/05/09 05:31)

>にれのや師匠(-sky については、じっくりと拝読させていただきます。)
■英語のHPで、モンゴルの北極星に関わると思われるものを3点、探してみました。
拙訳ですが、ご参考にどうぞ。

モンゴルとシベリアの現地民の間では、宇宙は生き物であると考えられている。北極星は天の釘であり、また金色の釘とも呼ばれていて、アルタイの魔法医は金星と大熊座の記号で自分の太鼓を飾る。…
 http://www.shamana.co.uk/mongolian_shamanism/

・世界山は四角で、引っ繰り返ったピラミッドのようである。(ティベット)
・天の柱と「金色の山の頂点」は同一物である。金色の山の頂点は、天の心臓という名前で、北極星である。(西モンゴル)
・トルクメンの銅の柱などを含め、世界山や世界柱の事例は多く示される。
・木や柱や棒も、モンゴルでは世界軸を表すことが有る。世界軸は大地の臍を貫き、天の臍に突き刺さっている。世界山は、モンゴルでは世界軸として表されるのである。
・世界樹は、三重の山の頂上に立っている。大体、その山の四つの辺は島である。この四つの島が大地の四つの地域である。(中央アジア)
・「金色の柱」(モンゴル、ブリヤート、カルムイク、アルタイ・タタール、ウイグル)、「鉄の柱」(キルギス、バシキール)、「唯一の柱」(テレウト)、「金色の棒」(オロチョン・トゥングース)が北の空を支えている。
・中央の鉄の木が「天と地が育ち始めたとき、その間で私が育った」と言わされている。(ヤクート)
 http://www.mythopedia.info/20-arctic.htm

北極星― Timer Kazyk (鉄の杭)は、夜の旅の間の基準であった。鉄の杭というこの名前は、多分、視覚的な不動性の故に与えられた。そして、結果的に、その周りを回る2つの接近した星は、杭に紐でつながれた馬のようなので、「2頭の白馬」と名づけられた。古代トルコ人の宇宙論的な考えでは、天は移動テントの天蓋のようなものだと考えられた。北極星は「天の煙穴」と呼ばれ、神話的な中心であり、天は表面上、あの世への通路とされていた。その創造の歴史は以下の通りである。
 天と地が混乱に陥った時があった。天が地に圧し掛かり、地が裂けた。大きな混沌が世界に訪れた。嵐が黒く地を包み、塵が雲に混ざり、雷鳴が轟き、稲妻が閃き、鵞鳥の卵ほどの雹が降った。
 人も獣も鳥たちも消え去り、唸りだけが地上に聞こえ、恐れと困惑、苦しみと嘆きだけが支配した。
 山は動き、川は溢れ、火は森や草原を飲み込んだ。月や太陽や星はその軌道から逸れ、混沌とした回転に押し流された。
 混沌が3年続き、災害が3年残り、天の主・テングリの神が非常に怒って、世界に金色の杭を槌で打ち込んだ。
 このテングリの神の金色の杭が天と地を安定させ、世界の軸となり、その周りに太陽や月や星やほうき星が軌道を持った。それで、この杭の端が夜、暗い空に見え、人々はこれを北極星と名づけたのである。

http://www.peoples.org.ru/tatar/eng_174.html



ロシア姓 -ский の転写形 -sky についての考察1

にれのや (2004/05/09 05:16)

【ロシア姓 -ский の仏転写形 -sky についての考察】
〓Maniac C.どの。少々説明させてください。
〓【疑問点】まず、疑問点は、「-ский に終わるロシア姓のフランス語転写形 (英語転写形にも継承される) では、なぜ、-sky と 語末に y が現れるのか」 ということでした。
〓【ロシア姓の仏語転写形とは何か?】たとえば、Yahoo! France あたりでチャイコフスキイを調べてみると、
   Tchai{+¨}kovski
が圧倒的に多く、Tchai{+¨}kovsky という綴りも見つかる。これは、どういうことかというと、フランスでロシアの固有名詞を転写する方法が整備されたからなのである。つまり、-sky という綴りは廃して、すべて、-ski と綴るべし、と決められたのである。同じように、チェーホフは、
   Tchekhov
と綴ることになっている。つまり、「現在のフランス人によるロシア姓の綴り」 と 「ロシア革命までのロシア人によるロシア姓の綴り」 とは別物ということです。
〓つまり、ネットや辞典のたぐいでロシア姓の綴りを調べても資料にならない。どうやって資料を集めるか、というと、フランス人の姓を収集したものから、ロシア姓と思われるものを抽出する必要がある。わたしの手元には、雑誌や映画のクレジットから収集した、フランス人の姓のリストがあります。その中から、ロシア姓と思われるものを抜き出し、分析すると、
【y の使用法】に、一応の傾向があります。それらを大別すると大きく3つに分かれます。
■(1) 子音 [j] の表記。
 (1a) 語頭の [j] 音の表記。
   Yankoff Янков [ヤヌ'コーフ]
   Yassinsky Ясинский [ヤ'シンスキイ]
   Yatzimirsky Яцимирский [ヤツィ'ミールスキイ]
   ※この表記には他にヴァリアントがあり、Ia- のようにも表記される。
    稀には、Ja- となることもあるが、仏語での発音は жа- 相当になってしまう。
 (1b) 語中の音節頭の [j] 音の表記。
   Masseyeff Масеев [マ'シェーイェフ]
   ※この場合は、むしろ、Masseeff, Masseieff が普通。
 (1c) 音節末の [j] 音の表記。
   Chaykine Хайкин ['はイキヌ]
   Chouysky Шуйский ['しゅイスキイ]
   Feyghine / Feyguine Фейгин ['フィェイギヌ|フィェイ'ギヌ]
   Gaydebouroff Гайдебуров [ガイヂェ'ブーラフ]
   ※この場合は、むしろ、-ai-, -oui-, -ei- のような綴りが普通。
    i には、¨をつける者、つけない者、さまざまである。
 (1d) 語末の [j] 音の表記。
   Gourtovoy, -woy Гуртовой [グゥルタ'ヴォーイ]
   Lougovoy Луговой [るガ'ヴォーイ]
   ※この綴りでは常に -y を使う。ただし、現在の仏転写法では、-oi{+¨} となる。
    もっとも、そうしないと、発音が [wa] になってしまうのも確かである。
■(2) 母音 [ы] の表記。
 (2a) 語中の [ы] 音の表記。
   Davydoff Давыдов [ダ'ヴイダフ]
   Dobrynine Добрынин [ダブ'ルィーニヌ]
   Dynine Дынин ['ディーニヌ]
   Vyroubova Вырубова ['ヴイルバヴァ]
   ※ыには通常 y を当てる。
 (2b) 語末の [ыj] 音の表記。
   Baliasny Балясный [バ'りゃースヌイ]
   ※語末の -ый には、-y を当てる。
    KOMAさん、毎度、ご不満の綴りである。
■(3) 語末の -ский の [ij] の表記。
〓(3)の使用法を除くと、y の使用法は、
   子音 [j] と 母音 [ы] に限られる
ことがわかります。「-ый は、-yy になるので -y に省略したと考える」 ことができます。



ロシア姓 -ский の転写形 -sky についての考察2

にれのや (2004/05/09 05:15)

【-ский という姓の由来について】
〓我々は、〜スキイという姓を見ると、「ロシア人」 だと思いますが、これは違います。実は、〜スキイはポーランド姓なのです。どうして、ロシアにポーランド姓の人々がいるか、というのは、歴史を知らないとわかりません。
〓現在の 「ベラルーシ」、「ウクライナ」 は、実を言うと、中世から近世にかけてロシアと別の国に属していました。
   【ベラルーシ、ウクライナがロシアと分離された時代】
   14世紀後半=ベラルーシ、ウクライナがリトアニア領になる。
   1569=ポーランドがリトアニアを併合し、
      ウクライナの大半がポーランド領に入る。
ベラルーシ、ウクライナでは、ポーランド貴族とポーランド化したベラルーシ、ウクライナ貴族(ポーランド語を話し、姓をポーランド姓に変えた)が支配層になりました。
   【ベラルーシ、ウクライナがロシアに併合された時代】
   1783=ドニエプル川の東方のウクライナがロシアに編入。
   1795=第三次ポーランド分割により、
      ドニエプル川の西方のウクライナがロシアに編入。
〓この分離時代に、ウクライナでは強烈な民族主義が醸成され、ポーランドに対しても、ロシアに対しても従属しない傾向が生じました。また、姓に関しては、貴族のみならず、一般の者も姓をポーランド化させたらしい。それが、どのようなプロセスで進んだのかは、今のところわかりません。しかし、とにかく、その分離期に、ロシア姓−ベラルーシ・ウクライナ姓の間で、著しい違いが生じた。
   ロシア姓
     -ов, -ев
     -ин
   ベラルーシ姓
     -ский (ポーランド -ski)
   ウクライナ姓
     -ский
     -ович, -евич (ポーランド -owicz, -iewicz)
ウクライナは、ドニエプル川を境界にして、東はコサックが支配し、ポーランド貴族の力が及ばなかったため、ウクライナ独自の -енко 系の姓が主流となりました。しかし、ドニエプル川の西は、ポーランドの支配下であったため、ポーランド姓が主流となりました。
〓つまり、-ский というのは、ロシア姓ではなく、本来はポーランド姓なのです。そのため、ベラルーシ姓・ウクライナ姓をフランス語転写すると、ポーランド姓とまったく同形になることが多い。少し前にポーランドの大統領、クワシニエフスキの姓について書きました。ロシアには、ほとんど同形の姓がある旨書きましたが、あれは偶然ではなく、もともと、ポーランド姓を引用したものなのだから当然と言えるのです。ポーランド分割によって故国を追われ、パリに亡命したポーランド貴族は、フランスで名前を綴るときに、「読み分け記号」 を取り去る以外、ポーランド語の綴りに変更を加えずに使用しました。たとえば、映画監督で有名なタルコフスキイという姓がありますが、これを比べてみますと、
   Tarkowski [タル'コフスキ] ポーランド姓
   Tarkovsky, Tarkowsky [タル'コーフスキイ] ウクライナ姓
〓ロシア姓の -ский を -sky と綴るのは、ポーランド姓と差異をつけるためだ、という考察を示したのは、このような理由によるのです。



ロシア姓 -ский の転写形 -sky についての考察3

にれのや (2004/05/09 05:13)

【ウクライナ語では ки が軟化しなかったという面から】
〓ここで、もう1つの考え方を示してみます。以前、チェコ人の姓が -sky{+´} で終わるのは、かつて k が硬音であった名残であり、y [=ы] は歴史的仮名遣いのようなものだ、と書きました。
〓実は、スラヴ語では、かつて、к, г, х (ポーランド、チェコでは k, g, ch) には軟音がありませんでした。つまり、現在、ロシア語で、ки, ги, хи となっているものは、過去には кы, гы, хы であり、実際に、綴りもこの通りでした。キエフもかつては、Кыевъ と書かれていました。しかし、各地のスラヴ語で、и [i] の前の к, г, х が軟化を始め、現代では軟子音になっているのです。
〓ところが、ウクライナ語だけは、この к の軟化が起こりませんでした。ウクライナ語では、キエフ (露綴 Киев) をクィイウ (ウクライナ綴 Киi{+¨}в) と発音すると、以前、書いたのはそのことです。
〓ロシア語で、ки が軟化を始めたのは14〜15世紀のことで、徐々に柔らかくなり続け、現代の ки に到達しました。しかし、14世紀後半は、まさにベラルーシ、ウクライナが、リトアニア=ポーランドの400年の支配下に入った時期であり、このことが、ウクライナ語とロシア語の発音に差を生んだ原因と考えられます。ちなみに、ベラルーシでは、独自に ки の軟化が起こりました。
〓つまり、ロシア語で -ский と表記されている姓の発音の実態は、次のようになります。
   ベラルーシ -скi [-ski] [-スキ]
   ウクライナ -ський [-sjkыj] [-シクィ]
つまり、そもそも、ベラルーシ姓由来の -sky は、何かの略表記でも何でもない。本来は、-ski としか転写できないものを、わざわざ -sky と転写していることになります。
〓ウクライナ姓の場合は、話がややこしい。等価のロシア綴りにすると、-ськый という奇怪なものになる。ところが、-ый に終わる姓とのからみで言うと、ウクライナ語はとてもすっきりしたものになる。というのは、ロシア語で -ый, -ский と書き分けられているものが、ウクライナ語では -ий, -ський と全く同じ綴り・発音になるからです。このあたりを考えに入れると、-sky という仏語綴りは、ウクライナ人の発想になるものかもしれない、と考え得る。つまり、-ый も -ський もウクライナ人には同じ発音なので、転写系も -y, -sky と -y で統一するのが自然だからです。

〓ちなみに、現代のウクライナ語に軟音の ki はあります。кi と表記されます。中世ロシア語には、
   ы [ы]
   и [i]
   i [i]
という母音字がありました。[i] に2つの文字があるのは、ビザンツ期のギリシャ語で、η [i]、ι [i] という母音の同化が起こっていたからです。и は η に、i は ι に由来します。ロシア語は、硬軟の対立に ы−и という文字のペアを残し、ウクライナ語は、и−i というペアを残したことになります。ウクライナ語には ы という文字はありません。ところで、ウクライナ語の кi ですが、これは、
   閉音節の ко, ке
が変化して生まれた音らしい。不思議なことに、ки [kы] は軟化しなかったのに、ко [ko] と ке [ke] が軟化したのです。ウクライナ語で、ハリコフが、
   Харькiв [はリキウ]
なり、キエフが
   Киi{+¨}в [クィイウ]
になるのは、そのような理由です。しかし、「閉音節」 の場合ですから、
   Киεва [クィイェヴァ]
のように斜格では、もとの音が復活します。

〓以上、-sky についての考察でした。



educationの語源は何ですか?

梅 (2004/05/08 20:38)

educationの語源は何ですか?詳しく教えて下さい。また教育よの語源の違いも教えて下さい。



Re:キリール文字

鴛鴦 (2004/05/08 09:59)

>にれのやさん
わかりました。あたってみます。



キリール文字とアルタン・ガダス

にれのや (2004/05/08 04:30)

〓鴛鴦さん。キリール文字については、あたくし 5/3 投稿の『ロシアの文字の話』をどうぞ。
〓青蛙さん。仕事が忙しうて書店に寄れません。日曜には必ず。実は、Google で検索すると、モンゴルのページで
   Алтан гадас
について書かれたものがたくさん上がってくるのです。これが全部勲章の話。今でもあるのかどうかはわかりませんが、共産モンゴルでは、勲功のあったものに 「北極星勲章」 というものが授与されていたらしいのです。つまり、ほぼ、すべての記事が、「○○アイマック(県)の某某は19XX年にアルタン・ガダス勲章を授与された」 式のものなのです。



世界共通語

鴛鴦 (2004/05/07 22:33)

質問が3つと申しましたが、本当はまた3つほどあります。誠に勝手で申し訳ありませんm(_ _;)m

世界共通語を目指して作られたエスペラント語というものがありますが・・・
1.エスペラント語の文法はどちらかというと何語に似ているのか?
2.エスペラント語は1887年にポーランドの眼科医ルドヴィコ・ラザロ・ザメンホフが考案したが、現在世界中でどのくらい普及しているのか?(使用人口がどのくらいいるのか?特にザメンホフの祖国ポーランドではどうか?)
3.日本には1906年(明治39年)に入ってきたが、第二次世界大戦前や戦中には弾圧にあったというが、なぜ弾圧にあったのか?
改めて誠に勝手で申し訳ないとともにご教示のほど宜しくお願い致します。



キリル・モンゴル

鴛鴦 (2004/05/07 22:15)

えらくお久し振りです。連休終わるのが早く感じる今日この頃です・・・(^^;)
質問が3つばかしありますが宜しくお願い致します。

1.キリル文字について、キリル文字は全部で33文字あったが、以前は43文字あった。その残りの10文字はどのような字形だったのか?また、なぜ消滅してしまったのか?
2.モンゴル文字について、文字の普及率(識字率)は現在どのくらいなのか?また、1994年にキリル文字を廃止して、完全にモンゴル文字に切り替えると決められたそうだが、実現の可能性は如何ほどか?
3.ロシア文字をキリル文字と呼ぶのは、今から千年以上昔にブルガリアの僧侶キリルとメトディウスの兄弟が、キリスト教を広めるためにギリシア文字を元にして作った(と考えられていた)文字が元になって整えられた文字であることによるといわれているが、それなら「メトディウス」ばどこへいってしまったのか?
ご教示お願い致します。

モンゴル文字はなんとなく梵語に使われる文字に似ているような・・・(気のせい?)
朝青龍らモンゴル出身力士たちはモンゴル文字を使えるのだろうか?



re:vita

風鈴’ (2004/05/07 18:49)

vita はイタリア語でもラテン語と同じ綴りですが、どちらにしても、女性名詞ですので、形容詞をつける場合は、女性形にする必要があり、「赤い」ならば rossa となるはずです。
http://plaza.rakuten.co.jp/otyademo/5006
このページのは、無意識に正しく書き直してしまった例なのでしょうか?



vita

melmoso (2004/05/07 16:08)

 横から失礼。
vitaはイタリア語で、命、生命、生き方などを意味します。
rossoはイタリア語で、赤を意味します。
有名な映画「甘い生活」dolce vitaのおかげで、「vita」は日本人にお馴染みの単語ですね。

>ニッポン人お得意の、多言語ちゃんぽん造語の一つですな。もちろん、語法的には誤り。

語法的に誤りとのことですが、もう少し詳しく教えてください。



蒙古の星 他

青蛙 (2004/05/07 13:09)

にれのや さん:
 最近は天文民俗学の書籍全般が本屋の書棚から消え失せてしまっています。その代わりに、どーでもいいよーなコピペガイドブックばかり。野尻翁の著書も例外ではありません。図書館か古書店の方が近道かもしれません。

> 速攻で購入して読んでみます。
 『星座の伝説』は、最近、中公文庫BIBLIO から復刊されたので、店頭で「蒙古の星」が載っていることを確認してからどうぞ。「蒙古の星」には、北極星以外のモンゴルでの星の名前が出てきますし、гадасが「馬をつなぐための杭」という意味ならば、参考となる話も出てきます。(あくまで参考ですが)

> 今までで、アルタン・ガダスについて日本語で書かれた資料がない
> 実は、モンゴルのネット上にも、「星のアルタン・ガダス」 の情報がない
 モンゴルに限らず、日本・中国以外はどこも同じです。以前、作家の山本弘氏のところにベテルギスの件で書き込みしたときも、山本氏がネット検索してみても、ベテルギウスについて正しい語源を説明しているサイトを見つけることができなかったといっていました。(蛇足ですが、ベテルギウスはアメリカでは「ビートルジュース」、ドイツでは「ベタイゴイツェ」と言わないと通じないらしい)

高駒麗人KOMA さん:
> Pierre Cardin(ピエール・カルダン)はrrを發音するらしいので、矢張り子音を二重にするのは良いのでしょうか。
 仏 pierre < 羅 petrus における-tr- → -rr- は同化と考えられません?

> “Vita Rosso”という飲み物?のCMが出ました。赤いヴィタミンですか?何語ですかこれは?
 Vita はラテン語(森鴎外『ヰタ・セクスアリス』)、Rosso はイタリア語(宮崎映画『紅の豚』の主人公ポルコ・ロッソ)。ニッポン人お得意の、多言語ちゃんぽん造語の一つですな。もちろん、語法的には誤り。



Res: 旧モンゴル文字

Maniac C. (2004/05/07 04:40)

>にれのや師匠

今年5月号の月刊『言語』に、旧モンゴル文字復活の経緯についての記事が有りました。
運が良ければ、まだ大きな書店で売れ残っているかも知れませんよ。(図書館なら確実です)
最近は携帯の普及でラテン文字化し、内外蒙古の文字の統一も近いのでは、ということも
書いてありました。



res: アイスィンギョロ

Maniac C. (2004/05/07 04:26)

>にれのや師匠
下記URLの記事を転載します。

Quote
清朝帝室の姓。“愛新(aisin)”は満州語で“金”を意味する。“覚羅(gioro)”は,後では顕祖宣皇帝(ヌルハチの父)の傍系の子孫を指す名称として使用されるが,本来は満州部族の一部族ギョロ氏の姓であり,語源的にはgio(のろ)に由来していると推察される。その出身が微賎であると推察されることから判断してアイシン=ギョロ性は太祖ヌルハチの本来の姓ではなく,太宗ホンタイジが後金国を清と改称したときにこの姓を偽作したという説もあるが,清の帝室が出自した明代の建州左衛には伝統的に金の一族の子孫であるという観念が存在している。おそらく清朝の世系にも反映し,太祖ヌルハチは旧来の姓をやめたのち,後金国と称する以前のある時期にアイシン=ギョロ姓を称したものと思われる。太宗のとき,国号は後金から清と改称されたが.金姓は国姓として存続した。
Unquote
http://www.tabiken.com/history/doc/A/A020L500.HTM



re: ロシア人名の転写 -off -eff

Maniac C. (2004/05/07 04:22)

>にれのや師匠&高駒麗人KOMAさん

■ -ffについて
>「英語は関係ない」 と考えてよいと思います。
→同感です。

>…フランス語では、語末の子音は発音されないことが多い。"f" が発音されない例は稀ですが、それでも、
>   ロシア姓の語末の [f] は発音するんだぞ!
>という 「念押し」 をしたかったのではないかと感じるのですが。
→これには賛同しかねます。仏語で二重子音に意味が有るのは次の場合だけだと思います。
 1.ラテン語が二重子音だったので、先祖返りした。(発音には関係なし)
   羅bella>古仏bele>仏belle
 2.形態素の合成や同化を表す。(発音には関係なし)
   des+sus>dessus ceste>cette
 3.鼻音を表した。
   femme[fα~m>fam] anne´e[α~ne>ane]
 4.発音の違いを表す/表した。
   mise[mi:z]:misse[mis] file[fil]:fille[fij]
   courais[kurε]:courrais[kurrε](直説法半過去形と条件法現在形)
二重子音は、それを音素として区別する伊語や、rとrrで発音の違う西語、かつて
二重子音の有った西ゲルマン諸語では意味の有る綴りですが、仏語で、fを重ねる
ことには、外国語らしさ(仏語らしくなさ)を示す以外、何の意味も無いと思います。
私はむしろ、独語の影響ではないかと考えます。
■英語のwife→wives、knife→knives、wolf→wolvesについて
こちらは、古期英語に由来するのですが、中期英語になって仏語からvという文字を
導入するまで、今のsやthのように、高駒麗人KOMAさんの言う「清音」と「濁音」
の両方をfで表していた名残です。five(複数形)やtwelve(同)が合成語になると
fifth, twelfth, fifteen, fifty と、fに戻るのも、同じ理由です。

■ -sky
>ポーランド人の姓の多くは -ski で終わります。おそらく、ロシア人は自分たちの姓をフランス語で綴るときに、語尾を -ski とはしたくなかった。発音も、ポーランド語の [-ski] にたいして、ロシア語 [-skij] です。しかし、-ii あるいは -iy の表記はヤボな感じがする。そこで、-y を使ったのではないかと。
→ Non. でも、この理由は簡単明瞭です。仏語のyの綴りはii[ij] の代用だからです。
ポーランドに対する感情は、関係ないと思います。



モンゴル語の母音/モンゴル文字の復活

にれのや (2004/05/07 04:17)

【モンゴル語の母音】
〓KOMAさん。現代モンゴル語の母音は、すでに、古代モンゴル語の母音の音価を保っていないんですね。ことによると、古代モンゴル語は高さアクセントだったのかもしれません。
〓現代ハルハ・モンゴル語のアクセントは、強さアクセントで、
   (1) 短母音のみの単語では、第1音節にある。
   (2) 長母音・二重母音を含む場合は、そのうちの語頭に近い音節にある。
という単純なものです。そして、
   アクセントのある音節以降の短母音は [@] (シュワ) になります。
たとえば、эрдэнэ (erdene) 「宝」 という単語の発音を、IPAで表すと
   ['erd@n] ['エルダヌ]
になります。つまり、
   最初のэ =[e]
   2番目のэ=[@]
   語末のэ =[無音]
となるのです。баатар も同じです。['ba:t@r] です。
〓要するに、キリール文字表記の現代ハルハ・モンゴル語では、弱化母音 [@] を表記するときに、文語の綴りがどうであったかを斟酌せずに、アクセントのある母音の母音字に合わせて表記する文字を決めてしまうのです。わたしが、「第2音節の母音が、第1音節の母音に同化されて、云々」 と書くのは、このことです。ロシア語の弱化母音にも似ていますが、アクセントが語頭にあることを考えれば、むしろ、英語に近いですね。
〓【旧モンゴル文字】の復活は頓挫したようです。すでに、キリール文字の便利さに慣れてしまった大人には、どだい無理な話だったと思います。モンゴル文字の復活というのは、単にキリール文字をモンゴル文字に写し換えればよい、というものではなく、「歴史的仮名遣い」 を覚えなければならないのです。つまり、現代ハルハ・モンゴル語で、ням, даш, сvх と発音どおりに書けば済むものを、わざわざ、
   nyam → nima
   dash → dashi
   suh → suhe
のように、旧かなづかいを覚えなければならない。日本人でも、モンゴル文字復活を応援した人々がいますが、(1)キリール文字とモンゴル文字の性質のちがいを知らない、単なるモンゴル好き、と(2)日本人の蒙古語学者たち、だったようです。言葉は、単なる生活の道具と考える普通のモンゴル人には迷惑な話だったようにも思います。



スーホ、清朝六祖ナムジル、アルタン・ガダス

にれのや (2004/05/07 02:42)

〓massangeana さん、速攻ばいるららあ。ツングース語の研究者って、日本にどれくらいいるんでしょうね。
〓青蛙さん、情報ありがとう。速攻で購入して読んでみます。とりあえず、今までで、アルタン・ガダスについて日本語で書かれた資料がないので。実は、モンゴルのネット上にも、「星のアルタン・ガダス」 の情報がないんです。得られる情報は、すべて、ロシア語経由のブリャートのシャマン伝承だけで。対応するハルハ族の伝承がどのようなものかわからない。
〓KOMAさん、いいですねえ、「蘇赫」 でしたか。それが知りたかった。suhe ならば、モンゴル文語の сvхэ を写したものと言えそうです。田中克彦氏がスーホーについて言及していた著作の名前は思い出せないでしょうか。
〓KOMAさん、チェコ語は、t, d, n 以外の子音では硬軟の対立がなくなってしまっているんですが、「歴史的綴字」 を残しているんです。-sky の y も、かつて、硬音だった名残です。つまり、-скы のごとき発音だったんですね。ポーランド語では発音に則して綴りが -ski に改められている。現在のロシア人の感覚はわかりませんが、19世紀のロシア貴族がポーランドに対して抱いていた感情は、良いものではなかったと思います。たとえば、日本の京都・大阪を含む西半分を、300年間、他国に占領されていたら……と想像すると。どうでしょう?



NHKロシア語講座で出てきた茶の語源

高駒麗人KOMA (2004/05/06 22:04)

以前、此處で「茶」の語源が話題になりました。
さとう珠緒サンが4月のNHKロシア語会話で、чайという詞(ことば)を学んだ時、「中國では普通お茶はチャで、これがモンゴルや日本、インドに傳わって『チャイ』『おチャ』になり、一方、中國の南の方言でお茶を『テー』と言い、其処にオランダの船が來て、『テー』『ティー』を欧州に持ち帰ったんですって」と言っていました。
ダニエル・カールDaniel Kahlいわく「ロシアはアジアに近い、と言うかアジアの一部ですね」。

ヒンディー語ではお茶はcay「チャイ」でしょうか、それともchae「チャーエ」でしょうか?
ヒンディー語のテキストではcay「チャイ」でしたが、アジアアフリカ語学院では印度語学科の人が文化祭の時に超甘い紅茶「チャーエ」を出していましたので印度語では「茶」はチャーエだと思っていました。

NHK日本語講座「新にほんごでくらそう」では日本語の會話文に英語、中國語、葡萄牙語、朝鮮語の譯がついており、テキストはさながらロゼッタストーンです。
大黒屋光太夫(人物紹介)
http://www3.justnet.ne.jp/~asao/koudayu.htm

Amazon.co.jp: 本: 大黒屋光太夫(岩波新書山下 恒夫 (著))
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4004308798/249-9826678-8925103

NHK出版 Online Shop、新にほんごでくらそう
http://www.nhk-book.co.jp/shop/main.jsp?trxID=0130&textCategoryCode=31002
↑NHK日本語講座では英語、シナ語、朝鮮語、葡萄牙語で翻譯をつけています。
Re:NHK朝鮮語講座について 日本語講座
http://www.play21.jp/board/formz.cgi?action=res&resno=401&id=godzilla#402

http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4004308798/249-9826678-8925103



蘇赫(スーホー)の白い馬、蒙古語の母音

高駒麗人KOMA (2004/05/06 22:02)

田中克彦さんが以前著作の中で「スーホーの白い馬」について「よく人から質問されるが、スーホーという名はモンゴル人の名では聞いた事がなく、私の方が聞きたいくらいだった」と書いておられました。
これはСYх Батор(Sukh Batorスフバートル、斧の英雄)という人名に出て來ることばだそうです。Sukhのuの上にはumlautがつくようです。これもテキストによって奥下平唇のウだったり、中舌圓唇のu(Sweden語hus「家」のu)だったりして違っています。
これは例えば圓唇中舌の曖昧母音Θと非園唇奥舌の曖昧母音(北京語e、[γ]の下を丸めた音聲記號)を一緒にする樣な物です。

СYх Баторは蒙古語ではСYх Баатар(Sukh Baatar、スフバータル)でしょうか。
Batorのtor とBaatarのtarは弱音節だから區別しないのでしょうか。モンゴル語もロシア語のようにоが弱いとаと同じになるのでしょうか?モンゴル語はスラヴ語ではありませんが、こういう點ではロシア語に似ているのでしょうか?
むしろБаатар(Baatar)のように母音を揃えるのがモンゴル語としては自然でしょうか?
Батор(Bator)という正書法の方がロシア語の習慣(ロシア人の好み?)に合わせた物でしょうか?

つまりスーホーは蒙古語СYХ(Sukh、斧)ですが、これを直接日本語に入れてカタカナで書くと「スフ」のようになります。
しかし中國經由であったので、СYХ(Sukh)は「蘇赫」Suheになりました。北京語の單獨母音a、i、u、e、oが開音節である場合、日本人には「他」taが「ター」、「李」liが「リー」、「呉」Wuが「ウー」のように長く聞こえるので、「蘇赫」Suheは日本語に入って「スーホー」になりました。
田中さんは確か「中國人がモンゴル語の“Sukh”を『蘇赫(Suhe)』と冩したのは正しかったが、問題はこれを日本人が長く伸ばして『スーホー』にしてしまった事。モンゴル語では母音が長いか短いかで大きな違いになる」という事を書いていました。
しかし私が思うに日本人が「蘇赫」を「ソキャク」と讀まなかっただけましです。
ХΘх хот(Hohhot、青い都市)はシナ語で「呼和浩特」Huhe Haoteですが、日本語では「フフホト」です。「呼和浩特」を「コワコウトク」と讀んだら原音から大きく離れます。

滿洲にあった「葛根廟」Gegenmiaoは日本で「カッコンビョー」と呼ばれ、葛根湯の産地のような名前ですが、
これはモンゴル語Гэгээн(Gegeen、ゲゲーン、明るい、高貴な)で、佛教にちなんだ宗教の聖地だそうです。
日本では外務省でもモンゴルが中國課にあり、日本でのモンゴル關連ニュースは北京經由が多いようです。
http://www.mofa.go.jp/mofaj/annai/shocho/clear/asia03.html(外務省中国課)
舊蘇聯(旧ソ連)各國が未だに「ロシア課」にあるのも問題かもしれません。
『現代用語の基礎知識』でもモンゴルは中國(中國大陸、香港、台灣)のコーナーに入れられて、ほとんど情報は無かったりします。
モンゴルではペレストロイカ直後、民族文字復活を2000年までに完成すると言っていましたが、4年たった今はどうでしょう。滿洲や蒙古にいた日本人もそういう情報を全く仕入れて來ないし、興味も無いのでしょうか。



朝青龍の家族名、龍川は露西亞語でРёнчхен(Ryonchkhen)

高駒麗人KOMA (2004/05/06 21:24)

某番組の「常識クイズ」で、「スターバックス(?)の珈琲は小さい順からショート、トール、次は?」という質問で、某タレントは「ラージ?」と答えてバツでした。正解は「グランデ」で、イタリア語だそうです。
英語でshort(短い)、tall(高い)と來て、次に英語で large(大きい)と言ったら間違いで、いきなりイタリア語(?)で同じ「大きい」という意味のgrandeを使うという、飲食業界の感覺は私にも理解出來ません。
最近“Vita Rosso”という飲み物?のCMが出ました。赤いヴィタミンですか?何語ですかこれは?
そういえば、“Vodafone”って何語でしょうか。私は「水の電話」かと想いました。

2004年5月2日、夜の番組。古舘伊知郎と渡辺満里奈の番組に朝青龍がゲスト出演しました。野口五郎も友人として途中から出演。朝青龍の父はドルゴルスレン、これは本來女性名、朝青龍の息女はイチンホルロー(ホルド?)、~の息女の意味で、朝青龍の夫人はタミルさんらしい。住所は何々川の左とか言う。古舘「住所の原點ですね」。
goo Sumo
http://sumo.goo.ne.jp/eng/ozumo_meikan/rikishi_joho/rikishi_100.html
Dolgorsuren Dagvadorj

Тотосумо
http://www.japan-sumo.ru/totosumo1.html

АСАСЁРЮエンコードはキリル文字Windows
http://www.japan-sumo.ru/home4.asashoryu.html

NHK出版 Online Shop、新にほんごでくらそう
http://www.nhk-book.co.jp/shop/main.jsp?trxID=0130&textCategoryCode=31002
(↑NHKの日本語講座は英語と中國語、葡萄牙語、朝鮮語で翻譯が出ます。比較文法的に面白いです。)

北朝鮮で事故があった龍川(룡천Ryeongcheon、용천Yongcheon)は、
ロシア語では、Рёнчхен(Ryonchkhen)だそうです。
Ренчхен(Renchkhen)という表記もあります。
東京がTокёでなくTокиоなのは、TокёがTокеと書かれて[tokje](トキェ)と呼ばれるのを防ぐ為でしょうか。
「東京〜横浜(濱)」の意味の「京浜(濱)」は「ケイヒン」です。

Tоке(トキェ)の場合、偶然にも「東京」の「京」を「ケイ」と讀んだ「トウケイ」に近くなります。
「京」の「ケイ」「キョウ」をкей、кёуと書くと、呉音&漢音の關係もUmlaut変化に近いように見えます。
拉致被害者は「萬景峰號(万景峰号、マンギョンボンゴウ)」を「マンケイボウゴウ」と呼んでいますが「景」を「キョウ」と讀めば「マンキョウボウ」で、朝鮮語音はこれの原型といえますから、どちらが正しいとも言えないでしょう。


Гуманитарный сайт / Нумизматика / КНДР ( Корейская Народная Демократическая ...
(↑http://gumanitarniy.narod.ru/numismatica/korea-kndr.htm)
Корейская Народная Демократическая Республика
ロシア語で北朝鮮を紹介。
... По неподтвержденным данным, на станции Рёнчхон в КНДР взорвались поезда с ... >станции Рёнчхон в Северной Корее http://vestnik.tripod.com/novosti04/042301.html
(龍川の事故を紹介。地圖附き)



Re:露西亞人名の佛蘭西語轉冩

高駒麗人KOMA (2004/05/06 21:11)

Re:ロシア人の仏転写 -off -eff   投稿日: 5月 5日(水)04時24分8秒
〓ムッシュにれのやさんへ
>  ffは、むしろ、心理的な理由によると思います。フランス語では、語末の子音は発音されないことが多い。"f" が発音されない例は稀ですが、それでも、ロシア姓の語末の [f] は発音するんだぞ!という 「念押し」 をしたかったのではないかと感じるのですが。

Rachmaninoffの樣にfが2つだと必ず發音するわけですか。
前にも此の傳言板で書きましたが、Chef(シェフ、調理師)ではfを發音するのに、Les Clefs D’or(レクレドール、黄金の鍵)ではsとfを發音せず、rは發音します。一方、prer-a-porter(プレタポルテ、高級既製服)、sommelier(ソムリエ)では語末rは黙字です。
noir[nwa:r](黒い)、ivoir[ivwa:r](象牙)、memoir[memwa:r](想い出)の樣にoir[wa:r]では發音しますね。(memoirのeの上のaccent記號は、文字が化けるのを防止する爲、省きました)
Pierre Cardin(ピエール・カルダン)はrrを發音するらしいので、矢張り子音を二重にするのは良いのでしょうか。

>ポーランド語の [-ski] にたいして、ロシア語 [-skij] です。
>しかし、-ii あるいは -iy の表記はヤボな感じがする。そこで、-y を使ったのではないかと。チェコ人の -sky を参考にしたのかもしれません。
ый(ij)とий(ii)が英語で兩方yになるのは少々不便です。
確かにPoland語ではjezyk polskiで、Czecho語ではCesky Jazyk(字の上下の符號は、文字が化けるのを防止する爲省きました)の樣になりますね。Skyの方がいいのでしょうか。
PolandとRussiaの間では領土で未だに確執があるのでしょうか?



Re: 清朝六祖

massangeana (2004/05/06 12:44)

満洲についてはぜんぜんしらないのですが, つけやき刃でしらべてみました。
清朝の歴史書によると, 建州女直に Fuman (福満)という人があって, Hetu Ala (現在の
遼寧省新賓満族自治県) に住んでおり, 彼の子孫を ningguta-i beile (寧古塔貝勒) と呼んだと
いうことです。これが「清朝六祖」なのだろうとおもいます。Nurhaci の祖父の Giocangga
(覚昌安) も Fuman の息子のひとりだったということになっています。あとの 5人については
知りません。
ただし Fuman の実在は疑われているようです。下の pdf がくわしく扱っています。

http://assets.cambridge.org/0521243343/sample/0521243343WS.pdf



Re:Altan-gadas

青蛙 (2004/05/06 10:18)

 野尻抱影「蒙古の星」によれば、京城大学教授・挟間文一医博の報告から、北極星は「アルトン・ガドサ」と呼ばれているとのことです。「黄金の鋲」という意味だそうです。(角川文庫版『星と伝説』317ページ)
 「アルトン・ガドサ」は同書の23ページ、「沙漠の北極星」にも出てくるのですが、同氏による講談社学術文庫版『星座春秋』および筑摩書房『星空のロマンス』所収の同名の随筆には出てきません。



Re: ナムジル

massangeana (2004/05/06 07:40)

速攻でここだけ。
>Намжил は男子名で、チベット語源 「完全なる勝利。勝利者」 の意味
これはナムギェー(rnam rgyal)のことですね。



『スーホの白い馬』のスーホについて

にれのや (2004/05/06 03:46)

【『スーホの白い馬』の 「スーホ」 とは】
〓ここのところ、Алтан гадас [アルタン・ガダス] 「北極星」 の語源について、調べています。これは、どうやら、
   「黄金の杭」
と訳すべきらしい。「杭」 というのは、「馬をつなぐための杭」 です。クイでは趣がないんですが、どなたか雅味のある訳語を思いつかないでしょうか。なぜ、「黄金の杭」 なのかについては、まだ、調査中です。
〓ところが、いろいろ調べているうちに、『スーホの白い馬』についての面白い事実を見つけました。『スーホの白い馬』と言えば、ある年代から下の日本人は、ほとんど知っている 「モンゴル民話」 ですね。
   『スーホの白い馬』
    大塚勇三 再話、赤羽末吉 絵/福音館書店 1967
「訳」 でも 「作」 でもなく、「再話」 という奇妙なクレジットになっている。ネットで調べると、この絵本の人気のほどがわかります。しかし、面白い書き込みもある。
   「モンゴル人に、この絵本の話をしたら、そんな話は知らないと言われた」
こういう体験をした人が多いらしい。民博非常勤研究員・大阪外語大非常勤講師の藤井麻湖(ふじい・まこ)氏によると、『スーホの白い馬』は、原著が明示されていないが、1962年に北京で刊行された 《中国民間故事選》 第一集、もしくは、1965年に上海で再版されたものからの翻訳である、とのこと。つまり、原著は、中国語で書かれた、中国の蒙古族の 「馬頭琴伝承」 なんだそうです。
〓モンゴル族には、それぞれの地域ごとに、「馬頭琴伝承」、つまり、「馬頭琴が生まれた経緯」 を伝える口碑があるそうで、『スーホの白い馬』は内蒙古の伝承なのです。ハルハ・モンゴル族では、『フフー・ナムジル』という 「馬頭琴伝承」 が有名だそうです。
   "ХΘхΘΘ Намжил" [ふ'ふー・'ナムヂる]
こちらも絵本が出ているようで、『青いナムジル』という題名になっています。хΘхΘΘ 「フフー」 は 「カッコウ」 のこと。Намжил は男子名で、チベット語源 「完全なる勝利。勝利者」 の意味です。
〓ところで、『スーホの白い馬』のほうですが、これは、中国語からの翻訳であるために、名前が訛ってしまっているらしい。藤井氏によれば、もとの名前は сvх だそうです。そうです。Сvхбаатар [スふ'バータル] 「スヘバートル」 の 「スヘ」、つまり、ハルハ・モンゴル語の 「斧」 の意です。もし、ハルハ・モンゴル語に従うなら、
   『スフの白い馬』
が正当でしょうし、モンゴル文語に従うなら、
   『スヘの白い馬』
がよろしい。内蒙古のモンゴル語では 「斧」 は何というんでしょうかね?
〓【ウランバートル】 おまけに一席。モンゴルの首都、ウランバートルは、ハルハ・モンゴル語で
   Улаанбаатар [オ'らーンバータル]
です。улаан は 「赤い」 の意味ですが、もちろん、これは 「共産主義を表す色」 です。モンゴル語で 「赤軍」 は Улаан Арми [オ'らーン・'アルミ] です。баатар は 「勇者」 の意味ですが、これはモンゴル革命の指導者 Сvхбаатар [スふ'バータル] (文語では Сvхэ-Баатор) のことに他なりません。
〓以上、『スーホの白い馬』についてでした。



愛新覚羅について

にれのや (2004/05/06 02:24)

【愛新覚羅について】
〓ユーラシア大陸の言語を見渡すと、ものすごく離れたところに、よく似た語彙が見つかりますね。цэцэг は、ブリャート語では сэсэг [セセック] です。алтан [アルタン] で、ふと、満語の愛新覚羅を思い出しました。先だって入手した満和辞典で調べると
   【Aisingioro】 愛新覚羅 (北京音では ai4 xin1 jue2 luo2)
となっています。満語は、「アイスィンギオロ」 と読むのか 「アイスィンギョロ」 と読むのか? この姓は、次のごとく分離できます。
   【aisin】金、黄金。
   【gioro】清朝六祖の子孫。(清朝六祖って誰と誰のことでしょうか?)
gioro は普通の名詞としての意味はないようです。興味深い地名が辞書に載っていまして、
   【gioroi gashan】[ギョロイ・ガシャン (でしょうか?)] -i は属格語尾でしょう。gashan は 「村」 という意味です。ギョロイ・ガシャンというのは、遼東半島の地名で、漢名は 「覚羅荘」 です。この 「覚羅荘」 が残念ながらネットで見つからない。そういえば、遼東半島は、女真族の領土だったことがありますよねえ。また、「大連」 のことを思い出しまして……。
〓ひじょうに、取り留めがなくて申し訳ない。この件について、何が他にご存じの方は?



モンゴル人の名前、もろもろ

にれのや (2004/05/06 01:57)

【モンゴル人の名前−もろもろ】
〓massangeana さん、いろいろ調査ありがとうございます。わたしも、蔵日辞典をいろいろと繰ってはみるんですが、いっこうに埒があかない。

〓【очир】vajra の系統の名前が、モンゴル語には3種類あることがわかりました。
   (1) дорж (蒙)、доржо (ブリャート) <チベット語
   (2) очир (蒙)、ошор (ブリャート) <梵語
   (3) базар (蒙)、базар (ブリャート) <梵語
つまり、vajra に由来する語に очир系とбазар系があるのです。これ以上のことは不明です。
〓ハルハ・モンゴル語では、確かに、外来語では語頭に в- が立つことがあり、その場合の発音は [w] のようです。モンゴルへのチベット仏教の伝来には2回の波があったそうで、新旧の音訳語というようなことがあるかもしれません。

〓【цэвэг】ブリャートの名前のページで調べると、
   【сэбэгмид】[セベク-ミット]
    (チベット語) 永遠の寿命、不死の命。長寿の神、アミタユス仏陀の名前。
    (原文ロシア語。後半は訳していて何のことかわからず)
という名前が見つかりました。これが 「無量寿」 なんですね。わたしの採取した цэвэг の例は、
   Цэвэгжав [ツェベックヂャプ]
のみです。あるいは、цэвэг+жав ではなく、цэвэгжав で意味のあるチベット語になるのかも。

〓【сvрэн】のように、-н で終わるものは、実際には -ng です。チベット語では -ng が対応すると思います。[-n] に終わる場合、ハルハ・モンゴル語では、たとえば、
   Эрдэнэ ['エルデヌ]
のように、語末に無音の母音字を添えます。ブリャートの名前のページでは、
   【сурун】[スルン]
    (チベット語) 保護、護符。
となっています。

〓【жав】これは、ブリャートのページでは、
   【жаб】[ジャプ]
    (チベット語) 守護、庇護、避難所。仏陀の形容語。
となっています。

〓スレン、ジャプは、いずれも語頭に用いられることなく、必ず、名前の第2要素になり、〜の守護・庇護のような意味になるようです。

〓【ムイシキン】確かに、「小鼠氏」 です。
   мышка ['ムイしカ] 小さいネズミ
女性名詞ですので、物主形容詞は、-аを取って-инをつける。で、
   Мышкин ['ムイしキヌ] ムイシキン
江川卓氏の『罪と罰』の謎解き本で、こういう名前の謎解きがありました。(新潮選書 『謎とき 「罪と罰」)。
   Раскольников [ラス'コーりニカフ] ラスコーリニコフ
本来なら、先祖が、正教の異端の 「分離派教徒」 であることを示す姓ですが、расколоть [ラスカ'ろーッチ] 「ブチ割る」 という動詞と関係づけて、(-ник は 「〜する人」)
   「脳天カチ割り之助」
みたいな訳語を与えていたような……。いや、もうちょっとマシな名前だったか。



Ендонほか

massangeana (2004/05/05 15:35)

にれのやさん:
>Ёндон
ああなるほど、それならわかります。
>第2音節が、アクセントのある語頭の о に同化された
モンゴル語ではずいぶん多そうですね。алтан 「黄金の、金色の」というのもトルコ語の
alt1n (1=点なしi)「金」なんでしょうし。
>цэцэг (花)
これはトルコ語の c'ec'ek (c' = c cedilla チェチェク) ですね。

さて, のこりはわからないまま放出します。
1. цэвэг(永遠の): tshe dpag med (無量寿) をおもわせますが, med(無) がないと「量寿」
   になってしまう...
2. сvрэн(守護): srung (守る) と関係するんでしょうか。
3. жав(庇護): skyabs (保護) と関係あるのか, それとも pa/po/bu のような接尾辞のついた
  2音節語に由来するのか...
いずれもまったく自信なしです。



очир その後

massangeana (2004/05/05 09:41)

>очир 金剛
ちょっとしらべたんですが, サンスクリットの va がチベット語で o になる
こともあるにはあるようです(般若心経で真言のスヴァーハーが soha になっ
ているなど)。しかしふつうはサンスクリットの v はチベット語では b か w
になるのが原則で, vajra も badzra (まれに wadzra)となります。
ただし, チベット語としてはこのようなつづりはありえないので, じっさいに
は「ベンザ」と発音されるのがふつうであるようです。

下のサイトの「100 Syllable Mantra (Yig Gya)」では, テキストでは「benza」
と書いてありますが, じっさいの音は「ベンザラ」と言っているようです。真
言なのでなるべく原語の発音に近づけようとしたのかもしれません。
http://www.home.earthlink.net/~pcd_dallas/Prayers.htm

モンゴル語自身の事情で va/wa が o になったということはないでしょうか。
中国語からモンゴル語に借用された政治用語に, オン(wang 王), ジノン
(jinwang 晋王), ホンタイジ(huang taizi 皇太子)となどの語があるようです
が。

>ロシア姓のムーヒンは、「蝿」 という名詞 муха からつくられた
『白痴』のムイシュキンはネズミからでしたっけ?



ロシア人の仏転写 -off -eff

にれのや (2004/05/05 04:24)

〓ムッシュ KOMA。
-off, -eff の理由は、あたしも知りたいですね。これについて説明している文章はおろか、疑問を呈している文章にも出会ったことがありません。
〓「英語は関係ない」 と考えてよいと思います。19世紀末のロシア貴族にとって、「英語はさして価値のあるものではなかったし、英語の知識もほとんどなかった」 と言ってよいと思います。
   ff
は、むしろ、心理的な理由によると思います。フランス語では、語末の子音は発音されないことが多い。"f" が発音されない例は稀ですが、それでも、
   ロシア姓の語末の [f] は発音するんだぞ!
という 「念押し」 をしたかったのではないかと感じるのですが。
〓-sky という綴りも独特ですが、これも心理的なものがあると思います。
〓パリという都市は、ロシア貴族のお気に入りでしたが、そこには、同じスラヴ族のポーランド貴族が移住していました。好きで住んでいたのではなく、ロシア=プロイセン=オーストリアによる 「ポーランド三国分割」 によって、やむを得ず亡命していたのです。ショパンなどはその例です。ポーランド人の姓の多くは -ski で終わります。おそらく、ロシア人は自分たちの姓をフランス語で綴るときに、語尾を -ski とはしたくなかった。発音も、ポーランド語の [-ski] にたいして、ロシア語 [-skij] です。しかし、-ii あるいは -iy の表記はヤボな感じがする。そこで、-y を使ったのではないかと。チェコ人の -sky を参考にしたのかもしれません。
〓かつて、ロシアの領土をブン取っていたポーランド人と同じ綴りにするくらいなら、チェコ人と同じほうがマシだ、と考える可能性は十分あります。
〓以上は、あたしの感じです。不思議と、この点に触れる人がいないので。不思議だ。



許可 シェイクゥ?

高駒麗人KOMA (2004/05/04 09:35)

音樂家「許 可」の場合、「許」に「シェイ」という振り假名を振るのは結構あるのでしょうか?



許可

高駒麗人KOMA (2004/05/04 09:29)

産經新聞で、「許可」という中國の音樂家を紹介したのを見た事がありますが、發音表記が片假名で「シェイクゥ」でした。「シュイクー」とすべき所、誤植かと思い、檢索したら「シュイク」がありました。
http://www.xuke.net/
http://www.xuke.net/menu.html
↑これではシュイクー

http://www.kanzaki.com/music/interviews.html
^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^



ЧЕГО

高駒麗人KOMA (2004/05/04 09:12)

「簡明俄漢詞典」(商務印書館、1992)でчегоを引いてみました。
ЧЕГО
@[副]爲什麼、干什麼
Чего я туда пойду?爲什麼要到那里去?
Чего мне врать?我干(幹)什麼要撒説?
AЧто的二格。

江戸時代の日本人の耳には「チェヴォー」が「チョワ」に聽こえた樣です。
“чего”の發音が“chego”から“chewo”を經由して“chevo”に成り、日本人が其の過渡段階の“chewo”を聽き取ったという事でしょうか。ただ、今でもロシヤ語の母音間のв[v]はしばしばwに聽こえます。
^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^Stroganoff、Rachmaninoffの樣に語末в[f]をffで轉冩するのは、例えば英語では“Rachmaninoff’s concerto”(ラハマニノフのコンツェルト=協奏曲)の樣に、人名語尾に’sがついてもffの音が變わる事はないという事情でしょう。(wife→wives、knife→knives、wolf→wolvesは例外的な氣がしますが。)

ロシヤ語でРахманинофとは書かれないのでしょうか。
ロシヤ語で「ラハマニノフ(ラフマニノフ)協奏曲第二番」は
“Второй Концерт Рахманинова (Vtoroy Kontsert Rakhmaninova)”になり、最後のvに母音がついて濁音が復活しますから、そういう關連性もあって語末в(v)は無聲化してもф(f)とは書かれないのでしょう。
(Rakhmaninovの協奏曲のCDが賣れている樣です。)
http://webclub.kcom.ne.jp/ma/katchen/pr.html



『大黒屋光太夫』

高駒麗人KOMA (2004/05/04 09:05)

ロシア語では「これは何か」は、“Что это?(Shto Eto?)”です。
さとう珠緒とDaniel Kahlが出ているNHKロシア語會話では
“Как это по-русски?(Kak eto po-russki?)を紹介していました。
http://www.nhk.or.jp/gogaku/russian/
ところが、「おろしや國醉夢譚」で大黒屋光太夫一行が聽いた「これは何か」という意味の言葉は「エトチョワ」でした。どうして“Shto Eto”が“Eto Chowa”なのか謎でした。

http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4004308798/249-4273934-4433946
↑岩波新書『大黒屋光太夫』(山下 恒夫著)を讀んでわかりました。「エータチェヴォー」でした。
“Это чего”でしょう。
この本では、江戸時代當時の外交状況が書かれています。
當時、日本でロシヤ語を解する者がおらずラクスマンからの日本への書簡が無視され、別の人が書いた日本語文だけ讀まれた事や、外國からの文書が長崎(出島か)に届いて、原文が獨逸(ドイツ)語でもそれが荷蘭(和蘭、オランダ)語に翻譯されて日本人の荷蘭語翻譯(通譯)家に渡され、日本語に直されたという質面倒くさい話もありました。

江戸時代の日本人は、ロシヤを「赤蝦夷(あかえぞ)」と稱し、「おろしや國」は「ヲロシヤ國」と書かれた樣です。すると發音は「ウォロシヤコク」Woroshiya-kokuだったのでしょうか?
蒙古語“Орос(Oros)” のОや北京語“俄羅斯(Eluosi)”の“俄”Eが「ヲ」Wo-になったのでしょうか?
「俄」は上海でngu、台灣、潮州、客家、廣東ではngoです。
「俄」の發音は隋唐には“nga”で、宋元明代は“o”で、江戸時代に相當する清代には、圓唇が崩れて曖昧母音の“e”(國際音聲記號でeの逆さ[ə]又は[γ]に似た記號)になった樣です。
中國で「俄」eを(形聲文字の聲符である)「我」woの樣にwoと發音する個人方言が當時有ったのか…というのは考えすぎでしょうか?
「大黒屋光太夫」では、光太夫の案内をしたロシア人の中にアイヌ語の出來る人もいたと書いてあります。



『ロシアの文字の話』 の推薦

にれのや (2004/05/03 02:42)

【『ロシアの文字の話』をお薦めする、という話】
〓ええ、本日、書店で 「すごい本」 を見つけました。「ユーラシア研究所」 というところが出している 「ユーラシア・ブックレット」 というシリーズがあります。2000年から刊行が始まって、現在、第60巻くらいまで出ています。1巻ごとに、料理・文学・音楽・映画などのテーマを決めて、ロシアや、その周辺国の現状を描き出す、という趣向です。本の厚み・大きさは、ちょうど、NHKの語学講座のテキストと同じ。値段は、600円+税の均一。きょう、発見したのは、今年、2月20日発行という奥付の、この1冊です。

  『ロシアの文字の話』(ユーラシア・ブックレット No.57)
  小林 潔 著
  企画・編集=ユーラシア研究所・ブックレット編集委員会
  発行=東洋書店
  定価=600円+税

〓ロシア文字に関する知識は、一通り網羅されています。あたしが、ときどき、ここに書き込んでいるようなことが、まとめて書かれている。ああ、こんな安くて役に立つ本が20年前にあったら、と……。今までに類書なし。コストパフォーマンス大。あたしが、太鼓判を押します。ただ、このブックレットのシリーズは大きい書店でなければ置いていないし、シリーズ全部を置いているとは限らない。アマゾンでも扱っているようですが……。



アルフォンス・ミュシャという名前の語源

にれのや (2004/05/03 02:18)

【アルフォンス・ミュシャという名前の語源】
〓ええ、昨日、『美の巨人たち』というTV番組を見ておりました。テーマは
   Alphonse Mucha アルフォンス・ミュシャ [アるフォんス ミュ'シャ-]
です。サラ・ベルナールのポスターで有名な、イラストレーター、デザイナー、そして、画家、です。番組を見ていて、「ほぉ」 と思ったのが、ミュシャはフランス人ではなく、モラヴィア出身のチェコ人だということ。チェコ語の綴りは、
   Alfons Mucha
でした。ここで、「うんにゃ?」 と思いましたね。発音は 「ミュシャ」 とは似ても似つかない
   ['アるフォンス・'ムは]
です。そうです、ミュシャの本名は(椎名誠じゃないけど) 「ムハ」 だったんです。それがなんじゃ、と思うでしょうが、ロシア語で、
   муха ['ムーは] =「蝿」
なんです。ひょっとしたら、と調べたら……ありました、ありました。チェコ語で、「蝿」 は、標準的には moucha ['モウは]、だが、異形に mucha がある。
〓裏付けに、Oxford の "A Dictionary of Surnames" で調べたら、ありました。同系の姓として、次の3つが挙げられていました。
   (1) Мухин ['ムーひヌ] ムーヒン (ロシア姓)
   (2) Moucha, Mucha モウハ、ムハ (チェコ姓)
   (3) Mucha ['ム-は] ムハ (ポーランド姓)
同書では、語源として 「小柄で小うるさい人物、あるいは、取るに足らない人物のあだ名」 という、まことに不名誉な解釈をしめしています。
〓ロシア姓のムーヒンは、「蝿」 という名詞 муха からつくられた(毎度おなじみ)物主形容詞です。「蝿」 は女性名詞ですので、-а を取って -ин をつけます。以前、『きつつきの頭は痛まない』というソ連映画を見たことがあるのですが、主人公は、
   ムーヒンという名前の気の弱い男の子
で、あだ名が 「ムーハ」、つまり、муха 「蝿」 というのでした。クラスメートに 「ムーハ、ムーハ」 とはやされる。ムーヒンというのは、珍姓のたぐいではありません。名前というのは、どこへ行っても話のタネになるもんだな、と。



Re:B玉説

未菜実 (2004/05/02 08:24)

B玉説が流布したのは、たぶんテレビ東京の「クイズ赤恥青恥」だと思われます。
角川書店発行の「クイズ赤恥青恥」134pに古舘伊知郎のうんちく講座というコラムにもう一つの説として出てきます。
私の持っている、語源を載せている他の書籍では見つかりません。



Re:ビー玉の由来

佐藤和美 (2004/05/01 09:04)

>http://www3.zero.ad.jp/poseidon/3DCG/showa/asobi/Btama.html
>ちょっと検索してみました、、、両方あるみたいですが、、、

説があるというだけなら、「相対性理論は間違っている」という説だってあります。

サーチエンジンで検索すれば、「B玉」説は山ほどひっかかります。
ところが書籍では「B玉」説、見当たりませんね。
Web上の「B玉」説、一体どこから出てきたんでしょうか?



ビー玉の由来

あぽ (2004/05/01 08:17)

http://www3.zero.ad.jp/poseidon/3DCG/showa/asobi/Btama.html
ちょっと検索してみました、、、両方あるみたいですが、、、
関西ではラムネ玉というみたいですね



モンゴル人の名前 Ендон

にれのや (2004/05/01 01:09)

〓massangeana さん、追加ありがとう。気がついたんですが、
   Ендон [йэндон/йΘндон]
というのは、モンゴル語の母音調和から言ったら、おかしな単語です。検索をかけてみたら、
   Ендон−Ёндон
という2種類の名前がヒットし、Ёндон の方が数が多いにしても、どちらも数は少なからず。ことによると、モンゴル人は、語頭の Ё を(正書法に反して) Е と綴ってしまうことがあるのかも……。たぶん、
   Ёндон ['йондон] yondon
が正しいのでしょう。これならば、第2音節が、アクセントのある語頭の о に同化されたと考えることができそうです。
〓モンゴル語の母音調和は、
   男性母音  а, о, у, ы
   女性母音  э, Θ, Y
   中性母音  и (男性母音・女性母音どちらとも共存できる)
〓そうだ、KOMAさん。ハルハ・モンゴル語の г は、男性語(男性母音から成る語)では、摩擦音 [γ] で、女性語では、[g] です。これは、文語(古代モンゴル語)でも変わらないようです。



ロシア姓の仏語綴り/ビーフストロガノフ/エーデルワイス

にれのや (2004/05/01 01:07)

【ロシア人の名前のフランス語綴り】
〓KOMAさん。ロシア人のフランス語綴りは、ロシア人自身によるものだと思います。とにかく、ロシア貴族はフランス語に堪能であることが自慢だったわけですから、名前も当然、フランス語式に綴ったはずです。それに、20世紀初頭のパリは、革命から逃れた大小ロシア貴族であふれかえっていたわけで、彼らは、もちろん、自分の名前をフランス語式に綴らなければなりませんでした。-ов, -ев は、ほとんどの場合、-off, -eff と綴りますが、-ov, -ev という綴りも見かけます。
〓亡命した白系ロシア人は、いろいろなツテをたどって仕事を得たらしく、20世紀前半のフランス映画のクレジットを見ていると、ロシア人の名前がたくさん出てきます。それによって、彼らが、どのように名前を綴っていたかがわかるわけです。
〓チャイコフスキイ (チャイコーフスキイ) のフランス綴り、Tchai{+¨}kovsky も、おそらく、チャイコフスキイ自身の綴りではないでしょうか。しかし、現在のフランス語の正書法では、チャイコフスキイは
   Tchai{+¨}kovski
と綴るのが正しいようです。おそらく、アカデミー・フランセーズの仕業でしょう。映画のクレジットで、-ski なんて名前のロシア人は見かけたことがありません。

【ビーフ・ストローガノフ】
〓「牛肉を薄く切って」 というのは、ストローガノフ伯爵が、歯が悪かったから、という説がもっぱらです。料理に名前をつけたのは、伯爵ではなくて、伯爵に料理を賞賛されたフランス人シェフのほうらしいです。ビーフ・ストローガノフを初めて食べたのは、
   Григорий Александрович Строганов
   [グリ'ゴーリイ・アリェク'サンドロヴィチ・スト'ローガナフ]
   グリゴーリイ・アレクサンドロヴィチ・ストローガノフ伯爵
らしいです。「ストローガノフ伯爵」 は、代々、何人もいるので、ストローガノフ伯爵だけでは、誰のことだかわからないのです。フランス人シェフが名付けた
   b{oe}uf Stroganoff
は、"Stroganoff" を 「形容詞」 として用いているようです。英語では、「名詞−名詞」 と並べると、前の名詞が、後続の名詞を修飾しますが、フランス語では、「名詞−名詞」 と並べると、後の名詞が、先行する名詞を修飾するようです。不思議なことに、フランス語の文法書には、このことが書いてないんですけど。なぜでしょう。

【エーデルワイス】
〓ドイツ語の Edelweiβ ですね。まず、ロシア語には、エーデルワイスに当たる花の名前がないようです。つまり、ウスユキソウの仲間がない、ということなんでしょうか。ドイツ語をそのまま使って、
   эдельвейс [エデり'ヴェイス or エデり'ヴィェイス]
モンゴル語では、さらに、эдэльвэйс に類似する単語も見当たりません。いろいろ、検索してみたのですが、何やら、市民のグループ活動の班の名前として、элэльвэйс が1件。それと、Edelweis というホテルが1件。
   МΘнхцэцэг ['ムンフツェツェック] 「永遠の花」
という語は、たくさんヒットするのですが、すべて、女性の名前で、普通名詞の 「花の名前」 としては使われている形跡がありません。〜цэцэг というのは、モンゴル女性にとても多い名前のようです。
   Алтанцэцэг [アルタンツェツェック] 「金の花」
   Бадамцэцэг [バダムツェツェック] 「蓮の花」
   Жаргалцэцэг [ヂャルガルツェツェック] 「幸福な花」
   Наранцэцэг [ナランツェツェック] 「太陽の花→ヒマワリ」
   Оюунцэцэг [オヨーンツェツェック] 「知恵の花」
   Эрдэнэцэцэг [エルデヌツェツェック] 「宝の花」



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