言葉の世界・伝言板 2003年12月



Re:富士山<フンチ・ヌプリ?

佐藤和美 (2003/12/31 11:44)

肝心の「フンチ」ですが、以下の辞典に記載はありませんでした。
田村すず子『アイヌ語沙流方言辞典』草風館
中川裕『アイヌ語千歳方言辞典』草風館
萱野茂『萱野茂のアイヌ語辞典』三省堂

予想としては、

フチ + ウンチ = フンチ

ってことで、
「フンチ」という言葉をデッチアゲたのではないでしょか。



鳥なき里の「烏」?

Shusan (2003/12/31 10:58)

コウモリを烏にしているのを見かけました。コウモリを知らない世代には良いかもしれません。

ドイツ語の授業で”In den Blinden ist die Eineugige Koenig"(綴り不正確)と習い、てっきりドイツ方面のことわざかと思っていました。検索で"In the country of the blind,the one-eyed is king."は「ラテン語のことわざ」とも出てます。ルーツはどこなのでしょう?

さて「片目は王様になれますが、両目のあいている人は盲の国(The country of the blind)でどうなったでしょうか?」(ヒント:H.G.Wells,「人並みに鼻を削げ」)



とうげ

佐藤和美 (2003/12/31 09:52)

『アイヌ語沙流方言辞典』
tapka
[tap-ka 肩の・上] …の上、…の頂上。 pira tapka 崖の上。

「tapka」という語は存在するけど、「峠」という意味はないですね。

山口佳紀編『暮らしのことば語源辞典』(講談社)

「山道を登りつめたところ。上りと下りの境目。『万葉集』(八世紀)に「多武気」と書かれた例があり、古くはタムケという形であった。タムケは、動詞タムク(手向く)の連用形が名詞化したもの。タムクは神仏に供え物をするという意で、おもに旅の無事を祈るときにいう。峠には道の神が座すと信じられ、その道の神に「手向け」をする場所をタムケといったのである。室町時代以降、タウゲに転じ、さらにトウゲになった。」

『日本国語大辞典』
とうげ
「「たむけ(手向)」の変化したもの。通行者がここで道祖神に手向をしてまつり、旅路の平安を祈ったところからという。」

アイヌ語語源説がどこから出てきたのか不明ですね。
たんなる語呂合わせか?



RE:驛傳

鴛鴦 (2003/12/31 09:44)

>高駒麗人Komaさん
分かりました。これからはそうしていきたいと思います。
そういえば、オリンピックの正式種目にもなっている「競輪(ケイリン)」はそのまま「Keirin」です。でも、きちんと説明するならば「Japanese bicycle race」のほうがいいのでしょうか?



キョンシー、おろしあ

偽中国人 (2003/12/31 02:47)

>「僵」の「イ」を「歹」に置き換えた漢字が空欄に見えます。
IE5.5だとうまく入力できないのでNetscapeを使いました。

>「キョンシー」は「僵屍」jiangshiの廣東語音でしょうか?
その通りです。「イ」偏も「歹」偏も同じ発音というか異体字のようです。
次のリンクで「僵」geongの発音のwaveファイルをダウンロードまたはPCのスピーカーで聞くことができます(文字化けしたらデコードを繁体字にしてください)。
http://humanum.arts.cuhk.edu.hk/cgi-bin/canton-f2.pl?query=%BB%F8

前にドレミの歌関連でソルフェージュ(又はSolmization)のリンクに書いてあったことが気になりました。
http://wedder.net/kotoba/doremi.html

『いわゆる大和言葉には、江戸時代にロシアを「おろしあ」と呼んでいたことからも分かるようにラ行で始まる単語は発音しにくいと嫌われていたため、「れ」で始まる単語は皆無に等しい。』

この手の話はネット上でよく見かけますが、どれほどの人が支持しているのでしょう?
日本人にとって「ラ行で始まると発音しにくい」ので「ろしあ」が発音しやすいように「おろしあ」に変わった、といいうことですが果たしてそうでしょうか?

北京語では「俄羅斯eluosi」、広東語で「俄羅斯ngo lo si」です。
12月30日にNHKBS2でジャッキー・チェン(成龍)の映画の中で自称ロシア人の偽牧師が広東語で「俄羅斯ngo lo si」と発音していました。

百歩譲って江戸時代の日本人にとってラ行で始まる言葉は難しかったとしましょう。
それでは何故北京語の「ロシア」が曖昧母音「e俄」で始まらなければいけないのでしょう?
北京在住の中国人にも「ラ行で始まる単語は発音しにくいと嫌われていた」のでしょうか?
北京語には「L」で始まる言葉はたくさんあります。それなのにわざわざ曖昧母音「e俄」を前置きしたのは江戸時代の日本語の影響だとでもいうのでしょうか?
アイシンカクラ・ヌルハチの子孫もラ行音で始まる言葉は苦手だったのでしょうか?

原語が「ラ行で始まる」にもかかわらず日本語では前に「あいうえお」のいづれかを付け加えている外来語が他に多数あるのでしょうか?



tapke(峠?)補足 驛傳

高駒麗人Koma (2003/12/31 02:15)

田世昌Tian Shichang主編「日語外来語大詞典」(北京、机械工業出版社1995年)によると
トウゲ【(阿依努)tapka】山頂、(山路的)最高処

tapkaはtapkeだったかもしれません。今、手元に資料がないので確認できませんが。

「駅伝」→「Ekiden」は明らかに外来語の安易な借用です。こういうJapanglishは日本語を知らない人には理解できません。「Japanese relay race」のほうがいいでしょう。

朝鮮語では、「驛傳」が「驛前」と間違えられるようです。両方とも Yeokjeonで同音だからでしょう。

아이한자 전광진교수 한자컬럼 한자글보기
주 제, 驛傳(역전), 컬럼일, 2002-02-01, 조회수, 277, 첨부, 제 목, 부지런히힘쓰면 빈곤이 없고, 조심하고 조심하면... 2.1 금 (840) 驛 傳 *역참 역(馬-23) *전할전(人-13) '역전 마라톤'의 역전은 '驛前'이 아니라 '驛傳'이옳다. ...

( '역전Yeokjeon marathon'の 역전Yeokjeonは '驛前'ではなくて '驛傳'が正しい )

www.ihanja.com/data/column/content.asp?num=840 - 5k -

http://ent.163.com/edit/000926/000926_62805.html
シナ語では驛傳を“接力賽[足包]”jieli saipaoと言うようです。つまり relay raceですね。



きょんしー ろしあご あいぬ

高駒麗人Koma (2003/12/31 01:15)

>道士による「見鬼」は香港映画「霊幻道士/僵(?)屍先生」に描かれています。
「僵」の「イ」を「歹」に置き換えた漢字が空欄に見えます。
「キョンシー」は「僵屍」jiangshiの廣東語音でしょうか?

>チェンバレンは「Aino」、バチェラーは「Ainu」
勉強になりました。
たとえばアイヌ語をキリルKyrill文字で書くとすると、Aynu、Kamuyは
Айну(ajnu)
Камуй(kamuj)
のように й(半母音j)で現す方がいいのでしょうか?

http://www.google.com/search?q=%D0%90%D0%B9%D0%BD%D1%83&ie=UTF-8&oe=UTF-8&hl=zh-CN&lr=
http://www.google.com/search?hl=zh-CN&ie=UTF-8&oe=UTF-8&q=%D0%90%D0%B9%D0%BD%D1%83+%D0%9A%D0%B0%D0%BC%D1%83%D0%B9&lr=
ロシア語の頁では
АЙНУ (айны) −народ,
что Пасе камуй повелел создать Эдзо двум своим ..
のような表記がありました。

http://www32.ocn.ne.jp/~shoppe/WalkRu.htm.
Прогулка по Асахикаве(ロシア語で旭川の紹介)



とうげ となかい

高駒麗人Koma (2003/12/31 00:55)

>アイヌ語に「topka」という単語が存在するのかが問題ですね。それに「峠」の旧仮名は「たうげ」です。

失礼しました。tapkaです。
田世昌Tian Shichang主編「日語外来語大詞典」(北京、机械工業出版社1995年)によると
トウゲ【(阿依努)tapka】山頂、(山路的)最高処

一方、久松潜一(ひさまつせんいち)、佐藤謙三(さとうけんぞう)両氏編集の「角川国語辞典」(昭和57年、1982年)によると

とうげ【峠 たうげ】(「手向け」から)
@山の道を登りつめた所
A物事の絶頂 「−をこす」

「峠」について「アイヌ語“tapka”」と「和語“手向け(tamuke)”」の2説があるようです。

「日語外来語大詞典」では
トナカイ【(阿依努)tonakai】馴鹿
と書いてあり、アイヌ語 tunakkay が、日本語式の tonakai になっています。

ちなみに「馴鹿」は北京語音で xunlu(シュンルー)のようです。

http://search.yahoo.co.jp/bin/query?p=%a5%c8%a5%ca%a5%ab%a5%a4+tunakkay&hc=0&hs=0



island Iceland

高駒麗人Koma (2003/12/31 00:37)

きしろふさんへ
>「凾舘」だったようですね。
「函館」でも同じようなものです。「駅伝」はやはり「驛傳」と書く方がいいようにおもえます。

偽中国人さんへ
>例:Hai、我短他的銭應該今兒給、他回頭就來、我這兒還没項兒了、這不是小鬼叫門、要命麼。彼に借りている金を今日返さないといけない。もうすぐ彼が來るけど、手元にお金はないし、これじゃ閻魔の催促、まったく困ったものだ。
>閻王爺不在家、小鬼造反。直譯:閻魔大王が外出すれば地獄の鬼が謀反する。鬼の居ぬ間の命の洗濯。
「鬼のいぬ間に洗濯」は中國ではこうなるわけですね。「鬼の目にも涙」はどうでしょうか。
「鳥無き里の蝙蝠」に似た諺で「盲人の國では一つ目が王となる」(在Zai盲Mang人Ren國Guo、獨Du眼Yan稱Cheng王Wangでしょうか)があるようです。諺は結構、盲人を侮蔑しています。

Maniac Cさんへ
>アイスランド語の自称→‘Ísland’で、発音は「イースラント」です。
>ドイツ語→ ‘Island’で、やはり発音も「イースラント」です。
>Madonna の歌“La Isla Bonita”「ラ・イスラ・ボニータ」

Madonnaの歌はよく知りませんが、いいタイトルですね。「島、美しき」ですね。
アメリカ合衆國の歌手がスペイン語を使うのはラテンアメリカの影響でしょうか。

英語では「島」、「諸島」は isle(s)またはislandでしょうか。
island(島)はシナ語で「島」dao、「島嶼」daoyu、北歐の島國 Iceland(アイスランド)は「冰島」Bingdao(ビンダオ)です。しかしIcelandなら嚴密には「冰國(氷国)」Bingguoの筈で、「冰島」ならIce-Island(アイス・アイランド)でしょう。
isleも島、landも国または島です。islandは重複表現かもしれません。

「ふじ」fuziは「富士」で、「ふぢ」fudziは「藤」だと思っていましたが、「富士」の「じ」も本来「ち」「ぢ」なのでしょうか。「不二」ではないのでしょうか。



『うち』

らにい (2003/12/30 21:46)

友人が今年の正月にやっていた「忠臣蔵」の再放送を見ていたとき、「『大石内藏助』は『おおいしくらのすけ』と読むが、そうすると『大石藏助』でいいはず。なぜ『内』があるのか?」と言ってきました。
私は早速調べましたが、「大石内藏助」のことはいっぱいあっても「内」については何も載っていませんでした。
力及ばずで申し訳ありませんが、教えてくださいませ。



re:「gross」

鴛鴦 (2003/12/30 17:07)

>Maniac C.さん
再度のお答えありがとうございます。

なるほど、「一回り大きい12」で「グロス」ですか。勉強になりました。
「12の2乗」が「グロス」なら、「12の3乗」は「グレートグロス」。「12の4乗」なら「スーパーグロス」?(そんなのないか ^^;)
「一回り大きな百」で「千」というのも面白いですね。

きしろふさんの話で思い出したのですが、前にアメリカからの留学生が箱根駅伝を見ていて、「『駅伝』って何?」と聞かれたので、「Japanese relay race」と言ったことを思い出しました。一応納得はしていましたが。「駅伝」は英語でも「Ekiden」だそうで。



Re:富士山<フンチ・ヌプリ?

佐藤和美 (2003/12/30 09:07)

さて、それではバチェラーはどのように書いてるのでしょうか。
(当然のことながら、内容はマユにツバつけて読んでください)

バチェラー『アイヌ地名考』中川裕訳(『アイヌ語地名資料集成』草風館収録)
「次に FUJI NO YAMA(富士山)の Fuji を見てみよう。FUJI NO YAMA の FUJI という単語は、疑いもなくアイヌ語起源である。炉床の上にあっても、火山の中にあっても、火の女神は常に FUJI または HUCHI という名で崇拝されている。樺太ではこれを UNCHI という。北海道内のどの活火山においても、その中の火は Fuji kamui すなわち「火の神」と呼ばれて崇拝されており、火はアイヌ民族の祖先のひとつであると考えられている。ABE が日常一般に使われる普通の火を指すのに対し、FUJI という単語中の U は、火がより崇高な役目を果たす場合の基本的な名称である。「神なる Fuji」の坐る座というのは、その火のまん真中−−最も白く輝いている熱い部分だといわれている。FUJI または HUCHI は「祖母」を表わす単語でもあるから、私はこの種の火の崇拝が、火という形を借りた祖先崇拝を意味しているのだと考える。FUJI NO YAMA が休火山だということを思い出していただきたい。右のように漢字で書かれた場合、その意味は「富の山」とか「宝の山」ということになるが、意味に関するかぎり、この山にはあてはまらない。」



Re:小鬼

偽中国人 (2003/12/30 04:51)

最初に訂正
>中国的「鬼」、小鬼 投稿者:偽中国人  投稿日:12月28日(日)12時20分51秒
>「鬼門關」は地獄の関所、旧暦八月朔日に開き、八月晦日に閉まります。

正しくは「旧暦七月朔日に開き、七月晦日に閉まります。」

シンガポール華人は旧暦七月を「鬼月Ghost Month」とよび、不吉な月に旅行や結婚、フラット(日本式に言えばマンション)購入などいろいろな事を控える傾向にあります。このため経済活動が影響を受けます。

巴沙(又は巴刹=Pasar=市場)へ行くと雑貨屋には冥府(地府)の親族に送る紙銭、地府銀行の小切手帳、呪譜、絵に描いた衣服、身の回り品、自動車などをセットにして売っています。地獄へのパスポート(護照)などもあります。これを旧暦の七月十五日の夕方に道の片隅で焼きます。チャイナタウンでは町内会単位で超特大の蝋燭に火を付け、超特大の線香を燃やします。煙にすると冥界に送り届けることができると信じています。

私も1セット購入して現地の友人に見せたら、マジで気味悪がりました。。

小鬼について
言葉の意味は時代により多少の変化があるものです。

愛知大学編《中日大辞典》は近世白話小説の語彙はもちろん、主として日中戦争時代から1950年代までの語彙を集めたものですが、そこには「小鬼」について、親しみをこめた子供の呼び方は記載していません。ただ「軍隊少年勤務員の愛称」というのが子供に嫌悪感を持たない意味として挙げられています。

1970年代に出版された《漢語詞典》には親しみをこめた子供の呼び方という解釈が載っています。

閻王好見、小鬼難纏。
閻魔様は面会し易いが、小鬼の相手がわずらわしい。愛知大学編《中日大辞典》より。

吾人因事去探訪某些主管人的時候、往往被属下人等諸多留難、這就是「主管好見、下属難以応付」了。
何かの用件で偉い人に会おうとすると、その人の部下が邪魔をする。

小鬼做城主−−升級
  小人物が突然一城の主になる。

閻王爺的告示−−鬼話連篇
閻魔=鬼王の告示は、おのずと知れた鬼話(でたらめ)、人情に程遠く、道理に合わないことばかり。

少年見鬼、還有三年;老年見鬼、就在眼前。(山東地方の諺)
少年が鬼神を見たらあと三年、老人が鬼神をみたら死期が目前に迫っている。
普通の人に見えない鬼神が見える人は「陽」の「気」が散じて死期が近いといわれています。
冬至は太陽が最南端に位置し、陰気が極まり、陽気が帰ってくる節目です。

鬼を見る能力あるいは能力者を古くは視鬼、見鬼といいました。

「見」は「見る」ばかりでなく、また「現」に通じて発現・現形の意味があり、隠れている鬼物の形状実態を暴露することをいうから、この語が最も適当と考えられて普及したものであろう。(澤田瑞穂著「中国の呪法」平河出版社1985年第2刷)

道士による「見鬼」は香港映画「霊幻道士/僵(殭)屍先生」に描かれています。
日本でも「卑弥呼」や代代の天皇家が重視している銅鏡は「見鬼」の大切な道具だったのでは?



Ans: gross

Maniac C. (2003/12/29 21:18)

>鴛鴦さん
>「グロス」は「総体の」という意味の英語に由来しているということですが、……。
→ちょっと違うようです。
■英語の gross は仏語の gros「厚い、大きい」の女性形 grosse に由来していて、
実は grosse douzaine、英語に置き換えれば great dozen の後半を省略したものが
語源です。
■従って、「1回り大きい12」の意味となり、12×12=144となるわけです。

>「ダース(dozen)」はよく聞きますが、「グロス」は殆ど聞かなくなりました。
→そうですね。
■私自身も耳にしたことが有りませんが、更に1回り大きな、1728(12の3乗)を表す
「グレート・グロス(great gross)、大グロス」なる単位も在るそうです。
■「千」を意味する英語 thousand も、語源は *θu¯s(h)undi- で; hundred「百」を
表す要素 *hundi- の前に、*tu¯s- 「力、強い」を意味する要素を付けたものです。
つまり great hundred「1回り大きな百」を意味するので、こういう単位の数え方と
いうのは、印欧語の伝統なのでしょうね。



re:「septentrio」

鴛鴦 (2003/12/29 20:35)

>Maniac C.さん
早速のお答えありがとうございます。
ふむ、「大熊座(小熊座)」「北斗七星」は確かに北の方角にありますね。
半グロス(gross)もあるとは・・・(^^;)

そういえば、「ダース(dozen)」はよく聞きますが、「グロス」は殆ど聞かなくなりました。「ダース」の語源はラテン語「duodecim」で「12」という意味だというのは前にも管理人様が書き込みしていましたから分かります。「グロス」は「総体の」という意味の英語に由来しているということですが、「gross」そのものの語源は分かりません。
こちらのほうもご存知の方がいらっしゃれば、僭越ですがご教示下さい。



Ans: septentrio

Maniac C. (2003/12/29 19:10)

>鴛鴦さん
>「北」と「7」とは何か繋がりはあるんでしょうか?
→はい、有ります。
■septentrio¯ne¯s(複数形)は、septem「七」と trio¯「犂牛」とから出来ていて、
複数形で「犂牛の七つ星」という意味です。
■これは、希臘神話で言う所の星座の「大熊座(小熊座)」、日本で言う「北斗七星」
を表しているのです。
■ラテン語で「北」を表す単語は、下記URLによれば、半グロスほど在るようです。

http://www.perseus.tufts.edu/cgi-bin/enggreek?lang=la&lookup=north&type=begin&options=Sort+Results+Alphabetically



Ainu、Aynu

佐藤和美 (2003/12/29 18:37)

>引用者Koma注釋:この本「世界の言語と国のハンドブック」では、Aynu Itakの英語名とドイツ語名は両方 Ainu で、フランス語名 ainou は i の上の点が2つのようです。欧洲では Aynu、Kamuy という綴りを採用していないのでしょうか?

ヨーロッパにアイヌ語を紹介したのはチェンバレンとバチェラーの二人です。(十九世紀)
「アイヌ」の表記ですが、チェンバレンは「Aino」、バチェラーは「Ainu」という表記を使ってたようですね。これがヨーロッパ各国の表記の基になってると思います。
「Aynu」という表記は第二次大戦後、知里真志保が始めたと思います。



Re:富士山<フンチ・ヌプリ?

佐藤和美 (2003/12/29 16:57)

>市川小学校
>http://www.ichikawa-sho.ed.jp/fujisan/naritati.htm
>富士の語源として、マライ語説・アイヌ語説・その他があるが、河口湖畔にアイヌが、定住していたあとがあることからアイヌ語のカムイ・フチ(火の神)というのが有力である。

足和田村
http://www.fujigoko.or.jp/area/t-asiwa.htm
村内には「桑留尾(くわるび)」「満留尾(まるび)」などるび≠ニ名の付く地名があり、このるび≠ェ、アイヌの言葉であることから、「大昔にアイヌ民族が住んでいた」という言い伝えが残っている。江戸時代の富士山大噴火で歴史的な資料が一つも残っていないため、真実は分からない。しかし、この言い伝えが本当だとしたら、北海道の「蝦夷富士(えぞふじ)」はその名残で名付けられたのではないか、と村民の間にロマンが広がる。

まさか「「大昔にアイヌ民族が住んでいた」という言い伝えが残っている」が伝言ゲームで「河口湖畔にアイヌが、定住していたあとがある」に?

「ルピ」って『アイヌ語沙流方言辞典』には「(魚)の列群」って出てます。確かにアイヌ語に存在する単語だ(笑)。



「7」つの「北」?

鴛鴦 (2003/12/29 15:48)

ある場所でみたものですが、ラテン語で「北」は「septentrio」と言うようですが、確か英語で「7月」は「September」ですよね。綴りが似ているようですが、「北」と「7」とは何か繋がりはあるんでしょうか?そうでなければ、「trio」のほうで「3」と関係があるのでしょうか?
このことに関して調べましても明瞭な答えが無いものでしたから、年末で忙しいと思いますがよろしかったらお願い致します。



小鬼頭

雲水 (2003/12/28 21:10)

で『醒世恒言』に出ているようです。(『中国語大辞典』)

親しみを込めた言い方と罵り言葉は表裏一体のところがあるので、『醒世恒言』の用例が直接的にはどちらに用いられていようと、明代にはあったと思ってもいいんじゃないかと思います。この手の言葉は、かなり古くから元明あたりから、用いられていることが多いようです。



「函」「箱根」

きしろふ (2003/12/28 13:20)

>高駒麗人KÖMÅさんさん
「函館」の「館」も「舘」をつかっていたようですから、「凾舘」だったようですね。
失礼しました。

「箱根」というと、年明け早々に開催される「箱根駅伝」を思いますが、正式名称は「東京箱根間往復大学駅伝競走」(その前にも特別協賛している会社等の名前が入ります)と言います。
最初は「四大校驛傳競走」or「對校驛傳競走」といわれていました。それからは(?〜)「東京−箱根往復驛傳競走」or「東京−箱根往復大學高專驛傳」→(昭和22年〜)「東京箱根間驛傳競走(のち漢字の改革で「駅伝」に)」→(?〜)「東京箱根間往復大学駅伝競走」と変わっていきました。
昭和16〜21年の間は太平洋戦争で開催できませんでしたが、昭和18年に「靖國~[示土]・箱根~[示土]間往復関東學徒鍛[金柬]繼走大會」として開催されました。



中国的「鬼」、小鬼

偽中国人 (2003/12/28 12:20)

中国的「鬼」の定義は《説文》に
「人所帰為鬼」と書いてあるそうで(実物を読んだ訳ではないので)、「人は最後には鬼となる」と言っています。

《禮記》「人死曰鬼(人が死ねば鬼という)」
衆生必死、死必帰土、此之謂鬼。生きとし生ける者必ず死に、死ねば必ず土に帰る、これを鬼という。

つまり鬼とは亡霊というような意味で、その亡霊の性質が陰険邪悪でで、人に害を及ぼすものを鬼というそうです。

仏教では人が死ねば亡者となり、四十九日の試練に耐えれば成仏するそうです。
「東山千栄子、杉村春子、田中絹代、三宅邦子、新珠三千代がすでに鬼籍に入り、...」
「鬼籍に入る」とはつまり「死ぬ」という意味です。

辞海は【鬼子】猶言「小鬼」、罵人語也。「鬼子」は「小鬼」と同じで人をののしる言葉、と説明し《世説》方正の例を挙げています。
「我父、祖名播海内,寧有不知,鬼子敢爾!」

小鬼=小男、子供に対する罵詞。小僧。閻魔大王の手下。
子供に対する親しみを込めた呼称としての「小鬼」は比較的新しい用法ではないでしょうか。

謎:小鬼叫門。閻魔の手下が入り口で呼んでいる。
解:要命。  命を取るぞ。
要命=ひどく困っている、閉口する。餓得要命=腹が減って死にそうだ。
不要命=命が要らない、命知らず。
例:Hai、我短他的銭應該今児給、他回頭就來、我這児還没項児了、這不是小鬼叫門、要命麼。
  彼に借りている金を今日返さないといけない。もうすぐ彼が來るけど、手元にお金はないし、これじゃ閻魔の催促、まったく困ったものだ。

閻王爺不在家、小鬼造反。直訳:閻魔大王が外出すれば地獄の鬼が謀反する。鬼の居ぬ間の命の洗濯。

餓鬼は冥府で飢餓に苦しむ亡者。
「鬼門關」は地獄の関所、旧暦八月朔日に開き、八月晦日に閉まります。
この間に餓鬼がこの世に帰り彷徨(さまよ)います。
人々は餓鬼に祟られないように御馳走を供えます。



RE: アイスランド

Maniac C. (2003/12/28 02:17)

>高駒麗人さん
今年の1/25の投稿を再掲します。
>アイスランド語の自称
→‘Ísland’で、発音は「イースラント」です。
>ドイツ語
→ ‘Island’で、やはり発音も「イースラント」です。

■「氷」は、ゲルマン共通基語では *i¯sam, *i¯saz でした。古期英語でも、i¯s
「イース」でした。現代英語 ice「アイス」、蘭語 ijs「エイス」、独語 Eis「アイス」
と、西ゲルマン諸語では長母音が二重母音化していますが、北ゲルマン諸語に分類
される古期ノルド語では íss「イーッス」のままで、古体を残すアイスランド語でも
そのままの形が残っています。同じ北ゲルマン諸語でも、デンマーク語・スウェー
デン語・ノルウェー語では is と綴られます。
■英語でも、中期英語では、Islond という綴りでした。

>スペイン語では「島」は isla のようですね。スペイン語ではsは發音されるでしょう。
→Madonna の歌に“La Isla Bonita”という曲が在ります。「ラ・イスラ・ボニータ」
と読みます。



とうげ どれみ おに りゅう

高駒麗人 (2003/12/27 21:27)

佐藤さんへ
>アイヌ語に「topka」という単語が存在するのかが問題ですね。それに「峠」の旧仮名は「たうげ」です。
この辺はわたしの手におえません。辞書には外来語の元の言語名、綴り、語源が書いてありますが、辞書の使用者の大半は見ずにすますでしょう。しかし元の言語名、綴り、語源には1つでもミスは許されない。辞書の書き手はある意味気の毒です。

らにいさんへ
>要するに「『ド』は『doe(メス鹿)』の『ド』、『レ』は『ray(太陽光線、日差し。放射線ではあるまい ^^;)』の『レ』、『ミ』は『me(私の自称)』の『ミ』、『ファ』は『far(遠い、遠く)』の『ファ』、『ソ』は『sew(縫う)』の『ソ』、『ラ』は『ソの次』の『ラ』、『シ(というかはティ?)』は『tea(お茶。ここでは紅茶か)』の『シ』」ということですか。

そのとおりです。
原文に忠実に歌詞を改造してみます。
♪「ドーはメス(雌)のシカ(鹿)、レーは日の光、ミーはこの私(わたし)、ファーは遠いとこ、ソーは縫い物で、ラーはソーの次、ティーはお茶のこと、次はまたドーよ」

>中国では、日本人を小鼻鬼xiaobigui、ロシア人を大鼻鬼dabiguiと呼んでいたと聞いたことがあります。
初めて知りました。
先述の中國人が編纂した「日語外來語詞典」では「ロスケ」が「俄 Russkij」(ロシア語のRusskijかが語源)とありました。
日本語のオニは恐るべき存在であると共に「仕事の鬼」のように尊敬すべき存在です。星一徹が「野球の鬼」とか。evil、demonと違います。
「ドラえもん」では桃太郎の正体は野比のび太で、彼が闘った「鬼」は室町時代頃日本の島に漂着したオランダ人で、ドラたちは彼をどこでもドアで祖国に帰してあげました。
日本の鬼と天狗の正体は昔、日本に漂着した白人や黒人でしょう。

中国と日本の「龍」longも恐れながら敬う存在ですが、西洋の dragon はひたすら悪者です。西洋人がシナChinaを怖がって Dragonと形容しても中国人にとっては誉め言葉でしょう。中国人が子供の成長を望む形容:「望子成龍」wang zi cheng long(子供が龍のようになる)は西洋人には理解しがたいようです。

>子供を「小鬼」
「侮蔑」と「可愛がる」は表裏一体です。



南が北の世界地図 鬼 魔女

KÖMÅ (2003/12/27 20:39)

たしかに豪州製の世界地図のように南を上にしたら、東は左なので極東はアメリカで、極西はアフリカですね。うっかりしてました。

>東洋鬼
昔、日本の女子ヴァレーティームが「東洋の魔女」と呼ばれましたが、この東洋は東アジアでしょう。これも「東洋鬼」(日本の悪鬼)のように悪口だった筈ですが、日本人は「東洋の魔女」を誉め言葉のように受けとったようですね。

>「函館」は「凾館」
これは知りませんでした。謝謝。



shakipe>鮭 island isla

高駒麗人 (2003/12/27 20:31)

>「世界の言語と国のハンドブック」2000年
当方の引用ミスで、この本では 鮭のアイヌ語原形は shakipeでした。

「世界の言語と国のハンドブック」大学書林
1p「アイヌ語Ainu/Ainu/ainou 北海道,カラフト、千島(Kurile Islands)に行われる系統不明の言語。」
「世界の言語と国のハンドブック」大学書林
2p
>「地名ホロベツ(幌別)<poro-pet大きい・川、ノボリベツ(登別)<nupur-pet濃い・川」
(中略)
>「アイヌ語から日本語に入った単語にrakko→ラッコ(猟虎),shakipe→しゃけんべ,鮭,日本語からアイヌ語に入ったものに神→kamui、牛(ベコ,東北地方)→pekoなどがある。…旧日本領であった樺太(カラフト)のアイヌ語については,村崎恭子『カラフトアイヌ語』(国書刊行会,東京,1976テープ付き)がある」

引用者Koma注釋:この本「世界の言語と国のハンドブック」では、Aynu Itakの英語名とドイツ語名は両方 Ainu で、フランス語名 ainou は i の上の点が2つのようです。欧洲では Aynu、Kamuy という綴りを採用していないのでしょうか?

>sakipe サキペ【自動】[sak-ipe 夏・食物(魚)] 夏の漁をする。
これで意味がわかりました。
「島」&「私は・が」 投稿者:Maniac C.
英語の islandのsは無駄ですね。Icelandと紛らわしいです。
Icelandでは自称が Islandのようです。
上記の本で「アイヌ語」の上に「アイスランド語 Icelandic/Isländischh/islandais」が紹介されています。ドイツ語では氷はEisですから、Icelandのドイツ語名は Eislandかと思ったら違うんですね。

スペイン語では「島」は isla のようですね。スペイン語ではsは發音されるでしょう。



小鼻鬼

雲水 (2003/12/27 18:37)

中国では、日本人を小鼻鬼、ロシア人を大鼻鬼と呼んでいたと聞いたことがあります。
「鬼」は、もともとは亡霊、幽霊とかですが、そういう時は「いまわしいもの」見たいな意味じゃないでしょうか。子どものことを「小鬼」という言い方もあります。



東洋鬼

佐藤和美 (2003/12/27 15:16)

陳舜臣のエッセーに書いてあったことです。
以下、記憶によって書きますので、記憶違いがあるかもしれません。

中国では日本軍のことを東洋鬼と呼んでいた。日本軍はこれを日本語的に解釈し「アジアの鬼」と思って喜んでいたが、実は「東洋」は「アジア」ではなく中国から見た東で日本のこと、「鬼」も日本の「鬼」とは全然違うよれよれの亡者のようなものである。

と、まあ、そんなことが書いてあったと思います。



Re2:どれみ&峠

らにい (2003/12/27 13:33)

>佐藤和美様
なかなか興味深い文章です。大変苦労したようですね、ペギー葉山は。

「峠」の字面は見ての通り「山の上りと下りの境目」を表す国字です。
部首違いに「裃(かみしも)」というのがありますがこれは「衣の上りと下りの境目」というわけではなく、「上下揃った衣」という意味で要するに武士のスーツ(suit)と考えればいいと思います。



Re:関所・大阪

きしろふ (2003/12/27 13:16)

>高駒麗人 KOMÅ さん
>「戦後の日本が『函』を常用漢字から外しても、さすがに『函館』『函谷関』を『関館』『関谷関』にするわけにはいかないようです。」
戦後の漢字の改革の前は「函館」は「凾館」と書かれていたようですね。
>管理人様
「坂」が「土に反る」という字面になるのを嫌ってですか。
秀吉や淀殿がいたら(「大坂」が「大阪」になるのを)どう思ったでしょう?(^^)



ドレミ

佐藤和美 (2003/12/27 12:18)

ドレミ…に関してはUEJさんが書いてます。

レはレレレのレ
http://wedder.net/kotoba/doremi.html





佐藤和美 (2003/12/27 12:09)

>中國人が編纂した日語外來語詞典で「トウゲ」があり「阿伊努 topka」とありました。「峠」tougeは和語でなくアイヌ語topkaなのでしょうか?

アイヌ語に「topka」という単語が存在するのかが問題ですね。
それに「峠」の旧仮名は「たうげ」です。

『大辞林』
とうげ たうげ 3 【峠】
〔「手向(たむ)け」の転。通行者が旅路の安全を祈って道祖神に手向けた所の意。「峠」は国字〕



re:どれみ

らにい (2003/12/27 11:45)

>高駒麗人KÖMÅさん
要するに「『ド』は『doe(メス鹿)』の『ド』、『レ』は『ray(太陽光線、日差し。放射線ではあるまい ^^;)』の『レ』、『ミ』は『me(私のetc)』の『ミ』、『ファ』は『far(遠い、遠く)』の『ファ』、『ソ』は『sew(縫う)』の『ソ』、『ラ』は『ソの次』の『ラ』、『シ(というかはティ?)』は『tea(お茶。ここでは紅茶か)』の『シ』」ということですか。
また面白い発見です。



RE:中近東 追加

鴛鴦 (2003/12/27 11:34)

>高駒麗人KÖMÅさん
余計なお世話だと思いますが、オーストラリアで売られている世界地図は南が上になっているのは確かですが、方位そのものは変動しませんので、よって西は右となり、「極東」は南アメリカで、南アフリカは「極西」(実際、こういう言葉はあるかどうか分かりませんが)になります。
>「侍は東の国から来た、少年は西の国で生まれた」
この表現もグリニッジ基準ですね。



大坂

佐藤和美 (2003/12/27 11:30)

溝手理太郎編『市町村名語源辞典』(東京堂出版)からです。
「なお、「阪」の文字は、明治元年、「坂」が「土に反る」という字面になるのを嫌って使われるようになったという。」



Re:中近東&オーストリア

鴛鴦 (2003/12/27 11:07)

>高駒麗人KÖMAさん
なかなか「中近東」は決めづらいですね(^^;)
>「車寅次郎は、エステライヒのウィーンWienから日本に歸って來た時、テキ屋仲間と一緒にエステライヒの土産を『ヨーロッパのオーストラリア』と言って賣りさばき、學生から『ヨーロッパにあるのはオーストリア。オーストラリアはカンガルーの國です』と言われていました。」
この場面は私も見たことがあります(^^)
>「Unter dem Doppeladler(雙頭の鷲の旗の下に)」
この「Doppeladler」を見て「ドッペルゲンガー」を思い出しました。
確かつづりは「Doppelgänger」で原義は「もう一人の歩行者」という意味になりましょうか?
>「足ラヌ足ラヌハ夫ガ足ラヌ」
残された妻から見ればそうでしょうなぁ。
「奉天」については、以前ある(歴史ドキュメンタリーみたいな)番組を見て、古いフィルムに映っていた駅の駅名が書かれた表札に「天奉」(もちろん、右から読みます)と上に書かれていて、下には「Fengtien(Mukden)」と書かれていました。これが出本です。



「世界の言語と国のハンドブック」のアイヌ語

佐藤和美 (2003/12/27 11:01)

>「世界の言語と国のハンドブック」によると「しゃけ(鮭)」はアイヌ語 shakibe>「しゃけんべ」、「ラッコ」はやはりアイヌ語 rakko で、アイヌ語の kamuiとpekoは 逆に大和語 kami(神)、beko(牛、方言形)からだそうです。

佐藤和美(2003/09/02 23:21) wrote
>『広辞苑』の「鮭」の項にはこうありますね。
>「アイヌ語サクイベ(夏の食物)からとも、サットカム(乾魚)からともいう」
>Maniac C.さんの書き込みはこれのことでしょうか?
>この伝言板でも何回か書き込んでますが、『広辞苑』のアイヌ語はあまり信じないほうがいいと思います。
>まずは「サクイベ」というアイヌ語が存在するのか、ですね。
>私には胡散臭さしか感じません。

田村すず子『アイヌ語沙流方言辞典』にはこうありました。
sakipe サキペ【自動】[sak-ipe 夏・食物(魚)] 夏の漁をする。
satkam サッカ【名】[sat-kam 乾いた・肉] (=sat kam サッカ)干し肉。

「shakibe」なんて表記をしてるところを見ると、その文章を書いてる人はアイヌ語の知識を持ってないようですね。
また「kamui」ではなく「kamuy」だし、日本語「神」からアイヌ語に入ったと言い切ってるのなら、たいしたクソ度胸だと思いますね。



Re:富士山<フンチ・ヌプリ?

佐藤和美 (2003/12/27 10:00)

金田一京助『北奥地名考』からです。

「尤バチラー博士は、フチに樺太アイヌ語の「火」unchi を授引する。併しこれは又フチとは全然別語で、この授引にも無理強いの嫌いがある。樺太にはアペ「火」という語は廃語になっていて、老人にはわかるが、古語だと答える。そして日常の間、一般の人々は火を unchi (または unji と発音するものもある)とのみ云う。此の方は本来は「火の神」という語で、北海道の北部方言地方のウチ uchi 「火の神」という語と同一語である。だから、ウンチを以って、富士の語源とするなら「火神の山」「火の山」の義に解いてよいのであるが、そうすると、語頭がハ行音ではなくって、一寸富士と似つかわしくなるものだから、形を合せんが為に、huchi を持ち来り、意味を合せんが為に unji を持って来る。そのトリックをアイヌ語を少し学んだ目は決して見落さないであろう。」
「要するに、富士はアイヌ語の火だという解釈は、眉唾物であって、アイヌ語を知らない人にだけは本当にされるかも知れないが、真理はそうたやすく手品のように、うまく手捌きで言いくるめられはしないのである。」


この文章が最初に収録されたのが昭和7年だそうですが、「アイヌ語を知らない人にだけは本当にされるかも知れないが」って、現在と全く同じですね。



Re:函谷關も物ならず

高駒麗人 KÖMÅ (2003/12/27 03:17)

僞中國人さんへ
詳しい御解説、ありがとうございます。
http://tw.people.com.cn/BIG5/14816/14894/927355.html
人民日報海外版で繁體字文ですね。

↓内容は關係ありませんが、こちらは新華社繁體中文版です。
http://big5.xinhuanet.com/gate/big5/www.xinhuanet.com/



訂正&追加「…といわれている。」

高駒麗人 KÖMÅ (2003/12/27 03:07)

「函数」hanshu(朝鮮語 hamsu「函數」)が日本で「関数」になったのも奇遇です。しかし、これは偶然ですですね。→これは偶然ですですね。

http://www.hs.reitaku-u.ac.jp/print/tokosibe052.html
>そもそも富士という山名はアイヌ語で火を意味する「フチ」に由来するといわれている。

「といわれている。」と言っている本人がそう「いっている」張本人の一人なのです。誰がそう言っているのか曖昧にできます。「…が予想される」「…が懸念される」は、だれが予想、懸念すているのか曖昧にしている便利なずるい表現です。



函谷關も物ならず

偽中国人 (2003/12/27 03:05)

>「箱根の山は天下の險、函谷關も物ならず」は箱根の関所の事でしょうか?

瀧廉太郎が曲をつけたこの詩の題名は「箱根八里」で「箱根八里は馬でも越すが 越すに越されぬ大井川」という風に交通の難所を喩えたものです。

辞典によれば「函谷關」は「絶壁千仞ニシテ、深ク險シキコト函(はこ)ノ如シ、故ニ名ヅク」とあります。小学校の同級生に後頭部に丸みが無く、直角になっていた者が居まして、「絶壁」と呼ばれていました。
http://www.china10k.com/trad/history/1/15/15z/15z05/15z0519.htm

閑話休題、第二節は「箱根の山は 天下の阻、蜀の棧道数ならず」となっています。「蜀の棧道」も切り立った崖にへばり付く様な道で交通の難所です。
李白《蜀道難》蜀道之難,難於上青天 蜀道ノ難キハ,青天ニ上ルヨリ難シ....
http://tw.people.com.cn/BIG5/14816/14894/927355.html
次のリンクに「蜀の棧道」の相片=照片=寫眞があります。
http://www2.crl.go.jp/jt/a134/xkozima/play/china/indexj.html
「蜀の國の犬は太陽を見ると怪しいものを見るように吠える」といわれるほど山深く、霧も深い土地のようです。

清少納言の「夜をこめて 鶏の空音は はかるとも よに逢坂の 関はゆるさじ」は孟嘗君の「鶏鳴狗盗」によって狐白裘を取り返し、一番鶏の鳴き真似をして夜明け前に函谷關を通過して逃げた故事を踏まえたものです。
http://bearclub.idv.tw/poem/Default.asp?sn=102

函關カムクワン
函谷關になぞらえて「箱根の関」を漢語風に云った物と改訂新版《漢字源》は説明しています。
函嶺カムレイ
箱根山のこと。函谷關になぞらえていったもの。



関所 大阪

高駒麗人 KÖMÅ (2003/12/27 00:27)

Re:関 きしろふさんへ

>「関東」は箱根の関より東側をいい、「関西」は逢坂の関より西側をいうと聞いたことがあります。また「関東」は北は白河の関・勿来の関までということも聞いたことがあります。「箱根の山は天下の險、函谷關も物ならず」は箱根の関だということも。

勉強になりました。ありがとうございます。
私は「函谷關」については日本の箱根の山の名として覚えたのが最初なので「函谷關」が中国起源だと知って意外でした。
「函」と「關(関)」で思い出したのですが、英語 function>シナ語「函数」hanshu(朝鮮語 hamsu「函數」)が日本で「関数」になったのも奇遇です。しかし、これは偶然ですですね。

戦後の日本が「函」を常用漢字から外しても、さすがに「函館」「函谷関」を「関館」「関谷関」にするわけにはいかないようです。

>そういえば、「大阪」は元々「大坂」で明治元年に「大阪」にされたということですが、なぜなのでしょうか?
「大坂」は昔は「おおざか」「おほざか」だったようですね。漢字が変わった理由は折りを見て調べてみます。ドイツ人は Osakaを「オーザカ」と呼んでいるかもしれませんね。



大和になかった物についての大和ことばについて

高駒麗人 KÖMÅ (2003/12/27 00:14)

「中東」と「中近東」「極東」続き

日本で御馴染みの太平洋中心地図ではアメリカ合衆国&カナダ&グリーンランドが極東です。
豪州では世界地図が太平洋中心で南が上ですから、アフリカが極東です。
映画「East Meets West」の廣告では「侍は東の国から来た、少年は西の国で生まれた」と言っていましたが、日本から太平洋を通ってアメリカに行く場合、日本が西でアメリカが東です。

Re:日本にいない動物についての大和ことばについて

たしかに「とら」「わに」は外来動物なのに和語名があって不思議ですね。
漢字の訓読みは和語かと思われますが、実は訓読みでも外来語(非和語)であるものも多いですね。
「うま(馬)」umaはシナ語「馬」ma→ mma「んま」→ uma「うま」で、朝鮮語 mal、蒙古語 mori(家畜一般が mal)が起源でしょう。
馬はさすがに古代の大和にはいなかったでしょう。

「ライオン」lionは英語ですが、「しし(獅子)」(<シナ語「獅子」shizi)は西域の言葉からのようです。
「世界の言語と国のハンドブック」によると「しゃけ(鮭)」はアイヌ語 shakibe>「しゃけんべ」、「ラッコ」はやはりアイヌ語 rakko で、アイヌ語の kamuiとpekoは 逆に大和語 kami(神)、beko(牛、方言形)からだそうです。
「イクラ」はロシア語 ikra ですからシャケもイクラも外来語ですね。

http://www.asahi-net.or.jp/~hi5k-stu/aynu/nihongo.htm
↑「らっこ」と「となかい」は、アイヌ語 rakko、tunakkai
「しか(鹿)」はどうなのでしょうか?
大昔の日本には大角鹿(オオツノジカ)や剣歯虎(ケンシコ、サーベルタイガーSabre Tiger)はいなかったのでしょうか?
こうなると言語学でなく古生物学の範疇にはいりますね。

Buddha>「佛陀」fotuoを現す「ほとけ(仏、佛)」も一見、和語のようですが、本当は何らかの外来語でしょう。佛教傳来以前の倭國には「ほとけ」の概念すらなかった筈ですから。

中国製の「漢語外来語詞典」で、「天竺」Tianzhuは波斯Boxi(ペルシアPersia)か何処かの言葉でインドを意味する Thendhu、或いはインド語の Sindu- からだと書いてありました。(Thendhu、Sindu-は勿論、Hindi、Hindu、India、Indoと同系。)





きしろふ (2003/12/27 00:03)

>高駒麗人KÖMÅ
>「『関東』『関西』は関所から見て東、西でしょうか。
『箱根の山は天下の險、函谷關も物ならず』は箱根の関所の事でしょうか?」
この事に関して、私が僭越ながら少しばかり答えます。
「関東」は箱根の関より東側をいい、「関西」は逢坂の関より西側をいうと聞いたことがあります。また「関東」は北は白河の関・勿来の関までということも聞いたことがあります。
「箱根の山は天下の險、函谷關も物ならず」は箱根の関だということも。
そういえば、「大阪」は元々「大坂」で明治元年に「大阪」にされたということですが、なぜなのでしょうか?



日本にいない動物についての大和ことばについて

K坊 (2003/12/26 22:41)

初めましてK坊です。
あの、日本にいないのに大和言葉ある動物の単語ありますよね?

「とら」
「わに」
これはべつに、漢字かからの転用ではありませんよね。
「とら」は、朝鮮語から「ホドリ」の「ドリ」からの訛りなんですか?
「わに」は、昔、鮫のことを「鰐(ワニ)」と言ってようでしたが、
なんで、熱帯に生息する「クロコダイル」や「アリゲータ」を
「わに」という大和言葉におきかえたのですか?
不思議です?
日本語好きなんですよ。



どれみ ぜろせん とうげ など

高駒麗人KÖMÅ (2003/12/26 22:09)

偽中国人さんへ

>「零戰」の制式名稱は「零式艦上戰鬪機れいしきかんじやうせんとうき」、敵國のコードネームはZeke、通稱はZero Fighter。…戦時中の関係者は「れいせん」と呼んでいたのでは?
http://www.zero-fighter.com/bilingual/toppage.htm
『この「零式艦上戦闘機」という名前すら軍事機密?であったため、国民には知らされていなかった、新聞等で戦果を発表する際には、「海軍新鋭戦闘機」としか書けなかったという事です。』
「ゼロ戰」という讀み方は戰後のものではないかと思います。

私が昔見た「203高地」のドラマは「にひゃくさんこうち」で、最近別の日本人が「にまるさんこうち」と言っていて「この人歴史上の地名を知らないのかな」と思いましたが、必ずしも間違いではないですね。
「奉天(現在の瀋陽)Fengtien」の英語名「Mukden」とは何でしょうか?

>古代中国では「函谷關」以東を「關東」、「函谷關」以西を「關西」と呼びました。「函谷關」と「隴關」の間を「關中」と呼んだ事もありました。

「関東」「関西」は関所から見て東、西でしょうか。
「箱根の山は天下の險、函谷關も物ならず」は箱根の関所の事でしょうか?

>この場合の「關」は恐らく北京(大都、燕京)に都が置かれるようになってからで「山海關」を指しています。日露戰爭の結果、ロシアから引き繼いだ租借地の「旅順、大連、金州」を日本が勝手に「關東州」と名付けました。この「關東州」を管轄するのが「關東軍」です。朝鮮總督府編纂 《普通學校國語讀本》 巻六 第二十課 『隣國』の項参照。
http://proxy.saga-wjc.ac.jp/nagasawa/kyokasho/kokugo/futu/maki6/m-maki6.htm
『滿洲ノ南部ニ突キ出テ居ル遼東半島ノ南端ニハ、關東州ガアリマス。關東州ハ我ガ國ノ租借地デ、コヽニ旅順・大連ノニ港ガアリマス。』つまり「關東州」は「滿洲」の一部分です。
http://japan.road.jp/Law/T4_KantoF28.htm

「關東軍」は「滿洲國關東地方」の軍なわけですね。勉強になりました。
滿洲(満州)Manzhou:ManchuriaはどうもManjusri(文殊菩薩)から來ているようです。

らにいさんへ
「レReはレモンLemonのレ、ミはミンナのミ」は完全に日本的發想ですね。
ドレミのレはReでレモンはLemonですし。
http://www.filmsite.org/soun.html
(♪Doe, a deer, a female deer,…以下参照。)

中國人が編纂した日語外來語詞典で「トウゲ」があり「阿伊努 topka」とありました。「峠」tougeは和語でなくアイヌ語topkaなのでしょうか?



中近東 オーストリア

高駒麗人KÖMA (2003/12/26 21:49)

鴛鴦さんへ  投稿日:12月25日(木)18時32分55秒

>「中東」と「中近東」の違いは何でしょうか?
機會あれば調べます。
大西洋中心の世界地圖では歐洲から見て東アジアが極東Far Eastで、EuropaとFar Eastの中間が中東Middle Eastで、その中でEuropaに近いのが中近東でしょうか。

>「Oesterreich」はウムラウトをきちんとさせると「Österreich」ですね。

太平洋の、四國がでかくなったような國、Australia(南國)と區別するためにも、歐洲のドイツ語圏の「東國」Österreichは、AustriaオーストリアでなくOesterreichエステライヒと呼ぶ方がいいと思います。

車寅次郎は、エステライヒのウィーンWienから日本に歸って來た時、テキ屋仲間と一緒にエステライヒの土産を「ヨーロッパのオーストラリア」と言って賣りさばき、學生から「ヨーロッパにあるのはオーストリア。オーストラリアはカンガルーの國です」と言われていました。

>「Unter dem Doppeladler」(双頭の鷲)が有名?
Unter dem Doppeladler 「雙頭の鷲の旗の下に」(J・F・Wagner)ですね。

>「戦時中の大日本帝國臣民は『贅澤(ゼイタク)ハ敵ダ』という標語を『贅澤ハ素敵ダ』」と言い換えて遊んだりしていたようです。」その時は絶対道端では言えなかったでしょうねぇ(^^;)「素敵」は「出来すぎ」がひっくり返ってできた言葉と聞いたことがあります。

「贅澤ハ素敵ダ」の他に「足ラヌ足ラヌハ工夫ガ足ラヌ」→「足ラヌ足ラヌハ夫ガ足ラヌ」というのもあったようです。

素敵が「出來すぎ」→「す・出來」だとは初めて知りました。

>「満洲(満州)」の中心だった「奉天(現在の瀋陽)」は「Fengtien」とも「Mukden」とも表記されていたようです。「満州」そのものも「Manchuria」と表していたようです。(当時、南満州鉄道株式会社がアメリカに満州向けに海外投資を呼びかける広告にはそう書いてありました)

旅順Lushunは今では英語名でもLushunです。
しかし昔はPort Artherと呼ばれたようです。
「旅」「律」luのuは厳密にはUmlautつきですがよく省かれます。中文パソコンでは lvと打つと出ます。

講談社Internationalの英語で紹介する日本史の本では、「旅順」の英語名が Ryojun(Port Arther)とあり、Lushunという表記はありません。これは既に日本式英語Japanglishです。

英語を學んだ中國人がこれを見たら、漢字「旅順」を見れば「旅順」Lushunだとわかりますが、Ryojun(Port Arther)では何かわからないでしょう。
奉天(現在の瀋陽)は今の大陸ピンインでFengtian、Fengtienはピンイン制定前の慣用綴りもしくはWade式でしょう。Wade式なら有氣音を’で現すので Feng-t'ienが正確です。
瀋陽はShenyangです。



Re:富士山<フンチ・ヌプリ?

佐藤和美 (2003/12/26 13:05)

富士山アイヌ語語源説、私もちょっと検索してみました。


市川小学校
http://www.ichikawa-sho.ed.jp/fujisan/naritati.htm
富士の語源として、マライ語説・アイヌ語説・その他があるが、河口湖畔にアイヌが、定住していたあとがあることからアイヌ語のカムイ・フチ(火の神)というのが有力である。

この小学校では授業中に「河口湖畔にアイヌが、定住していたあとがある」なんて教えてるんですかね?


沼津工業高専
http://www2.denshi.numazu-ct.ac.jp/funada/prof-fujieda/edition/document/doc3/doc3c.html
富士の語源として、マライ語説,アイヌ語説その他があるが、河口湖畔にアイヌが定住していた遺跡があることからアイヌ語のカムイ・フチ(火の神)というのが有力である。

ここも授業中に「河口湖畔にアイヌが定住していた遺跡がある」って教えてる?


麗澤中学・高校
http://www.hs.reitaku-u.ac.jp/print/tokosibe052.html
そもそも富士という山名はアイヌ語で火を意味する「フチ」に由来するといわれている。

これは高校のほうの文章のようですね。


学校でヘンなこと教えないで欲しいですね。



富士山<フンチ・ヌプリ?

松茸 (2003/12/26 03:32)

 某「一行知識掲示板」に幽霊アイヌ語が出没してます。(^^;

 「フチ」はよく聞くが「フンチ」は初耳なので、検索してみたところ、省庁や自治体の公式ページに堂々と載ってました:

http://www.cbr.mlit.go.jp/fujisabo/fujiazami/fujiazami36/fujiazami_02.html
http://fujisan.pref.yamanashi.jp/denmou1/kankiyo/kan3_4_08/main.htm
http://www.pref.shizuoka.jp/madein/fuji/020.htm

……やっぱりというか、哀しいです。



ドは?

らにい (2003/12/25 21:13)

いやぁ、年末は忙しい・・・

映画『サウンド・オブ・ミュージック』が装いも新たにDVDとしてでるそうです。
といっても、マスターをデジタル修正して画や音をきれいに直してだすということですが、字幕も元々のセリフにそうということです。
日本では「『ド』は『ドーナツ』の『ド』・・・」ですが、これは日本語としては語呂がいいので日本独特の訳になっており、元々は「『ド』は『Due(メス鹿)』の『ド』・・・」という風になっているとのこと。
新たな字幕を楽しんでくださいならしいです(笑)



Re:東西南北

鴛鴦 (2003/12/25 18:32)

>高駒麗人Komaさん
「中東」「極東」はグリニッジ(要するに標準子午線)からみての「中東」「極東」でしたっけ?
あと、「中東」と「中近東」の違いは何でしょうか?
「Oesterreich」はウムラウトをきちんとさせると「Österreich」ですね。
「Unter dem Doppeladler」が有名?



Re:おとといきやがれ

鴛鴦 (2003/12/25 16:26)

>未菜実さん
げじげじ(蚰蜒)または蜘蛛を取って捨てる時に言う文句でもあったんですか。
意外な発見です。



RE:おとといきやがれ

未菜実 (2003/12/25 13:50)

「江戸語の辞典」講談社学術文庫の「おととい(一昨日)」の項に次のようにあります。
おととい来い:げじげじまたは蜘蛛を取って捨てる時に言う文句。
いやな者に対して、二度とくるな、とっとと立ち去れと言うときにも用いる。

憎悪体として、おととい失せろ、おととい失(う)しょう。
親愛体として、おととい来な、おととい来やれ。
丁寧体として、おととい来なせい、おととい来なんし。
更に、おととい参りやしょう(二度と再び来るものかの意味))
などが載っています。



「文句」

鴛鴦 (2003/12/24 18:56)

資料が全然見つからなかったので、ここでお伺いしたいと思うのですが、よく罵りの文句の一つとして「おとといきやがれ!」や「この、すっとこどっこい!」等ありますが、これらの語源はどういうものなのでしょうか?「おとといきやがれ!」の「おととい」は「一昨日」のことでしょうか?





雲水 (2003/12/24 12:39)

は近い海の「海」に対して、遠い海を指すので(日本語でも近海、遠洋といいますが)、中国では自分の国を指すのに、「洋」を使うことはありえないでしょうね。「海」でしたら、「四海之内」という表現もあります。確か韓国でも「東洋」を日本と同じ意味で使っていたと思いますが。

媽媽生ですが、媽媽桑という表記をよく見ます。



インディアス

佐藤和美 (2003/12/24 12:05)

>「西インド諸島」も「新大陸」をインドだと誤解したことにもとづく表現。

http://www.tuins.ac.jp/~satoh/Lecture/pg004.html
この地域の名称を歴史的に見ると、コロンブスによって1492年に「発見」された当時、インディアスと名付けられた。インディアスとは、15世紀のヨーロッパ世界においてインドを含むアジア方面を漠然とさした名称であった。



東洋、明報

偽中国人 (2003/12/24 07:23)

◆東洋
「東洋」はthe Orientの訳と思っているのは日本だけで、「東洋一の○○」というのを中国人は「日本一の○○」と理解しています。

「洋」は「インド洋」、「南氷洋」という使い方からも分かる様に、「海」を意味します。
the Orientは「東方」、Far Eastは「遠東」。The East China Seaは「東海」。

これらはすべてヨーロッパ中心の相対座標にもとづく表現。
韓国はThe Sea Of Japanを「東海」と呼びたがっています。「西インド諸島」も「新大陸」をインドだと誤解したことにもとづく表現。

◆明報
今朝は「明報Mingbao」の記事がニュース・ネタに登っていますが、「めいほう、みんほう、みんぽう」とアナウンサーによって読み方がマチマチ。
http://www.mingpaonews.com/
リンク・アドレスからも解る通り、「明報」自身は「Mingbao」ではなく「Mingpao」と綴っています。



Re:映画 訂正&あえて追記(^^;)

きしろふ (2003/12/23 23:31)

× 「キネトグラフ」→「キネトスコープ」→「キネマトグラーフ」
○ 「キネトグラフ」→「キネトスコープ」→「シネマトグラフ」

リュミエール兄弟が作った「シネマトグラフ」は、フラスコに水を入れてそれをレンズがわりにし、アーク(arc)灯を光源にして撮影(上映)するものでした。



Re:映画

きしろふ (2003/12/23 21:29)

>Maniac C.さん
三度お世話になりましたm(_ _)m

「キネトグラフ」→「キネトスコープ」→「キネマトグラーフ」(ドイツ語「キネマトグラーフ」)という順に出てきたんですね。
>「リヒトシュピール(Lichtspiel)」
「明かりを使った演劇」ということでしょうか?他にも「光の戯れ(チラチラする華やかな光など)」という意味もあるようですね。
「映画」にもいろいろと言い方があるんですね。感心しました。
「キーノ(Kino)」と聞くと某小説の主人公を思い出します(^^;)
「銀幕」は「silver screen」の訳だそうで。まあ、「老人幕」とはいいませんけどね(笑)
>「死ねマ」では語感が悪かったからでしょう
特に大工さんなんかは嫌がったでしょうねぇ(笑)

よく「カラー」は「天然色」とも言われていましたから、「カラー映画」は「天然色映画」なんて言われていました。

しつこく追記・・・といいたいところですが、らにいさんみたいに年末侵攻・・・もとい進行に精を出さなくてはなりませんので、書き込むひまが少しばかりなくなりそうです。
週が明けたら休みになりますので、その時には顔を出せると思います。では、それまでm(_ _)m
(その間、すこしでも空いたら見るようにします)



映画

Maniac C. (2003/12/23 19:49)

>きしろふさん
■今日のお題は「映画」ですね。元ネタ@Wikipediaと。順番を追って参りましょう。
私の元ネタは最下記のURLです。

■「キネトグラフ」…1889年にエディスン(米)とディクスン(英)が開発した、世界
最初の映画撮影カメラ。エディソンは欧州での特許を取っていなかった。
■「キネトスコープ」…1893年にエディスン(米)とディクスン(英)が開発した、世界
最初の映写機。現在のような投写式ではなく覗き見式で、鑑賞は覗きメガネ式の装置
で行っていた。1894年に登場した最初の「キネトスコープ・パーラー」では、観客は
1台ずつ順番に覗いて映画を鑑賞していた。
■「シネマトグラフ」…1895年にリュミエール兄弟(仏)が、一人ずつしか観る事が
出来なかったキネトスコープを改良して、大勢の観客に見せることができるように
開発した、投写式映写装置。1897年に日本で初興行された時の呼び名もこの名前。
■「キネマトグラーフ」…独国での「シネマトグラフ」の呼び方。当初はケルンの
或る会社が自分達の登録商標であるからと使用を禁止し、一時「リヒトシュピール
(Lichtspiel)」と呼んだとか。
http://www.ne.jp/asahi/akira/flick/flick/history/1996/9612.html#961224
英語では、単に「シネマトグラフ」の別な言い方・綴り方ぐらいの感覚です。既に
「シネマ」という略語が在りますので、些か古めかしい感じは有ります。

■「シネマ」…仏語・英国英語。「映画館」「映画作品」「映画制作・映画産業」の意味。
■「ピクチャ」…米語。「絵・写真」の外に「映画作品」「映画館」の意味も有る。
■「ムーヴィー」…元米国口頭英語。「映画作品」「映画上映」「映画産業」「映画館」
の意味。
■「キーノ(Kino)」…独語。「映画作品」「映画館」「映画撮影機・映写機」の意味。
■「フィルム」…仏語・英語・独語共通。「映画作品」「(映画用)乾板」「薄膜」の意味。
■「スクリーン」…英語。「映画作品」「映画界」。the silver screen「銀幕」より。
■「エクラン(écran)」…仏語。「銀幕」「映画作品」「映画界」の意味。
■「フリック(flick)」…口頭英語。「映画作品」「映画上映」「映画館」の意味。
■「シネ(ciné)」…口頭仏語。「映画作品」「映画館」の意味。

>日本で「キネマ」がよく使われたのは、その当時としては語感がよろしかったようで。
>どうしてそうよく感じたのかはよく分かりませんが・・・
→「死ねマ」では語感が悪かったからでしょう。「死ねラリア(sineraria=蕗菊)」の
ことを「サイネリア」、「死苦ラメン(cyclamen=篝火花)」を「サイクラメン」と呼び
替えるのと同工です。

■日本で「活動写真」「活動」が「映画」に変わるのは戦後のようですが、「映画」と
いう言葉自体は、発声映画、所謂「トーキー(talkie)」の登場した大正中期ごろに
生まれたようです。

http://www.geocities.co.jp/Hollywood/5710/cla-history.html



Re:ゴシック体/東/方角

きしろふ (2003/12/23 11:43)

>Maniac C.さん
またまたお世話になりました。

>ゴシック体
ほほう、「black letter」の一変種ですか。なるほど。
「ゴシック体」は米語だったとは知りませんでした。へぇ〜(笑)
>「オリエンテーリング」と「東」
「日が昇る(方向)」>「東の、東向きの、
東洋の」>「東向きに置く」>「位置・方向を決定させる、(新環境に)適応させる」
納得です(--)
>「方角」と「ディレクター」
イギリスでは「ダイレクト」、アメリカでは「ディレクト」と発音にも差があるんですね。

またまた余計な追記(汗):「映画」のことを「シネマ」といいますが、「シネマ」はご存知の通り「シネマトグラフ(cinematograph:元はフランス語『cinématographe』)」の略ですが、日本では、特に大正期から昭和初期にかけて「キネマ(kinema)」がよく使われていました。
「キネマ」はこれまたご存知の通り「キネマトグラフ(kinematograph)」の略で、しかも「キネマトグラフ」は「キネトグラフ(kinetograph)」から派生した言葉だそうです。また、「キネマトグラフ」は元々、フランスのシネマトグラフを改良したドイツの会社の製品名であったという説もあるそうです。
ただ、アメリカでは「キネマトグラフ」という言葉は既に死語(古語)になっているようで、今は「シネマトグラフ」を使っているそうです。
ちなみに、日本で「キネマ」がよく使われたのは、その当時としては語感がよろしかったようで。どうしてそうよく感じたのかはよく分かりませんが・・・



ゴシック体/東/方角

Maniac C. (2003/12/23 00:27)

>きしろふさん
>「black letter」とはよくドイツ(語)で見られるあの字体ですか?
厳密には異なりますが、そうです。
「あの字体」は、 Fraktur とか German text と呼ばれる字体で、日本では「亀の子
文字」とか「ひげ文字」と呼ばれています。black letter の一変種です。
日本語で言う「ゴシック体」は米語で、sans serif(ひげなし), Doric, grotesque
などとも呼ばれます。

>「オリエンテーリング」と「東」
「オリエンテーリング」は、スウェーデン語の orientering に由来します。原形は
orientera で、英語の to orient「位置・方向を決定させる、(新環境に)適応させる」
に相当します。と、ここまで書けば、聡明なきしろふさんのことですから、もう、
お判りですね。そうです。「東洋」を意味する the Orient と同源です。元々は羅語
ori¯ri¯「昇る」の現在分詞orientem から、「日が昇る(方向)」>「東の、東向きの、
東洋の」>「東向きに置く」>「位置・方向を決定させる、(新環境に)適応させる」
という意味変化です。「オリエンテーション(orientation)」も、原義は「(建物など
を)東方またはある特定の方角へ向けて建設すること」>「(新環境への)適応、適応
指導」という意味変化です。

>「方角」と「ディレクター」
「ディレクター」は director「指導者」の米音で、動詞 to direct「指導する」に
行為者を表す接尾辞 –or が付いたものです。
一方、「方角」は direction と言います。「指示、指導」の意味も有ります。
元々は羅語 di¯rigere「正しい方向に向ける」の過去分詞 di¯rectus「真っ直ぐな」
に由来します。羅語の re¯ctus は英語の right「正しい」と同根です。
「正しい方向へ向ける」という原義から、「方向を教える」>「指図する」とか、
(脇道へ逸れないように)「指揮・監督する」とかという意味が生まれて来るわけです。
なお、日本語には英音の「ダイレクト(直接の)」という形容詞も入っていますよね。
これも「正しい方向へ向ける」という原義から生まれた意味です。



Re:「島」&「私は・が」

きしろふ (2003/12/22 21:38)

>Maniac C.さん
>「島」
「s」は先祖返りだったとは・・・(^^;)
>「私は・が」
「black letter」とはよくドイツ(語)で見られるあの字体ですか?
そうならば、確かにあの字体では見づらいですね。
そもそも「ゴシック体」とはその字体のことを言っていたようですね。
でも、いつのまにかその「ゴシック体」とは似ても似つかない字体へと・・・

昔、友人が林間学校で「『オリエンテーリング』だから『東』へ行かないと」とか「『方角』を決めるのは『ディレクター』の俺だ」とか言っていましたが、どうやら「オリエンテーリング」と「東」、「方角」と「ディレクター」とでなにか関係があるようですが・・・



中国語に入った日本語

偽中国人 (2003/12/22 04:18)

媽媽生(ma ma shengは北京語の発音)
何の事か解りますか?
「生」は広東語でsangと発音するということがわかれば
何となく解るはず。想像力を働かせると....

http://www.zaobao.com/special/newspapers/2003/10/xmrb011003a.html
逃回湖南老家 媽媽生被捕
湖南の実家に逃げ帰ったママサン逮捕される(された)。



「島」&「私は・が」

Maniac C. (2003/12/21 23:51)

■「島」は、中期英語から初期近代英語までは iland, yland「イーランド、イランド」
と、sの入っていない綴りが標準形でした。原義は「水際の土地」の意味です。
■15C ごろから、語頭の部分が、仏語由来の ile, yle「イール、島」(現在のisle)
と誤解されるようになります。
■仏語の ile は羅語の insulam 「インスラム」に遡るので、15C 半ばごろから、
英語でも仏語でも歴史上一度も発音されたことの無い、sの入った綴りが復古的に
始まり、特にスペンサー以降定着しましたが、sの入っていない綴りも、1700年ごろ
まで使用されました。
■そんなわけで、island という現在の綴りも、1700年ごろまでに定着しました。
■上述のように、sは単なる先祖返りの綴りですので、今も昔も、発音されないわけ
です。

■Iが文中でも大文字で書かれるようになったのは、小文字では目立たないからです。
■中世の標準字体は black letter とも呼ばれるゴシック体でした。縦の線が極太な
のに対して横の線は極細で、横に詰まっており、m,n,u(v),i(j)が隣り合って
いると、非常に判別しづらいものでした。しかも中世後半までは、iの上の点も有り
ませんでしたから、大文字にでもしない限り、読み飛ばされてしまう可能性が大いに
在ったわけです。



「島」

きしろふ (2003/12/21 21:21)

いろいろと調べても出てこなかったので質問したいと思うのですが、
「島」を意味する「island」はなぜ「アイランド」というような読みをするのでしょうか?
そのまま文字読みすれば「イ(orアイ)ズランド」とも読めようですが、「s」が発音されていません。
なぜ「s」が発音されないのでしょうか?その理由と経緯(歴史)などを教えてください。お願い致します。

追記:「私(は/が/にetc)」を意味する「I」も文の先頭に関わらず、必ず大文字になりますがなぜなのでしょうか?
こちらのほうももしよろしければ、お願い致します。



re:mamahuhu

らにい (2003/12/18 12:40)

>massangeanaさん、偽中国人さん
つまり漢字は見た目がおもしろくなるようにあてたもので、「mamahuhu」は他にもいろいろあるということですね。
また勉強になりました。



Re:mamahuhu

偽中国人 (2003/12/18 04:04)

>見ようによっては馬にも虎にも見える」という意味から〜

「馬にも虎にも見える」という解釈は「馬虎」の字面に拘泥したもので、「馬馬虎虎」以外にも
「mamahuhu」は「見ようによっては」

「馬馬糊糊 馬にも糊にも見える」、
「麻麻糊糊 麻にも糊にも見える」、
「麻麻呼呼 麻のような呼んでいるような」、
「媽媽呼呼 母ちゃんが呼んでいるような」
「媽媽虎虎 母ちゃんのようにも虎のようにも見える」
という言い方/書き方があります。最後の「媽媽虎虎」はさしずめ「狼が化けた『赤頭巾ちゃん』のお婆さん」の中国版といったところでしょうか。

mamahuhuという重畳型の形容詞、副詞の原型は
mahu馬虎−馬糊。
http://www.pdsdaily.com.cn/big5/content/2001-12/28/content_38205.htm

那老軍猛然驚覺,麻麻糊糊的zheng開眼,看見行者,連忙跪下叩頭,叫:“爺爺!”《西游記》第78回 zhengは[目争]
http://www.millionbook.net/gd/w/wuchengen/xyj/079.htm

ビン南語歇後語(しゃれ言葉)「子供が倒れた」の解。
14.〓仔跌倒→媽媽呼呼(馬馬虎虎) 【〓】は国構えの中に「子」
http://home.lsjh.tp.edu.tw/155104/news.htm

massangeanaさん御指摘のとおり、mahuとよく似た音、意味の言葉に「mohu模糊」というのがあります。
模糊 不分明也。模、亦作糢。
このmohuも漢語では
「momohuhu模模糊糊、糢糢糊糊」
という形で使われています。

糊里糊塗huli-hutu(ビン南語はホリホトと発音)もハッキリしない、バカな、でたらめなという意味です。【塗】の字は「土」のない字形(JIS第三水準)を使うのが普通です。

「人生識字糊塗始」魯迅の言葉だそうです。
http://www.bukkyo-u.ac.jp/BUCD/world/html/14_11/446_hyoushi/446_hyoshi.html

こういうmamahuhuなどの言葉に使われる漢字に関しては藤堂氏の単語家族も当てになりません。

陳老板、[イ尓/心]生理(=生意=売買)好不好? 陳社長、もうかりまっか?
差不多cha put to まあまあでんナ。



Re: 馬馬虎虎

massangeana (2003/12/17 19:51)

たんに擬態語であって, 漢字は見た目がおもしろくなるようにあてたのだとおもいます。
語源はしりませんが, 曖昧模糊の「模糊」などと関係があるのではないでしょうか。

>「見ようによっては馬にも虎にも見える」
これはたんに漢字からの憶測なのでは...



エトセトラエトセトラ・・・

らにい (2003/12/17 18:29)

>Maniac C.さん
ひとつひとつご丁寧に答えてくださいまして感謝します。

「pompon」でいいということは、私は完全に某漫画に騙された・・・?
「pampers」は要するに「長く快適」みたいな意味で使っている?

「見ようによっては馬にも虎にも見える」というのは本当にいいかげんですね(^^;)
でも、「馬」と「虎」は傍目からでも見分けがつくのでは?と思う今日この頃(笑)

「Ragnarök」と「Götterdämmerung」はもともと別物?
「ラグナロク」と「ラグナレク」はそれぞれ別というのは正しくおかしくて面白いですね。



ポンポン/馬馬虎虎/ラグナロク

Maniac C. (2003/12/17 05:34)

>らにいさん
年末進行お疲れ様です。

【ポンポン】
■正式に言っても‘pompon’「パムパヌ」ですよ。←こういう書き方をすると、
高駒麗人さんに叱られそう…。
■‘pompous’「パンパス」は「尊大な、仰々しい」という意味の形容詞です。
■紙おむつは、‘pampers’「ペァンパズ」で、よくわからないのですが、「増長
させる」の3単現でしょうか。

【馬馬虎虎】
■「見ようによっては馬にも虎にも見える」という意味から、関西弁の「ボチボチ
でんなぁ」とか「いい加減」という意味になったようです。
■mamahuhu の上に付いているvのような印は声調記号で、ma3ma3hu1hu1とも書けます。

【ラグナロク】
■英語の綴りとしては‘Ragnarok’で、原義は「神々の(ragna)運命(r{o+しっぽ}k)」
です。後に ragnarøkkr「神々の黄昏」と混同され、ヴァーグナによって普及され
ました。
■笑い噺としては、「ラグナロク」は「神々の黄昏」で、それが終わると「ラグナレク」
つまり「神々の暗黒」が来るのだ、という説もネットには在ります。
■英語では‘ö’は/∧/と発音されるので、「ラーグナロック」と「ラーグナラック」に
なりますな(w)。



突飛なことですいませんが・・・

らにい (2003/12/16 17:04)

中国語で「適当」「いいかげん」は「馬馬虎虎[m(a+∨) m(a+∨) h(u+∨) h(u+∨)]」と言うらしいのですが、なぜ「馬」と「虎」で「適当」「いいかげん」なのでしょうか?些細な事ではございますが、宜しくお願い致します。([]内は発音表記です。(a or u+∨)は「a or u」の上に「∨」がついているということです。)

>再びManiac C.さん
週刊少年サンデー連載『史上最強の弟子 ケンイチ』で「ロキ」がいるグループは「ラグナレク」でしたね。『ロキ』のほうは「RAGNAROK(ラグナロク)」。Maniac C.さんが記してくれたリンクのなかでは「ラグラレク」。また、他では「ラグナレ(ッ)ク」。
いろいろないい方がありますが、一番原音に近いといったら「ラグナロク」でしょうか。
「RAGNAROK」は正確には「RAGNARÖK」と書くべきでしょうけどね。
やっぱり「Ragnarök」ではなく「Götterdämmerung」だと長ったらしいか・・・(^^;)



Re:神話

らにい (2003/12/16 13:00)

>Maniac C.さん
最近、年末調整(税金ではなく仕事のこと)で忙しいんです(^^;)
ホントご無沙汰です。

私は少し知っている程度ですが、『魔探偵ロキ』という漫画(アニメもやったようです)に影響されて北欧神話に詳しくなったという人もいるようです。(私の友人もその一人)
他、北欧神話で有名なのは「ワルキューレ」もそうですね。(こちらも漫画・アニメがあるそうで)

ムダ知識(笑):チアリーディングなどで使う「ポンポン」はきちんと言うと「pompous(パンポォース)」。なんか紙おむつみたいで・・・



ロシア語のアクセント

げたのにれのや (2003/12/16 02:10)

〓ムッシュMCどの。
ロシア語のアクセントは、変化語尾も含めて全ての音節に落ち得ます。統計を取ったわけではないですが、強勢の置かれる音節には、きわだったかたよりはないように感じます。東スラヴ語は、バルト語族ほどではないにしても、かなり保守的な言語のようで、アクセントの単純化のきざしは見られません。
〓ロシア語に西欧からの外来語が押し寄せるのには、いくつかの波があって、オランダ語→ドイツ語→フランス語→英語、のように、いくつかの層を成しています。
 それにプラスすること、近代化にともなって、ギリシャ語・ラテン語起源の学術語の流入がからまってきます。そのような場合、ир'ис, 'ирис のように、借用が重複することが起こります。ロシア語は、あらゆる位置にアクセントが落ち得るために、原語のアクセント位置をそのまま保存するので、語形が同じでも、アクセントが移動するケースも起こるのです。
 おそらく、フランス語よりも、古典ギリシャ語やラテン語のほうが、「本来あるべき姿である」 という心理が働いているように思います。



アーカニエ&神話

Maniac C. (2003/12/16 00:17)

>にれのや師匠
>ろんたいむのーしーでした。
→せいむひーや。師匠もしばらく地下に潜っておられたので、私と同じ業界の方かと
疑ってしまいました。でも、師匠は自営業でいらっしゃいましたよね。
радуга については、ていきゃたいむ、ということで。
■「アーカニエ」なぞという名前が在ったのですか、こん畜生め! てめえのお陰で、
自力ぢゃあкосаに辿り着けなかったぢゃねえか! 箆棒め!
■仏語風のアクセント、確かに前の投稿にもダーりの名前と年号が書いてありました
ね、済みません。もっと以前のことかと思ったのですが、意外に借用自体が新しいの
ですね。ところで、ロシヤ語のアクセントですが、ゲルマン語のように語頭に来る
ものが多いとか、何か規則は在るのでしょうか。さもないと、最初は語頭に無かった
(かも知れない)アクセントが移ってきたのは英語や独語の影響ということになるかと
思うのですが。

>らにいさん
■らにいさんの御登場もお久しぶりですね。神話のリンクの御紹介、有り難う存じ
ました。北欧神話の方は、中学時代、「小山田いく」という漫画家の影響で結構
詳しくなりましたので、早速スラヴ神話の方だけ読破しました。
■残念ながら、誤植が多いですね。ちょっと書き出してみますと:
ヴゴドラク(Vukodlak)→ヴコドラク(Vukodlak)
ストリーボグ (Stribog)→ストリーボフ (Stribog) …露語で「神」はボーフ。
ダジボーグ (Dajbog)→ダジボーフ (Dazh’bog)
チェルノボーグ→チェルノボーフ (Tchernobog)
ヴァニンク→ヴァンニク
ベロボーグ→ベロボーフ (Belobog)
モコシ (Mokos)→モコシ (Mokosh)
■ちなみにロードは Rod のようです。
■語源については下記URLの方が詳しいみたいです。
■最近は、週刊少年サンデーに、アルヴィス(メル)やロキ(史上最強の弟子ケンイチ)
が出ていますね。
http://www.asahi-net.or.jp/~QI3M-OONK/tosyokan/fantasy/w-slav.htm



RE: THE ほか

Maniac C. (2003/12/16 00:14)

>高駒麗人さん
>recipe「レシピ」はreceiveと同系で「受取書」のような意味が原義でしょうか?
→receive と同源ですが、「受領書」は receipt ですね。全てラテン語の recipere
に遡るのですが、receipt は過去分詞形、recipe は命令形で、「(これを)服用せよ」
の意味でした。元々は「料理法」ではなく、「処方箋」の意味だったからです。

>「ザ・ウルトラマン」(The Ultraman)について、わたしは「ズィ・ウルトラマンだろうが」と思ったこともありました
→「ウルトラ」は独語ですので、英語では「ズィ・アルトラムン」になります。

>The Eaglesの場合、
> [δi]と[i:glz]を声門閉鎖で区切るのが得策でしょうか。
→英語には、日本語や独語のような声門閉鎖は在りませんので、続けて発音する方が
自然です。
> [δi]の[i]はイとエの中間
→半分「いいえ」です。/δi/の/i/は、イーグルスの地元・米音では、精密表記で
書かれる small capital の/I/、つまり弛緩母音ではなく、緊張母音/i:/に近い音
だからです。英音では弛緩母音になりますので、半分「はい」です。但し、音の高さ
が、無強勢である/δi/の/i/と、強勢の有る/i´:glz/の/i:/とでは違いますので、
米音でもやはりつながっては聞こえないように思うのですが…。



神話

らにい (2003/12/15 13:01)

>Maniac C.さん
余計なお世話かと思いますが、下に記したリンクにはスラヴ神話、北欧神話(の用語・神・族などの説明)について詳しく載っています。上のものがスラヴ神話について、下のものが北欧神話について書かれています。
スラヴで有名なものは「ロード(Road)」「ワーウルフ(Werewolf)」、北欧では「オーディン(Odin)」でしょうか?(最近は「ロキ(Loki)」も有名だそうで)
それぞれの名前の語源は残念ながら知りません。力不足でスイマセン・・・(--;)

http://www.pandaemonium.net/menu/myth02.html

http://www.pandaemonium.net/menu/myth05.html



Ирида についても

げたのにれのや (2003/12/15 02:39)

〓ああ、忘れた忘れた。
古典ギリシャ語、ラテン語の固有名詞をロシア語化するにあたっては、
   語幹 + その名詞の性にしたがったロシア語の語尾の母音
という方法が厳密に適用されます。男性ならば、ゼロ (かつては -ъ)、女性ならば、а です。
   Ирид- + -а (ギリシャ語幹+ロシア語尾)
です。



коса と касатик

げたのにれのや (2003/12/15 02:30)

〓いやあ、いたいた。ムッシュMC、ろんたいむのーしーでした。
〓радуга について。なるべく、早く書き込みます。それほど面倒なことでもないんですが、なにしろ、仕事の追い込みとか年末調整とか……ああしんどで。
【коса と касатик】
語源が正しいかどうか、わたしには判断できません。ただ、коса が косатик → касатик と変化する理由は説明できます。
 ロシア語・ウクライナ語・ベラルーシ語から成る東スラヴ語族は、ウクライナとベラルーシが300年間のポーランドの支配下に入ったことで、その分裂が決定的になりました。多くの言語的・文化的な断絶は、「ウクライナ=ベラルーシ」 と 「ロシア」 との間で生じました。
 ところが、この境界線を無視するように、むしろ、東スラヴ語族の南北で起こった対立があります。それが、「アーカニエ」 と呼ばれる現象で、
    【アクセントのない о が [а] と発音される現象】
のことです。これは、ロシア語の文法書を開くと初めに書いてあることですね。文法書には書いてありませんが、ロシアも南部では、このアーカニエが起こりませんでした。また、ウクライナ語でもアーカニエは起こっていません。それにもかかわらず、ベラルーシ語ではアーカニエが起こっており、しかも、正書法でそれを綴りに反映させて、アクセントのない а と発音される о を а と書くことになっています。ベラルーシ語で касач と綴るのはそういうわけです。(ч は ть の変化したものです。スラヴ語には、そもそも、ч, ш, ж などのシューシュー系の子音は存在しませんでした。ч ならば、ть や кь から、ш ならば、сь や хь から、ж ならば、дь や гь から変化したものです)。
 ロシア語では、すべての地域でアーカニエが起こっているわけではないので、綴りに反映させないのですが、касатик のような、「文語にあらざる、民衆語彙」 では、語源が忘れられると、発音どおりに綴られてしまうことになります。
〓ирис が、ир´ис という仏語風のアクセントで採録されているのは、1865年のダーリ Даль の著作です。



The 続き

高駒麗人 (2003/12/14 23:59)

The Eaglesの場合、
[δi]と[i:glz]を声門閉鎖で区切るのが得策でしょうか。
[δi]の[i]はイとエの中間ですが、やはりつながると Th'Eaglesに聞こえるでしょうね。

日本で The Endは「ジ・エンド」。
The Alfeeは「ズィ・アルフィー」です。
以前、「ザ・ベストテン」(The Best Ten)で「サファイアの瞳」がランクインした時、司会者は「サファイアの瞳、こちらは『ズィ』アルフィー」と紹介していました。

この週には「君が通り過ぎたあとに/(The無しの)ALFEE」もランクインして、「サファイア…」の前に紹介されていました。

きしろふさん、偽中国人さん、コメントありがとうございます。
アメリカ英語であれ「旧字体」であれ、それが今でも使われている国では「旧」でも何でもないわけですね。



レー にじ/虹彩/アヤメ

Maniac C. (2003/12/14 18:00)

>松茸様、にれのや師匠
お礼を申し上げるのが遅くなりました。有り難う存じました。私も暫く、忙しく
うち過ごし、ROMになっておりました。

>松茸様
>全部、オンライン辞書や検索エンジンで見つかる情報。(^^;
→済みません、スラヴ語に関しては、本当に素人なのです。探し方すら判らない
ものですから、恥を曝しています。例えば、"kasatik"が"kosa"に由来するなんて、
母音が変わるのは、私にとって反則技のように思えました。
■"perunika"etc.はスラヴの雷神"Perun"に由来するのですか。
「スラヴ神話」なるものが在ったとは、存じませんでした。勉強になりました。
北欧神話と似ているのですね。
■露語"raduga"の語源については、にれのや師匠の続報待ちですが、私はウクライナ
語の"rajduga"という語形から、"raj(天)"+"duga(弓)"かと考えました。「喜び」と
同源というのは、ちょっと納得が行きませんねえ。外の言語では、大体「弓・弧」と
いう意味の言葉と結びついているのですから大ロシアだけ違う語源と言うのは、俄に
信じがたいところです。

>にれのや師匠
■ирисは仏語(又は希臘語)からの借用ということですね。「古いアクセント」と
仰るのは、どのくらいの古さなのでしょうか。
■希臘語 ’~ιριs の語源は、*w~iris「曲がったもの、湾曲したもの」です。
露語のИридаは、属格 ’~ιριδοs、或いは語幹 ’~ιριδ- に一般的な
対格語尾 –α をつけたものに由来するのでしょうか。
■「アヤメ」を ’~ιριs と呼ぶのは、花の色合いからではないようです。古代
希臘では、虹の女神イーリスが、北欧神話のヴァルキューレの如く、死んだ女性を
冥土へ導くという信仰があり、花片の形がその翼を広げた形に似ていることから、
死んだ女性を冥土へ旅立たせる花ということで、女性の墓にアヤメが植えられたのだ
そうです。
■"kasatik"は、松茸様によると「鎌」に由来する、と有りましたので、やはり花の形
に由来するのかと思いましたが、「葉の形」なのですか。根本を見ると重なり合って
生えている(equitant)葉の生え方を三つ編みと見たのでしょうかね。英語では"fan"
(扇)と呼ぶのですが。"kosa"にはもう1つ、「岬」という意味も有るようですね。
これなぞは剣状の葉の形に似ていると思うのですが、やっぱり「編んだ髪」が正しい
解釈なのでしょうか。
■ひとまづ、アヤメ1・2と4の前半の疑問は解決しました。有り難う存じました。



re:「the」

鴛鴦 (2003/12/14 12:51)

>高駒麗人さん、Maniac C.さん
お二方も返答感謝いたします。
要するに、昔はきちんと使い分けていたが、今はそれほど気にしていないと。むしろ、そんなにきちきちと使い分けていると「なに知識ひけらかしているんだ」と煙たがられると(笑)
以前ハワードさんが「アメリカの英語は古い」と仰られていたのを思い出しました。本当にその名残が強いんですね。
日本で習う英語はアメリカ英語ですから、「ザ」「ジ」の使い分けはしっかりと教えられます。ですが、いざ英語を話すとき、イギリスなどでは堅苦しく思われるんでしょうね(^^;)
「The End」や「THE ALFEE」なんかは「ザ・エンド」「ザ・アルフィー」?

また訳の話ですが、「新幹線」はそのまま「Shinkansen」でいいのですが、「上越新幹線」を訳したとき、「Joetsu Bullet Train」と訳されました。「新幹線」は「Bullet Train」とも訳すことができるのかと思いました。



Re:略語&吃煙&言葉&漢字・表現

きしろふ (2003/12/14 10:38)

>高駒麗人さん
>「NATOはフランス語ではl'Organisation du Traite de l'Atlantique Nordですから、OTANが正式のようですね。」
なんかFIFAみたいですね。
何度「シーエーアイ(CAI)」を「シーアイエー(CIA)」と間違えたことか・・(^^;)
>「『春夏』をSS」
友人に言わせれば「SS」は「サンデーサイレンス(Sunday Silence)」でしょう(笑)

「煙草を飲む」だったらホントに危険です(汗)
祖父は明治中期の生まれでして、明治〜大正にかけての生まれの人はよく「喫(の)む」を使っていたそうです。

>「間違いもみんなで使えば恐くない」
「赤信号 みんなで渡れば 恐くない」ですなぁ(ただ、これは明らかに違法ですが --;)
>「ことばの『間違い』『正しい』の基準など人それぞれです。」
改めて思うと、確かにそうですね。私も無理強いはそうよくないと思います。

>偽中国人さん
このレスは内容に合っていないかもしれませんが、父のちょいとした意見です。
「いわゆる『旧字体』を知れば、少しは漢文が読める(理解できる)ものだぞ。」

最後に、芥川龍之介の小説のなかに「莞爾」と書いて「にっこり」と読ませていました。
石原莞爾の「莞爾」もこういう思いで付けられたのか?(これも関係なくてすみません)

長文、乱文、お詫びいたしますm(_ _)m



激高、激昂、芸、藝

偽中国人 (2003/12/14 04:19)

「昂奮」を「興奮」、「激昂」を「激高」と書かせ、「藝」の略字体として縁もゆかりもないウソ字「芸」を押し付けるのは国家的犯罪といわざるを得ません。

「激昂」が「激高」なら何故「昂奮」を「高奮」としないのか、どうせ国民を騙すなら、騙し続けて欲しかった、とバーブ佐竹も歌ってました。



RE: THE

Maniac C. (2003/12/14 04:18)

>鴛鴦さん、にれのや師匠、ロスケさん、高駒麗人さん
ご無沙汰しておりました。
■英語のような強さアクセントを持った言語では、単独で発音されたときの形と、
文中で強勢を受けないで発音されたときの形とで、違った形をとることが多く有り
ます。前者を「強形」、後者を「弱形」と言います。
■‘the’の場合、強形が/δi:/で、弱形が/δ@, δi/と、辞書には有ります。
■ここからが話の中核ですが、冠詞というものは、自然談話の中では無強勢になり
ますので、後続する強勢の有る語と密接に付属して、後接的(proclitic)に発音され
ます。つまり、‘the fire’と有れば、綴り字どおりの/δ@ 'fai@/ではなく、実際
には‘th'fire’/'δfai@/と、一体化した発音となるのです。
■弱形が何故2つ在るのかと言いますと、話は中期英語に遡ります。当時の強形は
/θe:/で、弱形は/θe/でした。前者から/δi:/と/δi/が生まれ、後者から/δ@/が
生まれました。つまり、高駒麗人さんが挙げておられるような‘the Eagles’の
ような場合、‘th'Eagles’となることが阻害され、分離して発音されたわけです
(初期近代英語では実際に縮約が起こったのですが、今日の英語には継承されません
でした)。高駒麗人さんはそう聞こえると仰っていますが、失礼ながら、母音が弱い
上に同質なので、聞き慣れない耳には分離して入って来ないだけだと思われます。
■さらに高駒麗人さんが挙げておられる/j/や/h/の無強勢音節で始まる単語の場合
ですが、これに/w/で始まる単語も加えて、やはり、初期近代英語の名残と言えます。
初期近代英語では、今日の英語と違って、/h//j//w/の前でも‘an’が使われました。
特に米語は初期近代英語の面影を強く残していますので、当時の発音が未だ保存され
ていることが多いのですが、/j/や/h/の無強勢音節で始まる単語の場合は、文語で
しばらくこの言い方が保存されました。が、今日では普通、衒学的用法と考えられて
います。
■ロスケさんが参考として挙げられたP.バラカン氏のお話は、鴛鴦さんが要約
なさっている通り、単独で発音される場合ですので、強形となり、/δi:/と発音
される結果となるわけです。



correction:The United States[δi junaitid steits]

高駒麗人Koma (2003/12/14 03:56)

The United Statesも[j]は子音扱いの筈なのに
[δi junaitid staits]になるようです。

→ The United Statesも[j]は子音扱いの筈なのに
[δi junaitid steits]になるようです。



ぐすく、Kono

偽中国人 (2003/12/14 03:55)

>「ぐすく」と読むのを避けるのには
沖縄出身とサトラレないようにするためでしょう。

>「河野」Konoは西班牙語で股間の大事な所を意味するので Kawanoにするのがいいそうです

昔、今東光こんとうこう、今日出海こんひでみという兄弟がいましたが、今日出海氏は自分の名前をフランス人に云うのが恥ずかしかったそうです。
http://www.city.kamakura.kanagawa.jp/stroll/culture/kyou.htm
http://www.geocities.co.jp/Berkeley/1149/furansugo/furansugo1.html
http://members.at.infoseek.co.jp/shinobukurokawa/n-french-words.html



言葉の正しさ 間違いもみんなで使えば恐くない

高駒麗人Koma (2003/12/14 03:21)

ことばの「間違い」「正しい」の基準など人それぞれです。

コンピューターで「きがえる」と打って「着替える」と出ますし、「あらげる」と打つと「荒げる」と出ます。「すばる」と打つと「昴」「昂」両方出ます。Pleiades星團の「すばる」は「昴」mao(星の名)であって「昂」ang(高まる、上昇する)ではないのですが中國では日本人向けのクラブ、バー、マッサージ店「昴(すばる)」が「昂」と書かれ、“Julebu Ang(倶樂部昂)”、“Ang Anmodian(昂按摩店)”等と呼ばれるのが慣用です。

「蜆」xianはシジミで、アサリ(浅蜊)はシナ語で「蛤仔」geziですが「蛤」は「ハマグリ」の意味もあります。
ところが中国では
虫偏に「憲」の略字(ウ冠に先)
を書いてxianと読み
“[虫憲]子”([虫{宀先}])xianziという言葉でアサリを表す表現もあるようです。
しかし、これは辞書には載っていません。

ほうれん草は「波薐草」であり、シナ語で「波菜」bocaiですが、日本の調理師の中には「法蓮草」と書く人もいますし「卵」を「玉子」、「醤油」を「正油」と書くのは日本では日常茶飯事です。
調理師は学校では文字をあまり覚えず料理の現場で先輩から教わるのが多く、辞書の記述や国家の決めた規範とは違う用法が受け継がれているようです。

recipe「レシピ」はreceiveと同系で「受取書」のような意味が原義でしょうか?

Theについて
「ザ・ウルトラマン」(The Ultraman)について、わたしは「ズィ・ウルトラマンだろうが」と思ったこともありましたが、別に気にすることもないようですね。



訂正 山東頭部>東部

高駒麗人 (2003/12/14 01:15)

「薬を飲む」は「吃葯(喫藥)」chi-yao(大連と山東頭部>東部で chi-yue)で「薬を食べる」ことになります。
http://www.threeweb.ad.jp/logos/china/dalianhua.html - 7k

theは母音の前ではδiになり、これは後続する単語のとの境を明確にするためでしょうか?では The Eaglesのように[i:]で始まる語の前ではむしろ
[δii:glz] でなく
[δ{e逆さ}i:glz] の方がいいはずです。
The United Statesも[j]は子音扱いの筈なのに
[δi junaitid staits]になるようです。
またThe hotelでもhoが弱アクセントでhが弱い場合
[δ{e逆さ}hou(弱)-tel(強)]の筈が
[δi (h)ou(弱)-tel(強)]になるようです。

フランス語では le hotel>l'hotelになりますが The Eaglesなどは Th'Eaglesに聞こえます。スイスホテルが SWOSSOTELというつづりなも、HOTELのHが弱いせいでしょうか。



略語 吃煙 名前

高駒麗人 (2003/12/14 01:04)

きしろふさんへ

NATOはフランス語ではl'Organisation du Traite de l'Atlantique Nordですから、OTANが正式のようですね。

>高駒麗人Komaさん
「World Health Organization」が一番分かりやすいというのであれば、「NATO」も「North Atlantic Treaty Organization」と言ったほうが一番分かりやすいのでしょうか?

そのとおりです。ナトーですと納豆みたいですし、ネイトーだと尚更わかりにくい。
シナ語「北約」Beiyueのほうがわかりやすいです。ローマ字文化圏で多用される略語は漢字より不可解です。
“CD”は私としては compact disk ですが、cash dispenserなのか Christian Diorなのかわからないときもあります。
コンピュータ関係者がキャド(CAD)だのシーエーアイ(CAI)だのPCだの略語を連發しますが、こういう人たちにはCやAが何のイニシャルなのか説明していただきたい。
日本のファッション業界の人が日本語のメディアの中で「イヴサンローラン(Yves Saint Laurent)」をYSL、「秋冬」をAW、「春夏」をSSなどと書くのは却って言葉をわかりにくくしている愚行です。ちゃんとYves Saint Laurent、Autmn&Winter、Spring&Summerとかくべし。「秋冬」「春夏」を2文字づつですませたいなら漢字で充分。

>閑話休題ですが、祖父がまだ生きていた頃、私が「タバコ吸うの?」と尋ねると「タバコは『吸う』んじゃなく『喫(の)む』ものだよ」と。ですから、小学生の頃は「『吸う』じゃなく『喫む』だよ」と言うと少々変に思われていましたね(^^;)米も本当は「研ぐ」ですから、「無洗米」ではなく「無研米」が正しいのではとも言っていました。(私も少しはそう思いますが・・・)

シナ語で「煙草を吸う」は
「吸烟」xi-yan(「煙を吸う」)、
「吃烟(喫煙)」chi-yan(「煙を食べる」)、
「抽烟」chou-yanがあり、

「茶を飲む」は
「飲茶」yin-cha(廣東語で yam-cha)、
「吃茶(喫茶)」chi-cha(上海語で qiek-sso、「茶を食べる」)、
「喝茶」he-cha(山東語で ha-cha)があります。

「薬を飲む」は「吃葯(喫藥)」chi-yao(大連と山東頭部で chi-yue)で「薬を食べる」ことになります。
http://www.threeweb.ad.jp/logos/china/dalianhua.html - 7k

「煙草を飲む」は喉を火傷しそうで恐い表現です。

偽中国人さんへ
「河野」Konoは西班牙語で股間の大事な所を意味するので Kawanoにするのがいいそうです。
シナ語では「河野」は Heyeですから問題無い。
一方、「熊本」はシナ語で Xiongben「ションベン」ですからまずいでしょう。
中国や朝鮮の名前で、「金」Jin、Kimの次に「玉」yu、okが来る危ない名前が結構あります。福澤諭吉と親密だった「金玉均」Kim Okkyunなど。http://www.tabiken.com/history/doc/F/F073R100.HTM
「金偏に玉」と書いて北京語で yu と読む漢字もあります。

日本語に来て日本語を学ぶ西洋人にはシナ語学習経験のある人が結構います。



ぐすくについて

がっこう (2003/12/14 00:23)

ぐすく

佐藤和美 (98/08/04 12:07)

 沖縄では「城」は「ぐすく」と読みますね。

 以前、甲子園に出場していたチームで「豊見城」という高校がありましたが、これは「とみしろ」と読んでいました。本当は「とみぐすく」なはずですが、「本土方言」流に「とみしろ」と読まれてしまっているようです。

 沖縄出身のKiroroという音楽の二人組のグループがいますが、「玉城」(たましろ)さんと、「金城」(きんじょう)さんのこの二人は本当は何と読むのでしょうか。「たまぐすく」さんと「かなぐすく」さんだと思うのですが、どうなんでしょうか。

 沖縄の人が本土に来て、「城」を「ぐすく」と読むのを避けるのには、何かわけがあるんでしょうか。ただたんに、本土の人が読めないからだけなんでしょうか。


相当昔の内容ですが、適当な答えが掲載されていないようなので書き込んでみます。戦前は「玉城」「金城」「大城」と書いて「たまぐすく」「かなぐすく」「うふぐすく」と呼んだそうですが、戦後ウチナーンチュが大和の方に行く際に沖縄的な苗字を「大和風」に改めたところから読み方が「たまき・たましろ」「きんじょう・かねしろ」「おおしろ」と変わったようです。戦時中に戸籍謄本など役所関係の書類も焼失したようなので、こういうことがいとも簡単にできたみたいですね。



Re:「ザ」「ジ」

鴛鴦 (2003/12/13 15:59)

>げたのにれのやさんの説
 本来は[δi]→しかし、普通は[シュワ]→でも、母音が来ると発音や聞き取りでまた困る→だから、母音が来るときは[i]が残る
要するにしづらいから「ジ」になるということでしょうか?
>ロスケさんの説
 「ザ」が「ジ」になるのは・・・
 ○話している人の言葉がつまったとき
 ○強調するとき
となりますね。
本場ではさほどそう気にしていない様子ですね。



的外れでした

ロスケ (2003/12/13 04:10)

申し訳ありません。
よく見たら、↓の私の書き込みは鴛鴦さんの質問に対する回答になっていませんでしたm(_ _)m
どうか「参考」と受け取ってくださいませ!



追記 to RE:formula、SW

ロスケ (2003/12/13 03:44)

すみません、
>「the」はなぜ次に来る単語の頭文字が「a,e,i,o,u」のときは「ジ」で、それ以外
>のときは「ザ」なんですか?
という基本的な質問に答えていませんでした。

ピーター・バラカンの同じ記事から引用。
(読者からの質問)『「日本の英語教育では冠詞"THE"の発音を、母音で始まる名詞の前では「ジ」に近い発音で、その他の場合は「ザ」に近く発音するように教えます。しかし英米人の発音を聞く限り各人バラバラで、あのエド・サリヴァンはローリン・ストーンズであろうが、マペッツであろうが、全部「ジ」と聞こえます。英米では前述のようなルールがあるのでしょうか?」』
(この質問へのピーター・バラカン氏の回答)
『一見些細(ささい)なことのようでも、こういう疑問が妙に気になるのは確かです。基本的には英米でも日本と同じ発音のルールがあるのですが、実際話しているといくらでも例外が生じるので分かりにくいかも知れません。いちばん多いのは強調するときに「ザ」が「ジ」に変わることでしょう。』



RE:formula、SW

ロスケ (2003/12/13 03:26)

>「the」はなぜ次に来る単語の頭文字が「a,e,i,o,u」のときは「ジ」で、それ以外
>のときは「ザ」なんですか?

以前話題になったピーター・バラカン氏、の一記事を引用します。ソースは以下。
雑誌「FM fan」1994年、No.26「ピーター・バラカンのキーワード・ウォッチング」

『例えば、テクサス州の名ブルーズ・ギタリスト、フレディー・キングの大ファンならこんなことを言いたいかも知れないのです---ブルーズの王様と呼ばれる人が大勢いるけど、フレディー・キングこそ本当の王様だ! Freddy King is THE King of the blues なら「ジー」になるわけです。(筆者註:強調ですね)
(中略)もう一つは、本当は「ザ」と言うはずなのに、「ジ」になりがちなのは、話している人の言葉がつまった時です。日本語の「あのう」とか「えーと」のように、英米人もつまった時には"er"という音が無意識に出てしまう。あるいは相手に気をつかう時に、意図的に"er"をさしはさむことで怒らせまいとするというテクニックもあります。例えば、玄関の鍵を必死に探していてイライラしている友だちに、その鍵がすでにドアにさしてあることを教えてあげるなら"The,er,key is er,in the,er,door"と言うことも想像できます。その場合の「ザ」は両方とも「ジ」に変わるわけです。その理由は"er"が母音で始まるからですが、話す人はそれを理屈で考えているのではなく、条件反射であくまで無意識に切り替えるのです。加えて言うなら、「もし仮に」←(この「」内部分は筆者の追加)実際に"er"が出ないまま言いたいことをスムーズに言えた時も、その一瞬につまりそうになった時の影響で「ザ」が「ジ」に変わることもあります。
英語が母国語の人なら日常茶飯事でコメントにも値しないこんなことも、一生懸命外国語として学ぼうとしている人にとってかなりの悩みの種になりうるのです。』



the の 「ザ」 と 「ジ」

げたのにれのや (2003/12/13 00:52)

〓鴛鴦さま。ええ、確証はありません。推測で申し訳ありません。
  (1) the は、本来 [δi] と発音すべき語である。
ということが、まず、あるんではないでしょうか。
  (2) 通例、the には強勢(アクセント)が置かれないために
     [i] が弱化して [シュワ] になる。
これは、たぶん、まちがいないですよね。
  (3) しかし、母音が後続する場合、[シュワ+母音] になって
     発音するうえで、また聞き取るうえで、困難が生じる。
  (4) それで、母音が後続する場合には、強い位置にある場合と
     同じ [i] の音を残した。
という解決法が生じたのではないかと……。



RE:formula、SW

鴛鴦 (2003/12/13 00:19)

>偽中国人さん
なるほど、「formula」は「定型化、規格化されたもの」で考えると。
「スター・ウォーズ」はそのときは「星空大戦」だったんですか。ではなぜ映画のときは「星球大戦」だったんだろう?
日本の代表的な翻訳サイトでウェブ翻訳しますと、まず「ワンパターン」は「formula」、「カンニング」は「cheating」と訳されます。「牧場」も「pasture」ですし。
「競馬場」は「racetrack」と訳されますが、なぜか「京都競馬場」のときだけ「Kyoto Racecource」と訳されるし・・・

ごく単純な質問で申し訳ありませんが、「the」はなぜ次に来る単語の頭文字が「a,e,i,o,u」のときは「ジ」で、それ以外のときは「ザ」なんですか?
いろいろと検索してみましたが、これが意外と当たらなく少々困っています。
何か分かっていましたら、是非お教え下さい(_ _)



王、忘、formula、SW

偽中国人 (2003/12/12 05:03)

「王」は古典で「王となる、君臨する」という場合、去声(普通話の第4声に相当)に読みます。
名詞、苗字の場合は平声です。
天皇氏以木コ王。てんくわうし ぼくとくをもって わうたり。
【王】去聲。朱云、有天下者、人稱之曰王、則平聲。據其身臨天下、而言曰王、 則去聲 。

「忘」も「忘八」の場合は第2声で読みます。
辞海によると
忘 無房切、音亡、陽韻;務放切、音妄、漾韻。

漢語詞典では親字「王」の下に「王八、忘八」併記で発音はwang2ba0としています。

恐らく擬人化して百家姓に含まれる「王」に字を替え「王八」とすれば、「王という家の排行八番目の息子」となり、いかにも人物を指している言葉となります。ですから「忘八」と書いて語源を意識し、話し言葉としては第2声に発音しているのではないでしょうか。

one pattern
>ちなみに「ワンパターン」をきちんと正しい(?)英語になおすと「formula」となるそうですが

私が思っている英訳monotonous、漢訳「千篇一律」とはニュアンスがかなり異なるようです。
「formula」には『三角形の面積は「底辺×高さ/2」』という意味の公式、薬の処方、レシピ、礼拝式や儀式に用いる決まり文句(ミサの通常文を指しているのでしょうか?)などの意味があります。

これら3つの意味の共通部分を抽象化して考察すると、「定型化、規格化されたもの」というような意味が浮かんできます。今風にいえば「スペック=specification」というような意味で、車のスペックを統一し、同じ条件の下でスピードを競うレーシング・カーの競争がF1。マイナーではありますがF2というのもあるそうです。

ちなみに「レシピrecipe」という言葉はグルメ・ブームを経験した今の日本では日常語となっていますが、グルメ・ブーム以前に外人に日訳を尋ねられて、首をひねったことがあります。古い英和辞典には「料理の調理法」と書いてあります。

SW星空大戦
昔アメリカが真剣に「スターウォーズ計画」を検討していた頃の新聞には「星空大戦」という言葉が使われていました。中国語、漢文では宇宙を表わす言葉(天、天空、太空など)が色々ありますが、単音節語の「空」には現代日本語の「そら」と同じ意味があるのでしょうか?

万葉集に出てくる「そらみつ虚見津」の「そら虚」は現代漢語にも保存している「むなしい、何も無い(ところ)」という意味なのでしょうか?
「そらゆみつ空由有見=空の上から見た」と言う場合の動作の起点「ゆ由」が省略された形なのでしょうか。漢詩などでは字数を節約するため「於、在、從」などを省略する傾向があります。cf.田兒之浦從 田子の浦ゆ。
http://www3.tokai.or.jp/fuji_minoru/tagonoura/1.htm
http://www.asahi-net.or.jp/~sg2h-ymst/yamatouta/sennin/100i/004.html

http://www.miyazaki-u.ac.jp/~aoyama_t/many.html
そらみつ:枕詞、「空に瑞気が満ちている」の意味。

「みつ」は何を意味しているのでしょう。もしも「虚」を字義どおりに「むなしい」と解釈すれば、「みつ」は逆の意味を持つ「充つ、満つ」なのでしょうか?
「そらみつ空充」は何も無かった大和にインフラの備わった「みやこ」を建設したことを「誇る」言葉なのでしょうか?



re:「ワンパターン」

鴛鴦 (2003/12/11 20:44)

連続になって申しわけありませんが・・・(--;)

>偽中国人さん
「ワンパターン」って和製英語でしたか。へぇ〜(笑)
ちなみに「ワンパターン」をきちんと正しい(?)英語になおすと「formula」となるそうですが、「formula」は「F1」の「formula」と(綴りが)同じですよね。「速い」のと「ワンパターン」とどう関係があるのかな・・・?
「カンニング」は「cunning」ですが、「cheating」というのもあるようです。



略して「SW」

鴛鴦 (2003/12/11 20:33)

世界的に有名なSF映画「スター・ウォーズ(STAR WARS)」が中国で公開されたときは「星球大戦」だったそうです。
私の感覚としては「星間大戦」や「星空大戦」などのほうがしっくりきますけどね。

魚の「カサゴ」が「あんぽんたん」だったとは・・・



王八蛋

雲水 (2003/12/11 12:31)

語源的には「忘八蛋」かもしれませんが、普通は「王八蛋」と、二声で読みますよね。



日本全国の「玉田さん」へ

偽中国人 (2003/12/11 06:11)

中国人と中国語を知っていて日本人の姓をあまり知らない外国人には、「私はタマダ他媽的です」とは言わない方がいいでしょう。



マユツバ・ホームページ

偽中国人 (2003/12/11 06:06)

昔「ワンパターン」という言葉がはやったことがあります。

新らし者好き(アタラシモノズキ)の日本人が創造した和製英語です。
ところがこれを中国人(または中国語を知っていて「ワンパターン」という和製英語を知らない人)の前で使うと大変な騒ぎになります。

http://www.at.wakwak.com/~josui/shisen/1pata.html
「論語の中の8の教え、仁・義・礼・智・忠・信・孝・を忘れた馬鹿ものという意味です。」

しかし「仁・義・礼・智・忠・信・孝」をよく数えてみると一つ足りません。

実はこれこそが「ワンパタン」なのです。

カンニング
「中国では「忘八(フンパ)」と言って「無恥」を嫌うのです。」
http://www1.ocn.ne.jp/~chie-in/mametishiki.htm
「中国では恥知らずな人を「忘八(フンパ)」と呼んで嫌うのだそうですが、」
http://www.iki-iki.net/v6/zatugaku/z-kotoba.htm

「忘八」は「フンパ」ではなく「ワンパwangba」です。
同じ間違いを継承していればカンニングであるというのは常識です。

上聯是“一二三四五六七”暗喩“忘八”;下聯是“孝悌忠信禮義廉”,暗喩“無恥”
http://book.people.com.cn/big5/paper18/1/class001800006/hwz4083.htm
中国語圏では相手を罵るときに早口で「一二三四五六七イーアーサンスーウーリューチー」と言います。これは儒教道徳の八番目「恥」を忘れているというのが正統的解釈です。

越南女人戴白帽子,對於中國游客來説並不奇怪,但對越南男人頭上的獄X子就不能不讓我們大跌眼鏡了。ベトナムの女性が白い帽子をかぶるのは中国人旅行客には奇怪な事とは思わない。しかしベトナム男性が被っている緑の帽子を見ると、眼鏡が落ちそうになるほど(の驚きを禁じ得ない)。
中國的“獄X子”含義越南人並不懂、  中国の「緑の帽子」の意味をベトナム人は知らない。
http://www.people.com.cn/BIG5/14838/21883/22012/2091407.html
妓女の家族に「緑の帽子(頭巾)」を被らせたことに由来するそうです。

身上原有的幾個銅板也被小D那個「忘八蛋」和坎頭子王胡以及SB假洋鬼子給贏走了...
魯迅《阿Q正伝》より

魯迅は《論他媽的!》で“國罵”と指摘しました。

日本の代表的罵倒語は「八個大的、七個小」でしょうか。



Re:WHO等々

きしろふ (2003/12/10 20:19)

>高駒麗人Komaさん
「World Health Organization」が一番分かりやすいというのであれば、「NATO」も「North Atlantic Treaty Organization」と言ったほうが一番分かりやすいのでしょうか?それとも日本と同じように「ナトー」や、一語一語きちんと「エヌエーティーオー」などと言いますか?

閑話休題ですが、祖父がまだ生きていた頃、私が「タバコ吸うの?」と尋ねると「タバコは『吸う』んじゃなく『喫(の)む』ものだよ」と。ですから、小学生の頃は「『吸う』じゃなく『喫む』だよ」と言うと少々変に思われていましたね(^^;)
米も本当は「研ぐ」ですから、「無洗米」ではなく「無研米」が正しいのではとも言っていました。(私も少しはそう思いますが・・・)

「着替え」「着替える」については茨城大学教授 加納喜光著『あなたの日本語、ここが大間違い!』(成美文庫)にも載っています。
「通りがかる」ではなくて「通りかかる」だとも言っています。(名詞は「通りがかり」)
「十」の発音についても「ジッ」が正しいとお考えのようで。
「(前略)時代劇に出てくる『十手』を『ジュッテ』と言っていたとしたら、さすがに時代考証的にアウトと言うべきだろう。」
他、「荒(あら)げる」ではなく「荒らげる」など。



North North-West

Shusan (2003/12/10 14:18)

古い話題ですが「北北西・・・」についてまだいいですか。

1)North, North-West
米国カーネギー・メロン大学がネット配信している Hamlet(ETEXT#2265, file名Ows2610.txt, 2000年7月版)には “North, North-West” とあります。
「複数の版から造られている」とあるので原作の最大公約的なものと考えても良いかと思います。

2)“North-West by North” は1935年に出版された本の題名(Dora Birtles著、オーストラリアからシンガポールへの航海を書いている)にある。

3)NNWなど8分の1の方位をfalse point と言う。

この三つを合わせてNorth by Northwest とした、というのはどうでしょう。
Hamletに by がついているのも検索すると出たのでそういうのを見たのかもしれません。
推測で済みませんが参考になれば幸です



訂正 追加 誤用も皆で使えば誤用でなくなる

高駒麗人Koma (2003/12/10 01:41)

そもそも非西歐語を羅馬字で綴る時、英語式の訛りで發音されることを前提にする必要はありません。羅馬字表記=英語名という決め付けは安易です。
このせいで SAMSUNG「サムソン(三星)」→「サムスン」や KUMDO「コムド(劍道)」→「クムド」、更に
KIM ILSUNGを[kimilsuŋ]と發音するという誤讀が廣まって認知されるのです。

辭書では「着替え」は kigaeで、「着替える」は kikaeruでしょうが、慣用で「着替える」kigaeru、ki-ngaeruも認知されているのと同じです。

前もここで書きましたが、「伊達」Dateは英語圏で[deit]と呼ばれますし、また、「順子」Junkoはドイツ語圏で「ユンコ」と呼ばれます。

朝鮮の人たちは名前を原語通りに呼んでほしいと言っているようですが、彼らが使っている羅馬字綴りは却って誤讀を招くような物になっています。

Pleiades星團を意味する「すばる」は、シナ語では「昴」mao(星の名)であって「昂」ang(高まる、上昇する)ではないのです。しかし、現在、一部のコンピュータの日本語入力ソフト(「ことえり」等)では、「すばる」という讀みで「昴」と「昂」が兩方出るため、中國では日本人向けのクラブ、バー、マッサージ店で「昴(すばる)」というのがあると、「昂」と書かれ、“Julebu Ang(倶樂部昂)”、“Ang Anmodian(昂按摩店)”等と呼ばれるのが慣用になっています。

>アドバンスド
Baked Egg[beikt eg]は「ベイクドエッグ」「ベイクトエッグ」兩方あるかもしれません。檢索したら「ベイクドエッグ」の方が多かったので少し意外でした。
英語をよく知らないが料理には詳しい日本人が「ベイクトでなくてベイクドエッグが正しい」と頑固に主張しているので少し困ったこともあります。

>日本で「フー」なんて言うと「なに気取っていんだ」などと言われそうです(笑)ただ、欧米でも「フー」なんて言われると「だれ」と勘違いするのが多いような・・・
[dΛblju:eit∫ou]でもわかりにくいです。
英語なら“World Health Organization”、日本語なら「セカイホケンキコー(世界保健機構)」と言うのが一番わかりやすいです。



羅馬字綴り=英語ではない

高駒麗人Koma (2003/12/10 01:15)

僞中國人さん
御教授ありがとうございます。

>新加坡 Singaporeの名刺の「金」Kumは英語のcome[kΛm]と似た發音でしょうか。>割と似ていますが、Λよりもう少し前寄りの位置で響かせます。
>http://www.unicode.org/charts/PDF/U0250.pdf
>上記ページの「0250 LATIN SMALL LETTER TURNED A」に相当すると言われています。
aの逆さですね。[e逆さ]とaの間でしょうか。尚更KumよりKamの方があっているかも。
英語のbut、comeなどのΛもaに近づいています。

>「カム」なら Kam と書く方がいいでしょう。>英語圏ではアクセント(stress)のあるaはae(ユニコード01E3 LATIN SMALL LETTER AE WITH MACRON)と発音されかねません。
>「朴正熙」の名前のローマ字慣用表記は Park Chunghee
>朴Parkは辛亥革命後の國語羅馬字の「陽平」声調符号を模倣したものでしょうか?
>http://residence.educities.edu.tw/feima/luomaatz.htm
>開口韻在元音後加r,如char茶、torng同 《辞海》や趙元任がこの國語羅馬字を採用しています。
國際音聲記號や國語羅馬字の頁の紹介、有り難うございます。

박[pak](朴)を其の儘表記したPakを英國人が發音すると[phæk](phaek、phは有氣音)になり、朝鮮人つまり高麗人Koreansが聽くとこの[phæk]は팩Phaekになり、백Paek(白)に近くなります。packの發音がこれでしょうか。

aをarにしたParkを英格蘭東部の人が讀むと
[phα:k]になり、厳密には팍[phak]になりますが、朝鮮語の原音박[pak]に近いと言えます。
(αはhttp://www.unicode.org/charts/PDF/U0250.pdf 0251LATIN SMALL LETTER ALPHA)

朝鮮人が朴をParkと書くのはそのせいでしょう。
朝鮮人の「安」안[an]さんが名刺でAnでなくAhnと綴るのもそれと似ています。

英語訛りでは、Anは[æn]앤(Aen)になり、
Ahnだと[α:n]になるという具合です。

しかしParkはドイツ人、フランス人、イタリア人等が讀めばパルクのようになりますし、pakのaは普通の廣いαになります。
アメリカでもイタリア系移民は、bag、pack等のæ(aとeの中間)をα(廣いα、fatherのa)で發音するようです。
「安」も中國大陸pinyinでは、Anです。

そもそも非西歐語を羅馬字で綴る時、英語式の訛りで發音されることを前提にする必要はありません。羅馬字表記=英語名という決め付けは安易です。
このせいで SAMSUNG「サムソン(三星)」→「サムスン」や KUMDO「コムド(劍道)」→「クムド」、KIM ILSUNGを[kimlsuŋ]と發音するという誤讀が廣まって認知されるのです。
辭書では「着替え」は kigaeで、「着替える」は kikaeruでしょうが、慣用で「着替える」kigaeru、ki-ngaeruも認知されているのと同じです。



Re: SARS

ロスケ (2003/12/10 00:54)

>日本で「フー」なんて言うと「なに気取っていんだ」などと言われそうです(笑)
>ただ、欧米でも「フー」なんて言われると「だれ」と勘違いするのが多いような

変な連想ですけど、昔フーテナニー?とかいう言葉がありました(爆)
英語でHootenanny、でも語源は何でしょうかね・・・



re:SARS

きしろふ (2003/12/09 20:09)

>高駒麗人さん
日本で「フー」なんて言うと「なに気取っていんだ」などと言われそうです(笑)
ただ、欧米でも「フー」なんて言われると「だれ」と勘違いするのが多いような・・・



advanced のカナ表記は

佐藤和美 (2003/12/09 09:07)

きのう、会社でまわってきた事務連絡に商品名で
アドバンスド○○○
なんて書いてあって、ちょっとまずいんじゃないか? とか、思ったんですが、

さて、google で検索してみると、

アドバンスド 26700件

アドバンスト 45300件

アドバンス「ド」派の勢力って侮れないところがありますね。


だいぶ前にC言語の本を買ったんですが、
タイトルは『アドバンストC』だったと思います。
そのときあらためてadvancedってアドバンス「ト」だったんだなと思ったしだいです。


ニッカ・ウイスキーをネタにした小説に「スモークト・フレバー」という表記が出てきたような記憶もあります。(角川文庫『望郷』?)
これもスモーク「ド」じゃなく、スモーク「ト」ですね。



BUSHIDO

偽中国人 (2003/12/09 06:25)

昨晩放送の「英語でしゃべらないと」でトム・クルーズが発音した「BUSHIDO武士道」の「BU」は東京方言の「ぶ」で、私の耳には「ビシドー」のように聞こえました。
もし再放送があったら御覧ください。

小学生が当世風のア・カペラで歌う風邪薬のCMの歌詞も私の耳には

パビロン

のように響きます。



「金」Kumの発音

偽中国人 (2003/12/09 06:17)

高駒麗人さん:新加坡 Singaporeの名刺の「金」Kumは英語の
come[kΛm]と似た發音でしょうか。

割と似ていますが、Λよりもう少し前寄りの位置で響かせます。
http://www.unicode.org/charts/PDF/U0250.pdf
上記ページの「0250 LATIN SMALL LETTER TURNED A」に相当すると言われています。

>「カム」なら Kam と書く方がいいでしょう。
英語圏ではアクセント(stress)のあるaはae(ユニコード01E3 LATIN SMALL LETTER AE WITH MACRON)と発音されかねません。

>「朴正熙」の名前のローマ字慣用表記は Park Chunghee
朴Parkは辛亥革命後の國語羅馬字の「陽平」声調符号を模倣したものでしょうか?
http://residence.educities.edu.tw/feima/luomaatz.htm
開口韻在元音後加r?如char茶?torng同

《辞海》や趙元任がこの國語羅馬字を採用しています。



訂正 追加 つぶよみ きがえ

高駒麗人 (2003/12/08 23:21)

金日成(キムイルソン)は高麗語で“김일성”kim ilseongですが、ローマ字では Kim Ilsungと書かれるので英語圏では
[kimilsuŋ]つまり“김일숭”(金日崇?)と發音されるようです。
日本で「キムイルスン」にしたいのは>しないのはまだましです。

>昔、シンガポールでもらった名刺に「金」の字があって「Kum」とローマ字で書いてあったので「クム」と私が発音したら、相手に「カム」だと訂正されました。
「カム」なら Kam と書く方がいいでしょう。
uが[Λ]になったのは16世紀以降の近代英語だけで、フランス語で u が [y]である以外、ローマ字のuは[u(:)]を現すのが普通です。

きしろふさんへ
>そちらでも「サーズ」と同じような言い方をしているのですね。
World Health Organization(世界保健機構)略してWHOは
[dΛblju:-eit∫-ou]という粒読みの他に[hu:]という言い方もあります。日本ではさすがに「フー」とは言わず「ダブリューエイチオー」で、高麗Koreaでは“Segye Bogeon Gigu(セゲポゴンキグ:世界保健機構)”、シナChinaでは「世界衛生組織」Shijie Weisheng Zuzhiです。
こういう名称はどう読むか難しいです。
私は90年代、trf(< TK Rave Factory< TK は Tetsuya Komuro)というグループ名を知ったとき、「トゥルフ」のように読みそうになって、チェコCzecho語の単語かと思いました。

一夜悶さんへ
>動詞の「着替える」は「キカエル」。名詞の「着替え」は「キガエ」。
辞書を見るとそうですが(今にして気づいた…)、実際は「着替える」は「キガエル」で終止連体形、「着替え」は「キガエ」で連用形の動名詞で、どちらも「ガ」が濁音というのが現状です。



読み色々と

きしろふ (2003/12/08 18:56)

>偽中国人さん
「衣替え」「衣更着」は名詞ですから、「コロモガえ」「キサラギ」でいいと思います。
(実際あるかどうかは分かりませんが)「衣替える」「衣更着る」なら「コロモカえる」「キサラキる」でしょうか?
>高駒麗人さん
そちらでも「サーズ」と同じような言い方をしているのですね。
>一夜悶さん
も返答ありがとうございます。
「ちゃきちゃき」は漢字で書くと「嫡々」だそうで。



「着替える」と「着替え」

一夜悶 (2003/12/08 03:00)

動詞の「着替える」は「キカエル」。
名詞の「着替え」は「キガエ」。

――と、以前テレビで、ちゃきちゃきの江戸っ子の人が話していました。



>シンガポールでもらった名刺「金」「Kum」「クム」でなく「カム」

高駒麗人KOMA (2003/12/08 02:24)

新加坡 Singaporeの名刺の「金」Kumは英語の
come[kΛm]と似た發音でしょうか。

日本のメディアが南北朝鮮の地名人名を日本語漢字音でなく朝鮮語音で読もうとするのはいいのですが、漢字が漢字文化圏でいろいろな發音になるだけでなく(漢字文化圏は漢字分化圏であり漢語發音分化圏です)、ローマ字で書いてもいろいろな發音で読まれることがあります。それについて、現地音尊重に拘る皆さんはどう考えているのでしょうか。

http://members.at.infoseek.co.jp/koreawatcher/
高麗語Korean languageでは「劍道」は 검도 keomdo であり、片假名で書けば「コムド」でしょう。高麗人Korean peopleがこれを kumdoと記述するので、日本では韓国の劍道が「クムド」と呼ばれています。
金日成(キムイルソン)は高麗語で“김일성”kim ilseongですが、ローマ字では Kim Ilsungと書かれるので英語圏では
[kimilsuŋ]つまり“김일숭”(金日崇?)と發音されるようです。
日本で「キムイルスン」にしたいのはまだましです。
「三星」は、“삼성”samseongですが、高麗人が SAMSUNGと綴ったのでしょうか、そのせいで發音は[samsuŋ]つまり“삼숭”(三崇?)になり、日本で「サムスン」が慣用になっています。
「現代」“현대”hyeondaeも HYUNDAIと書かれるので、多くの人が「ヒュンダイ」即ち“휸다이”と發音しています。
昔は日本では、「朴正熙」 박정희pak cheonghiは「ボクセイキ」と呼ばれ、今では「パクチョンヒ」です。これは日本人が高麗Koreaの現地音を尊重しているのでしょう。
しかし「朴正熙」の名前のローマ字慣用表記は Park Chungheeであり、これはドイツ人が読むと「ぱるくひゅんへー」になり、フランス人が読むと「ぱるくしゅんげー」になりそうです。

つまり漢字で書いて發音が変わるのは当然として、片假名で書こうがローマ字で書こうが、原音と違った發音で読まれるのは避けられないのです。

廣東語では「金」は gamで、「金日成」は Gam Yant-singになりますね。音節を伸ばすときga:mのように主母音を伸ばすのが普通ですが、廣東語では gam:のように語末のmが長くなるのでしょうか。

http://kr.search.yahoo.com/search?fr=kr-front&p=%FA%DE%D3%DB



SARSサーズ薩斯사스

高駒麗人 (2003/12/08 01:26)

SARSはシナ語Chineseで「非典型肺炎」fei-dian-xing fei-yan略して「非典」fei-dianと呼ぶ他に、SARSを音譯して「薩斯」sa-siとも言います。報紙(baozhi=newspaper)では拉丁文字SARSそのままです。
http://www.google.com/search?q=SARS+%E8%96%A9&ie=UTF-8&oe=UTF-8&hl=zh-CN&btnG=Google%E6%90%9C%E7%B4%A2&lr=lang_zh-CN%7Clang_zh-TW

http://kr.search.yahoo.com/search?fr=kr-front&p=SARS
Yahoo KoreaでSARSで検索しました。
사스 SARS 중증급성호흡기증후군という表記あり。
사스が文字化けして四角に見える方のためにspell-outします。

人ト sa


− seu

つまり高麗語 KoreanでSARSは「さす」(「す」は平唇)です。北京語の「薩斯」と同音です。

중증급성호흡기증후군(重症急性呼吸器症候群)



着替、逆手

偽中国人 (2003/12/08 00:50)

>着替える」は「キガえる」ではなく「キカえる」

確かに「書き換え」は「カキカエ」
「読み替える」は「ヨミカエる」で
「ヨミガエル」と発音すれば「蘇る=黄泉還る」となり、棲み分けがあるようにもみえます。

「衣替え」は「ころもカエ」?
「如月」の訓読みは「衣更着(きさらぎ)」語源説がありますが、
http://www.rurubu.com/entame/kyoto/BuckNo/200302/index.asp
http://www4.ocn.ne.jp/~kadoya1/dentousyukan.htm
キサラキ?

逆手
二三の辞典によると、ギャクテと読む場合は武術などで相手の攻撃を逸らし、それを逆用して攻めかえす事。例:ギャクテを取ってねじ上げる。

サカテと読む場合は刃物などを逆に持つ事。時代劇などで町人や武家の女性が、短刀を親指から小指の延長線方向に刃先を向けて持つ握り方。接近戦には有利。
倒拿小刀(尖朝下)
武士は通常小指から親指の延長線方向に刃先を向けて握ります。



金Keum、Kim、Kum

偽中国人 (2003/12/08 00:33)

7日朝6時15分頃、TVのチャンネルを変えている途中、たまたま教育テレビの「ハングル講座」が目にとまりました。
語彙を増やす工夫としてハングルの「漢字語をマスターしよう」というコーナーを放送中だったので見ていました。

偶然にも講師が持っている2枚目のパネルに「金」が出てきました。
果たして「キム?Kim」は苗字専用であるという趣旨の説明をしていました。
クム「?」Keumは一般名詞に使用する、ということです。

昔、シンガポールでもらった名刺に「金」の字があって「Kum」とローマ字で書いてあったので「クム」と私が発音したら、相手に「カム」だと訂正されました。英語式綴りの場合、「u」の発音は、「ウ、ユ、ア」と色んな発音があってややこしい。
おまけに新加坡華人はそれぞれの祖先の方言音で名乗りますから複雑です。

広東語での正しい発音は「カムー」。
http://humanum.arts.cuhk.edu.hk/cgi-bin/canton-f2.pl?query=%AA%F7
ちなみに「監」は「カーム」
http://humanum.arts.cuhk.edu.hk/cgi-bin/pho-rel-f2.pl?input=gaam



>マイカウ

偽中国人 (2003/12/07 00:58)

>「マイカウ」(触るな)
は誤解ということで「カンガルー」の語源譚と共通するところがあります。

マカオの語源譚にはもうひとつ俗説があります。以前に紹介した「媽閣」に関して、
http://www.tianjindaily.com.cn/docroot/199903/17/km01/17040309.htm
ポルトガル人がマカオの「媽閣」付近に上陸して、地名を尋ねたら地元の人が「MACAO」と返事したというもの。

逆に、ポルトガル人が日本に来た時に、日本人がポルトガルの帆船(NHKのアナウンサーは「ほぶね」と言ったが、正しくは「ほかけぶね」)を指して
「彼の船は何と申すか」と尋ねたら
ポルトガル人は、海を指していると思って
「mar(マル)」と答えました。

以後日本の船には「〜丸」と名前が付くようになった、という俗説を昔聞いたことがあります。



色々と「マカオ」etc

きしろふ (2003/12/06 21:45)

>雲水さん
>外人が来たとき、肩をたたいて、「ここはなんていうの」と聞いたところ、現地の人は「マイカウ」(触るな)と答え、・・・
確かに根拠の無いお話ですわなぁ(笑)

いきなり話題は変わりますが、どうやら「SARS」を「サーズ」と言うのは日本だけのようらしいです。
他はきちんと「エスエーアールエス」と言っているようで。
NHKでは「SARS」は正確には「エスエーアールエス」だが、「サーズ」も許容するとしているとのこと。

「先を越す」は「サキをコす」ではなく「センをコす」、「着替える」は「キガえる」ではなく「キカえる」、「逆手に取る」は「サカテにトる」ではなく「ギャクテにトる」。きちんと言っている人ははたしているのやら・・・?
「キガえる」ではなく「キカえる」というところは「間髪を容れず」を「カンパツをイれず」ではなく「カン、ハツをイれず」であるというとこと同じですね。
「おぼつきません」や「故障中」はおかしいと友人は言っていました。
「おぼつきません」は「とんでもございません」と同じ間違いをしているということは分かりますが、「故障中」はどこが間違っているのか自分ではわからずじまい・・・(--;)



マカオ

雲水 (2003/12/06 18:27)

たまたま身近にマカオの人がいたので、マカオはどうしてマカオっていうの?と聞くと、外人が来たとき、肩をたたいて、「ここはなんていうの」と聞いたところ、現地の人は「マイカウ」(触るな)と答え、そこから始まったといっていました。根拠のないお話しだとは思いますが、普通のマカオの人はそうおもっているのかな、と思いました。



スキャナー+日本語文字認識ソフト

高駒麗人 (2003/12/06 02:32)

>スキャナー+日本語文字認識ソフトの併用です。
「読んでCOCO」というソフトがあるようですが、やはり機械が読み取ると誤りも多く、人が打ち直さないといけないようですね。
人間が打っても間違えますね、お恥ずかしい。
http://www.hammock.jp/teleform/
http://members.jcom.home.ne.jp/niso/s_yonde.htm



>微妙 徴妙について

偽中国人 (2003/12/06 01:56)

>「微妙」bimyou
>「徴妙」choumyou
>これはよくわかりません。漢字を打つ人が読みでなく部首検索でしらべたのかもしれません。単に教養がなくて「微妙」を「ちょうみょう」という音で覚えていたのかもしれません。

高駒麗人さんがローマ字入力を愛用されているのかな、と想像しています。

もうひとつの可能性を見落としていました。
スキャナー+日本語文字認識ソフトの併用です。

新聞記事には「松井やより著「女たちのアジア」(岩波新書)が題材」と活字を元ネタにしたことを示していますから、もしスキャナーの解像度が低ければ、また文字認識後の校正が不充分であれば「徴妙」に気付かず、読み仮名とは無関係にケアレス・ミスで見落とす可能性が大きいかも知れません。



HSBC Bank 固有名詞の重複表現

高駒麗人Koma (2003/12/06 01:40)

僞中國人さんへ
マカオの語源は複雜ですね。勉強になりました。

http://dir.yahoo.co.jp/Business_and_Economy/Shopping_and_Services/Travel_and_Transportation/Airlines/ANA/
http://www.anaskyweb.com/cn/j/index.html

「全日空」即ちANAはAll Nippon Airways(全日本空輸)ですが、中國の某英文雑誌で
ANA Airlines
と紹介されていました。ANAの最後のAはAirwaysなので、これでは All Nippon Airwaiys Airlines(全日本空輸航空)です。中國では「全日空航空公司」Quan Rikong Hangkong Gongsiと呼ばれるようです。「全日本空輸・航空」でしょうか?
漢語詞の「空輸・航空」ならまだいいのですが、英語では AirwaysとAirlinesが似ており、ほとんど重複表現と言っていいでしょう。

また、「航空」Airlinesという言葉は、ANAの同業(商賣敵)であるJAL(日本航空Japan AirLines)が使っているのでこれは誤解を招くでしょう。

Southern All Stars(サザンオールスターズ)は書き言葉ではSASと略され、話し言葉では「サザン」と略されます。某レコード店で、SASのCDのコーナーの札に「SAS ALL STARS」と書いてあるのを身たことがあります。

ホンシャンバンクについてですが、「香港上海バンク」の略で「香(ホン)上(シャン)バンク」でしょう。「香港上海ホンシャンバンク有限公司」という重複表記もあります。
http://search.yahoo.co.jp/bin/query?p=%a5%db%a5%f3%a5%b7%a5%e3%a5%f3%a5%d0%a5%f3%a5%af&hc=0&hs=0

これがシナ語で「匯豐銀行」Hui Feng Yinhangであるのも不思議です。あとで由來を調べてみることにします。

http://search.yahoo.co.jp/bin/query?p=%d2%bb%ec%b4%b6%e4%b9%d4&hc=0&hs=0
http://www.arukikata.co.jp/country/hongkong.html

「黄河」は英語で Yellow River、あるいは Hwang Ho(Huang He)ですが、Huang He Riverとは言わないと思います。
「揚子江」も英語で Yangtze Riverまたは Yangtze Kiang(Yangzi Jiang)ですが、もしYangtze Kiang Riverと言ったら「揚子江・川」で、重複になります。

中國で「…人學校」が蔑んだ語感を與えるというのは初めて知りました。少し不思議です。「日本學校」だけでは「日本人學校」なのか「日本語學校」なのかわかりにくいでしょう。



「茶(ちゃ、さ)」と「子(し、す、ざ)」の音讀(日語課本上的解釋)

高駒麗人 (2003/12/04 03:12)

2002年12月にこの傳言板で話題になった「茶」の語源について。

中国の人民教育出版による日本語テキスト「標準日本語 初級 上」2003年第49版、113頁で「ちゃ」の音は唐代に中国語(唐話)の「茶」音が日本に入った物で、「さ」は宋代だと書いてあります。この本には日本語の「帽子」「椅子」「餃子」の「子」の音読みについても時代が別で「帽子」の「し」は唐代、「椅子」の「す」は宋代、「餃子」の「ざ」は「つ」に似た音が日本に入った時に変化した物だとして解説しています。編集者は日本人、中国人共多数で、野元菊雄氏も参加しているようです。詳しくは後程にします。

漢字入力について其の参

西尾幹二氏「国民の歴史」で昔の文を引用した下りで「傳説」が誤って「傅説」と印刷されていました。縱書きの「傅説」の右に「でんせつ」という振り假名がありますから、本当は作者が「傳説」という詞を引用したつもりだったのに、印刷者が誤って「傅説」にしたものでしょう。「傅説」は「ふえつ」で全く違う意味のようです。これも活字を拾った人が読みではなく部首検索か何かで漢字を探したせいでしょう。



封建 合憲 微妙 徴妙 について 訂正

高駒麗人 (2003/12/04 02:53)

中国人が日本語を打つと熟語の読みを知らずに
一時 → 一字
づつ打つようで、「従業」を「徒業」、「徒歩」を「従歩」と誤記します。「從」congは中国では「從」か「从」で、「従」にするのは日本だけですから。
中国ガイドブックでテレサテンの名「ケ麗君」を「鄭麗君」と誤記していた事もあります。

かく言う私も入力ミスしています。お恥ずかしい限り。



封建 合憲 微妙 徴妙 について

高駒麗人Koma (2003/12/04 02:51)

「封建」houken
「合憲」gouken
鍵盤jianpan(keyboard)ではgとhが隣り合っていますのでこれはわかります。

「微妙」bimyou
「徴妙」choumyou
これはよくわかりません。漢字を打つ人が読みでなく部首検索でしらべたのかもしれません。単に教養がなくて「微妙」を「ちょうみょう」という音で覚えていたのかもしれません。

中国人が日本語を打つと熟語の読みを知らずに一時づつ打つようで、「従業」を「徒業」、「徒歩」を「従歩」と誤記します。「從」congは中国では「從」か「从」で、「従」にするのは日本だけですから。
中国ガイドブックでテレサテンの名「ケ麗君」を「鄭麗君」と誤記していた事もあります。



入試問題ミス

偽中国人 (2003/12/03 03:32)

http://www.asahi.com/national/update/1201/033.html
「封建的な」が「合憲的な」
「微妙」が「徴妙」

「パソコンに問題を入力」というけれど「ほうけんてき」と仮名を入力すれば大概のIME辞書は「封建的」と正しい漢字を出してくれます。

「徴妙」の場合は恐らく手書き原稿の段階で誤記していたのでしょうが、それにしても「微」の代わりに「徴」とパソコン入力するためには「ちょう」と読み仮名を入力するか、手書き文字変換するか、部首を頼りに入力するかです。

「びみょう」という発音を知らない外国人が手伝ったのでしょうか?



HSBC、日本人学校

偽中国人 (2003/12/03 02:34)

私の友人はシンガポールのOcean Building内のHSBCに勤めていますが、普段はHong Kong Bankとしか言いません。

http://www.hsbc.com.sg/sg/
http://www.streetdirectory.com.sg/map.jsp?x=30069.5000&y=29508.4200&postal=049315&level=7&star=1&heading=10%20COLLYER%20QUAY,%20OCEAN%20BLDG%20(049315)&building=OCEAN%20BLDG

http://www.hsbc.co.jp/jp/japanese/aboutus/injapan_j.htm

NHKが「HSBC銀行」という前の時間帯では単に「HSBC」とだけ言っていました。

「HSBC銀行」というのは昔多摩川をTama-gawa River、淀川をYodo-gawa Riverと表示していたのと同じ発想ですね。

北京出身の老師は「日本人学校」の「人」という字に違和感を覚えると話していました。
「日本学校」というべきだ、と。「人」という字を加えると何か蔑んだような意味が込められている、と。

脱北者が「日本人学校」、「ドイツ人学校」に逃げ込んだ時、中国語圏の新聞には「日本学校」、「徳国学校」と書いてありました。



Re:トンデモ?

青蛙 (2003/12/01 13:40)

擬似科学批判で知られる東海大学の春田氏によってトンデモ認定されました。

・また新たなトンデモで楽しめそう
 http://bosei.cc.u-tokai.ac.jp/~haruta/indexj.html

> この論文を読んだら何かアップしようと思います。
とのことだそうです。更新を期待しましょう。

取り急ぎご報告まで。



HSBCの呼称

Shusan (2003/12/01 08:34)

イスタンブールのHSBCの呼称について:
HSBCの中に既にBANKが含まれているのでNHKが「HSBC銀行」というのはたしかに違和感があるのですが、小生HSBCを使っているので聞いてみたところ:
トルコのそれは「HSBC BANK A.S.」というそうです。ちなみにCNNでも「HSBC BANK」と言っていました。
HSBCは銀行業だけではない企業なのでそう言う事になっているということです。
とりあえず報告まで



Copyright(C) 2003 Satou Kazumi

BACK