言葉の世界・伝言板 2002年10月



ピンインについて

辻本裕幸 (2002/10/31 15:26)

あと中国ピンイン字母eとoについて質問があります。両者は同じ物なのではないでしょうか?b,p,m,fといった唇で発音する子音の後ろでは、oになり、それ以外の子音の後ろではeになるということではないでしょうか?というのは、唇系の子音ではshenmeのme以外には、後ろにeが来る漢字がひとつもありませんし、唇系の子音以外では後ろにoが来る漢字は語気助詞のlo意外に無いからです。meもloも軽声のみの音節ですから例外といえば例外っぽいです。o単独で発音するピンインも感嘆詞の漢字以外はありません。しかし感嘆詞もまた例外といえば例外のような気がします。無論、eと他の母音が結びついているものはこの限りではありません。(ie、ウムラウトue、en、ey、er等)しかしengは本当はongなのかもしれません。そして、ongと書くものは本当の音価ははung、iongの本当の音価はiungですし。
 またianと書くピンインも本来はienとすべきではないのか?というのは介母音iのつぎに来るaの音価はieやウムラウトueのeと音価がほとんど同じだからだ(mを縦に置いたみたいな発音記号)



漢音について

辻本裕幸 (2002/10/31 15:11)

漢音は実のところいつの時代の漢字音なのでしょうか?遣唐使によって〜とは言われていますが、漢語語音史という中国で発行された本を見ますと、どうも唐代音ではないような気がします。というのは、唐代音ではまだ、濁音が残っているからです。日本語漢音は、じ濁声母(m,n,ngに起因するバ行だ行が行)以外はすでに濁音は有りませんよね。上、も呉音で、じょう、漢音で、しょう、ですから。この漢語語音史という本を見る限り、宋代音が一番日本語漢音に近そうです。まだ入声が有りながら、濁音はもうないですし。次の元代音では入声がもう無いです。しかし宋代音では子や四をもうシとは読まず、スと発音しているようなので、全部宋代音というわけでもなさそうですが。漢音はどの時代の漢字音との比較が一番妥当でしょうか?呉音は南北朝音でしょうが。



(無題)

東 (2002/10/31 09:30)

勉強になりました。
ありがとうございました!!!



ご回答ありがとうございます。

MadKod (2002/10/29 15:42)

>高駒麗人さま
すいません。もうレスが付かないものと思って、ここを見ていませんでした。(汗)
とてもご丁寧に、また、とても詳しくお答えいただきまして、本当にありがとうございます。m(_ _)m
やはり促音便する活用語尾は“異端”なんですね。
法則性からすれば、外れているということは、
やはり東京弁が標準語として採り入れられてしまったものなのでしょうか。
それはともかく、とても興味深い例ですね。
いやはや、日本語というのは、なんて難しい言語なんでしょう。
また、それを使いこなしている日本人というのは、すごい人種ですね。(笑)
慣れによってこんなに高度なことができるという好例ではないでしょうか。日本語は。
ところで、私は、生産効率という側面から、また教育的側面から、
“打ち言葉”としての日本語を再構築しようと考えている者なのですが、
今回のことがどのように活かされるのか、あるいは障害となるのかわかりませんけれども、
何かしらの対策をとりたい/とらねばと思っています。
またその際には、ぜひ、ご意見やご指導を賜れればと思います。
まずは、取り急ぎ、御礼まで。
繰り返しになりますが、大変ありがとうございました。
この先の研究開発の弾みになりそうです。(^_^)
(今さらですが、HPのトップページを見やすくしました^^;;;)



中華民族とは

辻本裕幸 (2002/10/28 16:39)

私の観念ではやはり南方の多くの民族は中華民族化し、それに含められることに異論は無いでしょうが、ウイグルやモンゴル、チベットなどの民族は中華民族化していないし、自分たち自身中国人だという観念を持っていないと思います。(もちろん彼らの中にも漢族びいきの人はいるでしょうが)西安の酒場で壮族と泰族の女性に会いました。二人とも完全に漢族化し、漢語しか話せないし、名前も漢族と同じ名前でした。ところが、ウイグル族やモンゴル族はおのぼりさんでもちっとも漢族に同化しないし、名前も原音のまま(ちなみに私も彼らに習い、中国での名前は原音のまま慈吉莫図Cijimotu。人名が固有語に起源するという点では日本人もモンゴル人らと同じだ。固有語名の日本人が、漢族の名前を名乗っている朝鮮人、韓国人、ベトナム人の真似をして、中国で漢字名を使う必要は無いというのが私の考え。)。血統的に漢族と大差ない満州族と回族ははなから中華民族でしょう。イスラムという共通点が有りながら、回族とウイグル族らに交流が無いところを見ると、回族はやはりイスラム教徒の中華民族。ウイグル族は中華民族ではないという感じがします。寧夏自治区や広西自治区はどう見ても中国の一部ですが、新疆、チベット、内モンゴルなどは中国の植民地のような感じがします。そしてそれらの領土が現在中国の領土である事は必然ではなく、歴史上の偶然でしょう。私は中華人民共和国の国籍をもつ人イコール中華民族だとは思わない。それは国籍と民族を混同した表現であります。中華民族と呼ばれる事を望まない、意識しない人も多いでしょう。中国の文化を受け継ぐ人という意味では、中華人民共和国の国籍をもたない漢族である在外華人や、中央アジアの回族ドンガン人も中華民族だと言っていいと思いますし、古くから中国文化、言語の影響力下にあった、日本 朝鮮半島 越南の人たちも中華民族の一部だと呼んでいいのだと思います。ちなみに私は自らを中華民族だと自称します。



簡単日本語

massangeana (2002/10/27 15:27)

高駒麗人さん:
>名前をノートにカイマシタ(『書く』の過去形のつもり)
そんな場合は丁寧形の簡単形を! 何にでも「っす」をつければ丁寧語!
「書く」は「書くっす」, 「書いた」は「書いたっす」, 「書かない」は
「書かないっす」と見事に規則的! 「赤い」は「赤いっす」, 「静かだ」は
「静かっす」, 「山だ」は「山っす」とこれもわかりやすい。これで
「書かなかった」の過去が「書きませんでした」になる不合理からも
おさらばできます。活用は「っす・っしょ」の 2つだけ! いいことづくめ :-)



中国の民族

massangeana (2002/10/27 15:20)

私はべつに中国の民族政策に文句があって書いたわけではありません。ただ公式発表に
くらべて現実は(とくに南方では)もっと複雑で割り切れないことに注意を促したかった
だけです。

ついでにちょっとだけツッコミ(すみません):
>中国の人口の90%以上が漢民族
分母が大きいので, 10% でも 1億をこえることをお忘れなく :-)



中国人≒漢民族?

高駒麗人 (2002/10/27 09:23)

事実上、そうでしょう。
中国人は自分たちを「中華民族」と言いますが、これは漢化された少数民族&満州族の風俗を取り入れた漢族を含めた言い方でしょう。満州語を話せなくなった自称満族(満州族)は、事実上、満州系漢民族ですし、漢民族の傳統の衣装:旗袍qipao(China dress=cheongsam長衫)とは、満州族の衣装です。
中国で「漢人」Han4ren2とは、「<壱>今の中国の漢民族」「<弐>昔の漢王朝時代の漢国人(不是韓国人)」のことですが、日本で「漢人」とは、「<壱>今の中国の漢民族」「<弐>中国人一般」のことも差します。
ソ連が存在したころ、「ロシア人」とはソ連人のことでした。
大和民族を現す「倭人」(woren、??wεin)は、中国や朝鮮では、大和だけでなく、アイヌ、琉球を含めた日本人一般を差します。
「中国語」は「漢語」のことですが、「中国語」「漢語」は往往にして北方方言或いは北京語を指す事になります。それで「彼は廣東語は話せるが中国語は話せない」とか「中国語と上海語を勉強しましょう」等という不可解な表現が出て来る。廣東語と上海語はどちらも漢語なのだから漢語の方言と言われるのです。故に、ある人が北京語を話せなくて、廣東語だけ話せても、廣東語も中国語・漢語なのですから、その人は中国語(の廣東方言)を話せるはずですし、上海語も中国語に含まれるのですから「中国語」に「上海語」を付け加える必要はありません。



「行く」の音便

高駒麗人 (2002/10/27 09:01)

MadKod様
「行く」はカ行五段の中でも例外中の例外で、本来、連用形は「行き(ました)」とイ音便「行い(た)」の筈ですがこれが促音便化して「行った」になっています。しかも「行く」は「ゆく」で語幹はyukですが、「行った」では発音が itta で、「言ひた」の促音便「言った」と紛らわしくなっています。
「問う」もワ行五段の例外で、同類の「思う」がイ音便「思いました」と促音便「思った」になることから、「問いました」「問った」になる筈ですが、実際はイ音便「問いました」とウ音便「問うた」になり、これは関西の「思うた」「言うた」と同様です。
中国人が日本語を話すと、「名前をノートにカイマシタ(『書く』の過去形のつもり)」と言ってしまい、日本人から「買いましたと書きましたじゃ全然違うでしょ」というお叱りを受けます。中国人にとっては「カイタ」が「書く」の過去形で、「カイマシタ」が「買う」の過去形である日本語の文法は法外に難しいのでしょう。「買」mai3であれ「写」xie3であれ「了」leがついても元の「買」mai3、「写」xie3の語形は同じです。すると「た」が「了」に当たるなら、動詞の原形につけて「書く・た」「書く・ました」「買う・た」「買う・ました」でよさそうなものです。それが、接続語尾によって「く」を「い」や「っ」にしないといけないのですから覚えきれるものではないでしょう。私はこの音便を標準語に採用したのは失敗だと思います。
カ行5段なら「書いた」ではなく「書きた」、「行った」でなく「行きた」、ワ行なら「買います」でなく「買ゐます(発音はカウィマス)」を標準語にすべきでありた(あった)たと思ゐて(思って)います。



中国人≒漢民族

本読み (2002/10/26 20:14)

タイトルのようなことを言ったら、漢民族以外の人からは総スカンをくいそうです。しかし、中国の人口の90%以上が漢民族と聞いていますので、日本人から見た漢民族を理解する必要があるのではないでしょうか。思想的には、共産革命以前と以後では全く変わってしまったかもしれませんが、国民性は本当に変わったかどうか疑問に思います。日本人は、漢民族のことを本当に理解しているかどうか。もっと奥深く研究する必要があるのではないでしょうか。たまたま、古書展で「漢民族の研究」(呉主恵著、昭和24年、貿易会館文化部)という本を捲ってみたら、中々興味のあることが書いてありましたので、チョット真剣に読んでみようかと思います。多民族国家といわれる中国でも、その中心はやはり漢民族のようですから。



言葉の勉強の仕方

辻本裕幸 (2002/10/26 19:03)

私の意見では語学は人と一緒に勉強していてはおぼわらない。ここ西安で「一緒に日本語と中国語を勉強しましょう」と、持ちかけてくる日本語を勉強している学生が多いですが、彼達と一緒に勉強しても、ちっともこちらの中国語の勉強にはならない。というのは彼たちの日本語のレベルは高いので、交流しているときは全部日本語。こちらに中国語を話させてくれません。だから私は今は中国人といっしょに勉強などしていない。私は、英語学科の日本語とは何も関係のない中国人の学生と交流して、中国語を身につけた。教えるも教えられるもない。本物の友情(もしくは愛情)だけである。この方がいい。逆に日本語学科の人に中国語の文法のことを聞いても、向こうは先生じゃないからといって、ちゃんと教えてくれない。こちらも同じ。私は日本人ですが外国人に日本語を教える教育はまだ受けていないので、日本語の文法を尋ねられてもうまく説明できない。ただ単に向こうの日本語の会話の練習に利用されているだけだときづいた。私も、中国人を利用することは止めた。一緒に勉強ではなく一緒に遊ぶ。これがいい。



ソ連の民族

辻本裕幸 (2002/10/26 18:25)

ソ連といえば、サハリンに住んでいたアイヌ人がどうなったかが気になります。ある資料では残らず全て日本に引き上げてきたと言っていますが、ある別の資料では戦後600人のアイヌ人がサハリン州の漁業コルホーズに加わったという資料がありました。私は後者のほうが妥当だと思う。当時樺太には約2000人のアイヌ人がいたとされていますが、2000人もの人間が一挙に別の地方に移動するなんて不可能だと思います。それより2000人のうち600人ぐらいはサハリンに残って新ソ連の国民の一部になったと考えるほうが自然だと思います。それにソ連の民族政策は割とまゆつば物でして。ここにはこの民族はいないというのは当てにならない。ユダヤ人やウクライナ人は一人もいないといわれていた地区に行ってみたら、ユダヤ人とウクライナ人だらけだったという話もあります。私はおそらくサハリンでは今もアイヌ人が残っていてアイヌ語も北海道よりは話されているのではないかと思いますが、情報を待ちたいです。



ソ連の民族政策

楡ノ家楠丸 (2002/10/26 02:29)

ごぶさたしております。ソ連の民族政策について少々。
こと、国境を跨いで分布する民族に関しては、国内の民族に別の名前をあたえて、あたかも国境をさかいに、別の民族に変わるかのように見せかけていました。
モンゴル人―ブリャート人、フィンランド人―カレリア人、ルーマニア人―モルダヴィア人。
何といっても、アゼルバイジャン、カザフ、ウズベク、トルクメン、キルギスといった民族は、トルコ語の方言を話していると言ってもいいようです。少なくとも中国で話されているのが中国語と言えるのなら、この地域で話されているのはトルコ語です。

ロシア連邦共和国内の少数民族、たとえば、ブリャート人を例にとれば、ある年代から下は、家で年寄りと話をするとき以外、ブリャート語(モンゴル語)を使わない、というような状態です。イスラム教以外の民族は、民族のアイデンティティーというようなものもあまり気にしているように思えません。つい近年までは、国内用のパスポートに民族を記す欄がありましたが、今は廃止されたようです。



いろいろ

massangeana (2002/10/25 23:53)

>『をば』
うちは鹿児島ですが, 「をば」はふつうに使います。「ば」だけを使うことは
ありません。

>エウとヨウの合流
あまり正確にはわからないようですが, 12世紀頃といわれているようです。方言で残っている
ものというのは知りません。

>ハングル
朝鮮語では k と g は前に何がくるかによってどちらが出てくるか決まっていますから,
この 2つを同じ文字で表すのは合理的です。逆に別な字で書くことにしたらかえって使いづ
らいでしょう。すべての言語にとって合理的な文字は, 音の使い方が言語ごとに大きく異な
る以上存在しないと思います。
なお 15世紀にハングルが発明されたときは有声音を表すための文字もあったし, f や w の
ための文字も, 二重母音のための文字もありました。

>回族
私が中国語を習ったときの先生も回族だと言っていました。帽子はかぶっていなかった
ので :-) 言われなければわからなかったと思います。

>漢族だと思っている人をわざわざ別の民族にして
中国の民族政策は, もともとスターリン時代のソ連の政策をモデルにしています。ソ連のように
連邦制をとっているわけではありませんが, 「抑圧された少数民族」を解放したことが共産党の
偉大さを示すことになるのでしょう。学校で中国がいかに多民族国家であるかを教えるのも同じ
理由です。広西はもともと壮族より漢族の方が多いところなので, 自治区にしてしまったのもじ
つは問題があります。

>壮族の言葉と、タイ語(タイ国の)はどれぐらい共通しているのですか?
私はタイ系の言語には詳しくありませんが, それでも龍州(いわゆる南部方言)の
言葉とタイ語の基礎語彙を比べるとあきらかによく似ています。武鳴(北部方言)
はもっと違うみたいです。だからといって話が通じるかとなるとまた別ですが。



ハングルについて

辻本裕幸 (2002/10/25 10:46)

私もハングルに不満がある。二重母音をあらわすバリエーションが少なすぎる。三重母音を表現できない。語頭の二重子音をあらわせられない。や行のy、ワ行のwを子音として分離できないので不便だ。などなど。清音と濁音の区別とか、fやtsの音がないことは新しい部品を作るだけで解決できますが、重母音、重子音をあらわす方法が少ないと根本から作り変えないとできない。やはり現時点ではハングルは韓国語と朝鮮語を書くためだけの文字としかいえない。ハングルを今のままでは英語や中国語を書くことには利用できません。しかし子音と母音を分離し、一音節を一文字で書くという発想は優れていますが。



>民族の言語など

李 (2002/10/25 01:15)

昔の西夏王朝の故地は寧夏回族自治区になってしまった。西夏王朝といえば、有名な西夏文字がありますね。二年前に、北京の書店で、西夏文字の辞書を見ました。夏、漢、英三言語対照(ローマ字か)。当時、またそんなに興味がないので、買わなかった。日本京都大学も西夏文字の研究をやっています。最近、言語学に対してすごく興味がわいてきました。今は、ドイツ語と朝鮮語の勉強を取り込んでいます。ドイツ語を半年勉強して、文法を大体わかりました。面倒な性・数・格の変化も大分慣れてきましたが、朝鮮語には、良いテキストに出会っていないせいか、動詞語尾の変化、文型などは、また良く判らない。朝鮮語の文法を良く纏めて解釈するテキストが無いみたいですね(本屋で調べたけど)。また、ハングルを学ぶまえに、ハングルがすごい合理的な・完璧な文字とか、よく言われるんですが、実は、ほかの表音文字とあまり変わらないというか、不備なところもあるではないのかと思います。例えば、仮名には、「か」と「ガ」区別できるが、ハングルには区別しません。終声などは、どう書いても、ほとんど同じように、仮名の「っ」(促声)と発音する(本当は発音しない)。連音(音便)も面倒です。ハングルはどうして凄い文字と言われるのか、全然わかりません(朝鮮人・韓国人の自画自賛としか思わない)。誰か、朝鮮語の良いテキスト(特に文法に詳しいやつ)を紹介していただけませんか?
    時間が有りましたら、私のHPに遊びに来てください。
    http://home.att.ne.jp/iota/gogenkenkyu/



民族の言語など

辻本裕幸 (2002/10/23 11:25)

回族に何か少しでも独自の言語が残っていればわかりやすいんですけど。チベット出身で面白い人がいました。お兄さんは蔵族で、妹は回族と言いいました。二人ともせん西省師範大学の学生ですが、お兄さんは漢族と代わらない格好。妹はずっとベールを被っています。こういう人は多分もともと蔵族だった。そのうちの一部の人がイスラム教を信仰するようになったので、回族になったのかもしれません。二人とも、漢語を話していましたが。私が思うのは、広西 貴州 雲南などに住んでいる民族は比較的漢族化しやすいですけど、新疆、西蔵 内モンゴル 甘粛 青海などに住んでいる民族はなかなか漢族化しにくいということ。南の民族は農耕民族ですし、言語も漢語と同じ声調言語ですから、漢語を早く習得して漢族と同化しやすい。名前も漢族とよく似た名前です。しかし北方の民族は遊牧民が多く、言語もアルタイ型でずいぶん中国語とは違う。だから漢族とは相性が悪いのかもしれません。名前も漢族とは違う名を名乗っている。



もう一言<回族について

李 (2002/10/22 21:06)

回族の由来は、私にとっても一つの謎です。専門的な研究してないけど、日頃の考えを述べさせていただけます。宋、元の時代に、北中国には数多くの非漢族系の遊牧民が住んでいました。例えば党項族の西夏、契丹族の遼、鮮卑人などなど。これらの民族は何処へ消えたのか、一部は漢族に吸収され、大部分は回族になったと考えられます。つまり回族は宋元以後に、漢語を公用語とし、イスラムを共通信仰として纏められた新しい民族です。好きか嫌いか関係なく、漢語はその時代のマーケット言語で、イスラムは儒教より、遊牧民にとって都合のいいイデオロギーです。その両者によって、バラバラの北方遊牧民が一つに纏められたのではないでしょうか?現に、西夏王朝の故地は、そのまま寧夏回族自治区になってしまいました。以上は、あくまで個人の見方です。私にとっては、回族はだんだん漢族化されることがあっても、漢族は一族、まるごと、イスラムに入信するのは信じられないことです。正統な漢族には、宗族の系図を記録する族譜があります。もし、大勢イスラムに入信すれば、その記録が残るはずですが、私にはそれを知りませんでした。話がだらだら長くなりまして、ここで終わりにします。
 今は東京に住んでいます。室内でまた夏服です。西安の寒さが想像できます。くれぐれも、お体を気をつけてください。



はじめまして&質問です

MadKod (2002/10/22 15:04)

はじめまして、私は日本語入力について研究している者です。(特にかな入力)
このHPは以前、漢音と呉音のことを調べていて行き当たり、大変参考にさせていただきました。
また、連濁でハ行の音が濁音になるものと半濁音になるものの違いについても勉強になりました。
なので、ここでお聞きすればわかるかもと思い、初めて書き込みさせていただきます。
質問というのは、「行く」も「書く」も どちらもカ行五段活用なのに、
なぜ片方は促音便で、片方はイ音便なのでしょう?
ご存知の方、いらっしゃいましたら、教えてください。m(_ _)m
http://www.asahi-net.or.jp/~dy5h-kdm/



エウについて

辻本裕幸 (2002/10/22 11:28)

質問ですが旧かな使いでエウと発音されていた漢字はいつごろから今のように、ョウの発音に合流してしまったのですか?にいがたの方言では元々オウと発音していたものはo:と。アウと発音していたものは、(cを左右逆にしたような記号の音の長音)と区別するようですが、エウの発音を残している日本語の方言はありますか?



名前について

辻本裕幸 (2002/10/22 10:39)

着たばかりのころは、辻本と名乗っていました。しかし辻と言う漢字は中国にないので、いつも、達本dabenとか遷本qianben、過本guobenとか、間違って書かれたり、呼ばれたりする。それで、本名の信憑性がなくなるので、改名しました。モンゴル族の友人が改名に協力してくれました。ですから、この漢字はモンゴル族の名前によく使われている漢字ばかりです。日本人の名前は、韓国人、朝鮮人、ベトナム人とは違って、大体訓読みの名前が多い。ヤマダとかタカハシとか、タケシ、ハナコとか。もちろん音読みの名前もありますね。加藤とか、佐藤。太郎とか由美とか。この音読みの名前は中国に言っても大して発音が変わらない。タロウがtailangタイランになるだけ。ユミがyoumeiヨウメイになるだけ。韓国人も中国に留学してもあまり名前は変わらない。金kimキムがjinチンになったり、李iイがliリになっても大きな違いではない。しかし、問題なのは訓読みの名前の人です。花子ハナコがhuaziフアツでは発音がまったく違う。ましてや、タケシは武と書くひとはwuウ、健と書けばjianチエン。剛と書けば、gangカンと全部発音が違ってしまう。でももともとは全部同じタケシという名前です。これは問題である。外国に行って名前の発音が180度変わってしまうのは、日本人が中国に行ったときだけでしょう。私のように、慈吉莫図cijimotuツチモトゥと音訳名で書けば大体同じような発音になるんですけど、みんな同じようにしろとは言えないんですね。これは日中の間で話し合っていかなくてはならない問題かもしれません。
 西安は、今とてもさぶいです。私は三重県の出身ですから、10月なのにこんなにさぶいのはふしぎである。李さんはどこに住んでいるんですか?日本には慣れましたか?



慈吉莫図さん

李 (2002/10/22 09:58)

こんにちは。日本名の辻本の「辻」という漢字は、中国にないですね。名前の発音にこだわるか、漢字にこだわるか、難しいですね。西安の回族について、詳しく知りませんが、北京の回族は殆ど帽子をかぶらない。漢族との区別は、生活習慣の違いだけです。酒を飲む、豚肉を食べるとなると、イスラムの漢族化といえるかもしれないが、やはり漢族のイスラム化が簡単ではないようです。北京の回族は民族同士の結婚が圧倒的に多い、もし漢族と回族結婚するなら、イスラムに改宗しなければならない。北京の方が厳しいですね。内陸に留学して、生活環境は日本と大分違うですが、水の問題は大丈夫ですか。十月になると、もう寒いでしょう。体に気をつけてください。



Re: missing link

UEJ (2002/10/22 03:51)

linkはもともと鎖の輪のこと、と考えればmissing linkのイメージが良く分かります。
日本語の「失われた環」からそこまで想像するのは容易ではありませんが。

あまり関係無いですが、1988年に「Missing Link」という映画があったようですが、
その邦題は「エイプマンひとりぼっち」なのだそうです。



壮族について

辻本裕幸 (2002/10/21 15:32)

壮族が実は漢族だと自覚していたと聞いて驚きました。しかし不思議なのは、自分たちは漢族だと思っている人をわざわざ別の民族にして、中国にとって何の得があったのですか?少数民族問題が増えて困るだけだと思いますが。壮族の人らが自分を漢族と思っていればわざわざ壮族自治区を作らなくても、広西省のままでよかったのに。確かに、北京語の話者からは、漢語方言のひとつである広東語も、タイ系言語の壮諸語も何を言っているか分からないという点では共通していますが。ちなみに、壮族の言葉と、タイ語(タイ国の)はどれぐらい共通しているのですか?両者に交流はあるのですか?



回族について

辻本裕幸 (2002/10/21 15:23)

李さんへ
 私は西安に留学している日本人留学生辻本裕幸です。中国語名は慈吉莫図cijimotuです。私はまだ北京人の友人はいないので、ご意見とても貴重に拝見しました。西安は多分、北京と同じぐらい回族が多い町である。それで私が感じたのはやっぱり回族と漢族は見分けがつかないということ。ただ、回族はひげを生やしている人や、帽子をかぶっている人がいるので、違って見えるんですけど。それから回族にも、実はお酒のむひと、豚肉を食べる人もいるというのが、西安に来て分かりました。またウイグル族の人は自分のことを中国人とは思っていないようですが、回族は自分たちが中華民族の一部だと自覚している人が多い。唐詩がすきな回族の人もいる。やはり、漢族と回族は相性がいいのではないですか?男朋友、女朋友が回族であると言う漢族の人もたくさんいますし、おじんさんが回族というひともいた。もちろん言葉もまったく同じ西安弁です。回族の女の子は漢族の女の子と同じでとても明るくて社交的である。でも普通、イスラム圏の女性は男性と口をきかない。私にはやっぱり西安の回族はイスラムを信仰している漢族に見える。雲南や海南の回族には会ったことがありませんが。北京の回族はまた違うのかもしれません。



missing link

未菜実 (2002/10/21 11:32)

以前、この掲示板で出ていたような気もするのですが・・・^^;

生物進化の際に使われる missing link の訳語に「失われた環」が使われています。
特に問題にされているのが類人猿とヒトの中間の生物です。

確かに link には"環"と言う意味もあるのですが、この場合はインターネットなどで使われる「リンクを張る」の様に"結合させる"とか"結びつける"の意味だと思うのですが、この「失われた環」の訳は正しいのでしょうか?



ありがとうございました。

さんど (2002/10/20 23:13)

李さん、本読みさん、レスありがとうございました。



>将軍

本読み (2002/10/20 16:11)

「日知録集釈」の巻二十四に“将軍”という項目があり、詳しく出ています。



回族について

李 (2002/10/20 08:16)

北京を離れて、一番懐かしいと思うのは、北京の羊肉しゃぶしゃぶです。冬になると、北京城が羊肉匂いのなかにつつまれるといっても過言ではない。昔北京の羊牛肉を売る店は、店頭に緑色のアラビア文字の看板が掛かるところがよくある。大学のなかに、必ず「清真食堂」(回民食堂)が設ける。北京には回族がたくさん住んでいるところですね。回族はまた「回民」という。確かに、それは一つの民族というより、イスラム教のムスリムの通称のような呼び名である。北京の回族は、漢語を操り、名前も漢族とあまり変わらない(よくあるのは馬と白の名字)。しかし、彼らは漢族のイスラム入信者だというと、どうも違うなあと思う。改めて考えると、わたしの知っている回族の友たちは、顔立ちが明らかに漢族と違う。最もな特徴は「長頭型」、顔全体は細長い、体毛が漢族より濃い。中には、あまり漢族と違わない者もいるが、漢族からイスラムに入信する者は殆どいないのは、事実です。東南アジアの華僑から見ても、タイ、フィリピンの華僑は、現地人との同化がかなり進んでいるが、インドネシアとマレーシアの華僑は、イスラムに入信する者は殆どいない。漢族の生活習慣、信仰、婚葬制度とイスラムのそれとのギャップは大きすぎる。両者は相性が悪いと言っても良い。もし、東アジア系の民は、イスラムに入信する者がいるとすれば、漢族以外の他の民族(例えば北方騎馬、遊牧民など)からではないかと思う。



>将軍

李 (2002/10/20 07:23)

将軍は漢語に由来する。古代漢語には、将は「操る・司る」の意味がある。春秋時代(2800年前)すでに、「将軍」或いは単に「将」の言葉があり、軍のリーダーを表わす。漢の時代には、大臣を将軍とも言う。



将軍

さんど (2002/10/19 23:46)

はじめまして。

「将軍」の語源を知りたくて、探していましたら、ここに到着しました。
初めての書き込みなのに、突然、この様なことを聞いてすいません。

もし、お分かりになりましたら、教えていただけませんか?



RE: 方言助詞「バ」について

ロスケ (2002/10/19 02:53)

> 私の住んでいる九州西北部では、格助詞「を」の代わりに「ば」を使います。
> (例:「本を読む」→「本ば読む」)

格助詞「を」+係助詞「は」が合体して濁音化した連語で「をば」があり、動作の対象を強調する働きがあります。
○万葉集#2276「三島江の入江の薦を刈りにこそ我れ『をば』君は思ひたりけれ」
この『をば』の「を」が脱落した形ではないかと思いますが、ご専門の皆様いかがでしょうか?
実はあまり確信はありませんです(笑)



中国の民族問題

李 (2002/10/19 02:16)

皆さん、今晩は、中国からの留学生李です。最近、この掲示板に出入りをしていませんが、今日少し書き込みを見ました。皆さんの中国語の知識の深さについて、脱帽します。僕は、語学の専門ではなく、中国語の北京語の以外にも、全然わかりません。皆さんの豊かの知識に、羨ましいと思っています。

少し、自己紹介します。僕の父、祖父母などは、皆天津郊外の武清県の出身です。父は仕事の関係で青年時代から北京に移住。武清県は昔は河北省の県でしたが、いまは天津に属しています。奇妙なことで、河北省の県には皆酷い方言訛りがあり、北京の通州区(昔は通県)にすでに河北省の方言区に入っています。もう少し東に行けば、廊房県、大ahang回族自治県などは、もう完璧な河北省方言ですが、天津にも、天津話がありますね。しかし、天津のすぐ隣の武清県だけは、老北京語(北京方言)です。(僕は自転車で北京から通州、回族自治県、武清、天津を通ったことがあり、人々の方言訛りについて実感した)

つまり、武清は北京語の飛び地です。僕は祖父母によって育てられたが、皆は僕の言葉が老北京(北京方言)訛りが非常に濃いと言われました。父から聞いたが、武清県は明・清時代六百年の間にずっと北京の守衛部隊の駐屯地です(武清は天津から北京の要路で、清末の時、八国連軍が北京攻略に当って、武清の楊村は激戦地で、そこが落とされて、西太后は逃亡を決心したともいわれる)。清の時代に八旗兵が進駐して、うちの民族区分は一応漢族とされたが、祖先は八旗兵の満族のようで、と言うのは、満人の女性が纏足しませんから、祖母の足が天足(自然の足)、自分は漢人の女性と違うと言っていた。親戚の中にも、自分は満人と認めて(文革後)、北京の民間の満語学校にはいて、勉強する人がいました(僕の従兄弟)。共産党政権以後、特に文革中は、皆漢族と自任する傾向があり、北京満族の場合は、言葉は漢族と一緒で、あまり民族とかを意識していません。どうでもいいの感じです。僕の場合は、母の籍貫は戸籍の上に、セッコウ省の紹興(魯迅の出身地)、母の方の祖父が紹興生まれで、母自身は北京です。そういうわけで、僕は北京語しかできません。

回族については、僕が割合に詳しく知っています。小学から、大学までに親しい友人は、5人ほどいます。北京には、回族の多いところで、クラスの中に大体2、3人ほどいます。彼らについては、今後に紹介します。

すみません、あまり言葉と関係ないことを書き込んで、ご容赦してください。



方言助詞「バ」について

青崎 (2002/10/18 23:03)

はじめまして。青崎と申します。
常日頃から疑問に思っていることが有るので、書き込みさせていただきました。
私の住んでいる九州西北部では、格助詞「を」の代わりに「ば」を使います。
(例:「本を読む」→「本ば読む」)
日本の所謂「古語」にも私の知る限りそのような用法は無かったと思いますが、ルーツや他の地方で使われているところ等を知りませんか?
中国語(漢語)で、「〜を」にあたる介詞が「把」であるのも何か関係が有りそうですが・・・
ご存知の方、回答お願いします。



Re: 回族について

massangeana (2002/10/17 19:00)

中国の 56 だかの民族は政府が認定したもので, 必ずしも実情を反映しているとはいいがたい
ところがあります。有名なのは壮族で, 広西でタイ系の言語を話す人々をまとめてひとつの民
族ということにしてしまったのですが, 本人らは自分を漢族と認識している上に, 言語としては
最低 2 つの異なる言語に分かれています(中国では「北部方言」と「南部方言」と呼んでいる)。
回族はさらにひどい分類で, 回族に属している人々は自分たちをひとつの民族だと思ってもいない
だろうし, 言語的にもとくに回族とそれ以外を分ける基準がありません。つまり独立した少数民族
として認められておらず, かつムスリムである人々をひとまとめにして回族に押し込んでしまって
いるわけです。このへんの問題については, ラムゼイ著・高田時雄他訳『中国の諸言語』(大修館
書店, 1990) が扱っています。

>海南島の回族
いわゆる「回輝話」ですね。よく知りませんがチャム語の一種らしいですね。
 http://www.ethnologue.com/show_language.asp?code=HUQ



回族について

辻本裕幸 (2002/10/17 12:31)

私の中で回族の観念が間違っているかもしれないので訂正をお願いします。私は今まで漢族の中でイスラム教を信仰している人たちを回族というのだと思っていました。だから彼らは漢語を母国語とする。しかし本当にそうなのでしょうか?海南島の回族の民族籍の人たちはオーストロネシア系の言語を話すと聞きました。ということは中央アジア系の大陸の回族とは違いマレー系の回族ということでしょうか?また雲南省のタイ族の中で暮らす回族の文化はタイ族そっくりだとも聞きました。彼らもルーツがアラブやペルシャ商人の回族とは違うように思えます。と言う事は、最近思うのは漢族に限らず、非イスラム民族のうちイスラム教を信仰する人は回族となる。そんな気がしてきました。つまりもともとイスラムを信仰する民族であるウイグル族やカザフ族は回族とはならないが、漢族、チベット族タイ族など非イスラムの民族がイスラムを信仰していればその人たちの出自に関係なく、彼らは回族と呼ばれその民族籍となる。そういうことでしょうか?どうも一般には民族イコール言語と思っているので、こういう宗教によって別に立てられたような民族は概念がわかりつらいです。



華僑や回族の話す漢語

辻本裕幸 (2002/10/17 11:28)

しかしドンガン語はキリル文字を使って、漢字を使わなくてもやっていけるということは、やはり中国語は先天的には、漢字なしでも何とかなる言語なのでしょうか?こういう中央アジアに移動した回族や在外華僑の話す中国語方言などはさまざまな点で興味深そうです。日本や韓国の華僑が話す中国語で何か特色はありますか?



Re: ドンガン語について

massangeana (2002/10/16 19:11)

Web 上ではここが詳しいようです。例文もあります。
 http://www.krugosvet.ru/articles/80/1008087/1008087a1.htm

日本語で書かれた紹介文はここにありました。
 http://www.asahi-net.or.jp/~WY4M-MZID/lang/lang_donggang_top.htm



Re: ドンガン語について

massangeana (2002/10/16 18:44)

なんだが橋本萬太郎さんの研究分野が続きますね。
ドンガン語はカザフ・キルギス・ウズベクで話されている漢語系の言葉です。基本的には
陝西・甘粛方言で, 西安の言葉にも近いですが, ムスリムなので, 名前などがそちら関係の
言葉になっているほか, ロシア語やチュルク系の言語の影響も強いです。キリル文字を使っ
ています。ドンガン語の研究書はほとんどロシヤ語のものではないかと思います。



ドンガン語について

辻本裕幸 (2002/10/16 14:12)

中央アジアにある官話方言の一種、ドンガン語に興味があります。どんな言語なのですか?詳しいサイトなどがあったら教えてほしいと思います。



Re: ほかの方言について

massangeana (2002/10/14 16:40)

潮州ですか? ビン南語です。「雨」はアモイと同様ホウだし, なべは「鼎tia~」だし
さむいことは「寒kua~」だし。もちろん違いもいろいろありますが。
海南島はビン語が多いですが, 粤語もあれば客家語もあれば, タイ系の言語をはなす人も
います。いちおうビン南語にまとめられてますが, かなり違うようです。



ほかの方言について

辻本裕幸 (2002/10/14 13:49)

 ちょう州語というのはどういう方言ですか?スワトウとかの。同じ広東省ですが、よく広東系華僑、ちょう州系華僑と分けられたりしますし。7大方言で言えばどれにはいるのでしょうか?広東語とはだいぶ違う方言なのですか?
 海南島の方言はなぜ、えつ方言ではなくびん方言なのでしょうか?



RE:雪

未菜実 (2002/10/13 07:32)

ありがとうございました。



Re: 広東語のそりじた音は?

massangeana (2002/10/12 21:28)

>日本語漢字音で、カ行のものなら間違いなくj、q、xでしょう
おっしゃる通りですが, 暗記した方が早いような... ^_^;

>広東語ではそりした音はどうなったのですか?
広東語では歯音は 1つの系列しかありません。日本語のチとツの中間の
ような音でしょうか。日本語のチでは舌の面がべったり硬口蓋に接触します
が, それをもうちょっと浮かせるようにすると近い音になると思います。また
後ろの母音によっても相当異なる音になるようです。s は「想seung」ではほぼ
s, 「書syu」は北京の xu に近い音, 「先sin」はその中間ぐらいと幅があるよう
です。

>広東人が普通語を話したとき
広東語ではチとツィを音韻として区別していないので, どっちがどっちだか覚えて
いない, または気にとめていないのでしょう。

なおこれはあくまで広東語(広州方言)の話であって, 広東・広西の他の地域の粤語では
かなり異なった音になっています。



Re: 雪 雪ぐ

massangeana (2002/10/12 20:31)

>雪(すす)ぐ
「雪(すすぐ)」と「彗」の関係はたぶん簡単で, 「彗」はほうきのことですから,
入声と去声で動詞と派生名詞との関係なのでしょう(「雪」が「はき清める」こと
で, 「彗」が「はき清めるもの→ほうき」)。去声にすることによって動詞から派
生名詞を作る例は「結(ケツ, ゆう)」と「髻(ケイ, ゆった髪)」, 「度(タク,
はかる)」と「度(ド, ものさし)」など多数あります。
次に「雪(ゆき)」が「彗」に従う理由ですが... 単に形声文字の声符ではないでし
ょうか。実は『説文解字』では単に「彗」を声符としています。「雪(ゆき)」のよ
うな基本的な語がほかの単語から派生して作られたと考える必要はとくにないと思
います。
以上, 私の意見では, ことばとしては:
 1. 「雪(すすぐ)」から「彗(ほうき)」が派生
 2. 「雪(ゆき)」は 1 とは無関係
文字としては:
 1. 「彗(ほうき)」を声符として「雪(ゆき)」が作られた
 2. 「雪(すすぐ)」はあて字(「雪(ゆき)」の仮借)
ということではないかと思います。



広東語のそりじた音は?

辻本裕幸 (2002/10/12 10:42)

あと書く上でj,q,xかzh,ch,shか迷ったら、日本語漢字音で、カ行のものなら間違いなくj、q、xでしょう。ただし、日本漢字音でサ行のものはどちらでも有るでしょうからね。あと質問ですが広東語ではそりした音はどうなったのですか?万国発音表記では日本語のシ、チと同じ記号で書いてありました。しかしネイティブの人が話すと、時々、チャがツァに近く聞こえたり、逆に、広東人が普通語を話したときツァイと発音すべきところを韓国人中国語のように、チャイに近く発音したりと、どうも、このあたりどういう区別なのか気になります。



アイヌ語

poronup (2002/10/12 02:21)

久しぶりにここに来ました。

■ちょ さんへ

質問の意味が分かりません。オヒョウの何について知りたいのですか?

■樺厘さんへ

>「紅葉」「光」「恋、愛」「川」のアイヌ語を教えていただきたいです。

光はnupek
川はpet

がよく聞く単語です。

紅葉は知りません。葉っぱが赤くなるとかそういう言い方はできますが、特に紅葉を指す表現があるかどうかは知りません。

恋とか愛は分かりません。日本語にぴったり合う言葉はないのでは?
ただ、誰かを好きになるとか、惚れる、という言い方はあります。iyosikkoteとか、いろいろありますね。

あとそれぞれのみなさん、何のためにそのアイヌ語が必要なのか教えて欲しいです。
それによって答えも変わってきます。



Re: 西安では鼻音の非鼻音化はどうなったか?

massangeana (2002/10/11 16:40)

辻本裕幸さん:
>nやmに逆戻り
そうですね。憶測ですが, 西安は宋以降首都としての機能を失い, nd, mb のような
「風変わり」な音はより中心部(河南省とか)の影響を受けて失われたのではないかと思
います。nd, mb と対立する n, m の音が存在しなかったので, 変化しても大きな影響がなか
った, というのもあると思います。
清末にカールグレンが方言調査をしたとき, 山西省の文水・興県・平陽(=臨汾)ではこの
mb- nd- 等があった, と記しており, 野村正良氏による戦時中の調査でも同様ですが,
橋本萬太郎氏が 1950年代に調べた結果ではただの m- n- だったそうです。これも標準語
の影響を受けたのかもしれません。



Re: そりじた音

massangeana (2002/10/11 15:11)

辻本裕幸さん:
>shとx、zhとj、chとqを聞き分けるよいこつ
そり舌音は, 舌が奥に下がっていますから, 舌より前(歯のある部分)の空間(共鳴部分)が広く
なります。そのため, でてくる摩擦の周波数が低くなります(j は約5000Hz, zh は 4000Hz)。
したがって, 耳で聞くと zh の方が「こもった音」に聞こえるはずです。
また, 母音も違います。まず j/q/x の後ろには i か u(umlaut) しか来ませんが, zh/ch/sh の後ろ
にはこれらの母音が続かないので, その点からもかなり簡単に区別できると思います。



雪 雪ぐ

未菜実 (2002/10/11 11:06)

雪の字は雨冠に彗だと辞書にあるんですが、彗の解釈がいろいろです。
小さく軽い、清らかで美しい、箒で掃う、などなど。
どれが、有力な説なんでしょう?

もう一つ、雪から"雪(すす)ぐ"の意味が出てくるのは何故なのでしょうか?



西安では鼻音の非鼻音化はどうなったか?

辻本裕幸 (2002/10/11 10:30)

質問ですが、中古長安漢字音でナ行だったものが、だ行になっているもの。内、(ナイ、ダイ)などや、マ行だったものがバ行になっているもの猫(ミョウ、ビョウ)馬(メ、バ)などは現代西安方言ではどう変化したのでしょうか?私としては、また、nやmに逆戻りしているような印象がありますが、実際はどうでしょうか?



そりじた音

辻本裕幸 (2002/10/08 20:00)

中国語普通語で、shとx、zhとj、chとqを聞き分けるよいこつがあったら教えてください。話す上では大分できるこの区別も、聞くときとなると、どうも同じ音に聞こえてしまう。特にi母音がついているときは聞き分けつらいです。



Re: 「輝」の読みについて (その2)

massangeana (2002/10/08 15:55)

「輝」のケの音は『漢字源』にでていました。この辞典は「低タイ, 後グ」のような
奇妙な音をほかにも大量に載せており, 危険だと思います。過去ログの私の書き込み:
「漢和辞典 (2001/09/10 23:41)」をみてください。
http://www.asahi-net.or.jp/~hi5k-stu/bbs/bbs0109.htm



Re: 方言の古い資料

massangeana (2002/10/08 15:16)

zo- さん:
うーん, いろいろありますが, まず芝居の台本みたいなのがあります。南方だ
とだいたい 16世紀か 17世紀ごろからですね。ただし漢字で書いてあるので音
がよくわからない, どの程度実際の方言を反映したものかわからない, しばし
ば作者やその時代がわからない, といった問題があります。ビン南だと有名な
のが「茘鏡記」ですね。
  http://www.chaoju.com/jumu/lijingjiquanbenquwen.htm
呉語には文学資料が多く, 弾詞(一種の浪花節, 本になったのは 18世紀以降),
戯曲(鉢中蓮(16c?), 沈氏四種伝奇(18c), 綴白裘(18c以降?)), 清末の小説(海
上花列伝・九尾亀など)といったものがあります。
つぎに, 「○○県志」みたいな本で地方の民俗を記した中に当地の言葉を記し
ている場合があり, 波多野太郎編『中国方志所録方言匯編』という本に多くが
まとめられています。これも 16世紀ごろからあります。韻書の類もあるよう
ですが, よく知りません。
それから, 西洋人による記述。ローマ字で書いてあるので貴重です。主に 19
世紀以降で, R. Morrison の『A Vocabulary of the Canton Dialect』(1828)
にはじまり, だんだん北上していきます。ビン南語は Medhurst の『A
Dictionary of the Hok-keen Dialect of the Chinese Language』(1832, [シ
章]州方言, ただしほとんど文語音のみ), 呉語は Edkins の『A Grammer of
Colloquial Chinese as exhibited in the Shanghai Dialect』(1853)があり
ます。聖書とか公教要理などをローマ字で記したものも貴重です。



Re: 「輝」の読みについて

massangeana (2002/10/08 09:56)

みっちぃさん:
「キ・ケ」の 2つの読みのある字としては「気・希・祁」などがありますが, 「輝」が
ケと発音されるというのは知りません。ましてケンは無理でしょう。
人名の漢字をどう読ませるかは特に決まっているわけではありませんが, 「輝優」と
いう名前を見たらたいてい「てるまさ」と読まれてしまうと思います。個人的には
子供が困らないような名前の方がいいのではないかと思います。



(無題)

未菜実 (2002/10/08 08:41)

wreath で発音はリース。
花輪のことです。
http://www.geocities.co.jp/Bookend/4373



リース

マコ (2002/10/08 01:24)

はじめまして。どうしても知りたくて。
リースと調べると、どうしてもレンタルとかの意味しか
出てこないんですが、クリスマスリースやリースブーケに
使われるリースはどういった意味なんでしょうか?
つまらないことなんですが教えてください。
お願いします。



「輝」の読みについて

みっちぃ (2002/10/07 15:54)

子供の名前を「けんゆう」にしたいと思い、とあるサイトで検索したところ「輝優」がヒットしました。しかし「輝」がなぜ「けん」と読むのか納得がいきません。そのサイト内での「輝」の説明では常用音訓として「キ/かがや・・・く」音読みとして「キ(ク)/ケ<hu>」となっていましたが、私が知る限りでは「輝」を「け」と読むかも疑問です。中国語でのよみなり、仏教用語の読みでもなんでもかまいません、なぜ「け」「けん」と読めるのか根拠を知りたいです。名づけまでの期限も迫って困っています。よろしくお願いまします。



訂正↓

いばら (2002/10/07 13:57)

問い合わせのときには、あなたはどなたで、どういう目的で何を知りたいのか、
丁寧にお願いしてくださいね。



問い合わせのときには、あなたはどなたで、どういう目的で何を知りたいのか、
きちんと説明してから、丁寧にお願いしてくださいね。



ちょさんへ

いばら (2002/10/07 13:56)

こちらは「言葉の世界」の掲示板なので、アイヌ語に関する質問ではなく
植物に関する質問でしたらこちらでは回答は得られないと思いますよ。
ここには言葉の専門家はたくさんおられますけれど、植物についての掲示板ではありませんから。

農水省林野庁の関連組織で「独立行政法人 森林総合研究所北海道支所」
という機関があります。こちらに問い合わせてみてはいかがでしょう。
問い合わせのときには、あなたはどなたで、どういう目的で何を知りたいのか、
丁寧にお願いしてくださいね。
もしかしたらこの機関では答えが出てこないかもしれませんが、
そのときにはどこに問い合わせるといいのかも訊いてみてください。

↓独立行政法人 森林総合研究所北海道支所のURLです。
http://www.ffpri-hkd.affrc.go.jp/



ありがとうございます。

ちょ (2002/10/06 17:22)

  佐藤和美さん

どうもありがとうございます。がんばって探したのですがなかなか見つからなくて。
>北海道の根室管内でお願いします。
これの意味は北海道の根室管内だとどのへんに生息しているんですかって意味です。
北海道に住んでいながらオヒョウの木って見たことないんです。
これについても急いでお返事ください。ほんっとにほんっとに急いでるんですっ!!!!!!!!
よろしくお願いしますっ!!!!!!!!!!!!!!!!!



ありがとうございます

zo- (2002/10/06 16:16)

Massangeanaさん

 どうもありがとうございます。本字探し、中国の南方の人って、専門の研究者の方から民間の方まで、好きですよね。やっぱりお国自慢ですかね(笑)?ところで、方言の古い資料ってどんなもんがあるんでしょうか?有名どころを教えていただけたら嬉しいんですが。

 台湾では台湾語、客家語は、時には北京語よりも古くて、詩を吟ずるにも適していて、正統だと言ったり、あるときには中国とは違う言葉だと主張する材料になったり、いろいろ利用されているみたいです。



(無題)

GTG_hk2 (2002/10/06 02:02)

はじめまして


高駒麗人さん

>「香港の新聞でも辺度のように廣東語語彙を使うのだろうか」とおっしゃっていました。
>香港のYahooをみると国語で繁体字という感じですが如何でしょう。映画の字幕や歌の歌詞は廣東語そのままです。

基本的には広東語は書面語ではないので北京官話ベースの「中文」で書きます。
例外は広告、雑誌、落書きなどで、いわゆる香港字を使って広東語で表記します。ただし人によって基本語彙でも使う字が異なったりもします。

学校の教科書や新聞、書物は中文を広東語発音で読むのが一般的なようです。決して広東語に翻訳をしているわけではありません。(漢詩を日本語の音読みで白文のまま読むようなものです)

歌の歌詞も然り。本当に広東語の詩でかかれている歌は一部のラップ位のもので、あとは中文の広東語発音読みとなります。



とりこぼし

massangeana (2002/10/05 23:06)

高駒麗人さん:
>「光頭?」の三文字目
すみません。[イ老]です。
>「保の下に火」
広東語で煮ることですが, 名詞としては土鍋をさすようですね。

zo- さん:
>方言語彙の本字の考証
橋本萬太郎さんの「The Hakka Dialect」p.18 で, 「Etymological studies in pre-modern
China」(本字探しを中心とした近代以前[といっても20世紀前半を含む]の研究書)について,
「Because of their lack of strict synchronic description in terms of modern phonetics and
linguistics, modern scholars pay very little attention to these traditional studies.」といっている
のがふつうの態度ではないかと思います(もっとも橋本氏はそのあと, 資料としては貴重だから
再評価すべきだともいっています)。官話方言以外については 500年以上前の資料などまったく
ないのがふつうですので, 歴史をたどるのはなかなか難しいと思います。それに古辞書にしか
載ってないような僻字をさがしだしたところでどういう意味があるのか...
(なお, アモイ tia~ (なべ)が「鼎」については問題ないと思います。念のため)



アイヌ語サイト

ロスケ (2002/10/05 22:21)

アイヌ語の語彙集のサイト。
参考になるでしょうか?

http://city.hokkai.or.jp/~ayaedu/hazime/ainuc.html



オヒョウ

佐藤和美 (2002/10/05 20:35)

>オヒョウの木について知りたいんですけど、
>情報下さい。できれば、
>北海道の根室管内でおねがいします。

とりあえずサーチエンジンで「オヒョウ」で検索すれば山ほど出てきますね。
例えば、
http://www.ohotuku26.or.jp/chacha/morihaku/wood/wood23.html

>北海道の根室管内でおねがいします。

これはどういう意味?



Re: Ngiam Tong Boon とか

massangeana (2002/10/05 08:34)

高駒麗人さん:
>Ngiam Tong Boon
わかりませんけど, Ngiam ってのは広東語っぽくない音のような気がします。Boon が
姓(「文」?)ということはないでしょうか?

>英語で中華鍋をwok
これは広東語の
>(獲のケモノヘンを金ヘンに変えた字)
だと思います。アメリカで売ってる wok はたいてい電気コンロで使えるように底が丸く
なくなってますが, 隣の香港人に言わせるとそんなのは wok じゃないそうです :-)

>香港の新聞
文字で見る限りは官話と区別がつきませんが, 香港の人はこれを広東語で読んだりしますね。
歌も歌詞カードでは官話に見えるのに広東語で歌ってたり... よくあんな器用なことができると
感心します。

>朝鮮語「ユッケ」
朝鮮漢字音には不思議なことに激音の k- が使われることがほとんどなく, 「kwae快」が
ほぼ唯一の例外になっています。それ以外は帯気音も無気音に合流して「清音」 g- になっ
てしまうのが普通ですが, いちぶ帯気音が h- になって現れる場合があります。
 hak確 hok酷 hang抗 hae楷 hyu虧 heum欠
など。ただし無気音でも hal割 hyeok革 hyul譎 のように h- になるものがいくつかあるの
で, 「帯気音が h- になった」とはいえないかもしれません。
「hoe膾」の場合, 切韻系韻書の反切によれば無気音の方であり, 北京音は規則的には gui
のような音にならないとおかしいです。かなり変わった例ですね。

>日本で... kuaiは「くわい」
「くわい」の方も hui に対応すると考えていいと思います。灰hui1 回hui2 など, いずれも
「くわい」ですから。





zo- (2002/10/05 01:43)

鼎の説は、私も橋本万太郎が書いていたのを読みました。

中華鍋だけを指すかとのことですが、他に鍋を指す言葉は幾つかありますが、総称で鍋という時に「鼎」をつかっても、よかったと思います。間違ってたかもしれません。

ついでに、お伺いしたいんですが、よく方言語彙の本字の考証で、なんだか古い字書なんかから、いろいろ探してきている場合がありますけど、あれってどこまで有効なんでしょうね?

みなさん「ら」の説明いろいろありがとうございました。



アイヌ語おしえてください〜

樺厘 (2002/10/04 23:04)

アイヌ語にめっちゃ興味を持っています
それで、「紅葉」「光」「恋、愛」「川」
のアイヌ語を教えていただきたいです。
お願いします。  すいませんけどできるだけ早めで☆



アイヌについて・・・

ちょ (2002/10/04 16:02)

今アイヌについて調べているちょです。
オヒョウの木について知りたいんですけど、
情報下さい。できれば、
北海道の根室管内でおねがいします。
日曜日までに返事たっっっっっっっっくさん
ください!!!!!!!!!!!!!!
本当に急いでるんでおねがいします!!!



Ngiam Tong Boon

高駒麗人 (2002/10/04 10:55)

http://www.asahi-net.or.jp/~hi5k-stu/アイヌ語地名については「言葉の世界」にも資料がありますが、サンタクンベは有るかどうか難しいところです。

ところで質問です。Singapore Sling(新加坡司令)というカクテルcocktrailを作った海南島出身の中国人Ngiam Tong Boon氏の名は漢字でどう書くのでしょう?何処の方言でしょうか?Yahooで検索しても出ません。あてずっぽですが「厳唐半」の廣東語音でしょうか?

massangeanaさん。唐詩について情報ありがとうございます。廣東では「光頭佬」>三文字目「・」は何でしょうか?部首などを説明してくださいませんか。
>たまに「希望(きぼう)」を「きぼく」と… おお, 過剰修正がかかるのですね。中国語で -ng に終わる音は日本語で「く」がつくことがめったにない, というところまでは思いいたらないんでしょうか。>語学をやる人は遺憾ながら其処まで考えていません。日本語の先生が其処まで教えないからでしょう。中国に8年近くいる日本人がピンインで「形」や「新」を打つ時「xinだっけ、xingだっけ」といちいち悩む。音讀で「い」「う」で終わればng、「ん」で終わればnという事を教わっていないのです。

「鍋」guoについてですが、「保の下に火」bao?が菜単で出てきます。英語で中華鍋をwokと言いますが、これは「鍋」なのか?(獲のケモノヘンを金ヘンに変えた字)なのか、気になります。ご存知のかた、いますか。

廣東語は古代漢語の音節末ptkと9つの声調子の内6つを残しています。音韻に関しては「保守的」だと思います。しかし、北方漢語が勝手に変わったので南が保守に見えるだけです。北京語の「複雑」fuzaを日本語でfukuzatsuと發音しているから日本語は保守的だというようなものです。
語彙については北がどうで南がどうとは言い切れないでしょう。

http://hk.yahoo.com/headlines/021004/busi/prnewswire/p21004002u1htt.html(雅虎香港)、http://big5.xinhuanet.com/gate/big5/www.xinhuanet.com/(新華社繁体中文)
どなたかが「香港の新聞でも辺度のように廣東語語彙を使うのだろうか」とおっしゃっていました。香港のYahooをみると国語で繁体字という感じですが如何でしょう。映画の字幕や歌の歌詞は廣東語そのままです。
http://hk.yahoo.com/headlines/021004/busi/prnewswire/p21004002u1htt.html



Re: 鼎

massangeana (2002/10/04 01:53)

>鍋の意味に「鼎」
これは... 橋本萬太郎さんですか? 違うかな。
ちょっと質問なのですが, 「鼎」と呼ぶのはいわゆる「中華なべ」に限られるんでしょうか。
それ以外のなべも「鼎」っていいますか?

>他の方言に用いられない古語詞
うーん, 東京の言葉の中に古語をさがすのと同様に難しそうですね。広東・アモイと比べた
場合, たとえば「息子」の意味で北京では「児子」を使う, というのはどうでしょう。広東
では jai(仔), アモイでは kia~ ですから「児子」の方が古そうですが。あるいははげた人の
ことを北京では「禿子」というが, 広東では「光頭佬」アモイでは「瑠璃頭」だとか。
でも古語ってかんじがしないのはなぜでしょうね。



kとh 濁音と清音

高駒麗人 (2002/10/03 19:35)

massangeanaさんの御指摘通り、上古代漢語「國」kue"k 、「域」hiue"k の hの有声化音ですが、電脳では国際音声記号が打てませんのでhで代用しました。h^とでも書くべきでしたか。音韻変化としてはh>kよりk>hの方が自然でしょう。廣東語では「会(會)」はhが消えて wuiだったと思います。
huiとkuaiの意味による区別はよくわかりません。「会」はkuaiとhui両方、「絵」は huiだけで、「膾」は kuaiですが、朝鮮語「ユッケ」(肉膾yuk-hoe육회)では「膾」がhoe(회)なので北京語k/朝鮮語hという「分業」でしょう。
「会」のhuiは日本で「ゑ」we>「え」eとなり(一期一会、会得)、kuaiは「くわい」kwai>「かい」kaiになっていますが、日本語で「かい」である単語(会合、会議、大会)では北京語ででkuaiでなくhuiである(会議huiyi、大会dahui)例がほとんどです。一致するのは「会計」kuaiji・「かいけい」くらいです。
>李白の「古風」の中に, 「陌・宅・赫/タ・跖」と韻をふむ詩があります
参考になりました。「易」は「えき」と「やく」の2種があり、これも上古代の音節尾gとkのなごりでしょう。

zo-さんへ
「ら」ra、laは声帯が振動するから有声音であり、有声音=濁音、無声音=清音と定義すると「ら」は濁音です。英語と日本語ではh、m、n、rは清濁の対立がないのですが、hは清音でmnrは濁音です。ただ「ま」ma、「な」na、「ら」raは濁点が無いので濁音でないように思えるだけです。日本語の濁音は定義が曖昧で「ヴ」の「”」は有声化でなく摩擦化(ウェwe>ヴェve)であり、「ば」は「は」haの有声化h^aでなくて、唇有声破裂音bによるbaを現し、対応する清音(無声音)は「ぱ」paです。「ぱ」paを半濁音と称するのは誤りで、半濁音とは「ぱ」paと「ば」baの中間の音のことになります。



サンタクンベ川

森島秀和 (2002/10/03 18:00)

釧路郡釧路町別保出身なのですが、近くの川にサンタクンベ(たぶん)という名前が付いていました。その意味が知りたいのですが?ちなみにいろいろなサイトなどでニックネームとして使用しています。よろしくお願いします。



お国自慢

zo- (2002/10/02 22:19)

うーん、そうかもしれません。私も、そういう書き方を見るたびに「ほんとかなあ?」と思っていました。語彙に関しては、音韻と違い体系的なものではないので、全体的に古い語彙を残しているということはないのかもしれません。語法に関していえば、文献に残る語法では唐宋元明の言い方と思われるものが、アモイ語などに見られるので、やっぱり北方方言よりは保守的かと思うことがあります。ただ、私の頭にある北方方言は教科書の普通話なので、実は北方方言もそんに単純なものではないのかも知れません。

語彙のことなんですが、例えばアモイ語では鍋の意味に「鼎」を用いられることが有名で、その他幾つかそういうのがありますが、北京語には、他の方言に用いられない古語詞みたいなものってあるんでしょうか?

「ら」の問題、ありがとうございました。私には難しくて分からないので・・・。どうして清濁の対立のない清音としてはいけないのか・・・。やっぱり分かりません。



南方方言は保守的か?

massangeana (2002/10/02 17:33)

zo- さん:
「南方方言が古い語を多く残している」というのは単なるお国自慢の気味があり,
私はあまり信じていません。実際に数百ていどの基礎語彙をとってみて, 北京と
広州のどちらが古語に一致する率が高いかを比べてみるといいと思います。といい
つつじつは 20語ほどやってみたのですが, 古語の基礎語彙をどうとったらいいの
かよくわからないので, 途中でほっぽってしまいました ^_^; その限りでは北京も
広州もどっちもどっちで, 古語(上古)との一致率は 50% を切る程度のようです。
なお北京と広州では 70% 程度の語彙が一致するという調査があります。

>唐詩
入声で押韻すれば差が出るかもしれませんが, 近体詩は平声で押韻しますの
で, これも本当に差が出る場合は少ないのでは。
李白の「古風」のなかに, 「陌・宅・赫/タ・跖」と韻をふむ詩があります
が, 文語音で読めば mo - zhe - he / ti - zhi で, それほど変ではありません。
平仄まで考えれば, 北京では入声が 1声・2声にはいるものと 3声・4声にはいるもの
があるのでまずいでしょうが, 現代人がどこまで平仄を気にするものか, ちと疑問です。



Re: kとhとf

massangeana (2002/10/02 14:42)

高駒麗人さん:
>上古代漢語では「國」はkue"k で、「域」はhiue"k
これは h でなく, h の上が曲がった字ではないでしょうか。カールグレン・李方桂らによる
と, この「上の曲がった h」 は g に由来しますので, もともとは k (無声無気)と g (有声)
の対立, ということになって, ここの話(帯気音の摩擦音化)とは無関係になります。

>「会」の漢語音kuaiとhui(huei)は同系
kuai の音がどのようにして発生したのか知りませんが, 中古音から規則的に求められる音は
hui の方で, 広東語の場合の k → h とは向きが逆 (h → k) になるのでは。また広東語の場合
時代による変化なのに, kuai/hui の場合は意味の違いによる発音の差であるところも気になり
ます。

>「係」
広東語のほかに客家でも he のようです。方言でなくても, 固い文章にでてくることが
ありますが, そんなに古くからあるわけではないようです(明代以降?)。なぜ「係」が
「是」の意味で使われるようになったのか, ちょっとわかりません。あて字だとしても,
本字は何なのか...



有声音と無声音

massangeana (2002/10/02 13:59)

zo- さん:
>声帯の震わせ方
有声音と無声音の差は, 閉鎖の持続部において声帯が振動しているかどうか, なので
ふるわせ方がどうか, ということは一応度外視していいと思います。

北京語の実験音声学については, 古いですが梶原昌八氏の研究(『言語研究』12, 1943)
というのがあります。それによると北京語の l は 2種類の音が順にでてくる(最初に持続部
のなめらかな音, それから閉鎖を開放したときの噪音)そうで, 持続部で声帯が振動してい
るのは明らかなので, 有声といっていいでしょう。
[もとの文献が手元にないので, ノートみて書いてます。不正確かも]

北京語の無声無気音はほぼ破裂と声帯の振動が同時ですが, 特に 2声・3声・
軽声では, 持続部の途中から声帯がふるえはじめる「半有声音」になりやすい
そうです(ただし個人差もあり)。



なるほど

zo- (2002/10/02 12:14)

高駒麗人さんへ

ありがとうございます。清音と濁音の区別の基準は一応知っていたのですが、「か」が清音で「ら」が濁音だという、基準がわからなかったんです。「か」という場合と「ら」という場合の声帯の震わせ方に、どの程度差があるのかが、疑問というか、「ら」を濁音に置くのは便宜的なものではないかという気もするのです。で、実験音声学などで、「ら」の声帯の震わせ方が、「さ」「か」「た」よりも、「ざ」「が」「だ」に近いという現象が認められているのかなあと思ったわけです。



有声子音、無声子音ってなんですか?

黄東洋 (2002/10/02 04:30)

黄東洋と申します。
http://www.scn-net.ne.jp/~language/kyosokhon/ky2aShindake.htm
このサイトをご覧ください。sとfは無声子音/清音です。英語と日本語ではM, N, NG, L, W, R, Jは有声子音(濁音)だけで、ペアとなる無声子音(清音)を現す文字は無く(whatのwhはwの無声化だが実際は[Φ]と[x]を同時に發音している物)、Hは無声子音(清音)で、ペアとなる有声子音(濁音)を現す文字はありません。日本語「はは(母)」hahaの二番目のhが有声化するようですが、軽い発音では「はは」は「はあ」haaになっています。
http://www.scn-net.ne.jp/~language/kyosokhon/ky2aShindake.htm



訂正(濁音について)失礼しました

高駒麗人 (2002/10/02 00:48)

自鳴音の場合、有声音(濁音)に関してはm,n,r,l,w,y(ドイツ語では j)のような文字があるものの、これらの無声化音(清音)に関しては、特別に文字を用意していません。
http://members.tripod.co.jp/songjun/index-2.html

唐詩に関しては「大地の子」ラストシーンで御馴染みの李白の詩
「朝辞白帝彩雲間 Jian、千里江陵一日還 Huan、両岸猿声啼不住 zhu(或いは尽jin)、軽舟已過萬重山 Shan」のように、1、2、4行で韻を踏んでいるのが多いのですが、jianはヂエンに聞こえるので「山」shanと韻を踏むには廣東語「間」gan、「山」sanの方がいいかもしれません。入声で韻を踏んでいる詩が有ったら廣東語なら押韻できますが北京語では無理でしょう。(後で例を探してみます)
http://www.mmjp.or.jp/chinasaloon/kouza-kansi.htm

http://www2.big.or.jp/~yabuki/doc3/kyo13-31.htm
北京語では「乾+菜」だが、廣東語では「菜+乾」。おんどり、おうしは南方では「鶏公」「牛公」だが、北方では「公鶏」「公牛」。南方漢語では形容詞や副詞が後置されるようです。「先吃」が「食先」になるようです。「日本語」「漢語」「朝鮮語」は「国・民族名+語」ですが、Bahasa Malaysiaや Tieng Viet(ことば・越=ヴェトナム語)では「語+国・民族名」です。南方漢語はこの影響を受けたのでしょう。

http://www.mmjp.or.jp/chinasaloon/kouza-kansi.htm
http://www.nifty.ne.jp/forum/fchina/jp/tangshi/02.htm



Lが何故「濁音」か

高駒麗人 (2002/10/01 23:41)

zo- さんへ
濁音/有声音とは声帯が振動する音で、清音/無声音は声帯が振動しない音です。漢語のlは声帯が振動する「有声側音」(voiced lateral sound)で、中国の言語学(語言学)では「濁辺音」zhuobianyinと呼ばれます。
「か」が清音kaを現し、「が」が濁音gaを現すのは、初めに清音用に文字「か」を作ったからです。 もし初めにgaを「か」で示していたら、
日本人は清音kaを「が」や「か°」(か+小さい圓)で現し、
「”」「°」は濁点ならぬ清点と呼ばれたことでしょう。
普通、流音r、lと鼻音m、n、ngは初めから有清音rmnのみで、日本ではこれらを現すために例えば「良」から「ら」、「末」から「ま」、「奈」から「な」が作られました。
http://homepage1.nifty.com/snap/room04/c01/nihon/nihon04.html(平假名の起源)
これらは濁音なので改めて対応する濁音が発生するわけはないのです。もし古代日本語の「ら」行が無声音だったら今ごろ「ら」はそちらを現し、今我々が発音している濁音の「ら」は
「ら”」と書かれていたことでしょう。逆に、もし今の日本語に無声化したラ行が出現したら「ら」に点や圓をつけて現すでしょうが、そうはなっていません。

ローマ字では破裂音や摩擦音の場合、清音p,t,k,f,sに対して濁音b,d,g,v,zのように異なる文字がありますが、自鳴音の場合、有清音に関してはm,n,r,l,w,y(ドイツ語では j)のような文字があるものの、これらの無声化音に関しては、特別に文字を用意していません。
下に小さい圓を付けるか(m。n。r。l。)、あるいはmh、nh、lh(Lhasa)のようにhを後続させるのが普通です。ウェイルズ語ではllで無声のlを現します(Lloyd人名)。但し、英語のRhapsodyやrhythmのrhはギリシャ語の有気音のrであって、清音化ではないようです。

「鼻濁音」は普通ガ行音ngのみを現すのに用いられますが、マ行音mとナ行音nも有声鼻音(voiced nasal sounds)なので鼻濁音(濁鼻音zhuobiyin)です。「ら」行、「ま」行、「な」行が「清音」に思えるのは単にカナで書いたら濁音がないからで、音声学的には濁音です。
http://www.geocities.co.jp/CollegeLife-Labo/6084/onin.htm



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