言葉の世界・伝言板 2001年12月



イムジン河

佐藤和美 (2001/12/31 18:22)

今年の紅白はキム・ヨンジャが「イムジン河」を歌うんですね。
この歌がTVで放映されるなんて、そういう時代になったんですねぇ。

『地名の世界地図』P120では「イムジン江」って書いてるけど、歌の題名としては「イムジン河」ですね。
今年は『地名の世界地図』に追いかけられた一年だったけど、締めもこの本のネタで締めるとしましょう。



sextuor

佐藤和美 (2001/12/31 18:20)

「sextuor」ですが「セクステュオル」ってとこでしょう。



読み方教えてください。

よこひろ (2001/12/31 12:46)

フランス語で、「sextuor」っていう語の、読み方教えてください。
カタカナでふってもらえると嬉しいです。



Re:ダイク? ダイキュウ?

未菜実 (2001/12/30 09:22)

佐藤さん、ありがとうございました。



Re:『各々』の読み方

田島照生 (2001/12/27 14:35)

>ライズ様
「そうさい」は「そうさつ」でも構わないとおもいますが、辞書によってあつかいが
ことなります。たとえば『岩波国語辞典(第五版)』では「『そうさつ』は誤読」と
明記しています。しかし、『三省堂国語辞典(第五版)』では「そうさつ」を空見出し
にし、「そうさい」の項を参照するように指示しています。『新潮国語辞典(第二版)』
になると、「そうさい」「そうさつ」を別べつにあつかい、「そうさい」には法令用語
といての義とその派生義をあげ、「そうさつ」には第一義として「ころしあうこと。」の
意をあげています。ここですこしふるい辞書をみてみると、『明解國語辭典』(昭和18
年刊)ではすでに「そおさつ」がみえ、「さうさい」と附してあります。
文化庁編『ことばに関する問答集【総集編】』では、以下のような見解が示されています。
「『相殺』は、債権・債務についての法令用語として用いられていたものが、次第に帳消し
にすることとか、差し引き零にすることとかの意味で、一般的にも使われるようになってき
たものであり、それに伴って、『殺』の字音のうち、使用分野が狭く使用度の低い『サイ』
よりも、一般的な音である『サツ』で読まれることもあるようになったと見ることができる
であろう。」(340頁)

さて、つぎに「各々」についてのべておきましょう。この問題にかんしては、まず「各各」
か「各」かという「表記」の問題にかんして議論がなされることがおおいようですが、ひと
まずそれは措きます。「読み」の問題に移りますが、結論からさきに申しますと、この読み
は「かくかく」でも構わないでしょうが、しかし一般的ではないので使用しないほうが無難
です。「各各」という語はすでに『後漢書』や『呉志』にみえ(『漢語大詞典』参照)、こ
れは支那に由来するものです。丸谷才一は『丸谷才一の日本語相談』のなかで、「おのおの」
は「オノモオノ」(モは並列の助詞、オノは己の意。つまり自分の意。)がもとのかたちで、
のちに「モ」が脱落したものとみていますが(『日本国語大辞典(第二版)』によれば、この
語原説は『俚言集覧』にもとづいているようです)、「各」という表記がそもそも正しく、「各
各」という熟語がなかったかのようにおもっているようですが、「各各」はふるくから存在し
ます。しかも、この「各各」は日本語のなかにもとりいれられています。
『日本国語大辞典(第二版)』によると、『日葡辞書』(1603-04)には「vonovono(ヲノヲ
ノ)」もありますが、しかし、「Caccacude(カッカクデ)ゴザル〈訳〉相異なる。または全く
違う」(邦訳)と、「カクカク」もみえます。おなじ17世紀に成立した『茶屋諸分調方記』(1693)
にも「それはそれはめんめんかくかくのこころなり」とあります。そして、「各各」という表
記じたいがあらわれるのはよりふるく、『本朝文粋』(1060頃)にすでに見られるようです。
いっぽう、「おのおの」(をのをの)十世紀前に成立した『伊勢物語』にすでに見え、日国大
の語誌欄に、「初め複数の物や人のそれぞれを指していう用法であったが、中世初期の軍記物
語あたりから複数の相手への呼称・指示の場面で使われて」云々とあることから、丸谷氏のよ
うに、「各」と「おのおの」がもとは一であったとかんがえるより、「かくかく」と「をのを
の」は別系統で、いつしか混用されるようになったとかんがえることも可能ですが、「各各」
に「おのおの」を「宛てた」とかんがえることも可能です。いずれが正解かはわかりません。
しかし、「各各(おのおの)」が「かくかく」と読まれるようになったということはありえず、
「かくかく」はずいぶん昔から存在していたわけで、あなたの上司のように、「慣用」とみる
のはあやまりです。さきに私は「かくかく」でも間違いではないというようなことを申しまし
たが、それでも「斯く斯く(「かくかくしかじか」の「かくかく」)」と混同されがちなので、
なるべく避けて「おのおの」と読むほうがよいとおもいます。それに現行の辞書には「かくか
く」の項はありませんし(あるとすれば日国大のような大型の国語辞書か漢和辞典)、大勢に
したがって「おのおの」と読むのがいまのところは「正解」だとおもいます。



Re:ダイク? ダイキュウ?

佐藤和美 (2001/12/27 12:00)

未菜実さん
>下らない質問でごめんなさい。^^;
>12月と言えば「第九交響曲」。ところで、これはなんと読むのが正しいのでしょう?

『音楽中辞典』(音楽之友社)には「第9交響曲」は「大峡谷」の次にあります。つまり「ダイク」ですね。



『各々』の読み方

ライズ (2001/12/26 17:51)

はじめまして、漢字についていろいろ検索していて
ここを見つけました。

いきなり質問で申し訳ございませんが、
『各々』の読み方について教えてください。

実は、上司が『各々』を『かくかく』と言っていたので
「『おのおの』ですよね。」と言ったところ、

「いや、『かくかく』でもいいんだよ」と言いました。

家で辞書を調べてみましたが、『かくかく』はのって
いませんでした。

後日、「『かくかく』は間違いではないのですか?
辞書にものっていませんよ。」と言ったところ、
「いや、あってるよ。小さい辞書でも見たんじゃない?」
と言われてしまいました。

私が「でも、日本語としてはおかしいですよね?」と
言うと上司は、鼻で笑いながら
「君は日本語を守る会なの?
 『チョーOK』とかも駄目なの?」と言い出しました。

以下問答で書かせてください。

私 「『チョー』は日本語だからかまいません。」
上司「いまいち」
私 「何がいまいちでしょうか?」
上司「漢字は、好きに読んでいいんだよ、
   お互い殺すと書いてなんと読む?」
私 「『そうさい』です。」
上司「『そうさつ』でもいいんだよ。
   僕が中学の時の試験では『そうさい』しか
   ○をもらえなかったけど、
   今は、『そうさつ』でも○じゃないのかな?
   なにをもって日本語かわかる?」
  「『かくかく』は『そうさい』の例とは
   ちょっとちがくけどね」
  「もう少し勉強してから会話しようよ」

と言われてしまいました。
『チョー』がOKなら、『かくかく』もOKなのでしょうか?

そもそも『かくかく』は辞書に載っているのでしょうか?

ながながと申し訳ありませんがよろしくお願いします。



続。こんな意味の言葉…。

よこひろ (2001/12/26 12:32)

「sextuor」(フランス語)の
発音ってどんな感じでしょうか?
できたらカタカナかなんかで書いてもらえると良いんですけど…。



ありがとうございました

アキラ (2001/12/26 09:14)

佐藤様
「キーマー」、「キーモー」の説明、ありがとう
ございました。勉強して、また投稿します。



田島様へ

金子幸弘 (2001/12/26 01:49)

田島照生様命の語源について詳しいご説明をいただきありがとうございます。
本当に感謝、感激です。



Re:命の語源と熟語について

田島照生 (2001/12/25 23:36)

ひさしぶりでここへ来ました。

>金子幸弘様
『日本国語大辞典(第二版)』をひくと、「語源説」欄に以下のようにあります。
(1)イノウチ(息内)、イノチ(気内)の義[和訓栞・大言海・音幻論=幸田露伴]。
またイキノウチ(息内)の約[名言通]。
(2)イキノウチ(生内)の約[和句解・日本釈名・古言類韻=堀秀成]。
(3)イノチ(息路)の義か[俚言集覧]。
(4)イノチ(息続)の意[日本語源=賀茂百樹]。
(5)イキネウチ(生性内)の約[日本語原学=林甕臣]。
(6)イノキ(胃気)の転声[和語私臆鈔]。
(7)イノチ(息力)の義か[和字正濫鈔]。
(8)イノチ(生霊)の義[国語の語根とその分類=大島正健]。
(9)イノチ(息霊)の意[日本古語大辞典=松岡静雄]。

白川静著『字訓』では、「イノチ」=「生の霊」と説いています。上の(8)説ですね。
「イノチ」の「イ」はおそらく「生き」「息吹き」の「イ」におなじでしょう。
「気息」と「生命」とを結びつけるかんがえかたは、さまざまの民族に共通で、たとえば
ラテン語Spiritus、ギリシャ語Pueuma・Psyche、漢字「気」などの存在からもそれが
知れます。あるいはi音に「イ」と連関があるのではないかとかんがえる学者もいます。
たとえば英語のSpirit、Animalを「息をするもの」の意で解するわけです。
また土橋寛は、「イノチ」を「イ(生命)のチ(ちから)」、すなわち「生命力」と解し
ています(『日本語に探る古代信仰』)。ここで「ちから」とは「チそのもの」で、この
ばあいの「チ」はつまり「霊力(あるいは霊)」のことです。「ミツチ」「カグツチ」
「イカツチ」「ヲロチ」など、神名などの核としてあらわれるのが「チ」です。また、
くわしい説明ははぶきますが、枕詞にみられるように、タマキハル(魂剋)と「内(ウチ)」
または「命」とはふかい関係にあるので、「内」=「命」とみられていた可能性がたかい。
だとすると、イノチの語構成としてあがっている「息力」「生内」「生霊」「息霊」などは
きわめてちかしい関係、というよりもほぼ同義だとみたほうがよいかもしれません。

さて、「命」の字源(藤堂明保によれば「語源」)に話をうつしますが、藤堂氏は「命」はまず
「鳴」「名」と同系とし、上部のつくりを「あつめる」の義、「卩」を跪く人間を象ったものと
解し、「人をあつめて口で指図する義」としました(『漢字語源辞典』・『学研漢和大字典』)。
いっぽう白川静は、「神官が礼帽を戴き、跪いて神託を受ける形」とし、古文で「令」と表記
されていたことから、のちに加えた「口」は「祝詞を容れる器」と解しました(『設文新義』)。
とまれ、「命」には派生義をふくめて約三十義あります(『大漢和辭典』には二十八義)。
「天命」の「命」は「革命」の「命」におなじで、かんたんにいうなら「天の意向」のことです。
「天命」は、ただ「命」といいかえてもよく、わかりよくするために「天」を冠したわけです。
「天」とは「皇天」「上帝」のことで、実体のないものです。余談ですが、柳父章に『ゴッドは
神か上帝か』という著書がありますが、じっさいには「God」≠「神」≠「上帝」であって、これ
は「問う必要」すらない問題です。ローマン・ヤコブソンが主張するように、ある言葉の意味を
表現しようとするなら、それは「翻訳」であることにかわりはなく、意味というものはそもそも
内部にすら「存在しない」。意味を問うこととは、その言葉から離れることにほかなりません。
さて、「寿命」のばあい、「命」はイノチの意ですが、しかし「天よりあたえられた」という
ニュアンスがあるのにかわりはありません。「立命」の「命」も「天から与えられた本性」くら
いに解するのがよろしいでしょう。「命令」の「命」もやはり、上から(たとえば君→臣)なに
かが「あたえられる」という意にもとづいています。ほかの熟語にかんしては、漢和辞典でお調
べになるとよいとおもいます(「天命」にかんしては、宇野哲人著『中国思想』の「序論」が
簡にして要を得ています。ぜひご覧ください)。



キーモー、キーマー

佐藤和美 (2001/12/25 13:00)

アキラさん
>「キーモ」又は「キーマ」は毛深い人の意味だと
>佐藤様から教えていただいた下記リンクにありました。
> 「沖縄語辞典」では、「毛無し」とあるそうですが
>まったく逆でおもしろいですね。
> ちなみに、茂みのことを沖縄の方言では「モー」と
>いうそうですが何か「キーモー」の「モー」と関係がないでしょうか

http://ryukyu-lang.lib.u-ryukyu.ac.jp/
には
キーマー (名詞) 毛深い者。毛むくじゃら。
と、ありますが、
「キーモ」は見当たりません。
どこを見てるんでしょうか?
「逆」かどうかはそれからですね。

マー (接尾辞)
密にある意の接尾辞。キーマー kiimaa.( 毛深いこと、毛深い人) 。

モー
野。野原。耕地でもなく、林でもない荒れ野。

せっかくWeb上に辞典があるのですから、上手に使ってみてください。



命の語源と熟語について

金子幸弘 (2001/12/25 00:32)

命の語源と命を使った熟語「天命」「知命」「使命」「立命」「寿命」等の命の意味
そして、命とはなんぞやを教えて下さい。



スモールポックス

語源ファン (2001/12/24 11:58)

いつも楽しく読ませていただいております。一つおたずねしたいのですが、
「天然痘」はなぜ「天然」なのでしょうか。どなたかお答えいただければ
幸甚です。



「キーモ」再び

アキラ (2001/12/24 11:30)

「キーモ」又は「キーマ」は毛深い人の意味だと
佐藤様から教えていただいた下記リンクにありました。
 「沖縄語辞典」では、「毛無し」とあるそうですが
まったく逆でおもしろいですね。
 ちなみに、茂みのことを沖縄の方言では「モー」と
いうそうですが何か「キーモー」の「モー」と関係がないでしょうか

       記

http://ryukyu-lang.lib.u-ryukyu.ac.jp/



キーモー

佐藤和美 (2001/12/24 10:26)

国立国語研究所編「沖縄語辞典」(大蔵省印刷局)からです。

kiimoo(名)
あるべきところに毛の無いこと。また、その者。ひげの無い者はhwizimooという。

-moo(接尾)
体のある部分が無いもの。…無し。hanamoo(鼻の無い者)、kiimoo(あるべきところに毛の無い者)、hwizimoo(ひげ無し)など。


「hwi」→「フィ」

「琉球語音声データベース」
http://ryukyu-lang.lib.u-ryukyu.ac.jp/



「きーもう」の意味について

アキラ (2001/12/24 00:30)

 いつも楽しくみてます。

 さて、沖縄の方言で「毛深い人」のことを
「きーもう」というそうですが
きー(毛)の後につづく「もう」
の意味がわかりません
 どなたか教えてください。



Re^2: lunatic

青蛙 (2001/12/23 23:44)

massangeana さん:
『新英和大辞典』では英語の -ic 語尾を持つ形容詞は、なべて
< -ique(フランス語)< -icus(ラテン語)< -ikos(ギリシア語)と、
それぞれの語源となる語が掲げられていたので、みなギリシア語源なのか
と思ってしまいました。しかし、個別に見ていくと、いつ頃どのような経
路でそうなったかによって、必ずしもギリシア語にまで遡るのではないわ
けですね。
massangeana さんが例示しておられた practical など、英語の段階で、英
語化した practic にラテン語由来の接尾辞 -al がついたものと解釈する
こともできますし。

いろいろとご教授いただきましてありがとうございました。



Re:方向音痴(地名の世界地図)

佐藤和美 (2001/12/23 08:03)

私も方向音痴のネタを一つ。

P50-52
「ローマ帝国の繁栄にも陰りがみえはじめた頃、ドナウ川から黒海沿岸にかけて住んでいた西ゴート族は、ウラル山脈の西側に拠点を置いていたフン族がボルガ川を渡って侵入してきたため、ドニエプル川を東から西に越えてローマ帝国内に逃げ込んでいった。」

・「ドナウ川から黒海沿岸にかけて住んでいた」って、ドナウ川は黒海に流れ込んでるんですが。

・「ドナウ川から黒海沿岸にかけて住んでいた」のが、どうして「ドニエプル川を東から西に越え」られるんでしょう?



Re: lunatic

massangeana (2001/12/20 16:52)

>arctic
これも arktos (熊)由来なので arkt-ikos なのだろうと思いますが, 確かに-tikos でまとまっているなら結構ありますね。 prak-tikos とか。英語だとなぜかラテン語の語尾をつけて practical になってしまっていますが。

>lunatic
これは luna に (-atic でなくて) -tic(us) がついたのだと思います。ラテン語固有の言葉に -ticus で終わるものがいくつもあるので, 必ずしもギリシャ語の影響と考えなくてもいいと思います。つまりギリシャ語にも -tikos があり, それとは独立にラテン語にも -ticus があったということで。なんたってどっちも印欧語族ですから :-)

>『研究社 新英和大辞典』
いろんな由来のものが雑多に英語に入ってきた結果, 「英語としては」 -atic という接尾辞があると意識されるようになった, ということではないでしょうか。



最近の『地名の世界地図』

佐藤和美 (2001/12/20 08:33)

特殊アルファベットですが、ちょっとづつ増えてるようです。

P102
ソシエテSociété諸島

P237
アイスランド Ísland

P243
ケーベンハウン Kφbenhavn

訂正されてるところも同じようにちょっとづつですが増えてるようです。

P44
「ケルトCeltとは、その意味が、「石おの」であるように、古代人の名称である。」→「ケルト人Celtとは、言葉をはじめとした共通の文化的特質をもつ人々の名称である。」

P64
「クルナ・ゴラ」→「ツルナ・ゴラ」

P115
「漢四郡を楽浪郡に置いてからは」→「漢四郡の一つとして楽浪郡を置いてからは」

P138
「交跡」→「交趾」

P204
「Russhoe More」→「Russkoe More」

P241
「ジェベルdjebel」→「ジァバルjabal」

P245
「ハンガリー共和国……一九八九年、共和制に移行」→「ハンガリー共和国……一九八九年、共産党独裁が終了」

P256
「開放」→「解放」

etc

なにぶん訂正が牛歩なもんで、新しい間違い・疑問点の個所を見つけるスピードのほうが早そう。

それにしても1刷以降何カ所くらい修正になってるのかな?
(アイヌ語とかババロアのところは数え方に困るけど。)
この本のビリーバー(信じてる人)で古い版を持ってる人はご愁傷様です。
あ、今でも古い版売られてるんですね。正誤表なしで。

ところで「オスマン・トルコ」という言葉ですが、『世界史事典』(旺文社)にはこうあります。
「これまでオスマン-トルコ帝国と記述されることが多かった。しかし近年の研究で、君主(スルタン)がトルコ人でイスラーム国家だが、多民族と多宗教を包摂し、高級官僚も民族・宗教の別なく登用したところから、単にオスマン帝国と記述されるようになった。」
私は6月にこう指摘してます。
「最近では「オスマントルコ」は「オスマン帝国」と表記する。(最近の「世界史」の教科書でも見てみればいい。)」
『常識の世界地図』1刷(2001年9月20日発行)では「オスマン帝国」を使用。
『地名の世界地図』13刷(2001年9月25日発行)では「オスマン・トルコ」を使用。
『地名の世界地図』では「オスマン帝国」に変更する気がないようですね。
知ってて直さないということです。



Re^2: lunatic

青蛙 (2001/12/20 01:46)

田邉露影さん:
> 借用語+英語接尾辞には
> beautiful, gentleman 等の例があります。
確かに、この種の hybrid(混種語)は決して珍しいものではないですね。
ウルトラマン:ultra(ラテン語)+man(英語)とか(^^;
# 英語に借用された ultra をローマ字読みしたものなのでしょうけど。

massangeana さん:
-ic は他に、真っ先に arctic が思い浮かび、やっぱりギリシア語源じゃんと思っていたのですが、aquatic なんてのもありましたね。ということはローマでも早くからギリシア語の -ikos が取り入れられていたということなんでしょうか。

> ギリシャ語に -atikos なんて接尾辞ありましたっけ?
こんなことを言うと、また田邉さんから「辞書を信じてはいかん」と言われそうですが、『研究社 新英和大辞典』第5版(先回は「新」が抜けていましたm(_ _)m)に -atic が立項されていたものですから。語源欄に「Gk -atikos」とありました。-ic < -icus < -ikos が形容詞を作る語尾だとわかっていたのですが、それでは -at- はなんでしょう?『新英和大辞典』では完了分詞語幹ってなっていましたけど。
massangeana さんが例示しておられたもののうち、mathematikos と dramatikos はそれぞれ -at が名詞の語根にありますよね。
  主格   属格    語根
 mathema mathematos mathemat-
 drama  dramatos  dramat-
demokratikos は demos + kratos + -ikos ですから、ここでも kratos の語根に -at- は見えます。
しかし、lunatic < lunaticus はどうでしょうか。この場合の -at- はどこから来たのでしょう?
stella(名詞)< stellare(動詞)なんてのがありますから、lunare なんて動詞もあるんでしょうか。これなら『新英和大辞典』にある完了(受動)分詞の語幹で説明できるのですが。


ところで、前回の pole < polaris
は polar < polaris
の誤りでした m(_ _)m



Re^7:月と狂気

青蛙 (2001/12/20 01:45)

私も、この件についてはこれで最後にします。

未菜実さん:
仰るとおりです。「潮汐力」とあるように、月の重力は海水に影響を与えて潮の満ち干を引き起こしますが、当然固体である地殻にも影響を及ぼしています。そしてそれが地震発生の要因になることも十分に考えられます。しかしそれは、天体間(地球−月)というマクロな視野から言えることで、人間各個人の「狂気」の引き金になることとは直接つながりません。そもそも狂気と関連付けて考えられているのは月の位相(満ち欠け)であって、潮汐力は後付けされたものでしょう。(例えばA・L・リーバーの「バイオタイド理論」)

それから、地震の前兆とされる、いわゆる「宏観異常現象」も、地質異常については評価されていますが、動物の異常行動やいわゆる「地震雲」については
> 地電流、地磁気の変化や不活性ガスの発生等物理現象
などで「説明」できても、まだ「証明」するまでには至っていないと思います。今後も「認知バイアスがもたらす錯覚性の予言の罠」に陥らない、地道なデータの積み重ねが必要なのでしょう。

・菊池 聡『予言の心理学―世紀末を科学する』KKベストセラーズ・1998, pp.75-96
・皆神龍太郎・志水一夫・加門正一『新・トンデモ超常現象56の真相』
 太田出版・2001, pp306-309(該当項目は皆神龍太郎氏が執筆)



Re: こんな意味の言葉…。

UEJ (2001/12/19 23:12)

「六重唱団」のことでしょうか?
フランス語は「sextuor」
英語では「sextet(またはsestet)」です。

↓英語に関してはこのページが便利
http://members.cts.com/hollywood/d/davidtan/site25/25nterms.htm



こんな意味の言葉…。

よこひろ (2001/12/19 18:11)

フランス語で、「歌手」とか、
「歌う6人の男」の様な意味の、短い語ってありますか?



そもそも

massangeana (2001/12/19 17:57)

ギリシャ語に -atikos なんて接尾辞ありましたっけ?
mathematikos, dramatikos, demokratikos はそれぞれ mathemat-ikos, dramat-ikos, demokrat-ikos であって, -atikos でまとまってるわけじゃありませんよね。



漢語の語源

李氏 (2001/12/19 17:41)

お久しぶりです。
一昨年、佐藤さんのページでお邪魔しました李です。
この間、漢語の語源研究を取り組んでいました。HPとしてまとめました。
例えば:「河」という字は「可」の字となんの関係があるのか?
    「河」の古音gharはなにを意味するのか?
    「告白」の「白」はなんの意味ですか?
    「白」と「拍」、「迫」、「箔」、「薄」などと語源上のつながりがあるのか?
こういった問題に対して、自分なりの解釈を試みました。
皆さんのご意見にも聞きたいので、興味ある方は私のHPに遊びに来てください。
http://home.att.ne.jp/iota/gogenkenkyu/

語源研究の以外に、和歌、俳句も書いています。
日本語の達者の皆さんのご批評を心からお待ちしております。



Re: lunatic

massangeana (2001/12/19 17:23)

lunaticus は古くないかもしれませんが, aquaticus (水の・水生の), silvaticus (森の・野生の), viaticum (路銀) などは古典期の用例があるようです。



クリスマス

佐藤和美 (2001/12/19 15:26)

もうすぐ、クリスマスですね。
さて、googleで検索。

X'mas 約248000
Xmas  約730000

「X'mas」の勢力、あなどれないですね。



Re:へべれけの由来経緯

佐藤和美 (2001/12/19 12:36)

UEJさんが「……とか」と書いてるのに、不適切な紹介でした。
UEJさん、みなさん、すいませんでした。



Re:恋愛

佐藤和美 (2001/12/19 12:09)

こんな本もあります。

「翻訳語成立事情」佐藤和美 (1999/09/28 00:25)
>岩波新書に柳父章「翻訳語成立事情」という本があります。
>翻訳語の成立過程を追跡している本です。
>この本であつかっているのは、
>「社会」、「個人」、「近代」、「美」、「恋愛」、
>「存在」、「自然」、「権利」、「自由」、「彼、彼女」
>の10コの翻訳語です。



lunatic

田邉露影 (2001/12/19 10:37)

>青蛙さん
> これでは木に竹を接いだようなものだからです。

借用語+英語接尾辞には
beautiful, gentleman 等の例があります。



Re^6:月と狂気

未菜実 (2001/12/19 09:27)

言葉に関係なくてごめんなさい。これで最後にします。

>「迷信」の一言で片付けてしまうのもいささか乱暴ではないかと(^^;
同感です。
先ず、影響が無いと言う証明はとても難しいと言う事があります。
つまり、全ての可能性を排除しなければならないからです。

例えば下に一例を挙げますが、この件について可能性の否定はなされていないはずです。
このような可能性を全て消去した後に始めて非科学的だと言えるのだと思います。

今年、東北大の大竹教授が日本地震学会で発表されていますが、月の潮汐力が地震の発生
に明らかに影響を与えています。(潮汐力は必ずしも液体に作用するのではなく、固体に
対しても働きます。月の自転周期と公転周期が同じなのも地球の潮汐力が月に与えた影響
です。)

一方、地震が起きる際の前兆現象として動物の行動に明らかに影響があるという報告は非
常に多くあり、中国では地震予知に使っているほどです。
この動物への影響は地電流、地磁気の変化や不活性ガスの発生等物理現象で証明されます。

とすると、月の潮汐力が地球の地盤に影響を与え何らかの物理現象を発生し、それが人間
を含む動物に影響するというのは否定できない可能性があります。
もちろん、人によって感受性が違いますので全ての人間に起こるわけでは無いでしょうし、
地下を構成する岩盤の岩石組成によっても影響は異なります。



とんでもありません

青蛙 (2001/12/19 00:43)

連続書き込みの上、このサイトのテーマである「言葉」と直接関係のないレスばかりで申し訳ありませんm(_ _)m

以前、どこかで「とんでもありません」という敬語?表現は正しくないという話を聞いたことがあります。それは、「とんでもない」が「とんでも・ない」(とんでも無い)ではなく「とんでもな・い」という形容詞だからだというのが理由でした。
ところが、佐藤さんの引いておられる山口氏の説明からすると、「とんでもない」のもとが「とでもない」(途でも無い)ならば、「とんでもありません」という表現もあながち間違いとも言えないような気がするのですが、どんなものなんでしょうか?

と学会が、ここから「トンデモ」という表現を作り出しましたが、これ自体はもちろん名詞でしょう。
でも、「とんでもない」とは違って「トンデモな」という形容動詞として派生していますよね。



Re^2:地名の世界地図

青蛙 (2001/12/19 00:42)

佐藤和美さん:
「『地名の世界地図』批判 PART1 Ver.1.00」アップご苦労様です。そうですか、もう出版一周年なんですね。それにしても、13刷もしていてまだこんなに間違いがあるんですねぇ。仰っているご指摘はもっともです。文春もいいかげんに、小手先だけの誤魔化しはやめていただきたいものです。困ったことに、1年の間にこのトンデモ本を参考にしたり推薦しているものがけっこう出てきてるんですよね。
そう言えば、私が以前重箱の隅を突付いた本があったのですが、昨年こっそりマイナー・チェンジしてました。全面改訂してくれってお願いしていたのに。昨年、同じ出版社から出た別の本の重箱を突付いたところ、著者の方から「なんて失礼な奴だ」とお怒りの手紙をいただきました。まあ、私も筆が滑りすぎたと反省していますが、間違いは間違いですからね。その後どうなったのか、出版社から音沙汰はないので、そのうち県都の大型書店を覗いてみることにします。

松茸さん:
> # 新しい刷が入手できない(都心の大書店に行かないとだめか?)
当地でも、自称「21世紀研究会」の『〇〇の世界地図』シリーズ4部作はどこの書店でも見られるようになりましたが、いずれの増刷分も一桁で、最新刷(13刷)どころか二桁の増刷分も目にしたことがありません。地方はツライ。



Re^5:月と狂気

青蛙 (2001/12/19 00:38)

お久しぶりです。勉強させられることばかりだったので、しばらくROMさせていただきました。

未菜実さん:
松茸さん:
> 例示された本が、どのようにして証明したとしているのか
『トンデモ超常現象99の真相』では山本弘氏が該当項目を執筆していたはずですよね。
今、現物が手許にないのでうろ覚えで恐縮なのですが、山本氏は月の潮汐力よりも今自分が持っている本(今の私たちからすれば目の前にあるパソコンの本体ないしモニター)から受ける潮汐力の方が大きいからという理由だったと思います。ですから、(潮汐力に起因する)力学的な影響とは考えにくいでわけです。案外、生物が月をカレンダーにしてサイクルを合わせるようになった(進化した)だけなんじゃないんでしょうか。根拠の無い憶測ですけど。まあ、他にも未知の何らかの関連があるかも知れないわけですから、「迷信」の一言で片付けてしまうのもいささか乱暴ではないかと(^^;
黒木月光氏による分析に関しては、池内了氏も「お月さまいくつ 十三七つ」(『天文学者の虫眼鏡――文学と科学の間』文藝春秋(あっ、これも文春新書だ)・1999 所収、もとは岩波書店の雑誌『図書』に連載されていた「智に働けば」というコラム)で触れていますが、要するに、両者の間には相関関係はあっても因果関係はないということのようです。
フロリダ州テイド郡の件も、先の山本氏によれば統計の取り方に問題があったようです。統計については、池内氏も参考文献として掲げていた菊池聡氏の『超常現象をなぜ信じるのか――思い込みを生む「体験」のあやうさ』講談社・ブルーバックス・1998 が参考になります。

ところで、lunar(英語)< lunaris(ラテン語)
は pole < polaris
からもわかります。しかし、lunatic の方は何かおかしくないですか。それというのも、英語の接尾辞 -atic は(ラテン語形 -aticus を仲立ちにしているとは言え)ギリシア語の -atikos に由来しているからで、これでは木に竹を接いだようなものだからです。ギリシア語から造語すれば seleniakos(ギリシア語)> *seleniac(英語)になるはずですから、なにやら学者言葉(learned word、学者の間で使われる専門的な用語。古典語から造語される場合が多い)のような臭いがしてきます。『研究社 英和大辞典』第5版によれば「LL」すなわち後期ラテン語となっています。
ちなみに英語には selenic という言葉もありますがこちらは「(元素の)セレンの」という意味で使われています。



Re:恋愛 訂正

未菜実 (2001/12/18 17:02)

ごめんなさい。^^;
http://member.nifty.ne.jp/takman/protocol.htm
の方が参考になりそうです。
北村透谷は「恋愛」の語をもっともドラスティックに用いて、その普及を決定的にしたと
されていました。
翻訳はもっと前のようですね。



Re:恋愛

未菜実 (2001/12/18 16:56)

以下、確証はありませんが参考になれば・・・。
北村透谷の造語と言う説があります。
彼の『厭世詩歌と女性』の「恋愛は人生の秘鑰なり、恋愛ありて後人生あり」
と言う文が初出だと言います。



Re:へべれけの由来経緯

UEJ (2001/12/18 15:46)

> 「Hebe erryeke」なる表現がどこに出てくるのか, そしてそれが何故いきなり日本
> にやってきたのか, ご説明いただけると幸いです。

はっきり言って私もこの説はかなりアヤシイと思っています。
以前何かの本で読んだ知識をメモっていたのですが、
今回裏付けを取ろうとして、結局確固たる証拠は見つけられませんでした。
というニュアンスを「飲んだとか飲まないとか…」という曖昧な表現に込めています (^_^;)



「ゴトランド島」

田邉露影 (2001/12/18 11:40)

>松茸さん
元綴りは Gotland なんで、
まあいいんだと思います。

Go:taland (o:はoウムラウト)のように
g+前舌母音の場合は
gは口蓋化して[j]になるので、
こちらは「イェータランド」のようになります。



恋愛の語源教えて下さい

真弓 (2001/12/18 11:16)

恋愛はloveの訳語である、loveからきているということは分かっているんですけど・・・。
それだけしかわかんないんです(;-;) もっと詳しく知りたいけど・・・どうやって調べて
いいのかもわかんなくって・・・。



カンダハルの由来

massangeana (2001/12/18 00:19)

sci.lang で少し前に話題になっていました。やっぱりガンダーラ説とアレクサンドリア
説が戦っています。Yusuf B Gursey さんはガンダーラ説のようです。

↓を参照。
http://groups.google.com/groups?hl=ja&threadm=Go4xwC.FqJ%40world.std.com



Re:へべれけの由来経緯

massangeana (2001/12/17 23:51)

>へべれけの語源はギリシャ神話のへーべーから

えーと, こういういかにもおもしろ雑学な説は「そう考える根拠」を示してもらえ
ないと...... へーべーが酒を注いだというのは「イーリアス」 4.2-4.3 の
  meta de sphisi (そして彼らに) potnia He^be^ (女神ヘーベーは)
  nektar (ネクタルを) eoinochoei (注いだ)
に由来するのでしょうが, ここでは eoinochoei (←oinochoeo^) を使っています。
「Hebe erryeke」なる表現がどこに出てくるのか, そしてそれが何故いきなり日本
にやってきたのか, ご説明いただけると幸いです。
http://www.perseus.tufts.edu/cgi-bin/ptext?doc=Perseus%3Atext%3A1999.01.0133&loc=4.2



Re:へべれけの由来経緯

佐藤和美 (2001/12/17 12:03)

UEJさんのコトバ雑記
http://wedder.net/

ギリシャからの言霊たち
http://wedder.net/kotoba/greek.html
を読んでみてください。



Re:地名の世界地図

松茸 (2001/12/17 02:24)

 発売後一年、いまだ、読むたびに新たな〈発見〉が……。(^^;
# 新しい刷が入手できない(都心の大書店に行かないとだめか?)ので、第九刷より。
# 太字は引用者による強調です。

・方向音痴シリーズ:

p.32:
「現在のドイツ南西部を流れるライン川上流」
p.33:
「現在のドイツ南西部、[中略]町はドイツ語でアーヘンAachenとよばれるようになった。」
……どう考えても「南西部」とは言えない。
 そもそも、ライン川の源流はスイスにあり、「上流」では独仏国境になっているはず。
 『地名の世界地図』と題しながら、仏名「エクス=ラ=シャペル」について沈黙するのも不審。

p.52:
「スカンディナビア半島の南にあるゴトランド島」
……誤りとは言い切れないが、「スカンディナビア半島の南にある」というと、普通、デンマーク領ボルンホルム島のような場所を指さないか?
 また、スウェーデン語の音写は「ゴトランド」でいいのか?(未確認)

p.63:
「アルバニア Albania という地名を辞書で引いてみると、[中略]バルカン半島北東部にある国名[中略]とある。」
……どういう辞書だ?

【中央アメリカ】の項の中に;
p.226下段 サンピエール島・ミクロン島:
「一六七〇年、西インド諸島をめぐる英仏の争奪戦で、フランスが要塞を建設。[後略]」 ……実は、これらはニューファンドランド島のすぐ南にある小島。
 そして;
p.229下段 バミューダ諸島
……北緯33°, USAノースカロナイナ州の真東にあるんですが。
 やっぱり、時空間がひずんでいる?



(無題)

みつこ (2001/12/17 00:29)

Re:「とんでもない」と「もってのほか」について 
佐藤さん、適切なお答えありがとうございました。説明によってもやはり2つとも「思いのほか」「常識はずれの」という意味のようですね。今後ともよろしくお願いします。



へべれけの由来経緯

Bonito (2001/12/16 17:45)

へべれけの語源はギリシャ神話のへーべーから来ていることはわかっているのですが、英語でdrunk、フランス語でbuなのにどうして日本語はへべれけになったのでしょうかどなたか教えて下さい。



Re:「とんでもない」と「もってのほか」について

佐藤和美 (2001/12/16 17:11)

「とんでもない」と「もってのほか」の語源を調べてみました。

とんでもない
途方もない。思いのほかだ。トデモナイ(途でも無い)が変化したもの。トは漢語の「途」で、ここは「物事の道理」の意。それを「無い」で否定して、「道理を外れてひどい、思いのほかだ」という意味になった。なお、正式な漢語では「途」は「道・道程」の意しかなく、トデモナイの「途」は日本での発展的用法である。この「途」は、和製漢語の「途方・途轍」(手段とか物事の道理の意)と同じ意味で使われていると考えれば理解しやすい。
(山口佳紀編「暮らしのことば語源辞典」講談社)

以ての外
モッテは「持つ」の音便形に接続助詞「て」のついたモチテから。「〜によって」「〜のために」の意から「そのうえに」の意。
(堀井令以知編「決まり文句語源辞典」東京堂出版)



地名の世界地図

佐藤和美 (2001/12/16 10:37)

久しぶり、『地名の世界地図』です。

12月20日は何の日?
はい、『地名の世界地図』出版一周年記念日で〜す!
これを祝って追加しました。
『地名の世界地図』批判 PART1 Ver.1.00
(材料は13刷(2001年9月25日発行)です。)

「カンタベリー」のスペルは?
「アビシニア」の意味は?
「マレー」の語源は何語?
さあ、あなたも『地名の世界地図』で勉強しましょう。(笑)



Re^4:月と狂気

松茸 (2001/12/14 02:01)

 "lunaticus"の綴り間違えました。m(_ _)m

> サンゴ、アカテガニ、クサブグ等の産卵が、潮の干満に影響されているというのは、
> 実際に観測されていることです。
……すみません。《「潮の干満」による環境変動を経由しない、潮汐力の直接の影響はない》の意味です。
 Web上の否定的データは、例えば "Skeptic's Dictionary"の:
http://skepdic.com/fullmoon.html
をどうぞ。

 で、〈言葉〉とはまったく関係ない話なので、続きは他の板でしましょうか? (^^;
http://bbs1.parks.jp/11/skep/bbs.cgi
(定評ある板ですが、一見さんはきついかも)
http://www3.marimo.or.jp/~lighz/bbs10/index.html
(管理人がオカルト派の、呉越同舟掲示板)
とか。



Re:月と狂気

未菜実 (2001/12/13 23:38)

>すでに実証的に否定されている、ただの迷信のようです。

例示された本が、どのようにして証明したとしているのかは知りませんが、
サンゴ、アカテガニ、クサブグ等の産卵が、潮の干満に影響されているというのは、
実際に観測されていることです。
インターネットで検索されても簡単に確認できると思います。
人間に出産についても、数学者の藤原正彦氏による統計的に有意であるとの報告の他、
国内においても幾つか報告があります。

交通事故に関しては、兵庫県警巡査部長 黒木月光氏による分析が報告されています。 
(「満月と魔力」の謎  二見書房)
この内容についての信憑性をどう判断するかはありますが、否定はされていないはずです。

犯罪については、フロリダ州テイド郡(1956〜1970)で殺人事件は新月と満月に多いと言う
報告がなされたことがあります。確かに、この報告については疑問視されています。
しかし、凶悪犯罪が月齢と関係ないという証明はなされていないはずです。



Re^2:月と狂気

松茸 (2001/12/13 20:49)

 これはmassangeanaさまの領域だと思いますが……。(^^;

 英語"lunatic"の語源については;
http://www.m-w.com/cgi-bin/dictionary?va=lunatic
 ラテン語"lunatics"については;
http://www.perseus.tufts.edu/cgi-bin/ptext?doc=Perseus%3Atext%3A1999.04.0059%3Aentry%3D%2327203
を参照。
 なお、"lunar"の方も、ラテン語"lunaris"起源です;
http://www.m-w.com/cgi-bin/dictionary?va=lunar
http://www.perseus.tufts.edu/cgi-bin/ptext?doc=Perseus%3Atext%3A1999.04.0059%3Aentry%3D%2327202

 ちなみに、〈言葉〉とは関係ないですが;
| 人間の出産、海洋生物の産卵・出産などには影響があるようです。
とか
| また、凶悪犯罪は新月と満月の頃が非常に多く、死亡交通事故も多くなるという報告もあります。
などは、すでに実証的に否定されている、ただの迷信のようです。
cf. 『トンデモ超常現象99の真相』(山本弘他、宝島文庫)など。(^^;



Re:月と狂気

未菜実 (2001/12/13 16:49)

そうです。lunaticの語源はlunaに由来します。

lunaはギリシャ神話の月の女神、セレネ(Selene)に相当する、ローマ神話のルナ(Luna)に由来します。

中世ヨローッパでは、精神病は月の影響と考えられていたようで、lunaticは「月に影響された」と言うラテン語に由来するようです。
英語には、moonstruckと言う言葉も存在します。

この月の影響ですが、
地球上の生命には、月の潮汐力が大きく関係していることがわかっています。
人間の出産、海洋生物の産卵・出産などには影響があるようです。サンゴ、アカテガニ、クサフグ、アオウミガメなど、満月の日に卵を産むのは有名ですね。
(アカテガニはハサミの赤い、猿蟹合戦のモデルになった蟹です。)
また、凶悪犯罪は新月と満月の頃が非常に多く、死亡交通事故も多くなるという報告もあります。
月と狂気を結びつけたのは満更根拠の無い事ではないようです。

ついでに、ギリシャ神話には、もう一人、月の女神がいます。
アルテミス(Artemis)でローマ神話ではディアナ(Diana)に相当します。
主神ゼウスとレトの娘で、アポロン(太陽と音楽の神)とは双子の兄妹になります。
神としては、こちらの方がセレネ、ルナより新しいのです。ゼウス率いるオリンポスの神々が古い神々に取って代ったことによって、二人の女神がいるのです。



月と狂気

まうちゃん (2001/12/13 16:11)

月(LUNAR) と 狂気(LUNATIC)は同じ語源でしょうか



ありがとうございます

ななえ (2001/12/12 22:14)

以前、アイヌ語について質問させていただいたななえです。
佐藤和美さん、丁寧でわかりやすいレスを下さって
ありがとうございました。
おかげさまで、問題はすっきり解決!!しました。
もしまた何かあったその時は、よろしくお願いします。
本当にありがとうございました!!



「とんでもない」と「もってのほか」について

みつこ (2001/12/12 10:57)

「とんでもない」と「もってのほか」の語源について知りたいです。慣用句的に使っていて、もともとの意味とは離れたものになってしまったようで。ふたつとも「思いのほか」とかいう意味があると思うんですが、その使い分けもあいまいで。



短母音化と重音節

HIRO (2001/12/12 04:27)

初めて投稿いたします。
以前他スレを見ていて思ったのですが
ちょうちょ あいそ せんせ おべんと らっきょ ect…
語末の長母音が短母音になった例をみると
直前に重音節を持つものが多いようです。
がっこ、なんかもそうですよね…。
何か理由があるのでしょうか??

ウインナ、バインダとかもそうかも…。



Re: 駆けった

massangeana (2001/12/12 03:15)

ビーバさんのおっしゃるとおり, 「駆ける」は古くから四(五)段の形があるのですが,
現在はふつうには使われていないと思います。したがって
>「駆けって行った」
も, 使う人は限られていると思います。(新明解は下一段しかあげていません)

GAUCHA さんのあげられた例は児童のいいまちがいの可能性もありますが, むしろその
地域の方言(東京の人間だって東京の方言を話しているのであり, 「共通語を母語とす
る人」というのは存在しません)なのではないかと思います。

"-eru" で終わる五段動詞は限られているので, 両方ある場合には下一段に統一される
傾向があるように思います。たとえば「伏せる」も下一段と五段がありますが, 現在で
は五段を使うのは病気で倒れた場合に限られてしまいました。



「駆けった」

ビーバ (2001/12/10 16:36)

「駆けった」は「駆ける」を五段に活用させた用法です。辞書にもありますので間違いとは言い切れないと思いますし、少なくとも私はそれほど違和感を感じません。
「駆けって行った」の形なら、私はほとんど違和感を感じませんが、いかがでしょうか。



Re:鞦韆

未菜実 (2001/12/08 18:31)

佐藤さん
ありがとう。やはりそうですよね。
この本、私が気がついただけでも5、6ヶ所おかしな所があるんです。
ご足労おかけしました。m(__)m



フランケンシュタイン

佐藤和美 (2001/12/08 18:02)

『日本国語大辞典』で「ブランコ」を探してたら、「フランケンシュタイン」という項目が目にとまりました。

フランケンシュタイン
「怪奇小説。イギリスの女流小説家メアリ=ウォルストンクラフト=シェリー作。一八一八年刊。物理学者フランケンシュタインが、死体から超人的な力をもつ怪物をつくるが、彼自身もこの怪人に殺される。一九三一年以降、幾度も映画化された。」

この文章を書いた人はメアリ・シェリーの原作を読んだことがない?



Re:鞦韆

佐藤和美 (2001/12/08 18:00)

未菜実さん
>ところが、ある本(あまり信用が置けないのですが。^^;)に本来は縄跳びだったのが日本
>に入るときブランコと間違われたとありました。
>本当でしょうか? どなたかご存知でしたら教えてください。

「鞦韆(ぶらんこ)」ですが、『日本国語大辞典』にはこうありました。

ぶらんこ【鞦韆】
(擬態語「ぶらり」「ぶらん」などからできた語か。ポルトガルbalançoからとも)
語誌
(1)語源は柳田国男の唱えた「ブランとさがってゐるからである」[ブランコの話]というのが妥当か。
(2)歴史的には、紀元前三〇〇〇年紀ごろのメソポタミアの史料が最古という。インドでは紀元前二〇〇〇年から冬至の日の農耕儀礼として女子が乗る儀式が行なわれていた。インドから中国へは六朝時代までには伝わり、「鞦韆(しゅうせん)」と呼ばれて、唐代には、冬至から数えて一〇五日後の寒食の日に女子が乗るのが宮中の儀式であった。
(3)その習俗が日本にも平安初期までには伝わり、「経国集-一一・二」には「鞦韆」に「ユサハリ」の訓がある。
(4)「俳諧・増山の井-三月」(一六六七)に「鞦韆(しうせん)の戯(たはぶれ)」が載せられるのは漢籍から得た知識による。これを承けた「俳諧・番匠童-三月」(一六八九)に「俗に云ぶらここの事なり」と注があり、以後俳諧では春の季語として「ブラココ」が用いられる。
(5)「ブランコ」の語形はおもに明治以降と思われる。

これを読むかぎりでは、「縄跳び」の意味だったとは思えませんけど?



ダイク? ダイキュウ?

未菜実 (2001/12/08 14:17)

下らない質問でごめんなさい。^^;
12月と言えば「第九交響曲」。ところで、これはなんと読むのが正しいのでしょう?
「第九」と縮めると「ダイク」ですね。
また「第九芸術」も辞書だと「ダイクゲイジュツ」となっていますよね。



要った

massangeana (2001/12/08 05:29)

ほかのところで尋ねてみたのですが, そもそも「要る」という言葉自体, 否定以外の
形では使われるのが少ないので, 「要った」のように同音語があるとますます避けら
れるのではないか, ということでした。これなら納得しやすいです。

確かに「お金は要りません」はふつうですが, 「金が要る」の方は他に文脈によって
「金がかかる・金がほしい・金が必要だ」などの言い方ができますね。



なんと言えばいいのでしょう?

GAUCHA (2001/12/07 05:36)

昔小学校の教師をしていたときに、数名の生徒が(5年生)作文に「かけった」と書いていました。文脈からすると、それは「駆けた」の意味でした。「かけっこ」からの連想か、それとも「走った」からの連想か、とにかく、子供って、幼児語は卒業していても、時々変な日本語を使いますよね。私自身のことを思いだしても、「柔らかい」がなかなか言えなくて、「やらわかい」と言っていた時期がありました。周囲の人に「ヤラワカイ、じゃなくて、ヤワラカイ」と直されたり、自分でも「柔道のことを ヤワラと言うんだから、ヤワラカイだ」と意識するようになって、ちゃんと言えるようになりました。それに中学生の頃までは使役受け身のような複雑な形は時々間違って使っていたと思います。「ワン、ワン、キタ」というレベルはとうに卒業していても、ほとんどの子供はまだ母語の完成度が100%に達していないですよね。このような時期の言葉を何というのでしょう。「児童語」とでも言えばいいのでしょうか。

「ちがかった」「ちがくて」というのは、私の感覚では今のところ、「児童語」ですね。(方言ではそういう言い方があるかもしれませんが、共通語を母語とする人でこのように話したり書いたりする人は、どうして周囲の大人達が「その言い方は変だ」と直さなかったのか、不思議です)

<同じ(だ)が形容動詞であるのに合わせた合理的な変化であるということはできるでしょう。

でも、形容動詞と形容詞は、活用が違いますね。「同じ」に合わせるなら、
「ちがうだった」「ちがうではない」「ちがうだった」「ちがうで」となる方が合理的ではありませんか。



カタヤケシ

Budori (2001/12/06 14:28)

相撲の発祥地というカタヤケシ。どういう意味なんでしょうか。また、漢字で書くとどうなるのでしょうか。



Re: 第二言語習得

massangeana (2001/12/06 08:19)

>日本人は英語(ヨーロッパ諸語)よりも中国語を習得しやすいと考える人がいます。

どの程度をもって習得したと考えるかによると思いますが, いくつかの理由として:

1. 英語は義務教育で無理に教えられるので身につかない。
2. 日本人の多くは英語を先に学ぶ。外国語は 1つめより 2つめの方がやさしく感じ
  られるのがふつう。
3. やはり漢字文化圏であることの気安さはあるでしょう。ほんとうに学習が容易で
  あるかどうかは別にして。
4. 名詞の複数形や代名詞の変化, 動詞の人称の一致や冠詞といった, 日本人には何
  のためにあるのかわからないような文法事項が中国語に少ないのは中国語に有利
  な点でしょう。

>中国語と英語の文の構成が似ている

あまり似てはいません。たとえば中国語では英語と同様に前置詞を使いますが, 前置詞句
全体は動詞より前に置かれます。目的語は英語と同様に動詞の後ろに置かれますが, 長く
なってくると前に出されたりします。中国語で重要な主題化・複合動詞・語気助詞といっ
たものは英語にはありませんし, 英語の関係節などは中国語にはありません。

なお, 言語学習はやさしいかどうかよりも, 必要かどうかによって決まるので, 日本人に
とって学習しやすいから中国語を学ぶ, というのはおかしいと思います。



Re: ピンクい

massangeana (2001/12/06 07:59)

もうひとつ。
色を表す形容詞は共通語では「赤い・青い・白い・黒い」および「黄色い・茶色い」,
(ほかに「青白い」など) くらいで貧弱ですが, 何が形容詞になるかは方言によって
大きく異なるので, 「みどりい」などは方言の形が持ち込まれたのかもしれません。



Re: ピンクい

massangeana (2001/12/06 07:53)

類推によって生まれた形容詞であり, これも「幼児語」と呼ぶのは不適当でしょう。

残念ながら「みどりい・むらさきい」は耳にしたことがありませんが, 「ピンクい」は
語感がおもしろいためか, よく聞くように思います。



Re:「ちがかった」

massangeana (2001/12/06 07:35)

これについてはいろんな本で取り上げられているので, 特に言うことありませんが,
「ちがかった」については動詞が形容詞化したもので, 「同じ(だ)」が形容動詞で
あるのにあわせた合理的な変化であるということはできるでしょう。
「大きなり」が「大きい」に変わったのが, 「小さい」との活用をあわせるためと
考えられるのと似ています。

「幼児語」というのは自動車をブッブーという類で, 「違かった」のような場合を
幼児語と呼ぶのは不適当だと思います。



Re: 要る

massangeana (2001/12/06 07:09)

GAUCHA さん:
>日本全国いろいろな方言がありますから、しゃべり言葉として「要った」を使う
>人、使わない人が要るのは当然だろうと思います。

そう簡単にすませてしまうわけにはいかないと思います。「要る・要ります・要り
ました」が問題なくて, 「要った」だけが不可能というのはきわめて異例ですから。

>ただ、文章語ではどうでしょうか。新聞やお堅い雑誌の中で「・・・が要った。」
>が使われているでしょうか。

話し言葉として「要った」に違和感を覚えない人なら, 書き言葉でも「要った」を
使うでしょう。



洪水、香水

佐藤和美 (2001/12/05 12:01)

yukikoさんご紹介のHPに私のHPの『連濁』のことがふれられてました。

その中で

洪水 「こう」+「すい」→「こうずい」
香水 「こう」+「すい」→「こうすい」

なぜこういう違いが出てくるのか?
というのがありました。

私は『連濁』の中で、
「時代が新しくなると、連声と同じように、連濁の習慣がなくなっていった。地名としての「両国」は「リョウゴク」だが、日米「両国」の場合は「リョウコク」となるのである。」
と、書いてます。
「香水」(こうすい)はそう古い言葉ではなさそうです。それで連濁になってないのでしょう。

『大辞林』にこういうのが載ってました。
こうずい【香水】
〔仏〕 諸種の香を入れて作った、仏前に供える水。身体に注ぎかけたり、仏具・道場をきよめたりするのに用いる。閼伽(あか)。

『連濁』の文章の「両国」を「香水」に置き換えると、こうなるでしょう。
「時代が新しくなると、連声と同じように、連濁の習慣がなくなっていった。仏教用語としての「香水」は「こうずい」だが、化粧品としての「香水」の場合は「こうすい」となるのである。」



Re:「ちがかった」「きれかった」

狐の悠 (2001/12/04 14:37)

>20年くらい前に東京出身の人が「違った」を「ちがかった」と言っているのを聞いたことがあります。生粋の
>日本育ちの日本人で「違って」を「ちがくて」という人にも何人かお目にかかりました。このように話す人で
>も文章を書くときには、「違った」「違って」と書いているんですよね。また、よく関西の人が「きれいだった」
>を「きれかった」と言いますね。(「そう、どんな布を買ったの?」と聞きたくなりますね)でも子供が作文の
>地の文で「きれかった」と書いたら、先生に直されるんでしょうね。

前者:
幼児語なのかと思っていましたが。
#立派な社会人でも使っているのは如何なものかとは思いますが(苦笑)。
私の勤め先の「ちがかった」「ちがくて」と言う人は、
文章でも(どうやって変換しているのか)「違かった」「違くて」と書いてきました。

後者:
「きれいかった」なら聞いたことはありますが(関西のかた)、「きれかった」は聞いたことがありません。
#私は東京在住の東京モンですが。
「きれいかった」でもやはり直されるのでしょうか(微笑)。

最近採取した幼児語としては、「みどりい」「むらさきい」「ぴんくい」と言うものがあります。
本人としては、「あか」に対する「あかい」のように、形容詞化している積もりのようです。



第二言語習得

Tojo (2001/12/04 11:50)

日本人は英語(ヨーロッパ諸語)よりも中国語を習得しやすいと考える人がいます。理由として、同じ漢字文化圏であることが挙げられています。また中国語を習得して、次に英語を習得するという順序がいいと言われていました。それは中国語と英語の文の構成が似ているということでした。実際にどうなのでしょうか? 論文として書こうと考えているので、様々な意見をいただきたいのですが、お願いします。



日本語の音節と拍

GAUCHA (2001/12/04 09:41)

 <どうやらこの人の流儀では
 修学旅行」を音節に区切ると「しゅ・う・が・く・りょ・こ・う」になるらしい。>

高島氏が何歳くらいの人か知りませんが、20年ほど前の日本語教育の参考書などには、「長音も促音も発音も1音節として数えるのが一般的である。」と書いてありました。
現在では「しゅ・う・が・く・りょ・こ・う」と区切るのは「拍」あるということになっていて、
音節で区切れば「しゅう・が・く・りょ・こう」となるようですが、実は日本語に音節という単位を認めるかどうかは専門家の間でも意見が一致していないそうです。

外国人に日本語の発音を教える上で、大切なのは「拍」です。拍はほとんど同じ長さで発音される音の単位です。日本人は「ここ」と「こうこう」の区別が難なくできますが、それは拍をとらえているからです。ところが音節で言葉をとらえている人たちにはこれが非常にむずかしいのです。ですから、両者とも2音節であるというのはちっとも重要なことではなく、「ここ」は2拍、「こうこう」は4拍で発音するということが最も大事なこととなります。



鞦韆

未菜実 (2001/12/03 16:13)

国語辞典に鞦韆はブランコと辞書に載っていますし、私の持っている中国語の辞書にも、
鞦韆=秋千として、ブランコのことと載っています。
ところが、ある本(あまり信用が置けないのですが。^^;)に本来は縄跳びだったのが日本
に入るときブランコと間違われたとありました。
本当でしょうか? どなたかご存知でしたら教えてください。



高島俊男

佐藤和美 (2001/12/03 13:00)

以前、「フツ相通」の話がありました。

「フツ相通」(1999/08/16 16:10)
「フツ相通?」(1999/08/16 22:55)
「フ、ツ」(99/08/17 12:17)
「今日は!」(1999/08/31 11:41)
「お言葉ですが…」(1999/11/19 13:03)

「相通」って実在する言葉なんですね。

『大辞林』
そうつう【相通】
江戸時代以前の国語学の用語で、五十音図の同じ行または同じ段に属する音は互いに通用して用いられること、というもの。「あま・あめ(天)」「けぶり・けむり(煙)」の類。音通。「五音―」

ただし「江戸時代以前の国語学の用語」らしいけど。(^^);

さて「フツ相通」っていう言葉が出てくる本『お言葉ですが…』の著者である高島俊男ですが、どんな経歴の人なんですかね? 中国語が専門なようだけど、どうもよくわかりません。(私が知らないだけか?)

この人の本が最近、アノ文春新書で出ました。『漢字と日本人』っていう本です。
ちょっと、ひろい読みしたんですが、出だしのところでちょっとひっかかるものがありました。

30ページ
「「修学旅行」と言ってみてください。音節がいくつありますか?はい七つですね。」

どうやらこの人の流儀では
「修学旅行」を音節に区切ると「しゅ・う・が・く・りょ・こ・う」になるようです。



日本語と韓国語

山村 俊二 (2001/12/02 00:08)

なるほど同じ漢語系だから多いようですね。ありがとうございました。



タグ・・・(><);

なにわっこ (2001/12/01 18:32)

パソコンの使い方がいまいちなので・・・。不親切な書き込みでごめんなさーい。
お手数ですが、コピーして、メモ帳なんかに張り付けて読んでくださいね。本当にごめんなさい。



Re:ーそびれる

なにわっこ (2001/12/01 17:46)

そびれる・1)「そびる」は、文語形。動ラ下二
       その行為の機会を失う。・・・しそこなう。(大辞泉 松村明監修 小学館)
                 ↓
       *古語辞典を引いてみると、
         「そびる」・・・自ラ下二:(多くの動詞の連用形について)機会を失う。し                 損なう。誤る。「そびらかす」とも。
                           ↓
         「そびらかす」・自サ四:「かす」は、接尾語。意味は、上に同じ。
                     <用例>矢ヲイソビラカス:sobiracasu
             ↓            ウチソビラカス:sobiracasu
             ↓                   <日葡辞書>
         「そびら」・・・名:「そ」は「背(せ)」の古形+平の意。背中。後ろ。
                     曾毘良と表記されていた。
                             (小学館 古語辞典)
     2)「そびれる」・・・自下一:し損なう。好機を失う。し遂げないで終わる。
                   <語源>ソレル(外れる)の音転。本道から脇へはずれ                       ること。
                              (日本語源辞典 日本文芸社)
1)と2)のどちらがよいのかわかりませんが、参考にどうぞ^^;



「言葉の世界」伝言板11月分

佐藤和美 (2001/12/01 12:29)

 「「言葉の世界」伝言板11月分」を追加しました。



Re:「ーそびれる」の語源

佐藤和美 (2001/12/01 12:28)

「そびれる」ですが、『日本国語大辞典』(小学館)によると文語「そびる」(自ラ下二)によるようです。
でも私の持ってる小型の古語辞典(2000円台の古語辞典)では「そびる」出てこないですね。(^^);

そういえば「流れる」の文語は「流る」でしたね。



Re:韓国語と日本語

佐藤和美 (2001/12/01 09:23)

朝鮮・韓国語と日本語の漢語では似てる語が山ほどあります。
ま、漢語なんだから、発音が似てても当たり前ですね。

その一部を渡辺吉鎔『はじめての朝鮮語』(講談社現代新書)の「漢字で筆談してみると……」の項からひろってみました。

観光 クァングァン
旅行 ヨヘン
地図 チド
地震 チジン
汽車 キチャ
時間 シガン
駅  ヨク
会社 フェサ
薬局 ヤククク
市場 シジャン


(中国語h→日本語k)
(中国語語頭l→朝鮮・韓国語nまたは消滅)
このカタカナ表記では語尾の「-ng」は「ン」になってます。
日本語の呉音・漢音では「-ng」は「ン」以外になってます。
「観光」の旧仮名調べてみてください。



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