2002年伝言板アイヌ語関係集




ポロパカムイ

福島堅太郎 (2002/01/11 09:35)

 岩手県南部から宮城県北部にかけての北上山地に「ほろは山」という山がいくつか見られます。ここにホロハ神社またはホロハ権現が祀られ、信仰は秋田県から関東地方北部にかけて分布し、御神体はハウシワケの神とみなされます。
 そのホロハ・ハウシワケの意味について『日本先住民族史』の藤原相之助は、「ホロハはポロパで大酋長」のこと、「ハウシワケはポロパウシワッカカムイの省略形」とし、「大酋長が水の神を祀った場所」であるとします。
 しかし、ポロパが果たして大酋長の意味かどうか、ウシワッカカムイとワッカウシカムイは同じであるか疑問に思われます。この点についてご教示を得たくよろしくお願い致します。



Re:ポロパカムイ

佐藤和美 (2002/01/12 20:15)

>ポロパが果たして大酋長の意味かどうか

「ポロporo」は「大きい」ですね。
「パpa」にはいろいろな意味がありますが、「酋長」の意味は見当たりません。「パ」には「頭」の意味もありますから、日本語の「頭(かしら)」からの類推で無理やり「酋長」の意味があると考えたのかなという気がします。

>「ハウシワケはポロパウシワッカカムイの省略形」とし、「大酋長が水の神を祀った場所」であるとします。

「ポロパウシワッカカムイ」が「大酋長が水の神を祀った場所」という意味だというのなら、アイヌ語を勉強しなおしたほうがいいでしょう。「○○○カムイ」だったら、神の名であって、地名じゃないのが一目でわかります。それに神の名だとしても文法が疑問です。



アイヌ語について

釧路の人 (2002/01/12 22:59)

北海道の釧路に住んでいますが釧路市内の地名で{ 春採 }と言う所があります。多分アイヌ語から来ていると思うのですが、もしそうだとしたらアイヌ語の意味が知りたいのですが、どなたかご存知ありませんか。



春採(はるとり)

佐藤和美 (2002/01/14 17:03)

山田秀三は『北海道の地名』(北海道新聞社)で次のように書いてます。

松浦武四郎の説を紹介したあと、
「永田地名解は「ハルトゥル。向ふ地。アルトゥルと同じ詞なり。シレトゥ岬の向ふの地を云ふ」と書いた。この辺でア(一対のものの片一方。地名では山向こう。海の向こうのように使う)にhをつけて呼ぶかどうか、若干問題はあるが、地形は道南に多いアルト(ar-utor 向こう側の・側面→岬山の向こうの土地)と全く同じである。永田説を採りたい。」



コタンに生きる

井沢うらら (2002/02/03 03:17)

10年も前になるのですが、朝日新聞に連載されてあった『コタンに生きる』と題したもので、『春』(1992.5.7)から『夏』『秋』(1992.11.5)へと新聞の切り抜きは残してあるのですが、おそらく『冬』もあったのでは..
そのシリーズの中でとても感激してしまったアイヌの言葉の美しさ
そのような言葉使いの載ってある本を探しているのですが、なかなか行き当たりません。
ご存知であれば教えて下さい。
一部紹介します

「例えば『考える』という言葉は『ヤイコシラムスイェ』と言うの」
この日の講師は、十年前から日高支庁平取町で子供達にアイヌ語を教えている米田優子さんだった。
「ヤイ(自ら)コ(に対し)シ(自分の)ラム(心を)スイェ(揺らす)という意味。頭で考えるのではなく、心を揺らす。それが考えるということ。すごいよね」
「イランカラプティー(こんにちは)」は「あなたのこころにそっと触れさせてください」、「ヤイニコロオシマ(恥ずかしい)」は「自分の中にひだを作って、そこに隠れてしまいたい」

『ダンス・ウィズ・ウルブス』と言う映画がありましたよね。あの中に出てくる先住民、インディアンの言葉と同じ表現、響きですよね
米田優子さんが説明をしてくれたような、文章になった言葉を知りたいのですが、そのようなものはないのでしょうか?



Re:コタンに生きる

佐藤和美 (2002/02/03 18:23)

『コタンに生きる』は書籍化されてます。
朝日新聞アイヌ民族取材班『コタンに生きる』岩波書店同時代ライブラリー

米田優子さんの本も出版されてます。
本田優子(米田優子)『二つの風の谷』筑摩書房ちくまプリマーブックス

どちらの本も書店でたのめば購入できると思います。



ありがとうございます

井沢うらら (2002/02/04 01:50)

本田優子(米田優子)『二つの風の谷』筑摩書房ちくまプリマ−ブックス

さっそく明日書店に注文します。
10年来の胸のつかえがとれたような気がします。
ほんとにありがとうございました。



おしえてください

気になってしょうがない少年 (2002/02/09 22:57)

アイヌ語でモペッってなんですか?



モペツ

佐藤和美 (2002/02/10 18:18)

「モペッ」は紋別、門別などの語源ですね。
意味はアイヌ語で「モmo」(静かな)+「ペッpet」(川)です。



教えて下さい。

浩二 (2002/02/17 00:01)

北海道に転勤してきました。近くにラウネナイ川があります。
そのラウネナイと言う言葉の語源が知りたくて調べています。
アイヌ語だと思うのですが。
わかる方は、教えていただけないでしょうか。



ラウネナイ川

ろんりーかんがるー。 (2002/02/17 01:43)

ラウネ=深い。ナイ=川。
同名の川はたくさんありますが,必ずしも水深のあるものばかりではないようです。いずれも川の両岸は高い土地なので,高い位置にある川岸から見て低いところを流れている川を「ラウネナイ」と名付けたのではないかと考えられているようです。



ありがとうございました。

浩二 (2002/02/17 22:29)

>ろんりーかんがるー様
返信ありがとうございました。
ネットサーフィンして色々調べたのですが、わかりませんでした。
ますます、北海道が好きになりそうです。



北海道の川。

ろんりーかんがるー。 (2002/02/17 22:52)

北海道の川といえば「ヤリキレナイ川」なんてのも面白い名前ですね。

そういえば「ナイ=川」なのだから,「〜ナイ川」というのは同語反復ですね。
「リオ=グランデ川」というのも訳したら「大川川」ってところでしょうか。



「アイヌ」の呼称

sohodo (2002/02/17 23:49)

アイヌ民族を「アイヌ」と呼称したのは、誰が、どんな経緯で、何時頃からなのですか。



Re:「アイヌ」の呼称

佐藤和美 (2002/02/21 13:13)

sohodoさん
>アイヌ民族を「アイヌ」と呼称したのは、誰が、どんな経緯で、何時頃からなのですか。

「アイヌ」はアイヌ民族の自称です。「アイヌ」と呼ぶのは、まあ、当然の成り行きでしょう。
和人は江戸時代には「アイヌ」を「蝦夷」と呼んでいました。「アイヌ」と言うようになったのは明治になってからでしょう。チェンバレンなどの外国人の影響だったのかもしれません。
ちなみに「Ainu」は一般的な英和辞典にも出てます。

「北京」がなぜ「ペキン」なのか。考えるとふしぎですね。
「ペキン」というのは、日本語の音読みでも中国語(普通話)でもないのですから。
これも英語の影響があったのではないでしょうか。



Re:Re:「アイヌ」の呼称

sohodo (2002/02/21 23:22)

ありがとうございました。 勉強させていただきました。
ここの「言葉の世界」でザッと拾い読みしただけの知識で思うのですが、
自称「アイヌモシリ」≒「アイヌ民族」が「アイヌ」とされたのでしょうかね。
でも、地名には殆んど漢字の当て字があるけれど、「アイヌ」には当て字があるのかしら。。



アイヌの由来

坪内達雄 (2002/02/22 15:56)

北海道在住者としてお答えします。アイヌとは民族名ではなく、ずばり「人間」と言う意味だと教えられています。したがって「アイヌ人」と言う表現はおかしなことになります。おそらく民族の有史以来の言葉でしょう。なお、人間(にんげん)は元は(じんかん)であったらしい。日本人は、古代から「ひと」と言っていたのでしょうか?



再び、アイヌの呼称

sohodo (2002/02/22 17:30)

>アイヌとは民族名ではなく、ずばり「人間」と言う意味だと教えられています。したがって「アイヌ人」と言う表現はおかしなことになります。

現代人の常識では和人も「人間」ですが、それは「アイヌ」とは呼ばないでしょうから
アイヌモシリ(アイヌの住む大地)のアイヌ(人間)→アイヌ民族、と≒で意訳した
積もりでした。生半可の受け売り知識だけで推測したので、ピント外れだったらごめんなさい。

「アイヌ」の漢字当て字は「蝦夷」でしたね。(大字典)(大言海)
これを見ると、やはりチェンバレンの影響が大きいのかな、と思ってしまいます。



アイヌの意味は

佐藤和美 (2002/02/23 10:45)

「アイヌ」は「人間」以外にもいくつか意味があります。

田村すず子『アイヌ語沙流方言辞典』(草風館)からです。

aynu アイヌ
1.人間(神や動物に対して)。aynu kotan アイヌ コタン 人間の集落、アイヌの村。aynu mosir アイヌ モシ。人間界(神の国に対する)。
2.男(menokoメノコ《女》に対して)。
3.アイヌ(民族名、sisamシサ《和人》などに対して)。aynu itak アイヌ イタ アイヌ語。aynu mosir アイヌ モシ アイヌの国/地(多く、北海道を指す)。aynu cip アイヌ チ(直訳すると)アイヌの舟=丸木舟。
4.(kor コ《…の》のあとに置かれて)おとうさん、おとうちゃん。e=kor aynu uymam wa/uymam-repunka エコ アイヌ ウイマ ワ/ウイマレプンカ あなたのとうさんは交易に行って/交易をしに海を越えて行った。a=kor totto/henoo uwao/pepa=kor aynu/wakka i=kure アコッ トット/ヘノオ ウワオ/ペパコ アイヌ ワッカ イクレ おかあちゃん、おとうちゃん、水をください。

この三番目の意味で民族名にもなります。



アイヌ語のフォント

がめら (2002/04/03 01:14)

ご無沙汰しております。
このページを毎日、楽しみにして居ます。

今回、アイヌ語テキストのワープロ打ちを依頼されたのですが、
アイヌ語用のフォントってあるのでしょうか?
出来ればMac用で有料(1万円程度)でもかまいません。
ご存知の方いらっしゃいましたら、
お知らせ願います。



Re:アイヌ語のフォント

佐藤和美 (2002/04/03 12:41)

アイヌ語はローマ字かカタカナで表記しますが、カタカナは閉音節で小さいフォントを使います。
「mak」を「マ」などのように書きます。

うろ覚えですが、新JISでこの小さいカナが入ってたように思います。
新JISに完全対応している辞書なら、入力できるかもしれません。

ワープロなら目的にもよるでしょうが、「マク」と入力しておいて、「ク」のポイントを一段下げるというやりかたでもいいかもしれません。

ちなみに、私はWebページ上では「font size="-2"」のタグで小さいカナにしてます。



アイヌ語のフォント

がめら (2002/04/05 10:20)

佐藤さん あいがとうございます

ただ、フォントを入れるだけではダメなんですね。
システムも対応していないと。
昨日、たまたま印刷やさんと会い、話をしたところ、
「外字を作るのが一番確実」とのアドバイスをいただきました。

アイヌ語は、全くの素人なので、これから図書館通いをするところです
佐藤さんの本棚も参考にさせていただきます。
また、ちょくちょくお邪魔しますが、宜しくお願いいたします。



Re:アイヌ語のフォント

massangeana (2002/04/05 19:03)

佐藤さんのおっしゃる新JIS(JIS X 0213) のフォントを試してみる価値はあると思います。
これを実際に使っている人はまだ多くないようなので, 感想を聞かせていただけるとうれしいです。
JIS X 0213 の具体的な使い方については, 青空文庫にわかりやすい説明(↓)があります。

http://www.aozora.gr.jp/newJIS-Kanji/newJIS1.html



教えてください。

北見の国 (2002/04/06 18:38)

オホーツク海の オホーツク って アイヌ語なのでしょうか。 ロシア語かな・・・。

どんな 意味か 知りたいのですが、教えていただきたいのですが。



オホーツク

佐藤和美 (2002/04/07 09:32)

「オホーツク」はアイヌ語ではないですね。
網走地名行」を読んでみてください。



大変

北見の国 (2002/04/08 11:29)

良くわかりました。
本当にどうも 有り難うございました。
心から感謝申し上げます。



渋 は シ - ブ

masami takahashi (2002/04/14 00:26)

 日頃思っている不思議な疑問ですけど。

アイヌ語というものに出会ってからまだ数ヶ月なのですが、地名には関心ありで、あれこれ関連付けて、もしかしたら、なんて思うことも有ります。地元に、新潟県中魚沼郡川西町に渋海川という川がありますが、前は新浮海川と書いていました。現代語で意味を考えても一字一字に関連性がない。新しく浮く海???  東頚城郡松之山や松代あたりが源流で、長岡市近くの越路町で信濃川と合流しています。アイヌ語的にシブを読めば、本当の者、ということになるのでしょうか。こちらでは、大川と言っています。信濃川もその近くの人たちは大川といっています。支流は通常、沢ですんでいますが、最近では、なんとか沢川と川の字を付けています。なんとか沢自体が、集落の名前になっていますので、それと区別するためでしょうか。次ぎの海ですが、水との連想で、やはり
川なのでしょうか。小海川という川もあります。小海だけで、小さい川、実際は沢川ですので一メートル位の幅がありますが、とも連想できますが。それに現代の川が付いていますので、大川川川
という、三重の川付きの名前になってしまいます。
 長野には渋(温泉)、群馬には、渋川、東京には、渋谷。でも大川が渋ならもっと全国的に残っていてもいいはずですよね。単なる語呂合わせなのでしょうか。
 渋海川の上流には、かの有名な奴奈川がありますが、こちらは地域名で、川の名前にはなっていません。由来は全く分かりません。その上流には、源流のある犬伏山、いぬぶせやま、野々海ののみ、というこれも古代語じみた山と地域があります。
 北海道自体にこの渋を使った大川を意味する所があるのでしょうか。
突然ですみません。                           masami



Re:渋 は シ - ブ

佐藤和美 (2002/04/14 16:33)

北海道で「しぶ」から始まる地名には
渋井(しぶい)
渋山(しぶさん)
志文(しぶん)
等がありますが「本流」とは関係なさそうですね。
北海道にあるのは「シペツsi-pet」(本流)とか、「シXXXペツsi-XXX-pet」(XXX川の本流)です。

アイヌ語で「本流」を「si-p」と言う表現があったかは疑問ですね。(なかったとは言い切れませんけど)
それと「si-p」の後に単語がつくなんてのは文法的にちょっと考えられません。

なお新潟県のアイヌ語地名ですが、山田秀三『東北・アイヌ語地名の研究』(草風館)には新潟市の五十嵐、三条市の五十嵐川はアイヌ語の「インカルシinkar-us-i」(いつも眺望する所)と関係あるんじゃないか、というようなことが書いてあります。



シベツ

人民革命軍 (2002/04/14 19:52)

>「シXXXペツsi-XXX-pet」(XXX川の本流)です。

アイヌ語では、支流が基本で、それに基づいて本流の名が付けられるのですね。
日本の川の名付け方と異なるのですね。
 アイヌの方々の考え方に感動します。日本では、大きな物に目がいきますが、小さな物を基本とするのですね。素晴らしいですね。



アイヌ語の「シ」

佐藤和美 (2002/04/15 23:49)

知里真志保『地名アイヌ語小辞典』(北海道出版企画センター)からです。
si- シ
1.真の;本当の。〜chupka 真東。〜chuppok 真西。
2.大きな。〜apka 大雄鹿。〜suma 大石。
3.onneやporoと同じく、地名の中では二つのものが並んで存在するばあい、大きい方を親と考えてそれにsi-をつけ、小さい方を子と考えてそれにmo-をつける。si-pet(親・川):mo-pet(子・川)。このコンビはまた本流と支流の関係をあらわすこともある。si-pet(親川→本流):mo-pet(子川→支流)。また、川の上流がいくつもの支流に分れているばあい、それらを親子連れと考えて、その本流と考えているものに親川の意味でsi-をつける。Si-Otoynep[しーオトィネ]「親の・オトィネ」「オトィネの親川」(音威子府川の本流の水上をさす−地名解446)。Si-Kotampet[しーコタペッ]「親のコタペッ」「コタペッの親川」(古丹別川の本流の水上をさす−地名解407)Si-Usispet[しーウシペッ]「親の・ウシペッ」「ウシペッの親川」(牛朱別川の本流の水上をさす−地名解51)



モペッ

人民革命軍 (2002/04/16 07:49)

(2002/02/10 18:18)の書き込みに次のようにありました。

>「モペッ」は紋別、門別などの語源ですね。
>意味はアイヌ語で「モmo」(静かな)+「ペッpet」(川)です

ところが、 4月15日(月)23時49分21秒の書き込みには、以下のようになっています。

>mo-pet(子川→支流)

 どうも、アイヌ語は素人には理解できない複雑な物のようですね。



アイヌ語の「モ」

佐藤和美 (2002/04/16 23:49)

またまた知里真志保『地名アイヌ語小辞典』(北海道出版企画センター)からです。(地名例は省略)

mo も
静かデアル(ニナル)。

mo- モ
1.’小さな’の意を表す。=pon.
2.語原はpo(子)から出る。地名においてはとくに二つの場合をさす。
 (1) 二つのものが並んでいるばあいに大きい方を親と考え、それに対して小さい方をさす。
 (2) 川について云えば、二つの川が並んで存在するばあいに大きい方を親と考え、それに対して小さい方を子と考えてmo-をつけることは上記したとおりであるが、その他に、本流を親と考え、それに対して支流をmo-で表すことも多い。


紋別市や伊達紋別の「mo-pet」は「静かな川」のようです。
(山田秀三『北海道の地名』(北海道新聞社)による)



素人には理解不可能

人民革命軍 (2002/04/17 07:48)

>紋別市や伊達紋別の「mo-pet」は「静かな川」のようです。

>mo-pet(子川→支流)

mo-petには、2種類あるという意味なのでしょうか。わたくしには、理解不可能です。
アイヌ語を学習する事は、素人に無理であることがわかりました。



RE:素人には理解不可能

JRA (2002/04/18 00:46)

>mo-petには、2種類あるという意味なのでしょうか。

mo-petを、知里真志保が「子川→支流」と解釈し、山田秀三が「静かな川」と解釈したので、2種類あるわけではありません。研究者による解釈の違いです。

 知里の調査時点では、moとsiは、poroとponと同義な対立概念と認識されていましたが、その後の調査で山田は他の例があることを発見しmoとsiはporoとponと同義な対立概念ではないことを発表しました。

 上記のことから、mo-petは現在では「支流」とは考えられてはいません。

 横から、このようなことを書き申し訳ありません。つい、看過できなかったものですから。



なぜ北海 ”道”?

こめこ (2002/04/28 00:28)

都道府県名で、北海道だけなぜ "道"なのですか? 北海"県"にならなかったのはどうして?



北海道とは

ガンダム (2002/04/30 03:38)

歴史的な変遷があります。
(1) 明治時代の廃藩置県(1871年)で北海道は弘前県に併合された。
(2) 1882年に北海道にも県政がしかれ、札幌、函館、根室の3県となった。
(3) 1886年に3県は廃止となり、北海道庁が置かれた。
(4) 1947年の地方自治法施行で北海道庁は廃止され、他府県と同じ地方自治体になる。



@北海道

萌 (2002/04/30 13:23)

「北海道」は、「蝦夷地」の改称として考えられた名前のようです。
明治2年(1869)8月の、太政官布告第七三四「蝦夷地自今北海道ト被称十一箇国ニ分割国名郡名別紙之通被仰出候事」以降、広く用いられるようになりました。
この原案となる『国名之儀に付申上候書付』を、明治政府に提出したのは、探検家の松浦武四郎。
彼の改称案は「日高見道、 北加伊道、海北道、海島道、東北海、千島道」の6つ。そこから「北加伊道」が採用され、「加伊」を「海」に改めて命名されたと考えられています。
なお、「北加伊」はカイ(アイヌの言葉で『この国に生まれた者』)に、「道」 は律令制の時の行政区分「五幾七道」の「道」に由来するようです。



訂正します!

萌 (2002/04/30 17:01)

当然でしたが、既に「北海道」についての記述が・・・。失礼しました。
「カイ」という言葉は不明なんですね。勉強になりました。

そういう訳でこめこさん、サイト内の「1999年伝言板アイヌ語関係集」
99年12月24日のログを参考になさるといいと思います。



アイヌ語初心者です。。

ハル (2002/05/10 23:05)

初めまして。
私は今度修学旅行で北海道に行くんですけど、事前学習としてアイヌのことを調べる事になりました。そこでご質問なんですけど、「アイヌモリシ」とはどういう意味ですか?それから、アイヌ語で「人間の大地」とはなんと言うのでしょう?
きっと皆さんにとっては、こんなこともわからないのか位の質問だと思いますが、初心者なもので、まったくわかりません。どこを調べたらいいのかも・・・。どうか、教えてください。よろしくお願いします。
急なのですが、13日までに教えていただければ幸いです。図々しい限りで、すみません。



アイヌモシリ

佐藤和美 (2002/05/12 11:14)

「アイヌ」の意味は以前書いたことがあります。
「アイヌの意味は」(2002/02/23 10:45)

「アイヌモシリ」の意味ですが、田村すず子『アイヌ語沙流方言辞典』(草風館)からです。

aynu mosir アイヌ モシ
人間/アイヌ・国
1.(神の国に対して)人間の国。
2.(sisam mosir シサ モシに対して)アイヌの国(多くの場合北海道を指す)。

「アイヌモシリ」を「人間の大地」と訳す人もいるようです。



ありがとうございます>佐藤和美さま

ハル (2002/05/13 19:49)

ありがとうございます!助かりました。
アイヌモシリ=人間の大地 と考えてもいいわけですね?
今度アイヌについて自分でも調べてみようと思います。人に頼りっぱなしじゃダメですもんね!
今回は本当にありがとうございました。



はじめまして。質問です

イブ (2002/05/19 15:39)

はじめまして。
質問なのですが、アイヌ語の「ホロホロ」と言うのは、どんな意味なのでしょうか?
山の名前に使われているくらいだから、深い意味があるのだと思いますが、インターネットでいろいろ言語関係、地名関係のページをまわってもわからないのです。
それと、「ピリカ」は「美しい、よい」と言う意味ですよね?
どうかよろしくお願いいたします。

追伸:漫画でアイヌ民族に興味もつのって不謹慎ですかね?(^^;



ホロホロ

佐藤和美 (2002/05/20 21:10)

イブさん、はじめまして。

>質問なのですが、アイヌ語の「ホロホロ」と言うのは、どんな意味なのでしょうか?
>山の名前に使われているくらいだから、深い意味があるのだと思いますが、

「ホロホロ」というアイヌ語はちょっと思いつかないですね。
北海道で現在「ホロ」で残っているものはアイヌ語では「ポロ」(大きい等の意味)が可能性が高いのかなという気がしますが、「ホロホロ」となるとちょっと見当がつきません。

>それと、「ピリカ」は「美しい、よい」と言う意味ですよね?
そうです。

>漫画でアイヌ民族に興味もつのって不謹慎ですかね?

とんでもありません。私もマンガ大好きです。
手塚治虫にも『シュマリ』なんていう作品があるし。
私は読んだことないですが、北海道が舞台の『王道の犬』っていうマンガもあるそうですね。

こんなのもあります。

『手塚作品のアイヌ語』
http://www.asahi-net.or.jp/~hi5k-stu/tezuka/sumari.htm



ホロホロについて

JRA (2002/05/21 00:12)

>アイヌ語の「ホロホロ」と言うのは、どんな意味なのでしょうか?
>山の名前に使われているくらいだから、深い意味があるのだと思いますが、

 温泉で有名なホロホロ山荘があるのがホロホロ山ですが、このことを言っているのですか?

 字面から語呂合わせで、ポロホロ poro-horo としてさらに、何らかの省略があったとしたとしましょう。これでよしとする人が多いのですが、このようなやり方は、一番やってはいけない手法です。
まずは、江戸期や明治の文献を調査し、アイヌ語地名かどうかの判断が必要かと思います。
その後、アイヌ語地名であるのなら、現地調査が必要かと思います。



(無題)

NICHOLLS (2002/06/22 00:38)

最近、SOUL FLOWER UNION というアイヌの曲なども演奏するバンドを聴いていて、『アイヌ語』で検索した結果、ここにたどり着きました。イエイ!

ところで、コロポックルの他に、アイヌの精霊のような存在はあるのでしょうか?



>アイヌの精霊のような存在はあるのでしょうか?

ろんりーかんがるー。 (2002/06/22 01:07)

ここなんてご参考になりますでしょうか?

http://www.ainu-museum.or.jp/nyumon/nyumon.html

見当違いならすみません。



えぞおばけ列伝、妹の力

佐藤和美 (2002/06/22 11:18)

>NICHOLLSさん
岩波文庫に知里真志保の『アイヌ民潭集』ってのがあります。
これに『えぞおばけ列伝』っていうのが入ってます。
読まれてみてはどうでしょうか。

ちょっと話題がかわりますが、

アイヌには沖縄の「おなり信仰」みたいなのがあるようですね。
ユーカラなどに出てきます。
「おなり信仰」は「妹(いも)の力」ってやつですかね。
アイヌと沖縄で、なにか関係あるのか、それとも偶然なのか。

『大辞林』
おなりがみ【おなり神】
沖縄などの南西諸島で、姉妹に兄弟を守護する霊力があるとする信仰。また、その姉妹の霊。男子が航海などに出る場合、その姉妹の手織りの手拭いや毛髪などを護符として身につけていく風習がある。〔オナリは姉妹の意で、エケリ(兄弟)に対する語〕



Thank you very much!

NICHOLLS (2002/06/22 15:43)

≫和美さん

どうもありがとうございました。
早速、その本買ってみようかと思います。(゚ー^)/〃


≫ろんりーかんがるーサン

いえいえ、僕の書き込みに気をとめてくれただけで感謝してますよ。
行ってみて、色々勉強になりましたし。
どうもありがと。



アイヌ民族の文化について

LOVIN☆ (2002/06/25 10:29)

はじめまして こんにちは。わたしは中3の女子です。
私たちは今 アイヌの人たちの言葉、音楽、衣装のことについて
しらべています。 細かい質問は決めてないんですが、このことをしらべるにあたって
なにかアドヴァイスがあれば教えてください。復カキコしたいと思います。



Re:アイヌ民族の文化について

佐藤和美 (2002/06/25 15:50)

数日前のろんりーかんがるー。さんの投稿に
http://www.ainu-museum.or.jp/nyumon/nyumon.html
の紹介がありました。

ここをのぞいてみてください。



お礼→本題でーす。

LOVIN☆ (2002/07/04 12:06)

この前アイヌの文化のことについてお尋ねしたものです。
先日は お勧めのHPを教えてくださいまして有り難うございました。
とーっても役立ちましたよっ。

調べることを決めました。
   アイヌ民族の文化について
*言葉
*音楽
*衣装       以上の3つについて只今調べております。

言葉や衣装は結構情報を入手できているのですが、音楽がなかなか見つからなくて、、、
音楽って言っても アイヌの楽器を中心に調べようとしてます。
ここのページって言葉専門なのでしょうか。。。
アイヌの楽器のことをわかる範囲でいいのでおしえてください!
お願いします。!



>アイヌの楽器

ろんりーかんがるー。 (2002/07/04 13:06)

http://www.ainu-museum.or.jp/mukkuri/mukkuri.html

はご覧になりましたか?



アイヌの楽器

佐藤和美 (2002/07/04 13:40)

アイヌの楽器というとムックリとトンコリですかね。

ムックリ
http://www.frpac.or.jp/bunka/shichou/mukkuri.html

トンコリ
http://diamond-dust.com/ainu/ainu4.html



ムリ

展示大工 (2002/07/07 14:08)

先日北海道の道東を放浪しまして、音別付近の山間部で霧里(ムリ)という地名を見かけました。
アイヌ語だとは思うのですがいったいどのような意味があるのでしょうか?
たしかに字の通り霧は深かったのですが。。。これは当て字ですよね?



Re:ムリ

佐藤和美 (2002/07/08 11:57)

山田秀三『北海道の地名』(北海道新聞社)で調べたけど、「霧里(ムリ)」は出てませんでした。そのかわり「武利(むり、むりい)」があったので、これを紹介しましょう。

武利 むり、むりい
「永田地名解は「ムリイ muri-i(ムリ草ある処)」と書いた。名詞の後に-i(処)と語尾がつかない。たぶんムリの語尾にアクセントがあってムリーと聞こえたのであろう。ムリ(muri,murit)は海浜に生える「おてんき草」だといわれるが、内陸の地名にもよくこの名が出て来る。植物に詳しい方に調べていただきたい。
 なお近文のシアヌレ媼にこの種地名を尋ねたらムン・リ(mun-ri 草が・高い)と思って来たがといわれた。確かに一つの意見である。」



霧里(ムリ)

JRA (2002/07/08 13:31)

>音別付近の山間部で霧里(ムリ)

『北海道の地名』に釧路地方の「音別」の項の次に、「ムリ川」が出ていますので、この川由来の地名が「霧里」と推定できます。
 秋葉実氏は「いらくさ」かと考え、土地の古老は「すげ」との記載があります。



(無題)

篠原 邦武 (2002/08/05 23:08)

ずいぶん、久しぶりに投稿します。
アイヌのイナウの語源について教えてくれませんか?
インターネットをいろいろ調べましたが、よくわかりません。



イナウ

佐藤和美 (2002/08/07 12:45)

イナウの語源、調べてみたんですが、見当たりませんねぇ。
語源不明なんじゃないでしょうか。
アイヌ語は日本語よりもさらに、語源を探求しにくいですから。



イナウ

篠原 邦武 (2002/08/07 20:24)

佐藤さん、ありがとうございます。
そうですね。私も、今日、図書館でアイヌ語辞典等も調べたのですが、語源はみあたりません
でした。意味はかいてありますが、このイナウと東北のオシラ様との関連で、本来の語源が
知りたかったわけです。すなわち、このような宗教の原点は???
などが、知りたかった訳です。また、いつか、分かったとき教えて下さい。
それでは、失礼します。



今回もアイヌ語

LOVIN☆ (2002/08/27 09:22)

こんにちは。
ここの掲示板では何か国の言葉について話をしているんですか?

質問します。

アイヌ語で「ワッカ」は‘水’って意味ですよね。
じゃあ、「トイトイ」ってなんて言う意味ですか??

ありがとうございました〜。←先に言っときます。



トイトイ

佐藤和美 (2002/08/27 16:55)

「トイトイ」ですが、アイヌ語辞典を三つ見てみました。

田村辞書
土、泥、地面

中川辞書


萱野辞書
地面、土、土の塊



九州のアイヌ語の地名

博次 (2002/09/06 01:48)

昔、九州の背振山(せふり)がアイヌ語からきていると聞いたことがありますが
本当でしょうか。
また、九州地方の地名でアイヌ語由来ものはあるのでしょうか?
どなたか御存知でしたら教えて下さい



Re:九州のアイヌ語の地名

佐藤和美 (2002/09/09 07:21)

博次さん
>九州地方の地名でアイヌ語由来ものはあるのでしょうか?

私の基本スタンスはこうです。

佐藤和美 (1999/01/11 13:48)
「個人的には西日本の地名をアイヌ語で解こうというのはやめておいたほうがいいと思ってます。」

西日本の地名をアイヌ語で解こうっていうのは幽霊アイヌ語が多いようですね。
(「幽霊アイヌ語」佐藤和美 (1999/01/06 12:59))

幽霊アイヌ語でない説もありますが、

糸島半島
この「いと」がアイヌ語の「エトゥ」(岬)だという説があります。
でもアイヌ語「エトゥ」は「岬」であって、「半島」じゃないんですが。こういう説の人って、「岬」も「半島」も同じだと思ってるんでしょうか。北海道では、知床岬が知床半島に転用されたような例がありますが(転用したのは和人でしょうが)、糸島岬でもあればよかったですかね。 それにそもそも「糸島」は「半島」の名だったのか? とか考えないんでしょうか。



大雪山のアイヌ語

ito (2002/09/10 18:50)

はじめまして、私も言葉を探して、こちらを知りました。
アイヌ語で、大雪山のことを ヌタプカムウシュペ や、ヌタクカムウシュペと、
言う事迄調べましたが、詳しくはアイヌ語辞典にも載ってなく、
これは、いくつかのアイヌ語を合わせているのか、
発音のスペルはどのようになるのか、調べています。
何か情報がありましたら、教えてください、お願いします。



大雪山

ito (2002/09/11 16:56)

大雪山をアイヌ語で、と投稿したitoです。
その後、山田秀三「北海道の地名」p105で、知る事が出来ました。
やはり、正確なことは分からないですが、
「ヌタプカウシペ nutap-ka-ush-pe 」と 「ヌタプカムイシリ nutap-kamui-shir 」
が、混同し、ヌタプカムシペとなり、現在、ヌタプカムシュペや、ヌタクカムウシュペと
呼ばれるようになたのではないか、とありました。
この情報に誤りがあったり、違う情報がありましたら、ぜひお教え願います。



美瑛の由来について

おちゃる (2002/09/25 17:41)

初めまして。
「美瑛」について調べているうちに佐藤さんのHPをみつけました。
「美瑛」とはどんな由来でついた地名でしょうか?
7月の上旬に新婚旅行で北海道を周遊してきました。
その中でも美瑛の素晴らしい景色に主人共々感動し、今でもよく美瑛について話題になります。
そして、11月に生まれてくる子供の名前を「美瑛」にしようかという意見にも賛成してくれました。
もし、あまりにも名前に相応しくなければ止めようと思うのですが、、、。
是非、教えて下さい。
よろしくお願いします。



Re:美瑛の由来について

佐藤和美 (2002/09/26 22:17)

人名にはどうかなという感じですね。

piye ピイェ
「油こい;油ぎった」

語源説はこれくらいしかないようです。

(山田秀三「北海道の地名」北海道新聞社)



アイヌについて・・・

ちょ (2002/10/04 16:02)

今アイヌについて調べているちょです。
オヒョウの木について知りたいんですけど、
情報下さい。できれば、
北海道の根室管内でおねがいします。
日曜日までに返事たっっっっっっっっくさん
ください!!!!!!!!!!!!!!
本当に急いでるんでおねがいします!!!



アイヌ語おしえてください〜

樺厘 (2002/10/04 23:04)

アイヌ語にめっちゃ興味を持っています
それで、「紅葉」「光」「恋、愛」「川」
のアイヌ語を教えていただきたいです。
お願いします。  すいませんけどできるだけ早めで☆



オヒョウ

佐藤和美 (2002/10/05 20:35)

>オヒョウの木について知りたいんですけど、
>情報下さい。できれば、
>北海道の根室管内でおねがいします。

とりあえずサーチエンジンで「オヒョウ」で検索すれば山ほど出てきますね。
例えば、
http://www.ohotuku26.or.jp/chacha/morihaku/wood/wood23.html

>北海道の根室管内でおねがいします。

これはどういう意味?



アイヌ語サイト

ロスケ (2002/10/05 22:21)

アイヌ語の語彙集のサイト。
参考になるでしょうか?

http://city.hokkai.or.jp/~ayaedu/hazime/ainuc.html



ありがとうございます。

ちょ (2002/10/06 17:22)

  佐藤和美さん

どうもありがとうございます。がんばって探したのですがなかなか見つからなくて。
>北海道の根室管内でお願いします。
これの意味は北海道の根室管内だとどのへんに生息しているんですかって意味です。
北海道に住んでいながらオヒョウの木って見たことないんです。
これについても急いでお返事ください。ほんっとにほんっとに急いでるんですっ!!!!!!!!
よろしくお願いしますっ!!!!!!!!!!!!!!!!!



ちょさんへ

いばら (2002/10/07 13:56)

こちらは「言葉の世界」の掲示板なので、アイヌ語に関する質問ではなく
植物に関する質問でしたらこちらでは回答は得られないと思いますよ。
ここには言葉の専門家はたくさんおられますけれど、植物についての掲示板ではありませんから。

農水省林野庁の関連組織で「独立行政法人 森林総合研究所北海道支所」
という機関があります。こちらに問い合わせてみてはいかがでしょう。
問い合わせのときには、あなたはどなたで、どういう目的で何を知りたいのか、
丁寧にお願いしてくださいね。
もしかしたらこの機関では答えが出てこないかもしれませんが、
そのときにはどこに問い合わせるといいのかも訊いてみてください。

↓独立行政法人 森林総合研究所北海道支所のURLです。
http://www.ffpri-hkd.affrc.go.jp/



アイヌ語

poronup (2002/10/12 02:21)

久しぶりにここに来ました。

■ちょ さんへ

質問の意味が分かりません。オヒョウの何について知りたいのですか?

■樺厘さんへ

>「紅葉」「光」「恋、愛」「川」のアイヌ語を教えていただきたいです。

光はnupek
川はpet

がよく聞く単語です。

紅葉は知りません。葉っぱが赤くなるとかそういう言い方はできますが、特に紅葉を指す表現があるかどうかは知りません。

恋とか愛は分かりません。日本語にぴったり合う言葉はないのでは?
ただ、誰かを好きになるとか、惚れる、という言い方はあります。iyosikkoteとか、いろいろありますね。

あとそれぞれのみなさん、何のためにそのアイヌ語が必要なのか教えて欲しいです。
それによって答えも変わってきます。



初めまして!

ありか (2002/12/08 14:17)

えっと、聞きたいことがあります。
「レヤン」ってアイヌ語ですかね?
もし分かるなら、意味を教えていただけませんか?
昔いた、アイヌ人の国会議員 萱野茂 という人がアイヌ語で演説したなかに、
使われたらしいのですが。
検索しても、出てこなくて…。
お願いします。



レヤン

佐藤和美 (2002/12/10 22:05)

ありかさん
>「レヤン」ってアイヌ語ですかね?
>もし分かるなら、意味を教えていただけませんか?
>昔いた、アイヌ人の国会議員 萱野茂 という人がアイヌ語で演説したなかに、
>使われたらしいのですが。
>検索しても、出てこなくて…。

いくつかのアイヌ語辞典を調べても「レヤン」は載ってなかったですね。

草風館の萱野茂さんの『アイヌ語が国会に響く』には、萱野さんの国会での発言が収録されているようなので、確認してみるといいでしょう。



アイヌの言葉を名前に

みず (2002/12/13 15:37)

はじめまして。
アイヌの言葉を探して流れ着きました。

現在妊娠9ヶ月。来月に出産を控えています。
北海道が大好きで雄大で伸びやかな子に育ってほしいとの願いを込めて、
アイヌ語を名付けの参考にしたいと思っています。
たとえば、拓く、創る、元気な、健康な、たくましい、などの
言葉はアイヌ語ではなんというのでしょうか?

よろしくお願いします



アイヌ語 元気

高駒麗人KOMA (2002/12/14 00:48)

http://www.asahi-net.or.jp/~hi5k-stu/(アイヌ語資料)
http://ramat.ram.ne.jp/itak/aisatu.htm(0から始めるアイヌ語入門)
お元気ですか?  Eiwanke ya? えぃわんけ やー?
元気ですよ  Kuiwanke wa! くぃわんけ わー!
http://www.stv.ne.jp/radio/ainugo0104/lesson5.html(アイヌ語ラヂオ講座)
http://www.stv.ne.jp/radio/ainugo0010/index.html(アイヌ語ラヂオ講座)
2.イワンケノ アン ナ。iwankeno an na.元気良く いる 〜よ

●イランカラプテ[挨拶の言葉] ●イワンケノ[健康で、元気良く]
●アン[いる、生活している(単数)] ●ランマカ[変わりなく、相変わらず]
●タント[今日] ●シリピリカ[天気が良い]●ワ[〜よ、〜ね]●エカシ[お爺さん]●オカイ[いる、生活している(複数)]●ピリカ [良い、美しい]. ●ノンノ [花],●カル(kar)[作る]
アイヌ語「元気」については他にも詞があるかもしれません。
http://club.pep.ne.jp/~shigmats/utusback/ainu.htm

1998年伝言板アイヌ語関係集
http://www.asahi-net.or.jp/~hi5k-stu/aynu/bbsaynu98.htm
女の子にアイヌ語の名をつけるなら「ノンノ(花)」がよいでしょうか。
男の子なら「カムイ」もかっこいいかも。(「忍風カムイ外傳」もう一回見たい。)
http://plaza.rakuten.co.jp/tenki516/013009

http://www.jtb.co.jp/media/osaka/html/kouyou/hokkaido-siretoko.html
JTB旅行案内より。知床の語源は大地の尽きるところという意味のアイヌ語「シリエトク」。
蝸牛社から出たアイヌ語イラスト会話辞典ではアイヌ語で「美しい」が「シレトク」のような詞で、私は「シレトコ(知床)」は「美しい」だと思っていました。

幼少のころ母親が「♪ピリカピリカ…ヌンケクスネ」という歌を歌うのを聞いたことがあります。「冒険コロボックル」というアニメも昔あったようです。(主題歌の入ったテイプをよく聞いています)
また、昔のテレビのCMで、雨の日に傘のないおじいさんに2人くらいのコロボックルがフキの葉をあげて、「そのフキの葉はコロポックルたちの大切なおうちだったのです」というナレーションが入るのを見たことがあります。ご存知のかたいますか?

余計かもしれませんが、「シリ」は日本語の「尻」のようで、「ピリカ」についても幼児語で下痢を「ピリコ」と言ったりするので、名前には少しまずいかもしれません。女性で「池尻」や「川尻」が苗字の人はあまり、姓を名乗らず、明子とか清見とか個人名で通しているのが多いようです。しかし、アイヌ語の名前をつけるのはとてもいいことです。
http://www.sanseido-publ.co.jp/publ/generic.html

http://websearch.yahoo.co.jp/bin/query?p=%b8%b5%b5%a4+%a5%a2%a5%a4%a5%cc%b8%ec&hc=0&hs=0



アイヌ語名

辻本裕幸 (2002/12/14 13:47)

でも、アイヌ民族の習慣では美しい名前を子供につけると、早死にするという伝統があるので、カムイとかピリカはちょっと、まずいんじゃ?まあ、あれは古代の習慣(迷信)なので、現代はあまり気にしなくてもよいかもしれませんが。ちなみにアイヌ民族には本名は元来ないそうで、ときと場合におおじて改名も度々行われると聞きました。
 ところで、カムイ伝には一人もアイヌ人が出てこないのに、どうして、あんなタイトルがついているのですか?僕は愛蔵版全15巻を読んでさすがにしばらく、漫画が読めませんでした。(笑)いつ、アイヌの話が出てくるのか、楽しみにしていたのに、最後まで、確か出てこなかったような。でも同和問題に関してはとても勉強になりました。わけのわからん漫画をアニメ化するより、ああいう良い作品をテレビアニメにして、もっと国民に知らしめるべき。
 私はram tuy aynuというアイヌ語名を持っています。しかし、中国語名、慈吉莫図の方が通り名になってしまっているので、アイヌ語名を使う機会はありません。いや、アイヌ語名はあまりむやみに人に教えるべき物ではないとも、本で習いました。



Re:アイヌの言葉を名前に

佐藤和美 (2002/12/15 16:50)

みずさん
>たとえば、拓く、創る、元気な、健康な、たくましい、などの
>言葉はアイヌ語ではなんというのでしょうか?

『萱野茂のアイヌ語辞典』(三省堂)に日本語索引があるので、関係ありそうなものをひろってみました。

カラ kar
1.作る.こしらえる.直す.

カラパ kar-pa
作る[複].

エカラカラ e-kar-kar
作る.言葉を授ける.

ニサシヌ nisasnu
健康だ.元気だ.丈夫だ.

エニワシヌ eniwasnu
頑張る.一生懸命に努力する.張り切る.元気が満ち満ちている.こまめによく働く.大儀がらずによく気がつく.

この索引でいろいろな単語を引いてみるとおもしろいかもしれませんね。



カムイ伝

佐藤和美 (2002/12/15 16:50)

辻本さん
>ところで、カムイ伝には一人もアイヌ人が出てこないのに、どうして、あんなタイトルがついているのですか?

白土三平「カムイ伝」(1998/11/18 12:13)を読んでみてください。



カムイ伝

辻本裕幸 (2002/12/15 19:35)

カムイ伝を読んだのはもう8年も前で記憶が定かではありません。やはり、カムイ伝にアイヌ民族の偉大な叙事詩が出ているのでしょうか?帰国したらまた読み返します。カムイ伝は時代劇なのに、チャンスですぞ。とか、Uターンしなされとかいうセリフがあったのを覚えています。とてもユーモアも感じました。



アイヌ人の命名について

辻本裕幸 (2002/12/15 19:45)

今、昔の投稿を拝見しました。そうか、カムイ伝、ストーリーが変更しちゃったんですね。残念。「アイヌ語をフィールドワークする」という中川裕 氏の本によると、あるアイヌの人のお父さんがアイヌラックルという(英雄)の名前を持っていたという。そしたら、早死にしたとか。アイヌの伝統では、美しい名前を持っている人は神に気に入られ、そのまま、神の住む国(つまりあの世)へ連れて行かれる。それで、わざと、神が汚いなと思う名前を付けるのだそうです。トゥルシノ(垢だらけ)とか。  やはり、カムイなんて名前を子どもや自分に付けるのは、和人の発想でアイヌの発想ではありませんね。事実、カムイ伝では早くも第一巻で、カムイの双子の兄は、斬首刑に処されましたし。



アイヌ語の表記について

poronup (2002/12/25 18:51)

高句麗人 様

直接レスをお書きするのははじめてですね。
はじめまして。

>sir(或いはshir)を「シリ」siriにするか「シル」siruにするかは、
>本来ない母音をつけるわけでどちらも似たようなものでしょう。

残念ながら「似たようなもの」とは言えません。
sirをsiriとかsiruと書いてしまうと別の単語になります。siriは、sirの所属形で、同じく「様子」と訳せますが用法が違います。発音も違います。
siruは、「〜をこする」という意味の動詞です。
『アイヌ語イラスト辞典』のshir(こする)は誤記です。正しくはs(h)iruです。

sirの実際の発音は日本語の「シリ」に聞こえます。しかしこれをsiriとは書かないのが、知里幸恵以降のアイヌ語の表記法の鉄則です。
これはrの前の母音のiの影響であると説明されていますが、sirをsiriとは書きません。

また、yukarもrの前の母音aの影響で「ユカラ」に聞こえますが、yukaraとは書きません。
こちらは、「ユカル」という発音になることもあります。
(ただし樺太アイヌ語の場合は違います。)

アイヌ語のカタカナ表記いろいろ難しい問題をはらんでいますが、母音のついていないrを知里真志保は「」と統一的に表記しています。sirは「シ」、pirkaは「ピカ」です。しかし、こう書くと実際の発音からかけ離れてしまうので、「シ」などと書く方法が1980年代以降普及しました。つまり、rを実際の発音に近づけて「ラリルレロ」と書き分けるわけです。

北海道ウタリ協会が各地のアイヌ語教室で使うために作成したアイヌ語の教本『AKOR ITAK』(1995年)ではその表記を採用していまして、現在はこの表記にのっとった書き方が一番普及しています。
ただ、いくつかの問題点もあるので、違う表記を使用している人もいます。

『アイヌ語会話イラスト辞典』(蝸牛社)の著者は、知里真志保のめいの知里むつみさんです。


濁音については、実際の発音では濁って発音されることがあるので、アイヌ語にも濁音は「ない」わけではありません、
しかし、音素としては清濁の対立はないので、現在のローマ字表記法では基本的に清音で統一して書きます。
これは個人差があるようですが、鼻音のあとの子音は有声化しやすいようです。知里幸恵のみならず和人が聞き取ったアイヌ語の記録を見ると、濁音がごまんとあります。欧米人の記録でもそうです。
特にポーランド人のピウスツキの記録のみ濁音が多いということはありません。



発音表記は文法・歴史的な理由か

高駒麗人 (2002/12/25 23:49)

poronupさんへ
>『アイヌ語会話イラスト辞典』(蝸牛社)の著者は知里真志保の姪の知里むつみさん。
小生の記憶が不正確でした。対不起。いやいやいけれ。

>siriは、sirの所属形で「様子」。siruは、「〜をこする」という動詞。
勉強になりました。いっそ、(辻本さんではないけど)カタカナよりロシア文字で書く方がいいかもしれません。
「様子」sir「シリ」はсирь(sir')で、所属形はсири(siri)
「こする」はсиру(siru)でしょうか。

アイヌ語の表記は発音より意味や文法的な区別を重視した書き方でしょうか。
日本語の「知る」shiruの発音は shir 近い時もありますが、終止連体形としては shiru と書きます。shir 唯の語幹で、Shiranai(知らない)、shiritai(知りたい)と同様rの後に語尾がついた活用形と考えるべきだからです。

pirkaが「ピリカ」に聞こえるとすると、пирь-ка(pir'ka)と解釋できるでしょう。
ピリカ(ピルカ)が pir'kaなら追う二音節の筈ですが、「ピリカ、ピリカ…ヌンケクスネ」という歌では「ピー・リ・カ」で「リ」に音符がついてました。(しかし「ヌン」nunは1音節でした)yu-karやpir'-kaのr'が音節主音というのは珍しいです。
表記は子音だけで発音は母音をつけて1拍。少し納得いきませんが、これがアイヌ語の慣用でしょう。



アイヌ語の音節末のrについて

poronup (2002/12/27 03:13)

アイヌ語の音節末子音のrの非常に興味深い問題だと思います。
結論から言うと、本来は母音があったのが脱落したわけではなく、あくまで音声上、母音が添付されているということだと思います。

rの音価は、歴史的な分析より、まずは音声学的な現象として考えた方がいいと思います。
sir・pirkaなど、iのあとに来るrはほとんどの場合「リ」で発音されるようです。
しかしほかの母音のあとに来るrの場合は、その前の母音の音色で現れることが多いですが、地方・話者によって異なります。
たとえばpuyar(窓)を「プヤラ(近似値)」ではなく、「プヤル」と発音する人も結構います。
ikorは「イコロ」でもいいですが、「イコル」と発音する人もいます。

たとえば、kor(持つ)+rusuy(したい)は、kon-rusuyと発音されますし、ku=kor(私の)totto(母親)は、「クコットット(ku=kot totto)」という発音になります。
sir(大地)+anpa(を持つ)+kamuy(神)は、シランパカムイと発音されます(これは樹木のことです)。
もし、sirがsiriだとしたら、「シランパカムイ」という発音にはなりません。
こういった発音の法則から考えて、母音があるかのように思えるラ行音は、音節末子音rとしてみなされています。

それからrにアクセントは来ません。
(ただし、歌謡の場合は、例外が多いので難しい問題があります。)

有名な「ピリカ ピリカ」の歌は、どうやら和人の音楽家が編曲したものが普及しているようで、私が聞いた胆振の古老による原曲は、かなり違います。

pirka pirka pirka pirka
tanto sirpirka
inan kur pirka
a=numke kusu ne

pirkaのところは、「ピーリカ」と「ピ」を伸ばして歌っていました。sirpirkaも「シ」を伸ばします。
「ヌーンケ」のところは、正しくはa=numkeです。
聞き取った人が、人称接辞のa=(我々が)を聞き逃したようです。



参考までに

poronup (2002/12/27 03:26)

アイヌ語のrの音価は、日本語とほぼ同じ弾き音です。
(特に、北海道アイヌ語はそうです。ただし、過去に流音のlで発音する人がいたという記録がありますし、樺太の場合は破裂が強くdまたはtに聞こえることがあるようです。)
英語や北京語のrとは相当違います。

参考までに白老のアイヌ民族博物館のサイト(↓)で実際の音を聞いてみてください。
「ウエペケレ」のところを開いてみて下さい。
http://www.ainu-museum.or.jp/





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