2000年前半伝言板アイヌ語関係集




最上の難読地名

吉野ヶ里 (2000/01/01 23:30)

明けましておめでとうございます。吉野ヶ里です。ご無沙汰しています。
さて、山形県にある難読地名「及位(のぞき)」「差首鍋(サスナベ)」
「神室(カムロ)」はアイヌ語系でしょうか。最上地区は、アイヌ語の
南限に近いため、朝鮮語の影響を受けた地名かアイヌ語の影響を受けた
地名か、判別するのは難しいことだと考えます。
アイヌ語系でしたら、どんな意味になるのでしょう。教えてください。
この一年、佐藤さんのホームページがますます充実しますようお祈り
いたします。



最上の難読地名

佐藤和美 (2000/01/03 13:02)

以下、たんなる語呂合せですので、そのつもりで。

「及位」(のぞき)といえば、難読駅名でもよく見かけますね。
「ノゾキ」は「ヌプソツキ」nup(野原)+sotki(寝床)
熊が昼寝をした所です。

「差首鍋」(さすなべ)は「サスネペ」sa(浜の方)+sune(明かり)+pe(者、地名では所)
浜に明かりのある所の意味。

「神室」(かむろ)は「カモロ」kam(肉)+or(所)
肉のある所の意味です。

以上、アイヌ語辞典を片手に語呂合せをしてみました。
本気にしないでくださいね。

アイヌ語辞典を片手に語呂合せをする気になれば、
どうにでもなってしまう、という証明ができた?

とにかく語呂合せには用心が必要です。
特に地形地名でない場合は、検証ができないので、
マユにつばつける方がいいでしょう。

以下、吉田茂樹「日本地名語源事典」(新人物往来社)によります。
ノゾキ
東北地方に分布する場合は「ノゾキ(除木)」の意が多く、木を切り払って開発した地をいう。また、「ノゾキ(除)」で、年貢を免除された田地・屋敷のある所をいう。西日本の一部には、狭いすき間の土地を「ノゾキ(隙)」というのもある。

サスナベ
山形県最上郡真室川町の地名。河谷上流の地にあり、「サスノベ(焼畑の辺)」で、焼畑のほとりの意。

カムロ
山名の場合は「カブロヤマ(禿山)」の転化で、木のない山をいうが、低地の集落名になると、「カミラ(冬葱・韮)」の転化で、「ニラ(韮)」の採集地をいうであろう。



re.最上の難読地名

吉野ヶ里 (2000/01/06 06:43)

ありがとうございました。アイヌ語かそれ以外の言語か。語呂合わせで
いかようにも解釈できてしまう……。やはり、現地を訪ねてみないと分からない。
いや、訪ねても分からない可能性が高い。それだけに、地名の語源解明には
ロマンがありますね。



RE:最上の難読地名

佐藤和美 (2000/01/09 09:48)

吉田茂樹「日本地名語源事典」(新人物往来社)はわりとしっかりした本だと思うのですが、
私が持っているのは発行が昭和56年でちょっと古く、
それと著者は「中間報告とも言うべき意図で書いた」そうです。
その後、改定版でもでてたらいいんですが。

最上の地名ですが、アイヌ語地名、朝鮮語地名よりもまず日本語地名を考えるべきだと思ってます。
それでまずは「日本地名語源事典」に書いてることの検証から始めるのがいいのではないでしょうか。
三つの地名ですが、地形地名ではありません。
これを検証しようとしたら、たよれるのは古記録ですね。
たとえば、「及位」(のぞき)が年貢を免除された田地だった所であることが証明されれば、「ノゾキ(除)」が正しいということになりますね。
「サスナベ」に関しては「山形県最上郡真室川町の地名。河谷上流の地にあり、「サスノベ(焼畑の辺)」で、焼畑のほとりの意。」と断定的に書いてありますが、なにかの古記録をもとにしてるのかな?



「汁」「鍋」

無知(沢辺治美) (2000/01/25 12:13)

「けんちん汁」は「巻繊汁」と書くそうで、「繊」は牛蒡や人参じゃないかと思うんですけど、
「巻」はそうすると豆腐ですかね?
「三平汁」の方は、てっきり「三平さん」て人の名前から来ているのかと思ってたら、
「サンペイ」はアイヌ語で心臓の意だとか。魚のアラを入れるって事なんでしょうか。

「チゲ」は韓国語で「鍋」で、「ちゃんこ」は「力士」の事だけど、
「ちり鍋」の「ちり」はどういう意味なんでしょう?



広辞苑のアイヌ語地名

佐藤和美 (2000/02/08 12:59)

「広辞苑を読む」(文春新書)を読んでたら、
広辞苑に「根室」のアイヌ語の語源が書いてあるとのこと。
(著者は根室出身)
たしかに書いてあります。

根室「アイヌ語の樹林の意のニムオロから」

アイヌ語に「ニムオロ」っていう単語があったかな?
「ニムオロ」という単語は多分幽霊アイヌ語でしょう。
普通に訳すなら
「ニ」木
「ム」つまる
「オロ」所
「木のつまる所」といったところです。
もっとも、「根室」を「ニムオロ」といったかどうかは断定はできませんが。

幽霊アイヌ語にひっかからないようにするには、
地名を存在するアイヌ語だけに分解する、
これを守るだけでずいぶんまちがいは減らせると思うんですが。
それをしてないですね。

私はCD−ROM版広辞苑を持ってないので、全数チェックできるわけではないですが、
ちょっといくつかの北海道の地名を調べてみたのですが、
「根室」以外にはアイヌ語の語源が書いてないですね。
どうして「根室」だけアイヌ語語源が書いてあるんでしょう?

それにしても「ニムオロ」が「樹林」の意味だとは、
どういう人が書いたんでしょう?
広辞苑のうしろの方に執筆協力者の一覧が載ってますが、
その担当分野の中に「アイヌ」も「アイヌ語」もありません。
「日本地名」というのはありますが、この人が執筆した?
どっちにしろ、アイヌ語、アイヌ語地名を全く知らない人がアイヌ語地名の本から無批判に孫引きしたという感じですね。
広辞苑に書いてあることを信じる人は多いでしょう。
またまちがったアイヌ語を信じる人がふえていくんですねぇ。



アイヌ語地名

UEJ (2000/02/10 09:38)

CD-ROM版広辞苑でアイヌ語地名を検索してみました。
・江戸:(古今要覧稿に「江所(江に臨む所)」の意とし、
 アイヌ語源説では宇土・烏頭と同じく出張ったところの意とする)
・神居古潭:(アイヌ語でカムイ(神)のコタン(集落)の意)
・利根川:(トネはアイヌ語 tanne(長い、の意)からか)
・根室:(アイヌ語で樹林の意のニムオロから)

やつ【谷】:(関東地方でいう。特に鎌倉辺に地名として多く現存。アイヌ語からか)
なんてのもありました。



RE:アイヌ語地名

佐藤和美 (2000/02/11 16:32)

UEJさんwrote
>CD-ROM版広辞苑でアイヌ語地名を検索してみました。
UEJさん、ありがとうございました。

>・神居古潭:(アイヌ語でカムイ(神)のコタン(集落)の意)
これは全く問題ないですね。

>・江戸:(古今要覧稿に「江所(江に臨む所)」の意とし、
> アイヌ語源説では宇土・烏頭と同じく出張ったところの意とする)
アイヌ語の「エトゥ」は「鼻」という意味ですが、「岬」の意味にも使われます。
日本語の「鼻」も「岬」に使われることがあるのが、おもしろいですね。(長崎鼻とか)
ここでいってる「出張ったところ」はアイヌ語「エトゥ」のことだと思います。
ここではアイヌ語が示されていないですね。
「宇土・烏頭と同じく」っていうのはちょっと変ですね。
これだけでは、本当にアイヌ語起源か、他人の空似か判断できません。
私は他人の空似だと思ってますけど。
関東にアイヌ語族がいたというのが証明されていない状態で、
日本語地名の中にぽつんとアイヌ語地名があるというのを信じろとはムリな注文です。

>・利根川:(トネはアイヌ語 tanne(長い、の意)からか)
アイヌ語に「タンネ」(長い)という単語はたしかにあるんですが……
これも他人の空似だと思いますけど。
これくらいでいいなら、世界中がアイヌ語地名になっちゃうでしょう。

>・根室:(アイヌ語で樹林の意のニムオロから)
これは利根川と違って文末に「か」がないですね。よほど自信があるんでしょう。
(間違ってますけど)

>やつ【谷】:(関東地方でいう。特に鎌倉辺に地名として多く現存。アイヌ語からか)
>なんてのもありました。
「やつ」がアイヌ語起源だという説は柳田国男からひろまったようです。
山田秀三は「どうも賛成しかねる」と書いてます。
(ここではその理由は省略します)
あの山田秀三がこう書いてるのに、「やつ」がアイヌ語起源だなんて、
信じるわけにはいきません。
(山田秀三「関東地名物語」草風館)

それにしても、どういう基準でアイヌ語地名語源説を書く地名を選んだのか本当にナゾですね。



「谷」の訓読み

ふる (2000/02/22 17:24)

 はじめまして。ふる@言葉の減らずや(下記リンク)
と申します。拙頁は全くお遊びでして、日本語について
は素人です。漢字の音訓のことで気になることがあり、
検索エンジンで最も関係の深そうな掲示板を探してこち
らにたどり着きました。

 さて、『遠野物語』(柳田国男)の第9話注記に
「ヤチはアイヌ語にて湿地の義なり、内地に多くある地
 名なり。またヤツともヤトともヤともいう」
とあります。

 とすると、谷を「ヤ」と読むのは、アイヌ語由来の訓
読みということになるのでしょうか。タニが「やまとこ
とば」的訓読みでコクが音読み、という感じでしょうか。
 音読みには漢音、呉音、唐音などいろいろあると学校
でも習い、漢和辞典にも載っているわけですが、訓読み
の由来や分類について、とくにアイヌ語との関係につい
て、あまり見聞きすることが無かったもので、すでにど
んな議論があるのかご教示いただければと思い、お邪魔
した次第です。よろしくお願いします。

http://www.geocities.co.jp/WallStreet/1678/index.htm





ふる (2000/02/22 17:32)

2月11日の佐藤さんの書き込みで、既に触れられていたの
ですね。読み込み不足で大変失礼いたしました。



ヤチ

佐藤和美 (2000/02/23 13:00)

「ヤチ」がアイヌ語から入った地名なのかどうか。

> さて、『遠野物語』(柳田国男)の第9話注記に
>「ヤチはアイヌ語にて湿地の義なり、内地に多くある地
> 名なり。またヤツともヤトともヤともいう」
>とあります。

本田貢「北海道地名分類字典」(北海道新聞社)なんて本をめくって見ると、
「ヤチ」のつく北海道の地名は、増毛、奥尻、函館、にあり、そう多い数ではありません。
これも日本語、アイヌ語、どっちなんだか。

柳田国男は「内地に多くある地名なり。」と書いたとき、何を考えてたんでしょう?
北海道にはほとんどなくて、「内地に多くある地名」。
そういうアイヌ語地名がありえるでしょうか?



Re:ヤチ

ふる (2000/02/23 20:27)

「ヤチ」がそもそもアイヌ語から入った地名どうかも怪しいのです
ね。山田秀三『関東地名物語』は本屋に注文しました。

 ふと思い出したのが、「エゾヤチネズミ」(写真は下記URLなど)
という和名の鼠があることです。植林木を食い荒らすというので、
森林保護学の教科書によく出てくる名前です。昔からこの「ヤチ」
の意味が分からずにいました。

http://www.kankyocon.co.jp/a-ezoyati.html



教えてください

もも (2000/03/04 08:43)

初めまして。先日、友人から北海道土産にペンダントをもらったんですが、その裏に「ラムラッケ」と書いてありました。「ラムラッケ」とはどのような意味でしょうか?教えてください。



ラムラッケ

佐藤和美 (2000/03/06 21:01)

私は以前北海道の土産物店で
「ラムラッケ」はアイヌ語で「幸福を祈る」というような意味だと聞きました。

一応確認のためにアイヌ語辞典で調べたんですが、これが出てない。
「ラムラッケ」なし。
「ラムramu」(と思う。を思う。を考える。)はあるけど、
「ラッケ」がなし。
どうなってるんでしょう?



ラムラッケの件

もも (2000/03/07 21:28)

佐藤さんどうもありがとうございました。
私もアイヌ語辞典で調べてみましたが、よくわからなくて・・・
参考になりました。



"谷"の発音

Mik (2000/03/19 21:10)

はじめまして。三木と申します。よろしくおねがいします。(_o_) なんというか、すごく充実したサイトでびっくりさせられました。

ふるさんが先月「谷」の読み方について書いてらっしゃいましたが、近畿育ちの私が関東に移ってから気づかされていることでもあります。すなわち、大阪近辺では地名の「谷」を「たに」と発音することが普通なのに、東京近辺では「や」と発音するようなのです。大阪から来た知人が市ヶ谷を「いちがたに」と読んでしまったことがあるのですが、これが大阪人の普通の感覚だと思います。(もちろん、「や」という音読みがあること自体は学校でならっているわけですが...)

先月書かれてあったように、東日本におけるアイヌ語の影響の痕跡なのでしょうか? ご意見お待ちしてます。





佐藤和美 (2000/03/21 12:34)

 「谷」の読みかたですが、西日本が「たに」、東日本が「や、やつ、やち、やと」が使われることが多いようです。

 私はこの違いは西日本方言と東日本方言の差だと考えています。
西日本方言と東日本方言はいろいろな差があります。
これもその一つではないでしょうか。

日本語の地名をアイヌ語に結びつけたがる人が結構いるようですが、
「ヤチ」(2000/02/23)にも書きましたが、
アイヌ語「ヤチ」は地名ではほとんど使われていません。
他にもアイヌ語「ヤチ」から
「や、やつ、やち、やと」
というバリエーションが生まれてくるのかというのも言えそうです。
偶然の一致、または日本語の「やち」がアイヌ語に入ったと考えるのが妥当でしょう。

日本語の「名前」がドイツ語の「ナーメName」から入ったという人は
まずいないでしょうが、
アイヌ語というととたんに目が眩んでしまう人がいるのはどうしたことでしょう。
遠く離れた言葉で意味・発音が偶然似ることもあれば、
隣りの言葉で意味・発音が偶然似ることもあります。
隣りの言葉で意味・発音が同じだからといって、同語源とは限りません。



有珠

佐藤和美 (2000/04/03 12:34)

有珠山が二十数年ぶりに噴火しています。
アイヌ語「us」(ウス、ウシ)は「入江、湾」の意味。
もともとは、有珠湾のことをいったものです。
それが山の名にも転用されて「有珠山」というようになりました。



教えて下され

シャクシャイン (2000/04/10 01:17)

以前,何かの書物で東京都の地名の「日暮里」がアイヌ語を源としていると記載されていました。
「にっぽり」について知っている限り教えて下さいませんか?
また,国後島の択捉島側の岬の名前「安渡移矢」(あどいや)についても教えて下さい。



ぜひ 教えていただきたい

のちお (2000/04/10 16:00)

はじめまして。
夏休みに、アイヌ民族関連の場所に行きたいのですが、どこに行ったら勉強になるか
是非、教えていただきたいのでよろしくお願いします。



日暮里、安渡移矢

佐藤和美 (2000/04/10 16:54)

シャクシャインさんwrote
>以前,何かの書物で東京都の地名の「日暮里」がアイヌ語を源としていると
>記載されていました。
>「にっぽり」について知っている限り教えて下さいませんか?
「日暮里」(にっぽり)は古くは「新堀」(にいぼり)といいました。
新しい開墾地のことです。
(当然、日本語です)

>国後島の択捉島側の岬の名前「安渡移矢」(あどいや)についても教えて下さい。
「安渡移矢」(あといや)はアイヌ語「アトゥイatuy」(海)+「ヤya」(岸)で、
「海岸」の意味です。



RE: ぜひ 教えていただきたい

佐藤和美 (2000/04/11 12:48)

のちおさんwrote
>夏休みに、アイヌ民族関連の場所に行きたいのですが、どこに行ったら勉強になるか
>是非、教えていただきたいのでよろしくお願いします。

とりあえず思いうかぶのは、

二風谷アイヌ文化博物館
(HPはないみたい)

アイヌ民族博物館
http://www.asahi-net.or.jp/~kt9m-ysd/

ですね。

内容を確認して、よさそうだったら、行ってみてください。



濃昼,阿仁合,etc

シャクシャイン (2000/04/13 01:03)

日暮里,安渡移矢についてのご回答,ありがとでした。
僭越とは思いつつも,もう2,3教えていただけませんか?
厚田村の地名で「濃昼」(ごきびる),旧国鉄羽幌線の駅名で漁港の「力昼」(りきびる),秋
田県の「阿仁合」(あにあい)それに根室市の「別当賀」(べっとが)。なんともインパクトあ
りありの地名ですね。ひょっとして幽霊アイヌ語? 別当賀は択捉島の地名「別飛」(べっとび)
と類生の名でしょうか?
是非,教えて下さい。宜しくお願いいたします。



RE: 濃昼,阿仁合,etc

佐藤和美 (2000/04/14 12:03)

それでは順番に。

>厚田村の地名で「濃昼」(ごきびる)
「ポキンpokin」(下の)+「ピリpir」(渦、蔭、傷)
で、「下の渦」、「下の蔭」の二説あります。

>旧国鉄羽幌線の駅名で漁港の「力昼」(りきびる)
「リri」(高い)+「キピリkipir」(崖)

>根室市の「別当賀」(べっとが)
「ペツpet」(川)+「ウツカutka」(浅瀬の上を水がうねり流れる処)
「川の浅瀬の上を水がうねり流れる処」→「浅瀬」

以上、山田秀三「北海道の地名」によりました。

>択捉島の「別飛」(べっとび)
択捉島の地名はよくわかりません。
昭和20年以降、日本人で択捉島の地名調査をした人はいないわけですから。
つまり山田秀三も択捉島の地名調査はしてないということですね。
語頭はたぶん「ペツ」(川)なんでしょうが、その後は「?」ですね。
「別当賀」とは関係なさそうです。

>秋田県の「阿仁合」(あにあい)
吉田茂樹「日本地名語源事典」からです。
「阿仁」
「アイヌ語説もあるが日本語地名であろう。「ハニ(埴土)」の転化と考えられる。」

「大辞林」からです。
はに【埴】
きめの細かい黄赤色の粘土。古代は、これで瓦や陶器を製し、また丹摺(にず)りに用いた。あかつち。へな。はにつち。「―もて物作る人ありて/即興詩人(鴎外)」「海の底に入り、底の―を咋(く)ひ出でて/古事記(上)」

以前、東京の赤羽の語源が、「赤埴(あかはに)」だと書いたことがありました。



ありがと

シャクシャイン (2000/04/15 00:11)

ありがとでした。非常に勉強になりました。
それにしてもすごいですね、博学でいらっしゃる。アイヌ語転訛の地名は面白いです。
美利河(ぴりか:旧国鉄瀬棚線),沼宮内(ぬまくない),庶路(しょろ),蘂取(しべとろ),
沙流(さるる),白人(ちろっと)等々。



白人は???

かもさん (2000/04/18 09:49)

アイヌ語で白人はなんと言うんでしょうか?
どなたか教えていただけるとありがたいんですが・・・。



美利河(ぴりか)

佐藤和美 (2000/04/18 12:41)

シャクシャインさんwrote
>アイヌ語転訛の地名は面白いです。
>美利河(ぴりか:旧国鉄瀬棚線)

私はこの美利河の当字が上手だなと思ってます。
「美利河」の語源は「ピリカペツPirka pet」(美しい川・良い川)
「美」、「河」という字をつかって「ピリカ」に当ててます。
「美利河」って上手な当て字ですよね。



ペ(ツ)とワッカ

ふる (2000/04/19 17:30)

佐藤和美さんwrote
>「美利河」の語源は「ピリカペツPirka pet」(美しい川・良い川)

 ちょうど北海道の知人から以下のような話を聴いたばかり
だったので、質問させていただきます。アイヌに、
「そのナはワッカ、ペじゃないぞ。シシキこいたら
 ぶたれるぞ」
というような語句があり(正確には覚えていません)、
「その流れは飲める水で、飲めない水ではないから、
 おしっこなどしたら怒られるぞ」
という意味だと言います。ときに、この背景には、

ナ=流れ
ベツ(濁音)=暴れる川
ナイ=暴れない川
ペ(半濁音)=飲めない水
ワッカ=飲める水

といった区別があるのだといいます。たとえば、稚内は、
飲めて暴れない川、という意味だと。もしそうだとす
ると、また、佐藤さんの仰るpetが、知人の「ペ」だと
すると、ピリカペツは、「美しいけれど飲めない水」
という意味になりそうなのですが、この解釈および知
人の説は正しいのでしょうか。文献だけでも結構です
のでご教示いただければ幸いです。



ペ、ワッカ、ペツ、ナイ

佐藤和美 (2000/04/20 12:36)

アイヌ語の「p」と「b」ですが、アイヌ語にはこの区別がありません。
「k」と「g」、「t」と「d」の区別もありません.
そのため、これらは清音で統一して表記します。
「pet」と「bet」の区別はありません。

>ベツ(濁音)=暴れる川
>ナイ=暴れない川
>ペ(半濁音)=飲めない水
>ワッカ=飲める水

どこからこんな解釈がでてくるんでしょうねぇ。
知床のカムイワッカの滝の水でも飲んでみますか?
(死ぬかもしれませんけど。理由は「知床地名行」を読んでみてください)

田村すず子「アイヌ語沙流方言辞典」から。
peペ
水、固体の中に含まれていてどうかすると出て来る水気(ぬれたタオルの水、果物の汁など、何かについている水やしずく、露)
物質としての「水」はwakkaワッカ。おつゆの汁はrurルル、煮物の汁はuweheウウェヘ。

「ナイnay」と「ペツpet」の違いですが、とりあえずは両方とも「川」と訳しておくのが無難でしょう。私はそうしています。
詳しくは知里真志保の「地名アイヌ語小辞典」とか
山田秀三の「アイヌ語地名分布の研究」(アイヌ語地名の研究1所載)とかをご覧ください。

1999年伝言板アイヌ語関係集」の
「アイヌ語「ナイ」(川)の分布」(1999/11/05)
も参考にしてみてください



フレシサム

佐藤和美 (2000/04/20 12:38)

かもさんwrote
>アイヌ語で白人はなんと言うんでしょうか?
>どなたか教えていただけるとありがたいんですが・・・。

田村すず子「アイヌ語沙流方言辞典」からです。

huresisamフレシサム
[赤い・異民族]白人。
参考 髪の毛が赤いから。
参考 repunkurレプンクル外国人。



Re:ペ、ワッカ、ベツ、ナイ

ふる (2000/04/20 16:09)

佐藤さん、いつもご教示ありがとうございます。
1999年アイヌ語関係伝言板ログも有り難い内容
でした。まずは基礎的な文献から勉強してみま
す。

さて、伝言板ログにある「カッカ」の話ですが、
スオミ語でも「おしっこ」の意味なのだそうで、
フィンランドのAho首相が来日した際、日本側が
「アホ閣下」と呼んだら、お互い別の意味で失笑
状態だったそうです。



アイヌ話

シャクシャイン (2000/04/22 23:56)

先日,北海道は稚内,猿払,浜頓別を1泊2日で旅してきました。
稚内駅前の土産物屋で購入した「アイヌものしり話」という本に北海道という名の由来が載ってい
ました。それによると,伊勢出身の人物・松浦武四郎の雅号「北海道人」をそのまま採用した明治
政府が蝦夷島を北海道としたとあります。アイヌの実態をありのままに報告した「近世蝦夷人物誌
」を高く評価してのことだそうです。
この本はなかなか面白く,アイヌの熊狩りの儀式「イヨマンテ」や海の神アドイコロカムイなどに
も触れていました。魔除けの儀式オパラパなんかも民族的で惹かれました。



What meens is this?

ぷるか (2000/04/23 10:24)

アイヌ語の地名の由来を教えて下さい。
熱環(あついわか)、後早岳(あとさだけ)、飛沫別(しぶきべつ)、縁留(えんる)
の4つです。



(無題)

resaknay (2000/04/23 12:30)

アイヌ語の地名の由来を教えて下さい。
熱環(あついわか)、後早岳(あとさだけ)、飛沫別(しぶきべつ)、縁留(えんる)
の4つです。
→とのことですが、どこの地名ですか?市町村or島の名称を教えてください
音から判断するなら
アトウイワッカatuy-wakka(海・水)
アトウサヌプリatusa-nupuri(裸である・山)
スプキペッsupki-pei(アシ・川)
ウェンルwen-ru(悪い<険しい>・道)
と判断できますが、原則的には現地の景観と照合していなければ意味がありませんから、今の時点では試案と考えていてください。



意味は?

シャクシャイン (2000/04/23 20:26)

こんばんわ,再度訪問させていただきました。
北海道から東北地方北部にかけて,本当に地方色の濃いアイヌ語由来の地名が目立ちますね。
もう10年以上にもなりますが,当時の国鉄による赤字廃止対象路線を追いかけていた時分,よくその不思議な
発音を持つ北海道や東北北部の地名に興味を抱きつつも,その意味となると分からないものばかりでした。
皆さん可成り研究されていて,非常に勉強になります。
もしよろしければ,2・3以下の地名の由来にお答え頂けませんか?
 岐阜川:サロマ湖の方だったかと? これってアイヌ語ではないですよね?
 追久間内(おくまない):稚内市宗谷の川の名
 仁宇布(にうぷ):旧国鉄美幸線の終着駅
 阿歴内(あれきない):川の名前だったかと思います
よろしくお願いいたします。
「熱環」ってどこの地名でしょうか? 



追記

シャクシャイン (2000/04/23 20:29)

追記。釜石:岩手県の地名,種市:八戸市郊外もアイヌ語でしょうか?



出来る限りお答え致します

resaknay (2000/04/24 07:23)

岐阜川:サロマ湖の方だったかと? これってアイヌ語ではないですよね?
私の経験から、・・・まず、自分で解釈を試行してみてはいかかでしょう。
いわゆる「知里・アイヌ語地名小事典」北海道出版企画センター・・・たぶん1000えんだとおもいます・・を購入されることをお勧めします。
より多くの人々で、アイヌ語地名研究を進めたいとおもいます。
なお、現場の環境を確認しなければ、はっきりしたことは言ってはならないと思いますが、
以下の地名については、その音から、 
追久間内(おくまない):稚内市宗谷の川の名:オクマナイo-kuma-nay(川尻<河口>に・物干し棚(ある)・川)
仁宇布(にうぷ):旧国鉄美幸線の終着駅:これは軽々には言えません
 阿歴内(あれきない):川の名前だったかと思います:ナイnay(川)は間違いありませんが、アレキについては、軽々には言えません
よろしくお願いいたします。
釜石:岩手県の地名:音からだけならカマウシkama-us-i(盤岩・付いている・もの(川?or海岸?)ですが、景観と照応しているでしょうか?
種市:八戸市郊外:これはまだ誰も言及していないとな思いますが、タンネエサシtanne-esausi(長い・岬)と解釈して良いとおもいます。そして、景観もこれに照応しています。
出勤前のため、やや雑ですが・・・あしからず。



青森県にもアイヌ語地名

ゆんず (2000/05/03 00:58)

初めまして。
八戸のゆんずと申します。
十和田湖の「とわだ」って、「とー・わんだ」が元で、「大きな岩」という意味なんだそうです。
あと、意味は知らないけど、野辺地(のへじ)もアイヌ語だそうです。



アイヌ語地名講演会について

resaknay (2000/05/03 17:01)

アイヌ語地名研究会主催の講演会を以下のように開催します
ふるってご参加下さい。

とき:6月18日(日) 10時〜15時
ところ:札幌市中央区北2西7
    かでる2・7  710会議室
なかみ:切替英雄先生(北海学園大学)の講演
    演題:「アイヌ語地名とアイヌ語」(仮題)
    「アイヌ語入門(知里真志保・著)」を各自持参下さい
    12:10より1時間:昼休み
    13:10よりパネルデイスカッション15:00終了予定

なお、アイヌ語地名研究会に入会ご希望の方も、
この会場で受付が出来ます。お申し出下さい。



RE:青森県にもアイヌ語地名

佐藤和美 (2000/05/05 11:10)

ゆんずさんwrote
>十和田湖の「とわだ」って、「とー・わんだ」が元で、「大きな岩」という意味なんだそうです。

アイヌ語で「ト(トー)」は「湖・沼」という意味ですけど、
「わんだ」という単語はなさそうですね。
そのかわり「ワタラ(ワダラ)」はあります。
(アイヌ語では「t」と「d」の区別はない)
意味は「岩石、角の立った大きなゴロゴロした石」。
(田村すず子「アイヌ語沙流方言辞典」)
「ト・ワダラ」で「湖の岩」かな。
ただし、十和田が「ト・ワダラ」だったかどうかの検証(地名調査での)はまあ不可能でしょうね。
私が「ト・ワダラ」説で気になるのは文献的に「トワダラ」という形が残っているのかということです。これは残ってないでしょう。

>意味は知らないけど、野辺地(のへじ)もアイヌ語だそうです。
野辺地のアイヌ語語源説では
「ヌプペツ」「ヌプnup」(野)+「ペツpet」(川)
というのがあるようですね。
「野の川」があるのかの確認はすぐできそうですね。
ただし「野の川」があっても100%「ヌプペツ」で決まりというわけにはいかないでしょうが。



RE:アイヌ語地名講演会

佐藤和美 (2000/05/05 11:12)

resaknayさんwrote
>アイヌ語地名研究会主催の講演会を以下のように開催します
>ふるってご参加下さい。
おもしろそうですね。
でも遠くなんで行けない。(^^);

>なお、アイヌ語地名研究会に入会ご希望の方も、
>この会場で受付が出来ます。お申し出下さい。
アイヌ語地名研究会ってどういう会で、どんなことやってるんでしょうか?
入会金は? 年会費は?
入会は会場以外でもできるんでしょうか?
教えてください。



アイヌ語地名研究会について

resaknay (2000/05/05 12:21)

先日、アイヌ語地名研究会の講演会のご案内をしましたところ、
佐藤さんからご質問を頂きましたので、分かる限りお知らせします。
佐藤さんwrote
>アイヌ語地名研究会ってどういう会で、どんなことやってるんでしょうか?
3年前の「松浦武四郎研究会」の積丹巡検<北海道・後志支庁管内・北西部>
のおり、懇親会後、地名研究に関わっている人達が歓談しているのを見て、
武四郎研究会の会長である秋葉実先生が、「ちょうどいいころだから、
地名研究者の仲良しクラブでも作ってみたら・・・」とおっしゃり、
その発言を受けて1997年10月に発足した会で、
現会員数は50名弱です・・・
年に一度は総会を持ち、講演会、巡検を企画しています。
<なお、開催地は、会員の居住地の関係から、現在までのところ
札幌以外では行えていません>
一昨年からは、会報のほかに研究誌「アイヌ語地名研究」を発刊しています。
会員になると、会報と「アイヌ語地名研究」が送付されます。
また、「アイヌ語地名研究」に投稿することができますが、
<何しろ経済的には弱小サークルですから>
投稿料が現在のところ一万円かかってしまいます。

佐藤さんwrote
>入会金は? 年会費は?
入会金は2000円で、 年会費は5000円です。

佐藤さんwrote
>入会は会場以外でもできるんでしょうか?
事務局は、〒062−0007
  札幌市豊平区美園7−1−3−1−507
  高木 崇世芝 方
  アイヌ語地名研究会事務局
で、入会は随時お受けしていますので、ふるってご入会頂きたいと思います。

*初心者・女性大歓迎ですが、・・・中年以上の男性が多いので、
あまり面倒見は良いほうではないかもしれません。あしからず。
その他、ご質問があれば、どうぞ・・・



アイヌ語地名講演会について・追伸

resaknay (2000/05/05 17:53)

先日、講演会についてのご案内を致しましたが、
講演会参加には若干のお金がかかることを
書き忘れていました。

当日、会場で、資料代として、
一般:1000円、学生・会員:500円
を頂くことになっていると思います。
念のため・・・お知らせしておきます。



再度・アイヌ語地名講演会について

resaknay (2000/05/29 20:47)

アイヌ語地名講演会
とき:6月18日 10時〜15時
ところ:かでる2−7(札幌市北2西7)710
演題:地名をめぐるアイヌ語
演者:北海学園大学助教授 切替 英雄 先生
   注・「アイヌ語入門」(知里真志保著)をご持参ください

13時10分から14時50分
パネルディスカッション:
  藤村 久和、切替 英雄、
  扇谷 昌康、伊藤 せいち
4氏による「アイヌ語地名のこれから」をテーマにしたもの
参加費:無料(どなたでも参加できます。)
☆アイヌ語地名に関心のある方はどなたでも、広く参加される
ことを期待いたします。



地名の由来教えてください

ららら (2000/06/13 19:27)

苫小牧,室蘭,帯広,夕張の地名の由来を教えてください。
お願いします。



地名の由来

きゅきゅ (2000/06/13 21:55)

苫小牧:アイヌ語マコ・マ・ナイ(奥にある川)からといわれているそうですけど、
それでは「と」はどうなったのかという疑問が当然出てくるわけで、
それはアイヌ語で沼のことで、全体で沼の奥にある川という意味だとする説があるそうです。
室蘭:アイヌ語モ・ルエラニ(子である下り道)からだそうです。
帯広:アイヌ語オ・ペレペレケ・プ(川尻がいくつにも別れている)と、
十勝平野の「広さ」を合成してできた地名です。
夕張:アイヌ語ユ・パロ(温泉口)からという説がありますが、
近くに温泉はないので、どうやら違うようです。
イ・パロ(それの口)(「それ」とは夕張川のこと)という説もありますが、
はっきりとしたことは判りません。

ところで、かなり前のことになりますが、「赤」のつく地名と「水」との関係について
フミさんの投稿がありました。
私が昔読んだ本に、これはアイヌ語のワッカ(水)から来ているという説が載っていました。



追伸

きゅきゅ (2000/06/13 22:00)

参考文献は、「角川日本地名大辞典」と「北海道の駅」(NHK北海道本部放送部編、さっぽろ楡書房)です。



苫小牧、帯広

佐藤和美 (2000/06/15 12:41)

きゅきゅさん
>苫小牧:アイヌ語マコ・マ・ナイ(奥にある川)からといわれているそうですけど、
>それでは「と」はどうなったのかという疑問が当然出てくるわけで、
>それはアイヌ語で沼のことで、全体で沼の奥にある川という意味だとする説があるそうです。

「川」は「ナイ」以外にも「イi、ペpe、プp」(者)とも呼ばれます。
「マコマナイmak-oma-nay」は「マコマイmak-oma-i」でも同じような意味になります。
今の「苫小牧川」が「マコマイ」と呼ばれていたようですね。
で、「苫小牧川」で支流か近くにあった川で「沼」のほうに行っているのが、
「ト」(沼)の「マコマイ」でこれが「トマコマイ」のようですね。
(山田秀三「北海道の地名」)

>帯広:アイヌ語オ・ペレペレケ・プ(川尻がいくつにも別れている)と、
>十勝平野の「広さ」を合成してできた地名です。

「オペレペレケプo-perperke-p」にはおもしろい話(Hな話?)があります。
「オ」は普通「川尻」と訳されますが、実は人体名称です。
アイヌ語地名はアニミズム的です。
人体名称が地名に使われています。
「鼻」、「あご」「耳」、「口」、……
さて、人体名称の「オ」とはどこでしょう?

「おおらかなアイヌ時代は、娘(少女)をオペレケプ(o-perke-p)の形で呼んだ。」
(山田秀三「北海道の地名」)
「perke」が「割れている」で、「p」が「者」
さて「o」はなんでしょう(^^)

「オペレペレケプ」と聞いてHな地名だと思ったら、一流のアイヌ語地名研究家?

もう一つ「興部」(おこっぺ)というアイヌ語地名がありましたね。
語源を意訳すると「川尻がくっつく川」。
さて直訳するとどうなるでしょう?(^^);



「北海道犬」は「アイヌ犬」と呼ぶべきでは?

seta (2000/06/18 09:41)

 当方、「北海道犬博物館」の館長です。
当館の犬は、すべてアイヌ語です(YUPO、AK、RAM)。
http://www.people.or.jp/~seta/jap-index.html

 下記の掲示板の記事(--------以下)を拝見しました。「アイヌ犬」が差別用語との見解ですが、その真偽のほどを確認いたしたく思います。「蝦夷」は差別用語ですが・・・。
上記URLの冒頭にキャンペーン(%%%%%%%%%以下)を張っております。

 大変、重要な問題ですので、ご説明いただきたく存じます。
seta@m6.people.or.jp

%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%
 北海道犬を「アイヌ犬」(Ainu Dog)と呼ぼう!

1937年、「アイヌ犬」が天然記念物に指定されるとき、その正式呼称を「北海道犬(ほっかいどういぬ)」としました。
しかし、その呼称は、アイヌを民族として認めていない「北海道旧土人保護法」の下での決定でした。
そこで、当館の見解として、このイヌ達は「アイヌ犬」と呼ばれるべきであると主張いたします。

「アイヌ」とは、アイヌ語で「人間」のことを指します。
「北海道」のことは、アイヌ語で「アイヌモシリ」(人間の大地)といいます。
昔、大和朝廷に服従しない人々を、アイヌを含めて「蝦夷(エゾ)」と呼び、それ以降、アイヌ民族に対する差別政策が始まりました。
1997年、「アイヌ文化振興・伝統普及法」(アイヌ新法)が成立して、ようやくアイヌが民族として認められました。
詳しくは、「アイヌ民族博物館」 をご覧ください。
%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%

--------------------------------------------------------------------------------
RE:北海道犬

k.chaki (99/01/16 03:26)

 「北海道犬」についてのご教示ありがとうございました。
浅学にして「アイヌ犬」という言葉が差別用語とはつゆ知らず誠に申し訳なく思います。
投稿の趣旨は近い内に家族に加わる子犬の名前をつけるにあたり、「北海道犬」には
アイヌ語がふさわしかろうと善意に思ったまでで他意はありませんでした。
お説から察するに、むしろ子犬の名前にアイヌ語は適当ではないのかもしれません。
よって、11月生まれですのでNovemberからとって「ノブ(NOVE)」と命名しようかと
考えております。ありがとうございました。            以上
--------------------------------------------------------------------------------
北海道犬

佐藤和美 (99/01/15 16:55)

 例えば、藤本英夫「知里真志保の生涯」(草風館)に次のような記述があります。
「そのころ、旭川では、アイヌの子供たちは、「少しでも和人に似るように努力した。どんなに努力しても顔だちですぐ分かる。用事を言いつけられて街にいくと、おとなでも子供でも犬をけしかけてきて、ほんとうにおそろしかった。犬がいなくても、アッ、イヌがきた、といってからかう。子供だから、用たしでも街にいってみたかった。だけど、街へいくことは悲しいことだった」。
 これは、長い間、アイヌの解放運動を続けてきた旭川の荒井源次郎夫人ミチさんから、ある冬の夜、聞いた話である。「アッ、イヌがきた」と、バカにするセリフは、最近でこそ耳にしなくなったが、北海道ではアイヌ系の人たちのいるところでは常套的侮蔑語だった。」

「アイヌ犬」という言葉は差別的なので使用しないで、「北海道犬」を使用してください。
--------------------------------------------------------------------------------

http://www.people.or.jp/~seta/



RE:「北海道犬」は「アイヌ犬」と呼ぶべきでは?

佐藤和美 (2000/06/19 12:55)

>当方、「北海道犬博物館」の館長です。
>下記の掲示板の記事(--------以下)を拝見しました。
>「アイヌ犬」が差別用語との見解ですが、その真偽のほどを確認いたしたく思います。

一時は「アイヌ」という言葉も抵抗があったようで「北海道ウタリ協会」とつけたくらいですが、
最近は「アイヌ」という言葉の価値観を見なおそうという動きがあるそうですね。
そういう中でアイヌ民族が「アイヌ犬」に差別を感じない、むしろ誇りに思うというのなら、
私も「アイヌ犬」に賛成です。

南極に置いてけ堀にされたタロとジロはカラフト犬というけど、
あれはカラフト生まれのアイヌ犬の意味?



はじめまして。

みき (2000/06/26 00:46)

こんにちは。みきと申します。皆様宜しくお願い致します。
アイヌ語等をよく考察なされてますね。私が住んでる町名が出てきて
驚きました。「根室標津」に住んでおります。

ところで。「アイヌネギ」という言葉がありますが昨今では差別用語として
扱われ「ギョウジャニンニク」と言ってます。語源が「アイヌ人のように臭いから」
だと聞いてたのですが、「違う。アイヌ人が食べてたからアイヌネギって言うんだ」
という方がいらっしゃいまして。どちらが本当なのでしょうか?
ご存じの方がいらっしゃいましたら是非教えて下さい。

http://www.aurens.or.jp/~miki/MotherNatures.index.html



ギョウジャニンニク

佐藤和美 (2000/06/27 13:00)

みきさん
>私が住んでる町名が出てきて驚きました。
>「根室標津」に住んでおります。
根室標津ですか。懐かしいですねぇ。
「知床地名行」ですね。
根室標津も駅がなくなって、ずいぶんかわってるでしょうねぇ。

>ところで。「アイヌネギ」という言葉がありますが昨今では差別用語として
>扱われ「ギョウジャニンニク」と言ってます。語源が「アイヌ人のように臭いから」
>だと聞いてたのですが、「違う。アイヌ人が食べてたからアイヌネギって言うんだ」
>という方がいらっしゃいまして。どちらが本当なのでしょうか?

私の理解しているところでは和名「ギョウジャニンニク」、その俗称が「アイヌ葱」。アイヌ語ではプクサ。
そのように理解しています。
(アイヌ語では他の言い方もあるようですが。)
「アイヌ葱」が差別語だから「ギョウジャニンニク」という語を使うようになったというのは、
事実と違うんじゃないかと思います。
「ギョウジャニンニク」は古い言葉のようですから。
それに比べて和人が「アイヌ」という言葉を使うようになったのはせいぜい明治頃からじゃないでしょうか。
「アイヌが食べてたからアイヌネギ」ということもある、
というのが正しいんじゃないかと思います。

ちなみに、アイヌは「人」という意味なので、「アイヌ人」とは言いません。



ありがとうございます

みき (2000/06/28 22:48)

「ギョウジャニンニク」についての回答ありがとうございます。
「アイヌネギ」は俗称なんですか。北海道に住んでいながら知りませんでした。
特に差別用語ではないという事ですね。
ただ北海道の一般的な考えとしてそういう意識です。
「ギョウジャニンニク」が和名だとは知ってる方少ないと思います(^^;



上代日本語の母音について

まつまつ (2000/06/28 17:19)

はじめまして。
全くの門外漢だったのですが、最近ネットサーフィン中に、以下のような記述を目にしました。

現在の日本語の母音は5つであるが、奈良時代前後にはイ・エ・オがそれぞれ甲乙2つに
分かれており、全部で8母音があった。更に大昔にはア・イ(甲)・ウ・オ(乙)の4つしか
なかったが、当時の日本語が二重母音を嫌ったため、新しい母音が4つ誕生して二重母音に
置き換わり、この8母音の時代になった。たとえば、「ウイ(甲)」と「オ(乙)イ(甲)」→
「イ(乙)」、「イ(甲)ア」→「エ(甲)」、「アイ(甲)」→「エ(乙)」という具合である。
後続の語によっては、新母音への置き換えでなく後ろの母音の省略によって二重母音が
単母音化された場合もあり、たとえば、『神』「カムイ(甲)」は「カミ(乙)」と「カム」、
『上』「ウハイ(甲)」は「ウヘ(乙)」と「ウハ」というように、2種類の発音を持つ
ようになった。なお、四段動詞連用形活用語尾と上一段動詞語幹の母音はイ(甲)、上二段
動詞語幹の母音はイ(乙)、四段動詞命令形活用語尾と下一段動詞語幹の母音はエ(甲)、
四段動詞已然形活用語尾と下二段動詞語幹の母音はエ(乙)であった。

さて、これを読んで、イとエの甲乙の違いはよく分かった (上の要約が分かり難いなら、
それはわたしの要約が至らぬせいです) のですが、例がなかったオ(甲)の成立については
さっぱり分かりません。何かご存知ありませんか。なお、万葉仮名には以下のような区別が
あるそうです。

コ(甲) 古故胡姑※枯固高庫顧孤・子児小粉籠
コ(乙) 許己巨渠去居挙虚拠※興・木
ゴ(甲) 胡呉誤虞五吾悟後
ゴ(乙) 碁其期語馭御
ソ(甲) 蘇蘓宗素泝祖巷嗽・十麻磯
ソ(乙) 曾層贈増僧憎則賊所諸・其衣襲※彼苑
ゾ(甲) 俗
ゾ(乙) 叙存※鋤序茹
ト(甲) 刀斗土杜度渡妬覩徒塗都図屠・外砥礪戸聡利速門
ト(乙) 止等登※騰縢臺苔澄得・迹跡鳥十与常飛
ド(甲) 度渡奴怒
ド(乙) 杼縢藤騰廼耐特
ノ(甲) 怒弩努
ノ(乙) 能乃廼・笶箆
モ(甲) 毛
モ(乙) 母
ヨ(甲) 用庸遙容欲・夜
ヨ(乙) 余与予餘誉預已・四世代吉
ロ(甲) 漏路露婁楼魯盧
ロ(乙) 呂侶閭廬慮稜勒里



上代日本語の母音について

佐藤和美 (2000/06/29 12:41)

まつまつさん
>さて、これを読んで、イとエの甲乙の違いはよく分かったのですが、
>例がなかったオ(甲)の成立については
>さっぱり分かりません。何かご存知ありませんか。

「ウ(甲)ア」→「オ(甲)」のようですね。
大野晋「日本語の成立」(日本語の世界1)第5章音韻の変遷
にいろいろ書いてあります。
ただこの説(4母音が8母音になった)がどこまで正しいのか、
私にはわかりません。一つの学説だくらいに受け取ったほうがいいかも。

この4母音のことは私も「知床地名行」でちょっとふれています。
>たとえば、『神』「カムイ(甲)」
「神(かみ)」が「かむい」だったとしたら、
アイヌ語の「カムイ(神)」との関連性が気になります。



上代日本語の母音について

まつまつ (2000/06/29 16:16)

佐藤さん、ありがとうございます。

> 「ウ(甲)ア」→「オ(甲)」のようですね。
> 大野晋「日本語の成立」(日本語の世界1)第5章音韻の変遷
> にいろいろ書いてあります。

今、長期米国出張していて、なかなか文献に当たれないんですよ。すごそばに紀伊国屋
書店があるんですが、大野さんの著書ですぐ入手できるのは日本語練習帳くらいです。
# だもんで、文献で調べないで安直に質問してしまったのです。
# 本来なら、質問するにしても「どんな本を読めば良いか。」ですね。

> ただこの説(4母音が8母音になった)がどこまで正しいのか、
> 私にはわかりません。一つの学説だくらいに受け取ったほうがいいかも。

先の投稿後、何個所か徘徊して、上代8母音説は有力ではあるが決着はついていない
という記述も見かけました。ただ、仮に甲乙で発音上の区別がなかったとしても、二重
母音の単母音化でイ(乙)・エ(甲)・エ(乙)・オ(甲)が成立し、発音を同じでも語源意識が
働いて表記が区別された可能性はあります。だから、二重母音を置き換えるために少なく
とも表記上は異なる新母音が誕生し、その結果少なくとも表記上は区別される8母音が
あったという説は、発音上も異なる8母音があったという説よりは蓋然性が高いと思います
(でも、そう思う根拠はありません)。勿論、丸っきり間違っている可能性もありますが…。

> 神(かみ)」が「かむい」だったとしたら、
> アイヌ語の「カムイ(神)」との関連性が気になります。

隣接する言語ですから、同じ語源から独立に生まれたという可能性もあるでしょうが、
一方が他方から借用したという方が可能性が高いですね (これまた、そう思う根拠は
ありません)。



上代日本語の母音について

むげい (2000/06/30 08:11)

はじめまして。
オ(甲)の話とは少しズレますが、イ(乙)、エ(乙)の成立について面白い説を読んだことがあります。

いつの号かはちょっと憶えていないんですけど、確か月刊「言語」だったと思います。
名詞末尾に乙類のイ、エが現れる場合、イ(乙)<ウイ(甲)、エ(乙)<アイ(甲)と云う説を踏まえて、これら甲類の「イ」が後置定冠詞だったのではないか、とするものです。
語彙的にみると、乙類のイ、エで終わる名詞は一つしか無いものや生活に重要と考えられるものに集中しているそうです。つまり、常に定冠詞付きで現れるような語において、本来の語末の母音と「イ(甲)」が融合して乙類のイ、エとなったと考えられるわけです。
この説では、この後置定冠詞の語源を指示代名詞のイ(甲)に求めていますが、指示代名詞から定冠詞が生まれると云うのは、ヨーロッパの言語にも広く見られる現象ですし、ありうる話だと思います。
この中では、アイヌ語の「カムイ」に就いても触れられており、勿論可能性を示唆しているだけですが、日本語からの借用ではないかと述べられていました。

しかし、出典が明確でないと云うのはやっぱり不親切ですよね。
何処に載っていた説かちゃんと確認できたら、追って書き込ませて頂きます。



上代日本語の母音について

むげい (2000/06/30 15:15)

↓下の書き込み内容の話は、月刊「言語」1998年7月号掲載の、
安本美典「上代特殊仮名遣いと後置定冠詞」にあったものでした。

この中で安本は、当該の「イ」を「準後置定冠詞イ」と呼んでいます。
アイヌ語との関連では、「カムイ」の他に「ムイ(箕)」と云うのも
挙げられていました。



Re: 上代日本語の母音について

まつまつ (2000/07/07 06:50)

やや浦島気味のフォローアップです。

むげいさん:
> 語彙的にみると、乙類のイ、エで終わる名詞は一つしか無いものや生活に
> 重要と考えられるものに集中しているそうです。つまり、常に定冠詞付きで
> 現れるような語において、本来の語末の母音と「イ(甲)」が融合して乙類のイ、
> エとなったと考えられるわけです。
(略)
> 月刊「言語」1998年7月号掲載の、安本美典「上代特殊仮名遣いと後置定冠詞」
> にあったものでした。
> この中で安本は、当該の「イ」を「準後置定冠詞イ」と呼んでいます。
> アイヌ語との関連では、「カムイ」の他に「ムイ(箕)」と云うのも
> 挙げられていました。

上「ウハイ(甲)」→「ウヘ(乙)」などが「一つしかないもの」なのでしょうか。
神「カムイ(甲)」→「カミ(乙)」が「一つしかないもの」という宗教もありますが、
日本神話には八百万の神がいますから、神も「生活に重要と考えられるもの」
なんでしょうね。木「コイ(甲)」→「キ(乙)」や火「ホイ(甲)」→「ヒ(乙)」、
引用文中の箕「ムイ(甲)」→「ミ(乙)」(ですよね)などもそうでしょう。
ところで、なぜ「生活に重要と考えられるもの」を表す語が常に定冠詞付きで
現れる語なのでしょうか。
むげいさん:
> 語彙的にみると、乙類のイ、エで終わる名詞は一つしか無いものや生活に
> 重要と考えられるものに集中しているそうです。つまり、常に定冠詞付きで
> 現れるような語において、本来の語末の母音と「イ(甲)」が融合して乙類のイ、
> エとなったと考えられるわけです。
(略)
> 月刊「言語」1998年7月号掲載の、安本美典「上代特殊仮名遣いと後置定冠詞」
> にあったものでした。
> この中で安本は、当該の「イ」を「準後置定冠詞イ」と呼んでいます。
> アイヌ語との関連では、「カムイ」の他に「ムイ(箕)」と云うのも
> 挙げられていました。

上「ウハイ(甲)」→「ウヘ(乙)」などが「一つしかないもの」なのでしょうか。
神「カムイ(甲)」→「カミ(乙)」が「一つしかないもの」という宗教もありますが、
日本神話には八百万の神がいますから、神も「生活に重要と考えられるもの」
なんでしょうね。木「コイ(甲)」→「キ(乙)」や火「ホイ(甲)」→「ヒ(乙)」、
引用文中の箕「ムイ(甲)」→「ミ(乙)」(ですよね)などもそうでしょう。
ところで、なぜ「生活に重要と考えられるもの」を表す語が常に定冠詞付きで
現れる語なのでしょうか。



Re: 上代日本語の母音について

むげい (2000/07/08 04:16)

後置定冠詞の話についてのまつまつさんの御指摘ですが、
先ず、元ネタの安本美典「上代特殊仮名遣いと後置定冠詞」の記述の、
私のはしょり方が悪かった面があるということをお詫びしなければ
なりません。

>> 語彙的にみると、乙類のイ、エで終わる名詞は一つしか無いものや生活に
>> 重要と考えられるものに集中しているそうです。つまり、常に定冠詞付きで
>> 現れるような語において、本来の語末の母音と「イ(甲)」が融合して乙類のイ、
>> エとなったと考えられるわけです。

実際の記述だと、私が「一つしか無いもの」と書いたところは、英語
の"the"との比較で「名ざすだけで相手にそれと分かるもの」となっ
ており、"the sun"、"the earth"、"the sea"を引き合いに出して
あります。書き換えるなら寧ろ、「自ずと一つに決まるもの」とでも
すべきでした。

それから「生活に重要と考えられるもの」については、原文では
「後置定冠詞イがついたかとみられる名詞は、…(中略)…古代人の生活
に密接で、特別な重要性をもち、使用頻度の比較的多い単語が多い。」
と書かれており、「生活に重要」→「だから常に定冠詞がつく」と云う
ような直接的な記述はありません。(しかし前後のつながりからは、
結局そう云う論理展開が行われているように読めます。)

最初にここに書き込んだ時には文献が手元に無く、記憶で書いて
しまった為にこのようなくい違いが出てしまったのですが(すみません)、
原文の通りだとしてもよく分からない点は確かにあります。自分で
持ち出しておいて何なのですが、もとより私自身、この説明に全面的
に納得していたと云うわけではないのです。特に、

まつまつさん:
> 上「ウハイ(甲)」→「ウヘ(乙)」などが「一つしかないもの」なのでしょうか。
> 神「カムイ(甲)」→「カミ(乙)」が「一つしかないもの」という宗教もありますが、
> 日本神話には八百万の神がいますから、神も「生活に重要と考えられるもの」
> なんでしょうね。

などについては、私も引っかかったところで、原文だと「『the god』
=『神(かむ)イ』→『神(かみ)』」と云う記述があって、"the sun"
などと並行的に「名ざすだけで相手にそれとわかる」から定冠詞がつく
のだ、と云う説明になっています。でもおっしゃる通り、日本の場合
は「神」と言うだけでは、八百万の神のどれとわかるとは限りませんよね。
(もっとも英語だと、キリスト教の神は定冠詞すらなくて"God"ですが)

「上」については、個人的には「手」などの身体部分を表わす名詞と同
じように、通常、文脈中で誰の(何の)上と云うことは明らかな場合
が殆どだからではないかと思うのですが、原文だと「古代人がなんら
かの尊敬をもっていたかとみられる語」と云うのに分類されている
だけで、個別の説明はありません。

それから

> なぜ「生活に重要と考えられるもの」を表す語が常に定冠詞付きで
> 現れる語なのでしょうか。

という点については、私も理解しがたく思っています。先述の通り、
原文の論はそう進んでいるようにしか読めないのですが、「生活に重
要」と云うことと「定冠詞がつく」と云うことには直接的な関連性は
無いですから。

一応、「特別な重要性をもち、使用頻度が高い」と云う記述を踏まえて、
「生活に重要」→「使用頻度が高い」→「定冠詞がついた形もよく現れる」
→「定冠詞付きの形で固定化」
と云うことが言いたいのかな、と(苦しいですが)推測しています。

やっぱり自分が納得できないところがあるので、何だかよく分から
ない感じです。すみません。





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