sense of wonder

FLASH GORDON STRANGE ADVENTURE MAGAZINE


1936年12月発行。SFパルプ雑誌の中の稀覯本中の稀覯本。この本と肩を並べられるぐらい高価なのは、ASTOUNDINGの創刊号とWEIRDTALESの初期の号ぐらい。
この本、表紙、裏表紙入れて全100ページ。 体裁は、普通のパルプ雑誌と違い、コミックブックと同じく真ん中でホッチキス止めして2つ折りにしたもの。 用紙も、SFパルプ雑誌の厚めの用紙ではなく、この当時のコミックと同じ薄めの用紙。
表紙とイラストはFred Meagher。1ページ大のカラーイラストが計8枚入っています。
原作の日曜版が連載開始されたのは、1934年1月7日。人気が出て、バスター・クラブ主演で映画作成された1936年、その年の暮れに発行された。創刊号のみで廃刊。
創刊号が売れなかったせいなのか、他に理由があったのかはわかりませんが、扉ページに2号の予告がされていましたが、発行されませんでした。
少なくともこの表紙では、創刊号が爆発的に売れるとは到底思えません。 見てください。
喉を押さえて苦しそうに腰砕けになっている、変な服を着た主人公(フラッシュ・ゴードン)、 尼僧のような服を着た魅力のないヒロイン(デイル・アーデン)、古くさいリボルバーを構える主役のような決めのポーズを取る禿頭の脇役(ザーコフ博士)。背景は、どこかの砂漠のオアシス風。
SFの雰囲気は皆無、センスオブワンダーの欠片もない。
創刊号の表紙で主人公がこんなかっこ悪い本が売れるわけがない。描いた画家も画家なら、編集者もなに考えているのか。
で、この本は今となっては稀覯本となっているのです。


FLASH GORDON STRANGE ADVENTURE MAGAZINE
1936.12 創刊号

FLASH GORDON STRANGE ADVENTURE MAGAZINE
扉絵 ・・・・ 最終


アメリカのSF雑誌、最後の1冊。 あまりにレアで高価なので入手をほとんどあきらめていた。これで、全種類揃いました。
映画の後に発行されたのですから、売れるはずなんですが、当時どれだけ売れたんでしょう?今ではSF雑誌の中ではレア中のレアな本になっています。


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