図書館員のためのパソコン・インターネット入門 第28回

Internet Explorer 4.0 その2


 前回、Internet Explorer 4.0について解説したが、そのあと、4.0をインストールした人からいろんな話を聞いた。実は、インストールしてみたけれど、どうも調子が悪いという人が多い。特に、メモリーが少ない(32MB程度)パソコンにアクティブディスクトップをインストールすると、動作が遅くなったり、ハングアップしたりアクティブディスクトップがきちんと起動しなくなることが多いようだ。
 β版では、こうしたトラブルが起きることが多いが、正式リリース版ではあまりない。おそらく、マイクロソフトは迅速な対応をするだろうが、取りあえずは、アクティブディスクトップはインストールせず、Internet Explorer 4.0だけにすれば、それほど問題は起きないようだ。アクティブデスクトップは、次のOS、Windows98を先取りしているし、OSというのは、他のアプリケーションソフトと関わる部分が多いから、ハングアップなどの問題も起きやすいのだろう。

パソコンの上達には好奇心が大切

 前号の記事を読んで、アクティブデスクトップをインストールしたという人のために、削除(アンインストール)方法を解説しておこう。ソフトウェアの削除(アンインストール)は、タスクバーの[スタート]→[設定]→[コントロールパネル]→[アプリケーションの追加と削除]で行なう。
 [アプリケーションの追加と削除のプロパティ]のウインドウの、「セットアップと削除]のタグのところで、「Microsoft Internet Explorer 4.0」の項目を反転させてから、[追加と削除]のボタンをクリックする。次の画面で、「Windowsデスクトップのアップデートコンポーネントを削除するが、Internet Explorer 4.0のWebブラウザは削除しない」をチェックして、[OK]をクリックすれば、しばらく時間がかかるが、アクティブデスクトップだけを削除することができる。ただし、OSを元に戻すので、他のアプリケーションをすべて終了した上で作業するようにしよう。
 こういうふうに書くと、アクティブディスクトップのような動作の不安定なソフトウェアは使わないほうがいいように思うかもしれないが、パソコンに慣れるためには、積極的に新しいソフトを使ってみる姿勢も大切だ。
 自動車のような場合は、発売されたばかりの新製品は、生産ラインが慣れていないから、少したって安定したものを買ったほうがいいという。パソコンについても同じことが言えるが、ソフトウェアの場合は事情が多少違う。あとから、新しいバージョンにバージョンアップしていけるから、早く手に入れても全然問題ない。
 アクティブデスクトップの場合、誤動作が多いために、継続的に使い続けるのは難しいかもしれないが、削除(アンインストール)してしまえば、Windows95は元の状態に戻る。継続的に使わないのなら、わざわざインストールする必要はないと考えるかもしれないが、インストールしなければ、アクティブデスクトップがどんなものかを体験することはできない。パソコンに慣れるためには、こうした好奇心が大切だ。
 アプリケーションソフトにしても、決まった使い方ばかりしているのではなく、いつもの作業がもっと他のやり方ができないか、暇なときにメニューを開いたり、ヘルプを読んだりしてみるといい。こうしたことの積み重ねで、だんだんパソコン全体のことがわかってきて、新しいソフトを使い始めても、新しいパソコンに買い換えても、それほど困ることなくいろんな作業ができるようになるはずだ。

プッシュ型情報サービスを利用してみよう

 前置きが長くなったが、Internet Explorer 4.0の新機能で前回書き残した分を解説しよう。
 今、インターネットで話題になっているもののひとつに「プッシュ型情報サービス」がある。インターネットのブラウザでホームページにアクセスするのは、こちらから情報を取りにいくという手間がかかる。それに対して、プッシュ型情報サービスというのは、テレビやラジオのようにチャンネルを選ぶだけで、情報が向こうからやってくるというものだ。
 Internet Explorer 4.0は最近になって続々とサービスがスタートしているプッシュ型情報サービスに対応している。IE 4.0をインストールすると、デスクトップに縦長のチャンネルバーが表示される。ここには、「NIKKEI NEWS」「毎日新聞」「Disney」「インターネットTVガイド」などの項目が並んでいて、これをテレビと同じようにチャンネルという。各項目を右クリックして、「購読」をクリックして選択すれば、自動的に最新情報に更新して記事が読めるようになる。
 ただし、そのためには、パソコンが常にインターネットにつながっている必要がある。つまり、プッシュ型情報サービスは、専用線サービスを利用している場合にメリットが感じられるものだ。欧米の場合には日本と違って電話料金が固定制の場合が多い。プロバイダーの利用料金が固定制ならば、ダイヤルアップ接続でも、専用線のように利用することができる。また、CATVでのインターネットサービスの場合も、固定料金でつなぎっぱなしにすることが可能だ。
 日本でも、テレホーダイの時間帯に固定制のプロバイダーを利用すれば、専用線的に使うことができるが、それ以外の人の場合は、プッシュ型情報サービスの利用は、自動更新ではなく、手動で更新して雰囲気を味わうことになる。ただし、ニュースのサイトにチャンネルボタンを押すだけで飛んで行けるのは、なかなか便利だから、一度は使ってみることをおすすめしたい。購読に別料金は必要ない。
 ダイヤルアップ接続で手動で更新するためには、Internet Explorer 4.0を立ち上げた状態で、ツールバーの[チャンネル]をクリックして、ウィンドウの左(これをエクスプローラバーという。[チャンネル]のかわりに、[お気に入り]や[履歴]の表示もできる)にチャンネルを表示しておくといい。読んでみたい項目をクリックすると、右のウインドウにそのトップページが表示される。
 エクスプローラバーのその項目を右クリックして、[購読]をクリックすれば、そのチャンネルの記事が読めるようになる。[最新情報に更新]をクリックすれば、サイトにアクセスして、トップページが最新のものになる。「毎日新聞ニュースチャンネル」には、「ニューストップ7」「ニュース速報」「スポニチ」などのメニューがある。トップページにはそのダイジェストが表示され、クリックすれば、もっと詳しい情報を読むことができる。ただし、最新情報に更新されているのはトップページだけなので、内容を読もうとしてクリックすると、再度毎日新聞のサイトからダウンロードが行なわれる。

便利な自動巡回機能を活用しよう


 Internet Explorer 4.0の「購読」機能は、プッシュ型サービス以外のホームページでも使うことができる。これを設定しておけば、自分のよく行くサイトを自動的に回って最新情報に更新することも可能だ。これを普通は自動巡回機能というが、IE 4.0では、「購読」と呼んでいる。
 ダイヤルアップ接続の場合、こうした自動巡回(購読)機能を使うと、手動でサイトを回っているよりもダウンロードが速くなり、インターネットの利用料金が節約できる。
 自動巡回をするためには、まず、自動的にダイヤルアップ接続をするように設定しなければならない。デスクトップにある、eマークのインターネットエクスプローラのアイコンを右クリックして[プロパティ]を開き、[接続]のタグをクリックする。
 この画面で、「モデムを使用してインターネットに接続」がチェックされているのを確認してから、その右側の[設定]ボタンをクリックする。
 開いた画面で、プロバイダーの名前が表示されるのを確認して(複数のプロバイダーと契約している人は、自動接続に使うプロバイダーを選んでおく)、[ユーザー名]と[パスワード]を入れてから、「自動的に接続して、購読を更新する」をチェックすればいい。
(自動巡回の設定については次回解説します)

図書館員のためのパソコン・インターネット入門 第29回

Internet Explorer 4.0 その3 自動巡回


 前回に続いて、自動巡回について解説します。
 もう一度おさらいをすると、自動巡回というのは、自分がよく訪ねるサイトを自動的に回って最新情報に更新すること。Internet Explorer 4.0では、「購読」と読んでいる。普通は、数千円するソフトを購入しないと使うことができないが、Internet Explorer 4.0では、無料で簡単な自動巡回機能を使うことができる。設定はちょっと面倒くさいが、インターネットで必要な情報を便利に安価に手に入れる自動巡回機能を一度は試してみよう。

自動巡回スケジュールを設定する

 前回は、自動巡回のために、ダイヤルアップ接続を自動的に行なう設定をした。次に、自動巡回スケジュールを設定する。

 1.ダイヤルアップ接続をして、自動巡回したいサイトをInternet Explorer 4.0に表示する。
 2.メニューバーの[お気に入り]→[お気に入りに追加]を選ぶと、「お気に入りの追加」のウインドウが出てくる。
 3.「このページを購読しますか?」と聞いてくるので、「はい、更新されると通知し、オフライン読み取りようにダウンロードする」の項目をチェックする。購読の方法は、自分にあった形を詳しく設定したほうがいいので、「カスタマイズ」をクリックする。
 4.「購読ウィザード」が開き、購読を設定したページのURLが表示される。その下の「このページとリンクページをダウンロードする」をチェックする。「このページをダウンロードする」だと、表紙のページしかダウンロードされない。(表紙には、たいていいつ更新されたが表示されるから、更新状況のチェックだけなら、「このページをダウンロードする」を選ぶ。更新されたことがわかったら、改めて、手動で見に行けばいい)「次へ」をクリック。
 5.ダウンロードするページの深さを選択する。自動巡回するページによって違うが、あまり多くすると、時間がかかってしまう。「次へ」をクリック。
 6.自動巡回して、そのページがダウンロードされると、[お気に入り]に表示されたそのサイトのアイコンに赤いマークが付く。さらに、「はい、次のアドレスに電子メールを送信する」をチェックすれば、更新されたとき、自分宛に電子メールを送信するように設定することもできる。
 7.購読の更新方法を選択する。毎日、毎週、毎月と3つのパターンでスケジュールが決められるから、「新規」をクリックして、設定する。時刻はパソコンをつけている可能性が高い時間を設定しておこう。モデムで接続の人は、「モデム接続の場合は、必要時にダイヤルする」をチェックしておく。「次へ」をクリック。
 8.自動購読したいサイトに接続するために、ユーザー名やパスワードが必要な場合は、ここで設定する。これで、ユーザー名やパスワード登録の必要な有料のサイトでも自動巡回できるようになる。「完了」をクリックして設定は終了。「お気に入りの追加」に戻るので、「OK」をクリックする。

 9.以上で設定した内容は、メニューバーの[お気に入り]→[購読の管理]で確認と修正ができる。設定が終わったら、念のため確認をしておこう。[購読の管理]を開くと、「Subscription」というウインドウが開き、自動巡回を設定したサイトの一覧が出てくる。確認をしたい名前のアイコンのところを右クリックして[プロパティ]を選ぶ。
 10.[購読][受信][スケジュール]の3つのタグがあり、ここで、設定がすべて確認できる。[受信]タグの「購読の種類」の「詳細」をクリックすると、リンクページの深さとダウンロードする項目が設定できる。「ダウンロードする項目」は、最初の設定ではデフォルトのままなので、「イメージ」や「ActiveXコントルールとJavaアプレット」以外に、「サウンドとビデオ」のダウンロードも必要な場合は、チェックをする。
 11.「1回更新で、次のサイズ以上はダウンロードしない」をチェックして、ダウンロードサイズの上限を決めておけば、自動巡回に時間がかかりすぎたり、ハードディスクがいっぱいになる心配はない。「サウンドとビデオ」をダウンロードするような場合は、これをチェックして設定しておこう。
 また、「サウンドとビデオ」もダウンロードする場合には、メニューバーの[表示]→[インターネットオプション]で、[全般]のタグを開いて、一時ファイルの容量を増やしておこう。
 12.[スケジュール]のタグにある「コンピュータ使用時には、この購読を更新しない」がチェックされたままだと、自動巡回できない。このチェックは忘れずに外しておく。

自動巡回は料金と手間が節約できる


 以上で、自動巡回(購読)の設定は終了。設定した時刻になって、パソコンとモデムの電源がオンになっていれば、自動的にプロバイダーに接続して、設定したサイトがダウンロードできる。
 アクセスポイントが話し中の場合は、リダイヤルするが、リダイヤル回数の設定は、メニューバーの[表示]→[インターネットオプション]で、[接続]のタグを開き、「モデムを使用してインターネットに接続」の右の「設定」ボタンをクリックして行なう。
 自動巡回が終了して、更新されたサイトは、メニューバーの[お気に入り]を開いたときに、その際との名前の前のアイコンに赤いマークが付くのですぐわかる。このサイトは、プロバイダーに接続せず、「オフライン作業」の状態で、ホームページの内容を見ることができる。

 パソコンの電源を入れている時間が短い場合は、自動巡回を設定しても、希望の時間にうまく自動巡回できない。そういうときや、自動巡回する前に、更新したいというときは、メニューバーの[お気に入り]→[すべての購読を更新]を選ぶ。「購読のダウンロード」のウインドウが開いて、自動巡回しているサイトの一覧が表示され、順にダウンロードが行なわれていく。
 ダウンロードが終わったら、「成功」と表示され、サイトにトラブルがあって(これをダウンしているという)うまく更新ができない場合は、「失敗」と表示される。
 ダウンロードが終了したら、いったんプロバイダーとの接続を切り、メニューバーの[ファイル]→[オフライン作業]をクリックして、自動巡回したホームページを見てみよう。電話料金や利用料金を気にせずに、ネットサーフィンを楽しむことができる。
 自動巡回は手動で使うように設定しておいても(メニューバーの[お気に入り]→[購読の管理]で、[スケジュール]のタグを開き、「手動」をチェックする)、いちいちリンクをクリックしながらページが表示されるのを待つ必要がなくて、便利な機能だ。設定は多少面倒だが、一度試してみよう。

図書館員のためのパソコン・インターネット入門 第30回

Internet Explorer 4.0 その4 Outlook Express


 Internet Explorer 3.0には、「Internet Mail and News」というメールソフトが付いていたが、Internet Explorer 4.0では、「Outlook Express」に変わった。IE 4.0をインストールすると、Outlook Expressもインストールされ、デスクトップにOutlook Expressのアイコンができる。
 それまで、「Internet Mail and News」を使っていた場合は、受信メールや送信メールやアドレス帳の内容は、そっくりそのまま受け継がれる。(ということになっているが、僕の場合は、Internet Explorer 4.0をインストールしたところ、アドレス帳のデータはインポートされたが、送受信メールは、そっくりそのままなくなってしまった。おそらく、それまでInternet Mail and Newsの動作がどうもおかしかったから、そのせいかと思うが、心配な人は念のため、Internet Mail and Newsのフォルダの中のファイルをそっくりを別のフォルダにコピーして残しておくといいだろう)
 Outlook Expressは無料で手に入るメールソフトだが、機能的には、第26回で紹介した、「Becky! Internet Mail」に匹敵するものになっている。以下、Outlook Expressについて、複数アカウントの利用と受信メールの振り分け機能について解説しよう。

複数のメールアカウントを設定する

 第26回で、Becky! Internet Mailが便利なところとして、複数のメールアカウントが扱えることを挙げたが、Outlook Expressも複数アカウントに対応している。「Internet Mail and News」を使っていた人は、そのとき使っていたメールアカウントはそのまま登録されている。さらに、別のアカウントを登録するには、Outlook Expressのメニューバーの[ツール]→[アカウント]をクリックする。
 「インターネットアカウント」というウインドウが開くので、そこにある「追加」のボタンをクリックし、「メール」を選ぶ。それで、「インターネット接続ウィザード」というウインドウが開くので、あとはそれに従って、以下のように必要な項目を埋めていけばいい。

名前:自分の名前を入れる。電子メールを出すときに、差出人の名前として表示されるものだから、漢字でも、ひらがなでも、ローマ字でも自由に。
電子メールアドレス:半角英数字で、間違いなく入力。
電子メールサーバー名:POP3サーバーとSMTPサーバーの名前は、プロバイダーの資料を見て正確に入れる。POP3サーバーとSMTPサーバーの名前は、同じことが多い。
インターネットメールログオン:メールサーバーにログインするときのIDとパスワードを入れる。通常は、プロバイダーに接続するときのID、パスワードと同じものを使うことが多い。これも、プロバイダーの資料やオンラインサインアップしたときに表示される画面でわかる。プロバイダーがセキュリティで保護されたパスワード認証(SPA)に対応している場合は、そちらをチェックして、ここではIDとパスワードは入れない。
メールアカウント名:自由につけていい。どのプロバイダーのメールアドレスかわかるように、つけよう。
接続の種類の選択:普通の電話回線やISDNでダイヤルアップ接続をしている場合は、「電話回線を使って接続」を選ぶ。
モデムの選択:2つ以上のモデムがインストールされている場合は、ここで選ぶ。
ダイヤルアップ接続:すでに、プロバイダーとのダイヤルアップ接続は設定してあるはずだから、「既存のダイヤルアップ接続を使う」をチェックして、利用するプロバイダーを選ぶ。

 上の「ダイヤルアップ接続」では、特にそのメールアドレスのプロバイダーを選ばなくてもいい。インターネットでは、あるプロバイダーのアクセスポイントにつないで、他のプロバイダーのメールサーバーからメールを送受信することができる。(プロバイダーによっては、自社のアクセスポイントから接続したとき以外はメールの送受信をできないようにしているところもある。例えば、Asahi-netでは、不必要なダイレクトメールが大量に送信されて、通常のメール送信に障害が出ることを防止するために、Asahi-netのアクセスポイントから接続した場合以外はメール送信はできない。ただし、受信は別のプロバイダーのアクセスポイントからでもできる)
 複数のメールアドレスに届いているメールをいっぺんにチェックする場合には、この「ダイヤルアップ接続」の画面で選ぶプロバイダーは1種類にしておいたほうがいい。そうでないと、メールアドレスごとに接続し直すことになり、時間がかかってしまう。(ここが、Outlook Expressの使いにくいところだ。Becky! Internet Mailの場合は、どのプロバイダーに接続していても、複数のメールアドレスのチェックができる)
 ただし、ここで、「手動でインターネット接続を確立する」をチェックしておけば(最初に手動でプロバイダーに接続する手間はかかるが)、プロバイダーへの接続は手動で行なわなければならないが、どのプロバイダーに接続していても複数のメールアドレスのチェックができる。

受信トレイアシスタントで振り分けを設定する


 次に、[設定完了]のウインドウが出て、「完了」をクリックすれば、終了。[インターネットアカウント]の「メール」のタグのところに、新しいメールアカウントが加わっている。最後に「閉じる」をクリックする。
 アカウントの設定は、メニューバーの[ツール]→[アカウント]を開き、アカウント名のところをクリックして反転させてから、「プロパティ」をクリックすれば修正することができる。
 開いた[プロパティ]で、[詳細設定]のタグのところの「配信」に、「サーバーにメッセージのコピーを置く」という項目がある。ちょっとわかりにくい表現だが、これは、メールを受信したあとも、メールサーバーにそのメールが残っているということ。再度メールを受信に行けば、何度でも同じメールをダウンロードしてしまうことになるから、通常は、ここはチェックしないようにする。
 ただし、出張先で別のパソコンでメールを受信するときなど、自宅に帰って再度受信する必要のある場合は、ここにチェックを入れておく。また、受信したメールは何日後かにメールサーバーから削除したり、Outlook Expressの[削除済みアイテム]から削除されたときに、サーバーからも削除するという設定もできる。
 Outlook Expressは複数のメールアカウントを扱うことができるが、それぞれのアカウントで受け取ったメールは、同じ「受信メール」フォルダに入る。アカウントごとにメールを分けるには、メニューバーの[ツール]→[受信トレイアシスタント]で振り分けを設定しなければならない。
 「受信トレイアシスタント」のウィンドウが開いたら、「追加」をクリックする。「プロパティ」のウィンドウが開くので、アカウントをチェックして、▼マークをクリックして、設定するアカウント(自分で設定したメールアカウント名が表示されている)を選ぶ。「移動先」をチェックして、「フォルダ」ボタンをクリック。開いた「移動」のウィンドウで、「新規フォルダ」ボタンをクリック。フォルダ名を入れる(アカウントのあるプロバイダーの名前にするとわかりやすい)と、「アイテムの移動先」の中に、新しいフォルダができるので、それをクリックして反転させ、「OK」をクリックする。
 以上の設定で、受信したメールは自動的に、それぞれのアカウントのフォルダに振り分けられるようになる。振り分けは、アカウントだけでなく、宛先や差出人や件名でもできる。(振り分け機能については、第22回で詳しく説明した)

図書館員のためのパソコン・インターネット入門 第31回

Outlook Express その2


 前回は、Internet Explorer 4.0に付属するメールソフトOutlook Expressを取り上げ、複数のメールアカウントの設定と受信メールの振り分けについて解説したが、今回は、基本に戻って、メールの送受信と設定について解説する。
 これまで、第6回でInternet Mailを例に電子メールの使い方、第12回で電子メールのマナー、第13回で添付ファイルとウィルス、第14回でメーリングリスト、第22回でNetscape Messenger、第26回でBecky! Internet Mailと、電子メールについては繰り返し解説してきたが、Outlook Expressという新しいメールソフトが出てきた機会に、もう一度電子メールの使い方をおさらいしておこう。

画像ファイルが自動的に表示できる

 前回説明したように、メニューバーの[ツール]→[アカウント]で、アカウントを設定すれば、あとは、ツールバーの「送受信」ボタンを押すだけ(または、[ツール]→[送受信])で、プロバイダーのメールサーバから受信メールがダウンロードされる。メールの送受信中は、「Outlook Express」という小さなウインドウが開いてダウンロードの状況が表示される。「詳細」」ボタンをクリックしておけば、さらに詳しい状態も見ることができる。
 インターネットのメールでは、本文と一緒に添付ファイルを送ることができる。テキストファイル以外の、画像ファイルやワープロの文書ファイルなどを送るのに便利だが、今までは、それぞれのファイルを開くためのソフト(画像なら、その画像の形式に対応したビューワー、ワープロの文書ファイルなら、Word、一太郎などのワープロソフト)がなければ、見ることができなかった。Outlook Expressでは、画像は、メール本文のところにそのまま表示される。
 自動的に画像が表示されるのは、時間がかかっていやだというときは、[ツール]→[オプション]→[読み取り]タグで画像を表示しないようにも設定できる。複数の画像ファイルが添付されている場合には、「複数の画像をスライドショーで表示する」をチェックしておくと、スライドショーといって、画像が自動的に次々と表示される。こうした機能は、デジタルカメラの普及で、電子メールで写真のやりとりをすることが多くなると、便利に感じるようになるだろう。
 メーリングリストに参加して、メールのやり取りをしていると、質問と答えなど、関連するメールのつながりがわかりづらくなることがある。そんなときに、使うと便利なのが「スレッド機能」。メールの件名に、「Re:」が付いているものを元のメッセージのあとにというふうに、ツリー状に表示をすることができる。メニューバーの[表示]→[並べ替え]→[件名別にメッセージを整理する]をクリックすればいい。

メールを送信する

 メールを書いて送信するのも簡単だ。ツールバーの「作成」をクリックすればいい。(または、[作成]→[メッセージの作成])「メッセージの作成」ウィンドウが開くから、ここで本文を書き込み、「宛先」に相手のメールアドレスを、「件名」にタイトルを入れて、「送信」ボタンをクリックすれば、あなたの書いたメールは「送信トレイ」に保存される。「送受信」ボタンをクリックすれば、相手に送ることができる。
 メールを出す相手のアドレスは、そのたびに「宛先」の欄に入力するのではなく、「アドレス帳」に登録しておくと便利だ。「宛先:」の後の、アイコンをクリックすると、「受信者の選択」のウインドウが開く。ここで、「新規の連絡先」ボタンをクリックすれば、アドレスが登録できる。Outlook Expressのアドレス帳には、メールアドレスだけでなく、自宅や勤務先の住所や電話番号などを登録して、住所録のデータベースとしても使うことができる。
 受信メールから、その人のアドレスをアドレス帳に登録することもできる。受信メールをダブルクリックする(または、右クリック→「開く」)と、そのメールのウインドウが開く。[ツール]→[アドレス帳に追加]→[差出人]で、メールアドレスの書き込まれたアドレス帳が開くので、追加する情報を書き込めばいい。

カーボンコピーとブラインドカーボンコピー

 「宛先」の下にある「CC」はカーボンコピーの略で、同じメールを何人かに出したいときに、ここに書き込む。「BCC」はブラインドカーボンコピーの略で同じように使う。「CC」の場合は、送った相手に他の人にも同時にメールを送ったことが表示されるが、「BCC」は表示されないので、相手は自分だけに送られたと思う。
 送信メールの本文の最後には、普通、名前やメールアドレス(場合によっては、住所や電話番号も)などを並べた署名を付けるが、これは、[ツール]→[ひな形]→「署名」ボタンで設定できる。署名は、「テキスト」をチェックして、そこに直接書き込んでもいいし、あらかじめテキストファイルで作っておき(ファイル名は何でもいい)、「ファイル」をチェックして、「参照」ボタンでファイルを指定してもいい。
 誰かから届いたメールに返事を書くときは、そのメールを反転させたあとで、[作成]→[差出人へ返信]をクリックすれば、宛先がすでに書き込まれたメッセージの作成ウインドウが開く。このとき、本文のスペースには、相手のメールの内容が「>」の引用マーク付きで書き込まれている。不必要なところはデリートして、返事を書く必要があるところは残しておくと、自分の書く文章が少なくてすむし、返信を受け取った相手にもわかりやすい。
 同じように、[作成]→[転送]で受け取ったメールをそのまま別の人に転送することができる。また、送信メールにファイルを添付するには、[挿入]→[添付]でウインドウを開き、添付するファイルを選んべばいい。ファイルを添付して送る場合は、相手がそのファイルを開けるアプリケーションを持っているか確認してから送るようにしよう。相手が初心者の場合は、ファイルの開き方(どのアプリケーションで開くか)を本文で説明しておくといい。

HTML形式のメールは相手のことを考えて


 Outlook Expressの送信メールは、デフォルト(最初の設定)では、HTML形式のメールで作るように設定されている。ホームページに使われているHTML形式だと、文字の大きさや色を変えたり、本文の途中に画像や絵を表示したりできる。サインペンを使ったり、イラストを描き込んだ手紙を出すような感覚だが、まだ、すべてのメールソフトがHTML形式のメールに対応しているわけではないので、相手が読めるかどうか確認してから送ったほうがいい。
 Outlook Expressには、ひな形という機能もあって、[作成]→[ひな形]で選ぶと、背景や文字の色やサイズが決められたHTML形式メールのひな形を使って、メールを書くことができる。市販のグリーティングカードでメールを書くような感じだ。
 送信メールの形式の設定は、[ツール]→[オプション]→[送信]タグで行なう。デフォルトでは「HTML形式」になっているから、知らずにHTML形式でメールを送ることのないように、「テキスト形式」のほうをチェックしておこう。

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