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(太郎)どうも、いまから漫才をさせていただくロボットの太郎と
(花子)花子です。
(太郎)や〜、今日のお客さんはみんな年寄りばっかりやね〜。
(花子)あんた失礼やな。そんなことないですよ。みなさん大国主のみこととか、あまてらすおおみかみに比べたらまだまだお若いですよ。
(太郎)誰と比べてんねんな。まぁ、僕もみなさんと比べたらまだまだ若いけど、それでも最近、物忘れがひどくてねぇ。
(花子)物忘れがひどなるのは、高齢者あるあるやね。どんなこと忘れるん?
(太郎)たとえば、眼鏡ない思て探すねんけど、なんぼ探してもないねん。でも、実は、頭にかけてたとかね。
(花子)あ〜、それはよう聞く話やね。他には?
(太郎)この前、ちょっと散歩にでたら、家への帰り方がわからんようになってしもて。
(花子)だいぶ、ぼけてんなぁ。大丈夫?
(太郎)小さいころは、家に帰りたないゆうて、ウロウロしてたこともあったけど、今は、帰りとうても道が思い出されへんねん。
(花子)誘拐より徘徊が心配されるお年頃やからね。
(太郎)なんとか家にたどりついたんやけど、鍵もってでるの忘れてて、家に入られへんねん。
(花子)それは大変やったね。で、どうしたん?
(太郎)玄関のピンポン鳴らしたら、うちの嫁がでてきたんやけどね。
(花子)ちょうど家にいはったんやね。よかったやん。
(太郎)それが、僕の顔みて、「どちらさんですか?」て言いよんねん。
(花子)わざとやね。
(太郎)違うねん。ようみたら、隣の家のピンポン鳴らしててん。
(花子)もう、右も左もわからんようなってるやん。
(太郎)こんどはちゃんとうちのベルならしたら「お帰り」ていうてくれてん。
(花子)さすがに旦那さんの顔は覚えてたわけやね。
(太郎)せやけど、うちの嫁もたいがいな物忘れしよるで。
(花子)そうなん?
(太郎)最近は、ご飯たべたこと忘れて、さっき食べたとこやのに、ご飯まだかって聞きよるねん。
(花子)それも高齢者あるあるやね。
(太郎)でな、うちの嫁は、いつも「私は小食や」って偉そうに言うてるのにぶくぶく太ってるやろ?
(花子)そやな。
(太郎)よう見てたら、1回にたべる量はちょっとやけど、食べたん忘れて何回も食べよるから、たぶんあれが原因やね。
(花子)ちょっとしか食べはれへんから、すぐにお腹がへるんやね。そういうたらうちも楽屋のお弁当、食べてたん忘れてて空っぽになってることようあんねん。
(太郎)いやいや、それは大丈夫。
(花子)なんで?
(太郎)それ食べてるん僕やから。
(花子)なんやそれ、もう君とはやっとれんわ!やめさしてもらうわ! |
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