着うた・携帯ムービーのファイルサイズと圧縮技術

着うた、携帯ムービーもファイルサイズを小さくすることが重要

パソコンで使用される音楽ファイルと着うたのファイルのフォーマットが違う理由

パソコンでは音声では、WAVやAIFF、動画ではAVIと呼ばれるフォーマットが普及していています。インターネットの世界では、MP3、MPEGなどのファイルが流通しています。しかし、着うたや携帯ムービーでは、携帯の機種により、３GP,３G2,MMF,MLDなどのフォーマットが使用されます。
インターネットで流通しているファイルと、パソコンで使用される音楽ファイルとのフォーマットが異なるのは、少しでもファイルサイズを小さくするためなのです。もちろん、ファイルサイズを小さくするのは、ダウンロードを速くするためです。携帯の通信速度は一般的なPCのインターネットの通信速度より遅いので、さらにファイルサイズを小さくする必要があります。このため、違うフォーマットが使用されるのです。「３GP,３G2とMP3は、サイズ的に余り変わらないのでは？」という話がありますが、これは別の著作権料という問題が関係しています。（こちらをみてください。）

どのように違うのか？

WAVと３GPを比較してみると、違うのは、WAVはPCMデータがそのまま入っている（ことが多い）のに対して、３GPはAACやAMRというコーデックで、圧縮されたデータが入っていることです。また、WAVや３GPにはデータのほかにヘッダというところにプロパティが書かれていますが、３GPではコピーなどを制限するためのプロテクト情報が入れられています。なので自由に他の携帯に転送したりすることはできません。WAVにはプロテクト情報が書かれていないので他のPCに自由にコピーすることができます。

ファイルが大きいとどうなるのか？

単純に転送時間がかかるというだけでなく、あまり大きいとダウンロード自体ができません。これは、携帯のメモリサイズが小さいため、入れられるファイルサイズを制限しているからです。
曲の長さの目安は３GP,3G2はこちらを見てください。MLD,MMFはこちらをみてください。

着うた・携帯ムービーの圧縮技術

着うた・携帯ムービーのファイルサイズ

携帯電話であつかえるファイルには、当然、制限があります。たとえば、FOMAのファイルサイズの制限は、900iシリーズでは300KB迄、901i～903iシリーズでは500KB迄です。なので、できるだけ、ファイルサイズを小さくすることが望まれます。
音声ファイルを圧縮するための方法のことを音声コーデックと言います。

着うたコーデックについて

コーデック名称	採用しているフォーマット	特徴
AMR（GSM-AMR）	3GPP 3GPP2	回線の種類と状況に応じて、転送レートを柔軟に変更することが可能。音楽を意図したコーデックではなく、音質は良くありません。（もともと人間の声を意図しています。）
AAC	3GPP 3GPP2	MP3と比べて1.4倍ほど圧縮効率が高く、音質はほぼ同じ（MP3より歪みにくい）です。最大サンプリング周波数は96kHz。

着うたコーデックとライセンス

上記の２つのコーデックを使用するには、ライセンスが必要です。たとえば、AACのコーデックが組み込まれている変換ソフトは、ソフト１本につき、１ドルをライセンス元のviaという会社に支払わなければなりません。AMRも同様です。携帯ムービーや着うた変換のソフトは、シェアウェアになっているのは、このためです。（フリーで配布しているソフトも、このライセンス料を支払わなければならないことになっています。）

着ボイス（えせ着うた）のコーデック

ファイルの拡張子が、MLD、MMFの再生時間が短いファイルを、えせ着うたといいますが、これらのファイルでは、ADPCMという形式で、データが圧縮されています。ADPCMの形式には、いくつかの種類があり、DoCoMo,Softbankなどの携帯会社が同じでも、携帯の製造メーカーや機種が違えば、違うADPCMを使用しています。このため、異なる機種間での着ボイスファイルの交換はできなくなっています。
どの携帯機種と、どの携帯機種が互換性があるかは、こちらの表を参考にしてください。