研究テーマ->ジャンル研究->不思議な音楽->逆転の音楽
ここでは、ある曲を逆に演奏してみたり、音の高さを裏返して演奏してみたりすると、どうなるかということを紹介します。  
曲を逆転させるとは?
数学や物理のように、音楽も自然の法則に支配されていると考える人達がいます。彼らの考え方によれば、音の列を規則的に作り、音程を裏返したり、音の並びを逆転させたりして音楽を作ることができます。ここでは、音列ではなく、人間の作曲家によって作られた既存の曲を使用して、曲を逆転させてみるということを行います。音程を裏返したり、音の並びを逆転させたりすることで、その曲と同じ特徴を持つ別の曲を作ることができるのです。曲全体の音程と音の並びの両方を逆にすると、音の進行の分布が全く同じになります。つまり、元の曲と同じ特徴の曲が得られるのです。(この説明では、説明不足で分からないと思いますので、暇ができたら、詳しい説明をくわえるつもりです。)
音の高さを裏返して演奏する
もとの演奏が明るい音楽であれば、裏返した音楽は暗い音楽に、もとの演奏が暗い音楽であれば、裏返した音楽は明るい音楽になります。これは、メジャーコードの音程を裏返すとマイナーコードになり、マイナーコードの音程を裏返すとメジャーコードになるためです。
プログラムを使用して、曲を裏返してみる
こちらにあるプログラムで、MIDIファイルを読み込み、その曲を逆転させて演奏することができます。
mac, Linuxの人は、こちらのページのブラウザ版を使用してください。
カノンを裏返してみる
クラッシクにはカノンという作曲の技法があります。実際にやってみるとわかりますが、カノンの曲を作るのは簡単ではありません。曲の元となるパートを一通り作り、それを少し遅らせて、別のパートとして重ねてみると、不協和音ができることに気づきます。しかし、それを修正するために元のパートを変えると、追従するパートも変えることになりますから、別の不協和音ができてしまいます。このような調整を行いながらメロディアスな曲を作るのは大変な作業です。
ところが、カノンの曲を裏返してみると、何と別のカノンが簡単に作れてしまいます。カノンの音程や音の並びを逆にしても、やっぱりカノンになります。
こちらで、パッフェルベルのカノンを裏返しにしたMIDIファイルを聴くことができます。