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  MIDI音源やハードディスクレコーダーなど、最近になって、新しい製品が続々と発売されています。また、インターネットではMP3やMIDI IIなどの新技術の動向が注目されています。その一方で、初心者の方ですと「そもそもDTMにはどんなやり方があるの?」とか、「やってみたい事があるのだが、どういう機材を揃えればいいの?」とか、基本的な事柄でお悩みの方もいると思います。ここでは3回に分けて、DTMに関連するハード、ソフトを概要的に紹介するとともに、今後の動向を予測してみたいと思います。  
 
MIDI音源
DTMの世界で、音源と言えばMIDI音源のことを指します。音源は、サウンドモジュールとも呼ばれますが、要するに、シンセサイザーの鍵盤部分を取り除き、音を出す部分だけを箱に納めてユニットにしたものです。サンプラーなども広い意味で音源になりますが、一般的にMIDI音源と言った場合、GM(あるいはGS、XG)という規格に沿って製品化されたものを指します。 

ローランドのSC-88シリーズや、ヤマハのMUシリーズがこのMIDI音源にあたります。MIDI信号を受けて音を出すようになっていますから、キーボードやパソコン等、MIDI信号を送信するための機器がないと、ただの箱になってしまいます。 

この音源を外部機器ではなく、ソフトウェアとしてPC内部に取りこんでしまうこともできます。これが、ソフトウェア音源、あるいは、ソフトウェアシンセサイザーと呼ばれるものです。ソフトウェア音源の場合、音色の加工等の色々な機能を付加しやすいという利点があるため、PCの性能がますます向上していくことを考えると、今後、さらに期待される技術と言えます。
シーケンスソフト 
シーケンスソフトとは、PCでMIDIデータを編集するためのソフトのことです。Windowsでは、XGworks, SSW, Cakewalk, レコンポーザなどがこれにあたります。どのソフトでも、できることにさほど差はありません。しかし、各ソフトのそれぞれに特徴があり、例えば、Xgworksは、ヤマハ製音源との親和性が優れていますし、SSWは初心者のためのオートアレンジの機能が優れているといった具合です。新しい製品では、MIDI編集の機能だけでなく、Audioを扱うための機能が付加される傾向があります。このような製品では、MIDIの演奏を録音するだけでなく、それにあわせてボーカルを録音することも可能になるわけです。 
MIDIコントローラ
少し耳慣れない言葉だと思いますが、MIDIコントローラーとは要するに、MIDIキーボードやMIDIギターのように、演奏の情報をMIDI信号に変換して、音源やPCに送るための機器のことです。少し変わったところでは、リコーダーのような形をしたWindコントローラとか、最近楽器屋さんでよくみかけるようになったサイレント・ドラムなどもMIDIコントローラです。(さらに、怪しげなコントローラーもあるのですが、それはまたの機会に紹介します。)シーケンスソフトでデータを入力する場合、PC上でマウスだけで入力していくこともできますが、楽器の心得がある場合は、これらのコントローラを使用すると、効率的な入力を行うことができます。 
最近発売されたKORGのKAOSS PADという製品をご存知でしょうか?パッドを指でスクラッチすると、エフェクトが色々に変化するという製品ですが、この製品にはMIDIコントローラとしての機能も備えられています。つまり、パッドのスクラッチによって、MIDI機器をコントロールすることができるわけです。今後は、このような少し変わった感じのコントローラも増えてくるかもしれません。
次回予告
次回は、オーディオの方に少し視点を移して、WAV、MP3など、各種サウンドファイルのフォーマットの話や、ハードディスクレコーディング、CD-Rなどについての話をしたいと思います。