【2011年9月4日】 ※葛西臨海公園(7:50〜13:00)到 着時はほぼ満潮で東渚干潟はほとんど冠水していた。また南風のせいか午前10時を過ぎても干潟の広がりはわずかであった。最初に水路護岸を回った後、鳥類 園で探鳥し、午前9時半過ぎから西渚に足を延ばしたが、事件発生のため観察ポイントを含む西渚東部は閉鎖され多くの警察関係者が集まって立入禁止措置が取 られていた。このため西渚草地で少しばかり探鳥した後、再度鳥類園に戻って探鳥した。アカガシラサギ、ササゴイを再び確認できた他、猛禽類もミサゴを確認 できたが、他には特に変わったものは見られなかった。主なものは次のとおり。 ○ミサゴ 1羽 (成鳥と思われる個体。午前10時半過ぎに荒川河口方面から渚周辺に飛来した。旧江戸川河口の竹杭に休止した後、午前11時頃から東渚上空や水路上空から ダイビングを繰り返したが狩りに成功せず、あきらめて荒川河口方面に去った。本日は渚周辺の水面は上流の大雨と波浪で濁っており狩りが難しかったのではな いかと思われた)○トビ 1羽(汽水池上空。午前9時半頃に見られた)○ササゴイ 1羽(汽水池西側水門付近。午前11時頃に水際で魚を捕らえるのを見ることができた)○アカガシラサギ 1羽(汽水池。午前9時過ぎに棒杭上に飛来したのを見ることができた他、正午過ぎに水際で魚を獲るのを見ることができた) ○コチドリ 3羽(汽水池)○トウネン 36羽(水路護岸・汽水池。水路護岸で幼鳥28羽が見られた他、汽水池では成鳥冬羽1羽と幼鳥7羽が飛来しているのを見ることができた)○ソリハシシギ 3羽(汽水池内)○アオアシシギ 6羽(東渚中央丘付近に休んでいる群が観察センターから遠望できた)○キアシシギ 3羽(汽水池で2羽が見られた他、水路付近で1羽が見られた)○チュウシャクシギ 9羽(西渚草地。刈り取られた草地に群が降りて採餌していた。午前10時頃に見られた) ○ダイシャクシギ 1羽(東渚干潟。正午前に東渚干潟上を飛翔するのを遠望することができた) ○セイタカシギ 5羽(汽水池。幼鳥も見られた)○カワセミ 1羽(汽水池) ○コムクドリ 約10羽(汽水池南側樹林地付近。ニセアカシアの樹上で鳴き交わしていたが、その後群が東方向に飛び立った) 以上。 【2011年9月11日】 ※葛西臨海公園(8:40〜12:20)到 着時は既に大きく干潟が広がっているところであった。最初に水路護岸から西渚観察ポイントに向かって渚周辺の探鳥を行った。シギ・チドリ類150羽前後が 集結していたが、間もなくハヤブサが現れた。午前10時過ぎから鳥類園に戻って探鳥した。鳥類園もオオタカが居座っておりシギ・チドリ類は少なかった。ア カガシラサギは本日も観察されたとのことであった。特に変わったものは見られなかったが、ハマシギ、シロチドリが多くなってきていた。主なものは次のとお り。 ○ミサゴ 1羽(成鳥と思われる個体。午前9時頃に東渚干潟内の棒杭上に休止しているのが見られたが、その後沖合の杭に移動した。午前11時過ぎには魚を捕らえて採食しているのを見ることができた)○オオタカ 1羽(若鳥。汽水池周辺。午前10時半過ぎに汽水池南側樹林地のニセアカシア樹上に休止しているのを見ることができた。その後飛び立って鳥類園周辺を移動していたが、最終的に淡水池上空を西方向に進み公園西側に去った)○ ハヤブサ 1羽(成鳥。午前9時過ぎに西渚干潟内のシギ・チドリ群などが驚いて飛び始めたことから探したところ、 ハヤブサが狩りを行っているところを見ることができた。捕らえるところが確認できなかったものの、獲物を捕らえて干潟上に休止しているのを見つけることが できた。その後獲物の羽をむしって採食し、食事後は口を洗った。さらにその後も干潟上空を旋回したり干潟上に降りたりを繰り返した後見えなくなった)○チュウサギ 1羽(淡水池・中島) ○シロチドリ 約30羽(東渚)○メダイチドリ 約20羽(東渚) ○ダイゼン 2羽(渚周辺)○ トウネン 約20羽(水路護岸、西渚など。水路護岸で幼鳥9羽が見られた他、西渚干潟にも幼鳥10羽が飛来していた。な お、いただいた情報によると水路護岸に成鳥が飛来することもあるとのことであった。この関係で9月6日に水路護岸で観察された標識個体の写真をいただいた が、確認したところ右脚の上部・下部の双方に青フラッグが、左脚すねにはメタルリングが付けられていたことから北海道コムケ湖で標識されたものと考えられ た。成鳥で冬羽に換羽中の個体であった)○ハマシギ 約20羽(東渚。夏羽個体も混じっていた)○オバシギ 2羽(幼鳥。東渚の比較的近いところにいた)○ソリハシシギ 2羽(東渚)○キョウジョシギ 2羽(水路周辺) ○アオアシシギ 3羽(東渚、水路干潟など)○キアシシギ 2羽(水路付近)○ホウロクシギ 1羽(東渚。午前9時過ぎに見られたが、その後ハヤブサの出現で見失った)○チュウシャクシギ 約10羽(西渚草地で1羽見られた他、東西渚間水路や旧江戸川河口付近のカキ礁でも小群が見られた) ○セイタカシギ 4羽(淡水池) 以上。 【2011年9月18日】 ※葛西臨海公園(7:40〜12:10)到 着時は満潮で干潟はほとんど冠水しており、再び広がってきたのは午前10時半頃からであった。最初に水路護岸を回ったが既に冠水していたことから鳥類園に 向かった。その後午前10時半頃から渚観察ポイントに向かい渚周辺の探鳥を正午過ぎまで行った。シギ・チドリ類は少なかった。アカガシラサギとカラシラサ ギを確認したが、近距離でじっくり観察することはできなかった。沖合にオオミズナギドリと思われる群が見られた他カモ類としてコガモ10羽の群が淡水池に 飛来していた。また、西渚にてチュウシャクシギのものと思われる尾羽を拾得した。主なものは次のとおり。 ○オオミズナギドリ 約50羽(東渚沖合。午前9時過ぎに観察センターから東京湾横断道路の「海ほたる」方向を見ていたところ海面付近を群飛しているミズナギド リ類が見られた。数キロmの沖合であり、確実な同定は困難であったが、当地では秋季に南からの強風が吹く時にオオミズナギドリが確認されることがこれまで にも何回かあったことからオオミズナギドリと考えた)○ミサゴ 1羽(成鳥と思われる個体。午前8時頃 に東渚沖合の棒杭上に休止しているのが見られたが、探鳥終了時まで休止したままであった。このところ南風が強く、河川からの流入水もあって渚周辺が濁って いることもあり、狩り成功しないことが多いようである)○トビ 1羽(午前9時半頃に観察センター南側の水路上空に出現した)○ カラシラサギ 1羽(東渚。午前11時頃に東渚中央丘上の草地でダイサギと並んで羽繕いしている個体を見つけた。嘴の黄 色はかなり退色しているようであったが、時折冠羽が逆立つのが目立った。その後中央丘の西側護岸の岩上を回りながら採餌行動を取り、さらに中央丘の西側に 広がる干潟に降りて特徴ある採餌行動を見せた。最短でも距離は250m程度あったが、同定は問題ないものと思われた)○アカガシラサギ 1羽(汽水池西側アシ原周辺。干潟がない時間帯はアシ原内に潜んでいることが多いようで、なかなかじっくりと見ることはできなかったが、当地としては、これまでに例のない長期滞在となっている)○コチドリ 1羽(幼鳥。汽水池西側アシ原付近)○トウネン 11羽(水路護岸。午前10時過ぎに幼鳥のみの群が見られた。幼鳥で冬羽への換羽が進行中と思われる個体も見られた)○ソリハシシギ 1羽(汽水池。午前9時近くになってアオアシシギとともに東渚方面から飛来したようであった)○アオアシシギ 9羽(汽水池。到着直後は見られなかったが、午前9時近くになって東渚方面から飛来したようであった。幼鳥も2羽混じっていた)○オオソリハシシギ 1羽(幼鳥。午前11時頃に荒川方面から飛来し、観察ポイント上空を通過して東渚干潟に舞い降りた) ○ホウロクシギ 1羽(西渚など。幼鳥。観察ポイント付近を飛び回り、西渚堤防上に降りたりしていたが、最終的に東西渚間水路の東渚堤防に降りた。嘴が短く幼鳥と思われた)○チュウシャクシギ 3羽(東西渚間水路の東渚堤防の水際で盛んにカニを採取していた) ○タシギ 2羽(汽水池。西側アシ原周辺で見られた) ○セイタカシギ 5羽(汽水池、淡水池)○カワセミ 2羽(汽水池など) 以上。 【2011年9月23日】 ※葛西臨海公園(8:20〜13:30) 到 着時は干潮で大きく干潟が広がっていた。最初に公園中央部から水路護岸を回り午前8時半過ぎの開門に合わせて西渚に向かった。西渚の草地と観察ポイントか らの渚周辺の探鳥を午前11時過ぎまで行った後鳥類園に向かった。シギ・チドリ類は少なかったもののコアオアシシギが見られた。遠方ながらカラシラサギも 引き続き確認できたが、アカガシラサギは見られなかった。西渚は9月21日の台風15号の襲来により一部護岸が浸食されていた他、大量の砂が草地を覆って しまっている場所もあった。また、園内海側は強風のため枝が折れたりした樹木が見られた。鳥類園南側に設置されている気象庁アメダスの記録によると21日 午後6時24分に41m(南南西)の最大瞬間風速を記録したようである。カモメ類はオオセグロカモメの幼鳥が混じるようになってきていたが、ユリカモメ群 はまだ見られていないようである。主なものは次のとおり。 ○ヒメアマツバメ 2羽(公園中央部。午前8時半過ぎに通過個体が見られた) ○ ミサゴ 1羽(又は2羽。午前8時半過ぎに沖合を西から東方向に移動する個体が見られた。また、午前11時過ぎ には東渚沖合の棒杭に♀と思われる個体が休止しているのが確認できたが、河川からの流入水もあって渚周辺が引き続き濁っていることもあってか狩りは行わな かった) ○トビ 2羽(東渚中央丘付近など。午前11時頃に中央丘に舞い降りている若鳥と思われる個体の他、上空を舞っている個体も見られた。地上に降りた個体はカラスのモビングを受けていた) ○カラシラサギ 1羽(東渚。午前11時過ぎに東渚中央丘西側護岸下の干潟で採餌行動を取っている個体が見られた。18日に確認した個体と同一と思われた) ○チュウサギ 1羽(汽水池) ○コチドリ 1羽(幼鳥。汽水池西側アシ原付近) ○シロチドリ 4羽(東渚) ○トウネン 3羽(水路護岸。幼鳥) ○ハマシギ 6羽(東渚) ○ソリハシシギ 2羽(汽水池。幼鳥と思われた) ○コアオアシシギ 1羽(汽水池。ほぼ冬羽個体であった) ○アオアシシギ 10羽(汽水池。幼鳥も2羽混じっていた) ○オオソリハシシギ 3羽(西渚草地など。いずれも幼鳥。午前8時半頃には東渚にいたが、その後西渚に移動し草地の水溜り周辺で採餌行動を取っていた) ○ホウロクシギ 2羽(西渚、東渚。幼鳥が西渚草地で見られた。比較的警戒心が強かった。東渚には成鳥と思われる個体が確認できた。幼鳥は18日に確認したものと同一個体と思われる) ○チュウシャクシギ 2羽(西渚草地。幼鳥と思われた) ○セイタカシギ 3羽(汽水池) ○カワセミ 2羽(汽水池、淡水池) 以上。 【2011年9月25日】 ※葛西臨海公園(8:30〜13:00)到 着時は干潮で大きく干潟が広がっていた。最初に公園中央部から水路護岸を回り午前8時半過ぎの開門に合わせて西渚観察ポイントに向かい探鳥した。午前10 時半過ぎに公園西側に移動して小鳥類を探鳥した後、正午前から鳥類園周辺で探鳥した。シギ・チドリ類は多くはなかったが、ミヤコドリ群が飛来していた他、 アメリカウズラシギと思われる個体を確認できた。また本日はカラシラサギは確認できなかった。カモメ類はユリカモメ約20羽の群が加わってきていた他、セ グロカモメも混じるようになってきていたが、他はオオセグロカモメ、ウミネコのみであった。また、東渚にオナガガモ群7羽が飛来していた。主なものは次の とおり。 ○ミサゴ 1羽(午前10時過ぎに沖合の棒杭上で捕らえた魚を採食しているが見られた)○チュウサギ 1羽(東渚干潟上)○ミヤコドリ 18羽(東渚など。西渚開門直後は14羽が西渚内で見られた。確認できた限りでは成鳥の群のようであった)○シロチドリ 26羽(東渚。一時的に2羽が西渚に飛来した)○メダイチドリ 2羽(東渚)○トウネン 1羽(汽水池西側。幼鳥)○アメリカウズラシギ 1羽(東渚など。午前9時頃に波打ち際近くに単独でいるのが見られた。落ち着かず、その後中央丘付近のアオアシシギ群近くに移動してきたが、午前9時 40分頃に一旦飛び立って観察ポイント上空を経て荒川河口方面に去ったものの東渚干潟に舞い戻った。しかし、午前10時頃になって単独で再度飛び立ち、中 央防波堤埋立地・若洲海浜公園方面に飛び去った。飛翔中はよく鳴いていた。最短でも約200mの距離があったので断定するには距離があったが、体上部を伸 ばした姿勢を取るなど、本種と判定するのが妥当と考えた)○ハマシギ 5羽(東渚など。汽水池西側にも幼鳥1羽が正午頃に飛来しアシ原内に移動した)○コアオアシシギ 1羽(汽水池西側。ほぼ冬羽個体)○アオアシシギ 8羽(汽水池など。幼鳥も混じっていた。東渚でも最大6羽を確認したが、潮位が上がるにつれて汽水池に移動していた)○オオソリハシシギ 1羽(東渚。幼鳥と思われる個体) ○ホウロクシギ 1羽(東渚。成鳥と思われる個体であった)○セイタカシギ 7羽(汽水池)○サンショウクイ 1羽(公園西側。姿を少し見られただけであったが、鳴き声はよく聞かれた。昨日も見られたとのことであった)○メボソムシクイ 1羽(公園西側)○センダイムシクイ 1羽(公園西側)○キビタキ 4羽(公園西側。♂成鳥1羽、♀タイプ3羽) 以上。