2009年12月 Torio&Torikoのフィールドノート 目次に戻る  top↑

【2009年12月6日】

※葛西臨海公園(7:20〜13:40)
 到着時は満潮前であったが昨晩の降雨のためか水位(潮位)が高く、護岸は波に洗われていた。その後潮位が下がり東渚干潟が現れ始めたのは正午頃からであった。午前中は公園西側から鳥類園周辺で探鳥した。正午過ぎから西渚観察ポイントに向かい渚周辺の探鳥を行い切り上げた。渚周辺のスズガモ、ユリカモメ、カンムリカイツブリを中心とした水鳥類はさらに数を増していた他、引き続き猛禽類が目立った。なおオオハシシギを含む越冬群を再度確認することができた。また、変わったものとしてミツユビカモメを一時的に確認できた。主なものは次のとおり。

○ホオジロガモ            1羽(♀タイプ。西渚付近。今季初認) 
○ウミアイサ             2羽(旧江戸川河口、西渚付近。♀タイプ)
○ミツユビカモメ           1羽(成鳥冬羽。午前9時前に鳥類園南側の水路護岸に集まったユリカモメ群中に見られた。見つけた時はユリカモメに混じって護岸に舞い降りていたが、すぐに飛んで水路内水面でユリカモメとともに休んだが、まもなく水浴・羽繕いを行った後飛び立って旧江戸川くだり東京湾中央部方面に去った。当地では稀に見られるが珍しい)
○ミサゴ               1羽(♀タイプと思われる個体。午前8時半頃に旧江戸川河口の棒杭上で魚を採食していた)
○トビ                 1羽(汽水池上空。午前9時半頃に出現したが、カラス数羽のモビングを受け舞浜方面に去った) 
○ノスリ                1羽(東渚。午前8時半頃から東渚内の看板上や高木上に休止しているのが見られた。カラスのモビングも受けていた)
○チュウヒ               2羽(淡水池、東渚など。♂国内型成鳥と思われる個体は淡水池に飛来し午前10時頃はマツ上に休止していた。また、東渚アシ原上も別個体がよく飛翔し、高木上などに休止していた) 
○オオタカ              2羽(又は3羽。いずれも若鳥、うち1羽は亜成鳥のように思われた。午前11時頃と正午頃に汽水池上空を帆翔する個体が見られた他、別個体が午前11時過ぎに汽水池北側マツ付近から擬岩付近にかけて狩りを行うのを見ることができた)
○ハイタカ              1羽(淡水池。♀成鳥と思われる個体。午前10時頃から北側樹林地内の高木に休止して羽繕いなどを行っていた。距離がありオオタカとの確実な識別は難しかったが、いくらか近距離で西側周回路から辛うじて確認できるポイントがあり、両翼の雨覆などに白斑を確認できたことなどからハイタカと判断した)
○ミヤコドリ              2羽(正午頃のカウント数。東渚干潟に飛来してきていたが、午後1時頃になっても数は増えなかった)
○シロチドリ           約10羽(東渚。正午頃のカウント数)
○ハマシギ           約340羽(東渚など。正午頃のカウント数。渚間水路護岸にも飛来していた)
○アオアシシギ            1羽(渚間水路護岸。午前8時過ぎにダイシャクシギ、オオハシシギとともに東渚堤防北西端付近の護岸で休んでいるのが確認できた。いただいた情報によると、汽水池、旧江戸川舞浜側アシ原育成地などを転々としながら越冬しているようである)
○オオハシシギ           1羽(渚間水路護岸。午前8時過ぎにダイシャクシギ、アオアシシギとともに東渚堤防北西端付近の護岸で休んでいるのが確認できた。午後1時頃になっても同じところでコガモの群に混じって留まっていた)  
○ダイシャクシギ           1羽(渚間水路護岸など。午前8時過ぎに確認できた。正午頃にはハマシギ群とともに東頃干潟上に見られた)
○コゲラ               1羽(公園西側)
○タヒバリ               1羽(西渚護岸など)
○ジョウビタキ            3羽(♂1羽、♀2羽。淡水池周辺など)
○シロハラ              5羽(公園中央部・西側など)
○ツグミ             約10羽(公園西側など) 
○イソヒヨドリ             1羽(♀タイプ。渚間水路護岸付近) 
○オオジュリン            4羽(淡水池周辺など)
○カケス               1羽(汽水池。南側樹林地でジェージェーという鳴き声が数回確認できたが、姿を視認することはできなかった) 

以上。



【2009年12月13日】

※葛西臨海公園(7:20〜12:40)
 到着時は干潮で東渚干潟は大きく広がっており、干潟が狭まり始めたのは午前10時過ぎからであった。公園西側・中央部から渚橋付近に向かい、その後は鳥類園周辺で探鳥した。西渚観察ポイント付近からの渚周辺の探鳥は行わなかった。渚周辺の水鳥類はさらに数を増していた。また、オオタカは見られなかったものの引き続き猛禽類が目立った。主なものは次のとおり。

○ホオジロガモ            1羽(♀タイプ。東西渚間水路付近) 
○ミサゴ               1羽(♀タイプと思われる個体。午前10時半頃に東渚上空に出現し、西渚にかけて狩りを試みたが成功せず、旧江戸川河口を京葉線鉄橋付近まで遡行・帆翔していた)
○トビ                 2羽(汽水池上空など。午前10時半過ぎに汽水池上空を舞っていた他、西渚上空にも別個体と思われるものが出現した。なお、本日は見通しが良好で、中央防波堤埋立地にも30羽前後が舞っているのが認められた) 
○ノスリ                1羽(汽水池。午前9時頃にマツに休止しているのが見られた)
○チュウヒ               3羽(淡水池、東渚など。♂国内型成鳥と思われる個体は淡水池に飛来し午前11時過ぎにはマツ上に休止していた。他に右側風切を欠失した個体などが東渚アシ原上もよく飛翔していた) 
○ハイタカ              2羽(淡水池など。若鳥と思われる個体など。午前8時半過ぎに淡水池南側から汽水池方面に移動する若鳥が見られた。この個体はその後汽水池上空にも出現したが、その後見失った。また、午前10時頃には別個体が淡水池西側上空で帆翔するのが見られたが、この個体は下面が橙色を帯びて見えたことから♂成鳥の可能性もあると思われた)
○ハヤブサ              2羽(いずれも成鳥。東渚付近。午前8時半頃に♀成鳥と思われる個体が東渚堤防北東端の流木上に休止しているのを確認した。その後午前10時半頃には東渚付近でシギ・チドリ群を襲う♂成鳥と思われる別個体を確認した。その後、推定♂は干潟上に、推定♀は堤防上にかなり長い時間休止していたが、しばらくして飛び立ち推定♀は獲物を捕らえて堤防に戻った)
○チョウゲンボウ           1羽(汽水池。午前10時頃に上空に出現しホバリングなどを行ったうえ旧江戸川方面に去った) 
○ミヤコドリ             12羽(午前8時頃のカウント数。東渚干潟に飛来していたが、午前11時頃になって干潟が冠水するとともに舞浜沖方面に去った)
○シロチドリ           146羽(東渚。午前8時半頃のカウント数)
○ハマシギ            396羽(東渚。午前8時頃のカウント数。カウントに際して視界が遮られた部分もあったことから、もっといたものと思われる)
○アオアシシギ            1羽(又は2羽。午前8時過ぎにダイシャクシギとともに東西渚間水路周辺に飛来したのを見ることができた他、午前11時過ぎには旧江戸川舞浜側アシ原育成地付近にセイタカシギなどとともにいるのが確認できた)
○オオハシシギ           1羽(旧江戸川舞浜側アシ原育成地付近。午前11時過ぎにセイタカシギ、アオアシシギとともに休んでいるのが確認できた)  
○ダイシャクシギ           1羽(又は2羽。渚間水路付近など)
○セイタカシギ            3羽(旧江戸川舞浜側アシ原育成地)
○カワセミ               2羽(汽水池で♀タイプを視認できた他、淡水池西側で葛西臨海水族園方面から淡水池に移動する個体も見られた) 
○ジョウビタキ             2羽(♀2羽。淡水池周辺など)
○アカハラ              2羽(公園西側など。1羽はオオアカハラ♂と思われた)
○シロハラ              6羽(公園中央部・西側など。声のみ聞けた個体を加えると10羽以上と思われた)
○ツグミ             約10羽(公園西側など) 

 
※皇居外苑・外周濠周辺(12:20〜13:00)
 本年の元旦以来で、約1年ぶりに出かけた。しかしながらカワアイサは飛来していないようで、ミコアイサのみの確認であった。、また、桜田濠にも回ったが期待していたヨシガモは見られなかった。カモメ類は日比谷濠・馬場先濠にセグロカモメ、ユリカモメが比較的多数飛来していたが、変わったものは見つけられなかった。

○ミコアイサ              3羽(♂2羽、♀1羽。♂1羽はほぼ完全な生殖羽に換羽していたが、もう1羽は換羽が進行中であった。3羽とも馬場先濠に集まって休んでいた。本年は日比谷濠・馬場先濠付近にいることが多いようである)
○ジョウビタキ             1羽(♀タイプ)
○ツグミ                1羽(外苑)

以上。  



【2009年12月27日】

※葛西臨海公園(7:20〜12:40)
 到着時は干潮で東渚干潟は比較的大きく広がっていた。午前9時頃からは再び干潟が狭まり始めた。公園西側・中央部から渚橋付近に向かい、その後は午前11時過ぎまで鳥類園周辺で探鳥した。その後正午頃にかけて西渚観察ポイント付近からの渚周辺の探鳥を行い、最後は公園西側にて切り上げた。引き続き猛禽類が目立ち特にノスリが多かった。トラツグミを今季初認したが他には特に変わったものは見られなかった。主なものは次のとおり。

○ホオジロガモ            3羽(2♂1♀タイプ。旧江戸川河口付近)
○ウミアイサ             4羽(♀タイプのみ。旧江戸川河口の他、西渚水面内でも1羽が見られた)   
○ミサゴ               1羽(♀タイプと思われる個体。午前9時頃に東渚上空に出現し狩りを試みていた。午前10時過ぎには旧江戸川河口の棒杭上で捕らえた魚を採食していた)
○トビ                 1羽(水路上空。午前9時半頃に水路上空でノスリ、ミサゴとともに一時的に舞った) 
○ノスリ                5羽(淡水池、汽水池周辺など。淡水池では北側マツなどに休止しているのがよく見られ同時に3羽を確認することができた。汽水池、東渚、公園西側でも頻繁に見かけた。カラスのモビングを受けたり、チュウヒと絡んだりすることも多かった)
○チュウヒ               2羽(東渚など。午前8時頃から東渚アシ原上をよく飛翔していた。水路上空までは飛来しても淡水池には飛来しなかったようであった) 
○オオタカ               1羽(成鳥。東渚など。午前9時過ぎに旧江戸川河口付近のカモ類を見ていたところ、舞浜方面から低空を滑翔しながら飛来し、河口の竹杭上に休止した。約10分程度休止した後、東渚舞浜側堤防を越えて東渚内に入り見えなくなった) 
○シロチドリ         約100羽(東渚。午前8時半頃のカウント数)
○トウネン              1羽(東渚。正午頃にハマシギ群中に確認できた。ヨーロッパトウネンの可能性もあったが脚を損傷していない個体であった)
○ヨーロッパトウネン         1羽(水路護岸。午前8時頃にハマシギ7羽とともに飛来していた。脚を損傷している個体であった。いただいた情報によると、午前10時頃にはトウネン類3羽が飛来していたとのことであった)
○ハマシギ          約500羽(東渚。午前8時半頃のカウント数は428羽であったが視界が遮られた部分もあったことから、もっといたものと思われる。また、アオアシシギとともに汽水池でも1羽が見られた他、水路護岸で7羽、西渚北側護岸で4羽など、いろいろなところで見られた。なお、正午頃にはミユビシギと混群を形成しているのが確認できた)
○ミユビシギ             3羽(東渚。正午頃にハマシギ群中に確認できた)
○アオアシシギ            1羽(汽水池。午前9時半頃に擬岩付近で見られた。ハマシギ1羽とともにいたが、その後旧江戸川を越えて移動したようであった)
○オオハシシギ           1羽(旧江戸川舞浜側アシ原育成地付近。午前9時過ぎ頃からセイタカシギとともに確認できた)  
○セイタカシギ            3羽(旧江戸川舞浜側アシ原育成地)
○カワセミ               2羽(汽水池で♀タイプを視認できた他、東渚内でも見られた)
○タヒバリ               1羽(水路護岸付近) 
○ジョウビタキ             1羽(♀タイプ。淡水池周辺)
○トラツグミ              1羽(公園中央部。芝生上に出て採餌していた。今季初認であった)
○アカハラ              3羽(公園中央部など)
○シロハラ              1羽(公園西側)
○ツグミ             約20羽(公園西側など。かなり多くなっており、地上に降りて採餌している個体も目立った)
○カケス               1羽(汽水池南側樹林地。鳴き声が聞こえたが視認することはできなかった)  

以上。


【2009年12月29日】

※葛西臨海公園(6:50〜11:00)
 到着時は干潮に向かって干潟が広がり始めているところであった。最初に公園中央部から渚橋付近に向かい、その後は午前10時過ぎまで鳥類園周辺で探鳥した。季節風が強く吹いたこともあり西渚観察ポイント付近からの渚周辺の探鳥は行わず公園西側にて切り上げた。引き続き猛禽類が目立ち、運よくハイタカを観察する機会が得られた。また、当地としては久しぶりにカシラダカを確認した。主なものは次のとおり。

○ミサゴ               1羽(又は2羽。午前9時過ぎに鳥類園上空に進入してきた他、午前10時頃には東渚干潟内の棒杭上に休止したりしていた。午前10時半頃には大きな魚を捕らえた個体が水路上空から西渚付近を旋回していたが付近の棒杭に降りることはなく羽田沖方面に飛び去った)
○ノスリ                2羽(又は3羽。汽水池周辺など。汽水池南側マツなどに休止しているのも見られたが東渚内でも頻繁に見かけた。カラスのモビングを受けたりチュウヒと絡んだりもした)
○チュウヒ               2羽(淡水池東渚など。午前7時半東渚アシ原上をよく飛翔していた。ノスリが移動したせいか淡水池にも頻繁に飛来し、午前9時半頃には同時に2羽が淡水池周辺を舞った) 
○オオタカ               1羽(若鳥。東渚。午前10時頃に東渚北側堤防の低木上に休止しているのを見つけた。間もなくしてカラスの集団が追いかけ回し東西渚間水路上空付近で高度を上げて逃れたが、その後は急降下して東渚堤防付近に戻り、その後見えなくなった) 
○ハイタカ              1羽(♀若鳥と思われる個体。午前8時頃に擬岩前の棒杭上に休止しているのを見つけた。その後飛び立ったが、南側樹林地のキリの木を中心に休止したり、小さい輪を描きながら旋回した後、干潟上のハクセキレイや周辺の小鳥をねらって狩りを行った。しかし成功しなかったようであった。なお、カラスやカケスのモビングも受けたが特にカケスのモビングは執拗で、双方が頻繁に追いかけあっていた。午前9時頃になって北側樹林地上空を越えて飛び去った)
○シロチドリ           約80羽(東渚。午前7時半頃のカウント数)
○ハマシギ           約230羽(東渚。午前7時半頃のカウント数)
○アオアシシギ            1羽(汽水池。午前9時頃に擬岩付近に飛来した。この他の越冬シギ群は旧江戸川舞浜側アシ原育成地付近にいたものと思われたが潮位の関係で確認できなかった)
○カワセミ               1羽(淡水池)
○タヒバリ               1羽(水路護岸付近) 
○ジョウビタキ             1羽(♀タイプ。公園西側)
○トラツグミ              1羽(公園中央部)
○アカハラ              5羽(公園中央部など)
○シロハラ              8羽(公園西側など)
○ツグミ             約20羽(公園西側など)
○オオジュリン            5羽(淡水池付近)
○カシラダカ             1羽(淡水池付近。午前9時過ぎにスズメ群中に混じっているのを確認できた。当地ではアオジ、オオジュリンの他にホオジロも例年確認できるがカシラダカは珍しい)     
○カケス               1羽(汽水池南側樹林地。午前8時半頃を中心にハイタカに執拗なモビングを行っていた)  





ハイタカ(♀と思われる個体)
2009年12月29日
葛西臨海公園(汽水池)
以上。