2007年11月 Torio&Torikoのフィールドノート 目次に戻る  top↑

【2007年11月3日】

※葛西臨海公園(8:50〜13:20)
 到着時は干潮を過ぎて潮位が上昇し、干潟が狭まり始めているところであった。最初に西渚観察ポイントに向かい、午前10時過ぎから公園西側を回り、その後は鳥類園で探鳥した。猛禽類が比較的多く見られた。渚周辺はユリカモメを中心とするカモメ類が多くなっていた他、スズガモ群に加えてカンムリカイツブリ、ハジロカイツブリの群も到着していた。また、ハマシギ・シロチドリ群も多くなってきていた。特に変わったものは見られなかったが、冬鳥が揃い始めており、淡水池ではオカヨシガモのデイスプレーが見られた。なお、汽水池の越冬シギ群は例年のように旧江戸川を越えて舞浜側に移動していた。海岸部はイソギクが咲き始めていた。主なものは次のとおり。

○カンムリカイツブリ     118羽(渚周辺。西渚水面内のスズガモ群中にも2羽が見られた。一部夏羽が残っている個体も見られた)
○ハジロカイツブリ     126羽(西渚周辺。大きく2群に分かれ、群で採餌行動を取っていた) 
○ミサゴ             2羽(東渚周辺。干潟内と沖合いの棒杭に2羽が同時に見られた)
○チュウヒ            2羽(東渚。午前9時半頃に2羽が揃ってアシ原上を飛翔するのが見られた)
○オオタカ            1羽(若鳥。汽水池。午前11時過ぎから正午過ぎにかけて、北側のマツに休止しては周辺を飛翔したりしていた)
○ハヤブサ           1羽(成鳥。東渚舞浜側堤防。午前11時頃に見られた。時折、休止位置を変え、ハマシギ・シロチドリ群をねらっているようであった)  
○シロチドリ          34羽(東渚。午前9時半頃のカウント数)
○ダイゼン            2羽(東渚)
○ハマシギ          562羽(東渚など。午前10時頃のカウント数。西渚干潟にも約50羽が飛来した)
○ミユビシギ           4羽(東渚。ハマシギ群中に見られた) 
○アカアシシギ          1羽(旧江戸川舞浜側アシ原育成地付近。正午過ぎになって護岸に休んでいるのが見られた。セイタカシギ、オオハシシギ群と行動をともにしているようである)
○アオアシシギ         13羽(汽水池で3羽が、東渚で10羽が確認できた)
○オオハシシギ          3羽(旧江戸川舞浜側アシ原育成地付近)
○セイタカシギ          9羽(旧江戸川舞浜側アシ原育成地付近でオオハシシギ、アカアシシギとともに休んでいるのが確認できた)
○カワセミ             2羽(淡水池で2羽を確認することができた)
○ジョウビタキ           2羽(♀タイプのみ。淡水池付近で2羽が追飛を繰り返していた)
○マミチャジナイ         1羽(公園中央部。午前10時半頃にツリーと鳴いて飛翔し高木の枝に休止するのが見られたが、すぐに飛び去ってしまい、きちんと識別することはできなかった)
○キビタキ             1羽(♂成鳥。公園西側。午前10時半頃に見られた)

以上。





【2007年11月4日】

※葛西臨海公園(7:30〜12:40)
 到着時は干潮であったが、その後潮位が上昇し正午頃には干潟のほとんどが冠水した。最初に公園西側に向かい、午前8時半頃からは約1時間ほど西渚観察ポイントで探鳥し、午前11時頃からは鳥類園で探鳥した。風も弱く快晴であったことから行楽の人出が多かった。鳥相は基本的に昨日と変わりはなく、カンムリカイツブリ、ハジロカイツブリの群も定着していた。なお、汽水池の越冬シギ群のうち、セイタカシギは旧江戸川舞浜側にも確認できなかった。わたりと思われるヒヨドリの動きが目立った。主なものは次のとおり。

○ミサゴ             2羽(東渚周辺。午前9時頃から沖合いの棒杭に2羽が同時に見られた。午前10時半過ぎには東渚アシ原上空に飛来しチュウヒ2羽に絡んだ)
○チュウヒ            2羽(東渚など。午前10時半過ぎに2羽が絡み合うようにアシ原上で帆翔した。一時的にミサゴにも絡まれたが、その後1羽は南西方向に移動し、若洲海浜公園方面に去った)
○シロチドリ         約80羽(東渚。午前9時頃のカウント数)
○ダイゼン            3羽(東渚)
○ハマシギ         約770羽(東渚。午前9時頃のハマシギ・シロチドリ群のカウント数は846羽であった。シロチドリの数が多くなってきていたが、観察条件が悪く遠方のものの識別は困難であった)
○アオアシシギ         15羽(東渚で8羽が確認できた他、正午過ぎに汽水池で7羽が確認できた)
○オオハシシギ          3羽(旧江戸川舞浜側アシ原育成地付近。正午過ぎに確認できた)
○タシギ              2羽(汽水池)
○カワセミ             1羽(淡水池)
○ジョウビタキ           2羽(♀タイプのみ。淡水池付近)
○シロハラ             1羽(公園西側。午前8時頃には警戒音を出しながら飛翔する個体がいくらか見られた。我々が視認した個体はピラカンサ付近に飛来したもので、すぐに茂みに入ったことから確実な識別はできなかった。いただいた情報によると、アカハラ、シロハラ、マミチャジナイなどのツグミ類が見られるようになってきているとのことであった)
○キビタキ             1羽(♂成鳥。公園西側)
○カケス              1羽(公園西側。声のみが聞けた)

以上。

【2007年11月17日】

※葛西臨海公園(8:20〜12:00)
 到着時は徐々に潮位が上昇し干潟の多くが冠水し始めているところであった。最初に渚橋・護岸付近を回った後、鳥類園で探鳥し、午前10時半頃から西渚観察ポイントで探鳥し公園西側を一回りして切り上げた。短時間であったが、ズグロカモメを初認することができた。渚周辺はカンムリカイツブリ、ハジロカイツブリの群が多くなり、それぞれ1000羽は優に超えているようであった。特に変わったものは見られなかったが、我々としては今季ツグミを初認することができた。主なものは次のとおり。

○ズグロカモメ          1羽(成鳥冬羽。水路護岸付近。午前8時半頃に給餌に集まるユリカモメに混じって飛来し、護岸に降りたり水路水面上に浮いたりしていたが、まもなく東渚方面に飛び去った。その後も水路上空を旋回上昇するユリカモメ群内に確認できた)
○ミサゴ             1羽(渚周辺。午前10時頃に旧江戸川上流方面から淡水池上空を通過して西渚方面に去る個体が見られた。その後も西渚内や東渚内の棒杭上に同一個体と思われるものが休止しているのを見ることができた)
○チュウヒ            2羽(東渚アシ原付近。余り飛翔しなかったが、午前11時頃に2羽が相次いで出現しアシ原上を舞った。1羽は一時的に干潟上空にも進入しミサゴに絡みそうになった。これまでに確認されている2個体と思われた)
○オオタカ            1羽(若鳥。淡水池付近など。午前9時半頃に淡水池北側斜面付近にいるのを見ることができた。時折、飛び立って狩りを行っていたが成功しなかった。午前10時過ぎにはカラス4羽のモビングを受けて葛西臨海水族園西側上空まで追い出されたが、汽水池南側の樹林地に何とか逃れた)
○ハマシギ         約30羽(東渚など。満潮時となったことから、護岸付近や堤防付近などで小群を見ることができただけであった)
○アカアシシギ         1羽(旧江戸川舞浜側アシ原育成地付近)
○アオアシシギ         9羽(東渚で6羽汽水池で3羽が確認できた。東渚の個体群はチュウヒの出現で飛び回ったりしていた)
○オオハシシギ         3羽(旧江戸川舞浜側アシ原育成地付近。午前9時過ぎに枠鋼板上にアカアシシギとともに休んでいるのを確認できた)
○セイタカシギ        13羽(汽水池で2羽が見られた他、旧江戸川アシ原育成地付近で11羽が見られた)
○カワセミ            3羽(淡水池、汽水池)
○ジョウビタキ          1羽(♀タイプ。船着場付近)
○ツグミ             3羽(護岸周辺で2羽が鳴きながら東渚方面に飛び去るのを見ることができた他、汽水池北側樹林地で樹上に休止してしきりに鳴いている1羽を確認することができた。この他、公園西側でもツグミ類らしき地鳴きが聞けたが、全般的に個体数は多くはなっていないようであった)

以上。






【2007年11月18日】

※葛西臨海公園(7:30〜13:50)
 到着時は徐々に潮位が上昇し干潟が冠水し始めているところであった。最初に渚橋・護岸付近を回った後、午前中は鳥類園で探鳥した。正午過ぎから公園西側や西渚観察ポイントで探鳥した。猛禽類が目立った他、ズグロカモメを近距離で見ることができた。またキクイタダキも見ることができた。渚周辺はカンムリカイツブリ、ハジロカイツブリが大群となっていた。なお、午前8時半頃には水路内でカワウの大群が漁を行ったが壮観であった。主なものは次のとおり。

○ズグロカモメ          1羽(成鳥冬羽。水路護岸付近。船着場の構造物上にユリカモメ、ウミネコとともに休んでいたが、給餌に集まるユリカモメに混じって護岸に降りたり水路水面上に浮いたりしていた。正午前後も水路内水面に浮いているのを確認した。行動パターンから昨年飛来した個体と同一のように思われた)
○ミサゴ             1羽(又は2羽。旧江戸川河口付近や東渚内の棒杭上に休止しているのを見ることができた)
○トビ              3羽(汽水池や水路上空。午前8時過ぎから正午過ぎにかけて飛来した) 
○チュウヒ            2羽(東渚アシ原付近。比較的飛翔するのが見られた。午前8時半頃には2羽が相次いで出現しアシ原上を舞った)
○オオタカ            3羽(いづれも若鳥。鳥類園内。午前9時半頃に汽水池アシ原際で捕らえた獲物を食している個体を見つけた。この個体は正午過ぎまで同地点に留まり、休んでは時折採食していた。この個体を観察中vに淡水池と汽水池の中間地点上空を2羽が揃って飛翔するのを見ることができ、1羽はその後淡水池北側マツに休止した)
○ハヤブサ           1羽(若鳥。午前8時頃に東渚内の漂着物上に休止しているのを見つけた。その後、飛び立って干潟上空を飛び回った後舞浜側堤防上に休止した)
○シロチドリ       約300羽(東渚。きちんとカウントすることはできなかった)
○ダイゼン            5羽(東渚) 
○ハマシギ        約750羽(東渚など。午前8時過ぎのシロチドリ・ハマシギ越冬群のカウント数は1048羽であった。西渚干潟に飛来している小群も見られた。また、満潮時は舞浜側堤防上に相当数が休んでいた)
○アカアシシギ         1羽(旧江戸川舞浜側アシ原育成地付近。午前9時半頃には枠鋼板上に休んでいたが、潮位が上昇した午前11時半頃にセイタカシギとともに舞浜側護岸上に移動した)
○アオアシシギ         7羽(東渚で4羽、汽水池で3羽が確認できた)
○オオハシシギ         3羽(旧江戸川舞浜側アシ原育成地付近。午前9時半頃には枠鋼板上にアカアシシギとともに休んでいたが、午前11時半頃には舞浜側護岸に移動した)
○セイタカシギ        15羽(旧江戸川舞浜側護岸で10羽が見られた他、東渚アシ原付近を群飛する5羽の群も確認できた)
○カワセミ           3羽(汽水池、淡水池)
○ジョウビタキ         3羽(♀タイプ。淡水池周辺など)
○ツグミ            1羽(公園西側。この他、汽水池周辺や公園中央部付近でもツグミ類らしき地鳴きが聞けたが、まだ個体数は少ないようであった)
○キクイタダキ         2羽(又は4羽。公園西側。正午過ぎにマツ周辺で見られたが混群は形成していなかった。なお、いただいた情報によると午前中に汽水池南側で、シジュウカラ、メジロと混群を形成している本種2羽が見られたとのことであった)
○オオジュリン         6羽(汽水池など。好天のせいか、アシの頂上に現れる個体が見られた。鳴き声は淡水池でも聞かれた) 

以上。


ズグロカモメ(成鳥冬羽)
2007年11月18日
葛西臨海公園(水路護岸)


【2007年11月24日】

※葛西臨海公園(13:20〜15:50)
 到着時は既に潮位が上昇し干潟の大部分が冠水しているところであった。最初に西渚観察ポイントから渚周辺の探鳥を行った後、公園西側から鳥類園に回った。短時間の探鳥であったが、引き続き猛禽類が目立った。また教えていただき、キクイタダキも見ることができた。主なものは次のとおり。

○ズグロカモメ          1羽(成鳥冬羽。渚周辺。到着直後は東渚干潟上を飛翔していたが、午後1時半過ぎには2回ほど西渚干潟にも飛来し、既に冠水した干潟の浅水域に繰り返し舞い降りてコメツキガニらしきものを捕食していた)
○ミサゴ             2羽(東渚内。午後1時半頃に、1羽が魚を捕らえて東渚内の棒杭上に休止していたが、まもなくもう1羽が飛来し、隣接する棒杭に休止したり追飛したりした)
○チュウヒ            2羽(東渚。午前1時半頃に頭部の白っぽい個体が干潟上に進入して飛翔するのが見られた他、午後3時半頃には別個体がアシ原上を舞っているのが見られた)
○オオタカ            1羽(若鳥。淡水池内。北側マツに休止していたが、午後3時半頃に東側のアシ原際に突っ込んだ。湿地内で獲物を押さえつけているようにも見えたが、ネコが近づいたためか何も持たずに飛び上がり棒杭上に休止して羽を乾かしていた)
○ハヤブサ           1羽(成鳥。午後2時頃に東渚舞浜側堤防上空に現れ、その後は構造物や流木上休止していた)
○シロチドリ         約10羽(東渚。きちんとカウントすることはできなかった)
○ハマシギ         約100羽(東渚など。午後2時頃のシロチドリ・ハマシギ越冬群のカウント数は122羽であった。午後3時頃には中央丘付近や舞浜側堤防上に小群が休んでいた)
○アカアシシギ         1羽(旧江戸川舞浜側アシ原育成地付近)
○アオアシシギ         1羽(水路付近。午後3時過ぎにセイタカシギ3羽とともに東渚方面に移動する1羽が見られた)
○オオハシシギ         3羽(旧江戸川舞浜側アシ原育成地付近)
○セイタカシギ         9羽(旧江戸川舞浜側護岸)
○ジョウビタキ         1羽(♀タイプ。汽水池付近)
○ツグミ            1羽(渚周辺)
○キクイタダキ         3羽(公園西側。マツ周辺を動き回っていた
○オオジュリン       約10羽(淡水池周辺。鳴き声は汽水池でも聞かれた。小群で東渚方面に移動するのが確認できた) 

以上。


【2007年11月25日】

※葛西臨海公園(7:30〜13:40)
 到着時は満潮を過ぎて干潟が広がり始めているところであった。最初に渚橋・護岸付近で探鳥し、その後は鳥類園を回り、最後に公園西側で切り上げた。基本的には昨日と同様であったが、ヨーロッパトウネン、ホオジロガモ、イソヒヨドリといったものも見ることができた。なお、旧江戸川アシ原育成地付近で越冬中と思われるシギ群は潮位が下がったことから鋼板で囲まれた育成地内の干潟に降りてしまったようで確認できなかった。主なものは次のとおり。

○ホオジロガモ          1羽(幼鳥と思われる個体。午前10時半頃に水路内のスズガモ群中に混じっているのを確認できた)
○ズグロカモメ          1羽(成鳥冬羽。午前7時半過ぎに渚橋護岸で休んでいたユリカモメ群中に混じっていた。その後は東渚方面に飛び去った)
○ミサゴ             1羽(東渚。午前11時頃に東渚上空に現れて帆翔した)
○チュウヒ            2羽(鳥類園、東渚。午前11時頃に成鳥♂と思われる個体が汽水池上空に進入し、その後淡水池で飛び回り狩りを行ったがアシ原に隠れて見えなくなった。また、頭部の白っぽい個体は正午過ぎに干潟上で獲物を漁っていたがカラス2羽に追われてアシ原に入った)
○オオタカ            1羽(又は2羽。鳥類園内。午前8時過ぎから淡水池内の北側マツなどに休止し狩りを行っていたが成功せず、午前11時頃には汽水池に移動した。その後カラス2羽に追われて旧江戸川上流方面に逃れたが、まもなくして戻り狩りを行っていたが見えなくなった)
○ハヤブサ           1羽(成鳥。正午頃に東渚舞浜側堤防の構造物上に休止しているのが確認できた)
○クイナ             1羽(淡水池。一時的にアシ原からよく声が聞こえたが視認することはできなかった)
○シロチドリ       約100羽(東渚。きちんとカウントすることはできなかった。午前8時頃のカウント数は72羽であった)
○ハマシギ        約900羽(東渚、水路護岸など。午前8時頃のシロチドリ・ハマシギ越冬群のカウント数は668羽であったが、一部視界が遮られた。正午頃に群飛している様子からは1000羽前後の羽数と思われた)
○ヨーロッパトウネン      1羽(水路護岸。午前7時半過ぎに護岸に飛来していたハマシギの小群に混じっていた。成鳥冬羽と思われる個体で、行動パターンなどからみて昨シーズンも飛来した個体のように思われた)   
○アオアシシギ         1羽(又は2羽。汽水池、水路付近)
○セイタカシギ         1羽(旧江戸川舞浜側アシ原育成地護岸。午前10時頃に一時的に見られたが、まもなく鋼板で囲まれた育成地内に入った)
○カワセミ           3羽(淡水池、汽水池)
○アリスイ           1羽(淡水池付近。午前8時頃に鳴き声に気付いて探したが、ハコネウツギの茂みに入るのを短時間見ることができたのみで、じっくりと見ることはできなかった)  
○ジョウビタキ         2羽(♀タイプのみ。淡水池付近)
○イソヒヨドリ         1羽(♀タイプ。葛西臨海水族園南縁部。上部のプールで水浴していたようで、コンクリート上で羽繕いを行っていた)
○シロハラ           1羽(公園西側)
○ツグミ            2羽(淡水池付近など)
○キクイタダキ         2羽(公園西側。マツ周辺を動き回っていた)
○オオジュリン       約20羽(淡水池周辺。アシ原からよく飛び上がって飛び回り、小群が東渚方面と行き来するのが見られた。アシ原中にはホオジロも混じっていた) 

以上。

ヨーロッパトウネン(成鳥冬羽と思われる個体)
2007年11月25日
葛西臨海公園(水路護岸)