2007年9月 Torio&Torikoのフィールドノート 目次に戻る  top↑

【2007年9月1日】

※船橋三番瀬海浜公園(8:00〜11:20)
 ヘラシギが見られているということで出かけた。到着時はほぼ満潮で、午前9時半頃より干潟が徐々に現れ始めた。満潮時もかなりのシギ・チドリ類は汀線沿いに打ち上げられて堆積したアオサの周辺に集まって採餌を行っており、ヘラシギもトウネン群の中に見られた。その他多くのシギ・チドリ類が見られ、午前10時過ぎからはアジサシ類も干潟に飛来し、ハジロクロハラアジサシの幼鳥を確認することができた。なお、観察時間中にはミヤコドリを確認することはできなかった。主なものは次のとおり。

○ハジロクロハラアジサシ      1羽(幼鳥と思われる個体。午前10時半頃にアジサシ・コアジサシの混群中に確認できた)
○アジサシ            562羽(午前11時過ぎのカウント数。成鳥の他、若鳥や幼鳥と思われるものも見られた。午前10時過ぎになって沖合いから飛来し始めた)
○コアジサシ           192羽(正面干潟付近。きちんとカウントできなかった。恐らく500羽前後いたものと思われた)
○ハジロコチドリ           1羽(正面干潟。成鳥と思われる個体。ほとんど冬羽になってきていた)
○シロチドリ            16羽(正面干潟)
○メダイチドリ           58羽(市川側干潟に多かった。幼鳥が多くなってきていた)
○ダイゼン             88羽(成鳥の他、越夏個体と思われる若鳥も見られたが幼鳥は確認できなかった。満潮時は潮干狩り場の構造物上で休んでいた)
○トウネン             331羽(午前8時半頃のカウント数。幼鳥がほとんどであったが、成鳥換羽中の個体も見られた。アオサの堆積場所に群れていた)
○ヨーロッパトウネン          1羽(成鳥換羽中と思われる個体。市川側干潟で見られた)
○キリアイ               20羽(正面干潟。トウネンに混じって採餌していた。全て幼鳥と思われた。今年は多数飛来しているようである) 
○ハマシギ               6羽(正面干潟。換羽中個体の他に幼鳥1羽が見られた)
○ミユビシギ             92羽(正面干潟。成鳥換羽中の個体が多かったが、成鳥冬羽や幼鳥と思われる個体も確認できた)
○オバシギ              34羽(正面干潟。成鳥換羽中と思われる個体が1羽見られたが、他は全て幼鳥と思われた。我々の記録では1993年9月12日に当地でオバシギ40羽、コオバシギ19羽を見ているが、オバシギの羽数としてはその記録に次いで多い年となっている)
○コオバシギ              2羽(正面干潟。幼鳥と思われる個体。オバシギ群付近にいることが多かった)
○ヘラシギ               1羽(正面干潟。幼鳥。8月26日に中央防波堤埋立地で初認された後、8月27日頃からは三番瀬周辺で見られるようになってきているとのことで、昨日は午後4時頃になって谷津干潟にも飛来したとのことであった。我々が東京湾岸でヘラシギを見たのは2002年以来5年ぶりであるが、2002年に飛来した個体は繁殖地で標識された個体で、9月8日に初認された後10月5日まで東京湾岸に留まった)
○エリマキシギ             2羽(いづれも♂幼鳥と思われる個体。アオサの堆積場所に好んで飛来していた)
○ソリハシシギ            16羽(正面干潟。全て幼鳥と思われた)
○キョウジョシギ           62羽(正面干潟。もっといたものと思われる。幼鳥がかなり混じっていた)
○キアシシギ             30羽(正面干潟など。幼鳥は確認できなかった)
○オグロシギ              1羽(幼鳥。オオソリハシシギ群に混じっていた) 
○オオソリハシシギ          26羽(正面干潟。成鳥換羽中の個体の他幼鳥も混じっていた)
○チュウシャクシギ           1羽(正面干潟)

※葛西臨海公園(12:20〜14:40)
 到着時は干潮であったが潮位は比較的高く、午後1時半過ぎからは再び潮位が上がって干潟が冠水し始めた。最初に鳥類園を回って探鳥した後、午後1時過ぎから西渚観察ポイントに向かって渚周辺の探鳥を行った。特に変わったものは見られなかった。渚周辺は相変わらずカワウ、ウミネコの大群に占拠されていた。主なものは次のとおり。

○カンムリカイツブリ       1羽(東渚付近。換羽中個体と思われた)
○アジサシ        約500羽(東渚付近。午後1時半頃まではコアジサシとともに群飛しては東渚干潟に舞い降りていたが、ミサゴのためか、その後は沖合いを飛翔することが多かった)
○コアジサシ       約500羽(東渚付近。アジサシとともに群飛を繰り返していた)
○ミサゴ             1羽(正午過ぎに旧江戸川河口付近の棒杭上で捕らえた魚を採食しているのを確認した。その後は東渚内沖杭上に休んでいた)
○チュウサギ           3羽(淡水池) 
○コチドリ             8羽(汽水池)
○ダイゼン            3羽(東渚)
○ソリハシシギ          6羽(汽水池で4羽、渚周辺で2羽)
○アオアシシギ         14羽(汽水池、東渚など)
○キアシシギ           4羽(汽水池、渚周辺など)
○オグロシギ           1羽(東渚。幼鳥と思われる個体)
○オオソリハシシギ        1羽(東渚。幼鳥と思われる個体)
○ホウロクシギ          2羽(東渚。遠方であったが飛翔するのを確認できた)
○ダイシャクシギ         1羽(東渚。比較的近距離で見られたことから同定は容易であった) 
○チュウシャクシギ       34羽(汽水池で1羽が見られた他、旧江戸川河口のカキ礁付近には午後2時半頃に33羽が群れているのが見られた。これらの群はカキ礁が冠水するとともに飛び立ち旧江戸川を遡行した)
○タシギ              1羽(東渚。干潟上に一時的に舞い降りているのが見られた。200m以上の距離があったので他のジシギ類との判別はできなかった) 
○セイタカシギ         24羽(汽水池。幼鳥も混じっていた)
○カワセミ             1羽(又は2羽。汽水池。じっくり観察できた個体は幼鳥と思われるものであった)
○コムクドリ            3羽(♂3羽。汽水池周辺樹林地。♂1羽は擬岩付近のマツに休止した後、水辺に降りた。また、公園西側の樹林上を本種と思われる小群が飛翔するのも見られた)

以上。



【2007年9月2日】

※船橋三番瀬海浜公園(7:50〜12:20)
 到着時は満潮で、午前10時頃より干潟が徐々に現れ始めた。昨日と同様、満潮時も多くのシギ・チドリ類は汀線沿いに打ち上げられて堆積したアオサの周辺に集まって採餌を行っていた。昨日に引き続いてヘラシギが見られた他多くのシギ・チドリ類を見ることができたが、種類的には同様であった。正午頃からはアジサシ類も干潟に飛来したが、昨日と異なり干潟に飛来した個体は少なかった。ただ、沖合いの棒杭には1000羽を超える数が集結していた。また、干潟には飛来しなかったものの堤防上にミヤコドリを確認することができた。主なものは次のとおり。

○ハジロカイツブリ           1羽(船橋港側堤防内水面。夏羽)
○アジサシ               6羽(正午過ぎのカウント数。コアジサシ群中に混じっていた。市川側干潟に舞い降りた)
○コアジサシ            418羽(正午過ぎのカウント数。幼鳥が多く混じっていた。市川側干潟に舞い降りた)
○チョウゲンボウ            1羽(午前7時半頃に二俣新町北側上空で旋回上昇した後、上空を南方向に滑翔しながら移動するのが見られた。正確な判別はできなかったが、ハヤブサ科の翼型であったことや尾の長さから推定した)
○ミヤコドリ             14羽(午前9時頃に船橋港側堤防上に休んでいるのが確認できたが、その後飛び去ってしまったようであった)
○ハジロコチドリ           1羽(正面干潟。成鳥冬羽)
○シロチドリ            32羽(正面干潟)
○メダイチドリ           24羽(午前8時半頃に堤防上で休んでいた時のカウント数)
○ダイゼン            138羽(換羽中の成鳥の他若鳥も見られたが幼鳥は確認できなかった。満潮時は潮干狩り場の構造物上で休んでいた)
○トウネン            336羽(午前10時頃のカウント数。幼鳥がほとんどであったが、成鳥換羽中の個体も見られた。アオサの堆積場所に群れていた)
○キリアイ             28羽(全て幼鳥と思われた。昨日よりも個体数が多くなってきていた) 
○ハマシギ             22羽(換羽中個体の他に幼鳥も見られた)
○ミユビシギ           223羽(成鳥換羽中の個体が多かったが、成鳥冬羽や幼鳥も確認できた)
○オバシギ             42羽(午前11時頃のカウント数。成鳥換羽中と思われる個体が1羽見られた他は全て幼鳥と思われた)
○コオバシギ             2羽(幼鳥と思われる個体。オバシギ群付近にいることが多かった。藻類に付着した貝類を採食しているようであった)
○ヘラシギ              1羽(幼鳥。昨日と同様であったが、トウネン群中で休むことも多かった)
○エリマキシギ            2羽(いづれも♂幼鳥と思われる個体)
○ソリハシシギ           30羽(満潮時には潮干狩り場の構造物上で休んでいる個体が多かった)
○キョウジョシギ          84羽(幼鳥がかなり混じっていた)
○キアシシギ            26羽(幼鳥2羽も確認できた)
○オグロシギ             5羽(幼鳥。正面干潟の東側に集まり、藻類に付着した貝類などを採食しているようであった) 
○オオソリハシシギ         41羽(堤防上に休んでいたもののカウント数。一部はかなり遠方の堤防上で休んでいたことからチュウシャクシギなどとの判別が困難であった。幼鳥も混じっていた)
○チュウシャクシギ          1羽(正面干潟。満潮時は棒杭上で休んでいた)


※葛西臨海公園(13:00〜15:20)Torioのみ 
 到着時は干潮であったが潮位は比較的高く、午後2時頃からは再び潮位が上がって干潟が冠水し始めた。最初に鳥類園を回って探鳥した後、午後2時半過ぎから西渚観察ポイントに向かって渚周辺の探鳥を行った。遠方であったが、東渚でカラシラサギを確認することができた。他には特に変わったものは見られなかったが、いただいた情報によると午前中に観察センター付近の樹林地でサンコウチョウ(♀)がレンジャーの方によって確認されたとのことであったが、我々は見れなかった。渚周辺のカモメ類は相変わらずウミネコと越夏のオオセグロカモメが中心であるが、12羽の成鳥換羽中と思われるユリカモメ群が加わってきていた。なお、昨日見られたアジサシ類は全く見られなかった。主なものは次のとおり。

○ミサゴ             1羽(午後1時半過ぎに東渚内沖杭上に休んでいるのを確認した)
○カラシラサギ          1羽(東渚。午後3時頃に上げ潮状態の浅水域を活発に動き回って採餌行動を取っているのを見つけた。約200m前後の遠方であったが、嘴の色は明瞭な黄色で冠羽も目立った。当地では数日前に汽水池でレンジャーの方によって本種が確認されていることから、同一個体が留まっているものと思われる)
○チュウサギ           2羽(淡水池。コサギとともにトンボをねらっており、チュウサギがシオカラトンボをコサギはギンヤンマを採食するのを見た) 
○コチドリ            2羽(汽水池)
○ダイゼン            5羽(東渚)
○ソリハシシギ          3羽(渚周辺)
○キョウジョシギ         1羽(渚周辺。鳴きながら上空を飛翔した)
○アオアシシギ         14羽(汽水池、東渚など)
○キアシシギ           4羽(汽水池、渚周辺など)
○オオソリハシシギ        1羽(東渚。幼鳥と思われる個体)
○ホウロクシギ          2羽(東渚)
○チュウシャクシギ        1羽(汽水池) 
○セイタカシギ         16羽(汽水池、東渚など。幼鳥も見られた)
○カワセミ             3羽(汽水池。成鳥1羽の他幼鳥2羽が見られた。汽水池の干潟にも降りた)
○コムクドリ            6羽(汽水池周辺樹林地。擬岩付近の干潟にも降りたり、カワセミの休止しているアシに休止したりした。じっくり観察できた個体は幼鳥と思われた)

以上。


ヘラシギ(幼鳥)
2007年9月2日
船橋三番瀬海浜公園


【2007年9月8日】

※葛西臨海公園(7:30〜14:10) 
 到着時は干潮で干潟はかなり広がっていた。最初に公園西側で小鳥類を探した後、渚橋付近で探鳥し、その後は鳥類園を回った。正午頃からは南風が強くなったこともあり、西渚観察ポイントからの探鳥は行わなかった。コアオアシシギ、アカアシシギを見ることができたが、オオタカがたびたび出現したことから、鳥群は全体的に落ち着かなかった。なお、いただいた情報によると台風9号が通過した昨日は、強風を避けてサギ類が淡水池湿地に集結し、その中にカラシラサギも見られたとのことであった。主なものは次のとおり。

○アジサシ          14羽(午後1時過ぎに一時的に見られた。東渚付近を飛翔していた群が旧江戸川河口に進入し遡行していった)       
○ミサゴ             1羽(午前10時頃に東渚内棒杭上で休んでいた。午後になっても見られた)
○オオタカ            2羽(いずれも幼鳥と思われる個体。午前8時過ぎにクリスタルビュー付近で幼鳥1羽が西方向に飛翔移動するのを見た他、鳥類園内でも幼鳥1羽を見ることができた。この個体は汽水池上空を飛翔してはシギ類を追い掛け回したり、淡水池では棒杭に休止して、手当たり次第に、カイツブリ、ゴイサギ、チュウサギ、カワウなどを襲おうとしたが失敗を繰り返していた)
○チョウゲンボウ        1羽(葛西臨海水族園付近。午前8時半頃に水族園南側の貯水場上空に現れてホバリングを行ったが、その後は船着場付近を経て西渚方面に去った。若い個体と思われた)
○チュウサギ          2羽(淡水池) 
○コチドリ            1羽(汽水池)
○ダイゼン           8羽(東渚。午前8時過ぎのカウント数)
○コアオアシシギ        1羽(汽水池。幼鳥と思われる個体。午前11時半頃に見ることができたが、正午過ぎには、オオタカが出現し、追いたてられたことからアオアシシギとともに東渚に飛び去った。なお、幼羽から一部は冬羽に移行中であった)
○ソリハシシギ          1羽(汽水池)
○アカアシシギ          1羽(汽水池。午前11時半頃に一時的に見られたが、すぐに飛び去った。幼鳥と思われる個体であった)
○アオアシシギ         12羽(汽水池、東渚など)
○キアシシギ           2羽(渚周辺)
○オグロシギ           1羽(東渚。オオソリハシシギ群中に混じっていた。群飛時に確認できた)
○オオソリハシシギ       8羽(東渚)
○ダイシャクシギ         1羽(東渚。一時的にホウロクシギとともに飛翔したことから確認できた)
○ホウロクシギ          1羽(東渚)
○チュウシャクシギ        4羽(汽水池、渚周辺) 
○セイタカシギ         14羽(汽水池など。オオタカの出現のため、東渚とを行き来する群も見られた)
○カワセミ             3羽(又は5羽。汽水池)
○センダイムシクイ       1羽(公園西側。頭央線を確認できた)
○オオルリ            1羽(公園西側。♀の若い個体ではないかと思われた) 
○コムクドリ            6羽(公園西側。樹林地周辺を飛翔しているのが見られた)

以上。



【2007年9月9日】

※谷津干潟(7:40〜11:00)
 到着時は干潟が広がり始めたところで、探鳥を切り上げた午前11時頃には大きく干潟が広がった。東京湾が上げ潮に変わった午前10時頃からシギ・チドリ類の飛来数が多くなった。また、午前9時頃にクロトウゾクカモメと思われる個体が短時間飛来した。なお、干潟内は先日の台風9号による流木などが大量に漂着していた。主なものは次のとおり。

○クロトウゾクカモメ          1羽(幼鳥と思われる個体。午前9時頃に北東方向から干潟内に進入し、ダイシャクシギを追いかけたが特に獲物は奪えなかったようであった。その後干潟内に舞い降りて羽繕いを行ったが、滞在約10分後に飛び立って茜浜方面に去った。トウゾクカモメとクロトウゾクカモメの幼鳥の識別については確信を持てないが、近くにいたウミネコよりも、やや小さめであったことや羽繕い時の中央尾羽の形状などからクロトウゾクカモメと判断した。湾岸フィールドでは2004年5月23日にも観察したことがあり2回目となるが、幼鳥は初めてで、本種が地上や干潟に舞い降りたのを観察するのも初めてであった)
○シロチドリ              6羽(干潟東側など)
○メダイチドリ            18羽(午前9時半頃のカウント数)
○ダイゼン              28羽(午前10時半頃のカウント数)
○トウネン              24羽(午前10時半頃のカウント数。幼鳥がほとんどであった)
○キリアイ               8羽(午前8時半頃のカウント数。全て幼鳥であったが、冬羽への換羽が進行している個体が多かった)  
○ハマシギ             21羽(午前10時半頃のカウント数。換羽中と思われる個体の他、幼鳥も見られた)
○オバシギ              3羽(幼鳥のみ。午前10時頃になって飛来しているのを確認した)
○ソリハシシギ            3羽(全て幼鳥と思われた)
○キアシシギ             3羽(午前8時半頃のカウント数。幼鳥は確認できなかった) 
○オオソリハシシギ          7羽(午前8時頃のカウント数。成鳥換羽中の個体が4羽と幼鳥が3羽の群であったが、午前8時半頃に成鳥1羽を残して干潟外に去った)
○ダイシャクシギ           1羽(到着直後から見られた。主として干潟東側を動き回り、アナジャコを採取して丸呑みにするのも見られた) 
○セイタカシギ           20羽(幼鳥も混じっていた)
○イソヒヨドリ             1羽(幼鳥と思われる個体。午前9時半過ぎに谷津川方面から観察ポイント付近に飛来し、観察センター方面に飛び去った)


※葛西臨海公園(11:40〜16:00)
 到着時は潮位が上がり始めて干潟が狭まり始めているところであった。最初に西渚観察ポイントに向かい渚橋付近で探鳥した後、午後1時半頃から鳥類園を回った。遠方であったが渚周辺でカラシラサギ2羽を確認できた他、汽水池でクサシギ2羽も見られた。しかし、汽水池周辺は引き続きオオタカが留まっているとのことで、多くのシギ・チドリ類は東渚方面に避難しているようであった。また、カラシラサギも本日は東渚から鳥類園内に飛来することはなかったようであった。なお、レンジャーの方から、昨日我々が探鳥を切り上げた後、汽水池上空に出現し観察撮影されたシロハラミズナギドリ類の一種の観察状況についても話を伺うことができた(注)。主なものは次のとおり。

○アジサシ          152羽(東渚。午後1時頃のカウント数。多くが成鳥夏羽の個体であった。舞い上がっては舞い降りるのを繰り返していた)
○コアジサシ           2羽(東渚。正午過ぎまでアジサシ群中に混じって飛翔していたが、午後1時頃からは見られなくなった)
○ミサゴ             1羽(又は2羽。東渚内の棒杭上で休んでいる個体が見られた他、午後2時頃には旧江戸川上流方向から観察センター上空を通過する個体が見られた)
○トビ              1羽(到着直後から鳥類園上空などを飛翔しているのが見られたが、その後東渚干潟内に降りたりしていた。正午過ぎに西渚観察ポイント上空を経て荒川河口方面に飛び去った)
○カラシラサギ         2羽(正午過ぎに東渚の水際で、冠羽をなびかせながら特徴のある採餌行動を取っている個体が確認できた。この個体の嘴は黄色を帯びてはいたものの色調は鈍かった。その後、満潮時に東渚からサギ群が鳥類園内に飛来することを期待して待ったが、午後3時半頃にはカラシラサギ2羽が東渚中央丘のサギ群中に留まっているのが確認できた。このうち1羽は正午過ぎに東渚で確認できた個体と思われ、もう1羽はほとんど生殖羽の個体であった) 
○チュウサギ          2羽(淡水池、汽水池) 
○コチドリ           1羽(水路護岸。汽水池では見られなかった)
○シロチドリ          4羽(東渚)
○メダイチドリ         6羽(東渚。一時的に飛び立って西渚観察ポイント付近に飛来した際に確認することができた。同群にはトウネン類が混じっているようであったが確認できなかった)
○ダイゼン           8羽(東渚)
○ムナグロ           2羽(東渚。やや遠方であったが、ダイゼン群近くに来た際に大きさと色調が比較できた。成鳥換羽中の個体のようであった)
○クサシギ           2羽(汽水池。午後2時過ぎに確認できた。アシ原際に休んでおり、いづれも幼鳥と思われた)
○ソリハシシギ         2羽(渚周辺)
○アカアシシギ         1羽(汽水池。午後2時頃に東渚方面に飛び去るのが見られたのみで、じっくりと観察することはできなかった)
○アオアシシギ        13羽(汽水池では1羽のみ。他は東渚で確認できた。汀線沿いに集団で追い込み漁のような行動を取っているのが見られた)
○キアシシギ          2羽(渚周辺など)
○オオソリハシシギ       7羽(東渚。飛翔した際の観察では全て幼鳥のようであった)
○ダイシャクシギ        1羽(東渚。飛翔するのが確認できた)
○ホウロクシギ         2羽(東渚)
○チュウシャクシギ       2羽(汽水池と渚周辺で見られた) 
○セイタカシギ        16羽(汽水池では1羽しか見られず、多くは幼鳥を伴って東渚に移動してしまっていた)
○カワセミ            3羽(淡水池で1羽、汽水池で2羽)
○コムクドリ           1羽(汽水池擬岩付近に集結したムクドリ群中に1羽のみまじっていた。マツの枝に休止したが、水場には下りずに飛び去った)

(注)シロハラミズナギドリ類の一種については、9月8日午後3時前に汽水池上空を飛翔しているのに気付いて観察撮影されたとのことで、2〜3分後には渚方面に飛び去ったとのことであった。レンジャーの方が観察撮影されていることから葛西臨海公園鳥類園のブログ( http://choruien2.exblog.jp/ )に公表される予定とのことである。

以上。


クロトウゾクカモメ(幼鳥と思われる個体)
2007年9月9日
谷津干潟


クロトウゾクカモメ(幼鳥と思われる個体)
2007年9月9日
谷津干潟
右側はウミネコ。ウミネコよりもやや小さい全長と思われる。



【2007年9月15日】

※葛西臨海公園(8:10〜14:30)
 到着時は満潮を過ぎて干潟が広がり始めているところであった。最初に渚橋付近を経由して鳥類園に回って探鳥した。その後、午後1時頃から西渚観察ポイントに向かって渚周辺の探鳥を行った後、公園西側を回って切り上げた。全体的にはシギ・チドリ類は少なくはなかったが、オオタカのせいか汽水池付近には少なく、ほとんどが東渚に移動したようで、遠方で観察しづらかった。なお、わたりの小鳥類も見られた。主なものは次のとおり。

○アジサシ          388羽(東渚。羽数が最大となった午後1時頃のカウント数。干潟が広がった午前11時頃より沖合いから次々に飛来した)
○ミサゴ             1羽(東渚。午前10時頃に干潟内棒杭上に飛来した)
○トビ              3羽(汽水池上空など。午前10時前に3羽の群が鳥類園北側をカラスにモビングされながら東方向に移動するのが見られた他、その後も1羽が時折汽水池上空に飛来した)
○カラシラサギ         1羽(東渚。午後1時頃から汀線沿いに特徴のある採餌行動を取っているのが見られた。嘴の黄色、冠羽も視認できた他、時折、近くにコサギが飛来したことから比較することもできた)  
○チュウサギ          1羽(淡水池。珍しくクズの繁茂した斜面で採餌しているのが見られた) 
○シロチドリ           6羽(東渚。遠方であった)
○メダイチドリ         12羽(東渚)  
○ダイゼン            4羽(東渚)
○ハマシギ            2羽(東渚。遠方であった。この他に小型の他種もいたようであったが、遠方で判別できなかった)
○アカアシシギ          1羽(東渚)
○アオアシシギ         12羽(東渚など。ほとんどが東渚に移動しており、汽水池で見られたのは1羽であった)
○オオソリハシシギ        1羽(東渚)
○ダイシャクシギ         2羽(東渚)
○ホウロクシギ          2羽(東渚。ダイシャクシギ2羽とともに本種2羽を同時に視認することができた)
○チュウシャクシギ        4羽(汽水池など。午前9時頃に汽水池中土手に小群が飛来しているのが確認できた。その後東渚に移動する個体も見られた。幼鳥と思われる個体群であった) 
○セイタカシギ         24羽(東渚、汽水池など。東渚に多くの個体が移動していたが、汽水池や水路護岸でも見られた)
○ツツドリ             3羽(淡水池周辺で1羽が見られた他、汽水池周辺で2羽が見られた。このうち1羽は赤色型であった。いづれの個体もサクラについた毛虫を採食していた。午前11時頃には観察センターから汽水池南側のサクラの植栽地付近でオナガの群が本種を追い出すのが見られた)
○カワセミ             3羽(汽水池)
○メボソムシクイ         1羽(公園西側。午後2時頃に見られ、頭央線がないことを視認できた)
○キビタキ            1羽(公園西側。♀タイプ)
○コサメビタキ           2羽(汽水池南側。午前9時半頃に、ニセアカシアの樹冠部付近に休止した個体を、別個体が繰り返し追い掛け回すのが見られた) 

以上。



【2007年9月16日】

※葛西臨海公園(7:30〜11:30)
 到着時は満潮で南風がやや強く沖合いは波が高かった。このため、渚橋付近や西渚観察ポイントからの探鳥は行わず、鳥類園でのみ探鳥した。東渚付近に移動していたシギ・チドリ類の一部が汽水池に飛来してきており、オオハシシギ、タシギが今季初認できた。しかしながらツツドリなどのわたりの小鳥類は全く確認できなかったことから切り上げた。なお、淡水池にはハシビロガモ♀1羽が見られた。主なものは次のとおり。

○アジサシ          186羽(東渚など。午前10時半頃のカウント数。干潟が広がり始めた午前9時半頃から干潟に飛来したが、沖合いを西方向に通過していく小群も見られた)
○イワツバメ           2羽(淡水池周辺。午前10時半頃に見られた)
○コチドリ            1羽(汽水池。幼鳥)
○ミユビシギ           3羽(東渚。汀線沿いに行動していた)  
○アオアシシギ        10羽(汽水池。満潮時には汽水池の中土手で休んでいた。午前10時半過ぎには2羽が東渚方面に移動したが、その後舞い戻ってきていた)
○オオソリハシシギ       1羽(東渚)
○ダイシャクシギ        1羽(東渚)
○ホウロクシギ         2羽(東渚)
○チュウシャクシギ       1羽(汽水池。幼鳥と思われる個体が、アオアシシギなどとともに中土手で休んでいた)
○タシギ             2羽(汽水池。中土手で休んでいた)
○オオハシシギ         1羽(汽水池。成鳥換羽中と思われる個体。アオアシシギとともに中土手で休んでいた。昨日も東渚のアシ原沿いで、それらしき個体が見られたが遠方のため判別できなかった) 
○セイタカシギ        20羽(汽水池。幼鳥も多かった。午前9時半頃には10羽が群となって東渚方面に移動していった)
○カワセミ            4羽(淡水池、汽水池)
○イソヒヨドリ          1羽(水路護岸。幼鳥。午前7時半過ぎに見られた) 


※谷津干潟(12:30〜16:00)
 到着時は干潟が広がり始めたところで、午後3時頃に干潟の半分近くが現れたところで再び潮位が上がって干潟は冠水し始めた。午後1時頃からシギ・チドリ類が次々と追加飛来した。干潟内は台風9号による流木などもかなり片付けられたようできれいになってきていた。午後3時頃に珍しくオオセグロカモメ(亜成鳥と幼鳥各1羽)が干潟に飛来した他、淡水池にはオナガガモ(2羽)、コガモ(8羽)が到着していた。なお、ヘラシギは9月13日に確認された以降見られていないとのことであった。主なものは次のとおり。

○トビ                 1羽(午後3時過ぎに干潟北側上空に出現したが、カラスに追われて東方向に逃れた)
○チュウサギ             2羽(干潟内) 
○シロチドリ              6羽(干潟東側など)
○メダイチドリ            19羽(午後3時過ぎのカウント数。幼鳥が多くなってきていた)
○ダイゼン              90羽(午後1時過ぎのカウント数)
○トウネン              17羽(午後2時頃のカウント数。幼鳥のみと思われた)
○キリアイ               8羽(午後1時半頃のカウント数。全て幼鳥で冬羽への換羽が進行している個体も多かった。6羽が集まって採餌している光景も見られた)  
○ハマシギ             64羽(午後2時頃のカウント数。換羽中と思われる個体の他、幼鳥も見られた)
○オバシギ             28羽(幼鳥のみ。午後3時半過ぎのカウント数。到着直後は3羽であったが次々に飛来して多くなった)
○コオバシギ             3羽(幼鳥のみ。オバシギ群などとともに採餌していた) 
○ソリハシシギ            3羽(全て幼鳥と思われた)
○アオアシシギ            2羽(観察センター付近。幼鳥)
○キアシシギ             4羽(成鳥換羽中と思われる個体のみ。幼鳥は確認できなかった) 
○オグロシギ             5羽(幼鳥のみと思われた。午後1時半過ぎに小群として飛来し盛んに採餌していた)
○オオソリハシシギ         28羽(午後2時頃のカウント数。成鳥換羽中の個体が2羽確認できたが他は幼鳥であった)
○セイタカシギ            7羽(幼鳥も混じっていた)
○アカエリヒレアシシギ        1羽(幼鳥と思われる個体。観察センター前干潟付近。この8日間くらい留まっているとのことで、水面で採餌をしたり漂着物際で休んだりしているのが観察できた。また、きちんと飛翔しているのも確認した)

以上。


【2007年9月17日】

※葛西臨海公園(7:30〜11:40)
 到着時は満潮で南風がやや強く沖合いは波が高かった。このため、昨日と同様に渚橋付近や西渚観察ポイントからの探鳥は行わず、鳥類園でのみ探鳥した。汽水池にも多くのシギ・チドリ類が飛来してきていたが、オオハシシギは確認できず代わりにアカアシシギが近距離で見られた。また、午前8時頃にはツツドリもいくつか確認できた。なお、淡水池にはコガモ6羽が見られた。主なものは次のとおり。

○アジサシ           64羽(東渚。午前10時頃のカウント数。干潟が広がり始めた午前9時半頃から飛来した)
○チュウサギ          1羽(淡水池。クズの繁茂した斜面で採餌しているのが見られた) 
○コチドリ            2羽(汽水池。幼鳥)
○シロチドリ          12羽(東渚。メダイチドリとの判別は困難であった)
○ダイゼン            2羽(東渚)
○アカアシシギ          1羽(汽水池。幼鳥。満潮時は中土手でアオアシシギとともに休んでいたが、午前10時頃からの干潟の広がりに伴って採餌行動を取っていた)
○アオアシシギ         14羽(汽水池)
○オオソリハシシギ        8羽(東渚)
○ホウロクシギ          2羽(東渚。ダイシャクシギとの判別はきちんとできなかった)
○チュウシャクシギ        3羽(汽水池など。淡水池北側のアシの刈り取られた草地で採餌している個体も見られた)
○タシギ              4羽(汽水池) 
○セイタカシギ         22羽(汽水池など)
○ツツドリ             3羽(汽水池周辺。ニセアカシアの木立周辺で2羽が見られた他、観察センター付近から汽水池南側のサクラの植栽地に移動する個体も見られた)
○カワセミ             2羽(汽水池)

以上。


【2007年9月22日】

※葛西臨海公園(8:10〜13:00)
 到着時は干潮で干潟は比較的大きく広がっていた。最初に渚橋周辺や公園西側を回った後に、午前9時頃には西渚観察ポイントからの探鳥を行ったが水鳥達が散らばりすぎていたことから短時間で切り上げ、以降は鳥類園でのみ探鳥した。サギ類が多く観察できたが、汽水池のシギ・チドリ類には特段の変化はなかった。淡水池にコガモ12羽、西渚水面にオナガガモ12羽が見られ、カモ類も多くなってきていた。なお、ツツドリも引き続き見られたとの情報もあったが、我々は見ることはできなかった。主なものは次のとおり。

○アジサシ           42羽(東渚。正午頃のカウント数。探鳥開始直後は旧江戸川河口に生じた干潟に100羽以上が舞い降りていたが、潮位の上昇とともに漸減し、午後1時頃には8羽となった)
○ミサゴ             1羽(午前9時半頃に旧江戸川河口の棒杭上で採食しているのが見られた。正午過ぎには東渚沖杭で休んでいた)
○ヨシゴイ            1羽(淡水池。午前9時半頃に観察センター近くのアシの茂みで採餌行動を取っている個体を見ることができた。幼鳥であったことから、今夏も当地で繁殖が行われたものと思われる)
○アマサギ            3羽(淡水池。淡水池西側の低木に休止しているのを見ることができたが、午前11時頃からは淡水池中央部の島のアシの刈り取られた草地で採餌行動を取っていた。いづれもわずかに橙黄色の飾り羽が残っていた。昨日から見られているとのことであった)
○カラシラサギ          1羽(東渚。午前9時頃に汀線沿いに活発に動いて採餌しているのが見られた。遠方であったが、冠羽が視認できたことなどから同定は問題ないと思われた。引き続き留まっているものと思われる) 
○チュウサギ           2羽(淡水池。北側や西側の斜面で採餌しているのが見られた) 
○コチドリ             2羽(汽水池。成鳥と幼鳥が各1羽)
○シロチドリ          10羽(東渚。メダイチドリとの判別は困難であった)
○ソリハシシギ          2羽(汽水池。正午過ぎになって擬岩付近で見ることができた。いづれも幼鳥と思われた)
○アカアシシギ          1羽(汽水池。幼鳥。擬岩付近。オオハシシギと揃って休んで羽繕いを行ったりした)
○アオアシシギ          6羽(汽水池。正午過ぎのカウント数。なお、東渚周辺からも鳴き声が聞こえたことから、群の一部は東渚干潟に移動しているものと思われた)
○オオハシシギ          1羽(汽水池。ほぼ成鳥冬羽となった個体。擬岩付近で休んでいることが多かった。
○ホウロクシギ          2羽(西渚、東渚。到着直後に西渚干潟で盛んにカニを採取している個体が見られた他、東渚干潟にも別個体が見られた。東渚にいた個体はダイシャクシギとの判別が困難であった)
○チュウシャクシギ        1羽(又は2羽。汽水池)
○タシギ             4羽(汽水池) 
○セイタカシギ         16羽(汽水池、淡水池。なお、水路護岸や東渚方面でも見られたことから、群の一部が散らばっているものと思われた)
○カワセミ            2羽(又は3羽。汽水池)

以上。




【2007年9月23日】

※葛西臨海公園(7:20〜12:30)
 到着時は干潮で干潟は大きく広がっていた。最初に鳥類園で探鳥を行った後に、潮位が上がり始めた午前10時過ぎからは西渚にて探鳥を行った。昨日同様にサギ類が多く観察できた。再びカラシラサギを2羽観察することができ、1羽は西渚にて近距離で見ることができた。汽水池のシギ・チドリ類は変化はなかった。ツツドリも再び見られたがじっくりと見ることはできなかった。渚周辺は越夏群に加えてセグロカモメ類の幼鳥が見られるようになってきていた。主なものは次のとおり。

○アジサシ         約100羽(東渚など。正午頃に東渚干潟に舞い降りていたカウント数は46羽であった。沖合いなどを飛翔して採餌行動を取っている小群も見られた)
○ミサゴ             1羽(午前10時頃に東渚内の棒杭上で休んでいるのが見られた)
○ヨシゴイ            1羽(淡水池。幼鳥。午前9時頃に観察センター付近のアシの茂みで採餌行動を取っている個体を見ることができた)
○アマサギ            3羽(淡水池中央部の島のアシの刈り取られた草地で採餌行動を取っていた。昨日から見られている小群と思われた)
○カラシラサギ          2羽(東渚、西渚。午前10時半頃に西渚内で1羽がコサギとともに汀線沿いに活発に動いて採餌しているのが見られた。近距離で観察することができた。この個体は干潟が狭まった午前11時過ぎに飛び立って東渚干潟に移動した。午前11時半頃には遠方であったが、東渚干潟付近で2羽が揃って採餌しているのが確認できた) 
○チュウサギ           1羽(淡水池。西側の斜面などで採餌しているのが見られた)
○ミユビシギ           2羽(西渚。幼鳥であった) 
○ソリハシシギ          1羽(水路護岸)
○アカアシシギ          1羽(汽水池。幼鳥。擬岩付近)
○アオアシシギ          6羽(汽水池)
○オオハシシギ          1羽(汽水池。ほぼ成鳥冬羽となった個体)
○ダイシャクシギ         1羽(東渚)
○ホウロクシギ          2羽(東渚)
○チュウシャクシギ        4羽(汽水池など。水路護岸や旧江戸川河口付近のカキ礁でも確認できた)
○タシギ             2羽(汽水池) 
○セイタカシギ         25羽(汽水池、淡水池)
○カワセミ            3羽(汽水池など)
○ツツドリ            2羽(汽水池と公園西側で各1羽が見られたが、じっくりと見ることはできなかった) 

以上。



カラシラサギ(成鳥換羽中と思われる個体)
2007年9月23日
葛西臨海公園(西渚)
上げ潮状態の汀線沿いを活発に動いて盛んに採餌していた。嘴の橙黄色は褪色してきていたが、目先の青色は残っており、冠羽もかなり残っていた。


【2007年9月24日】

※葛西臨海公園(7:30〜12:50)
 到着時は干潮で干潟は大きく広がっており、午前9時頃には沖合いにも干潟が広がった。最初に渚橋付近や公園西側を回った後、午前8時40分頃に開門となった西渚に入って探鳥を行った。思いがけずヘラシギを確認することができた。また、カラシラサギは3羽を観察することができた。午前10時頃に渚周辺にハヤブサが現れたが、午前11時頃から探鳥した汽水池のシギ・チドリ類に変化はなかった。また、公園西側の小鳥類も多くなってきているようであったが、じっくりと見ることはできなかった。主なものは次のとおり。

○アジサシ         312羽(東渚など。午前10時頃の東渚干潟付近に舞い降りていた際のカウント数。飛び立ちと舞い降りることを繰り返していた)
○ミサゴ             1羽(午前8時頃に東渚内の棒杭上で休んでいるのが見られたが、その後は沖合いの杭に移動していた)
○ハヤブサ           1羽(若鳥。午前10時頃に東渚干潟上に休止しているのを見つけた。時折飛び立っては干潟上や旧江戸川方面の水鳥群を襲ったがいづれも成功しなかったようで、午前10時半過ぎには水路上空を経由して荒川河口橋方面に飛び去った)
○カラシラサギ          3羽(西渚。開門直後に1羽が西渚内で採餌しているのが見られたが、この個体は冠羽が余り認められず若い個体と思われた。しかしながら、ヘラシギの観察を優先したことから本個体が荒川河口方面に向かったことまでは確認したものの、その後はじっくりと観察することはできなかった。午前9時半頃になって西渚の荒川河口よりの干潟にカラシラサギ2羽がコサギとともに汀線沿いに活発に動いて採餌しているのが見られた。比較的近距離で観察することができたが、これら2羽はいづれも成鳥と思われ、このうちの1羽は昨日観察した個体と思われた。また、もう1羽はほぼ繁殖羽の個体であった) 
○チュウサギ           1羽(淡水池)
○シロチドリ           2羽(西渚。午前9時頃に飛来していた)
○ダイゼン            5羽(西渚など。午前10時頃に4羽の幼鳥群と思われるものが西渚西側の干潟に一時的に飛来した。その他、正午過ぎには東渚干潟に換羽中と思われる個体を含む群が見られた)
○トウネン           19羽(西渚。幼鳥のみ。午前8時45分頃にヘラシギとともに干潟に飛来し採餌行動を取った) 
○ヘラシギ            1羽(西渚。幼鳥。幼羽から第1回冬羽に換羽中と思われる個体で、換羽がかなり進行しているようであった。トウネン群に混じって午前8時45分頃に飛来し干潟上で採餌したが、午前9時20分頃には東渚方面に飛び去ったとのことであった。水浴も行った。いただいた情報などによると、東京湾岸ではヘラシギ幼鳥が8月26日に中央防波堤埋立地で初認され、翌日以降は三番瀬、谷津干潟などでも確認されていたが、その後は9月16日に中央防波堤埋立地で冬羽への換羽が進み始めている個体が確認されているとのことであり、本個体も同一個体ではないかと思われる。なお、我々が当地でヘラシギを見たのは初めてであった)
○アカアシシギ          1羽(汽水池。幼鳥。擬岩付近)
○アオアシシギ         11羽(汽水池など。午前9時過ぎ頃までは東渚にも散らばっていた)
○オオソリハシシギ        1羽(東渚。正午前に見られた)
○オオハシシギ          1羽(汽水池。ほぼ冬羽となった個体)
○ダイシャクシギ         1羽(東渚)
○ホウロクシギ          2羽(東渚など。午前8時半頃までは西渚にも1羽が飛来しており、嘴がやや短く幼鳥と思われる個体であった)
○チュウシャクシギ        2羽(汽水池と水路内のカキ礁で各1羽が確認できた)
○タシギ             1羽(汽水池。中土手付近で休んでいた) 
○セイタカシギ         22羽(汽水池。正午過ぎのカウント数)
○ツツドリ            3羽(汽水池南側樹林地のサクラに飛来している1羽の他に公園西側で2羽が見られた) 
○カワセミ            1羽(淡水池)
○センダイムシクイ       1羽(公園西側)
○コサメビタキ          1羽(公園西側)
○エゾビタキ           1羽(公園西側)
○キビタキ            1羽(♀タイプ。公園西側)

以上。


カラシラサギ(成鳥で繁殖羽と思われる個体)
2007年9月24日
葛西臨海公園(西渚)
昨日西渚で確認した個体とともに、汀線沿いに活発に動き回って採餌行動を取っていた。後方はオオセグロカモメ幼鳥と思われる。


ヘラシギ(幼鳥で冬羽に換羽中と思われる個体)
2007年9月24日
葛西臨海公園(西渚)


ヘラシギ(幼鳥:冬羽に換羽中と思われる個体)
2007年9月24日
葛西臨海公園(西渚)
左後方はトウネン幼鳥。


2007年9月29日】

※葛西臨海公園(11:50〜15:20)
 到着時は干潮で干潟は大きく広がっていた。到着当時は降雨があったが、午後1時頃には曇り空となった。雨天時は擬岩付近で探鳥を行った後、午後1時過ぎに観察センターに回り、午後2時過ぎからは西渚観察ポイント向かって潮位が上がり干潟が狭まり始めた渚周辺の探鳥を行った。チュウヒを今季初認できた他、サギ類が多く観察できた。ツツドリは近距離で見ることができた。汽水池のシギ・チドリ類はオオハシシギが2羽となっていた。渚周辺はシロチドリ群が大きくなり、100羽近いシギ・チドリ類の混群が見られたが、遠方のものは判別が困難であった。主なものは次のとおり。

○ミサゴ             2羽(午後1時頃から旧江戸川河口や東渚干潟内棒杭上に休んでいる個体が見られた。午後2時過ぎには別個体が荒川河口方面から水路上空に現れて2回ほどダイビングしたが、狩りには成功せず舞浜方面に飛び去った。この通過個体は若い個体のようであった)
○チュウヒ            1羽(午後2時過ぎに東渚アシ原上を飛翔しているのが見られた。脚に小さい獲物のようなものをつかんでいるようであったが判別できなかった)
○ヨシゴイ            1羽(汽水池。幼鳥。午後1時過ぎに汽水池干潟上を飛翔して澪筋のカキ礁上に舞い降りたが、まもなくして南側アシ原に移動した)
○カラシラサギ          1羽(東渚。午後2時半頃から東渚内で汀線沿いに活発に動いて採餌しているのが見られた。冠羽はまだ目だっていたが嘴が褪色してきている個体と思われた) 
○チュウサギ           2羽(淡水池。ダイサギ、コサギとともに池中央で休んでいたが、湿地に降りて採餌も行った)
○シロチドリ          42羽(東渚、西渚。判別できた個体のカウント数)
○メダイチドリ          2羽(東渚。幼鳥と思われる個体であった)
○ダイゼン            5羽(西渚。いづれも幼鳥と思われる個体であった。近距離で観察できた)
○トウネン            8羽(東渚。もっといたものと思われた)
○ハマシギ            6羽(東渚)  
○ミユビシギ           2羽(東渚。幼鳥のようであった) 
○アカアシシギ          1羽(汽水池。冬羽個体)
○アオアシシギ         10羽(汽水池で3羽が見られた他、水路干潟で2羽、東渚で5羽が採餌していた)
○オオハシシギ          2羽(汽水池。成鳥冬羽となった個体の他に夏羽から換羽中の個体も見られた。午後1時頃は汽水池の旧江戸川側水門から約100m上流の澪筋で揃って採餌していた。いただいた情報によると9月25日に換羽中の個体が加わったとのことであった)
○ホウロクシギ          1羽(又は2羽。東渚)
○チュウシャクシギ        5羽(汽水池など。水路護岸や旧江戸川河口付近のカキ礁でも確認できた)
○タシギ             8羽(汽水池) 
○セイタカシギ         22羽(汽水池の他、東渚でも6羽が確認できた)
○カワセミ            2羽(汽水池)
○ツツドリ            1羽(午後1時過ぎに観察センター付近のサクラに飛来して毛虫を採食した。近距離で観察することができた) 

以上。


ツツドリ(若鳥と思われる個体)
2007年9月29日
葛西臨海公園(観察センター付近)


【2007年9月30日】

※葛西臨海公園(8:50〜12:10)
 昨日と同様に天候が回復するのを期待して出かけた。しかしながら結果的には探鳥時間中に雨が上がることはなく、時折やや強く降り続き、雨中探鳥となった。到着時は満潮を過ぎて干潟は広がり始めているところであったことから、最初に西渚に向かった。降雨のためテント内からの探鳥となり、その後も観察センターや観察小屋から探鳥した。ヨシガモの通過群が見られたが、その他は昨日と同様であった。水鳥以外のものは観察しづらかった。なお、レンジャーの方からいただいた情報によると、このところ午後5時過ぎにサギ類が淡水池に30羽前後集結し、その中にカラシラサギが混じるのが観察されているとのことであり、昨日も午後5時半頃にカラシラサギ2羽が確認されたとのことで、その後は汽水池に移動して60羽前後のサギ群になったとのことであった。また、カモメ類は西渚砂浜に多くのウミネコとユリカモメ約60羽が舞い降りており、セグロカモメ類の幼鳥も混じっていたが、変わったものは見られなかった。主なものは次のとおり。

○ヨシガモ            7羽(淡水池。エクリプス個体。午前10時頃に淡水池中央部に確認できたが、正午頃には見えなくなっていた。なお、カモ類は沖合いのスズガモ群も100羽を超えていた他、コガモ、ホシハジロ、ハシビロガモ、ヒドリガモが確認できた)
○アジサシ           32羽(東渚。午前10時頃から数羽が飛来し、正午頃には32羽となった)
○チュウヒ            1羽(午前11時頃に東渚アシ原上を2回ほど飛翔しているのが見られた。昨日と同一の個体と思われた)
○チュウサギ           2羽(淡水池。湿地に降りて採餌していた)
○コチドリ            1羽(汽水池) 
○シロチドリ          48羽(西渚。午前9時頃に西渚砂浜にカモメ群とともに休んでいたシロチドリ群のカウント数)
○ダイゼン            1羽(西渚)
○トウネン            7羽(西渚。ヨーロッパトウネンではないかと思われる個体も見られたが観察条件が悪く判別できなかった)
○ハマシギ            2羽(西渚)  
○アカアシシギ          1羽(汽水池。冬羽個体)
○アオアシシギ          6羽(汽水池)
○オオハシシギ          2羽(汽水池。成鳥冬羽と換羽中の個体が見られた。午前10時半頃から汽水池干潟が広がるとともに、2羽が揃ってアシ原際などで採餌していた)
○ホウロクシギ          1羽(東渚)
○チュウシャクシギ        2羽(東渚。午前11時過ぎに東渚干潟上空を通過して旧江戸川河口付近に向かう小群が確認できた)
○タシギ             9羽(汽水池。雨天のせいか、アシ原上を飛翔する個体もよく見られた) 
○セイタカシギ         15羽(汽水池。東渚方面と行き来していた)
 

以上。