2007年6月 Torio&Torikoのフィールドノート 目次に戻る  top↑



【2007年6月3日】

※葛西臨海公園(10:40〜14:00)
 到着時は既に東渚干潟が大きく広がっているところであったが、本日の干潮時の潮位は低く、正午前後には沖合いにも広大な干潟が広がった。最初に鳥類園を回り、正午過ぎから西渚観察ポイントに向かい渚周辺の探鳥を行った。渚周辺の水鳥の数は少なくはなかったが、種類は多くはなく、さすがにシギ・チドリ類は少なくなってきていた。ミヤコドリの越夏群が見られカモメ類(オオセグロカモメ、ウミネコ、ユリカモメ)にアジサシ類も見られたが、変わったものは見られなかった。観察センター横ではセイタカシギが引き続き抱卵中であった。なお、最近見られたというアカアシシギについては、5月29日〜6月1日に汽水池で確認されたものの、その後は確認されていないとのことであった。主なものは次のとおり。

○アジサシ          約20羽(東渚沖合い干潟。午後1時頃のカウント数)
○コアジサシ        約800羽(渚周辺。午後1時頃のカウント数。沖合い干潟周辺に多く飛び回っていたが、西渚干潟にも約140羽が飛来して汀線沿いに飛翔しては採餌行動を取っていた)
○ミヤコドリ           19羽(渚周辺。到着時は旧江戸川河口のカキ礁付近にいたが、人出のためその後は沖合い干潟に散らばった。三番瀬越冬個体群のうち、引き続き越夏している個体群と思われる)  
○コチドリ             4羽(汽水池)
○ソリハシシギ          2羽(汽水池)
○キアシシギ           8羽(汽水池)
○セイタカシギ          4羽(汽水池)
○カワセミ            1羽(汽水池)

以上。


【2007年6月10日】

※葛西臨海公園(7:30〜10:20)
 到着時は干潮を過ぎて潮位が上がり始めているところであった。最初に渚橋付近から探鳥し、その後鳥類園に回った。午前10時過ぎからは西渚観察ポイントに向かい渚周辺の探鳥を行うつもりであったが、南海上から雷雲が北上してきたことから切り上げた。渚周辺の水鳥は、カワウの大群にカモメ類の若鳥(オオセグロカモメ、ウミネコ、ユリカモメ)が見られたくらいで、シギ・チドリ類はほとんど見られなくなってきていた。なお、ミヤコドリの越夏群は確認できなかった。アジサシ類もコアジサシのみであった。観察センター横ではセイタカシギのペアが3週間を経過して引き続き抱卵中であった。また、1週間ほど前に別のペアも抱卵を開始したとのことであった。ヒメアマツバメが目立ったが、特に変わったものは見られなかった。カルガモの雛連れの他、ツバメの雛連れも集結し始めているようであった。主なものは次のとおり。

○カンムリカイツブリ       2羽(東渚周辺。夏羽個体)
○コアジサシ        約40羽(渚周辺。午前10時頃のカウント数)
○ヒメアマツバメ         4羽(淡水池周辺など。公園中央部や駅付近でも見られたことから、もっといたものと思われる。かなりの低空も飛翔した)
○コチドリ            2羽(汽水池。♂2羽が擬岩前で争った)
○シロチドリ           6羽(東渚、西渚)
○セイタカシギ          6羽(汽水池。このうち、2ペア4羽は営巣・抱卵中とのことであった)
○カワセミ            2羽(汽水池、淡水池)

以上。


【2007年6月17日】

※葛西臨海公園(7:30〜11:30)
 到着時は徐々に潮位が下がり、干潟が現れ始めているところであった。本日は正午過ぎの干潮時の潮位は非常に低く、午前10時頃からは水路干潟や東渚沖合いの広大な干潟も現れた他、渚周辺の大小のカキ礁も姿を現した。最初に渚橋付近から探鳥し、その後鳥類園に回った。午前10時半過ぎからは西渚観察ポイントに向かい渚周辺の探鳥を行った。渚周辺の水鳥は、ミヤコドリの越夏群が確認できたものの、他はカワウの大群にカモメ類の若鳥(オオセグロカモメ、ウミネコ、ユリカモメ)といういつもの顔ぶれであった。アジサシ類もコアジサシのみであった。なお、観察センター横の汽水池では親鳥に見守られながらアシ原近くの干潟で採餌するセイタカシギの雛を観察することができた。いただいた情報によると6月12日に3卵が孵化した(残る1卵はアオダイショウに食べられてしまったとのこと)とのことで、孵化までには23日程度を要したようである。主なものは次のとおり。

○カンムリカイツブリ       3羽(渚周辺、西渚水面内。いづれも夏羽個体で、東渚の個体はカモメ群近くの干潟に上がって羽繕いを行っていた)
○コアジサシ       約130羽(渚周辺。午前11時頃のカウント数)
○ヒメアマツバメ         2羽(淡水池周辺。午前9時頃に2羽が揃って飛翔するのを見ることができた)
○ミヤコドリ          11羽(東渚など。午前9時頃から東渚干潟上に見られたが、その後旧江戸川カキ礁付近や沖合い干潟に移動したりしていた)
○シロチドリ           4羽(東渚など。時折、西渚付近にも飛来した)
○セイタカシギ          4羽(又は5羽。汽水池など。この他に雛3羽が汽水池で見られたが、東渚内にも成鳥1羽が飛来していた。汽水池では孵化したヒナ連れのペアの他に、もう1ペアが引き続き抱卵中であった)
○ヤマガラ            1羽(午前10時過ぎに葛西臨海水族園内の木立から鳴き声が聞こえたが視認することはできなかった)
○スズメ(部分白化個体)   1羽(午前8時頃に護岸付近で見られた。頭部に白色部が確認できたが、撮影することはできなかった)

以上。


セイタカシギ(雛)
2007年6月17日
葛西臨海公園(汽水池)



セイタカシギ(♂成鳥親と雛)
2007年6月17日
葛西臨海公園(汽水池)


【2007年6月23日】

※葛西臨海公園(8:20〜12:00)
 本日は小潮で、到着時は徐々に潮位が上がり、干潟が狭まり始めているところであった。最初に渚橋付近から探鳥し、その後鳥類園に回った。午前11時頃からは西渚観察ポイントに向かい渚周辺の探鳥を行った。渚周辺にはシギ・チドリ類の越夏群がいくらか見られたが、他はいつもの顔ぶれであった。なお、ユリカモメ9羽が西渚東側堤防突端部に集まって休んでいた他、オオセグロカモメは東渚干潟上に約40羽が確認できた。また、観察センター横の汽水池のセイタカシギの雛は順調に生育しているようであった。主なものは次のとおり。

○カンムリカイツブリ       4羽(夏羽個体。渚周辺。午前11時半頃に4羽を同時に確認できた。西渚水面内の比較的近いところにも1羽が見られた)
○コアジサシ         26羽(渚周辺。午前11時頃のカウント数)
○ヒメアマツバメ         3羽(淡水池周辺)
○イワツバメ           3羽(駅周辺で1羽が見られた他、淡水池付近でも2羽が見られた)
○ミヤコドリ          17羽(東渚。午前11時過ぎのカウント数。中央丘付近の干潟上やカキ礁付近に集まっていた。越夏群の個体数としてはこれまでで最大と思われる)
○シロチドリ           4羽(東渚など)
○キアシシギ           1羽(東渚堤防付近)
○チュウシャクシギ        6羽(東渚。午前8時半頃、干潟上に5羽の小群が集まっているのを確認したが、午前11時過ぎには中央丘の岩上に6羽が集結しているのが見られた。越夏群と思われる)
○ダイシャクシギ         1羽(東渚。午前8時半頃に確認できた)
○セイタカシギ         10羽(汽水池、東渚。汽水池では成鳥5羽の他に雛3羽が見られた。なお、先週まで抱卵中であった1ペアは巣を放棄していたが、別の場所で新たに抱卵中のペアが見られた。また、午前11時過ぎには東渚干潟上でも成鳥と思われる5羽が採餌しているのが確認できた)

以上。


【2007年6月24日】

※葛西臨海公園(7:30〜11:30)
 到着時は干潮で、その後は徐々に潮位が上がり干潟が狭まった。最初に渚橋付近から探鳥したが、ズグロカモメ(若鳥)を確認できたことから、そのまま西渚の開門まで留まり、午前8時半過ぎから西渚観察ポイントに向かい渚周辺の探鳥を行った。その後は午前10時過ぎから鳥類園に回り切り上げた。基本的には昨日と大きな違いはなかったが、渚周辺のシギ・チドリ類の越夏群はいくらか多くなっているようであった。主なものは次のとおり。

○カンムリカイツブリ       3羽(夏羽個体。渚周辺)
○ズグロカモメ          1羽(若鳥。第1回夏羽と思われる個体。頭部は黒色部が斑状にあり、体上面には褐色斑があり尾羽の先端部には黒帯が見られた。到着直後に西渚干潟で採餌行動を取っているのを見つけた。コメツキガニを採取していたものと思われた。その後は東渚干潟に移動したり西渚に舞い戻ったりしてきていた。我々が西渚観察ポイントで観察を始めてからも2回ほど西渚上空に飛来したが舞い降りることはなかった。昨年から今年の春にかけてズグロカモメは、当地や谷津干潟で最大6羽が見られていたが全て成鳥のみで幼鳥は見られていなかったことから、本個体はどこからか移動してきたのではないかと思われる)
○アジサシ           1羽(成鳥夏羽と思われる個体。午前8時頃にコアジサシ群に混じって汀線沿いで採餌行動を取っていたが、午前8時半頃には羽田沖方面に飛び去った)
○コアジサシ         18羽(渚周辺。午前10時頃のカウント数)
○ヨシゴイ            1羽(午前8時半頃に東渚アシ原上をかなり長く飛翔するのが見られた)
○ミヤコドリ          20羽(東渚。午前8時頃のカウント数。中央丘付近の干潟上に集結したのをカウントすることができた。越夏群の個体数としては昨日のカウント数を上回りこれまでで最大と思われる)
○コチドリ            1羽(汽水池)
○シロチドリ           8羽(東渚、西渚)
○キアシシギ           3羽(西渚観察ポイント付近の東渚堤防。午前9時半頃に小群で飛来し、護岸の水際で休んでいたが水上バイクに驚いて反対側に飛び去ったりすることを繰り返した。このうちの2羽は胸・脇の横縞がほとんど見られず冬羽のように思われる個体であったことから、いづれも若い個体と考えられた)
○チュウシャクシギ        9羽(東渚。午前9時半頃に干潟上に群れが集結しているのが見られた。干潟上を歩き回りながらカニを採取しているようであった。越夏群と思われる)
○ダイシャクシギ         1羽(東渚。午前9時頃に荒川河口方面から飛来したようで、その後東渚干潟に降りて採餌行動を取っていた)
○セイタカシギ          8羽(汽水池、東渚。汽水池では成鳥3羽の他に雛3羽が見られた。また、東渚干潟上でも成鳥5羽が確認できた)
○カワセミ            1羽(淡水池)

以上。



グロカモメ(若鳥)
2007年6月24日
葛西臨海公園(東渚)
手前はカルガモ