2006年2月 Torio&Torikoのフィールドノート 目次に戻る  top↑


【2006年2月4日】

※葛西臨海公園(10:00〜16:40)
 到着時は満潮を過ぎて干潟が広がり始めているところであった。その後の干潮時の潮位は低く、正午頃からは水路や沖合いにも干潟が広がった。快晴であったが、北西風が強く吹き、寒かったことから西渚観察ポイントには回らず、鳥類園周辺に留まって探鳥した。猛禽類の出現は少なかったものの、久しぶりにトモエガモを見ることができた他、水路内でセイタカシギ、オオハシシギの群を見ることができた。東渚沖合いのスズガモ・カンムリカイツブリなどの水鳥類は少なくなっているようであったが、ハジロカイツブリの群は水路内に進入するようになってきていた。大型カモメ類は午後になって旧江戸川河口付近に生じた干潟に100羽以上が集結していたが、観察条件が悪く識別が困難であった。主なものは次のとおり。

○トモエガモ            3羽(♂2羽、♀1羽。淡水池。午前11時頃に観察センターのレンジャーの方に教えていただき見ることができた。余り落ち着かず、ホシハジロ群中を動き回っていた。当地でも毎年のように見られるが、今季初認とのことであった)
○ホオジロガモ          1羽(♂若鳥と思われる個体。淡水池) 
○ミコアイサ            3羽(♂1羽、♀タイプ2羽。旧江戸川)
○ズグロカモメ           1羽(成鳥冬羽。鳥類園南側の水路干潟内。午後3時頃に水路干潟に飛来したユリカモメ群中に見られた。珍しくユリカモメと行動をともにしていた)
○ノスリ              2羽(汽水池など。汽水池北側のマツ周辺や淡水池北側のマツ上付近に休止することが多かったが、東渚周辺を飛翔する別個体も確認できた) 
○チュウヒ             2羽(又は3羽。東渚。午前中は確認できなかったが、正午過ぎに東渚でノスリと絡んだり、アシ原上空を2羽が揃って飛翔したりするのを確認することができた)
○シロチドリ            2羽(東渚など。もっといたものと思われる)
○トウネン             1羽(水路干潟。オオハシシギを観察中に一時的に飛来した)
○ハマシギ         約800羽(東渚など。午後2時半過ぎになって、ハマシギ・シロチドリ混群が飛来しているのが確認できたが、落ち着かず、きちんとカウントすることはできなかった)
○タシギ              1羽(淡水池。南側の水面上空を飛び回った後、アシ原際に舞い降りた)
○オオハシシギ           4羽(水路干潟。午後3時頃になって、水路干潟に小群が飛来しているのを見ることができた。今冬も旧江戸川舞浜側護岸で休息しているのを確認できていたが、今回は最短20mくらいで見ることができた) 
○セイタカシギ           6羽(水路干潟)
○カワセミ             1羽(淡水池周辺)  
○ジョウビタキ           1羽(♀タイプ。淡水池東側) 
○シロハラ             1羽(淡水池付近。芝生上に降りたものの茂みに入ってしまった)
○ツグミ              5羽(淡水池付近など。芝生上で採餌している個体も見られた)
○オオジュリン           2羽(淡水池など。鳴き声は比較的よく聞かれた)

以上。


【2006年2月11日】

※葛西臨海公園(6:50〜16:10)
 到着時は満潮を過ぎたところであったが、干潮時の潮位は比較的高く午前10時を過ぎても干潟の広がりは大きくはなかった。初めに公園中央部を経由して鳥類園に向かい、その後午前9時半過ぎから約2時間ほど西渚観察ポイントに回ったが、基本的には鳥類園周辺に留まって探鳥した。風も弱く快晴であった。久しぶりにクイナを見ることができたが、猛禽類の出現は少なかった。東渚沖合いのスズガモ・カンムリカイツブリなどの水鳥類は数が多くなってきているようで、移動が始まっているようであった。大型カモメ類は午前中に東渚干潟に約40羽が集結していたが、特に変わったものは見られなかった。主なものは次のとおり。

○ホオジロガモ          1羽(♂中間羽と思われる個体。淡水池) 
○ミコアイサ            7羽(♂3羽、♀タイプ4羽。淡水池など。♂3羽のうち2羽は換羽中と思われる個体であった。午前8時半頃に淡水池を飛び立って旧江戸川方面に移動した)
○ズグロカモメ           2羽(成鳥冬羽2羽。1羽は当地に定着していると思われる個体であったが、もう1羽は午前10時半頃に東渚で一時的に見られたのみであった。ユリカモメに混じって水路護岸や水路内水面に浮いたりしている姿も確認したが、午前11時前後には西渚干潟に留まり、浅水域で盛んにカニを採餌するのが見られた。わずかに頭部の黒色部が多くなってきていた)
○トビ               1羽(午後2時頃に荒川河口付近を帆翔している個体が見られた。また、遠方の中央防波堤埋立地付近には50羽を超える群が舞っているのが見られた) 
○ミサゴ              1羽(午後2時頃に東渚干潟内の棒杭上に飛来し、その後浅水域にダイビングして魚を捕らえ棒杭上で採食するのが見られた)
○ノスリ              2羽(汽水池、東渚で各1羽。汽水池北側のマツ周辺に定着している個体は上空で帆翔したりしたが、東渚周辺を飛翔する別個体も確認できた) 
○チュウヒ             1羽(淡水池など。朝方は東渚西端部の流木上に休止していたが、その後淡水池に進入し、アシ原内の茂み上に休止したりした)
○クイナ              1羽(冬羽。淡水池東側。教えていただき、アシ原際によく出現してくる個体をじっくりと見ることができた)
○シロチドリ        約120羽(東渚)
○ハマシギ         約760羽(東渚など。午前10時半頃のカウント数。もっといたものと思われる。一時的には西渚干潟にも200羽近い群が飛来していた)
○オオハシシギ           3羽(旧江戸川舞浜側アシ原育成地付近。水路干潟が生じなかったことから、近くで見ることはできなかった) 
○セイタカシギ          10羽(汽水池など。旧江戸川舞浜側アシ原育成地付近にオオハシシギと休息している群が確認できたが、午後3時頃には6羽が汽水池擬岩付近の干潟に飛来した)
○カワセミ             1羽(又は2羽。汽水池など)  
○ジョウビタキ           2羽(♀タイプ。淡水池付近)
○アカハラ             1羽(淡水池付近) 
○シロハラ             1羽(又は2羽。淡水池付近など)
○ツグミ             12羽(公園中央部、淡水池付近など。午前9時頃には公園中央部の芝生上に8羽が見られた)
○エナガ              2羽(淡水池西側)
○オオジュリン          10羽(淡水池など。午前9時頃まではアシ原内で採餌する個体がよく見られた)

以上。



【2006年2月18日】

※葛西臨海公園(8:00〜15:10)
 到着時は満潮であったが、その後は潮位が下がり始め、午後1時過ぎの干潮時には、水路や東渚沖合いにも大きく干潟が広がった。初めに渚橋付近を見回した後鳥類園付近で探鳥したが、午前11時頃からは約2時間半ほど西渚に回って探鳥した。風は弱かったものの曇天で寒かった。特に変わったものは見られなかったが、猛禽類の出現は多く、ミミカイツブリ、ワシカモメ、コミミズクといったものも見ることができた。渚沖合いのカンムリカイツブリ、ハジロカイツブリの群は大きくなってきているようで、夏羽個体も混じるようになってきていた。主なものは次のとおり。

○ミミカイツブリ          1羽(冬羽個体。正午過ぎに西渚水面内にハジロカイツブリとともに浮かんでいるのが見られた。その後、東渚よりに移動して堤防に遮られ見えなくなった。今季初認であった)   
○ホオジロガモ          2羽(♂♀各1羽。旧江戸川) 
○ミコアイサ            6羽(♂1羽、♀タイプ5羽。旧江戸川など。♂1羽は換羽中と思われる個体で淡水池で見られた)
○ワシカモメ            1羽(成鳥と思われる個体。午後1時頃に東京湾中央部方面から東渚に飛来し、渚手前の浅水域に舞い降りて浮かんだ。約300mの距離があったが、風切のパターンも確認できた)
○ズグロカモメ           1羽(成鳥で換羽中の個体であった。西渚など。干潟付近を飛翔しては舞い降りてカニやマテガイを採餌していたが、ユリカモメ、カモメに混じって波打ち際の水面をしきりについばんでいるのも観察できた。頭部の黒色部が多くなってきていた)
○ミサゴ              1羽(正午頃に旧江戸川河口付近に飛来しているのが見られたが、その後午後2時過ぎには東渚内の浅水域にダイビングして魚を捕らえ沖合いの棒杭上で採食した。魚を捕らえたミサゴをオオセグロカモメやセグロカモメが執拗に追飛するのが見られた)
○トビ               2羽(午後2時頃に荒川河口付近を飛翔している個体が見られた。なお、中央防波堤埋立地上空には100羽前後と思われるトビが舞っているのが遠望できた)
○ノスリ              2羽(鳥類園、東渚で各1羽。淡水池北側のマツ周辺に定着している個体は汽水池に移動したりした。東渚の個体は棒杭などに休止しているのが見られた。この個体は午前11時頃に水路護岸付近のカモを襲ったが狩りは成功しなかった) 
○チュウヒ             1羽(又は2羽。汽水池など。鳥類園にも飛来したが、水路付近や東渚、さらには沖合い干潟上空まで飛翔しているのが見られた。午後1時頃には水路護岸のカルガモを襲ったが狩りには成功しなかった)
○オオタカ             1羽(成鳥。午前9時頃に淡水池北側のマツに休止しているのが見られた。その後一時的に汽水池方面にも移動していた)
○ハイタカ             1羽(午後3時頃に淡水池北側の木立から飛び出し、汽水池方面に移動するのが見られた)
○ハヤブサ             1羽(成鳥。午前8時半頃に東渚舞浜側堤防上の流木に休止しているのが見られた)
○クイナ              1羽(冬羽。淡水池東側)
○シロチドリ         約80羽(西渚など。午前8時半頃には西渚砂浜上でハマシギとともに休息していたが、まもなく東渚干潟に移動した。その後も数羽がハマシギに混じって西渚干潟にも飛来していた)
○トウネン             1羽(西渚。ハマシギに混じって採餌していた)
○ハマシギ        約1000羽(西渚など。午前8時半頃のハマシギ・シロチドリ混群のカウント数は896羽であった。正午前後には多くのハマシギが西渚干潟に飛来したが、落ち着かずきちんとカウントできなかったが、1000羽を超える個体数と思われた)
○オオハシシギ           4羽(旧江戸川舞浜側アシ原育成地付近。午前10時頃に確認できた) 
○セイタカシギ          12羽(旧江戸川舞浜側アシ原育成地付近。オオハシシギとともに休息している群が確認できた。午後には広がった水路干潟に飛来していた)
○コミミズク            1羽(公園西側。午後1時半頃に公園西側の上空をふわりふわりと飛翔しているのを見つけた。2〜3分ほど公園西側上空約50m前後を飛び回った後、荒川河口橋付近を飛んで新木場方面に飛び去った)
○タヒバリ             2羽(西渚護岸など。午前11時頃には西渚草地でヒバリの越冬群と混じっていたが、その後荒川よりの護岸に移動した。なお、ヒバリ越冬群は22羽がカウントできた) 
○シロハラ             1羽(淡水池付近)
○ツグミ             18羽(公園中央部、淡水池付近など。公園中央部の芝生上や西渚草地には群が見られた)
○オオジュリン           4羽(淡水池東側。午前9時過ぎまではアシ原周辺で採餌する個体を確認できた。アオジやホオジロとともにアシ原内に潜んでいた)

以上。


【2006年2月19日】

※葛西臨海公園(8:00〜13:10)
 到着時は満潮であったが、その後は潮位が下がり始め、午後には水路や東渚沖合いにも干潟が広がった。初めに淡水池付近を見回した後、午前9時半から午前11時頃までは西渚観察ポイントに回り、その後は鳥類園に戻って探鳥した。基本的には昨日と同様で、特に変わったものは見られなかったが、猛禽類の出現は引き続き多く、オオタカの狩りを見ることができた。主なものは次のとおり。

○ミコアイサ            3羽(淡水池。♂1羽、♀タイプ2羽。♂は換羽中と思われる個体)
○ズグロカモメ           1羽(成鳥で換羽中の個体。午前9時半頃に船着場付近で、ユリカモメ、カモメ、ウミネコ、セグロカモメに混じって休止しているのが観察できた。その後は干潟で採餌し始めたことから、一時的に西渚にも飛来した)
○ミサゴ              2羽(午前9時頃に1羽が東渚付近に飛来したが、この個体はノスリに執拗に絡んでいた。午前10時頃には沖合いからもう1羽が東渚付近に飛来した。いずれも狩りに成功し魚を採食しているのが見られた。その後、1羽がもう1羽を追いかけるような形で2羽ともに舞浜方面に去ったが、正午頃には1羽が旧江戸川河口に戻ってきていた)
○トビ               1羽(午後1時過ぎに荒川河口付近を飛翔している個体が見られた)
○ノスリ              2羽(鳥類園、東渚で各1羽。淡水池北側のマツ周辺に定着している個体は汽水池に移動したりした。東渚の個体は棒杭などに休止しているのが見られたが、ミサゴに執拗に絡まれていた) 
○チュウヒ             1羽(淡水池。アシ原に潜んでいたようで、午前11時半頃にオオタカが狩りに成功したのに合わせて、飛び出しオオタカを追ったりした他、淡水池上空を旋回したりした)
○オオタカ             1羽(成鳥。午前8時過ぎから淡水池北側のマツ周辺にいるのが見られたが、午前11時半頃に淡水池中央部の島部水際に突っ込んだ。水際で獲物を押さえ込んでいたが、チュウヒが横取りしようと向かってきたことから、獲物をぶらさげたまま飛び立ち、淡水池北側の斜面木立に入った。獲物はかなり小さくカイツブリのように思われた)
○ハイタカ             1羽(又は2羽。午前11時過ぎに1羽が公園中央部方面から淡水池上空に飛来し、マツで休止していたオオタカに絡んだ後、汽水池方面に去った。その後、正午過ぎには観察センター北東側の木立内で休息している個体が見られたが、この個体は約30分ほど留まってくれたことからじっくりと見ることができた)
○ハヤブサ             1羽(成鳥。到着直後から、東渚舞浜側堤防付近や干潟上の棒杭に休止しているのが見られた)
○クイナ              1羽(冬羽。淡水池東側)
○シロチドリ         約80羽(東渚など)
○ハマシギ         約900羽(東渚など。午前10時頃のハマシギ・シロチドリ混群のカウント数は982羽であった)
○オオハシシギ           3羽(旧江戸川舞浜側アシ原育成地付近。午前9時頃に確認できた) 
○セイタカシギ          16羽(旧江戸川舞浜側アシ原育成地付近にオオハシシギとともに休息している12羽の群が確認できた他、淡水池に入っている4羽の小群も見られた)
○ジョウビタキ            2羽(♀タイプのみ。淡水池西側など)
○アカハラ              1羽(淡水池付近。ツグミに混じってハマヒサカキの実に飛来していた。この他、公園西側でも本種らいしい声が聞かれたが視認できなかった) 
○シロハラ             1羽(淡水池西側)
○ツグミ             18羽(公園中央部、淡水池付近など。公園中央部の芝生上や淡水池周辺などには群が見られた。また、ハマヒサカキの実に飛来している個体も多かった)
○オオジュリン           2羽(淡水池東側)

以上。



【2006年2月26日】

※葛西臨海公園(6:30〜11:30)
 到着時は満潮を過ぎて干潟が広がり始めているところであった。数年前まで当地の熱心なバーダーであった御夫妻との久しぶりの探鳥であったが、生憎の雨模様であった。特に到着直後から午前9時頃までは比較的強い降雨があった。このため、船着場や観察センターからの探鳥が主となり、西渚観察ポイントには回らなかった。特に変わったものは見られなかったが、猛禽類の出現は引き続き多かった。カンムリカイツブリ、ハジロカイツブリ群中には夏羽個体も多くなってきていた。大型カモメ類は約80羽が東渚干潟に集結していたが変わったものは見られなかった。なお昨日、旧江戸川河口でコクガン1羽が確認されているとのことであったが、雨のため回らなかったことから確認できなかった。主なものは次のとおり。

○ホオジロガモ          1羽(♀タイプ。水路内)
○ミコアイサ            4羽(淡水池。♂2羽、♀タイプ2羽。♂1羽は換羽中と思われる個体であった)
○ウミアイサ            1羽(♀タイプ。東渚周辺)
○ズグロカモメ           1羽(ほぼ成鳥夏羽の個体。水路周辺。午前9時頃に水路護岸付近を飛びまわっているのを確認することができた。頭部はほとんど黒くなっていたが、一部に白い斑点が残っていた。西渚干潟方面に移動して見えなくなった)
○ノスリ              2羽(鳥類園、東渚で各1羽。淡水池北側のマツ周辺に定着している個体の他、東渚の護岸付近にいる個体が引き続き見られた) 
○チュウヒ             1羽(淡水池など。上空を飛翔してはにアシ原などに舞い降りていた)
○オオタカ             1羽(成鳥。汽水池南側のマツに休止していたが、午前10時過ぎに飛び立って狩りを行った。コサギを狙ったようであったが、失敗したようで淡水池北側の斜面地のマツに移動して休止した)
○ハイタカ             1羽(午前9時半頃に汽水池上空でカラスにモビングを受けたり、反撃したりしているのが見られた)
○チョウゲンボウ          1羽(午前7時半頃に東渚方面から芝生広場付近に直線的に飛ぶのが見られた。芝生上に群れていたツグミ群を襲ったものと思われたが、視界遮られ確認できなかった)
○シロチドリ          約30羽(東渚)
○ハマシギ         約420羽(東渚など。午前11時頃のカウント数。視界が遮られ、きちんとカウントすることはできなかった。もっといたものと思われる。一部の群は水路護岸にも飛来していた)
○セイタカシギ           4羽(午前9時半頃に遠方から旧江戸川舞浜側アシ原育成地付近を飛翔している小群が見られたが、他は確認できなかった)
○カワセミ              1羽(水路周辺。♀と思われる個体)
○ジョウビタキ            1羽(♀タイプ。淡水池西側など)
○シロハラ             1羽(淡水池西側)
○ツグミ            約40羽(公園中央部、淡水池付近など。公園中央部の芝生上には群が見られた。また、ハマヒサカキの実に飛来している個体も多かった)

以上。