2004年10月 Torio&Torikoのフィールドノート 目次に戻る  top↑


【2004年10月2日】

※葛西臨海公園(8:50〜15:00)
 満潮時間から既に2時間が経過していたが、到着時はようやく干潟が広がり始めたところであった。まず、西渚観察ポイントに回って渚周辺の探鳥を行い、正午前から公園西側、鳥類園と回った。全体的にはこれまでと同様で、特段変わったものは見られなかったが、東渚でオナガガモの群(19羽)が見られた。なお、いただいた情報によると、チュウヒ、カケス、ノビタキなども見られたとのことであったが、我々は見れなかった。主なものは次のとおり。

○ズグロカモメ        1羽(東渚。成鳥冬羽。午前11時半頃には一時的に西渚干潟に飛来してカニをさかんに採食したことから、近距離で観察することができた)
○チョウゲンボウ       1羽(東渚堤防周辺。正午過ぎに堤防上の棒杭上に休止しているのを見ることができた)
○カラシラサギ        1羽(東渚。午前10時過ぎに汀線沿いを活発に動き回って採餌する個体が見られ、脚の色調も黒くはなく、カラシラサギの可能性が高いのではないかと思われた。しかしながら、最短でも距離が約150mあり、冠羽なども全く確認できなかったので断定することはできなかった)
○チュウサギ         1羽(西渚観察ポイント付近堤防)
○シロチドリ         6羽(東渚。小型シギ・チドリ類は午前11時を過ぎて新木場方面から飛来したが、少なかった)  
○メダイチドリ        2羽(東渚。午後になって確認できた)
○ダイゼン          4羽(東渚。午後になって3羽が追加飛来した)
○ハマシギ          2羽(東渚。午後になって見られた) 
○アカアシシギ        1羽(汽水池。幼鳥)
○アオアシシギ       10羽(汽水池、東渚など)
○オグロシギ         7羽(汽水池、東渚。いずれも幼鳥と思われた。東渚の2羽はオオソリハシシギ群中に混じって採餌することが多かった。汽水池の5羽は午後1時過ぎに水門近くの干潟で採餌しているのが見られた)
○オオソリハシシギ     13羽(東渚。午前10時過ぎに一時的に集結した際のカウント数。全て幼鳥のように思われた)
○ダイシャクシギ       1羽(東渚)
○ホウロクシギ        2羽(東渚。成鳥と幼鳥が各1羽。幼鳥は時折、西渚干潟や渚間水路付近にも飛来していた) 
○セイタカシギ        5羽(汽水池、東渚)
○カワセミ           1羽(汽水池)
○イソヒヨドリ         1羽(♂成鳥。旧江戸川京葉線鉄橋橋脚部)
○エゾビタキ          1羽(公園中央部) 
○ヤマガラ           1羽(汽水池南側の木立内。声は確認できたが視認することはできなかった。メジロ、エナガ、シジュウカラと混群を形成しているようであった)
○キビタキ           1羽(公園西側。♀タイプ)  

以上。


【2004年10月10日】

※葛西臨海公園(7:20〜14:30)
 到着時は干潮。昨日台風が通過したものの、北東からの風がやや強く、肌寒い時折小雨の降る天候となった。初めに鳥類園に回り、正午前から西渚観察ポイントに回って渚周辺の探鳥を行い、その後公園西側で小鳥類を探鳥した。特段変わったものは見られなかったが、渚沖合いにはスズガモの群(約2000羽)が飛来していた他、公園内では渡りと思われるヒヨドリの群の移動が多く見られた。主なものは次のとおり。

○ズグロカモメ        1羽(東渚。成鳥冬羽。越夏後も引き続き留まっており、このまま越冬するように思われる。なお、午前10時過ぎには渚上空でホバリングするミサゴに執拗にモビングを行った)
○ミサゴ           2羽(東渚など。午前8時前に東渚上空でホバリングを繰り返している個体が見られたが、これまで見られていた個体ではなく、胸の黒帯の薄い♂型の個体であった。この個体は4回目のダイビングでようやく小さな魚を捕らえ、水路内の竹杭で採食した。午前10時頃にも再び現れたが、なかなか魚を捕らえられなかった。その後、午前10時半を過ぎて、これまで見られている個体と思われる黒帯の広い♀型が旧江戸川上流方面から東渚上空に飛来し、2羽が同時に見られた)
○チュウヒ          1羽(東渚。午前11時頃にアシ原上を舞った)
○ハヤブサ          1羽(公園北側。午前9時半頃に公園北側の京葉線上空付近を西から舞浜方面に向かって飛翔するのが見られた。色調と大きさからみて、♂若鳥と思われた)
○コチドリ          1羽(汽水池。幼鳥)  
○シロチドリ        14羽(東渚。ミサゴがホバリングを繰り返していたせいか、干潟上にシギ・チドリ類は少なかった)  
○ハマシギ          4羽(東渚) 
○アオアシシギ        7羽(汽水池、東渚など)
○オグロシギ         1羽(汽水池。幼鳥から冬羽に換羽中の個体)
○ダイシャクシギ       1羽(東渚)
○ホウロクシギ        2羽(東渚。成鳥と幼鳥が各1羽。幼鳥は正午過ぎに西渚干潟付近にも飛来した)
○ツツドリ           1羽(鳥類園南側サクラの木立周辺。普通型の若鳥と思われた。なお、いただいた情報によると、公園西側では赤色型も見られたとのことであった) 
○カワセミ           1羽(♂、汽水池)
○コサメビタキ         1羽(公園西側)
○エゾビタキ          1羽(公園西側。若鳥と思われた) 
○キビタキ           2羽(公園西側。♀タイプ)  

以上。



【2004年10月11日】

※葛西臨海公園(7:30〜13:30)
 到着時は既に干潟が大きく広がり始めているところであった。初めに公園西側で小鳥類を探鳥したが、まもなく降雨となったことから午前9時頃から雨宿りしながら西渚テント内から探鳥した。午前10時半頃には天候も好転したことから、鳥類園に回って探鳥した。特段変わったものは見られなかったが、ハジロカイツブリの群を初認することができた。また、沖合いのスズガモ群は数が多くなってきているようであり、他のカモ類も徐々に見られるようになってきていた。主なものは次のとおり。

○ハジロカイツブリ     13羽(西渚。午前9時半頃に西渚水面内で潜水を繰り返しては採餌していると思われる群が見られた。1羽のみ少し夏羽が残っているように思われたが、他は全て冬羽であった。今季初認)
○ズグロカモメ        1羽(東渚。成鳥冬羽)
○ミサゴ           2羽(西渚など。午前9時過ぎに東渚側から2羽が揃って西渚上空に飛来したが、ダイビングなどは行わず、揃って旋回などを繰り返しながら数分間飛翔した。その後は2羽ともに旧江戸川河口方面に移動した)
○オオタカ          1羽(若鳥。午前11時頃に汽水池南側のマツに休止しているのが見られた。その後も汽水池周辺を移動し、水鳥をねらっているようであった)
○チョウゲンボウ       1羽(西渚。午前8時半頃に西渚草地でホバリングしているのが見られた)
○ヒメアマツバメ       1羽(又は2羽。淡水池周辺。正午前後に見られた)
○シロチドリ        13羽(西渚など)
○ダイゼン          2羽(東渚)  
○ハマシギ          7羽(西渚。午前9時半頃に一時的に飛来した) 
○アオアシシギ       12羽(汽水池、東渚など。オオタカの出現により、群が淡水池周辺を飛び回るのが見られた)
○オグロシギ         1羽(汽水池。幼鳥。アオアシシギ群中に入っていた)
○ダイシャクシギ       1羽(東渚)
○ホウロクシギ        3羽(東渚。成鳥2羽と幼鳥1羽。幼鳥は午前10時過ぎに西渚を通過して荒川河口方面に飛び去った)
○セイタカシギ        2羽(淡水池など。水路周辺を中心に目まぐるしく移動していた)
○ツツドリ           2羽(赤色型と普通型が各1羽。いずれも若鳥と思われた。公園西側と淡水池周辺で見られた) 
○カワセミ           1羽(♂、汽水池)
○コサメビタキ         1羽(公園中央部、渚橋付近)
○エゾビタキ          2羽(公園西側。成鳥と若鳥が各1羽)
○ヤマガラ           2羽(公園西側) 
 

以上。



【2004年10月16日】

※葛西臨海公園(7:30〜16:20)
 到着時は満潮。午前中は主として公園西側で小鳥類を探鳥したが、午前9時からの約1時間は西渚観察ポイントから渚周辺の探鳥を行った。しかしながら、北東気流の流れ込みが強く寒かった。正午頃から鳥類園に回り、その後再び小鳥類を探鳥した。特段変わったものは見られなかったが、オオハシシギが久しぶりに見られた他、小鳥類もいくらか見ることができた。主なものは次のとおり。

○ズグロカモメ        1羽(東渚など。成鳥冬羽。本日も正午頃には西渚干潟に飛来していた)
○ミサゴ           2羽(東渚など。2羽が揃って渚周辺上空を舞うのが見られた。♀と思われる個体はダイビングに成功し魚を捕らえた後、アオサギに執拗に追尾されたものの、これを振り切り旧江戸川河口付近の棒杭上に移動して採食した)
○チュウヒ          1羽(東渚。アシ原上を飛翔しているのを4回ほど確認できた。成鳥♂型と思われる個体で、次列風切羽が脱落していた。カラスにモビングされたりしていた)
○ハヤブサ          1羽(東渚。正午過ぎに干潟上を低空で飛翔しているのを見ることができたが、その後舞浜方面に飛び去ってしまった。大きさと色調から♂若鳥と思われた)
○シロチドリ         8羽(東渚など。一時的に西渚付近にも飛来した)
○オバシギ          2羽(西渚。いずれも幼羽から冬羽に換羽中と思われる個体。近距離で観察することができた)
○アオアシシギ       16羽(汽水池、東渚など。移動する個体も多く見られたが、汽水池で10羽、東渚で6羽が確認できた)
○オオソリハシシギ      4羽(東渚)
○オオハシシギ        2羽(汽水池。1羽は成鳥冬羽であったが、もう1羽は夏羽が残っており冬羽に換羽中と思われた)
○ダイシャクシギ       1羽(東渚)
○ホウロクシギ        1羽(又は2羽。東渚)
○タシギ           2羽(汽水池)
○セイタカシギ        8羽(汽水池。若鳥が混じっており、にぎやかに鳴き交わしていた)
○ツツドリ           2羽(赤色型と普通型が各1羽。いずれも若鳥で、公園西側で見られた) 
○カワセミ           1羽(♂、汽水池)
○ノゴマ            3羽(♂2羽、♀1羽。公園中央部)
○イソヒヨドリ         1羽(♂成鳥。旧江戸川京葉線鉄橋橋脚部)
○キビタキ           2羽(公園西側。♀タイプのみ)
○ヤマガラ           2羽(公園中央部)
○コイカル           1羽(♂で、少しさえずりがあった。午前8時半頃に公園西側で見られた)
○カケス           15羽(公園西側、鳥類園など。午前10時半頃に公園西側上空を飛翔しながら西進する10羽の群が見られた他、公園中央部で2羽、鳥類園汽水池周辺で3羽をそれぞれ確認できた。しかしながら、移動のために上空に舞い上がった時に姿を確認できることが多く、樹林内では視認することは難しかった)

以上。


ツツドリ(普通型若鳥)
2004年10月16日
葛西臨海公園



【2004年10月17日】

※葛西臨海公園(7:30〜16:00)
 到着時は満潮。最初に公園西側で小鳥類を探鳥し、午前9時からは西渚観察ポイントから渚周辺の探鳥を行ったが、快晴のため観察条件が悪く、また北風が強く吹いたことから早々に切り上げ公園に戻り、正午頃からは鳥類園に回った。いろいろな情報をいただき、昨日に引き続いて小鳥類を見ることができた他、汽水池でツルシギが見られた。公園内では大型ツグミ類と思われるツリーという鳴き声が聞かれたが視認することはできなかった。なお、公園西端部では西方向にわたるヒヨドリの群がいくつも見られた。主なものは次のとおり。

○ズグロカモメ        1羽(東渚。成鳥冬羽)
○ミサゴ           2羽(東渚など。2羽が揃って確認できたのは午後3時頃であった。いずれの個体もダイビングに成功し魚を捕らえ、それぞれ沖杭と旧江戸川河口付近の棒杭で採食した)
○チュウヒ          1羽(東渚。午前9時過ぎにアシ原上を飛翔しているのが短時間確認できたが、余り飛ばなかったようであった)
○ハイタカ          1羽(公園中央部。午前9時頃に西から公園中央部上空に飛来し、北方向に飛び去るのが見られた) 
○チョウゲンボウ       1羽(公園中央部。午前9時頃に渚橋方面から公園中央部上空に飛来し、そのまま北方向に向かい駅周辺上空で旋回飛翔するのが見られた)
○ヒメアマツバメ       2羽(公園西側。午前8時半頃に、荒川寄りの上空を飛翔しているのが見られた)
○シロチドリ         2羽(東渚)
○ハマシギ          1羽(西渚。午前9時半頃にオバシギとともに飛来したが、まもなく1羽のみで飛び去った)
○オバシギ          2羽(西渚。午後は東渚に移動したようであった)
○ツルシギ          1羽(汽水池。幼鳥と思われる個体。我々としては、当地では2002年10月12日〜19日の記録以来であった)
○アオアシシギ       14羽(汽水池)
○オグロシギ         1羽(汽水池。アオアシシギ群とともに行動していた)
○オオソリハシシギ      3羽(東渚)
○ダイシャクシギ       1羽(東渚)
○ホウロクシギ        1羽(東渚)
○タシギ           1羽(淡水池)
○セイタカシギ       12羽(汽水池。午後1時頃には6羽が旧江戸川方面から汽水池に追加飛来するのが見られた。いただいた情報によると、午前中に汽水池周辺でオオタカが出現し、オオハシシギを含むシギ類が飛び去ってしまったということであった)
○ツツドリ           1羽(公園西側。普通型の若鳥) 
○カワセミ           1羽(♂若鳥。汽水池)
○キセキレイ          2羽(公園西側。午前8時半頃に公園西端部の通称芦ケ池付近で見られた。落ち着かず、すぐに荒川沿いの護岸に移動し、しばらくして西に向かって荒川を越えた。当地では比較的珍しい) 
○ノゴマ            2羽(♂1羽、♀1羽。公園中央部)
○ジョウビタキ         1羽(♂成鳥。公園西側。今季初認)
○トラツグミ          1羽(公園西側。照葉樹の木立で確認できた。今季初認)
○ヤブサメ           1羽(公園西側)
○キビタキ           3羽(公園西側。♂1羽、♀タイプ2羽)
○エゾビタキ          1羽(公園西側)
○ヤマガラ           1羽(公園西側)
○エナガ            2羽(公園西側)
○カケス            2羽(鳥類園。淡水池、汽水池付近で、それぞれ1羽が飛翔移動するのが見れたが、ジェーという鳴き声は他の2〜3ケ所でも聞けたので、もっといたものと思われた)

以上。




【2004年10月24日】

※葛西臨海公園(7:30〜15:00)
 本日は若潮で、到着時は干潮。最初に公園西側で小鳥類を探鳥し、午前9時半頃から、干潟が徐々に狭まってきた正午過ぎまで、西渚観察ポイントから渚周辺の探鳥を行った。その後、鳥類園に回り、最後に公園中央部に立ち寄った。渚周辺ではなごりのシギ・チドリ類の他、タゲリが見られた。また、いろいろな情報をいただき、小鳥類も比較的多く見ることができた。汽水池周辺はオオタカが出現しているようで水鳥達は落ち着かないようであった。また、沖合いのスズガモ群はヒドリガモ、ホシハジロなどと混群を形成し、数も1万羽を超えているものと思われた。なお、いただいた情報によると、午前中に汽水池でカラシラサギが確認されたとのことであったが、我々は見れなかった。主なものは次のとおり。

○ハジロカイツブリ      2羽(西渚。水面内)
○ズグロカモメ        1羽(東渚。成鳥冬羽。西渚干潟には飛来しなかった)
○ミサゴ           2羽(東渚など。♀と思われる個体は、午前中から棒杭上で休止したりしているのが見られたが、午後1時過ぎには魚を捕らえ、沖杭で採食していた。♂と思われるもう1羽は午後1時半頃に東渚上空に出現し、魚を捕らえた後沖杭に向かったことから、2羽が絡むように飛ぶのが見られた)
○トビ            1羽(東渚。正午過ぎに干潟上を舞っていた)
○チュウヒ          1羽(東渚。飛翔するのは見られなかったが、正午過ぎに干潟上に舞い降りているのが確認できた)
○ハヤブサ          1羽(東渚。午前10時過ぎに干潟上に舞い降りてきた。休止後飛び立ち、水路上空付近で旋回上昇した後、東渚の水鳥群に突っ込んだが狩りには失敗し、舞浜方面に飛び去った) 
○シロチドリ         8羽(東渚など。西渚でも見られた)
○タゲリ            1羽(東渚。アシ原沿いの干潟を動き回っていたが、約400mの距離があった。いただいた情報によると、午前中に渚周辺を飛翔している3羽が見られたとのことであった。今季初認)
○ムナグロ          3羽(午前11時過ぎに、荒川河口方面から飛来し、西渚観察ポイント上空を通過して東渚干潟に舞い降りた。上空を通過する時は鳴き合っていた)
○ハマシギ         34羽(東渚など。午前9時頃のカウント数。2羽は西渚でも見られた)
○オバシギ          2羽(西渚。幼鳥)
○アオアシシギ       14羽(汽水池など)
○オオソリハシシギ      1羽(又は2羽。東渚の他、西渚にも飛来した)
○オオハシシギ        1羽(汽水池。成鳥冬羽。午後1時過ぎに擬岩前で見られた)
○ダイシャクシギ       1羽(東渚)
○ホウロクシギ        1羽(東渚)
○セイタカシギ       12羽(汽水池)
○カワセミ           2羽(淡水池、汽水池)
○ノゴマ            1羽(♂1羽。公園中央部)
○ジョウビタキ         3羽(♀タイプのみ。公園中央部など)
○キビタキ           4羽(公園西側。♂2羽、♀タイプ2羽)
○エゾビタキ          1羽(公園西側)
○ヤマガラ           2羽(公園西側)
○アオジ            1羽(公園西側。今季初認)
○クロジ            2羽(いずれも♂若鳥。公園西側。今季初認)
○シメ             1羽(公園西側。今季初認)

以上。



【2004年10月30日】

※葛西臨海公園(7:10〜13:50)
 到着時は満潮。最初に公園西側で小鳥類を探鳥し、午前9時からは西渚観察ポイントから渚周辺の探鳥を行ったが、降雨となり、また渚周辺は北西風がやや強く吹いて寒かったことから、早々に切り上げ、その後は鳥類園で探鳥した。久しぶりにカラシラサギを近距離で確認することができた他、カンムリカイツブリやツグミ類を見ることができた。なお、淡水池周辺にはオオタカ(若鳥)が留まっており、昨日は狩りに成功してオオバンを捕らえたとのことであったが、本日は姿をきちんと確認することはできなかった。主なものは次のとおり。

○カンムリカイツブリ     3羽(西渚周辺。午前9時半頃には2羽が西渚水面内に進入してきた。今季初認)
○ハジロカイツブリ      4羽(西渚周辺)
○ズグロカモメ        1羽(東渚。成鳥冬羽)
○ミサゴ           2羽(東渚、汽水池など。正午頃から渚周辺上空で旋回したり、ホバリングしたりしていたが、ダイビングを行ってもなかなか魚が捕らえられず、午後1時半過ぎにようやく小さい獲物を捕らえ棒杭で採食していた。なお、別個体が午後1時頃に汽水池上空に飛来しカラスのモビングを受けた)
○チュウヒ          1羽(東渚。午前10時半頃にアシ原上を飛翔しているのが見られた)
○ハヤブサ          1羽(東渚。成鳥。午前10時半過ぎに出現し、舞浜側上空で旋回上昇して干潟上に急降下を行ったりしたが、狩りは行わなかったようであった。正午過ぎには、東渚中央丘の流木上に休止しているのが見られた。大きさから♀と思われた)
○カラシラサギ        1羽(汽水池。午前11時過ぎに汽水池の澪筋でコサギ、ダイサギとともに採餌しているのを見ることができた。嘴の黄色はかなり褪色し、冠羽もわずかとなっていたが、最短20mで観察することができたことから同定することができた。24日にも見られているが、いただいた情報によると、このところ干潮時は汽水池に入って採餌していることが多いとのことであった。昨年10月26日にも確認しているが、我々が湾岸フィールドでカラシラサギを確認した時期としては最も遅い記録となる)
○シロチドリ        12羽(東渚など。西渚にも飛来していた)
○ハマシギ        102羽(東渚など。午前9時過ぎのカウント数。西渚にも一時的に32羽が飛来していた)
○ミユビシギ         1羽(西渚。冬羽個体)
○コアオアシシギ       1羽(汽水池。午前10時過ぎに東渚方面から汽水池に飛来したアオアシシギ群中に混じっていたようで、幼鳥であった)
○アオアシシギ       11羽(汽水池など)
○セイタカシギ        4羽(汽水池。午後になって東渚方面から汽水池に飛来した。東渚アシ原付近にもっといたようであったが、確認できなかった)
○カワセミ           1羽(又は2羽。汽水池、淡水池)
○ジョウビタキ         3羽(♀タイプのみ。公園西側、鳥類園)
○アカハラ           1羽(公園西側。マツに休止した際に確認できた。今季初認)
○シロハラ           2羽(公園西側、鳥類園。ツリーという鳴き声とともに小群で移動するツグミ類が20羽前後見られたが、木に休止した際に確認できたのはわずかであった。ピラカンサの実にも飛来していた。今季初認)
○キクイタダキ         1羽(公園西側。マツを移動していた)
○キビタキ           2羽(公園西側、汽水池付近。いずれも♀タイプ)
○ヤマガラ           1羽(公園西側。姿をきちんと視認することはできなかった)
○エナガ            1羽(汽水池周辺。シジュウカラ群中)
○クロジ            1羽(汽水池付近。♂若鳥であった)
○オオジュリン         2羽(又は3羽。観察センター近くのアシ原を飛び回る小群が見られた)

以上。


カラシラサギ
2004年10月30日
葛西臨海公園(汽水池)





【2004年10月31日】

※葛西臨海公園(8:10〜15:10)
 到着時は満潮。昨日午後からの雨が続いていたことから、最初は船着場から探鳥した。午前9時頃には天候も回復してきたことから、公園西側をひと回りした後西渚観察ポイントから渚周辺の探鳥を行った。その後は鳥類園で探鳥した。久しぶりに湾岸部でハイイロチュウヒを確認することができた他、カラシラサギも引き続き近距離で見ることができた。また、カモ類も沖合いのスズガモ、水路周辺のマガモ、ヒドリガモ、淡水池のホシハジロ、キンクロハジロ、コガモなどが定着してきていた。なお、昨日かなり聞かれたツグミ類の声はわずかに確認できただけであった。主なものは次のとおり。

○カンムリカイツブリ      8羽(渚周辺。西渚水面内の他、東西渚間水路に進入してきた個体も見られた)
○ハジロカイツブリ      2羽(西渚周辺)
○ヨシガモ          1羽(♂エクリプスから繁殖羽に換羽中の個体。水路護岸で休息していたヒドリガモ群中に見られた)
○ズグロカモメ        1羽(東渚。成鳥冬羽。西渚観察ポイントからは確認できなかったが、午後になって飛翔したり、干潟上で休止しているのが確認できた)
○アジサシ          3羽(東渚など。干潟上に降りたり、ユリカモメ群とやや離れて旧江戸川河口方面を飛翔したりしているのが見られた。遠方であった)
○ミサゴ           2羽(東渚など。到着直後には東渚棒杭上で食事をしている1羽が確認できたが、午前9時過ぎには2羽が揃って水路上空を旋回するのを見ることができた)
○ハイイロチュウヒ      1羽(♀と思われる個体。午前8時半頃に東渚アシ原上を、繰り返し低く滑空するように飛翔するのが見られ、時折チュウヒに絡まれていたが、その後アシ原に舞い降りたようであった。その後、午前9時半頃には、東渚西側堤防付近をウミネコにモビングされながら南西進するのが見られたが、そのまま西渚沖合いから荒川河口を経て若洲海浜公園方面に飛び去った。最近の記録としては、2002年12月14日に新浦安・市川塩浜沿岸部で我々が♀1羽を目撃している他、当地でも2002年〜2003年に他の方により目撃されている) 
○チュウヒ          1羽(東渚、淡水池など。到着直後から東渚アシ原上を飛翔しているのが見られた他、繰り返し鳥類園上空にも進入していた。いただいた情報によると、正午前の鳥類園への進入では淡水池北側の湿地で獲物を捕らえアシ原内て採食していたとのことであった)
○チョウゲンボウ       1羽(西渚。午前10時半頃に見られた。カラスにモビングされたりしていたが、上空でホバリングしては草地に降りて採餌していた)
○カラシラサギ        1羽(汽水池。午前11時過ぎに汽水池の澪筋でコサギ、ダイサギとともに採餌しているのを見ることができた。昨日と同様に近距離から観察することができたが、日差しがあったことから嘴、脚の色は明るく見えた。また、3回ほど冠羽を立てる行動が見られた)
○シロチドリ        172羽(西渚。午前9時過ぎのカウント数。ハマシギとともに西渚の砂浜で休息していた。今季初めて越冬群と思われるものを近距離からきちんとカウントできた)
○ハマシギ        742羽(西渚など。午前9時過ぎのカウント数。西渚の砂浜で休息していた群の他、船着場付近の護岸に飛来する個体も36羽見られた。今季初めて越冬群と思われるものを近距離からきちんとカウントできたが、昨年までに比べて数は多かった)
○ミユビシギ         6羽(西渚。ハマシギ・シロチドリ混群中)
○コアオアシシギ       1羽(汽水池。幼鳥。午前中は見られなかったが、午後2時過ぎに見ることができた。アオアシシギ群とともに移動しているようである)
○アオアシシギ       18羽(東渚、汽水池など。淡水池の棒杭や船着場付近の護岸で休息している個体も見られた。広い範囲で移動していた)
○ホウロクシギ        1羽(西渚。午前9時半頃に、荒川河口方面から飛来し、鳴きながら西渚付近を通過して東渚干潟に飛翔移動するのが見られた)
○セイタカシギ        6羽(汽水池など。旧江戸川舞浜側アシ原育成地でも2羽が休息しているのを確認できた)
○カワセミ           2羽(又は3羽。汽水池、淡水池)
○ジョウビタキ         3羽(♂1羽、♀タイプ2羽。鳥類園など)
○イソヒヨドリ         1羽(♂成鳥。旧江戸川京葉線鉄橋橋脚部)
○アオジ            2羽(鳥類園など)
○オオジュリン         2羽(汽水池周辺)


以上。