【2003年5月3日】
※船橋海浜公園(7:10〜8:30)
到着時は満潮を過ぎたところで、干潟が広がり始めていたが、多くの水鳥達は堤防上で休息していた。到着時頃まで小雨が残ったが、その後急速に回復して初夏の陽気となった。午前7時半頃から、多くのシギ・チドリ類が舞い降りてきたが、潮干狩りの人出が多くなってきたことや、ハヤブサが出現したことなどから、群は落ち着かなかった。アマサギの通過個体が見られたが、特段変わったものは見られなかった。午前8時半を過ぎて潮干狩りの人出がさらに多くなってきたことから切り上げた。主なものは次のとおり。
○アジサシ 約250羽(堤防内の棒杭上で休息していた個体もいたが、多くは沖合いの棒杭に休止しており、近くに飛来する個体は見られなかった)
○コアジサシ 18羽(周辺の浅瀬で採餌していた)
○ハヤブサ 1羽(成鳥♂と思われる個体。午前8時頃に市川側干潟上のシギ・チドリ類を襲ったが失敗し、北側の倉庫に休止した。その後、まもなく茜浜方面に飛び去った)
○アマサギ 1羽(夏羽。午前8時過ぎに干潟内棒杭上に休止しているのを発見した。その後、人出のためか西側棒杭に移動し、市川方面上空に飛び去った)
○ミヤコドリ 35羽(午前7時半頃から飛来し始め、午前8時頃には35羽をカウントできた)
○シロチドリ 2羽(干潟・後背地)
○メダイチドリ 51羽(午前7時半頃のカウント数。多くは夏羽)
○ダイゼン 149羽(午前7時半頃のカウント数。夏羽への換羽が進んでいる個体が目立った)
○トウネン 46羽(夏羽個体が多かった。もっといたものと思われる。午前7時半頃のカウント数)
○ハマシギ 約2000羽(推定数。きちんとカウントできなかった)
○ミユビシギ 26羽(換羽中の個体が多かった。もっといたものと思われる。午前7時半頃のカウント数)
○オバシギ 3羽(成鳥夏羽個体も見られた)
○キョウジョシギ 82羽(午前7時半頃のカウント数)
○キアシシギ 8羽(数が多くなってきていた)
○オオソリハシシギ 約270羽(午前7時半頃のカウント数。もっといたものと思われる。到着時には堤防上の他に、沖合い棒杭上で休息している個体も見られた)
○チュウシャクシギ 4羽(午前8時頃に干潟近くを通過した)
※谷津干潟(9:30〜13:50)
到着時は東側を中心に干潟が広がり始めていた。既に多くのシギ・チドリ類が三番瀬方面から飛来していたが、ハマシギの飛来数は少なかった。また、我々は気づかなかったが、午前11時頃にハヤブサが出現したことなどから、シギ・チドリ類の干潟への出入りが激しかった。サギ類の通過群が見られたが、シギ・チドリ類は特段変わったものは見られなかった。なお、ユリカモメ群が干潟上空に進入しては帆翔し、北に向かって旅立つのが見られた。主なものは次のとおり。
○コアジサシ 6羽(澪筋で採餌しているのが見られた)
○アマサギ 2羽(夏羽。午前10時20分頃に干潟上空で帆翔したユリカモメ群に混じる形で高度を上げているアマサギ2羽、チュウサギ1羽の混群が見られた。いずれも干潟には降りず、徐々に高度を下げながら北東方向に飛び去った)
○チュウサギ 1羽(アマサギとほぼ同一行動をとっていた)
○シロチドリ 2羽
○メダイチドリ 104羽(午前10時頃のカウント数。多くは夏羽)
○ダイゼン 34羽(午前10時頃のカウント数。夏羽個体も多くなってきていた)
○トウネン 154羽(午前10時前のカウント数。数も多くなり、ほとんどが夏羽個体となっていた)
○ヨーロッパトウネン 1羽(夏羽へ換羽中の個体。干潟東側)
○ハマシギ 約150羽(午後1時半頃のカウント数。三番瀬の個体数に比べて飛来数は極端に少なかった)
○オバシギ 5羽(到着時は東側干潟の中央部で採餌していたが、その後何かに驚いて飛び立ち、観察時間中は戻らなかった)
○キョウジョシギ 26羽(午後1時頃のカウント数)
○キアシシギ 22羽(干潟西側の陸地で集まって休息していたが、干潟の広がりとともに散らばって採餌するものが多かった)
○オオソリハシシギ 126羽(午後1時半頃のカウント数。午前10時頃には約80羽が見られたが、その後干潟から飛び出し、午後1時頃から徐々に戻り始めた)
○チュウシャクシギ 10羽(干潟内でカニを採餌していた)
○ホウロクシギ 1羽(採餌、休息を繰り返していた)
以上
【2003年5月4日】
※葛西臨海公園(6:30〜10:20)
到着時は満潮であったが、午前9時頃からは急速に干潟が広がった。初めに公園中央部付近から渚周辺を中心に探鳥し、その後鳥類園周辺で探鳥した。特段変わったものは見られなかったが、オオハシシギを引き続き確認することができた。また、東渚にはミヤコドリが見られた他、ユリカモメ、アジサシがそれぞれ2000羽くらい集結しており、時折舞い上がるのが見られた。セグロカモメ類は若鳥を中心に10羽程度となっていた。午前10時過ぎからは潮位がさらに下がり、東渚沖合いに干潟が出現し、水鳥達も移動してしまったことから切り上げた。鳥類園ではオオヨシキリの声がにぎやかであった。主なものは次のとおり。
○アジサシ 約2000羽(渚周辺、特に東渚。午前7時頃には、約100羽がユリカモメとともに西渚に降りていた。また、渚周辺の棒杭で休止しているものも見られた)
○コアジサシ 約100羽(渚周辺)
○イワツバメ 8羽(葛西臨海公園駅周辺、鳥類園)
○ミヤコドリ 41羽(午前9時半頃のカウント数。午前9時頃から飛来したとのことで、昨日も約40羽が確認されているとのことであった。三番瀬個体群の一部が飛来しているものと思われる)
○コチドリ 2羽(汐入池)
○シロチドリ 2羽(西渚)
○ハマシギ 約300羽(東渚。午前9時頃に渚周辺を飛び回る群が見られたが、ハマシギ以外の種類も混じっていたものと思われる)
○ミユビシギ 4羽(西渚。換羽中個体が多かった)
○ソリハシシギ 1羽(汐入池。午前8時頃に棒杭上で休息している個体が見れた。今季初認)
○キョウジョシギ 14羽(西渚)
○アオアシシギ 11羽(汐入池。換羽中個体が多かった)
○キアシシギ 18羽(汐入池)
○チュウシャクシギ 47羽(午前7時頃に、西渚の草地に集まっているのが見られたが、その後渚周辺の堤防などに移動して採餌していた)
○タシギ 8羽(汐入池、淡水池)
○オオハシシギ 1羽(汐入池。ほぼ夏羽となっていた)
○セイタカシギ 22羽(汐入池。この時期にしては、多くの個体数が見られた)
○コイカル 1羽(♂1羽。珍しく東側船着場近くの木に休止し、さえずりを行った。その後、東渚の低木に移動したので、公園内を比較的広範囲に動き回っているようである)
※谷津干潟(11:40〜17:00)
到着時は干潮。午後にかけて潮位の上昇に伴い集結するシギ・チドリ類を期待して探鳥した。干潟が狭まり始めたのは午後3時頃からで、比較的頻繁に、何かに驚いて飛び立ち、出入りを行うことを繰り返し、落ち着かない様子が見られた。午後4時頃には、種類、個体数ともに多くなり、夏羽個体のシギ・チドリ類が美しかった。特段変わったものは見られなかったが、午後4時過ぎからは塒入りするチュウシャクシギも見られた。なお、ほとんど見られなくなったカモ類の中で、コガモは42羽が留まっていた。主なものは次のとおり。
○コアジサシ 約20羽(干潟上で休息したり、澪筋で採餌する個体が見られた)
○イワツバメ 2羽(南船橋側干潟付近)
○シロチドリ 6羽(干潟東側で見られた)
○メダイチドリ 82羽(午後1時半頃のカウント数。多くは夏羽であった。その後個体数が多くなったようであった)
○ムナグロ 2羽(当初は確認できなかったが、午後4時半頃には2羽がダイゼン群付近にいるのが見られた)
○ダイゼン 202羽(午後4時過ぎのカウント数。正午頃までは少なかったが、その後次々に飛来した)
○トウネン 190羽(午後1時半頃のカウント数。その後多くなったようであった。夏羽個体が多かった)
○ヨーロッパトウネン 1羽(トウネン群中。夏羽換羽中個体であった)
○ハマシギ 約1500羽(推計数。午後2時頃までは40羽程度であったが、その後次々に飛来し、午後3時頃には1000羽を超えたようであった。冬羽個体も2羽見られた)
○オバシギ 6羽(午後2時半頃にオオソリハシシギ群とともに飛来し、干潟西側で採餌していた)
○キョウジョシギ 29羽(午後3時頃のカウント数。その後多くなったようであった)
○オオソリハシシギ 119羽(夏羽♂を含む。午後2時頃のカウント数)
○キアシシギ 46羽(午後4時半頃のカウント数)
○ホウロクシギ 1羽(干潟中央部で採餌していた)
○チュウシャクシギ 66羽(午後4時半頃のカウント数。午後3時頃までは20羽程度が干潟内に散らばって採餌していたが、その後塒入りと思われる個体群が干潟中央部に飛来していた)
以上。
【2003年5月5日】
※葛西臨海公園(6:30〜10:30)
到着時は満潮。初めに公園西側で探鳥し、公園中央部、鳥類園周辺と回った後、西渚観察ポイントからの東渚周辺の探鳥も行った。公園西側は好天続きのためか小鳥類は見られなかった。渚周辺は昨日に続き、ミヤコドリの他、ユリカモメ、アジサシ、コアジサシが多かったが、特に変わったものは見られず、シギ・チドリ類は少なかった。鳥類園の鳥相には基本的な変化はなく、オオハシシギは引き続き確認できた。午前10時頃からは東渚沖合いにも干潟が出現し、水鳥達が移動し始めたことから切り上げた。主なものは次のとおり。
○アジサシ 約1400羽(推計。東渚周辺。昨日同様、ユリカモメとともに干潟に降りてたり、舞い上がったりすることを繰り返していた)
○コアジサシ 約300羽(渚周辺。棒杭や干潟上で休息したり、浅水域でダイビングを繰り返している群が見られた。水路や西渚付近にも多かった)
○イワツバメ 6羽(葛西臨海公園駅周辺、鳥類園)
○チュウサギ 2羽(淡水池。夏羽個体と換羽中個体が各1羽であった。通過の個体群と思われる)
○ミヤコドリ 31羽(午前7時過ぎの時点で、東渚中央丘付近で休息している24羽の群が見られた。その後、午前9時前には浦安方面から飛来する7羽の群が見られた。午前9時半頃には東渚干潟上で採餌しているのが見られた。三番瀬個体群の一部と思われるが、3日連続で確認されたことになる)
○コチドリ 4羽(汐入池など)
○メダイチドリ 2羽(東渚)
○トウネン 8羽(東渚。もう少しいた可能性もあるが、遠方のものは識別困難であった)
○ハマシギ 約20羽(東渚。午前9時頃に渚周辺を飛翔する小群が見られたが、少なかった)
○ソリハシシギ 1羽(汐入池。棒杭上で休息していた)
○アオアシシギ 8羽(汐入池)
○キアシシギ 27羽(汐入池など)
○チュウシャクシギ 約50羽(汐入池、渚周辺。午前7時過ぎには西渚草地に32羽が集まっているのが見られたが、イヌに驚いて飛び立ち、その後渚周辺や荒川上流方面に散らばったようであった)
○タシギ 4羽(汐入池)
○オオハシシギ 1羽(汐入池。まだ、留まっていた)
○セイタカシギ 16羽(汐入池、淡水池)
○コイカル 1羽(♂1羽。さえずりが聞けたのみで視認はできなかった)
以上。
。
【2003年5月10日】
※船橋三番瀬海浜公園(7:10〜13:50)
本日は長潮で、午前中は潮位は高く、現れた干潟はわずかであった。このため、到着時は多くの水鳥達は堤防上や沖合いの棒杭で休息していた。午後になって干潟が大きく広がり始めるとともに多くのシギ・チドリ類が飛来してきたが、特段変わったものは見られず、ミヤコドリも確認できなかった。カモメ類は、ユリカモメ、ウミネコの他に、オオセグロカモメの幼鳥〜亜成鳥と思われるものが5羽ほど確認できた。また、スズガモ群は約700羽が留まっていた。なお、後背地のアシ原でツリスガラが確認できた。主なものは次のとおり。
○ハジロカイツブリ 1羽(夏羽。船橋港側堤防内のスズガモ群中)
○アジサシ 約780羽(堤防上で休息したり、比較的近い棒杭で休息したりしていた。午後には干潟にも降りた。冬羽と思われる個体も見られた)
○コアジサシ 約80羽(堤防上で休息したり、周辺の浅瀬で採餌したりしていた)
○イワツバメ 4羽(後背地の倉庫周辺で見られた。ここでは珍しいと思われる)
○シロチドリ 10羽(♂夏羽個体も見られた)
○メダイチドリ 89羽(午後1時半頃のカウント数。多くは夏羽)
○ムナグロ 1羽(干潟内。正午過ぎに見られた)
○ダイゼン 25羽(午後1時半頃のカウント数)
○トウネン 14羽(夏羽個体が多かった。午後1時過ぎのカウント数)
○ハマシギ 約920羽(午後1時頃のカウント数。午前中は少なかったが、午後になって干潟が広がるとともに飛来した)
○ミユビシギ 92羽(午後1時前のカウント数。完全な夏羽の個体から冬羽に近いものまでいろいろな個体が見られた)
○オバシギ 4羽(正午頃までは、換羽中個体が1羽見られたのみであったが、午後になって成鳥夏羽個体を含む4羽が確認できた)
○キョウジョシギ 86羽(正午頃のカウント数)
○キアシシギ 40羽(正午頃のカウント数。もっといたものと思われる)
○オオソリハシシギ 46羽(午前中は見られなかったが、正午過ぎから飛来し始めた。午後1時頃のカウント数)
○チュウシャクシギ 2羽(堤防上で休息している個体も見られた)
○ツリスガラ 1羽(♀1羽。船橋港側後背地のアシ原。午前7時半頃に鳴き声がするので探したところ、1羽が視認できた。鳴き声からは2〜3羽はいたように思われたが、なかなか姿を見せなかった。我々が湾岸フィールドで5月にツリスガラを確認したのは初めて)
(注:これまで船橋海浜公園と言われていましたが、船橋三番瀬海浜公園という呼称を用いるようになっているようですので、探鳥地名を変更いたします)
※葛西臨海公園(14:30〜17:10)
到着時は干潟が広がり始めていた。干潟周辺に集まる水鳥を中心に探鳥することにして、西渚観察ポイントからの渚周辺の探鳥を行った。ハイイロヒレアシシギが見られた。カモメ類はユリカモメが相変わらず多数集結していた他、オオセグロカモメの幼鳥も6羽見られた。また、ミヤコドリは引き続き確認できた。主なものは次のとおり。
○アジサシ 約1400羽(東渚およびその周辺)
○コアジサシ 56羽(渚周辺。干潟や棒杭で休息したり、浅水域で採餌している個体が見られた。西渚周辺にも飛来した)
○ミヤコドリ 16羽(東渚。午後4時頃のカウント数。5月3日以来連続して確認されているとのこと。これらから越夏個体群が形成されるのではないかと思われる)
○シロチドリ 2羽(東渚。西渚周辺にも飛来した)
○ダイゼン 1羽(東渚。午後4時半頃に見られた)
○ハマシギ 約70羽(東渚)
○キョウジョシギ 2羽(渚周辺。堤防周辺で見られた)
○キアシシギ 12羽(渚周辺。堤防周辺に多かった)
○チュウシャクシギ 18羽(渚周辺。堤防周辺に多かった)
○ハイイロヒレアシシギ 1羽(成鳥♀夏羽個体。東西渚間水路。午後3時過ぎに、上空から水路に舞い降りて来た。その後護岸部で休息したり、水面に浮いて採餌したりしていた。距離は約40〜50mで観察できた。完全な夏羽で美しかった。我々が湾岸フィールドでハイイロヒレアシシギを見たのは初めて)
以上。
(写真:ハイイロヒレアシシギ♀)
【2003年5月11日】
※葛西臨海公園(6:30〜11:20)
到着時は干潮。初めに公園西側で探鳥し、公園中央部、鳥類園周辺と回った後、午前10時頃からは西渚観察ポイントからの東渚周辺の探鳥も行った。公園西側では小鳥類は少なかったがムシクイ類が見れた。渚周辺は相変わらずカモメ類、アジサシ類、シギ・チドリ類が多数見られたが、昨日見られたハイイロヒレアシシギは確認できなかった。なお、午前9時過ぎにユリカモメの数百羽の群が東渚上空に舞い上がり、帆翔しながら高度を上げ、北北東方向に飛び去るのが見られた。セグロカモメ類はセグロカモメ成鳥1羽の他、オオセグロカモメ若鳥6羽が見られた。主なものは次のとおり。
○アジサシ 約700羽(東渚。午前9時頃のカウント数)
○コアジサシ 約80羽(渚周辺)
○トビ 1羽(東渚。午前10時過ぎに南側沖合いから東渚上空に進入して干潟上空を舞った。かなり、羽がぼろぼろになっている個体であった)
○イワツバメ 6羽(駅周辺)
○ミヤコドリ 22羽(東渚。午前10時頃までは干潟内に分散して採餌していたようであったが、潮位が上がり干潟が狭まった午前11時頃には東渚の西側に集結して休息していた)
○メダイチドリ 3羽(東渚)
○ダイゼン 1羽(東渚)
○トウネン 10羽(東渚。遠方のものは識別困難であった)
○ハマシギ 約140羽(東渚の他、汐入池でも8羽が見られた)
○ソリハシシギ 3羽(汐入池)
○キョウジョシギ 7羽(東渚周辺。東西渚間水路でも見られた)
○アオアシシギ 9羽(汐入池の他、東渚でも見られた)
○キアシシギ 32羽(汐入池、東渚周辺)
○チュウシャクシギ 24羽(渚周辺の他、汐入池などでも見られた。東渚堤防では12羽が集まって休息していた)
○タシギ 2羽(汐入池)
○セイタカシギ 21羽(汐入池)
○エゾムシクイ 1羽(公園西側。午前7時頃に、ピッ・ピッという地鳴きとともに、盛んにさえずっていた。典型的なさえずりとは異なっているように思えたが、カラ類に似た金属的な高い声で、視認できた時に褐色味が強かったことなどからエゾムシクイと判断した。若葉が展開しているニシキギの植え込みの中を動き回っていた)
○コイカル 2羽(♂2羽。比較的よくさえずっていた。視認もできた)
以上。
【2003年5月17日】
※葛西臨海公園(6:30〜10:00)Torioのみ
到着時は満潮を過ぎて潮位が下がり始めているところであったが、同時に小雨模様となった。水鳥達は西渚の草地や護岸などで休息していたが、午前8時頃からは急速に干潟が広がり始めた。船着場や鳥類園・擬岩付近を中心に探鳥したが、午前10時前からは東渚沖合いにも大きく干潟が広がり始め鳥達も移動し始めたことから切り上げた。特段変わったものは見られなかったが、アマサギの通過個体群が見られた。東渚のカモメ類はユリカモメが約350羽まで減少し、成鳥夏羽個体はほとんど見られなくなっていたが、ウミネコは若鳥を中心に約80羽となっていた。鳥類園ではセイタカシギが見られなくなったが、オオヨシキリの声とともに、スイカズラ、テイカカズラ、イボタ、エゴノキ、トベラ、ハコネウツギなどの初夏の花が盛りとなってきていた。主なものは次のとおり。
○アジサシ 約670羽(渚周辺、特に東渚。午前9時半頃のカウント数)
○コアジサシ 約90羽(渚周辺。澪筋や水路でダイビングを繰り返しながら採餌する個体が目立った)
○イワツバメ 2羽(葛西臨海公園駅周辺)
○アマサギ 7羽(夏羽。午前8時前に7羽の群で西渚草地から飛び出し、船着場前の水路上を低く飛びながら通過し、舞浜〜旧江戸川京葉線鉄橋方面に飛び去った。その後、午前10時前に、同じく7羽の群れが東渚上空に現れ舞浜方面に飛び去ったが、同一個体群と思われた)
○ミヤコドリ 9羽(東渚など。午前7時頃には揃って東渚中央丘付近に集結していたが、干潟の広がりとともに採餌を始め、午後9時半頃には多くの個体が旧江戸川河口付近に出現した磯に移動し、チュウシャクシギとともに採餌していた。昨年同様に、三番瀬個体群が葛西臨海公園で越夏し始めたのではないかと思われる)
○コチドリ 3羽(船着場付近)
○メダイチドリ 5羽(到着時は西渚で休息中のハマシギ群の近くにいたが、午前7時半頃には渚橋・船着場間の護岸に飛来し、ハマシギとともに採餌していた)
○ダイゼン 1羽(東渚。若鳥と思われる個体)
○トウネン 5羽(夏羽。渚橋・船着場間の護岸に飛来したハマシギ群中で3羽が見られた他、西渚でも2羽が確認できた)
○ハマシギ 約220羽(夏羽。東西渚など。到着時から渚橋・船着場間の護岸に飛来する約100羽の群れも見られた。約20mの近距離で観察できた)
○ミユビシギ 4羽(西渚。ハマシギ群の近くで見られた)
○ソリハシシギ 1羽(汐入池)
○キョウジョシギ 12羽(東西渚など。護岸に飛来する個体も見られた)
○アオアシシギ 5羽(汐入池。午前10時前には、2羽が東渚に移動するのが見られた)
○キアシシギ 23羽(汐入池、渚周辺)
○チュウシャクシギ 約140羽(渚周辺、汐入池など。西渚の草地に集まっている個体も見られたが、その後100羽以上が旧江戸川河口付近に出現した磯に集まってミヤコドリとともに採餌しているのが見られた)
○タシギ 2羽(汐入池)
以上。
【2003年5月18日】
※船橋三番瀬海浜公園(7:10〜9:20)Torioのみ
到着時は満潮。多くの水鳥達は堤防で休息していた。午前8時頃から干潟が広がり始めるとともに多くのシギ・チドリ類が飛来してきた。シギ・チドリ類、アジサシ類とともに数は多かったが、特段変わったものは見られず、ミヤコドリも確認できなかった。アマサギの通過個体群が見られた。なお、時折、霧雨とともに北東からの風が強く吹き、寒かった。主なものは次のとおり。
○アジサシ 約360羽(午前8時頃に堤防上で休息していた個体数。堤防内の水面を群飛して採餌したり、遠方堤防や棒杭で休息したりしている個体も見られたので、もっといたものと思われる。数羽は干潟にも降りた)
○コアジサシ 約570羽(午前8時頃に堤防上で休息していた個体数は約370羽で、周辺の浅瀬を群飛して採餌したりしている個体も約200羽見られた。午前9時頃には、かなりの個体が干潟にも降りた)
○アマサギ 4羽(午前8時半頃に、正面干潟を北方面に上空通過した。夏羽個体の小群であった。なお、いただいた情報によると午前7時頃にも1羽の通過個体が見られたとのことであった)
○シロチドリ 8羽
○メダイチドリ 8羽(午前8時頃のカウント数)
○ダイゼン 194羽(午前8時頃のカウント数。成鳥夏羽個体も混じっていた)
○トウネン 234羽(午前9時頃のカウント数。市川側干潟に群れた。夏羽個体が多かった)
○ハマシギ 約1600羽(午前8時頃の推計数)
○ミユビシギ 41羽(午前8時半頃のカウント数。完全な夏羽の個体から冬羽に近いものまでいろいろな個体が見られた)
○オバシギ 15羽(午前9時頃に市川側干潟に集まっていた)
○キョウジョシギ 56羽(午前8時頃のカウント数)
○キアシシギ 34羽(午前8時頃のカウント数)
○オオソリハシシギ 263羽(堤防上で休息中の午前8時頃のカウント数)
○チュウシャクシギ 6羽(堤防上で休息中の午前8時頃のカウント数。市川側干潟に飛来して採餌した)
※谷津干潟(10:10〜13:10)Torioのみ
到着時は潮位は下がり始めていたものの、干潟はほとんど広がっていなかった。正午頃には干潟が急速に広がったが、正午を過ぎてもシギ・チドリ類の飛来はわずかで、午後1時頃まではハマシギ群の飛来はなかった。主なものは次のとおり。
○コアジサシ 5羽(澪筋沿いでダイビングを繰り返していた)
○コチドリ 2羽
○シロチドリ 2羽
○ダイゼン 21羽(南船橋側でも見られた)
○トウネン 19羽(南船橋側でも見られた)
○キョウジョシギ 4羽
○キアシシギ 36羽(南船橋側に多かった)
○オオソリハシシギ 8羽
○チュウシャクシギ 3羽
※葛西臨海公園(14:00〜16:40)
到着時は干潮を過ぎて潮位が上がり始めているところであった。東渚沖合いに広がった干潟も次々に冠水し、次々に水鳥達が東渚周辺に集まってきた。まず、西渚観察ポイントからの渚周辺の探鳥を行った後、鳥類園を回った。特段変わったものは見られなかったが、ミヤコドリは引き続き確認できた。また、一部のセイタカシギが戻ってきていた。主なものは次のとおり。
○アジサシ 約540羽(東渚およびその周辺)
○コアジサシ 68羽(渚周辺)
○ハヤブサ 1羽(若鳥。東渚周辺。午後4時過ぎに干潟上に休止しているのが見られた。その後、飛び立ち、堤防護岸に休止したりしながら断続的に狩りを行った。アジサシ類やシギ・チドリ類を襲ったようで急降下も数回見られたが成功せず、荒川河口方面に飛び去ったようであった)
○イワツバメ 2羽(葛西臨海公園駅付近)
○ミヤコドリ 15羽(東渚。午後3時頃に集結した)
○シロチドリ 4羽(東渚)
○メダイチドリ 2羽(東渚)
○ダイゼン 2羽(東渚)
○トウネン 13羽(東渚。比較的近いところでハマシギと群れていた)
○ハマシギ 約210羽(東渚。午後3時頃のカウント数。2羽は汐入池で見られた)
○ソリハシシギ 3羽(汐入池)
○キョウジョシギ 12羽(東渚。堤防周辺でも見られた)
○アオアシシギ 17羽(汐入池、東渚。一部個体が東渚と汐入池を行き来するのが見られた)
○キアシシギ 44羽(汐入池。渚周辺)
○ホウロクシギ 1羽(東渚。昨日に引き続いて見られた)
○チュウシャクシギ 57羽(渚周辺。堤防周辺に多かった。旧江戸川河口付近の磯には多数の個体が飛来していたので、もっといたものと思われる)
○タシギ 5羽(汐入池。午後3時半頃に観察したが、活発に採餌していた)
○セイタカシギ 4羽(汐入池)
以上。
【2003年5月24日】
※葛西臨海公園(8:30〜14:00)Torikoのみ
到着時は小潮で引きが悪く、少し干潟が残っていた。視界が悪く、遠方ははっきりと見えなかった。西渚観察ポイントからの渚周辺の探鳥を行った後、鳥類園を回った。特段変わったものは見られなかったが、淡水池で、カイツブリが、盛んに雛に餌を与えていたり、カルガモが雛10羽を連れている光景などを見ることができた。主なものは次のとおり。
○アジサシ 30羽(東渚)
○コアジサシ 約50羽(渚周辺。飛び回って餌を取っている個体が多かった)
○ツバメ 1羽(鳥類園)
○イワツバメ 5羽(鳥類園)
○ミヤコドリ 16羽(東渚)
○シロチドリ 2羽(西渚)
○ハマシギ 約20羽(東渚)
○ソリハシシギ 5羽(汐入池)
○キョウジョシギ 2羽(西渚)
○キアシシギ 14羽(汐入池。渚周辺)
○ホウロクシギ 1羽(東渚)
○チュウシャクシギ 4羽(西渚・東渚・汐入池)
○タシギ 1羽(汐入池)
○セイタカシギ 1羽(汐入池)
○コイカル 1羽(公園西側。鳴き声のみ)
以上。
【2003年5月25日】
※葛西臨海公園(7:20〜10:30)
本日は長潮で、到着時は干潮であったが、干潟の広がりはそれほど大きくはなかった。公園中央部と鳥類園で探鳥を行ったが、東渚周辺の水鳥は先週に比べると著しく減少していた。特段変わったものは見られなかったが、久しぶりにササゴイを見ることができた他、ミヤコドリを引き続き確認できた。なお、いただいた情報によると、本日も朝早い時間に淡水池で通過個体と思われるアマサギ1羽が確認されたとのことであったが、我々は見れなかった。主なものは次のとおり。
○アジサシ 約20羽(東渚およびその周辺)
○コアジサシ 約60羽(渚周辺や水路沿い)
○イワツバメ 6羽(葛西臨海公園駅付近、鳥類園)
○ササゴイ 1羽(汐入池。ほぼ成鳥と思われる個体。澪筋などで魚をねらい採餌していたが、しばしばコサギに妨害されていた。湾岸では主として若鳥が時折見られるが、比較的珍しい。我々が葛西臨海公園でササゴイを見たのは2001年6月23日以来2シーズンぶりで3回目)
○ミヤコドリ 13羽(東渚)
○コチドリ 2羽(汐入池)
○トウネン 2羽(東渚。断定するには距離があった)
○ソリハシシギ 6羽(汐入池。キアシシギに混じって採餌していた)
○キョウジョシギ 2羽(東渚)
○アオアシシギ 3羽(汐入池)
○キアシシギ 26羽(汐入池。渚周辺)
○チュウシャクシギ 2羽(渚周辺)
○セイタカシギ 1羽(汐入池)
※谷津干潟(11:40〜15:40)
到着時は潮位は徐々に上がり、干潟が狭まり始めているところであった。既に干潟内にはいくらかのシギ・チドリ類が群れていたが、午後1時を過ぎても追加的な飛来はほとんどなく、特にハマシギ、トウネンは少なかった。比較的珍しいものとして、夏羽のオグロシギが見られた。なお、昨夕見られたというアカモズは、本日は確認されなかったようで、我々も見ることは出来なかった。主なものは次のとおり。
○コアジサシ 16羽(澪筋沿いで盛んにダイビングを繰り返していた)
○イワツバメ 3羽(干潟上空)
○シロチドリ 3羽(干潟東側)
○メダイチドリ 1羽(夏羽。干潟東側)
○ダイゼン 56羽(成鳥夏羽個体も見られたが、越夏すると思われる若い個体が多かった)
○トウネン 6羽(干潟東側、南船橋側で各3羽)
○ハマシギ 13羽(夏羽)
○オバシギ 13羽(夏羽。干潟東側に群れて採餌していた)
○ソリハシシギ 1羽(夏羽。南船橋側干潟でキアシシギとともに採餌していた)
○キョウジョシギ 14羽(干潟東側、南船橋側ともに見られた)
○キアシシギ 約120羽(約80羽は南船橋側で見られた)
○オグロシギ 1羽(成鳥夏羽。昨日から見られている個体とのことで、左眼を少し損傷しているようであった。また、盛んに採餌していたが、オバシギと同様に、貝類を丸呑みしているようであった)
○オオソリハシシギ 10羽(♂夏羽個体も見られた)
○チュウシャクシギ 4羽(干潟中央部)
以上。
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