2002年4月 Torio&Torikoのフィールドノート 目次に戻る  top↑

 

<2002年4月6日>
 
※葛西臨海公園(7:30〜15:40)
 到着時は潮の満ち始め。午前中は鳥類園でのみ探鳥し、午後2時前後に西渚の観察ポイントから探鳥した。東渚周辺にはカンムリカイツブリ約200羽、スズガモ約3000羽が残っていた。カモメ類はユリカモメが1000羽を超え、集結し始めているようであった。また、ハマシギも500羽以上と思われた。特段珍しいものは見られなかったが、夏鳥としてオオルリを見ることができた他、アオジのさえずりも聞くことができた。主なものは次のとおり。
 
○シロカモメ               1羽(午後2時頃に東渚の干潟上で休息しているセグロカモメ群中に見られた。成鳥と思われた)
○チュウヒ                2羽(午前8時前に東渚周辺を2羽が同時に飛翔するのが見られた。午前10時過ぎには、このうちの頭部の白い個体が淡水池上空に進入し、帆翔するのが見られた)
○オオタカ                1羽(若鳥。午前11時頃に、カラスに追われて淡水池北側のマツに逃げ込んだのを見ることができた。その後も、カラスにモビングを受けて汐入池や淡水池周辺に出没していたが、午後1時半頃に汐入池上空でカラスに追われ、北西方向に飛び去った。なお、午前8時半頃には、成鳥と思われる別個体が淡水池上空で帆翔していたとのことであった)
○ツバメ                 8羽(鳥類園周辺)
○イワツバメ               5羽(鳥類園周辺)
○クイナ                 1羽(淡水池の観察センター側。午前8時半頃に淡水池南側から飛んでくるのを目撃。アシ原際に舞い降り、その後数回水辺に出てきて、採餌したり休息したりしていた)
○コチドリ                4羽(汐入池)
○アオアシシギ             1羽(汐入池)
○オオハシシギ            2羽(汐入池。午前8時頃に擬岩前で採餌したり休息していた。夏羽に換羽中で胸にも赤味が見られるようになってきた。オオタカが出現した時間帯は鳥類園外に飛び去ったが、午後3時過ぎには汐入池に戻ってきていたとのことであった) 
○タシギ                 3羽(汐入池・淡水池)
○セイタカシギ            22羽(汐入池。午前9時頃までは盛んに鳴き交わしていたが、その後、オオタカ出現のせいか鳥類園外に飛び去った。しかし、午後3時頃には汐入池に戻ってきていた)
○カワセミ                1羽(汐入池)
○イソヒヨドリ              4羽(♂♀各2羽。成鳥♂は旧江戸川に架かる京葉線鉄橋でさえずっており、近くに侵入した♂若鳥を追い出していた。これほどの数の個体を見たのは初めて)
○シロハラ               2羽(鳥類園周辺)
○オオルリ               1羽(成鳥♂、観察センター近く。少しだけであるが、さえずりも聞けた)
○アオジ               約10羽(各所で採餌しているのを見たが、午前8時前には本年初めて、さえずりを聞くことができた)
○オオジュリン            4羽(淡水池周辺。鳴声は汐入池でも聞けた)
 
以上。


<2002年4月7日>
 
※葛西臨海公園(9:30〜16:40)
 到着時は干潮であったが、長潮のため潮位は高かった。公園内を全体的に探鳥した。西渚の観察ポイントからの探鳥も午前10時頃と午後3時頃の2回行った。スズガモの数が減少しハマシギ・シロチドリ群は多くなっていたものの、東渚周辺の水鳥の全般的状況は昨日と余り変わらなかった。鳥類園では昨日に引き続いてオオルリが見られたが、シギ・チドリ類はオオタカのせいか落ち着かず、出入りが激しかった。なお、我々は見れなかったが、オオハシシギ、トラツグミが見られた他、コイカル、アカハラのさえずりも聞かれたとのことであった。主なものは次のとおり。
 
○アメリカヒドリ             1羽(♂1羽。もう北帰してしまったものと思っていたが、午前10時前に東西渚間水路にいたヒドリガモ群中にいるのを確認することができた。午前10時半頃に漁船が通過したために驚いて東渚沖合水面に飛び去った)
○シロカモメ               1羽(成鳥夏羽。東渚干潟上。午前中はセグロカモメ群が西渚寄り干潟で休んでいたため確認しづらかった。午後は観察ポイントからもはっきり確認 
することができた)
○チュウヒ                1羽(ほとんど飛ばなかった。午前10時過ぎに東渚アシ原上空を飛翔するのを見たのみ)
○オオタカ                1羽(若鳥。正午頃に、カラスに追われて汐入池北側のマツ周辺に逃げ込むのを目撃したのみで、じっくりとは見れなかった。その後も周辺に潜んでいたものと思われる)
○ハヤブサ               1羽(成鳥。午後4時半頃に東渚干潟上で何かを押さえつけているのを見ることができた。狩りは目撃していないが、シギ・チドリを捕らえたものと思われた) 
○ヒメアマツバメ             5羽(午前11時頃に葛西臨海水族園の貯水池上空をツバメ、イワツバメとともに群飛していた)
○ツバメ                16羽(鳥類園周辺。特に、午前11時頃には葛西臨海水族園付近を他2種とともに群飛していた)
○イワツバメ               9羽(午前11時頃に葛西臨海水族園付近を他2種とともに群飛していた)
○コチドリ                 4羽(汐入池にいることが多かったが、淡水池にも入った)
○メダイチドリ               1羽(東渚。観察ポイントからも夏羽個体であることが確認できた。もっといたものと思われるが遠距離のものは識別困難であった)
○ミユビシギ               2羽(東渚。観察ポイントからも識別できたもののみ。もっといたものと思われる) 
○アオアシシギ             1羽(午後4時過ぎに汐入池に入ったのを見ることができた。その他の時間帯は水路や旧江戸川・舞浜側護岸などに移動していたようであった)
○ホウロクシギ             3羽(東渚。午前11時頃、干潟の広がりとともに飛来した。水浴や羽ばたきを行ったときに腰を確認できた。盛んに採餌しているようであった)
○タシギ                 5羽(汐入池。午後4時頃に採餌していた)
○セイタカシギ           約30羽(午後4時頃に淡水池に26羽が揃って休息しているのを確認できた。午前中は鳥類園内には1羽のみで、旧江戸川舞浜側護岸に19羽、東渚護岸周辺に10羽などと分散していた)
○カワセミ                1羽(汐入池。♂個体であった)
○タヒバリ                1羽(東渚護岸)
○イソヒヨドリ              2羽(♂2羽。旧江戸川京葉線鉄橋付近と西渚周辺で各1羽)
○シロハラ               1羽(鳥類園内)
○オオルリ               1羽(成鳥♂、鳥類園内。美しい声でさえずっていた)
○アオジ               約10羽(公園内各所。さえずりは3〜4箇所で聞くことができた)
○オオジュリン            6羽(淡水池アシ原)
 
以上。



<2002年4月13日>
 
※谷津干潟(13:30〜16:50)
 到着時は干潮。満潮に向かって三番瀬周辺から谷津干潟内に飛来するシギ・チドリ類を期待して午後から探鳥した。到着時には既に多くのシギ・チドリ類(ハマシギだけで1000羽以上)が干潟内で採餌しており、干潟が狭まるにつれて集結しはじめていた。夏羽個体も多く見られたが、オオソリハシシギの多くは午後3時頃に干潟外に飛び出してしまった。特段の珍しいものは見られなかったが、ズグロカモメ、コアジサシ、キョウジョシギといった種類が見られた。主なものは次のとおり。
 
○ズグロカモメ             1羽(若鳥。通称ドラム缶付近の干潟を中心にカニを採餌していた。先週多摩川河口で見られている個体と同一の可能性が高いように思われる。我々が東京湾岸で4月にズグロカモメを見たのは1998年4月5日に谷津干潟で若鳥1羽を見て以来である)
○コアジサシ              3羽(午後3時頃に上潮に合わせて干潟内に飛来し、澪筋沿いに採餌していたが、干潟上で休息もしていた。我々は今季初認であるが、4月7日に三番瀬で既に確認されているとのことであった)
○ツバメ                2羽(干潟北側アシ原周辺)
○メダイチドリ            82羽(干潟東側に散らばっていたが、午後3時過ぎからはドラム缶周辺に集結した。夏羽個体が多かった)
○ムナグロ               1羽(夏羽個体。干潟中央部にいるのを見た)
○ダイゼン              124羽(干潟全体に散らばっていた。夏羽個体は少ない)
○トウネン               15羽(午後4時頃にドラム缶周辺に集まった。夏羽個体も3〜4羽見られた)
○ニシトウネン             1羽(午後4時頃にトウネン群近くで採餌しているのを見ることができた。ニシトウネンの特徴を備えている個体であると判断したが、換羽中で、夏羽になるにはまだ相当の日数を要しそうであった)
○キョウジョシギ            3羽(干潟中央部にいたが、午後4時頃にはドラム缶周辺に集まった。我々は今季初認)
○オオソリハシシギ         101羽(午後3時頃までは主として、南船橋寄りの干潟西側に群れていたが、午後3時頃に何かに驚いて飛び立ち、多くの個体が干潟の外に出てしまった。夏羽個体も相当数見られた)
○ホウロクシギ             5羽(干潟中央〜東側で採餌していることが多かった。なお、ダイシャクシギは確認できなかった)
○セイタカシギ             1羽(干潟西側)
 
以上。
 

<2002年4月14日>
 
※船橋海浜公園(7:10〜9:10)
 到着時は潮の引き始め。堤防上などで休息していたシギ・チドリ類やカモメ類は干潟の出現とともに次々に正面干潟に飛来した。ハマシギが最も多く2000羽以上であったが、種類も多くなり、オオメダイチドリなど比較的珍しい種類も確認することができた。また、昨日の谷津干潟個体と同一と思われるズグロカモメも見ることができた。なお、午前9時頃には潮干狩の人出が多くなってきたことなどから探鳥を切り上げた。主なものは次のとおり。
 



○ウミアイサ              4羽(♀タイプのみ。比較的岸近くで潜水を繰り返して採餌していた)
○ズグロカモメ             1羽(若鳥。到着時は堤防上のカモメ群の端で休息していたが、干潟が出現し始めた午前7時半頃から干潟上空を飛び始め、急降下してカニやゴカイを採餌していた。午前9時に干潟を後にする頃にはハマシギ群の近くの干潟上で休息していた)
○コアジサシ              3羽(船橋港寄りの海上を飛んでいるのを見ることができたが、干潟には降りなかった)
○ミヤコドリ              19羽(他のシギ・チドリ類より遅れて、午前8時40分頃に市川方面から正面干潟に飛来した)
○メダイチドリ           128羽(夏羽個体が多かった)
○オオメダイチドリ           1羽(ほぼ夏羽であった)
○ムナグロ               7羽(夏羽個体も混じっていた。三番瀬で小群が見られるのは比較的珍しい)
○ダイゼン              12羽(午前8時頃までは1羽しか見られなかったが、午前9時頃になってようやく数羽が飛来し始めた。夏羽への換羽中個体は少ない)
○トウネン              約20羽(夏羽個体も数羽見られた)
○ニシトウネン             1羽(トウネン群中で採餌していた。ニシトウネンの特徴を備えており、昨日の谷津個体と同一個体と思われた)
○ミユビシギ             108羽(換羽が始まってきているが、ほとんど冬羽)
○オバシギ               24羽(ハマシギ群中。夏羽個体も多かった。春の渡りでこれほどの数のオバシギの群を見たのは1998年5月9日に谷津干潟で20羽の群を見て以来)
○コオバシギ              1羽(ハマシギ群中。かなり近くで観察できたが、冬羽のままであった。三番瀬周辺で越冬した個体と思われる) 
○キョウジョシギ            6羽(昨日の谷津干潟よりも多くなっていた)
○オオソリハシシギ         58羽(夏羽個体も相当数見られた)
○ホウロクシギ             2羽(やや遠方の堤防上で休息しているのを確認したのみ。干潟が広がっても飛来しなかった。ダイシャクシギとの厳密な識別はできていない)
○タヒバリ              1羽(干潟後背地)
 
 
※葛西臨海公園(10:20〜15:20)
 正午前後には東渚沖合いにも広大な干潟が出現し、東渚側水路にも干潟が出現していた。公園全体を回ったが、西渚の観察ポイントからの探鳥も2回行った。スズガモの群はまだ数百羽以上残っていたが、カンムリカイツブリは3羽が確認できたのみであった。久しぶりにミヤコドリの群が飛来していた。鳥類園周辺は朝方オオタカ(若鳥)が出現していたとのことで午前中は閑散とした感じであったが、午後には落ち着いてきていた。公園西側ではキビタキ、センダイムシクイなどの情報もあったが、我々は確認できなかった。主なものは次のとおり。
 
○シロカモメ               1羽(若鳥。午後2時過ぎに東渚のセグロカモメ群中で休息しているのを見ることができた。潮が上がってきた際に、一旦飛び立ち西渚上空に進入してきたことから比較的近距離で確認することができた)
○チュウヒ                1羽(ほとんど飛ばなかった。正午過ぎに東渚アシ原上空を飛翔する個体が見れたのみ。白っぽい個体であった)
○ツバメ                 4羽(汐入池など)
○ミヤコドリ              32羽(東渚。正午前後には沖合の干潟に散らばって採餌していたが、午後3時頃には東渚の西側に集結した。昨年10月下旬にも東渚で26〜28羽が確認されているが、これとほぼ同数の飛来数である)
○コチドリ                4羽(汐入池)
○ダイゼン              19羽(東渚)
○アオアシシギ             1羽(汐入池。午後1時過ぎに汐入池で採餌しているのを見ることができた。夏羽への換羽が相当進んできていた)
○オオソリハシシギ          3羽(東渚。1羽は夏羽であった)
○ホウロクシギ            2羽(東渚)
○チュウシャクシギ          1羽(東渚。今季初認)
○オオハシシギ            2羽(午後1時過ぎに汐入池で2羽が揃って採餌しているのを見ることができた。午前中は見られなかったとのことであったが、1羽はほぼ夏羽となっており、もう1羽も換羽が進んできていた。水浴・羽繕いも行った)
○タシギ                2羽(汐入池)
○セイタカシギ           27羽(鳥類園周辺。出入りが激しく、まとまって見ることができなかったが、午後1時過ぎに東渚側水路に出現した干潟で25羽が採餌しているのを見ることができた)
○タヒバリ               1羽(東渚周辺)
○アカハラ               1羽(観覧車北側疎林地付近)
○コイカル               2羽(♂2羽。午前11時前に観覧車付近のエノキで♂1羽がさえずっているのを見ることができたが、その後公園西側中央部付近で2羽が揃っているのを見ることができた。1羽には足環が付けられていた)
 
以上。   




<2002年4月20日>
 
※谷津干潟(6:50〜10:30)Torioのみ
 本日は小潮で到着時は満潮前。通称ドラム缶付近に残る干潟にシギ・チドリ類が集結してきていた。近くで観察できたが、最も多いハマシギが約1200羽で、全般的に種類・数ともに多くはなく、特段の珍しい種類も確認できなかった。主なものは次のとおり。
 
○コアジサシ              8羽(干潟内の澪筋でダイビングや、求愛給餌などの行動が見られた)
○ツバメ                 3羽(干潟周辺)
○メダイチドリ             71羽(夏羽個体が多かった)
○ダイゼン             229羽(夏羽への換羽中個体も見られた。久しぶりに多かった)
○トウネン               35羽(夏羽個体も数羽見られた)
○ニシトウネン             2羽(トウネン群中で採餌していた。ニシトウネンの特徴を備えている個体が2羽確認できた)
○コオバシギ              1羽(ハマシギ群中。近くで観察できた。のどの付近がわずかに赤色を帯びてきていたが、ほとんど冬羽のままであった。三番瀬周辺で越冬した個体と思われる) 
○キョウジョシギ            5羽(余り多くなかった)
○オオソリハシシギ        194羽(夏羽個体も相当数見られた。いくらかの個体は午前8時前に干潟外に飛び出した)
 
 
 
※葛西臨海公園(11:10〜14:50)
 到着時は潮の引き始め。公園全体を回って探鳥したが、渡りと思われるサシバ以外には特段のものは見られなかった。東渚沖合いには、まだスズガモ約1000羽、カンムリカイツブリ3羽、ハジロカイツブリ5羽が確認できたが、シギ・チドリ類はほとんど見られなかった。なお、本日午前中に有志の方々により、セイタカシギ繁殖のため、淡水池中央島の草刈がなされたとのことであった。主なものは次のとおり。
 
○シロカモメ               1羽(若鳥。東渚干潟上のカモメ群中。午後1時過ぎには、一旦飛び立ったことから飛翔時のパターンを確認することができた。先週確認した個体と同一と思われた)
○サシバ                 2羽(正午前に、ピックイーという鳴き声を出しながら観察センター上空を2羽が揃って通過し、京葉線鉄橋付近上空で旋回上昇し、北方向に飛び去った)
○ツバメ                 3羽(鳥類園周辺など)
○アオアシシギ             1羽(汐入池。正午過ぎに汐入池擬岩前で休息しているのを見ることができた。ほぼ夏羽となっていた)
○ダイシャクシギ            1羽(東渚)
○タシギ                2羽(汐入池)
○セイタカシギ            2羽(淡水池)
○オオヨシキリ            3羽(淡水池、汐入池のアシ原の他、公園西側でもさえずっている個体が見られた)
○オオルリ               1羽(♂成鳥。公園西側。本日朝方から確認されている個体とのことで多くのウオッチャーを惹きつけていた)
○コイカル               1羽(♂成鳥。午後1時頃に公園西側中央部付近のエノキで採餌しているのを見ることができた)
 
以上。 

<2002年4月21日>
 
※船橋海浜公園(7:10〜8:40)
 本日は小潮。到着時は満潮前で、シギ・チドリ類の群れている干潟が徐々に狭まりつつあるところであった。時間的には少々遅かったようで、干潟の狭まりとともに次々に堤防上などへ飛び去る群を見ることになった。オバシギの群以外には特段のものは見られなかった。午前8時頃より降雨となったため、早めに切り上げた。主なものは次のとおり。
 
○ハジロカイツブリ           1羽(夏羽。スズガモ群近くで潜水を繰り返していた)
○コアジサシ             72羽(先週よりも個体数が大幅に多くなっていた。正面干潟や堤防上に舞い降りたり、海上を群飛したりしていた)
○ミヤコドリ              52羽(到着時には14羽が正面干潟に降りて採餌していたが、その後茜浜寄りの堤防に飛び去った。その後同堤防に戻ってくる他の群も見られた)
○メダイチドリ             77羽(夏羽個体が多かったが先週と比べると少なかった)
○ダイゼン              19羽(このところ三番瀬で見られる個体数は少ない傾向が続いている)
○ミユビシギ             137羽(換羽が進んでいるが、赤色を帯びた個体は見られなかった)
○オバシギ              21羽(到着時には4羽が干潟内のハマシギ群中にいたが、その他の個体は堤防上で見られ、一部は通称貝殻島に移動したりしていた。夏羽個体も多かった)
○キョウジョシギ           46羽(三番瀬周辺の飛来個体数は多くなってきているようであった)
○オオソリハシシギ          8羽(到着時には正面干潟で採餌行動を取っていた)
○チュウシャクシギ          4羽(到着時には正面干潟にいたが、まもなく飛び去ってしまった。その後1羽が干潟に戻ってきた)
 
 
※葛西臨海公園(9:30〜11:50)
 降雨のため、主として観察センターからの鳥類園周辺の探鳥を行った。到着時には全般的に鳥の数が少ない感じであったが、東渚にはハヤブサが去った後シギ・チドリ類が飛来してきた。スズガモ(約400羽)、ユリカモメ(約500羽)の群はまだ残っていたが、カンムリカイツブリ(1羽)、ハジロカツブリ(4羽)など、他の水鳥は少なくなってきていた。主なものは次のとおり。
 
○コアジサシ               4羽(東渚周辺)
○ハヤブサ                1羽(成鳥、東渚干潟上。午前10時頃にユリカモメの群が急に舞い上がったことから、猛禽が出現したのではと思っていたところ、その後間もなくして捕らえた獲物の羽を干潟上でむしっているのを見ることができた。そのまま約40分ほど食事をしていたが、その後飛び去ったようであった。獲物はユリカモメと思われた) 
○ヒメアマツバメ             2羽(午前10時過ぎに観察センター付近を飛翔した)
○ツバメ                 10羽(淡水池周辺)
○イワツバメ               4羽(淡水池、汐入池周辺)
○コチドリ                1羽(汐入池)
○アオアシシギ             1羽(汐入池)
○ダイシャクシギ            1羽(東渚)
○チュウシャクシギ          2羽(東渚)
○オオハシシギ            1羽(午前10時40分頃に淡水池中央部にいるのを見ることができたが、まもなくして汐入池擬岩前に移動し、その後見えなくなった。ほぼ夏羽となっていたが、このところ一緒に行動していたもう1羽は確認できなかった)
○タシギ                8羽(汐入池、淡水池)
○セイタカシギ            18羽(時々鳥類園周辺にも飛んできたが落ち着かなかった。18羽を確認したのは旧江戸川河口の舞浜側アシ原付近の干潟であった)
○シロハラ               1羽(鳥類園入口付近)
○オオヨシキリ             3羽(鳥類園周辺。雨中でも比較的よく鳴いていた)
 
 
以上。  


  <2002年4月27日>
 
※谷津干潟(12:40〜16:30)
 到着時は干潮で全体的に干潟が広がっていた。潮位の上昇に伴なって谷津干潟内に集結するシギ・チドリ類を期待して探鳥したが、最も多いハマシギで約200羽程度で、種類・数ともに多くはなかった。目ぼしいものとしては、ニシトウネンのほぼ夏羽を近くで観察できたくらいであった。なお、ユリカモメも数が減少して約130羽となっていた。主なものは次のとおり。
 
○コアジサシ             24羽(主として干潟西側の澪筋で採餌行動を取っていた)
○ツバメ                 2羽(干潟周辺)
○メダイチドリ            123羽(夏羽個体が多かった。干潟東側に集結した)
○ムナグロ               12羽(夏羽個体も多かった。干潟中央部と干潟東側に7羽と5羽の小群が見られた。谷津干潟にこれほどの数のムナグロが入るのは珍しい)
○ダイゼン               22羽(夏羽個体も見られた)
○トウネン               42羽(夏羽個体が多かった。主として干潟東側)
○ニシトウネン             1羽(干潟東側のトウネン群中で採餌していた。ほぼ夏羽となって、ノドが白いことなどニシトウネンの特徴を確認できた)
○ミユビシギ              1羽(換羽中個体。干潟西側のハマシギ群中に見られた) 
○キョウジョシギ           10羽(干潟中央部に多かった)
○オオソリハシシギ         67羽(主として干潟西側で見られた。夏羽個体も相当数見られた)
○チュウシャクシギ          1羽(干潟東側)
○オオヨシキリ             4羽(干潟周辺。比較的よく鳴いていた)
○アオジ                1羽(観察センター付近。♀であった)
 
以上


 <2002年4月28日>
 
※船橋海浜公園(7:10〜9:00)
 到着時は満潮を過ぎた潮の引き始め。干潟が広がるとともに堤防上などで休息していたシギ・チドリ類は干潟に次々と舞い降りてきた。ハマシギも2000羽以上と思われ、数的には多かったが、種類は少なめで、アジサシを今季初認したものの、ミヤコドリ、ホウロクシギなどは見られなかった。午前9時頃には干潟が広がるにしたがって鳥も散らばり探鳥困難になってきたことや潮干狩りの人出が多くなってきたことから早めに切り上げた。主なものは次のとおり。
 
○アジサシ               4羽(夏羽。コアジサシとともに干潟上で休息していた。今季初認)
○コアジサシ            102羽(個体数がさらに多くなっていた。堤防上に舞い降りたり、海上を群飛したりしていたが、干潟上でも休息した)
○メダイチドリ             59羽(夏羽個体が多かったが、数的には少なかった)
○ダイゼン              131羽(夏羽個体が多くなってきていた)
○トウネン               38羽(夏羽個体がほとんど)
○ニシトウネン             1羽(ほぼ夏羽の個体。昨日谷津干潟で確認した個体と同一と思われる個体であった) 
○ミユビシギ             178羽(換羽が進んでいるが、赤色を帯びた個体は少ない)
○オバシギ               3羽(ハマシギ群中。赤色斑のある夏羽個体は認められなかった。若鳥の小群と思われた)
○キョウジョシギ           104羽(個体数がさらに多くなっていた)
○オオソリハシシギ         248羽(午前8時前から正面干潟に次々に飛来し、採餌行動を取っていた)
○チュウシャクシギ          8羽(到着時には棒杭や堤防上で休止している個体が見られた。その後8羽の群が正面干潟に飛来したが、2羽を残してまもなく飛び去ってしまった)
 
 
※谷津干潟(9:40〜16:10)
 到着時は既に全体的に干潟が広がっていた。干潮後の潮位の上昇に伴なって谷津干潟内に集結するシギ・チドリ類を期待して探鳥した。しかし、午後1時頃にトウネンの群が飛来したのに続いて、午後3時頃にハマシギの小群(約20羽)が飛来したのみで、期待はずれに終わった。主なものは次のとおり。
 
○コアジサシ             46羽(干潟西側の澪筋で採餌行動を取っていた)
○チョウゲンボウ            1羽(午前10時過ぎに、茜浜方面から干潟上空に飛来し北方向に飛び去った)
○ツバメ                 2羽(干潟周辺)
○メダイチドリ             72羽(夏羽個体が多かった。干潟東側に集結した)
○ムナグロ                7羽(夏羽個体が多かった。干潟中央部から干潟東側にかけて見られた)
○ダイゼン                2羽(若鳥と思われる個体が午後3時過ぎに干潟西側で見られた)
○トウネン               23羽(夏羽個体が多かった。主として干潟東側)
○ニシトウネン             1羽(干潟東側のトウネン群中で採餌していた。ほぼ夏羽の個体で昨日と同一個体と思われた)
○キアシシギ              3羽(到着時は、2羽が干潟西側にいた。その後干潟東側で3羽が見られた。先週から確認されていたとのことであるが、我々は今季初認)
○オオソリハシシギ          1羽(干潟西側)
○チュウシャクシギ          4羽(干潟東側)
○オオヨシキリ             4羽(干潟周辺。よく鳴いていた)
 
以上


<2002年4月29日>
 
※船橋海浜公園(7:10〜9:50)
 昨日に続いて三番瀬で探鳥した。到着時は満潮を過ぎた潮の引き始め。午前8時を過ぎて干潟が広がるとともに堤防上や沖合棒杭などで休息していたシギ・チドリ類は干潟に次々と舞い降りてきたが、全般的には昨日と同様であった。約1時間経過した午前9時頃からは正面干潟から群が次々に飛び去ったが、市川方面や茜浜方面に向かう群は見られたものの谷津干潟方面に向かう群はほとんど見られなかった。午前10時前には正面干潟から鳥がほとんどいなくなってきたことや潮干狩りの人出が多くなってきたことから切り上げた。なお、沖合には約2000羽のスズガモの群が見られた。主なものは次のとおり。
 
○アジサシ              約40羽(沖合棒杭上。時々周辺海上を飛翔していたが、干潟には降りなかった)
○コアジサシ              38羽(干潟上で休息した数。周辺海上をかなり飛翔していたので、もっといたものと思われる)
○メダイチドリ            105羽(夏羽個体が多かった)
○ダイゼン               46羽(夏羽個体が多かった)
○トウネン               42羽(夏羽個体が多かった)
○ニシトウネン             1羽(ほぼ夏羽の個体。昨日確認した個体と同一と思われる個体) 
○ミユビシギ              87羽(夏羽個体も少し見られるようになってきた。カウント途中で飛ばれたので、もっといたものと思われる)
○オバシギ               2羽(ハマシギ群中。夏羽個体であった。昨日とは異なる個体と思われた)
○コオバシギ              1羽(ハマシギ群中。ほとんど冬羽の個体。三番瀬周辺で越冬した個体が留まっているものと思われる)
○キョウジョシギ            92羽(昨日同様多かった)
○オオソリハシシギ          83羽(昨日に比べると数が減少していた。沖合棒杭で休息していたようで、午前8時過ぎから正面干潟に次々に飛来した)
 
 
※葛西臨海公園(11:00〜16:00)
 本日は潮位が最も下がる日で、到着時は既に東渚沖合まで広大な干潟が広がっていた。午後1時過ぎまでは鳥類園周辺の探鳥を行い、それ以降は西渚の観察ポイントからの東渚探鳥を行った。午後3時頃からは、沖合干潟に散らばっていた水鳥類が東渚干潟に集結した。ミヤコドリが多数見られた他、シギ・チドリ類もハマシギ約330羽をはじめ多かった。本日は野鳥の会による東渚での調査が行われていた。なお、クイナ、ヒガラ、コイカル、サンショウクイなども見られたとのことであったが、我々は見れなかった。主なものは次のとおり。
 
○カンムリカイツブリ          1羽(夏羽、東渚周辺。スズガモ群中にいたが、午後3時頃には干潟に上がり不恰好な姿で身繕いしていた)
○アジサシ             約500羽(東渚。午後2時半頃から沖合いから次々に東渚干潟に飛来・休息し、ユリカモメ、コアジサシと群飛を繰り返した。午後3時頃にカウントしたところ約500羽であった)
○コアジサシ            約300羽(東渚。午後3時頃に東渚干潟で休息していた個体をカウントしたところ約300羽であった。東西渚間水路などでダイビングを繰り返して採餌していた)
○ミヤコドリ              44羽(東渚。午後2時半頃までは沖合干潟に散らばっていたが、その後東渚干潟に集結した。ここ数日連続して見られているとのことで、三番瀬の個体群が移動してきたものと思われる。当地での最大羽数と思われる)
○コチドリ                2羽(汐入池)
○メダイチドリ              1羽(東渚。ハマシギ・シロチドリ群中)
○ムナグロ               14羽(正午前に9羽の群が東渚側水路干潟に舞い降りてきたのが見れたが、この群は休む間もなく北方向に飛び去った。また、別の5羽は東渚干潟上で見られた)
○ダイゼン                3羽(東渚)
○キョウジョシギ            6羽(東渚)  
○アオアシシギ             1羽(汐入池)
○キアシシギ              2羽(東渚側水路干潟周辺)
○オオソリハシシギ          3羽(東渚)
○ダイシャクシギ            1羽(東渚)
○ホウロクシギ             1羽(東渚)
○チュウシャクシギ          24羽(東渚周辺の他、汐入池でも見られた)
○セイタカシギ             11羽(淡水池、汐入池の他、東渚側水路干潟にも群れていた)
○オオヨシキリ            約10羽(鳥類園周辺。よく鳴いていた)
○センダイムシクイ           1羽(鳥類園内、コナラの周囲を動き回り、時々囀っていた)
○キビタキ                1羽(♀1羽、鳥類園内。センダイムシクイ観察中にコナラ近くの低木に止まっているのを見ることができた)
○オオルリ                1羽(♂成鳥1羽。公園中央部付近)
 
以上。