アル・レオン

当コーナーの主旨に立ち返って考えてみるに、「普段映画を観ていると出ているあの悪役は誰だ?」という疑問に対して、痒い所に手が届くように知りたい悪役が紹介されていなければならないと思う。そう考えた時に、この俳優ほど皆さんが知りたいと思っているかどうかは別にして、「お〜、また出てるよ」と思っているはずの役者はなかなかいないんではないか。

この人の主な出演作を古い順にズラッと並べていくと『トワイライト・ゾーン』『ゴースト・ハンターズ』『リーサル・ウェポン』『ダイ・ハード』『ビルとテッドの大冒険』『グラマラス・ハンターズ』『ラピッド・ファイア−』『ダブル・ドラゴン』『シャドー』『エスケープ・フロム L.A.』『リプレイスメント・キラー』『Godzilla(ゴジラ)』等々。錚々たる出演作品である。特にジョン・カーペンターやアンディ・シダリス系の映画にはかなりの頻度で出演していたりするのだ。

ただし、あくまでも脇役であり、チョイ役ですぐ死んでしまったりするのだが、その風貌(ハゲ&ヒゲ)からとにかく目立つのである。そんな彼が派手に暴れていた映画を思い浮かべようと思ったんだが、どの映画でもそこそこ暴れているので「これ!」っていうのはなかなか選べない。だがその中であえて選ぶとすると、やはり『ゴースト・ハンターズ』ではないだろうか。カート・ラッセル達のトレーラーを挟んでチャン・シンというグループと大殺陣を展開するウィン・コンの特攻隊長(と言ってる訳ではないが)役は、この人の役者人生の中でも最も晴れがましい役だったのではないだろうか。『ラピッド・ファイアー』でもブランドン・リーと激戦を繰り広げていたが、ここではブランドンのヘボ詠春拳が炸裂しすぎていてアル・レオンの影が薄くなってしまった。残念。

俺はこの人の詳しいバイオグラフィは全く知らないのだが、スタントマン出身でいまだに様々な映画でスタントをしているらしい。そう言えば確かに身体の作りも動きもかなり良い。ただ惜しくらむはその容貌であろう。最後のボスとしての迫力と風格さえあれば、さらなるキャリアアップが望めるのではないだろうか。まずは髪型かな。