行政関係、例えば自治体や国会関連の選挙、または国勢調査や確定申告等のPRを目的に、バス車両に特別の垂れ幕が用意されることがあります。この手法は神奈川県下では必ず実施されますが、他の地方自治体に所属する路線バスでは、別の手段で掲示を行う、あるいは垂れ幕掲示がない場合があります。
選挙が実施されるとき、投票啓発を目的にバスに垂れ幕が掲示されます。
公職選挙法の規定により投票日から一定期間前に告示を行うことになっており、この告示日から投票日まで、路線バス車両に垂れ幕が掲示されます。告示期間は選挙によって異なります(国会議員、都道府県知事、政令指定都市首長選挙などは14〜20日間、地方自治体議会議員選挙は約10日間となります)。
選挙の種類と頻度については、おおよそ以下の分類となります。
選挙の種別 | 頻度 |
統一地方選挙 (各自治体の首長および議会議員の選挙) |
原則4年に1回 次回は2011年4月の予定 |
市町村長、都道府県知事選挙 | 原則4年に1回だが、任期途中の交代があり得るため、実施時期は不定 また、統一地方選挙に同時実施することもある。 |
衆議院議員選挙 | 原則4年に1回。ただし、任期途中の解散があるため、実施時期は不定 |
参議院議員選挙 | 任期途中の解散はないため、3年に1回 (議員の任期は6年であるが、3年ごとに定員の半数を改選) 次回は2013年7月の予定 |
また、補欠選挙が施行された場合も、実施地区限定で垂れ幕を掲示することがあります。
垂れ幕については、選挙毎に異なるデザインのものが作成されています。
2002・横浜市長選挙PR垂れ幕 |
2002年3月31投票日の、横浜市長選挙のPR垂れ幕です。この垂れ幕は横浜市内限定で、3月18日から31日まで掲示されました。
横浜出身のタレントの写真が掲載され、選挙PRに一役かっていた模様です。
2003・統一地方選挙垂れ幕 |
2003年4月13日投票日の統一選挙PR時の垂れ幕です。県知事選挙の告示日である2003年3月28日から4月13日まで掲示されていました。
この車両には統一地方選挙の全面広告が施されており広告中にはモデルの写真も垣間見えますが、垂れ幕に関してはシンプルなものになっています。
2007・統一地方選挙垂れ幕 |
2007年4月8日投票日の統一選挙PR垂れ幕のうち、横浜市内のバスで掲示されたものの写真です。
2003年のものと比べて、「選挙」の文字が目立つデザインとなっています。
2003・衆議院議員選挙垂れ幕 |
2003年11月9日投票日の第43回衆議院議員選挙PR時の垂れ幕です。
この選挙では、垂れ幕のサイズが一回り小さくなっています。垂れ幕掲示の際、車両によってナンバーが見え隠れすることもあり、このサイズは適していると個人的には考えています。
この垂れ幕は神奈川県内共通仕様のもので、営業所が横浜市や川崎市以外のところにあるか、所轄路線が複数の市町村にまたがっている営業所のバス車両に装着されます。
2004・参議院議員選挙垂れ幕 |
2004年7月11日投票の参議院議員選挙PR時の垂れ幕です。「参議院選挙」を強調したスタイルとなっています。
この垂れ幕は横浜市内の営業所に所属するバス車両が装着していたものです。神奈川県内にある営業所のうち、横浜、川崎市以外に所属する営業所のバス車両に関しては、一つ上の項で説明した神奈川県共通仕様の垂れ幕が引き続き採用されています。
2007・参議院議員選挙垂れ幕 |
2007年7月29日投票の参議院議員選挙PRの垂れ幕です。
この選挙で、横浜や川崎の市営バスのみ独自の垂れ幕が用意されましたが、県内の民営バスに対しては、横浜市、川崎市内に拠点を構える営業所の車両に対しても、「神奈川県選挙管理委員会」の文字が入った垂れ幕が提供されました。
7月下旬から8月上旬まで夏の輸送安全総点検運動が行われ、2007年3月中旬からICカード乗車券PASMOのPRが続いていることもあって、選挙期間中は写真のように3枚の垂れ幕(選挙、交通ルール、PASMO)を掲示するバス車両もありました。
選挙以外にも、いくつか掲示例があります。
国土交通省関連垂れ幕 |
国土交通省主催の「自動車点検整備推進運動」に関する垂れ幕です。
この運動に協力する国内のバス事業者の車両に掲示されています。該当する事業者は全国に渡るため、全国至るところで見られるようです。
2005・国勢調査垂れ幕 |
2005年実施の国勢調査PRの垂れ幕です。
国勢調査は5年に1回、国が人口や世帯に関する調査を行う一大行事で、 10月1日付けで調査が行われるため、9月はじめから調査票回収期限の10月上旬まで、バスに垂れ幕が掲示されます。
但し、2005年に限っては9月11日に衆議院選挙が行われたため、掲示開始は選挙終了後となり、例年より若干遅めでした。
富士山ナンバーPRバスマスク |
2008年11月4日に交付開始された「富士山ナンバー」をPRするバスマスクです。
このバスマスクは静岡県限定で導入され、富士山ナンバーが交付される静岡県の対象地域(富士市、富士宮市、裾野市、御殿場市、小山町など)に路線を構える富士急バスの一部車両に2008年10月頃から掲示されました。
ナンバー交付開始後、対象地域内の営業所に在籍する富士急グループのバスは順次富士山ナンバーに変更されました。但し、富士急シティバスに関しては対象地域内(裾野市、御殿場市、富士市)に路線があるものの、車庫は対象地域外の沼津市にあるため、富士山ナンバーに変更されませんでした。