• 排水量・・・・８４０／１０７０トン（水上／水中）
• 速力・・・・・1９ノット／９ノット（水上／水中）
• 53.3センチ発射管6門（艦首４門、艦尾２門）
• 56口径100�o砲×１、46口径45�o砲×１

キットはデカールにＳ５６というマーキングが入っていることで、１９３９〜４０年にかけてウラジオストックのダルゾボ造船所で建造された「Ｓ５６」をモデル化したと思われる。Ｓ５６は１９４２〜４３年にかけて、他の６隻とともに太平洋艦隊から太平洋〜パナマ運河〜大西洋〜バレンツ海という長大なルートで北方艦隊に異動した。その後北極海で活動し、１９５０年にはシベリアルートで太平洋艦隊に復帰し、ここで解役された後、ウラジオストックで陸揚げされて現在では「潜水艦博物館」となっている。

• キットは他のポリテク製と同様のもので、ボール紙２つ折りパッケージにビニール袋入り。ロシア語オンリーの説明書だが、バルト海、黒海、北海艦隊のカラー塗装図が付いている。また、このポリテクニカ・オリジナル版以外に、ズベズタがアンコールと提携して発売されたソビエト潜水艦３種セット（本艦のほか、デカブリスト級、スターリネッツ級の３隻）が発売されている。こちらのほうがコストパフォーマンスがよく、デカールも格段に優れているので、３隻とも作りたい人にはおすすめだ。艦体はいかにもドイツの設計といった感じのスリークなラインを持ち、このシリーズの中ではいちばん合いがいい。

• 艦体が上記のように比較的ラクなので、あとはセイルの接合さえしっかりやれば比較的手はかからない。小物パーツは相変わらずの出来なので、すべてエレールのＵボートやＬＳＴ／ＬＣＴから流用すること。具体的には潜舵、推進器系、砲。艦首の防潜網カッターは貧弱なので、作例では糸鋸の刃で作り直している。とはいえ、これだと今度はちょっと大きすぎる感じ。金工用の刃の細かいのあたりが最適だろう。潜望鏡、マストのたぐいはすべて金属線で自作し、手すりや張り線をすると見栄えがよくなる。
• デカールは例によってアンコール版のものを流用した。

• 当時のソビエト潜は作戦海域や季節によってその塗装は異なるが、ここでは一般的な下面＝艦底色、上面＝ダークグレーで仕上げてみた。なお、ウラジオストックで記念館として置かれているＳ56は、艦底がグリーンに塗装されているので、この状態に仕上げるのがいいかもしれない。

項　目　名	内　　　　　　容
ジャンル	ＷＷ２　潜水艦
名　　称	ソビエト海軍潜水艦スターリネッツ（Ｓ）型「Ｓ５６」
メーカー	ポリテクニカ／ズベズタ／アンコール
スケール	１／４００
マーキング	各部の記号など（オリジナル版は印刷状態悪し）
モールド	表面は荒いが一応モールドはある。小物は自作か流用が前提
スタイル	ドイツ流のスタイルをよく捉えている。ＩＡ型を作るベースにもなるか？
難　易　度	流用前提なら比較的ラクなほう
おすすめ度	ドイツ潜水艦好きにもとりあえずおすすめ
コメント	このシリーズで最後に完成。着手からシリーズ完成までまる４年、本当に手が遅いという感じ。