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特別企画【佐山雅弘からのリクエスト】
M's(マサちゃんズ)で聴きたいJAZZ Standardを教えて!
集計結果
(2004年8月17日サイト掲載)
曲へのコメント/佐山雅弘
この企画は、M'sの3rdアルバム(オリジナルなし・スタンダードのみ)作成にあたり、ファンはどんな曲を聴きたいと思っているのか知り選曲の参考にしたい、との佐山さんの要望により2004年6月にファンサイトにて行いました。その結果をお伝えしたところ『ひとつひとつのリクエストの背景に深読みできるいろんな要素があるので』と全曲にコメントを書いてくださり、集計結果とあわせてサイト掲載の運びとなりました。
同時期にライブ会場でも同様のアンケートが実施されていたため、この結果が必ずしもM's 3rdアルバム収録曲に反映されたわけではありませんが、思いがけずいただいたこれらの文章は、大切な宝物です。(2005.10.17)
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※一部、リクエスト曲と共に寄せられたコメントも掲載しています。なお、文章の無断転載・引用は固くお断りいたします。
 
3票
■Satin Doll
この曲が名曲たる所以は沢山の要素があるけれど、なんといっても凄みを感じるのは、一曲を通じてメロディが5度の幅だけで出来ていること。ジャズボーカルでも、始めるならこの曲からでしょうね。音域が狭くてすむからどんなキーでもどんなアレンジでも歌える。それだけに難しいんだけどね。鮒(フナ)に始まり鮒に終わる、みたいな。
 
2票
■On Green Dolphin Street
20才の頃、友達のうちに泊りがけで遊んでいてキャノンボール・アダレイのコピーをした。曲のよさより、アドリブのアプローチに採譜が進むに連れて陶然とした。
いるか通り、というイギリスの架空の町を舞台にした三角関係ドラマに、当時のオーストラリア大地震のドキュメントフィルムを挟んで作った映画のテーマ曲だそう。
一つのドキュメントフィルムから、それを使う一本の映画を作っちゃうところも凄いけど、ストリングスで滔々と悠長に流れる曲をビバッピーなアドリブ素材にしちゃって、セッションの定番になっていくところに当時のジャズミュージシャンの凄みを感じる。
■round midnight
先日ソロでやったビデオを見返したら、全く翳りのない演奏。弾いてるときはそんな意識はないし、けっこうモンクの世界に浸ってるんだけど、才能なかったのねぇ、って感じ。
モンクが作った時のタイトルはラウンドアバウトミッドナイト。ランバート・ヘンドリックスが歌詞をあとからつける時にどうしても字数が合わなくて、about を抜いたんだそうです。スタンダードを演奏する時には必ず歌詞を参照するものだけれど、こういう経緯も知っておく必要がありますね。歌詞最優先説が必ずしも正しいとはいえない例。
参考>>映画「真夜中まで」Original Soundtrack/2001.6.27発売/TOCJ-66110
■In the Mood
グレンミラー物語は、僕にとってジャズと出会った記念すべき作品。そのうちグレンミラー集でも出したいね。
■酒とバラの日々
こらはまさにM'sのアレンジを待ってる曲でしょう。近々レパートリィにしましょう。
■caravan
デュークエイセスと雪村いずみさんとのコラボレーションが好きだった。吉田美奈子+ポンタボックスのバージョンも楽しかった。サビのメロディがジャズバージョン(つまりオリジナル)とベンチャーズバージョンが違うんだけれど、ベンチャーズのほうが最早一般化していて興味深い現象。
参考>>PONTA BOX meets YOSHIDA MINAKO/1998.12.19発売/VICJ-60248
■Just One Of Those Things
大野エリと組んでた時によくやってた。彼女のCD、その頃はまだLPだった気もするけど、それはハンク・ジョーンズがやってて隠れた名盤です。別に隠れてないんだけど、日本製だとついそういう表現になってしまいますね。気持ちが負けとるなぁ。
 
1票
■moanin'
三木俊雄、松島啓二の2管でやったのは楽しかった。ある意味ジャズのジャズっぽい楽しさは、2〜3管編成のコンボ、ブレイキースタイルに集約される気がしますね。
■a night in tunisia
ベースラインが特徴的。今になってそのサウンドを志向してマイクなしでやる人も多
いが、あの時代は今ほどベースをくっきりとPAしてなかった。なのに一生懸命音楽に対してまじめに、手抜きしないでえんえんと弾く姿に感動する。コルトレーンバンドの
マッコイ・タイナーとかね。客の耳や集中力も格段に良かったんだろうけど。
■I don't know what kind of blues I've got
この曲知らなかったです。やがて勉強することもあるでしょうか。
■灯りほのか
これは、 I'm begining to see the light (Ellington)だと僕は勝手に思ってたんですが、メンバーに諮ったところ、この邦題の曲がちゃんとあるそうですね。不勉強ですみません。
■星影のステラ
いつかチャレンジしなきゃいけないレパートリィです。というのはキース・ジャレットのスタンダーズの演奏アプローチがとても好きで、またピアノトリオの最終形だろうと考えてるところもあって、何かの曲をとりあえず演奏するときにはそのイメージを使うことが多い。またそうするとまずはうまくことが運ぶんですね。
ステラとかマイロマンスなんかはその演奏法が効を奏する典型的な曲で、それだけに、ライブで突然始めるのはいいけれど、正面切ってレパートリィにするにはそれではね、、、。いずれ近いうちチャレンジします。でもライブのキースっぽさも捨てがたいので、そちらに取っておく、ということもありだね。そのテの曲にオールザシングスユーアーもあるんだけど、今回M'sアレンジしてみました。却下になったけど、、、。
■dear old stockholm
大元は知らないけど、マイルスの名盤”ラウンドミッドナイト”での演奏が有名ですね。アドリブの入り口のリズムアレンジを、今回のレコーディングではyou and the night and the music に大坂昌彦が応用アレンジしました。
■My foolish heart
>ビル・エバンス・トリオの名演と聞き比べてみたい。
だからそれが困るんだって、、、。さっきのステラと一緒で、この曲って言ったらやっぱりあの演奏、あの音色が聴こえてきちゃうもんね。やがてチャレンジする日も来る、、、、、、かな???
■How high the moon
僕も大好き。ストラトフォードシェイクスピアジャズフェスティバルのオスカー・ピーターソントリオ、という寿限無みたいに長い名前のアルバムに、い〜い感じのミディアムブルースフィーリングの演奏があって、ああいうスイング感は夢に見る。
■My Funny Valentaine
これには3人とも興味をそそられた。今回はアイデアが煮詰まらなかったので見送りました。
参考>>MEMORIES OF BILL EVANS/1999.12.16発売/VICJ-60538
■How deep is the Ocean
これは知ってはいるけど、僕個人としてどうも触手が動かないんですよ。グッドバイとかスプリングイズヒアとかとともにですね。何でしょうね。ここをきっちり分析すると、長所短所についてなにか明らかになるかもしれない。
■peri's scope
やります、やります。新レパートリィの中でも実演奏経験がたっぷりだから、結構期待している。乞御期待。
■Left Alone
高校生の時にマルウォルドロンのソロを見に行った。当時は聞きながら煙草が一般的に当たり前だったので”今日はヤマハホールですから禁煙にさせていただきます”とのアナウンスにブーイングが起こったのだがマルさん、ステージに上がって弾き出す前にまず一服されたので大受けだった。その前から勿論、オールアローンとレフトアローンは愛聴盤。人気も高いし是非入れたかったので、アレンジをあれこれ考えていた。今回レコーディングします。どんなアレンジと演奏になるか、お楽しみ。
■クレイジーリズム
知らない。ごめん。
■エアジン
ロリンズのとてもよく出来たアドリブが止まらなくなるような曲ですね。初期M'sでは有名曲のチェンジでオリジナルを作る、ということを積極的にやっていて、作品は20曲は超えるんじゃないかなぁ。その中でエアジンを僕がジャズワルツにしたのがある。それらのタイトルは元の題名をさかさまにしてつけることにしていた。
stellaだとallets、アレッツになるわけ。ところがこのエアジンはもともとがナイジェリアを逆さ読みしたものだからそれをさかさまにするとそのままナイジェリアになる。思い出せないなぁ、なんかタイトルつけてたはずだが、、、。
■ウンポコローコ
ジャズにラテンを取り入れた初期の作品というのはエルビス初期のエイトビートと同じで、あの中途半端さ自体が独特のノリで、僕はまだ会得しきれないでいるんですよ。椎名豊なんかがうまいんじゃないかなぁ。
■Well You Needn't
モンクの諧謔に潜む根源的なセンチメンタリズムやユーモア(人間性という意味での)にいつかは到達したいものです。
それを別にしてもWell You Needn'tはいつやっても燃えられる曲ですね。
■セント・トーマス
ロリンズは規制の文体をいったんばらばらにしてしまって、そのばらばらになった同じ要素だけを使ってまったく別のテキストを生み出してしまう。そのための元の文脈自体も自ら作ったのが先述のエアジンや、このセントトーマス。チェンジはあれど楽式としてはワンコードものに類する。実は佐山雅弘、ワンコードが不得手。
■イパネマの娘
レコーディングします。面白いアレンジになってますよ〜。
■Danny Boy
メロディをメロディとして淡々と奏でると、巧まずして年輪が浮き彫りになって感動を呼ぶ。そういう境地がありますね。僕はまだだし、そこに行きたくない気もしているのだけれど。Danny Boyはそういう心境にとても向いてる曲だと思う。松本英彦さんのダニーボーイがいつ聴いてもたまらなくよかった。
■Smile
スマイル、とカタカナにしたら4つの音。英語の歌だと一音節、というのに感動した覚えがある。それはともかく、いい曲だし、元が単純なコード進行だけに料理のやり甲斐がありそう。いずれチャレンジだね。
■スピーク・ロウ
このスピーク・ロウとか夜は千の目を持つとか、フォービートとラテンリズムを行き来する曲はジャズの1典型で、部活としてはひとつふたつのレパートリィがほしいところ。勿論元々の曲は、悠長なストリングアレンジの映画曲であることが多い。これからやるとしたら、一番もとの形に一回立ち返ってメロディと基本和声だけのハダカ骸骨状態にしてあらためて肉付けする、という作業になるだろう。
■Like it is
これもしらんなぁ。すまないねぇ。
■いつか王子様が
これはかならず面白くなるでしょうね。ディズニーの曲がマイルスのあの演奏になり、ビル・エバンスのあの名盤になるんだからジャズってやっぱりすごいよね。
■LULLABY OF BIRDLAND
つい先日のソロコンサートで昼夜続けてリクエストをうけたので、ちょっとマジに考え込んで、アレンジしてみてM'sにかけたところなかなか良かった。レコーディングします。
参考>>PONTA BOX meets YOSHIDA MINAKO/1998.12.19発売/VICJ-60248
■AS TIME GOES BY
教則ビデオで取り上げたことがあるね。実演奏としてもいずれはレパートリィにしたいが、やっぱりソロ向きかな。
■ON A CLEAR DAY(晴れた日に永遠が見える)
うん、これはM's向きだよね。小井か大坂に頼んでみよう。
■COME RAIN OR COME SHINE
これもそそられる名曲ですね。哀愁があって希望があって。考えてみるとビル・エバンスという人は歌にすごく造詣と愛情があって、自己表現をインストルメンタル、それもピアノトリオに集約していった人なんだね。唯一の歌との共演。
モニカ・セッテルランドのアルバムでは歌版と自分のスタイルの見事な融合というか到達点を見せているんだけど、その後にそのスタイルがないということは、やはり出し切れないものを感じたのかもしれない。その辺、詳しい話がききたいところですね。
■自由への賛歌
ヒムフォーノーバディでビッグホーンズビーと、ゴールドベルク変奏曲ではアンコール(ソロ)で入れてる。この曲とそれを弾く僕の演奏をすごく愛してくれていた叔父が先ごろ亡くなって、遺体の前で弾いた時はさすがに万感胸に迫るものがあった。折に触れて引き続ける曲でしょう。
参考>> HYMN FOR NOBODY/1995.1.21発売/VICJ-210
佐山雅弘 Plays ゴールドベルク/2004.3.24発売/VICJ-61175
■ワルツフォーデビイ
これもねぇ、キースの話と一緒で、ビル・エバンスのあの雰囲気にしかならない、というか、あれにしないとこの曲にならないでしょう。タマのナマに限る、かな、、、。
参考>>PONTA BOX meets YOSHIDA MINAKO/1998.12.19発売/VICJ-60248
■When You Wish Upon A Star
歌詞を完全に覚えないと立ち向かえない曲というのがあって、これはその代表曲だね。その意味では今んとこ歌とやるほうが好き。
■Everybody Love Somebody
いい曲ですよ。王道の5度クリシェというのを使っているんだけど、同じ手法でスティービーのフォーワンスインマイライフが出てからは、インストの素材としてはそちらに座を譲っている感がありますね。
■Last Tango in Paris
どんな曲やったかなぁ。
■Walked in BAD
モンクのところ参照。
■Mean to me
まだ(大学に)学籍があった頃、付き合っていた宮野さんというアルトの人がこのテのミディアムが抜群だった。当時全くそのゆるさに興味のなかったのは勿体無い気もするが、人それぞれの進路というものだろう。今はそこそこ上手になったから、僕なりのゆるやかさも開発したいところかも。それともM's流にきっつーいアレンジものにしちゃうかね。
■ACTUAL PROOF
最近、若目の人たちのセッションでよくかかっているらしいことをTOKUからきいて今度やってみようか、と話してます。
スペインがしょっちゅうセッションでかかってた時期があって、それはジャズミュージシャンのコンセンサスが広がっていいことなんだけど、ジャンルとしてはせばまるわいなぁ、などと思っていたもんだ。アクチュアルプルーフまでくるともう来るところまで来た感じがするね。
■Bluesette
松田昌とよく演奏する。彼のピアニカは世界一でしょう。早く本格デビューして欲しい。
参考>>松田昌 音楽生活30周年記念コンサートin 岡山[DVD]/2004.1.12発売
■マイルストン
モードは今後のテーマとして大きいね。モードについて漠然と拒否感を持っているんだけど、一度きっちり突き詰めて考えてみたいとは常々思っています。
■Goodmorning Heartache
調性感が難しい曲で歌伴やるたびに悩んでましたが、杉本喜代志さんとインストでやったときに目ウロコが来た。ギターに向いてる気がするんだけどなぁ。大村憲司さんとやってみたかったなぁ。
■SPEAK LIKE A CHILD
大大大好きです。それだけにじっくり自分のものにしてからでないとね。天野清継が、客入りまえに一人でポツリと弾いていたのがすごくよかった思い出もある。
■テイク5
■Take the A train

>合わせ技は楽しいのですが、単に原曲をマサちゃんズの演奏で聴いてみたい気もします。
やってみたいけど、可能性はひくいかなぁ。別セッションではよくやるけどね。
■サンバの曲
■ドラムをフィーチャーした曲

>曲名は浮かびません…すいません。サンバというか、熱い大坂さんあまり見ないので
>「大坂昌彦野獣になるアレンジ」が聴きたいかな、と思います。

TOKUと川嶋の2管をのせた時の大坂昌彦の煽り方たるや鬼気迫るものがありますね。ピアノトリオでそこまでの演奏が可能なものかどうか。本人に今度聞いてみよう。
 
この他に「MY FAVORITE THINGS」とのリクエストがありましたが、この曲はすでにM'sでレコーディングされているので、管理人判断ではずしました。ご了承ください。
参考>>M's 2nd/2003.8.21発売/VICJ-61140
 
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